説明

高含有量の電解質および所望により相安定剤を含む、透明または半透明の水性布地柔軟化組成物

【課題】高含有量の電解質および相安定剤を含む透明または半透明の布地柔軟化剤組成物を提供する。
【解決手段】透明または半透明の布地柔軟化剤組成物は、布地柔軟化剤化合物、主要溶剤系、および高レベルの電解質を含んでなる。高レベルの電解質により、より広い範囲の主要溶剤を使用することができ、低レベルの主要溶剤を使用した時の粘度増加が小さくなる。主としてエトキシル化疎水性材料である相安定剤を使用し、必要な主要溶剤の量を下げ、最高レベルの電解質の存在下で組成物を安定化させることができる。特殊な相安定剤により、柔軟性付与特性の改良を包含する利点がさらに得られる。特殊な電解質により優れた結果が得られる。主要溶剤および/または相安定剤を柔軟化剤化合物に加えることにより、化合物の粘度/取扱い性および完成した組成物を作り出す能力が向上する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、特殊な透明または半透明の布地柔軟化剤組成物に関する。特に、以下に説明する様に、希釈粘度特性を与える、および/または主要溶剤を少なくする、および/または追加使用できる様にするために、高レベルの電解質を使用し、透明または半透明の液体組成物を製造する。所望により、ただし好ましくは、本組成物は、所望により使用する相安定剤、例えば非イオン系、エトキシル化陽イオン系、等の界面活性剤を含み、特性を改良することもできる。
【0002】
発明の背景
エステルおよび/またはアミド結合した布地柔軟性付与活性成分および特殊な主要溶剤を含む濃縮透明組成物は、ここに参考として含める、米国特許第5,759,990号明細書、1998年6月2日にE.H. Wahl 、H.B. Tordil 、T. Trinh、E.R. Carr 、R.O. Keys 、およびL.M. Meyerの名前でConcentrated Fabric Softening Composition With Good Freeze/Thaw Recovery and Highly Unsaturated Fabric Softener Compound Thereforeに関して公布、および米国特許第5,747,443号明細書、1998年5月5日にWahl、Trinh 、Gosselink、Letton およびSivik の名前でFabric Softening Compound/Composition に関して公布、に記載されている。該特許中の布地柔軟化剤活性成分は、好ましくは生物分解性のエステル結合した物質であり、不飽和鎖を有する長い疎水性基を含む。類似の透明布地柔軟性付与組成物が、ここに参考として含める国際特許第WO97/03169号明細書に記載されているが、これは、該特殊な主要溶剤を使用する液体布地柔軟性付与組成物の製造を開示している。
【0003】
主要溶剤/柔軟化剤の比を臨界点より下げると、水中に希釈した時に布地柔軟化剤組成物の粘度上昇および/またはゲル化が起こることがあるが、このために、布地の染形成が増加し、機械に取り付けた、および機械から独立した投入装置に残る残留物が増加し、布地柔軟化剤活性成分の付着性が低下し、布地柔軟化剤活性成分の付着が不均一になることから、性能が悪影響を受ける。この臨界比は溶剤毎に異なるが、一般的に、ゲル化が起こる溶剤/柔軟化剤の比は、水と比較的混和し難い溶剤 対 水と混和し得る溶剤に関して高いと考えられている。希釈によるゲル化および/または粘度増加は、(布地柔軟化剤組成物と水の)約1:1〜約1:5の希釈比で起こる場合に特に問題になるが、これは、多くの消費者が布地柔軟化剤組成物をこれらの比で予備希釈する習慣になっているためである。この習慣は、典型的であり、多くの洗濯機製造業者により、洗濯機と共に供給される自動投入装置を使用する消費者に推奨されている。希釈による布地柔軟化剤の粘度増加またはゲル化は、その希釈が消費者または機械により行なわれる予備希釈であっても、あるいは希釈が、濯ぎサイクルの際に、消費者により、装置により、または機械により、濯ぎ水の中に投入されることにより行なわれても、布地柔軟化剤組成物の濯ぎ水の中への分散に悪影響を及ぼし、布地の染形成を含む性能低下を引き起こすことがある。
【0004】
発明の概要
本発明の透明または半透明の液体布地柔軟化剤組成物は、
A.組成物の約2〜約80重量%、好ましくは約13〜約75重量%、より好ましくは約17〜約70重量%、さらに好ましくは約19〜約65重量%の、以下に説明する布地柔軟化剤活性成分、より好ましくは生物分解性布地柔軟化剤活性成分(5%未満の有機溶剤または水を含む柔軟化剤活性成分または活性成分の混合物の相転移温度は、好ましくは50℃未満、より好ましくは約35℃、さらに好ましくは約20℃未満、さらに好ましくは約10℃未満であるか、または不定であり、以下に記載する様に示差走査熱量測定により測定して−50℃〜100℃の範囲内で重大な吸熱相転移が無い)、
B.少なくとも有効量の、典型的には組成物の約40重量%未満、好ましくは約1〜約25重量%、より好ましくは約3〜約10重量%の、以下に規定する様にClogPが約−2.0〜約2.6、より好ましくは約−1.7〜約1.6、さらに好ましくは約−1.0〜約1.0である主要溶剤、
C.組成物の約0.5〜約10重量%、好ましくは約0.75〜約2.5重量%、より好ましくは約1〜約2重量%の、以下に規定する電解質、
D.所望により、ただし好ましくは、組成物の0〜約15重量%、好ましくは約0.1〜約7重量%、より好ましくは約1〜約6重量%の相安定剤、好ましくはアルコキシル化を含み、好ましくはHLBが約8〜約20、より好ましくは約10〜約18、さらに好ましくは約11〜約15であり、より好ましくは以下に記載するような界面活性剤、および
E.残りの部分を構成する水
を含んでなる。
【0005】
透明または半透明の液体布地柔軟化剤組成物は、所望により、
(a)所望により、ただし好ましくは、0〜約15%、より好ましくは約0.1〜約8%、さらに好ましくは約0.2〜約5%の香料、
(b)主要溶剤エクステンダー、
(c)陽イオン系電荷増進剤(booster)、
(d)他の所望により使用する成分、例えばブライトナー、化学安定剤、酵素、汚れ遊離剤、殺菌剤、キレート化剤、シリコーン、色保護剤、および
(e)それらの混合物
も含むことができる。
【0006】
好ましくは、本発明の組成物は、水性の、半透明または透明、好ましくは透明の組成物であり、約10%〜約95%、好ましくは約20%〜約80%、より好ましくは約30%〜約70%、さらに好ましくは約40%〜約60%の水を含む。これらの製品(組成物)は、通常、主要溶剤B無しでは半透明または透明ではない。
【0007】
主要溶剤および/または電解質のレベル、並びに主要溶剤自体は、柔軟化剤のレベルおよび柔軟化剤自体に関連する。柔軟化剤のレベルが高い程、驚くべきことに、透明で安定した組成物を与える主要溶剤、電解質、および相安定剤のレベルおよび種類の選択の幅が大きい。電解質および相安定剤は、典型的には、所望の結果が得られる最低レベルで使用する。
【0008】
組成物、特にエステル結合を含んでなる好ましい柔軟化剤活性成分を含む組成物、のpHは約1〜約5、好ましくは約2〜約4、より好ましくは約2.7〜約3.5にすべきである。
【0009】
発明の詳細な説明
A.布地柔軟化剤活性成分
柔軟性付与組成物中の柔軟性付与化合物(活性成分)の典型的な配合レベルは、組成物の2〜80重量%、好ましくは5〜75重量%、より好ましくは15〜70重量%、さらに好ましくは19〜65重量%であり、好ましくは以下に記載するように生物分解性である。
【0010】
以前に米国特許第5,759,990号明細書、1998年6月2日にE.H. Wahl 、H.B. Tordil 、T. Trinh、E.R. Carr 、R.O. Keys 、およびL.M. Meyerの名前でConcentrated Fabric Softening Composition With Good Freeze/Thaw Recovery and Highly Unsaturated Fabric Softener Compound Thereforeに関して公布、および米国特許第5,747,443号明細書、1998年5月5日にWahl、Trinh 、Gosselink、Letton およびSivik の名前でFabric Softening Compound/Composition に関して公布、に記載されている様に、不飽和であるか、または分岐したアルキル鎖を含む柔軟化剤活性成分は、透明または半透明の水性布地柔軟化剤組成物に特に好適であることが分かっている。柔軟化剤活性成分の、本発明の組成物に対する適性を示す特性は、相転移温度である。好ましくは、5%未満の有機溶剤または水を含む柔軟化剤活性成分または活性成分混合物の相転移温度は50℃未満、より好ましくは約35℃未満、さらに好ましくは約20℃未満、さらに好ましくは約10℃未満であるか、または不定であり、−50℃〜100℃の範囲内で重大な吸熱相転移が無い。
【0011】
相転移温度は、Mettler TC 10A Processorを備えたMettler TA 3000 示差走査熱量測定装置で測定することができる。
【0012】
柔軟性付与化合物は、陽イオン系、非イオン系、および/または両性の布地柔軟性付与化合物から選択することができる。典型的な陽イオン系柔軟性付与化合物は、以下に規定する第4級アンモニウム化合物またはそのアミン前駆物質である。
【0013】
好ましいジエステル第4級アンモニウム布地柔軟性付与活性化合物(DEQA) (1)第一の種類のDEQAは、好ましくは主要活性成分として、下記の式を有する[DEQA(1)]化合物を含んでなる。
【0014】
{R4−m−N−[(CH−Y−R}X
式中、各R置換基は水素、短鎖C〜C、好ましくはC〜Cアルキルまたはヒドロキシアルキル基、例えばメチル(最も好ましい)、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、等、ポリ(C2−3アルコキシ)、好ましくはポリエトキシ基、ベンジル、またはそれらの混合物であり、各mは2または3であり、各nは1〜約4、好ましくは2であり、各Yは−O−(O)C−、−C(O)−O−、−NR−(O)C−、または−C(O)−NR−であり、各R中の炭素の合計(Yが−O−(O)C−または−NR−(O)C−である場合は+1)はC12〜C22、好ましくはC14〜C20であり、各Rはヒドロカルビル、または置換されたヒドロカルビル基であり、Xは、柔軟化剤と相容性があるすべての陰イオン、好ましくは塩化物、臭化物、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、硫酸塩、および硝酸塩、より好ましくは塩化物またはメチル硫酸塩である)(ここで使用する様に、特定のR基を含む「柔軟化剤活性成分の百分率」は、存在する総R基に対する特定R基の百分率に基づく総活性成分の百分率に基づいている)。
【0015】
(2)第二の種類のDEQA活性成分[DEQA(2)]は、下記の一般式を有する。
【0016】
[RCHCH(YR)(CHYR)] X
式中、各Y、R、R、およびXは上記と同じ意味を有する。その様な化合物は、下記の式を有する化合物を包含する。
【0017】
[CH](+)[CHCH(CHO(O)CR)O(O)CR]Cl(−)
式中、各Rはメチルまたはエチル基であり、好ましくは各RはC15〜C19である。ここで使用する様に、ジエステルを指定する場合、それは存在するモノエステルを含むことができる。存在し得るモノエステルの量は、DEQA(1)における量と等しい。
【0018】
これらの種類の物質およびそれらの一般的な製造方法は、ここに参考として含める米国特許第4,137,180号明細書、Naik et al. 、1979年1月30日公布、に記載されている。好ましいDEQA(2)の例は、式塩化1,2−ジ(アシルオキシ)−3−トリメチルアンモニオプロパンを有し、アシルが、以下に記載するFAのアシルと同じである、「プロピル」エステル第4級アンモニウム布地柔軟化剤活性成分である。
【0019】
本発明の好ましい透明布地柔軟性付与組成物は、必須成分として、組成物の約2〜約75重量%、好ましくは約8〜約70重量%、より好ましくは約13〜約65重量%、さらに好ましくは約18〜約45重量%の、下記の式の柔軟化剤活性成分を含む。
【0020】
[RC(O)OC(R)4−m
式中、化合物中の各RはC〜C22ヒドロカルビル基であり、好ましくは以下に記載するシス/トランス比を有する対応する脂肪酸のIVに由来する約70〜約140のIVを有し、mは、化合物のすべての混合物で重量平均で1〜3の数であり、化合物中の各RはC1−3アルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、mおよびヒドロキシエチル基であるR基の数の合計が3に等しく、Xは柔軟化剤と相容性がある陰イオン、好ましくはメチルサルフェートである。好ましくは、(C18:1成分の)脂肪酸のシス/トランス比は、少なくとも約1:1、好ましくは約2:1、より好ましくは3:1、さらに好ましくは約4:1、またはそれ以上である。
【0021】
これらの好ましい化合物、または化合物の混合物は、(a)Hunter「L」透過率が少なくとも約85、典型的には約85〜約95、好ましくは約90〜約95であり、より好ましくは、可能であれば約95を超える、(b)使用条件下で非常に低い、比較的検出し難いレベルの、酢酸イソプロピル、2,2’−エチリデンビス(オキシ)ビスプロパン、1,3,5−トリオキサン、および/または短鎖脂肪酸(炭素数4〜12、特に6〜10)エステル、特にメチルエステル、からなる群から選択された臭気化合物を有する、または(c)好ましくは、それらの両方である。
【0022】
HunterL透過率は、(1)柔軟化剤活性成分を、活性成分の約10%の量の溶剤と混合して透明性を確保し(好ましい溶剤はエトキシル化(1モルEO)2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールである)、(2)L色値を蒸留水に対して、Hunter Associates Laboratory, Reston, Virginia製のHunter Color QUEST(商品名)比色計で測定する。
【0023】
臭気物質のレベルは、柔軟化剤活性成分(約92%活性)の試料の上のヘッドスペースで臭気物質のレベルを測定することにより決定する。約2.0グラムの試料上の約200mLのヘッドスペース試料を使用してクロマトグラムを作成する。ヘッドスペース試料を固体吸収材の上に捕獲し、約−100℃で冷却集中(cryofocussing) により直接カラムの上に熱的に脱着させる。物質はクロマトグラム中のピークにより確認する。ある種の不純物は、第4級化工程で使用した溶剤(例えばエタノールおよびイソプロパノール)に関連する。エトキシおよびメトキシエーテルは、典型的には甘い香りがする。典型的な現在市販されている製品の試料にはC〜Cメチルエステルが見られるが、本発明の典型的な柔軟化剤活性成分には見られない。これらのエステルは、現在市販されている製品の試料で知覚される悪臭の一因になっている。好ましい活性成分の上のヘッドスペースに見られる各臭気物質のレベル(ng/L)を以下に示す。酢酸イソプロピル−<1、1,3,5−トリオキサン−5、2,2’−エチリデンビス(オキシ)−ビスプロパン−<1、Cメチルエステル−<1、Cメチルエステル−<1、およびC10メチルエステル−<臭気物質。
【0024】
各臭気物質の許容レベルは下記の通りである。酢酸イソプロピルは約5ナノグラム/リットル(ηg/L.) 未満、好ましくは約3ηg/L. 未満、より好ましくは約2ηg/L. 未満にすべきであり、2,2’−エチリデンビス(オキシ)ビスプロパンは約200ナノグラム/リットル(ηg/L.) 未満、好ましくは約100ηg/L. 未満、より好ましくは約10ηg/L. 未満、さらに好ましくは約5ηg/L. 未満にすべきであり、1,3,5−トリオキサンは約50ナノグラム/リットル(ηg/L.) 未満、好ましくは約20ηg/L. 未満、より好ましくは約10ηg/L. 未満、さらに好ましくは約7ηg/L. 未満にすべきであり、および/または各短鎖脂肪酸(炭素数4〜12、特に6〜10)エステル、特にメチルエステルは、約4ナノグラム/リットル(ηg/L.) 未満、好ましくは約3ηg/L. 未満、より好ましくは約2ηg/L.未満にすべきである。
【0025】
色および臭気物質の除去は、化合物形成の後に、または、好ましくは、反応物質および反応条件の選択により、達成することができる。好ましくは、反応物質は良好な臭気および色を有する様に選択する。例えば、長脂肪アシル基の供給源に、良好な色および芳香を有し、極めて低いレベルの短鎖(C4−12、特にC6−10)脂肪アシル基を有する脂肪酸またはそれらのエステルを得ることができる。また、反応物質を使用前に浄化することができる。例えば、脂肪酸反応物質を二重または三重に蒸留し、色または臭気の原因となる物質を除去し、短鎖脂肪酸を除去する。さらに、トリエタノールアミン反応物(使用する場合)の色は、低い色水準(例えばAPHA尺度上で約20以下の色の読み)に調整しなければならない。必要とされる洗浄の程度は、使用量および他の成分の存在により異なる。例えば、染料の添加により、ある種の色を隠すことができる。しかし、透明および/または明るい色の製品には、色はほとんど検出できない様にしなければならない。これは、活性成分のレベルが高い、例えば柔軟化剤活性成分が組成物の約2〜約80重量%、好ましくは約13〜約75重量%、より好ましくは約17〜約70重量%、さらに好ましくは約19〜約65重量%、である場合に特にあてはまる。同様に、臭気は、高レベルの香料によっても隠すことができるが、柔軟化剤活性成分のレベルが高い場合、その様な方法では、特に芳香品質を犠牲にしなければならないので、コストが比較的高くなる。芳香品質は、第4級化反応溶剤としてエタノールを使用することによってさらに改良することができる。
【0026】
好ましい生物分解性布地柔軟化剤化合物は第4級アンモニウム塩を含んでなるが、第4級アンモニウム塩は、
a)飽和または不飽和の、直線状または分岐した脂肪酸の、または該酸の誘導体の画分(該脂肪酸または誘導体はそれぞれ炭化水素鎖を有し、鎖中の原子数は5〜21である)、および
b)トリエタノールアミン
の間の第4級化縮合生成物であり、該縮合生成物が、縮合生成物を標準KOH溶液でフェノールフタレイン指示薬に対して滴定することにより測定した酸価が約6.5未満であることを特徴とする。
【0027】
酸価は好ましくは約5以下、より好ましくは約3以下である。実際、AVが低い程、優れた柔軟性付与性能が得られる。
【0028】
酸価は、ISO#53402により、縮合生成物を標準KOH溶液でフェノールフタレイン指示薬に対して滴定することにより測定する。
【0029】
最適な柔軟性付与特性を得るには、反応物が、脂肪酸画分とトリエタノールアミンのモル比約1:1〜約2.5:1で存在するのが好ましい。
【0030】
最適な柔軟性付与性能は、洗剤を持ち越す洗濯条件、より詳しくは、柔軟性付与組成物を使用する溶液中の陰イオン系界面活性剤の存在によっても影響されることが分かっている。実際、洗濯から一般的に持ち越される陰イオン系界面活性剤の存在が柔軟化剤化合物と相互作用し、その性能を低下させる。このため、使用条件に応じて、脂肪酸/トリエタノールアミンのモル比が非常に重要になることがある。従って、洗濯サイクルと、柔軟性付与化合物を含む濯ぎサイクルの間に濯ぎを行なわない場合、柔軟性付与化合物を含む濯ぎサイクルに大量の陰イオン系界面活性剤が持ち越される。この場合、脂肪酸画分/トリエタノールアミンのモル比は約1.4:1〜約1.8:1が好ましい。大量の陰イオン系界面活性剤とは、濯ぎサイクル中に陰イオン系界面活性剤が、陰イオン系界面活性剤/本発明の陽イオン系柔軟化剤化合物のモル比が少なくとも約1/10になる量で存在することを意味する。
【0031】
本発明で使用するこれらの布地柔軟化剤化合物は、典型的には材料の混合物である。トリエタノールアミン水酸基の1個(モノエステル)、2個(ジエステル)、または3個(トリエステル)が脂肪アシル基でエステル化されている化合物の重量百分率は、モノエステル約12%〜約22%、ジエステル約43%〜約57%、およびトリエステル約13%〜約28%である。これらの化合物は、形成され、布地柔軟化剤組成物の処方に使用される時、典型的には約6〜約20重量%の溶剤、例えば約3〜約10重量%の低分子量アルコール、例えばエタノール、および約3〜約10重量%の、疎水性がより高い溶剤、例えばヘキシレングリコール、を含む。
【0032】
布地の処理方法は、上記の柔軟性付与化合物または柔軟性付与組成物を含む水性媒体に布地を接触させる工程を含んでなり、柔軟化剤化合物中の脂肪酸/トリエタノールアミンのモル比は約1.4:1〜約1.8:1、好ましくは約1.5:1であり、水性媒体中の、陰イオン系界面活性剤と本発明の該柔軟化剤化合物のモル比は少なくとも約1:10である。
【0033】
洗濯とその後の濯ぎサイクルの間に中間の濯ぎサイクルを行なう場合、持ち越される陰イオン系界面活性剤が少なくなる、すなわち陰イオン系界面活性剤と本発明の陽イオン系化合物のモル比が約1:10未満になる。従って、脂肪酸/トリエタノールアミンのモル比は約1.8:1〜約2.2:1が好ましい。すなわち、布地の処理方法は、本発明の柔軟性付与化合物またはその柔軟性付与組成物を含む水性媒体に布地を接触させる工程を含んでなり、柔軟化剤化合物中の脂肪酸/トリエタノールアミンのモル比が約1.8:1〜約2:1、好ましくは約2.0:1であり、最も好ましくは約1.9であり、水性媒体中の、陰イオン系界面活性剤と本発明の該柔軟化剤化合物のモル比は約1:10未満である。 好ましい実施態様では、脂肪酸画分およびトリエタノールアミンが約1:1〜約2.5:1のモル比で存在する。
【0034】
好ましい陽イオン系、好ましくは生物分解性第4級アンモニウム布地柔軟性付与化合物は、−C(O)R基を含むが、この基は、動物脂肪、不飽和、およびポリ不飽和の脂肪酸、例えばオレイン酸、および/または部分的に水素化された脂肪酸、に由来し、植物油、および/または部分的に水素化された植物油、例えばカノラ油、サフラワー油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、トール油、米ぬか油、等、に由来する。脂肪酸(FA)の非限定的な例は、米国特許第5,759,990号明細書、段落4、45〜66行、に記載されている。 脂肪酸の混合物、および様々な脂肪酸に由来するFAの混合物を使用することができ、好ましい。混合して本発明のFAを形成できるFAの例を以下に挙げるが、これらに限定するものではない。
【0035】
脂肪アシル基 FA FA FA
14 0 0 1
16 3 11 25
18 3 4 20
C14:1 0 0 0
C16:1 1 1 0
C18:1 79 27 45
C18:2 13 50 6
C18:3 1 7 0
未知成分 0 0 3
合計 100 100 100
IV 99 125-138 56
シス/トランス(C18:1) 5−6 不明 7
TPU 14 57 6
FAは、カノラ油から製造した部分的に水素化した脂肪酸であり、FAは、大豆油から製造した脂肪酸であり、FAは僅かに水素化したタロウ脂肪酸である。
【0036】
好ましい柔軟化剤活性成分は、有効量の、2個のエステル結合した疎水性基[RC(CO)−]を含む分子を含み(以下、該活性成分を「DEQA」と呼ぶ)、脂肪酸混合物全体の様々な部分から製造した個別の完成したDEQAの混合物からではなく、代表されるすべての異なった脂肪酸の混合物(脂肪酸混合物全体)から、単一のDEQAとして製造した活性成分である。
【0037】
脂肪アシル基の少なくとも大部分、例えば約50%〜100%、好ましくは約55%〜約99%、より好ましくは約60%〜約98%は不飽和であり、ポリ不飽和脂肪アシル基を含む活性成分の総量(TPU)は0%〜約30%であるのが好ましい。不飽和脂肪アシル基のシス/トランス比は一般的に重要であり、シス/トランス比は約1:1〜約50:1であり、最小が約1:1であり、好ましくは少なくとも約3:1であり、より好ましくは約4:1〜約20:1である。(ここで使用する、特定のR基を含む「柔軟化剤活性成分の百分率」は、その同じR基の、柔軟化剤活性成分のすべてを形成するのに使用する総R基に対する百分率と同じである)
上記の、および以下に説明する、不飽和の、好ましいポリ不飽和を含む、脂肪アシルおよび/またはアルキレン基は、驚く程効果的な柔軟性付与性を与えるが、より優れた再湿潤特性、良好な帯電防止特性、および特に、凍結および融解後のより優れた回復性も与える。
【0038】
不飽和度の高い材料は、純粋材料組成物の低粘度を維持している濃縮プレミックスに処方し易く、従って処理、例えばポンプ輸送、混合、等が容易である。これらの高度不飽和材料(ポリ不飽和脂肪アシル基を含む活性成分の総量(TPU)が典型的には約3%〜約30%であり、その様な材料に通常伴う少量の、すなわち柔軟化剤/溶剤混合物全体の約5〜約20重量%、好ましくは約8〜約25重量%、より好ましくは約10〜約20重量%の溶剤だけを含む)も、本発明の濃縮された、安定した組成物に、常温でも容易に処方される。活性成分を低温で処理できるこの能力は、分解を最少に抑えるので、ポリ不飽和基にとって特に重要である。化合物および柔軟化剤組成物が有効量の、以下に説明する様な酸化防止剤、キレート化剤、および/または還元剤を含むと、分解に対してさらに保護される。
【0039】
無論、置換基RおよびRは、Rがそれらの基本的な疎水性を維持していれば、所望により様々な基、例えばアルコキシルまたは水酸基で置換することができ、直線状でも分岐でもよい。
【0040】
好ましい長鎖DEQAは、高レベルのポリ不飽和を含む供給源から製造したDEQA、すなわちメチル硫酸N,N−ジ(アシル−オキシエチル)−N,N−メチルヒドロキシエチルアンモニウム、であり、その際、アシルは十分なポリ不飽和を含む脂肪酸、例えばタロウ脂肪酸および大豆脂肪酸、に由来する。別の好ましい長鎖DEQAは、ジオレイル(公称)DEQA、すなわちメチル硫酸N,N−ジ(オレオイル−オキシエチル)−N,N−メチルヒドロキシエチルアンモニウムが主成分であるDEQAである。その様なDEQAに対する好ましい脂肪酸供給源は、不飽和の、例えばオレオイル基含有量の高い植物油、および/または部分的に水素化された植物油である。
【0041】
ここで使用する様に、DEQAジエステル(m=2)を指定する場合、それは存在するモノエステル(m=1)および/またはトリエステル(m=3)を含むことができる。好ましくは、DEQAの少なくとも約30%がジエステル形態にあり、0%〜約30%がDEQAモノエステルでよく、例えば3個のR基および1個のR基がある。柔軟性付与に関して、洗剤の持越しが無い/少ない洗濯条件下では、モノエステルの百分率はできるだけ低く、好ましくは約15%以下にすべきである。しかし、陰イオン系洗剤用界面活性剤または洗剤用ビルダーの持越しが多い条件下では、ある程度のモノエステルが好ましい場合がある。ジエステル「第4級アンモニウム活性成分」(第4級物質)とモノエステル第4級物質の全体的な比は、約2.5:1〜約1:1、好ましくは約2.3:1〜約1.3:1である。洗剤の持越しが大きい条件下では、ジ/モノエステル比は好ましくは約1.3:1である。存在するモノエステルのレベルは、DEQA製造の際に、脂肪酸または脂肪アシル供給源とトリエタノールアミンの比を変えることにより、調整できる。ジエステル第4級物質とトリエステル第4級物質の全体的な比は約10:1〜約1.5:1、好ましくは約5:1〜約2.8:1である。
【0042】
上記の化合物は、標準的な反応化学を使用して製造することができる。DTDMACのジエステル変形の一合成方法では、式N(CHCHOH)のトリエタノールアミンを、好ましくは2個の水酸基で、式RC(O)Clの酸塩化物でエステル化してアミンを形成し、これを酸性化により陽イオン系(1個のRがHである)にして柔軟化剤の一種にするか、または続いてハロゲン化アルキルRXで第4級化して所望の反応生成物(RおよびRは上に定義した通りである)を得ることができる。しかし、当業者には明らかな様に、この反応系列では、準備すべき試薬を広範囲に選択することができる。
【0043】
好ましいDEQA(1)およびDEQA(2)柔柔軟化剤活性成分において、各Rはヒドロカルビルまたは置換されたヒドロカルビル基、好ましくはアルキル、モノ不飽和アルケニル、およびポリ不飽和アルケニル基であり、ポリ不飽和アルケニル基を含む柔軟化剤活性成分が、存在する柔軟化剤活性成分全体の、好ましくは少なくとも約3重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、より好ましくは少なくとも約10重量%、さらに好ましくは少なくとも約15重量%であり、活性成分は、好ましくは、特に個々の分子中に、R基の混合物を含む。
【0044】
本発明のDEQAは、DEQAの形成に使用した出発物質の未反応成分に由来する、および/または完成した組成物中の柔軟化剤活性成分の部分的分解(加水分解)の副生成物として生じる、少量の脂肪酸も含むことができる。遊離脂肪酸の量は低いのが好ましく、好ましくは柔軟化剤活性成分の約15重量%未満、より好ましくは約10重量%未満、さらに好ましくは約5重量%未満である。
【0045】
本発明の布地柔軟化剤活性成分は、キレート化剤、好ましくはジエチレントリアミンペンタ酢酸塩(DTPA)および/またはエチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸塩(EDDS)を工程に加える製法により製造するのが好ましい。別の使用可能なキレート化剤は、テトラキス−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(TPED)である。また、酸化防止剤を脂肪酸に、蒸留および/または分別の直後、および/またはエステル化反応中に加える、および/または完成した柔軟化剤活性成分に後から加えるのが好ましい。得られる柔軟化剤活性成分は、変色およびそれに付随する悪臭が少なくなっている。
【0046】
加えるキレート化剤の総量は、形成される柔軟化剤活性成分の重量に対して、好ましくは約10 ppm〜約5,000 ppm、より好ましくは約100 ppm〜約2500 ppmである。トリグリセリドの供給源は、好ましくは動物脂肪、植物油、部分的に水素化された植物油、およびそれらの混合物からなる群から選択する。より好ましくは、植物油または部分的に水素化された植物油は、カノラ油、部分的に水素化されたカノラ油、サフラワー油、部分的に水素化されたサフラワー油、ピーナッツ油、部分的に水素化されたピーナッツ油、ヒマワリ油、部分的に水素化されたヒマワリ油、コーン油、部分的に水素化されたコーン油、大豆油、部分的に水素化された大豆油、トール油、部分的に水素化されたトール油、米ぬか油、部分的に水素化された米ぬか油、およびそれらの混合物からなる群から選択する。最も好ましくは、トリグリセリドの供給源は、カノラ油、部分的に水素化されたカノラ油、およびそれらの混合物である。この製法は、組成物の約0.01〜約2重量%の酸化防止化合物を、布地柔軟化剤活性成分を形成するまでの、トリグリセリドの処理における工程のいずれか、またはすべてに加える工程も包含することができる。
【0047】
上記製法により、着色および悪臭を少なくした布地柔軟化剤活性成分が製造される。
【0048】
布地柔軟性付与プレミックス組成物の製造は、上記の布地柔軟性付与活性成分を製造すること、およびその布地柔軟性付与活性成分(所望により低分子量溶剤を含む)を、以下に説明するClogPが約−2.0〜約2.6である主要溶剤と混合し、布地柔軟化剤プレミックスを形成することを含んでなる。このプレミックスは、約55〜約85重量%の布地柔軟性付与活性成分、および約10〜約30重量%の主要溶剤を含んでなることができる。この製法も、組成物の約0.01〜約2重量%の酸化防止化合物を、処理工程のいずれか、またはすべてに加える工程を含むことができる。
【0049】
他の柔軟化剤活性成分
組成物は、他の、通常は補足的な、布地柔軟化剤活性成分も、通常は少量、典型的には0〜約35%、好ましくは約1〜約20%、より好ましくは約2〜約10%、含むことができ、該他の布地柔軟化剤活性成分は、
(1)下記の式を有する柔軟化剤
[R4−m−N(+)−R] A
[式中、各mは2または3であり、各RはC〜C22、好ましくはC14〜C20(ただし、2個以上が約C12未満ではなく、他方が少なくとも約16である)ヒドロカルビル、または置換されたヒドロカルビル置換基、好ましくはC10〜C20アルキルまたはアルケニル(ポリ不飽和アルキルを包含する不飽和アルキル、「アルキレン」と呼ばれることもある)、最も好ましくはC12〜C18アルキルまたはアルケニルであり、このR基を含む脂肪酸のヨウ素価(以下、「IV」と呼ぶ)は約70〜約140、より好ましくは約80〜約130、最も好ましくは約90〜約115であり(ここで使用する用語「ヨウ素価」は、「親」脂肪酸、または「対応する」脂肪酸のヨウ素価を意味し、R基の不飽和水準を決定し、これは同じR基を含む脂肪酸中に存在するであろう不飽和水準と同じである)、好ましくは、シス/トランス比が約1:1〜約50:1であり、最小が1:1であり、好ましくは約2:1〜約40:1、より好ましくは約3:1〜約30:1、さらに好ましくは約4:1〜約20:1であり、各Rは、好ましくは分岐鎖C14〜C22アルキル基、好ましくは分岐鎖C16〜C18基でもよく、各Rは、Hまたは短鎖C〜C、好ましくはC〜Cアルキルまたはヒドロキシアルキル基、例えばメチル(最も好ましい)、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、等、ベンジル、または(RO)2−4Hであり、ここで各RはC1−6アルキレン基であり、Aは柔軟化剤と相容性の陰イオン、好ましくは塩化物、臭化物、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、硫酸塩、および硝酸塩、より好ましくは塩化物およびメチル硫酸塩である]、
(2)下記の式を有する柔軟化剤
【化1】

(式中、各R、RおよびAは上に定義した通りであり、各RはC1−6アルキレン基、好ましくはエチレン基であり、Gは酸素原子であるか、または−NR−基である)、
(3)下記の式を有する柔軟化剤
【化2】

(式中、R、RおよびGは上に定義した通りである)、
(4)実質的に不飽和および/または分岐鎖の高級脂肪酸とジアルキレントリアミンの、例えば分子比約2:1の反応生成物[該反応生成物は下記の式
−C(O)−NH−R−NH−R−NH−C(O)−R
(式中、R、Rは上に定義した通りであり、各RはC1−6アルキレン基、好ましくはエチレン基である)
を有する化合物を含む]、
(5)下記の式を有する柔軟化剤
[R−C(O)−NR−R−N(R)−R−NR−C(O)−R]
(式中、R、R、R、RおよびAは上に定義した通りである)、
(6)実質的に不飽和および/または分岐鎖の高級脂肪酸とヒドロキシアルキルアルキレンジアミンの、分子比約2:1の、反応生成物[該反応生成物は、下記の式
−C(O)−NH−R−N(ROH)−C(O)−R
(式中、R、RおよびRは上に定義した通りである)
を有する化合物を含む]、
(7)下記の式を有する柔軟化剤
【化3】

(式中、R、R、RおよびAは上に定義した通りである)、および
(8)それらの混合物
から選択される。
【0050】
上記の柔軟化剤活性成分との組合せで使用できる、所望により使用するが、非常に好ましい他の陽イオン系化合物は、1個の長鎖非環式C〜C22炭化水素基を含む化合物であり、下記の物質、すなわち
(8)下記の式を有する非環式第4級アンモニウム塩
[R−N(R−R
(式中、RおよびRはC〜Cアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、RおよびAは上に定義した通りである)、
(9)下記の式を有する置換されたイミダゾリニウム塩
【化4】

(式中、Rは水素またはC〜C飽和アルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、RおよびAは上に定義した通りである)、
(10)下記の式を有する置換されたイミダゾリニウム塩
【化5】

(式中、RはC〜Cアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、R、RおよびAは上に定義した通りである)、
(11)下記の式を有するアルキルピリジニウム塩
【化6】

(式中、Rは非環式脂肪族C〜C22炭化水素基であり、Aは陰イオンである)および
(12)下記の式を有するアルカンアミドアルキレンピリジニウム塩
【化7】

(式中、R、RおよびAは上に定義した通りである)
およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0051】
化合物(8)の例は、モノアルケニルトリメチルアンモニウム塩、例えば塩化モノオレイルトリメチルアンモニウム、塩化モノカノラトリメチルアンモニウム、および塩化ソーヤトリメチルアンモニウム、である。塩化モノオレイルトリメチルアンモニウムおよび塩化モノカノラトリメチルアンモニウムが好ましい。化合物(8)の他の例は、Witco Corporation からAdogen(商品名) 415の商品名で市販されている塩化ソーヤトリメチルアンモニウム、Rが天然供給源に由来するC22炭化水素基である塩化エルシルトリメチルアンモニウム、RがC16〜C18炭化水素基であり、Rがメチル基であり、Rがエチル基であり、Aがエチル硫酸塩陰イオンであるエチル硫酸ソーヤジメチルエチルアンモニウム、およびRがC18炭化水素基であり、Rが2−ヒドロキシエチル基であり、Rがメチル基である塩化メチルビス(2−ヒドロキシエチル)オレイルアンモニウムである。
【0052】
ここで使用できる他の布地柔軟化剤は、基本的な構造に関して少なくとも一般的に、米国特許第3,861,870号明細書、Edwards およびDiehl 、第4,308,151号明細書、Cambre、第3,886,075号明細書、Bernardino、第4,233,164号明細書、Davis 、第4,401,578号明細書、Verbruggen、第3,974,076号明細書、WiersemaおよびRieke 、および第4,237,016号明細書、Rudkin、Clint およびYoung 、に記載されているが、該特許のすべてをここに参考として含める。他の柔軟化剤活性成分は、好ましくは伝統的な柔軟化剤活性成分の不飽和度の高い変形、すなわち二長鎖アルキル窒素誘導体、であり、通常は陽イオン系物質、例えば以下に記載する塩化ジオレイルジメチルアンモニウムおよびイミダゾリニウム化合物である。生物分解性がより高い布地柔軟化剤化合物の例は、米国特許第3,408,361号明細書、Mannheimer、1968年10月29日公布、第4,709,045号明細書、Kubo et al. 、1987年11月24日公布、第4,233,451号明細書、Pracht et al. 、1980年11月11日公布、第4,127,489号明細書、Pracht et al. 、1979年11月28日公布、第3,689,424号明細書、Berg et al. 、1972年9月5日公布、第4,128,485号明細書、Baumann al. 、1978年12月5日公布、第4,161,604号明細書、Elster al.、1979年7月17日公布、第4,189,593号明細書、Wechsler al.、1980年2月19日公布、および第4,339,391号明細書、Hoffman al. 、1982年7月13日公布、に記載されているが、該特許をここに参考として含める。
【0053】
化合物(1)の例は、ジアルキレンジメチルアンモニウム塩、例えば塩化ジカノラジメチルアンモニウム、メチル硫酸ジカノラジメチルアンモニウム、塩化ジ(部分的に水素化された大豆、シス/トランス比約4:1)ジメチルアンモニウム、塩化ジオレイルジメチルアンモニウム、である。塩化ジオレイルジメチルアンモニウムおよび塩化ジ(カノラ)ジメチルアンモニウムが好ましい。本発明で使用できる、市販されているジアルキレンジメチルアンモニウム塩の例は、Witco Corporation からAdogen 472の商品名で入手できる塩化ジオレイルジメチルアンモニウムである。
【0054】
化合物(2)の例は、メチル硫酸1−メチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリニウムであり、その際、Rは非環式脂肪族C15〜C17炭化水素基であり、Rはエチレン基であり、GはNH基であり、Rはメチル基であり、Aはメチル硫酸塩陰イオンであり、Witco Corporation からVarisoft 3690 の商品名で市販されている。
【0055】
化合物(3)の例は、1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリンであり、その際、Rは非環式脂肪族C15〜C17炭化水素基であり、Rはエチレン基であり、GはNH基である。
【0056】
化合物(4)の例は、オレイン酸とジエチレントリアミンの、分子比約2:1の反応生成物であり、該反応生成物の混合物は、下記の式のN,N”−ジオレイルジエチレントリアミンを含む。
【0057】
−C(O)−NH−CHCH−NH−CHCH−NH−C(O)−R
式中、R−C(O)は、植物または動物供給源に由来する市販のオレイン酸、例えばHenkel Corporation製のEmersol (商品名)223LL またはEmersol (商品名)7021、のオレイル基であり、RおよびRは2価のエチレン基である。
【0058】
化合物(5)の例は、下記の式を有するジ脂肪アミドアミン系柔軟化剤である。
【0059】
[R-C(O)-NH-CHCH-N(CH)(CHCHOH)-CHCH-NH-
C(O)-R]CHSO
式中、R−C(O)はオレイル基であり、Witco Corporation からVarisoft 222LTの商品名で市販されている。
【0060】
化合物(6)の例は、オレイン酸とN−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミンの、分子比約2:1の反応生成物であり、該反応生成物の混合物は、下記の式の化合物を含む。
【0061】
−C(O)−NH−CHCH−N(CHCHOH)−C(O)−R
式中、R−C(O)は、植物または動物供給源に由来する市販のオレイン酸、例えばHenkel Corporation製のEmersol (商品名)223LL またはEmersol (商品名)7021、のオレイル基である。
【0062】
化合物(7)の例は、下記の式を有するジ第4級化合物である。
【0063】
【化8】

式中、Rはオレイン酸に由来し、この化合物はWitco Company から市販されている。
【0064】
化合物(11)の例は、RがC17炭化水素基であり、Rがエチレン基であり、Rがエチル基であり、Aがエチル硫酸塩陰イオンであるエチル硫酸1−エチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イソヘプタデシルイミダゾリニウムである。
【0065】
陰イオンA
本発明の陽イオン系窒素塩で、柔軟化剤と相容性があるすべての陰イオンである陰イオンAは、電気的な中性を与える。これらの塩の中で電気的な中性を与えるのに使用する陰イオンは、強酸に由来し、特にハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物、またはヨウ化物、であるのが最も一般的である。しかし、他の陰イオン、例えばメチル硫酸塩、エチル硫酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、硫酸塩、炭酸塩、等も使用できる。塩化物およびメチル硫酸塩がここで陰イオンAとして好ましい。陰イオンは二重の電荷を有し、その場合、Aは基の半分を表すこともできるが、これはあまり好ましくない。
【0066】
B.主要溶剤系
主要溶剤は、典型的には組成物の約40重量%まで、好ましくは約1〜約25重量%、より好ましくは約3〜約8重量%の有効量で使用する。ここに開示する高電解質レベルおよび/または相安定剤の利点は、低レベルの主要溶剤および/または広範囲な主要溶剤を使用して透明性を得ることができることにある。例えば、高レベルの電解質を使用しない場合、以下に記載する主要溶剤系のClogPは、該第’443号明細書に記載されている様に、約0.15〜約0.64の範囲に限定されるであろう。より高い、約1までのClogPを有する化合物は、審査中の出願第60/047,058号明細書、H.B. Tordil 、E.H. Wahl 、T. Trinh、M. Okamoto、およびD.L. Duvalの名前で1997年5月19日提出(現在PCT/US98/10167、1998年5月18日提出)に記載されている様に他の溶剤と組み合わせた時に、および非イオン系界面活性剤、特に、書類番号7039P、1998年3月2日提出、出願第60/076,564号明細書、発明者D.L. Duval、G.M. Frankenbach、E.H. Wahl 、T. Trinh、H.J.M. Demeyere 、J.H. Shaw およびM. Nogami 、題名Concentrated, Stable, Translucent or Clear Fabric Softening Compositions、に記載されている様な、ここに開示する相安定剤と組み合わせた時に使用できることが分かっている(これらの出願の両方をここに参考として含める)。電解質が存在する場合、主要溶剤のレベルは少なくてよい、および/または使用可能なClogP範囲を広げ、約−2.0〜約2.6、より好ましくは約−1.7〜約1.6、さらに好ましくは約−1.0〜約1.0、を包含することができる。
【0067】
電解質が存在する場合、組成物の約15重量%よりかなり低いレベルの主要溶剤を使用できるが、これは、臭気、安全性および経済性の理由から好ましい。以下に規定する相安定剤を非常に低いレベルの主要溶剤と組み合わせることにより、電解質が存在する場合、組成物の良好な透明性および/または安定性が十分に得られる。好ましい組成物では、主要溶剤のレベルは必要な透明度を得るには不十分であり、電解質および/または相安定剤を加えることにより、所望の透明性/安定性が得られる。該電解質および/または該相安定剤は、組成物を半透明または透明にするために加えることができる、あるいは組成物が半透明または透明である温度範囲を増加するために使用することができる。
【0068】
従って、半透明または透明ではない組成物、または相の不安定生を起こす温度が高過ぎる組成物に主要溶剤を加え、組成物を半透明または透明にする方法、あるいは、組成物が、例えば常温で、または特定の低い温度まで透明である場合に、相の不安定性を起こす温度を好ましくは少なくとも約5℃、より好ましくは少なくとも約10℃だけ下げるために主要溶剤を加える方法で、該主要溶剤を上記のレベルで使用することができる。
【0069】
主要溶剤は、特定重量の溶剤に最大限の優位性を与える点で効率的である。無論、ここで使用する「溶剤」は、ある種の主要溶剤は常温で固体であるので、特定の温度における主要溶剤の物理的形態ではなく、主要溶剤の効果について言っているのである。
【0070】
存在し得る主要溶剤は、組成物における溶剤の臭気の影響を最少に抑え、最終的な組成物に低い粘度を与える様に選択する。例えば、イソプロピルアルコールは可燃性であり、強い臭気を有する。N−プロピルアルコールはより効果的であるが、やはり明らかな臭気を有する。ある種のブチルアルコールも臭気を有するが、主要溶剤系の一部として使用し、それらの臭気を最少に抑えれば、効果的な透明性/安定性を得るために使用できる。アルコールは最適な低温安定性を得るためにも選択する、すなわちアルコールは、約50°F(約10℃)まで、より好ましくは約40°F(約4.4℃)まで妥当な低粘度を有し、半透明、好ましくは透明な液体であり、約20°F(約6.7℃)までの温度で貯蔵した後に回復し得る組成物を形成することができる。
【0071】
他の好適な溶剤は、それらのオクタノール/水分配係数(P)に応じて選択することができる。溶剤のオクタノール/水分配係数は、その溶剤の、オクタノールおよび水中の平衡濃度間の比である。本発明の溶剤成分の分配係数は、底10に対する対数logPの形態で表すのが便利である。
【0072】
多くの成分のlogPが報告されており、例えばDaylight Chemical Information Systems, Inc. (Daylight CIS), Irvine, Californiaから入手できるPomona92データベースは、元の文献も参照しながら多くを記載している。しかし、logP値は、やはりDaylight CISから入手できる"CLOGP" プログラムにより最も都合良く計算することができる。このプログラムは、実験的なlogP値も、それがPomona92データベースにあれば、記載している。「計算logP」(ClogP)は、HanschおよびLeo (ここに参考として含めるA. Leo 、Comprehensive Medical Chemistry, Vol. 4, C. Hansch, P.G. Sammens, J.B. TaylorおよびC.A. Ramsden, Eds., p,295, Pergamon Press, 1990 参照)による断片手法(fragment approach) により決定することができる。断片手法は、各成分の化学構造に基づき、原子の数および種類、原子の接続性、および化学結合を考慮する。本発明で有用な主要溶剤成分の選択には、この物理化学的特性に関して最も信頼性があり、広く使用されている評価であるClogP値を、実験的なlogP値の代りに使用するのが好ましい。ClogPの計算に使用できる他の方法には、例えばJ. Chem. Inf. Comput. Sci., 27, 21(1987)に記載されているCrippen の断片方法、J. Chem. Inf. Comput. Sci., 29, 163(1989) に記載されているViswanadhan の断片方法、およびEur. J. Med. Chem.-Chim. Theor., 19, 71(1984) に記載されているBroto の方法が挙げられる。
【0073】
ここで好適な主要溶剤は、ClogP−2.0〜2.6、好ましくは−1.7〜1.6、より好ましくは−1.0〜1.0を有する溶剤から選択する。
【0074】
最も好ましい主要溶剤は、布地の処理に使用する希釈処理組成物の外観により識別することができる。これらの希釈組成物は、従来の布地柔軟化剤組成物よりも、より単層外観を示す布地柔軟化剤分散液を有する。外観が単層に近い程、その組成物は性能がより優れていると考えられる。これらの組成物は、同じ布地柔軟化剤活性成分を使用して従来の方法で製造した類似の組成物と比較して、驚く程良好な布地柔軟性付与性を与える。
【0075】
使用可能な主要溶剤が、様々な項目、例えば特定炭素原子数の脂肪族および/または脂環式ジオール、モノオール、グリセリンの誘導体、ジオールのアルコキシレート、および上記のすべての混合物、で開示されており、該米国特許第5,759,990号明細書および第5,747,443号明細書およびPCT出願第WO 97/03169号明細書、1997年1月30日公開(該特許および出願をここに参考として含める)、に記載されており、最も適切な開示は、該WO 97/03169号明細書の24〜82頁および94〜108頁(製造方法)および第’443号明細書の段落11〜54および66〜78(製造方法)、に記載されている。これらの第’443号明細書およびPCTの開示は、Chemical Abstracts Service Registry 番号(CAS番号)を有する化合物に対する参照番号を含み、他の化合物は、それらの化合物の製造に使用できる方法が記載されている。第’443号明細書の開示に挙げてある、ある種の使用できない溶剤は、使用できる主要溶剤と、および/または高レベルの電解質および/または相安定剤との混合物で使用し、ここに記載する安定性/透明性の必要条件に適合する濃縮布地柔軟化剤組成物を製造することができる。
【0076】
同じ化学式を有する多くのジオール主要溶剤は、多くの立体異性体および/または光学異性体として存在できる。各異性体は通常、異なったCAS番号で表示される。例えば、4−メチル−2,3−ヘキサンジオールの様々な異性体は、少なくとも下記のCAS番号、すなわち146452−51−9、146452−50−8、146452−49−5、146452−48−4、123807−34−1、123807−33−0、123807−32−9、および123807−31−8で表示される。
【0077】
第’443号明細書およびPCT明細書では、各化学式がただ1個のCAS番号で挙げられている。この開示は例示のためだけであり、本発明の実施には十分である。この開示は本発明を制限するものではない。従って無論、他のCAS番号を有する他の異性体、およびそれらの混合物も包含される。さらに、CAS番号が、ある種の特別な同位元素、例えばジュウテリウム、トリチウム、炭素−13、等を含む分子を表す場合、無論、天然に分布している同位元素を含む材料も含まれ、その逆も真である。
【0078】
飽和ジオール、およびその、より高い分子量を有する不飽和同族体、または類似体、の使用可能性(処方可能性)の間には、明らかな類似性がある。不飽和同族体/類似体は、不飽和溶剤が化学式中の各二重結合毎に1個の追加メチレン(すなわちCH)基を有していれば、その親の飽和溶剤と同じ処方性を有する。つまり、透明濃縮布地柔軟化剤組成物の処方に好適な、本発明の良好な飽和溶剤のそれぞれに対して、1個以上のCH基が追加され、追加された各CH基毎に2個の水素原子が分子中の隣接する炭素原子から除去され、1個の炭素−炭素の二重結合が形成され、それによって分子中の水素原子の数が、「親」の飽和溶剤の化学式に対して一定に維持されている、好適な不飽和溶剤が存在する、という明らかな「追加法則」がある。これは、溶剤の化学式に−CH−基を追加することには、そのClogP値を約0.53増加する効果があり、一方、隣接する2個の水素原子を除去して二重結合を形成することには、そのClogP値をほぼ同じ量、すなわち約0.48減少させ、−CH−の追加を相殺する効果がある、という驚くべき事実によるものである。従って、ある好ましい飽和溶剤から、追加するCH基毎に1個の二重結合を挿入し、それによって水素原子の総数を親の飽和溶剤と等しく維持することにより、新しい溶剤のClogP値が有効な範囲内にある限り、少なくとも1個多くの炭素原子を含む、好ましい、分子量がより高い不飽和類似体/同族体が得られる。幾つかの例を以下に示す。
【0079】
液体濃縮透明布地柔軟化剤組成物中に有効量の本発明の使用可能な主要溶剤がなお存在している限り、主要溶剤混合物の一部を、それ自体は本発明の主要溶剤として使用できない二次溶剤または二次溶剤混合物で置き換えることができる。少なくとも約15%の柔軟化剤活性成分も存在している場合、本発明の主要溶剤の有効量は、組成物の少なくとも約1%を超え、好ましくは約3%を超え、より好ましくは約5%を超える。
【0080】
50°Fで透明性を改良するのに好ましい主要溶剤は、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ピナコール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、および/または2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールである。
【0081】
C.電解質
電解質は、特に透明布地柔軟化剤処方で大量に使用しても、利点をもたらすとは期待されていない。電解質および高レベルの非水溶性化合物は非相容性であると考えられる。本発明の組成物は、比較的高いレベル、例えば組成物の約0.5〜約10重量%、好ましくは約0.75〜約3重量%、より好ましくは約1〜約2重量%、の電解質を含む。電解質のレベルを増加することにより、(a)透明性を与えるのに必要な、ClogPが約0.15〜約0.64または1である主要溶剤の量を下げること(その様な主要溶剤の必要性を完全に無くすことができる)、(b)希釈による粘度/弾性プロファイルを変え、粘度および/または弾性を下げること、および(c)透明性/半透明性を与える妥当な主要溶剤のClogPの範囲を変えること、から選択された少なくとも一つの利点が得られる。ここに参考として含める米国特許第5,759,990号明細書は、主要溶剤が、約0.15〜約0.64のClogPを有するべきであることを開示している。高レベルの電解質により、漸進的により好ましい下限である−2.0、−1.7、−1.0および0.15および漸進的により好ましい上限である2.6、2.0、1.6、1.0、および0.64を有する範囲内のClogPを有する主要溶剤を使用することができる。このことは、この広い範囲内に包含される溶剤の多くは臭気が低く、より効果的であるので、まったく理解し難く、非常に重要な利点である。既存の主要溶剤も、高電解質レベルでより効果的であり、従って、その様な主要溶剤の使用量を提言することができる。ClogPが約1.6を超える場合、透明性を増すための追加溶剤および/または他の材料の使用が非常に好ましい。
【0082】
電解質を含まない、または低レベルの電解質を含む製品と比較して、電解質は、微小構造および/または相(その構造および/または相を通して製品が希釈される)を大きく変える、と考えられる。低温透過電子顕微鏡法および凍結−破壊透過電子顕微鏡法により、希釈によりゲル化する、または過度の粘度増加を示す製品では、高度に濃縮された、密に充填された小胞の分散液が形成され得ることが分かる。その様な小胞分散液は、レオロジー測定により、高い弾性を有することが分かる。これらの溶液は高い弾性を有するので、水と効果的に混合させ、良好な希釈をもたらすことができる機械的な応力に抵抗すると考えられる。
【0083】
従って、希釈および配量特性が非常に好ましい布地柔軟化剤組成物は、布地柔軟化剤組成物を水で希釈し、一連の粘弾性挙動を評価するか、または一連の希釈における最高粘度ピークの粘弾特性を評価することにより、確認することができると考えられる。布地柔軟化剤組成物の粘弾性挙動は、消費者が使用した時の、布地柔軟化剤組成物が望ましい様式で流動し、分散する傾向に関する情報を提供する。粘度は、損失弾性率G”で表されるエネルギーが加えられた時に流体が流動する(すなわち熱を分散させる)能力の尺度になる。一般的に動的弾性率G’と呼ばれる弾性は、エネルギーが加えられた時に布地柔軟化剤組成物が容易に変形する傾向の尺度になる。G’およびG”は、一般的に加えられたひずみおよび応力の関数として測定される。本発明の目的には、G’およびG”は、消費者の一般的な作業(例えば機械洗濯および手作業洗濯工程、手または機械による予備希釈工程、機械の投入装置の使用および機械から独立した投入装置の使用)の際に加えられると考えられるエネルギーを包含するエネルギー入力範囲全体で測定される。最大粘度を有する希釈組成物に対してG’およびG”を測定することにより、好ましい、および非常に好ましい希釈および分散挙動を有する布地柔軟化剤組成物が、あまり好ましくない挙動を有する布地柔軟化剤組成物から、効果的に区別される。レオロジー的パラメータ並びに計器の選択およびレオロジー測定の実施に関しては、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology 第3版、1982、John Wiley & Sons Publ. の記事Rheology Measurements 、R.S. Rounds によるRheology of Liquid Detergents 、Surfactant Series Vol. 67 、Liquid Detergents ed. K.-Y. Lai, Marcel Dekker, Inc. 1997 およびIntroduction to Rheology, Elsevier, 1989, H.A. Barnes, J.F. HuttonおよびK. Walters、にさらに詳細に記載されている。
【0084】
ある種の透明処方物を希釈した時に現れる、以前には認識されていない問題があることが発見された。以前には、主要溶剤が、透明な濃縮処方物が、濯ぎ液中で、濃度のより低い分散液により容易に希釈されるのを促進すると考えられていた。しかし、ある種の処方物、特に低レベルの主要溶剤を含む処方物、または主要溶剤ではない溶剤を基剤とする処方物、を希釈した場合、それらの処方物は、好ましくない粘度/弾性プロファイルを有する。好ましい処方物を説明するレオロジーパラメータは、最大粘度を有する希釈処方物で測定して、好ましいG’≦約20PaおよびG”≦約6Pa sec、より好ましいG’≦約3PaおよびG”≦約2Pa sec、さらに好ましいG’≦約1PaおよびG”≦約1Pa、である。好ましい、より好ましい、およびさらに好ましい処方物の希釈は、約0.1〜約1の加えられるひずみの範囲全体にわたって、上記のG’およびG”を維持していなければならない。
【0085】
顕微鏡も、高電解質レベルにより、はるかに低い溶剤/柔軟化剤レベルで、はるかに低い粘弾性を有する異なった微小構造および/または相を通して希釈する処方物を製造できることを示している。弾性がはるかに低い微小構造は、洗濯機、自動洗濯機投入装置、または機械の攪拌機に取り付けられていない自動投入装置、例えばDowny(商品名)「Ball」 、の中で水を攪拌することにより引き起こされる僅かな応力に容易に降伏すると考えられる。これによって、布地柔軟化剤組成物が水と良く混合する結果、良好な分散液が得られ、布地の染形成の可能性が低くなり、機械または機械から独立した投入装置中に残される布地柔軟化剤組成物の残留物が少なくなり、投入装置中に蓄積する布地柔軟化剤が少なくなり、濯ぎ水中にある布地柔軟化剤が多くなり、布地上への付着が多くなり、すべての布地の表面上により一様に付着する。
【0086】
本発明の電解質は、不透明で分散液型の液体布地柔軟化剤組成物に見られる通常の電解質、およびその様な組成物には通常使用されない他の電解質を包含する。以前には、主要溶剤が、布地柔軟化剤領域および水領域の両方のたわみ性を増加し、それによって流動性の高い、光学的に透明な、二重連続(bicontinuous)布地柔軟化剤活性成分相を含む組成物の形成が促進されると考えられていた。予期せぬことに、電解質が、水分子と複合体を形成することにより、水素結合相互作用を壊し、水領域のたわみ性を増加する機能を与えている様であることが分かった。これが、高レベルの電解質を使用することにより、主要溶剤の使用量を少なくすることができ、使用可能な主要溶剤の範囲が増加する機構であると思われる。
【0087】
電解質は、水と複合体を形成し、水の水素結合構造を壊すことにより機能すると考えられるが、布地柔軟化剤活性成分および相安定剤の頭の基が水と複合体形成し、立体的な反発を増大し、これが布地柔軟化剤活性成分の分離した二重連続相の融着を阻止し、それによって、布地柔軟化剤活性成分が透明な組成物にある時に存在する典型的な二重連続相の安定性を改善することも考えられる。Surfactants and Interfacial Phenomena, Second Edition, M.J. Rosen, pp. 194-5に考察されている様な「軟質」または「分極性」陰イオンと呼ばれる陰イオンを有する電解質は、「硬質」または「分極性の低い」陰イオンより好ましいが、これは、分極性陰イオンは、布地柔軟化剤および相安定剤の頭の基を脱水せずに水構造を破壊するのに効果的であると考えられるためである。軟質で分極性の陰イオンが好ましいもう一つの理由は、これらの陰イオンが、硬質陰イオン程、布地柔軟化剤陽イオンと強く複合体形成しないので、我々は、軟質陰イオンの存在下では、布地柔軟化剤の頭の基の上により強い陽イオン電荷が維持されると考える。布地柔軟化剤上の陽イオン電荷がより強いと、より大きな静電気的反発を維持して融着を阻止することにより、二重連続相も安定し易くなる。軟質から硬質への典型的な一連の陰イオンは、ヨウ化物、臭化物、イソシアネート、オルトリン酸塩、塩化物、硫酸塩、水酸化物、およびフッ化物である。硬質の陰イオン程、通常のエトキシル化非イオン系洗剤界面活性剤の曇り点をより低くし、硬質陰イオン程、相安定剤として使用されるエトキシル化界面活性剤の頭の基を脱水する傾向があることを示している。
【0088】
例えば、Neodol(商品名)91-8の1%溶液の曇り点を約65℃未満に下げる塩は、これらの塩で製造した布地柔軟化剤組成物が常温で曇る傾向があるので、本発明の布地柔軟化剤組成物にはあまり好ましくない。その様な溶液に対する典型的な大体の曇り点は、硫酸ナトリウム−約54.1℃、硫酸カリウム−64.4℃、硫酸アンモニウム−約64.4℃、硫酸カルシウム(無電荷−不溶)、硫酸マグネシウム−約58.7℃、塩化ナトリウム−約63〜66.9℃、塩化カリウム−約73.4℃、塩化アンモニウム−約73.8℃、塩化カルシウム−約73.8℃、および塩化マグネシウム−約69.8℃である。酢酸カリウムは曇り点約69.8℃を与え、従って、酢酸塩陰イオンは、塩化物と硫酸塩陰イオンの間の何処かになる。
【0089】
希釈粘度を下げるのに好適な無機塩には、MgI、MgBr、MgCl、Mg(NO、Mg(PO、Mg、MgSO、ケイ酸マグネシウム、NaI、NaBr、NaCl、NaF、Na(PO)、NaSO、NaSO、NaSO、NaNO、NaIO、Na(PO)、Na、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、テトラクロロアルミン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、NaSi、ジルコニウム酸ナトリウム、CaF、CaCl、CaBr、CaI、CaSO、Ca(NO、Ca、KI、KBr、KCl、KF、KNO、KIO、KSO、KSO、K(PO)、K(P)、ピロ硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、LiI、LiBr、LiCl、LiF、LiNO、AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(PO)、Al(NO、ケイ酸アルミニウムが挙げられるが、これらの塩の水和物を包含し、これらの塩と混合陽イオンの組合せ、例えばカリウムミョウバンAlK(SO、および塩と混合陰イオンの組合せ、例えばテトラクロロアルミン酸カリウムおよびテトラフルオロアルミン酸ナトリウム、を包含する。周期律表上で原子番号>13の、IIIa、IVa 、Va、VIa 、VIIa、VIII、Ib、およびIIb 族から来る陽イオンを含む塩も、希釈粘度を下げるのに有用であるが、これらの塩は酸化状態を変化させる傾向があり、従って、処方物の臭気または色に悪影響を及ぼすか、または重量効率を下げることがあるので、あまり好ましくない。IaまたはIIa 族から来る、原子番号>20の陽イオンとの塩、並びにラクチニド(lactinide) またはアクチニド系列から来る陽イオンとの塩は、希釈粘度を下げるのに有用であるが、重量効率を下げることおよび毒性からあまり好ましくない。上記の塩の混合も有用である。
【0090】
本発明で有用な有機塩には、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、およびアルミニウムの、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、ペラルゴン酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩を包含するカルボン酸塩、芳香族酸の塩、例えば安息香酸塩、フェノール酸塩および置換された安息香酸塩またはフェノール酸塩、例えばフェノール酸塩、サリチル酸塩、ポリ芳香族酸テレフタル酸塩、およびポリ酸の塩、例えばオキシレート、アジピン酸塩、コハク酸塩、ベンゼンジカルボン酸塩、ベンゼントリカルボン酸塩、が挙げられる。他の有用な有機酸には、pHが好適であれば炭酸塩および/または炭酸水素塩(HCO−1)、アルキルおよび芳香族硫酸塩およびスルホン酸塩、例えばメチル硫酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸塩および誘導体、例えばキシレンスルホン酸塩、およびpHが好適であればアミノ酸、が挙げられる。電解質は、上記の混合塩、混合陽イオンで中和された塩、例えば酒石酸カリウム/ナトリウム、部分的に中和された塩、例えば酒石酸水素ナトリウムまたはフタル酸水素カリウム、および1個の陽イオンと混合陰イオンを含んでなる塩を含んでなることができる。
【0091】
一般的に、重量効率を良くし、コストを低くするためには、有機電解質よりも無機電解質の方が好ましい。無機および有機塩の混合を使用することができる。組成物中の電解質の典型的なレベルは、約10%未満であり、好ましくは、布地柔軟化剤組成物の約0.5〜約5重量%、より好ましくは約0.75〜約2.5重量%、最も好ましくは約1〜約2重量%、である。
【0092】
D.相安定剤
相安定剤は、高レベルの電解質を含む透明または半透明の布地柔軟化剤組成物(製品)を処方するのに非常に好ましく、不可欠であることもある。透明および半透明の製品は、二層に構造化された界面活性剤を含んでなり、これらの二層間に水性領域があると考えられる。油性物質、例えば疎水性香料、は、二層の中に、界面活性剤の尾同士の間に取り込むことができる。事実、これらの油性物質は、存在する量が過剰でなければ、二層を安定化させる様に作用することができる。水溶性化合物、例えば上記の電解質、は、二層間の水性領域中に止まる傾向がある。
【0093】
電解質を含まない、または低レベルの電解質を含む陽イオン系柔軟化剤製品では、通常、界面活性剤構造は、二層間の静電気的反発作用により安定化されると考えられる。静電気的反発により、界面活性剤の二層の融着が阻止され、それによって離れた相に分割される。処方物に高レベルの電解質が加えられると、二層間の静電気的反発が無くなり、界面活性剤の二層の融着が促進されると考えられる。この融着が起こる場合、1種、またはそれ以上、の相安定剤を処方物に添加し、例えば二層間の立体的反発により、安定性を高くする。
【0094】
柔軟性付与組成物中の相安定剤の典型的な量は、有効量〜組成物の約15重量%まで、好ましくは約0.1〜約7重量%、より好ましくは約1〜約5重量%、である。
【0095】
ここに記載する相安定剤化合物は、界面における立体的反発を与える能力により、上記の主要溶剤とは異なっている。これらの相安定剤は、ここに記載する主要溶剤ではない。
【0096】
本発明の組成物で有用な相安定剤は、一般的に疎水性および親水性部分を含んでなる特定の界面活性物質である。好ましい親水性部分は、ポリアルコキシル化された基、好ましくはポリエトキシル化された基である。
【0097】
好ましい相安定剤は、飽和および/または不飽和の第1級、第2級、および/または分岐した、アミン、アミド、アミンオキシド脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、および/またはアルキルアリールカルボン酸化合物から誘導された非イオン系界面活性剤であり、それぞれ炭素数が好ましくは約6〜約22、より好ましくは約8〜約18である疎水性の鎖、より好ましくはアルキルまたはアルキレン鎖を有し、該化合物の少なくとも1個の活性水素は、≦50、好ましくは≦30、より好ましくは約5〜約15、さらに好ましくは約8〜約12個のエチレンオキシド部分でエトキシル化され、約8〜約20、好ましくは約10〜約18、より好ましくは約11〜約15のHLBを与える。
【0098】
好適な相安定剤は、下記の群から選択された、大きな頭部基を有する非イオン系界面活性剤も包含する。
【0099】
a.下記の式を有する界面活性剤
-C(O)-Y'-[C(R)]-CHO(RO)
(式中、Rは、飽和または不飽和、第1級、第2級または分岐鎖アルキルまたはアルキル−アリール炭化水素からなる群から選択され、該炭化水素鎖長は約6〜約22であり、Y’は基−O−、−N(A)−およびそれらの混合物から選択され、Aは基H、R、−(R−O)−H、−(CHCH、フェニル、または置換アリールから選択され、その際、0≦x≦約3であり、zは約5〜約30であり、各Rは基−(CH−(ここでnは約1〜約4である)および/または−[CH(CH)CH]−から、またはそれらの基の組合せから選択され、各Rは基−OHおよび−O(RO)−Hから選択され、mは約2〜約4である)、
b.下記の式を有する界面活性剤
【化9】

(式中、Y”=NまたはOであり、各Rは独立して、基−H、−OH、−(CHCH、−O(OR−H、−OR、−OC(O)R、および−CH(CH−(ORz”−H)−CH−(ORz’−C(O)Rから選択され、xおよびRは上に定義した通りであり、5≦zであり、z’およびz”≦20であり、より好ましくは5≦z+z’+z”≦20であり、最も好ましくは複素環はY”=Oの5員環であり、1個のRは−Hであり、2個のRは−O(RO)−Hであり、少なくとも1個のRは構造−CH(CH−(ORz”−H)−CH−(ORz’−C(O)Rであり、8≦z+z’+z”≦20であり、Rは炭素数が8〜20である炭化水素であり、アリール基ではない)、
c.下記の式を有するポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤
−C(O)−N(R)−Z
(式中、各RはH、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cアルコキシアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、RはC〜C31ヒドロカルビル部分であり、各Zは、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に直接接続した直線状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分であるか、またはそのエトキシル化誘導体であり、各R’はHまたは環状単糖または多糖であるか、またはそのアルコキシル化誘導体である)、および
d.それらの混合物。
【0100】
好適な相安定剤は、反対の電荷を有する界面活性剤イオンまたは希釈粘度を下げるのに好適な1個の電解質イオンで中和された1個の界面活性剤イオンにより形成される界面活性剤複合体、およびポリエチレンオキシド部分とプロピレンオキシド部分を含んでなるブロック共重合体界面活性剤も包含する。
【0101】
代表的な相安定剤の例には、下記の材料が挙げられる。
【0102】
(1)−アルキルまたはアルキル−アリールアルコキシル化非イオン系界面活性剤
好適なアルキルアルコキシル化非イオン系界面活性剤は、一般的に飽和または不飽和の第1級、第2級、および分岐脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、またはアルキルアリール(安息香酸)カルボン酸に由来し、その際、活性水素が≦約30アルキレン、好ましくはエチレン、オキシド部分(例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド)でアルコキシル化されている。本発明で使用するこれらの非イオン系界面活性剤は、アルキルまたはアルケニル鎖の炭素数が好ましくは約6〜約22であり、直鎖または分岐鎖構造、好ましくは炭素数約8が約18〜である直鎖構造を有し、アルキレンオキシドが、好ましくは第1級位置に、アルキル鎖1個あたりアルキレンオキシド平均≦約30モル、より好ましくはアルキレンオキシド約5〜約15モル、最も好ましくはアルキレンオキシド約8〜約12モルの量で存在する。この種の好ましい材料は、流動点が約70°Fである、および/またはこれらの透明処方物中で固化しない。直鎖を有するアルキルアルコキシル化界面活性剤の例には、Shellから市販のNeodol(商品名)91-8、25-9、1-9、25-12、1-9、および45-13、BASFから市販のPlurafac(商品名)B-26およびC-7、ICI Surfactantsから市販のBrij(商品名)76および35が挙げられる。分岐アルキルアルコキシル化界面活性剤の例には、Union Carbideから市販のTergitol(商品名)15-S-12、15-S-15、および15-S-20、およびGAFから市販のEmulphogene(商品名)BC-720およびBC-840が挙げられる。アルキルアリールアルコキシル化界面活性剤の例には、Rhone Poulencから市販のIgepal(商品名)CO-620およびCO-710、Union Carbideから市販のTriton(商品名)N-111およびN-150、Dowから市販のDowfax(商品名)9N5およびBASFから市販のLutensol(商品名)AP9およびAP14が挙げられる。
【0103】
(2)−アルキルまたはアルキル−アリールアミンまたはアミンオキシド非イオン系アルコキシル化界面活性剤
アミン官能性を有する好適なアルキルアルコキシル化非イオン系界面活性剤は、一般的に飽和または不飽和、第1級、第2級、および分岐脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪メチルエステル、アルキルフェノール、アルキルベンゾエート、アミンに転化されるアルキル安息香酸、アミン−オキシドに由来し、所望により第2級アルキルまたはアルキルアリール炭化水素で置換され、それぞれアミン1モルあたり≦約50モルのアルキレンオキシド部分(例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド)を有するアミン官能基で付加した1または2個のアルキレンオキシド鎖を有する。ここで使用するアミンまたはアミン−オキシド界面活性剤は、炭素数が約6〜約22であり、直鎖または分岐鎖構造にあり、好ましくは炭素数が約8〜約18である1個の炭化水素が直鎖構造中にあり、1または2個のアルキレンオキシド鎖がアミン部分に、アミン部分1個あたり平均≦約50モルのアルキレンオキシド、より好ましくは約5〜約15モルのアルキレンオキシドの量で付加しており、最も好ましくはアミン部分1個あたり約8〜約12モルのアルキレンオキシドを含むアミン部分上に単一のアルキレンオキシド鎖がある。この種の好ましい材料は、流動点が約70°Fである、および/またはこれらの透明処方物中で固化しない。エトキシル化アミン界面活性剤の例には、Rhone Poulencから市販のBerol(商品名)397および303およびAkzoから市販のEthomeens(商品名)C/20、C25、T/25、S/20、S/25およびEthodumeens(商品名)T/20およびT25が挙げられる。
【0104】
好ましくは、アルキルまたはアルキル−アリールアルコキシル化界面活性剤およびアルキルまたはアルキル−アリールアミンおよびアルコキシル化アミン−オキシドの化合物は下記の一般式を有する。
【0105】
−Y−[(R−O)−H]
式中、各Rは飽和または不飽和、第1級、第2級または分岐鎖アルキルまたはアルキル−アリール炭化水素からなる群から選択され、該炭化水素鎖は好ましくは炭素数が約6〜約22、より好ましくは約8〜約18、さらに好ましくは約8〜約15であり、好ましくは直鎖であり、アリール部分を含まず、各Rは基−(CH−および/または−[CH(CH)CH]−から、またはそれらの基の組合せから選択され(約1<n<約3)、Yは基−O−、−N(A)−、−C(O)O−、−(O←)N(A)−、−B−R−O−、−B−R−N (A)−、−B−R−C(O)O−、−B−R−N(→O)(A)−、およびそれらの混合物から選択され、Aは基H、R、−(R−O)−H、−(CHCH、フェニル、または置換アリールから選択され、0≦x≦約3であり、Bは基−O−、−N(A)−、−C(O)O−、およびそれらの混合物から選択され、Aは上に定義した通りであり、各Rは基R、フェニル、または置換アリールから選択される。各アルコキシ鎖中の末端水素を短鎖C1−4アルキルまたはアシル基で置き換え、アルコキシ鎖を「キャップ」することができる。zは約5〜約30である。pはエトキシレート鎖の数、典型的には1または2であり、好ましくは1であり、mは疎水性鎖の数であり、典型的には1または2であり、好ましくは1であり、qは構造を完成させる数であり、通常は1である。
【0106】
好ましい構造は、m=1、p=1または2、5≦z≦30の構造であり、qは1または0でよいが、p=2の場合、qは0でなければならず、より好ましくはm=1、p=1または2、7≦z≦20の構造であり、さらに好ましくはm=1、p=1または2、9≦z≦12の構造である。好ましいyは0である。
【0107】
(3)−大きな頭部基を有するアルコキシル化および非アルコキシル化非イオン系界面活性剤
かさの大きな頭部基を有する好適なアルコキシル化および非アルコキシル化相安定剤は、一般的に、炭水化物基または複素環式頭部基で誘導体化された、飽和または不飽和、第1級、第2級、および分岐脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、およびアルキル安息香酸、アミン−オキシドに由来する。次いで、この構造は、所望により、より多くのアルキルまたはアルキル−アリールアルコキシル化または非アルコキシル化炭化水素で置換することができる。複素環式化合物または炭水化物は、それぞれ複素環式化合物または炭水化物1モルあたり≦約50、好ましくは≦約30モルを有する、1個以上のアルキレンオキシド鎖(例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド)でアルコキシル化する。ここで使用する炭水化物または複素環式界面活性剤上の炭化水素基は、炭素数が約6〜約22であり、直鎖または分岐鎖構造にあり、好ましくは炭素数が約8〜約18である1個の炭化水素があり、1または2個のアルキレンオキシド鎖炭水化物または複素環式部分を含み、各アルキレンオキシド鎖は、平均≦約50、好ましくは≦約30モルの炭水化物または複素環式部分の量で存在し、より好ましくはアルキレンオキシド鎖1個あたり約5〜約15モルのアルキレンオキシド、最も好ましくは炭化水素鎖上および複素環式または炭水化物部分の両方の上にアルキレンオキシドを包含する界面活性剤分子1個あたり、合計約8〜約12モルのアルキレンオキシドの量で存在する。この種の相安定剤の例は、ICI Surfactantsから市販のTween(商品名)40、60、および80である。
【0108】
好ましくは、大きな頭部基を有するアルコキシル化および非アルコキシル化非イオン系界面活性剤の化合物は、下記の一般式を有する。
【0109】
-C(O)-Y'-[C(R)]-CHO(RO)
(式中、Rは、飽和または不飽和、第1級、第2級または分岐鎖アルキルまたはアルキル−アリール炭化水素からなる群から選択され、該炭化水素鎖長は約6〜約22であり、Y’は基−O−、−N(A)−およびそれらの混合物から選択され、Aは基H、R、−(R−O)−H、−(CHCH、フェニル、または置換アリールから選択され、その際、0≦x≦約3であり、zは約5〜約30であり、各Rは基−(CH−および/または−[CH(CH)CH]−から、またはそれらの基の組合せから選択され、各Rは基−OHおよび−O(RO)−Hから選択され、mは約2〜約4である)、
この種の界面活性剤の別の有用な一般式は下記の通りである。
【0110】
【化10】

(式中、Y”=NまたはOであり、各Rは基−H、−OH、−(CHCH、−O(OR−H、−OR、−OC(O)R、および−CH(CH−(ORz”−H)−CH−(ORz’−C(O)Rから選択される。x、RおよびRは上記のD項で定義した通りであり、z、z’およびz”はすべて約5≦から約≦20である。この構造の最も好ましい形態では、複素環はY”=Oの5員環であり、1個のRは−Hであり、2個のRは−O(RO)−Hであり、少なくとも1個のRは構造−CH(CH−(ORz”−H)−CH−(ORz’−C(O)Rであり、約8≦z+z’+z”≦約20であり、Rは炭素数が約8〜約20である炭化水素であり、アリール基ではない)、
使用可能な別の群の界面活性剤は、下記の式を有するポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤である。
【0111】
−C(O)−N(R)−Z
(式中、各RはH、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cアルコキシアルキル、またはヒドロキシアルキル、例えば2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、等であり、好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはCまたはCアルキル、最も好ましくはCアルキル(すなわちメチル)またはメトキシアルキルであり、RはCC〜31ヒドロカルビル部分、直鎖C〜C19アルキルまたはアルケニル、より好ましくは直鎖C〜C17アルキルまたはアルケニル、最も好ましくは直鎖C11〜C17アルキルまたはアルケニル、またはそれらの混合物であり、Zは、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に直接接続した直線状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分であるか、またはそのアルコキシル化誘導体(好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化)である。Zは、好ましくは還元性アミノ化反応で還元糖から誘導され、より好ましくはZはグリシチル部分である。Zは好ましくは−CH(CHOH)−CHOH、−CH(CHOH)−(CHOH)−CHOH、 −CH(CHOH)(CHOR’)(CHOH)−CHOHからなる群から選択され、nは3〜5の整数であり、R’はHまたは環状単糖または多糖、およびそのアルコキシル化誘導体である。nが4であるグリシチル、特に−CH(CHOH)−CHOが最も好ましい。上記のZ部分の混合物が望ましい。
【0112】
は、例えばN−メチル、N−エチル、N−プロピル、N−イソプロピル、N−ブチル、N−イソブチル、N−2−ヒドロキシエチル、N−1−メトキシプロピル、またはN−2−ヒドロキシプロピルでよい。
【0113】
−CO−N<は、例えばコカミド、ステアラミド、オレアミド、ラウラミド、ミリスタミド、カプリカミド、パルミタミド、タロウアミド、等でよい。
【0114】
Zは1−デオキシグルシチル、2−デオキシフルクチチル、1−デオキシマルチチル、1−デオキシラクチチル、1−デオキシガラクチチル、1−デオキシマンニチル、1−デオキシマルトトリオチチル、等でよい。
【0115】
(4)−アルコキシル化陽イオン系第4級アンモニウム界面活性剤
本発明に有用なアルコキシル化陽イオン系第4級アンモニウム界面活性剤は、一般的に脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪メチルエステル、アルキル置換フェノール、アルキル置換安息香酸、および/またはアルキル置換安息香酸エステル、および/またはアミンに転化される脂肪酸に由来し、それらのアミンは所望により他の長鎖アルキルまたはアルキル−アリール基とさらに反応することができ、次いで、このアミン化合物は、アミン1モルあたり≦約50モルのアルキレンオキシド部分(例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド)をそれぞれ有する1または2個のアルキレンオキシド鎖でアルコキシル化される。
【0116】
この種の典型的な物質は、脂肪族の飽和または不飽和、第1級、第2級または分岐アミンの第4級化により得られる生成物であり、それらのアミンは、アミン原子上に、≦約50個未満のアルキレンオキシド部分をそれぞれ有する1または2個のアルキレンオキシド鎖でアルコキシル化された、1または2個の、炭素数が約6〜約22である炭化水素鎖を有する。ここで使用するアミン炭化水素は、炭素数が約6〜約22であり、直鎖または分岐鎖構造にあり、好ましくは炭素数が約8〜約18である1個のアルキル炭化水素基が直鎖構造中にある。好適な第4級アンモニウム界面活性剤は、1または2個のアルキレンオキシド鎖がアミン部分に、アルキル鎖1個あたり平均≦約50モルのアルキレンオキシド、より好ましくは約3〜約20モルのアルキレンオキシド、最も好ましくは疎水性基、例えばアルキル基、1個あたり約5〜約12モルのアルキレンオキシドの量で付加している。この種の好ましい材料は、流動点が約70°F未満である、および/またはこれらの透明処方物中で固化しない。この種の好適な相安定剤の例は、Akzoから市販のEthoquad(商品名)18/25、C/25およびO/25、およびWitcoから市販のVariquat(商品名)-66(合計約16エトキシ単位を含む軟質タロウアルキルビス(ポリオキシエチル)アンモニウムエチルサルフェート)を包含する。
【0117】
好ましくは、アンモニウムアルコキシル化陽イオン系界面活性剤は下記の一般式を有する。
【0118】
{R−Y−[(R−O)−H]
式中、RおよびRは、上記のD項で定義した通りであり、Yは、基=N− (A)、−(CH−N−(A)、−B−(CH−N−(A)、−(フェニル)−N−(A)、−(B−フェニル)−N−(A)から選択され、nは約1〜約4であり、mは1または2であり、pは1または2であり、m+p+q=4である。
【0119】
各Aは独立して、基H、R、−(RO)−H、−(CHCH、フェニル、および置換アリールから選択され、0≦x≦約3、Bは基−O−、−NA−、−NA、−C(O)O−、および−C(O)N(A)−から選択され、Rは上記の通りであり、q=1または2であり、Xは、布地柔軟化剤活性成分および補助成分と相容性がある陰イオンである。
【0120】
好ましい構造は、m=1、p=1または2、および約5≦z≦約50である構造、より好ましくはm=1、p=1または2、および約7≦z≦約20である構造、最も好ましくは、m=1、p=1または2、および約9≦z≦約12である構造である。
【0121】
(5)−界面活性剤複合体
界面活性剤複合体は、界面活性剤イオンが、反対の電荷を有する界面活性剤イオンで中和された物質、または希釈粘度を下げるのに好適な電解質、アンモニウム塩、またはポリ陽イオン系アンモニウム塩で中和された界面活性剤であると考えられる。本発明の目的には、ある界面活性剤複合体が、反対の電荷を有する界面活性剤同士により形成されている場合、それらの界面活性剤は明らかに異なった鎖長を有する、例えば長鎖界面活性剤と短鎖界面活性剤が複合体を形成し、複合体の溶解度を高める、のが好ましく、長鎖界面活性剤がアミンまたはアンモニウムを含む界面活性剤であるのが、より好ましい。長鎖界面活性剤は、炭素数が約6〜約22であるアルキル鎖を含むものとして定義される。これらのアルキル鎖は、所望によりフェニルまたは置換されたフェニル基またはアルキレンオキシド部分を、鎖と頭部基の間に含むことができる。短鎖界面活性剤は、炭素数が6未満であるアルキル鎖を含み、所望により、これらのアルキル鎖がフェニルまたは置換フェニル基またはアルキレンオキシド部分を、アルキル鎖と頭部基の間に含むことができる。好適な界面活性剤複合体の例には、Armeen(商品名)APA-10とキシレンスルホン酸カルシウム、Armeen APA-10と塩化マグネシウム、カルボン酸ラウリルとトリエタノールアミン、直線状アルキルベンゼンスルホネートとC−ジメチルアミン、あるいはアルキルエトキシル化サルフェートとテトラキスN,N,N’,N’−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの混合物が挙げられる。
【0122】
好ましくは、複合体製造用の長鎖界面活性剤は、下記の一般式を有する。
【0123】
−Y
式中、Rは上記のD項で説明した通りであり、Yは構造−N(A)、−C (O)N(A)、−(O←)N(A)、−B−R−N(A)、−B−R−C(O)N(A)、−B−R−N(→O)(A)、−CO、−SO−2、−OSO−2、−O(RO)CO、−O(RO)SO−2、および−O(RO)OSO−2から選択され、BおよびRは上記のD項で説明した通りであり、0<z≦4である。
【0124】
好ましくは、複合体製造用の短鎖界面活性剤は、下記の一般式を有する。
【0125】
−Y
式中、R、R、BおよびYは上記の通りであり、Rは−(CHCH
−(CH−フェニルまたは−(CH−置換フェニルから選択することができ、0≦y≦6である。
【0126】
(6)−エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合により得られるブロック共重合体
好適な重合体は、テレフタレートおよびポリエチレンオキシドのブロックを有する共重合体を包含する。より詳しくは、これらの重合体は、エチレンおよび/またはプロピレンテレフタレートおよびポリエチレンオキシドテレフタレートの反復単位を、エチレンテレフタレート単位とポリエチレンオキシドテレフタレート単位の好ましいモル比約25:75〜約35:65で含んでなり、該ポリエチレンオキシドテレフタレートは、分子量約300〜約2000のポリエチレンオキシドブロックを含む。この重合体の分子量は、約5,000〜約55,000である。
【0127】
別の好ましい重合体は、約10〜約15重量%のエチレンテレフタレート単位を約10〜約50重量%のポリオキシエチレンテレフタレート単位と共に含むエチレンテレフタレート単位の反復単位を有する結晶性ポリエステルであり、平均分子量約300〜約6,000のポリオキシエチレングリコールに由来し、結晶性重合体化合物中のポリエステルエチレンテレフタレート単位とポリオキシエチレンテレフタレート単位のモル比は2:1〜6:1である。この重合体の例は、市販の材料Zelcon(商品名)4780(DuPontから)およびMilease(商品名)T(ICIから)を包含する。
【0128】
非常に好ましい重合体は、下記の一般式を有する。
【0129】
X-(OCHCH)-[O-C(O)-R-C(O)-R)-[O-C(O)-R-C(O)-O)-(CHCHO)-X (1)
式中、Xはすべての好適なキャップ基でよく、各Xは、H、および炭素数が約1〜約4であるアルキルまたはアシル基、好ましくはメチル、からなる群から選択され、nは水溶性を与える様に選択され、一般的に約6〜約113、好ましくは約20〜約50であり、uは、比較的高いイオン強度を有する液体組成物では処方に非常に重要である。uが10を超える材料は非常に少なくすべきである。さらに、uが約3〜約5である材料は少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%にすべきである。
【0130】
部分は、実質的に1,4−フェニレン部分である。ここで使用する用語 「R部分は、実質的に1,4−フェニレン部分である」は、R部分が完全に1,4−フェニレン部分からなるか、または部分的に他のアリーレンまたはアルカリーレン部分、アルキレン部分、アルケニレン部分、またはそれらの混合物で置き換えられている化合物に関する。部分的に1,4−フェニレンを置き換えることができるアリーレンおよびアルカリーレン部分には、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、1,8−ナフチレン、1,4−ナフチレン、2,2−ビフェニレン、4,4−ビフェニレン、およびそれらの混合物が挙げられる。部分的に置換できるアルキレンおよびアルケニレン部分には、エチレン、1,2−プロピレン、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、1,6−ヘキサメチレン、1,7−ヘプタメチレン、1,8−オクタメチレン、1,4−シクロヘキシレン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0131】
部分に関して、1,4−フェニレン以外の部分による部分的な置換は、化合物の望ましい特性が大きく悪影響を受けない程度にすべきである。一般的に、許容される部分置換程度は、化合物の骨格の長さによって異なる、すなわち骨格が長い程、1,4−フェニレン部分の置換程度を大きくすることができる。通常、Rが約50%〜約100%の1,4−フェニレン部分を含んでなる(1,4−フェニレン以外の部分が0〜50%)化合物で十分である。好ましくは、R部分が完全に1,4−フェニレンからなる、すなわち各R部分が1,4−フェニレンである。
【0132】
部分に関して、好適なエチレンまたは置換されたエチレン部分には、エチレン、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、1,2−ヘキシレン、3−メトキシ−1,2−プロピレンおよびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、R部分は、実質的にエチレン部分、1,2−プロピレン部分またはそれらの混合物である。驚くべきことに、1,2−プロピレン部分の含有量が大きい程、化合物の水溶性が改善される傾向がある。
【0133】
従って、1,2−プロピレン部分または類似の分岐した同等物質の使用は、液体布地柔軟化剤組成物に重合体をかなりの量で配合するのに好ましい。好ましくは、R部分の約75%〜約100%、より好ましくは約90%〜約100%は1,2−プロピレン部分である。
【0134】
各nに対する値は少なくとも約6、好ましくは少なくとも約10である。各nに対する値は一般的に約12〜約113である。典型的には、各nに対する値は約12〜約43である。
【0135】
これらの重合体は、ここに参考として含めるヨーロッパ特許出願第185,427号明細書、Gosselink 、1986年6月25日公開、に、より詳細に記載されている。
【0136】
他の好ましい共重合体は、界面活性剤、例えばポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン(PO/EO/PO)逆ブロック重合体、を包含する。
【0137】
共重合体は、所望によりプロピレンオキシドを約15重量%までの量で含むことができる。他の好ましい共重合体界面活性剤は、ここに参考として含める米国特許第4,223,163号明細書、1980年9月16日公布、Builloty、にに開示されている製法により製造することができる。
【0138】
上記の必要条件に適合する好適なブロックポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン重合体状化合物は、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパンおよび開始剤反応性水素化合物としてエチレンジアミンを基剤とする化合物を包含する。本発明の組成物には、BASF-Wyandotte Corp., Wyandotte, Michigan製のPLURONIC(商品名)およびTETRONIC(商品名)と呼ばれる、ある種のブロック重合体界面活性剤化合物が好適である。
【0139】
特に好ましい共重合体は、約40〜約70重量%のポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック重合体混合物を含み、この混合物は、混合物の約75重量%の、エチレンオキシド17モルおよびプロピレンオキシド44モルを含む、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの逆ブロック共重合体、および混合物の約25重量%の、トリメチロールプロパンで開始され、トリメチロールプロパン1モルあたり99モルのプロピレンオキシドおよび24モルのエチレンオキシドを含む、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロック共重合体を含んでなる。
【0140】
比較的高い親水性−親油性バランス(HLB)を有する材料を共重合体として使用するのが好適である。
【0141】
本発明で有用な他の重合体は、Dow Chemical Company, Midland, Michiganから入手できる、分子量が約950〜約30,000であるポリエチレングリコールを包含する。例えば、その様な化合物は、融点が約30℃〜約100℃であり、分子量1,450、3,400、4,500、6,000、7,400、9,500、および20,000で得ることができる。その様な化合物は、エチレングリコールを、それぞれのポリエチレングリコールの所望の分子量および融点を与えるのに必要なモル数のエチレンオキシドと重合させることにより、形成される。 他のブロック共重合体は、ジメチルポリシロキサン疎水性部分および1個以上の親水性ポリアルキレン側鎖を有し、下記の一般式を有するポリアルキレンオキシドポリシロキサンを包含する。
【0142】
−(CH)SiO−[(CH)SiO]−[(CH)(R)SiO]
Si(CH)−R
式中、a+bは約1〜約50、好ましくは約3〜約30、より好ましくは約10〜約25であり、各Rは、同一であるか、または異なるものであって、メチルおよび下記の一般式
−(CHO(CO)(CO)
を有するポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)共重合体基からなる群から選択され、少なくとも1個のRは、 ポリ(エチレンオキシ/プロピレンオキシ)共重合体基であり、nは3または4であり、好ましくは3であり、cの合計(すべてのポリアルキレンオキシ側基に対して)は1〜約100、好ましくは約6〜約100、の値を有し、dの合計は0〜約14、好ましくは0〜約3であり、より好ましくはdは0であり、c+dの合計は約5〜約150、好ましくは約9〜約100であり、各Rは、同一であるか、または異なるものであって、水素、炭素数が1〜4であるアルキル、およびアセチル基、好ましくは水素およびメチル、からなる群から選択される。各ポリアルキレンオキシドポリシロキサンは少なくとも1個の、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)共重合体基であるRを有する。
【0143】
この種の界面活性剤の例は、OSi Specialties, Inc., Danbury, Connecticutから入手できるSilwet(商品名)界面活性剤であるが、これらに限定するものではない。エチレンオキシ(CO)基だけを含む代表的なSilwet界面活性剤は、下記の通りである。
【0144】
名称 平均分子量 平均a+b 平均合計c
L−7608 600 1 9
L−7607 1,000 2 17
L−77 600 1 9
L−7605 6,000 20 99
L−7604 4,000 21 53
L−7600 4,000 11 68
L−7657 5,000 20 76
L−7602 3,000 20 29
L−7622 10,000 88 75
エチレンオキシ(CO)およびプロピレンオキシ(CO)基の両方を含む界面活性剤の例は下記の通りであるが、これらに限定するものではない。
【0145】
名称 平均分子量 EO/PO比
Silwet L-720 12,000 50/50
Silwet L-7001 20,000 40/60
Silwet L-7002 8,000 50/50
Silwet L-7210 13,000 20/80
Silwet L-7200 19,000 75/25
Silwet L-7220 17,000 20/80
ポリアルキレンオキシ基(R)の分子量は約10,000以下である。好ましくは、ポリアルキレンオキシ基の分子量は約8,000以下であり、最も好ましくは約300〜約5,000である。従って、cおよびdの値は、これらの範囲内の分子量を与える数でよい。しかし、ポリエーテル鎖(R)中のエチレンオキシ単位−(CO)の数は、ポリアルキレンオキシドポリシロキサンに水分散性または水溶性を付与するのに十分でなければならない。ポリアルキレンオキシ鎖中にプロピレンオキシ基が存在する場合、これらの基は鎖中に不規則に分布するか、またはブロックとして存在することができる。プロピレンオキシ基だけを含み、エチレンオキシ基を含まない界面活性剤は好ましくない。好ましいSilwet界面活性剤はL-7600、L-7602、L-7604、L-7605、L-7657、およびそれらの混合物である。界面活性の他に、ポリアルキレンオキシドポリシロキサン界面活性剤は、他の特性、例えば潤滑性および柔軟性、も布地に与えることができる。
【0146】
ポリアルキレンオキシドポリシロキサンの製造は、この分野で良く知られている。本発明のポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、ここに参考として含める米国特許第3,299,112号明細書に記載されている手順により製造することができる。典型的には、本発明の界面活性剤混合物のポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、ヒドロシロキサン(すなわちケイ素に結合した水素を含むシロキサン)と、アルコキシまたはヒドロキシ末端ブロックされたポリアルキレンオキシドのアルケニルエーテル(例えばビニル、アリル、またはメタリルエーテル)の付加反応により、容易に製造することができる。この種の付加反応に使用する反応条件は、この分野で良く知られており、一般的に白金触媒(例えば塩化白金酸)および溶剤(例えばトルエン)の存在下で反応物を加熱(例えば温度約85℃〜110℃)する。
【0147】
(7)−アルキルアミドアルコキシル化非イオン系界面活性剤
好適な界面活性剤は下記の式を有する。
【0148】
R−C(O)−N(R−[(RO)(RO)
式中、RはC7−21直線状アルキル、C7−21分岐アルキル、C7−21直線状アルケニル、C7−21分岐アルケニル、およびそれらの混合物である。好ましくは、RはC8−18直線状アルキルまたはアルケニルである。
【0149】
は−CH−CH2-であり、RはC〜C直線状アルキル、C〜C分岐アルキル、およびそれらの混合物であり、好ましくはRは−CH(CH)−CH−である。R1およびR2単位の混合物を含んでなる界面活性剤は、好ましくは約4〜約12個の−CH−CH−単位を、約1〜約4個の−CH(CH)−CH−単位との組合わせで含んでなる。これらの単位は、処方者にとって好適なすべての組合せで、交互に、または群として存在してもよい。好ましくは、R単位とR単位の比は約4:1〜約8:1である。好ましくは、R単位(すなわち−C(CH)H−CH−)は窒素原子に付加し、それに約4〜8個の−CH−CH−単位を含んでなる鎖の残りが続く。
【0150】
は水素、C〜C直線状アルキル、C〜C分岐アルキル、およびそれらの混合物であり、好ましくは水素またはメチル、より好ましくは水素である。
【0151】
は水素、C〜C直線状アルキル、C〜C分岐アルキル、およびそれらの混合物であり、好ましくは水素である。指数mが2である場合、指数nは0であり、R単位は存在しない。
【0152】
指数mは1または2であり、指数nは0または1であるが、ただし、m+nは2に等しく、好ましくはmは1であり、nは1であり、1個の-[(RO)(RO)]単位を形成し、R単位は窒素上に存在する。指数xは0〜約50であり、好ましくは約3〜約25であり、より好ましくは約3〜約10である。指数yは0〜約10、好ましくは0であるが、指数yが0ではない場合、yは1〜約4である。好ましくは、すべてのアルキレンオキシ単位がエチレンオキシ単位である。 好適なエトキシル化アルキルアミド界面活性剤の例は、Witcoから市販のRewopal(商品名)C、Stepanから市販のAmidox(商品名)C5、およびAkzoから市販のEthomid(商品名)HT/60である。
【0153】
(8)−それらの混合物
主要溶剤の削減に関して、上記の相安定剤を含まない組成物と比較して、本発明の組成物では、組成物の性能を損なわずに、少なくとも30%の削減を行なうことができる。好ましい亜群を使用することにより、50%を超える削減が可能である。これらの相安定剤により、組成物が透明で安定している温度の範囲が改善される。また、これらの相安定剤により、より多くの電解質を使用しても、不安定にならない。最後に、これらの相安定剤により、透明性および/または安定性を達成するのに必要な主要溶剤の量を低減することができる。
【0154】
使用する主要溶剤の量を少なくするのに好ましい相安定剤は、アルコキシル化アルキル、アルコキシル化アシルアミド、アルコキシル化アルキルアミンまたはアルコキシル化第4級アルキルアンモニウム塩、界面活性剤複合体、およびそれらの混合物である。各種の安定剤は様々な利点を有する。例えば、アルコキシル化陽イオン系材料または陽イオン系界面活性剤複合体は柔軟性を改良し、しわ除去特性を与える。
【0155】
柔軟化剤活性化合物がメチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムであり、アシル基が部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する系では、最適な透明度および安定性を得るのに好ましい安定剤の量は、主要溶剤および所望により使用する香料の量の増加と共に増加し、柔軟化剤活性成分の量の増加と共に減少することが分かっている。
【0156】
非常に好ましい希釈および配量特性を有する布地柔軟化剤組成物は、上に開示した組成物である。
【0157】
所望により使用する成分
(a)香料
本発明は、柔軟化剤に対して相容性があるすべての香料を含むことができる。好適な香料は、ここに参考として含める米国特許第5,500,138号明細書および第5,652,206号明細書、Bacon et al.、それぞれ1996年3月19日公布、および1997年7月29日公布、に記載されている。
【0158】
ここで使用する様に、香料には、天然(すなわち花、薬草、葉、根、樹皮、木材、果樹の花または草の抽出により得られる)、人造(すなわち様々な天然の油または油構成成分の混合物)および合成(すなわち合成により製造した)芳香物質を包含する、香りのある物質または物質の混合物が挙げられる。その様な材料は、補助的な材料、例えば固定剤、エクステンダー、安定剤および溶剤を伴うことが多い。これらの補助成分も、ここで使用する「香料」の意味に入る。典型的には、香料は複数の有機化合物の複雑な混合物である。
【0159】
本発明の香料に有用な香料成分の例は、該特許に開示されている物質を包含するが、これらに限定するものではない。
【0160】
本発明の組成物に有用な香料はハロゲン化物質およびニトロマスクを実質的に含まない。
【0161】
上記の香料成分に好適な溶剤、希釈剤または担体は、例えばエタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコール、モノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、等である。香料に配合するその様な溶剤、希釈剤または担体の量は、均質な香料溶液を与えるのに必要な最少量に抑えるのが好ましい。
【0162】
香料は、完成した組成物の0〜約15重量%、好ましくは約0.1〜約8重量%、より好ましくは約0.2〜約5重量%の量で存在することができる。本発明の布地柔軟化剤組成物は布地に対する香料付着性が優れている。
【0163】
(b)主要溶剤エクステンダー
本発明の組成物は、所望により、主要溶剤エクステンダーを包含し、処方物の安定性および透明度を高め、場合により、柔軟性の利点を強化することができる。溶剤エクステンダーは、典型的には組成物の約0.05〜約10重量%、より好ましくは約0.5〜約5重量%、最も好ましくは約1〜約4重量%、の量で配合する。
【0164】
主要溶剤エクステンダーは、ある範囲の材料を包含することができるが、その材料は、主要溶剤の量を下げ、典型的には香料または香気のレベルを下げた組成物に安定性および透明性を与える必要がある。その様な材料には、典型的には疎水性材料、例えば極性および非極性油、および親水性の高い材料、例えばヒドロトロピー剤および上記の電解質、例えば周期律表のIIB、IIIおよびIV族の電解質、特にIIBおよびIIIB族の電解質、例えばアルミニウム、亜鉛、スズ塩化物電解質、ナトリウムEDTA、ナトリウムDPTA、および他の金属キレート化剤として使用される他の電解質、が挙げられる。
【0165】
極性の疎水性油は、緩和剤、例えば脂肪エステル、例えばオレイン酸メチル、Wickenols(商品名)、ミリスチン酸の誘導体、例えばミリスチン酸イソプロピル、およびトリグリセリド、例えばカノラ油、遊離脂肪酸、例えばカノラ油に由来する脂肪酸、脂肪アルコール、例えばオレイルアルコール、かさの大きいエステル、例えば安息香酸ベンジルおよびサリチル酸ベンジル、フタル酸ジエチルまたはジブチル、かさの大きいアルコールまたはジオール、および香料油、特に低臭気香料油、例えばリナロール、モノまたはポリソルビタンエステル、およびそれらの混合物、から選択することができる。非極性の疎水性油は、石油系油、例えばヘキサン、デカン、ペンタデカン、ドデカン、クエン酸イソプロピル、およびかさの大きい香料油、例えばリモネン、およびそれらの混合物から選択することができる。特に、遊離脂肪酸、例えば部分的に硬化したカノラ油は、柔軟性の利点を高めることができる。
【0166】
特に好ましい疎水性油は極性の疎水性油を包含する。特に、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール中エクステンダーの20%溶液により測定される凝固点が約22℃未満、より好ましくは約20℃未満である極性の疎水性油。この種の好ましい油には、オレイン酸メチル、安息香酸ベンジルおよびカノラ油が挙げられる。
【0167】
好適なヒドロトロピー剤は、スルホン酸塩電解質、特にアルカリ金属スルホン酸塩、およびカルボン酸誘導体、例えばクエン酸イソプロピル、を包含する。特に、クメンスルホン酸ナトリウムおよびカルシウムおよびトルエンスルホン酸ナトリウム。別のヒドロトロピー剤は、安息香酸およびその誘導体、安息香酸の電解質およびその誘導体を包含する。
【0168】
(c)陽イオン系電荷増進剤
本発明の濯ぎの際に加える布地柔軟性付与組成物には、必要であれば、陽イオン系電荷増進剤を加えることができる。ある種の電荷増進剤は、前に記載した様な他の機能を果たす。エタノールは、以下に挙げる成分の多くを製造するのに使用され、従って、最終的な製品処方に入れる溶剤の供給源である。処方者はエタノールに限定されず、他の溶剤、取り分けヘキシレングリコール、を加え、最終的な組成物の処方に役立てることができる。
【0169】
本発明の好ましい陽イオン系電荷増進剤を以下に説明する。
【0170】
(i) 第4級アンモニウム化合物
本発明の好ましい組成物は、少なくとも約0.2重量%、好ましくは約0.2〜約10重量%、より好ましくは約0.2〜約5重量%、の、下記の式を有する陽イオン系電荷増進剤を含んでなる。
【0171】
【化11】

式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立してC〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、R−Q−(CH−であり、RはC〜C22アルキル、およびそれらの混合物であり、mは1〜約6であり、Xは陰イオンである。
【0172】
好ましくは、Rは、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、およびそれらの混合物、より好ましくはC11〜C18アルキル、C11〜C18アルケニル、およびそれらの混合物であり、R、RおよびRは、それぞれ好ましくはC〜Cアルキルであり、より好ましくは各R、RおよびRがメチルである。
【0173】
処方者は、同様にRとしてR−Q−(CH−を選択することができ、ここでRは、炭素数が1〜22であるアルキルまたはアルケニル部分であり、好ましくはアルキルまたはアルケニル部分は、Q単位と一つになって、好ましくはタロウ、部分的に水素化されたタロウ、ラード、部分的に水素化されたラード、植物油および/または部分的に水素化された植物油、例えばカノラ油、サフラワー油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、トール油、米ぬか油、等、およびそれらの混合物、からなる群から選択されたトリグリセリドの供給源に由来するアシル単位である。
【0174】
−Q−(CH−を含んでなる布地柔軟化剤陽イオン系増進剤の例は、下記の式を有する。
【0175】
【化12】

式中、R−Q−はオレオイル単位であり、mは2である。
【0176】
Xは、柔軟化剤と相容性がある陰イオンであり、好ましくは強酸の陰イオン、例えば塩化物、臭化物、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、硫酸塩、硝酸塩およびそれらの混合物、より好ましくは塩化物およびメチル硫酸塩である。
【0177】
(ii)ポリビニルアミン
本発明の好ましい組成物は、少なくとも約0.2重量%、好ましくは約0.2〜約5重量%、より好ましくは約0.2〜約2重量%、の、下記の式を有する1種以上のポリビニルアミンを含んでなる。
【0178】
【化13】

式中、yは約3〜約10,000、好ましくは約10〜約5,000、より好ましくは約20〜約500である。本発明で使用するのに好適なポリビニルアミンは、BASFから市販されている。
【0179】
所望により、1個以上のポリビニルアミン骨格−NH単位の水素を下記の式を有するアルキレンオキシ単位で置き換えることができる。
【0180】
−(RO)
式中、RはC〜Cアルキレンであり、Rは水素、C〜Cアルキル、およびそれらの混合物であり、xは1〜50である。本発明の一実施態様では、ポリビニルアミンを先ず2−プロピレンオキシ単位を窒素に直接付加する基剤と反応させ、続いて1モル以上のエチレンオキシドと反応させ、下記の一般式を有する単位を形成する。
【0181】
【化14】

式中、xは1〜約50の値を有する。上記の様な置換基は略記した式PO−EO-により代表される。しかし、2個以上のプロピレンオキシ単位をアルキレンオキシ置換基の中に取り入れることができる。
【0182】
液体布地柔軟性付与組成物中の陽イオン系電荷増進剤として使用するには、単位重量あたり、より多くのアミン部分がかなりの電荷密度を与えるので、ポリビニルアミンが特に好ましい。さらに、陽イオン電荷はその場で発生し、処方者は陽イオン電荷のレベルを調節することができる。
【0183】
(iii) ポリアルキレンイミン
本発明の好ましい組成物は、少なくとも約0.2重量%、好ましくは約0.2〜約10重量%、より好ましくは約0.2〜約5重量%、の、下記の式を有するポリアルキレンイミン電荷増進剤を含んでなる。
【0184】

| |
[HN−R]n+1−[N−R]−[N−R]−NH
式中、mの値は2〜約700であり、nの値は0〜約350である。好ましくは、本発明の化合物は、m:nの比が少なくとも1:1で、10:1までであるポリアミンを含んでなるが、直線状重合体(nが0である)を含むことができ、好ましくはその比は2:1である。m:nの比が2:1である場合、第1級:第2級:第3級アミン部分の比、すなわち−RNH、−RNH、および−RN部分の比、は1:2:1である。
【0185】
R単位はC〜Cアルキレン、C〜Cアルキル置換されたアルキレン、およびそれらの混合物であり、好ましくはエチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、およびそれらの混合物であり、より好ましくはエチレンである。R単位は骨格のアミン窒素を接続するのに役立つ。
【0186】
所望により、1個以上のポリビニルアミン骨格−NH単位の水素を下記の式を有するアルキレンオキシ単位で置き換えることができる。
【0187】
−(RO)
式中、RはC〜Cアルキレンであり、Rは水素、C〜Cアルキル、およびそれらの混合物であり、xは1〜50である。本発明の一実施態様では、ポリビニルアミンを先ず2−プロピレンオキシ単位を窒素に直接付加する基剤と反応させ、続いて1モル以上のエチレンオキシドと反応させ、下記の一般式を有する単位を形成する。
【0188】
【化15】

式中、xは1〜約50の値を有する。上記の様な置換基は略記した式PO−EO-により代表される。しかし、2個以上のプロピレンオキシ単位をアルキレンオキシ置換基の中に取り入れることができる。
【0189】
濯ぎの際に加える布地柔軟性付与組成物中に使用するのに好適な、好ましいポリアミン陽イオン系電荷増進剤は、R基の50%未満が4個以上の炭素原子を含んでなる骨格を含んでなる。骨格中の窒素原子間に2および3個の炭素スペーサーをR部分として使用するのが、分子の電荷増進剤特性を調整するのに有利である。本発明のより好ましい実施態様では、25%未満の部分が4個以上の炭素原子を有する。さらに好ましい骨格は、10%未満の部分が4個以上の炭素原子を有する。最も好ましくは、骨格が100%エチレン部分を含んでなる。
【0190】
本発明の陽イオン系電荷増進ポリアミンは、均質または不均質なポリアミン骨格、好ましくは均質な骨格を含んでなる。本発明の目的には、用語「均質なポリアミン骨格」とは、同一であるR単位(すなわちすべてエチレン)を有するポリアミン骨格と定義される。しかし、この同一であることの定義は、選択した人工的な化学合成方法のために存在する重合体骨格を含んでなる他の単位を含んでなるポリアミンを排除するものではない。例えば、当業者には明らかな様に、エタノールアミンはポリエチレンイミン合成における「開始剤」として使用でき、従って、重合「開始剤」から生じる1個のヒドロキシエチル部分を含んでなるポリエチレンイミンの試料は、本発明の目的に、均質なポリアミン骨格を構成すると考えられる。
【0191】
本発明の目的には、「不均質な重合体骨格」とは、1種以上のアルキレンまたは置換アルキレン部分、例えばR単位として一緒にされたエチレンおよび1,2−プロピレン単位、の複合材料であるポリアミン骨格を意味する。
【0192】
しかし、ポリアミンのこの区分に属する好適な電荷増進剤のすべてが上記のポリアミンを含んでなる訳ではない。本発明の化合物の骨格を構成する他のポリアミンは、一般的にポリアルキレンアミン(PAA)、ポリアルキレンイミン(PAI)、好ましくはポリエチレンアミン(PEA)、またはポリエチレンイミン(PEI)である。一般的なポリアルキレンアミン(PAA)は、テトラブチレンペンタミンである。PEAは、アンモニアおよび二塩化エチレンを反応させ、続いて分別蒸留することにより得られる。得られる一般的なPEAは、トリエチレンテトラミン(TETA)およびテトラエチレンペンタミン(TEPA)である。ペンタミンの上、すなわちヘキサミン、ヘプタミン、オクタミン、および場合によりノナミン、の同様に誘導される混合物は、蒸留により分離せず、他の物質、例えば環状アミン、特にピペラジン、を包含し得る様である。窒素原子を含む側鎖を有する環状アミンも存在し得る。PEAの製造を開示している。米国特許第2,792,372号明細書、1957年5月14日公布、参照。
【0193】
本発明の電荷増進剤の好ましい骨格を含んでなるPEIは、例えば触媒、例えば二酸化炭素、亜硫酸ナトリウム、硫酸、過酸化水素、塩酸、酢酸、等、の存在下でエチレンイミンを重合させることにより、製造できる。PEIの具体的な製造方法は、(すべてここに参考として含める)米国特許第2,182,306号明細書、Ulrich et al.、1939年12月5日公布、米国特許第3,033,746号明細書、Mayle et al.、1962年5月8日公布、米国特許第2,208,095号明細書、Esselmann et al.、1940年7月16日公布、米国特許第2,806,839号明細書、Crowther、1957年9月17日公布、および米国特許第2,553,696号明細書、Wilson、1951年5月21日公布、に開示されている。直線状および分岐PEIに加えて、本発明は、典型的には合成による人口物として形成される環状アミンも包含する。これらの材料の存在は、処方者が選択する条件により増減することがある。
【0194】
(iv)ポリ−第4級アンモニウム化合物
本発明の好ましい組成物は、少なくとも約0.2重量%、好ましくは約0.2〜約10重量%、より好ましくは約0.2〜約5重量%、の、下記の式を有する陽イオン系電荷増進剤を含んでなる。
【0195】
【化16】

式中、Rは置換された、または置換されていないC〜C12アルキレン、置換された、または置換されていないC〜C12ヒドロキシアルキレンであり、各Rは独立してC〜Cアルキルであり、各Rは独立して、C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、R−Q−(CH−(ここでRはC〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、およびそれらの混合物であり、mは1〜約6であり、Qは前に定義したカルボニル単位である)、およびそれらの混合物であり、Xは陰イオンである。
【0196】
好ましくは、Rはエチレンであり、Rはメチルまたはエチル、より好ましいメチルであり、少なくとも1個のRは好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはメチルである。好ましくは、少なくとも1個のRはC11〜C22アルキル、C11〜C22アルケニル、およびそれらの混合物である。
【0197】
処方者は、同様にRとしてR−Q−(CH−を選択することができ、ここでRは、炭素数が1〜22であるアルキル部分であり、好ましくはアルキル部分は、Q単位と一つになって、好ましくはタロウ、部分的に水素化されたタロウ、ラード、部分的に水素化されたラード、植物油および/または部分的に水素化された植物油、例えばカノラ油、サフラワー油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、トール油、米ぬか油、等、およびそれらの混合物、からなる群から選択されたトリグリセリドの供給源に由来するアシル単位である。
【0198】
−Q−(CH−を含んでなる布地柔軟化剤陽イオン系増進剤の例は、下記の式を有する。
【0199】
【化17】

式中、Rはメチルであり、1個のRはメチルであり、他のR単位はR−Q−(CH−であり、R−Q−はオレオイル単位であり、mは2である。
【0200】
Xは、柔軟化剤と相容性がある陰イオンであり、好ましくは強酸の陰イオン、例えば塩化物、臭化物、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、硫酸塩、硝酸塩およびそれらの混合物、より好ましくは塩化物およびメチル硫酸塩である。
【0201】
(v)陽イオン系重合体
本発明の好ましい組成物は、約0.001〜約10重量%、好ましくは約0.01〜約5重量%、より好ましくは約0.1〜約2重量%、の陽イオン系重合体を含むことができ、この重合体は、典型的には、分子量が約500〜約1,000,000、好ましくは約1,000〜約500,000、より好ましくは約1,000〜約250,000、さらに好ましくは約2,000〜約100,000であり、電荷密度が少なくとも約0.01meq/gm、好ましくは約0.1〜約8meq/gm、より好ましくは約0.5〜約7、さらに好ましくは約2〜約6である。
【0202】
本発明の陽イオン系重合体は、アミン塩または第4級アンモニウム塩でよい。第4級アンモニウム塩が好ましい。これらの陽イオン系重合体は、天然重合体、例えばある種の多糖、ガム、デンプンおよびある種の陽イオン系合成重合体、例えば陽イオン系ビニルピリジンまたはビニルピリジニウムハロゲン化物の重合体および共重合体、を包含する。重合体は、例えば20℃で少なくとも0.5重量%の程度まで水溶性であるのが好ましい。好ましくは、重合体は分子量が約600〜約1,000,000、より好ましくは約600〜約500,000、さらに好ましくは約800〜約300,000、特に約1000〜約10,000である。一般則として、分子量が低い程、陽イオン系、通常は第4級基(これが好ましい)による置換程度(D.S.)が高いか、あるいは、対応して、置換程度が低い程、分子量が高い(これが好ましい)が、正確な関係は存在しないと思われる。一般的に、陽イオン系重合体は、電荷密度が少なくとも約0.01meq/gm、好ましくは約0.1〜約8meq/gm、より好ましくは約0.5〜約7、さらに好ましくは約2〜約6であるべきである。
【0203】
好適な、望ましい陽イオン系重合体は、ここに参考として含める「CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary, Fourth Edition,編集者 J.M. Nikitakis, et al、osmetic, Toiletry, and Fragrance Association出版、1991に開示されている。このリストは下記の材料を包含する。
【0204】
多糖ガムの中で、ガラクトマンナンガムであるグアーガムおよびロウカストビーンガムは市販されており、好ましい。例えば、グアーガムはMeyhallおよびStein-HallからCSAA M/200、CSA 200/50の商品名で市販されており、ヒドロキシアルキル化グアーガムも同じ供給者から市販されている。市販されている他の多糖ガムには、キサンタンガム、ガッティガム、タマリンドガム、アラビアゴム、および寒天がある。
【0205】
陽イオン系ガムおよびそれらの製造方法は、英国特許第1,136,842号明細書および米国特許第4,031,307号明細書に記載されている。好ましくは、これらのガムは、D.S.が0.1〜約0.5である。
【0206】
効果的な陽イオン系グアーガムは、Jaguar C-13S(Meyhallの商品名)である。陽イオン系グアーガムは、本発明の組成物で非常に好ましい群の陽イオン系重合体であり、残留陰イオン系界面活性剤の補集剤として作用すると共に、残留陰イオン系界面活性剤をほとんど、またはまったく含まない浴に使用しても陽イオン系織物柔軟化剤の柔軟性付与効果を増大させる。他の多糖系ガムも同様に第4級化させ、実質的に同じ様式で、様々な効率で作用させることができる。好適なデンプンおよび誘導体は、天然デンプン、例えばトウモロコシ、小麦、大麦、等から、および根、例えばジャガイモ、タピオカ、等から得られるデンプン、およびデキストリン、特にピロデキストリン、例えばブリティッシュガムおよびホワイトデキストリン、である。
【0207】
非常に効果的な陽イオン系重合体には、ポリビニルピリジン(分子量約40,000、存在するピリジン窒素の約60%が第4級化されている)、ビニルピリジン/スチレンの70/30モル比の共重合体(分子量約43,000、上記と同様に、存在するピリジン窒素の約45%が第4級化されている)、ビニルピリジン/アクリルアミドの60/40モル比の共重合体(上記と同様に、存在するピリジン窒素の約35%が第4級化されている)、ビニルピリジン/メタクリル酸メチルの77/23および57/43モル比の共重合体(分子量約43,000、上記と同様に、存在するピリジン窒素の約97%が第4級化されている)がある。
【0208】
これらの陽イオン系重合体は、組成物中で非常に低い濃度、例えば0.001〜0.2重量%、特に約0.02〜0.1重量%、で有効である。場合により、含有量がある最適レベル、例えばポリビニルピリジンおよびそのスチレン共重合体では約0.05%、を超えると、効率が低下する様である。
【0209】
他の効果的な陽イオン系重合体には下記の材料がある。ビニルピリジンとN−ビニルピロリドン(63/37)の共重合体(存在するピリジン窒素の約40%が第4級化されている)、ビニルピリジンとアクリロニトリル(60/40)の共重合体(上記と同様に第4級化されている)、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルとスチレン(55/45)の共重合体(存在するアミノ窒素原子の約75%が上記と同様に第4級化されている)。Eudragit E(Rohm GmbH の商品名)(存在するアミノ窒素の約75%が上記と同様に第4級化されている)。Eudragit Eは、メタクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルと中性アクリル酸エステルの共重合体であり、分子量が約100,000〜1,000,000であると考えられる。N−ビニルピロリドンとメタクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル(40/50)の共重合体(存在するアミノ窒素の約50%が第4級化されている)。これらの陽イオン系重合体は、公知の様式で、基本重合体を第4級化することにより製造できる。
【0210】
さらに別の陽イオン系重合体状塩は、第4級化ポリエチレンイミンである。これらの材料は少なくとも10個の反復単位を有し、それらの一部または全部が第4級化されている。この種の市販重合体の例は、Allied Colloidsから一般的な商品名Alcostatでも販売されている。
【0211】
重合体の典型的な例は、ここに参考として含める米国特許第4,179,382号明細書に開示されている。
【0212】
それぞれのポリアミン窒素は、第1級、第2級または第3級でも、一般的な3区分、すなわち単純置換された、第4級化された、および酸化された、のどれかの構成員としてさらに限定される。
【0213】
重合体は、水溶性陰イオン、例えば塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、または他の負に帯電した基、例えばサルフェート(SO2−)およびメタサルフェート(CHSO)、により中性にされる。
【0214】
具体的なポリアミン骨格は、(すべてここに参考として含める)米国特許第2,182,306号明細書、Ulrich et al.、1939年12月5日公布、米国特許第3,033,746号明細書、Mayle et al.、1962年5月8日公布、米国特許第2,208,095号明細書、Esselmann et al.、1940年7月16日公布、米国特許第2,806,839号明細書、Crowther、1957年9月17日公布、および米国特許第2,553,696号明細書、Wilson、1951年5月21日公布、に開示されている。
【0215】
PEIを含んでなる本発明の変性ポリアミン陽イオン系重合体の例は、水素をポリオキシアルキレンオキシ単位−(CHCHO)Hで置き換えることにより、すべての置換可能な窒素が変性されているPEI骨格を含んでなる。他の好適なポリアミン陽イオン系重合体は、この分子を含んでなり、続いてこの分子を、すべての酸化可能な第1級および第2級窒素をN−オキシドに酸化する、および/または幾つかの骨格アミン単位を、例えばメチル基で、第4級化することにより、変性する。
【0216】
無論、上記の陽イオン系重合体のどの様な混合物でも使用でき、個々の重合体または特定混合物の選択により、組成物の物理的特性、例えばそれらの粘度、および水性分散液の安定性を調整することができる。
【0217】
(d)ブライトナー
本発明の組成物は、約0.005〜約5重量%の、染料移動防止作用も示す、ある種の親水性光学ブライトナーを含むことができる。使用する場合、本発明の組成物は、好ましくは約0.001〜約1重量%のその様な光学ブライトナーを含んでなる。
【0218】
本発明で有用な親水性光学ブライトナーは、米国特許第5,759,990号明細書、段落21、15〜60業に記載されているブライトナーである。
【0219】
(e)モノ−アルキル陽イオン系第4級アンモニウム化合物
単長鎖アルキル陽イオン系第4級アンモニウム化合物は、存在する場合、典型的な組成物の約2〜約25重量%、好ましくは約3〜約17重量%、より好ましくは約4〜約15重量%、さらに好ましくは約5〜約13重量%、の量で存在し、モノ−アルキル陽イオン系第4級アンモニウム化合物の総量は、陰イオン系界面活性剤の存在下で柔軟性付与性を改良するのに少なくとも有効な量である。
【0220】
本発明で有用な、その様なモノ−アルキル陽イオン系第4級アンモニウム化合物は、好ましくは下記の一般式を有する第4級アンモニウム塩である。
【0221】
[R(R]A
式中、RはC〜C22アルキルまたはアルケニル基、好ましくはC10〜C18アルキルまたはアルケニル基、より好ましくはC10〜C14またはC16〜C18アルキルまたはアルケニル基であり、
各RはC〜Cアルキルまたは置換アルキル(例えばヒドロキシアルキル)、好ましくはC〜Cアルキル基、例えばメチル(最も好ましい)、エチル、プロピル、等、ベンジル基、水素、約2〜約20個のオキシエチレン単位、好ましくは約2.5〜約13個のオキシエチレン単位、より好ましくは約3〜約10個のオキシエチレン単位、を有するポリエトキシル化鎖、およびそれらの混合物であり、
は前に(式(I))に関して定義した通りである。
【0222】
特に好ましい材料は、モノラウリルトリメチルアンモニウム塩化物およびWitcoからVarisoft 471の商品名で市販のモノタロウトリメチルアンモニウム塩化物
およびWitcoからVarisoft 417の商品名で市販のモノオレイルトリメチルアンモニウム塩化物である。
【0223】
基は、1個以上のエステル、アミド、エーテル、アミン、等の結合基を含む基を通して陽イオン系窒素原子に付加することができる。その様な結合基は、窒素原子の約1〜約3個の炭素原子内にあるのが好ましい。
【0224】
モノ−アルキル陽イオン系第4級アンモニウム化合物は、C〜C22アルキルコリンエステルも包含する。この種の好ましい化合物は下記の式を有する。
【0225】
[RC(O)−O−CHCH(R)]A
式中、R、RおよびAは前に定義した通りである。
【0226】
非常に好ましい化合物は、C12〜C14コココリンエステルおよびC16〜C18タロウコリンエステルを包含する。
【0227】
長鎖中にエステル結合を含む好適な生物分解性単長鎖アルキル化合物は、ここに参考として含める米国特許第4,840,738号明細書、HardyおよびWalley、1989年6月20日公布、に記載されている。
【0228】
好適な単長鎖材料は、上記の好ましい生物分解性柔軟化剤活性成分に対応し、そこでは分子中に1個のR基だけが存在する。R基またはYR基は、通常R基により置換される。
【0229】
これらの、単一のアルキル長鎖だけを有する第4級化合物は、洗濯溶液から濯ぎ液中に持ち越される陰イオン系界面活性剤および/または洗剤用ビルダーとの相互作用から、陽イオン系柔軟化剤を保護する。陰イオン系界面活性剤を縛り付けるのに十分な単長鎖第4級化合物、または陽イオン系重合体を有するのが非常に好ましい。これによって、柔軟性およびしわ防止性が改善される。布地柔軟化剤活性成分と単長鎖化合物の比は、典型的には約100:1〜約2:1、好ましくは約50:1〜約5:1、より好ましくは約13:1〜約8:1である。洗剤の持ち越しが多い条件下では、この比は好ましくは約5:1〜約7:1である。典型的には、単長鎖化合物は濯ぎ液中に約10 ppm〜約25 ppmの量で存在する。
【0230】
(f)安定剤
本発明の組成物中には安定剤が存在できる。ここで使用する用語「安定剤」は、酸化防止剤および還元剤を包含する。これらの薬剤は、0%〜約2%、好ましくは約0.01%〜約0.2%、より好ましくは、酸化防止剤に関しては約0.035%〜約0.1%、還元剤に関しては好ましくは約0.01%〜約0.2%の量で存在する。これらの薬剤は、長期の貯蔵条件下で良好な臭気安定性を確保する。酸化防止剤および還元剤である安定剤は、香気が無い、または低い製品(無または低香料)には特に重要である。
【0231】
本発明の組成物および処理に加えることができる。酸化防止剤の例には、Eastman Chemical Products, Inc. からTenox PGおよびTenox S-1の商品名で市販されている、アスコルビン酸、アスコルビックパルミテート、没食子酸プロピルの混合物、Eastman Chemical Products, Inc. からTenox-6の商品名で市販されている、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル、およびクエン酸の混合物、UOP Process DivisionからSustane BHTの商品名で市販されているブチル化ヒドロキシトルエン、Eastman Chemical Products, Inc. からTenox TBHQとして市販されているt−ブチルヒドロキノン、Eastman Chemical Products, Inc. からTenox GT-1/GT-2として市販されている天然トコフェロール、およびEastman Chemical Products, Inc. からBHAとして市販されているブチル化ヒドロキシヒドロキシアニソール、没食子酸の長鎖エステル(C〜C22)、例えば没食子酸ドデシル、Irganox(商品名)1010、Irganox(商品名)1035、Irganox(商品名)B 1171、Irganox(商品名)1425、Irganox(商品名)3114、Irganox(商品名)3125およびそれらの混合物、好ましくはIrganox(商品名)3125、Irganox(商品名)1425、Irganox (商品名)3114、およびそれらの混合物、より好ましくはIrganox(商品名)3125 単独またはクエン酸および/または他のキレート化剤、例えばクエン酸イソプロピルとの混合物、Dequest(商品名)2010、Monsantoから1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸(エチドロン酸)の化学名で市販、およびTiron(商品名)、Kodakから4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンスルホン酸/ナトリウム塩の化学名で市販、およびDTPA(商品名)、Aldrichからジエチレントリアミンペンタ酢酸の化学名で市販、が挙げられる。
【0232】
(g)汚れ遊離剤
好適な汚れ遊離剤は、米国特許第5,759,990号明細書、段落23、53行〜段落25、41行に記載されている。汚れ遊離剤は、プレミックスとの組合せで、酸/水シートとの組合せで、電解質添加の前または後に、あるいは最終的な組成物の製造後に加えることができる。本発明の方法により製造される柔軟性付与組成物は、0%〜約10%、好ましくは0.2%〜約5%の汚れ遊離剤を含むことができる。好ましくは、その様な汚れ遊離剤は重合体である。本発明で有用な重合体状汚れ遊離剤は、テレフタレートおよびポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド、等、の共重合体状ブロックを包含する。
【0233】
好ましい汚れ遊離剤は、テレフタレートおよびポリエチレンオキシドのブロックを有する共重合体である。より詳しくは、これらの重合体は、エチレンテレフタレートおよびポリエチレンオキシドテレフタレートの反復単位を、エチレンテレフタレート単位とポリエチレンオキシドテレフタレート単位のモル比25:75〜約35:65で含んでなり、該ポリエチレンオキシドテレフタレートは、分子量が約300〜約2000であるポリエチレンオキシドブロックを含む。
【0234】
別の好ましい重合体状汚れ遊離剤は結晶化し得るポリエステルであり、約10〜約15重量%のエチレンテレフタレート単位を、約10〜約50重量%のポリオキシエチレンテレフタレート単位と共に含むエチレンテレフタレートの反復単位を有し、平均分子量約300〜約6,000のポリオキシエチレングリコールに由来し、結晶化し得る重合体状化合物中のエチレンテレフタレート単位とポリオキシエチレンテレフタレート単位のモル比は2:1〜6:1である。この重合体の例は、市販の材料Zelcon(商品名)4780(Dupontから)およびMilease T (商品名)(ICIから)を包含する。
【0235】
汚れ遊離剤は、浮き滓分散剤としても作用することができる。
【0236】
(h)殺菌剤
本発明で使用する組成物に使用する殺菌剤の例には、重量で約1〜約1,000 ppmの、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、Philadelphia, PennsylvaniaのInolex ChemicalsからBronopolの商品名で市販の2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、およびRohm and Haas CompanyからKathonの商品名で市販の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物が挙げられる。
【0237】
(i)キレート化剤
本発明の組成物および方法は、所望により1種以上の銅および/またはニッケルキレート化剤(「キレーター」)を含むことができる。その様な水溶性キレート化剤は、すべて以下に説明するアミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能的に置換された芳香族キレート化剤およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。布地の白さおよび/または光沢はその様なキレート化剤により大幅に改良される、または回復し、組成物中の材料の安定性も改良される。 該米国特許第5,759,990号明細書、段落26、29行〜段落27、38行に記載されているキレート化剤が好適である。
【0238】
キレート化剤は、本発明の濯ぎ方法で、典型的には1分間〜数時間の浸漬に対して、約2 ppm〜約25 ppmの量で使用する。
【0239】
ここで使用できる好ましいEDDSキレート化剤(エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸塩とも呼ばれる)は、上記の米国特許第4,704,233号明細書に記載されている材料であり、下記の式(酸形態で示す)を有する。
【0240】
HN(L)CN(L)H
式中、LはCH(COOH)CH(COOH)基である。
【0241】
ここでは非常に様々なキレート化剤を使用することができる。事実、単純なポリカルボン酸塩、例えばクエン酸塩、オキシジコハク酸塩、等も使用できるが、その様なキレート化剤は、重量ベースで、アミノカルボン酸塩やリン酸塩程効果的ではない。従って、様々なキレート化効率を考慮して使用量を調節するとよい。ここで使用するキレート化剤は、好ましくは、銅イオンに対する(完全にイオン化したキレート化剤の)安定度定数が少なくとも5、好ましくは少なくとも7である。典型的には、キレート化剤は、安定剤であるキレート化剤に加えて、本発明の組成物の0.5〜10重量%、より好ましくは0.75〜5重量%を占める。好ましいキレート化剤には、DETMP、DETPA、NTA、EDDS、TPEDおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0242】
(j)色保護剤
組成物は、所望により組成物の約0.1〜約50重量%の、下記の式を有する色保護剤を含んでなることができる。
【0243】
(R)(R)N(CX(R)(R
式中、Xは水素、直線状または分岐、置換された、または置換されていない、炭素数が1〜10であるアルキルおよび置換された、または置換されていない、炭素数が少なくとも6であるアリールからなる群から選択され、nは0〜6の整数であり、R、R、RおよびRは、独立して、アルキル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ポリヒドロキシアルキル、式((CH)O)(式中、Rは水素または直線状、分岐置換された、または置換されていない、炭素数が1〜10であるアルキル鎖であり、yは2〜10の整数であり、zは1〜30の整数である)ポリアルキルエーテル、アルコキシ、式-(O(CH))を有するポリアルコキシ、基-C(O)R(式中、Rは、R、R、RおよびRで定義したアルキル、アルカリール、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ポリヒドロキシアルキルおよびポリアルキルエーテルである)、(CX)N(R)(R)からなる群から選択され、R、R、RおよびRの2個以上は(CX)N(R)(R)ではなく、RおよびRは、R、R、RおよびRで定義したアルキル、アルカリール、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ポリヒドロキシアルキル、ポリアルキルエーテル、アルコキシおよびポリアルコキシであり、R+RまたはRまたはR+RまたはRは、組み合わせて環状置換基を形成することができる。
【0244】
好ましい薬剤は、R、R、RおよびRが、独立して、炭素数が1〜10であるアルキル基および炭素数が1〜5であるヒドロキシアルキル基、好ましくはエチル、メチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルおよびイソヒドロキシプロピルからなる群から選択された薬剤である。色保護剤は、化合物の約1重量%を超える、好ましくは7重量%を超える窒素を有する。好ましい薬剤はテトラキス−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(TPED)である。
【0245】
(k)シリコーン
本発明のシリコーンは、ポリジメチルシロキサン(ポリジメチルシリコーンまたはPDMS)、またはそれらの誘導体、例えばアミノシリコーン、エトキシル化シリコーン、等でよい。PDMSは、低分子量の物質、例えば粘度が約2〜約5000 cSt、好ましくは約5〜約500 cSt、より好ましくは約25〜約200 cStである物質が好ましい。本発明の組成物の製造には、シリコーンエマルションを都合良く使用することができる。しかし、シリコーンは、少なくとも最初は、乳化していない方が好ましい。すなわち、シリコーンは、組成物自体の中で乳化すべきである。組成物の製造工程では、水、および所望により、通常は水相中に止まる他の成分を含んでなる「水シート」にシリコーンを加えるのが好ましい。
【0246】
本発明の布地柔軟化剤組成物には、低分子量PDMSを使用するのが好ましい。低分子量PDMSは、予備乳化せずに、容易に処方できる。
【0247】
シリコーン誘導体、例えばアミノ官能性シリコーン、第4級化シリコーン、およびSi−OH、Si−H、および/またはSi−Cl結合を含むシリコーン誘導体を使用することができる。しかし、これらのシリコーン誘導体は、通常は布地に対する付着性が高く、繰返し処理する間に布地上に蓄積し、布地の吸収性を低下させることがある。
【0248】
水に加えた時、布地柔軟化剤組成物が生物分解性の陽イオン系布地柔軟性付与活性成分を布地表面上に付着させ、布地柔軟性付与効果を発揮する。しかし、自動洗濯機を使用する典型的な洗濯方法では、高レベルの柔軟化剤で、および/または多くのサイクルの後、綿布地の吸水性が大きく低下することがある。シリコーンは、このレベルの布地柔軟化剤で使用した時に、布地の柔軟性付与性能に悪影響を及ぼさずに、特に新しく処理した布地に対して、布地の吸水性を改良する。シリコーンは本来疎水性であるので、この吸水性が改良される機構は解明されていない。吸水性が失われるのではなく、吸水性が改善されることは非常に驚くべきことである。吸水性を著しく改善するのに必要なPDMSの量は、最初の再湿潤性能により異なり、その再湿潤性能は、洗濯に使用する洗剤種類により異なる。有効量は、濯ぎ水中で約2 ppm〜約50 ppm、好ましくは約5〜約20 ppmである。PDMSと柔軟化剤活性成分の比は約2:100から約50:100、好ましくは約3:100〜約35:100、より好ましくは約4:100〜約25:100である。前に述べた様に、これには約0.2%〜約20%、好ましくは約0.5%〜約10%、より好ましくは約1%〜約5%、のシリコーンが必要である。
【0249】
PDMSは、布地の再湿潤特性を改良することに加えて、アイロン掛けのし易さも改善する。布地保護組成物が、所望により使用する汚れ遊離重合体を含む場合、綿布地上に付着するPDMSの量が増加し、PDMSはポリエステル布地に対する汚れ遊離特性を改良する。また、PDMSは、濯ぎの際に組成物が発泡する傾向を低くすることにより、布地保護組成物の濯ぎ特性を改良する。驚くべきことに、比較的大量のPDMSが存在する結果、布地保護組成物の柔軟性付与特性の低下が、あるにしても、ほとんど無い。
【0250】
本発明は、織物処理組成物に通常、所望により使用する他の成分、例えば着色剤、保存剤、界面活性剤、収縮防止剤、布地縮れ処理剤、染抜き剤、殺菌剤、殺真菌剤、腐食防止剤、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、などの酵素、等、を包含することができる。
【0251】
本発明は、ここに参考として含める米国特許第5,686,376号明細書、Rusche, et al.、1997年11月11日公布、Shaw, et al.、および米国特許第5,536,421号明細書、Hartman, et al.、1996年7月16日公布、に記載されている材料を包含する、他の相容性がある成分も包含することができる。
【0252】
他に指示がない限り、ここに記載する部数、百分率、比率および割合はすべて、重量で表示し、数値はすべて通常の信頼限界に基づく概数である。引用する文献はすべて、関連する部分で、ここに参考として含める。
【0253】
本発明で有用な柔軟化剤化合物の例を以下に示す。
【0254】
TEAジ−エステル第4級物質:メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
1)−エステル化
Witco Corporationから市販の特級Industrene脂肪酸である、IV約98、シス/トランス比(C18:1)、酸価約198.5の部分的に水素化されたタロウ脂肪酸536グラムを反応器に入れ、反応器をNで掃気し、トリエタノールアミン149グラムを攪拌しながら加える。脂肪酸とトリエタノールアミンのモル比は約1.9:1である。この混合物を約150℃を超える温度に加熱し、減圧して縮合水を除去する。反応を、酸価が約4に達するまで持続する。
【0255】
2)−第4級化
縮合生成物645グラムに、連続的に攪拌しながら、硫酸ジメチル約122グラムを加える。反応混合物を50℃より高い温度に保持し、反応後に残留アミン値を確認する。柔軟化剤化合物767グラムが得られる。
【0256】
第4級化した材料を、所望により、例えばエタノール約68gおよびヘキシレングリコール約68gで希釈し、材料の融点を下げ、材料を取り扱い易くする。この時点で、キレート化剤、酸化防止剤、香料、等を包含する他の成分を加えることができる。その様な材料およびそれらを配合する利点は、ここに参考として含める米国特許第5,747,443号明細書、Wahl, Trinh, Gosselink, Letton, およびSivik 、1998年5月5日公布、および米国特許第5,686,376号明細書、Rusche, BakerおよびMaashlein、1997年11月11日公布、に記載されている。
【0257】
上記の様に合成した柔軟化剤化合物は、下記の布地柔軟性付与組成物の例でも説明するが、これらの例に限定するものではない。
【0258】
下記の非限定的な例は、妥当な粘度を有する透明または半透明の製品を示す。下記の例における組成物の製造では、先ず柔軟化剤活性成分の油シートを常温で製造する。柔軟化剤活性成分が室温で流体ではない場合、必要であれば、柔軟化剤活性成分を加熱し、融解させることができる。IKA RW 25(商品名)ミキサーを使用し、柔軟化剤活性成分を約150 rpmで約2〜約5分間混合する。別に水シートを、すなわち常温で脱イオン(DI)水で製造するが、必要であれば、所望により使用する酸を加え、pHを調節する。柔軟化剤活性成分および/または主要溶剤が室温で流体ではなく、加熱する必要がある場合、酸/水シートも適当な温度に、例えば約100°F(約38℃)、に加熱し、該温度を水浴で維持する。主要溶剤(融点が室温より高い場合には、好適な温度で融解させた)を柔軟化剤プレミックスに加え、該プレミックスを約5分間混合する。次いで、所望により使用する相安定剤を加え、約1分間混合する。次いで、電解質を加え、約1分間混合する。次いで水シートを柔軟化剤プレミックスに加え、約20〜約30分間、または組成物が透明で均質になるまで混合する。最後に、香料を加え、香料を加え、組成物が透明で均質になるまで混合する。組成物を空気中で室温に冷却させる。
【0259】
あるいは、すべての成分が室温で液体である系では、組成物は下記の様に製造する。成分を、柔軟化剤活性成分、主要溶剤、所望により使用する相安定剤、水、香料、および電解質(濃縮水溶液として)の順序で加えるが、加える度に手で十分に、またはLightnin(商品名)77ミキサーで約150 rpmで約2〜約5分間、攪拌する。
【0260】
表1.相安定剤としてのアルキルエトキシル化界面活性剤の効率
【表1】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール
アルキルアルコキシル化界面活性剤、Shellの商品名
アルキルアルコキシル化界面活性剤、例えばNeodol(商品名)、の効率は、HLB(親水性/親油性バランス)値と良く相関している。HLBが高い程、組成物に必要なNeodol(商品名)の重量%は低い。
【0261】
表2.様々な量の布地柔軟化剤および溶剤系を含む布地柔軟化剤組成物
【表2】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
エトキシル化アルキルアルコール、Shell
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロック共重合体、BASFの商品名 ジエチレントリアミンペンタアセテート
表3.各種相安定剤の重量効率
【表3】

表3(続き).各種相安定剤の重量効率
【表4】

表3(続き).各種相安定剤の重量効率
【表5】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
エトキシル化アルキルアルコール、Shellの商品名
エトキシル化ソルビタンエステル、ICI Americasの商品名
エトキシル化塩化アルキルアンモニウム、Akzo Nobelの商品名
エトキシル化アルキルアミン、Akzo Nobelの商品名
エトキシル化アルキルアミド、Witcoの商品名
エトキシル化アルキルアミノプロピルアミン、Akzo Nobelの商品名
エトキシル化エチル硫酸モノアルキルアンモニウム、Witcoの商品名
エトキシル化アルキルアルコール、Union Carbideの商品名
10エトキシル化アルキルフェノール、GAFの商品名
11アルキルアミドプロピルアミン、Akzo Nobelの商品名
12ジエチレントリアミンペンタアセテート
表4.各種溶剤系を含む30%MDEA第4級物質柔軟化剤
【表6】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
エトキシル化アルキルアルコール、Shellの商品名
表5.低レベルの溶剤および各種主要溶剤を含む布地柔軟化剤組成物
【表7】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
エトキシル化アルキルアルコール、Shellの商品名
エトキシル化アルキルアミド、Witcoの商品名
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロック共重合体、BASFの商品名表6.45%布地柔軟化剤活性成分および各種電解質および溶剤系を含む布地柔軟性付与組成物
【表8】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
エトキシル化アルキルアミド、Witcoの商品名
表7.主要溶剤としてヘキシレングリコールおよび相安定剤としてRewopal(商品名)C-6を含む布地柔軟性付与組成物
【表9】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
エトキシル化アルキルアミド、Witcoの商品名
表8.主要溶剤としてヘキシレングリコールおよび相安定剤としてNeodol(商品名)91-8を含む布地柔軟性付与組成物
【表10】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
エトキシル化アルキルアルコール、Shellの商品名
表9.主要溶剤としてヘキシレングリコールおよびヒドロトロピー剤を含む布地柔軟性付与組成物
【表11】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
エトキシル化アルキルアミド、Witcoの商品名
エトキシル化アルキルアルコール、Shellの商品名
表10.混合主要溶剤系を含む布地柔軟化剤組成物
【表12】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
エトキシル化アルキルアルコール、Shellの商品名
ジエチレントリアミンペンタアセテート
表11.布地柔軟性付与組成物
【表13】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
エトキシル化アルキルアルコール、Shellの商品名
エトキシル化アルキルアルコール、Union Carbideの商品名
ジエチレントリアミンペンタアセテート
テトラキス−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン
表12.高電解質処方物と低電解質処方物に対する、投入装置中の布地柔軟化剤の低残留物を立証するデータ

布地柔軟化剤組成物および 投入装置中に残された
希釈 平均Amt.組成物+水
高電解質組成物と水の重量比 (投入装置中に残された
組成物+水の平均%)

1:1高電解質/水 2.32g(3.9%)
1:1低電解質/水 23.08g(38.5%)

1:2高電解質/水 7.38g(6.2%)
1:2低電解質/水 12.52g(10.4%)

1:5高電解質/水 1.1g(0.7%)
1:5低電解質/水 3.07g(1.7%)
表13.高電解質処方物と低電解質処方物に対する、布地の染形成が少ないことを立証するデータ

布地柔軟化剤組成物および希釈 サイクル毎の布地の
染形成の平均数

1:1高電解質/水 1.6
1:1低電解質/水 0.6

1:2高電解質/水 1.2
1:2低電解質/水 0.2

1:5高電解質/水 1.2
1:5低電解質/水 0.4
表14.様々なレベルの布地柔軟化剤および溶剤系を含む布地柔軟化剤組成物
【表14】

メチル硫酸ジ(アシルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム(アシル基は部分的に水素化されたカノラ脂肪酸に由来する)
メチル硫酸ジ(オレオイルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
エトキシル化アルキルアルコール、Shellの商品名
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロック共重合体、BASFの商品名 ジエチレントリアミンペンタアセテート
商業的目的には、上記の組成物を容器、特にビン、より具体的にはポリプロピレン製(ガラス、延伸ポリエチレン、等も代用できる)の透明なビン(半透明なビンも使用できる)に入れる。ビンは、存在する、または貯蔵中に生じることがある黄色を相殺するために明青色に着色し(ただし、短時間または完全に透明な製品には、着色しない、または他の色を有する、透明な容器を使用できる)、ビンの中に紫外光吸収剤を配合し、内部の物質、特に高不飽和活性成分、に対する紫外光の影響を最小に抑える(吸収剤は表面上にあってもよい)。透明性およびビンの全体的な効果が組成物の透明性を示し、消費者に製品の品質を確信させる。布地軟化剤が受け入れられるためには、特に高レベルの布地柔軟化剤が存在する場合には、透明性および芳香が決定的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明または半透明の液体布地柔軟化組成物であって、
A.組成物の2〜80重量%の布地柔軟化剤と、
B.ClogPが−2.0〜2.6である主要溶剤と、
C.組成物の0.5〜10重量%の電解質と、
D.組成物の0〜15重量%の、下記1〜6からなる群から選択された相安定剤と、
1.炭素数が6〜22である疎水性の鎖を有する、飽和および/または不飽和の第1級、第2級、および/または分岐した、アミン、アミド、アミンオキシド脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、および/またはアルキルアリールカルボン酸化合物から誘導された非イオン系界面活性剤、
ここで、前記化合物の少なくとも1個の活性水素が、≦50個のエチレンオキシド部分でエトキシル化されて、8〜20のHLBを与えるものであり、
2.下記a〜dから選択された、大きな頭部基を有する非イオン系界面活性剤、
a.下記式を有する界面活性剤、
【化1】

[上記式中、
Y”=NまたはOであり、
各Rは、独立して、−H、−OH、−(CHCH、−O(OR−H、−OR、−OC(O)R、および−CH(CH−(ORz”−H)−CH−(ORz’−C(O)Rから選択されるものであり、ここで、Rは、飽和または不飽和の、第1級、第2級、または分岐鎖の、アルキルまたはアルキル−アリール炭化水素からなる群から選択され、前記炭化水素鎖長は6〜22であり、
各Rは、−(CH−および/または−[CH(CH)CH]−(ここでnは1〜4である)の基またはそれらの基の組合せから選択されるものであり、
xは0〜3であり、
z、z’およびz”は5〜20である]
b.下記式を有するポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤、
−C(O)−N(R)−Z
[上記式中、
各RはH、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cアルコキシアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、
はC〜C21ヒドロカルビル部分であり、
各Zは、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に直接接続した直線状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分であるか、またはそのエトキシル化誘導体である]
c.下記式を有する界面活性剤、
-C(O)-Y'-[C(R)]-CHO(RO)
[上記式中、
は、飽和または不飽和の、第1級、第2級、または分岐鎖の、アルキルまたはアルキル−アリール炭化水素からなる群から選択され、前記炭化水素鎖長は6〜22であり、
Y’は、−O−、−N(A)−の基、およびそれらの基の混合物から選択され、AはH、R、−(R−O)−H、−(CHCH、フェニル、または置換アリールの基から選択され、xは0〜3であり、総zは5〜30であり、各Rは−(CH−(ここでnは1〜4である)および/または−[CH(CH)CH]−の基またはそれらの基の組合せから選択されるものであり、
各Rは−OH、および−O(RO)−Hから選択される基であり、
mは2〜4である]、および
d.それらの混合物、
3.反対の電荷を有する界面活性剤イオンまたは希釈粘度を下げるのに好適な電解質イオンで中和された1個の界面活性剤イオンにより形成される界面活性剤複合体、
4.ポリエチレンオキシド部分とプロピレンオキシド部分を含んでなるブロック共重合体界面活性剤、
5.下記式を有する陽イオン系界面活性剤、
{R−Y−[(R−O)−H]
[上記式中、
各Rは、飽和または不飽和の、第1級、第2級、または分岐鎖の、アルキルまたはアルキル−アリール炭化水素からなる群から選択され、前記炭化水素鎖の炭素数は6〜22であり、
各Rは−(CH−および/または−[CH(CH)CH]−の基、またはそれらの基の組合せから選択され、
Yは基=N−(A)、−(CH−N−(A)、−B−(CH−N−(A)、−(フェニル)−N−(A)、−(B−フェニル)−N−(A)の基から選択され、nは1〜4であり、各Aは独立して、H、C1−5アルキル、R、−(RO)−H、−(CHCH、フェニル、および置換アリールから選択され、xは0〜3であり、各Bは基−O−、−NA−、−NA、−C(O)O−、および−C(O)N(A)−の基から選択され、Rは上記の通りであり、q=1または2であり、m+p+q=4であり、
分子1個あたりの総zは3〜50であり、
は、布地柔軟化剤活性成分および補助成分と相容性がある陰イオンである]、および
6.それらの混合物、
E.0〜15%の香料と、および
F.残りの部分を構成する水とを含んでなるものであり、
ここで、前記電解質および前記相安定剤が存在する場合、より低い希釈粘度、少ない主要溶剤で同等以上の安定性、および/またはClogPが0.15〜0.64の範囲外にある主要溶剤の使用、から選択された少なくとも一つの改良をもたらすものである、透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項2】
前記主要溶剤のClogPが0.15未満または0.64超過であり、
前記電解質が前記組成物の透明性または半透明性を改良する、請求項1に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項3】
前記電解質が、最大粘度を有する希釈組成物に対してG’およびG”を測定し、0.1〜1のひずみ範囲全体にわたって、G’≦20PaおよびG”≦6Paを有する組成物を与えるために必要なものである、請求項1または2に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項4】
前記主要溶剤が、−2.0〜2.6のClogPを有し、前記電解質および/または前記相安定剤の不存在下では安定した組成物を形成しない量で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項5】
(1)前記布地柔軟化剤が、13%〜75%の量で存在し、35℃未満の相転移温度を有し、
前記主要溶剤が1%〜25%の量で存在し、−1〜1.6のClogPを有し、
前記電解質の量が前記組成物の0.75〜2.5重量%であり、または
(2)前記布地柔軟化剤が、20℃未満の相転移温度を有し、
前記主要溶剤が3%〜8%の量で存在し、−1〜1のClogPを有し、
前記電解質の量が前記組成物の1〜2重量%であり、または
(3)前記布地柔軟化剤が、10℃未満の相転移温度を有するものである、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項6】
前記布地柔軟化剤が、
1.下記式を有する化合物と、
【化2】

[上記式中、
各R置換基は水素、短鎖C〜Cアルキルまたはヒドロキシアルキル基、ベンジル、またはそれらの混合物であり、
各mは2または3であり、
各nは1〜4であり、
各Yは−O−(O)C−、−C(O)−O−、−NR−C(O)−、または−C(O)−NR−であり、各Rはヒドロカルビル、または置換されたヒドロカルビル基であり、
各R中の炭素の合計はC12〜C22であり(Yが−O−(O)C−である場合は+1)、
基の親脂肪酸の平均ヨウ素価は40〜140であり、
対イオンXは、柔軟化剤と相容性があるすべての陰イオンである]
2.下記式を有する柔軟化剤と、
【化3】

[上記式中、
各Y、R、R、およびX(−)は上記と同じ意味を有する]、および
3.それらの混合物と、からなる群から選択された生物分解性柔軟化剤であり、および/または
布地柔軟化剤が
(1)下記式を有する柔軟化剤と、
4−m−N(+)−R
[上記式中、
各mは2または3であり、
各RはC〜C22、ただし、2個以上がC12未満ではなく、他方が少なくとも16であり、ヒドロカルビル、または置換されたヒドロカルビル置換基であり、ヨウ素価は70〜140であり、シス/トランス比が1:1〜50:1であり、
各RはHまたは短鎖C〜Cのアルキルまたはヒドロキシアルキル基、ベンジル、または(RO)0−4Hであり、ここで各RはC1−6アルキレン基であり、Aは柔軟化剤と相容性の陰イオンである]
(2)下記式を有する柔軟化剤と、
【化4】

[上記式中、
各R、RおよびAは上に定義した通りであり、
各RはC1−6アルキレン基であり、
Gは酸素原子であるか、または−NR−基である]
(3)下記式を有する柔軟化剤と、
【化5】

[上記式中、R、RおよびGは上に定義した通りである]
(4)不飽和および/または分岐鎖の高級脂肪酸とジアルキレントリアミンとの、例えば分子比2:1の反応生成物と、
(5)下記式を有する柔軟化剤と、
[R−C(O)−NR−R−N(R)−R−NR−C(O)−R]
[上記式中、R、R、R、RおよびAは上に定義した通りである]
(6)不飽和および/または分岐鎖の高級脂肪酸とヒドロキシアルキルアルキレンジアミンとの、分子比2:1の反応生成物と、
ここで、前記反応生成物は、下記式を有する化合物を含んでなるものであり、
−C(O)−NH−R−N(ROH)−C(O)−R
[上記式中、R、RおよびRは上に定義した通りである]
(7)下記式を有する柔軟化剤と、
【化6】

[上記式中、R、R、RおよびAは上に定義した通りである]、および
(8)それらの混合物と、からなる群から選択さるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項7】
前記布地柔軟化剤が、
1.下記式を有する化合物と、
【化7】

[上記式中、
各R置換基は水素、短鎖C〜Cアルキルまたはヒドロキシアルキル基、ベンジル、またはそれらの混合物であり、
各mは2または3であり、
各nは1〜4であり、
各Yは−O−(O)C−、−C(O)−O−であり、
各Rはヒドロカルビル、または置換されたヒドロカルビル基であり、各R中の炭素の合計はC12〜C22であり(Yが−O−(O)C−である場合は+1)、R基の親脂肪酸の平均ヨウ素価は40〜140であり、
対イオンXは、柔軟化剤と相容性がある、すべての陰イオンである]
2.下記式を有する柔軟化剤と、
【化8】

[上記式中、各Y、R、R、およびX(−)は上記と同じ意味を有する]
3.下記式を有する柔軟化剤と、
4−m−N(+)−R
[上記式中、
各mは2または3であり、
各RはC〜C22ヒドロカルビル(ただし、2個以上がC12未満ではなく、他方が少なくとも16である)、または置換されたヒドロカルビル置換基であり、ヨウ素価は70〜140であり、シス/トランス比が1:1〜50:1であり、
各RはHまたは短鎖C〜Cアルキルまたはヒドロキシアルキル基、ベンジル、または(RO)0−4Hであり、ここで各RはC1−6アルキレン基であり、
は柔軟化剤と相容性の陰イオンである]
4.下記式を有する柔軟化剤と、
【化9】

[上記式中、
各R、RおよびAは上に定義した通りであり、
各RはC1−6アルキレン基であり、
Gは酸素原子であるか、または−NR−基である]
5.下記式を有する柔軟化剤と、
【化10】

[上記式中、R、RおよびGは上に定義した通りである]
6.不飽和および/または分岐鎖の高級脂肪酸とジアルキレントリアミンとの、例えば分子比2:1の反応生成物と、
7.下記式を有する柔軟化剤と、
[R−C(O)−NR−R−N(R)−R−NR−C(O)−R]
[上記式中、R、R、R、RおよびAは上に定義した通りである]
8.不飽和および/または分岐鎖の高級脂肪酸とヒドロキシアルキルアルキレンジアミンとの、分子比2:1の反応生成物と、
ここで、前記反応生成物は、下記式を有する化合物を含んでなり、
−C(O)−NH−R−N(ROH)−C(O)−R
[上記式中、R、RおよびRは上に定義した通りである]
9.下記式を有する柔軟化剤と、
【化11】

[上記式中、R、R、RおよびAは上に定義した通りである]、および
10.それらの混合物とから選択される、請求項1に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項8】
前記主要溶剤が、そのClogPが、
(1)−2〜0.15未満、
(2)−1.7〜0.15未満、
(3)−1〜0.15未満、
(4)0.64超過2.6まで、
(5)0.64超過2.0まで、
(6)0.64超過1.6まで、
(7)1超過2.6まで、
(8)1超過2.0まで、または
(9)1超過1.6までである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項9】
前記電解質が、MgI、MgBr、MgCl、Mg(NO、Mg(PO、Mg、MgSO、ケイ酸マグネシウム、NaI、NaBr、NaCl、NaF、Na(PO)、NaSO、NaSO、NaSO、NaNO、NaIO、Na(PO、Na、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、テトラクロロアルミン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、NaSi、ジルコニウム酸ナトリウム、CaF、CaCl、CaBr、CaI、CaSO、Ca(NO、KI、KBr、KCl、KF、KNO、KIO、KSO、KSO、K(PO、K(P)、ピロ硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、LiI、LiBr、LiCl、LiF、LiNO、AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(PO)、Al(NO、ケイ酸アルミニウム、これらの塩の水和物、混合ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび/またはカルシウム陽イオンとの塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項10】
前記相安定剤が、
(1)飽和および/または不飽和の、第1級、第2級、および/または分岐した、アミン、アミド、アミンオキシド脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、および/またはアルキルアリールカルボン酸の化合物から誘導された非イオン系界面活性剤であるか、
ここで、それぞれが、(a)炭素数が6〜22であるアルキルまたはアルキレン鎖を有し、前記化合物の少なくとも1個の活性水素が、≦30個のエチレンオキシド部分でエトキシル化され、8〜20のHLBを与えるか、または(b)炭素数が8〜18であるアルキルまたはアルケニル鎖を有し、5〜15個の前記エチレンオキシド部分を含み、10〜18のHLBを与えるか、または8〜12個の前記エチレンオキシド部分を含み、11〜15のHLBを与えるものであり、
(2)下記a〜c:
a.下記式を有する界面活性剤と、
【化12】

[上記式中、
Y”=NまたはOであり、
各Rは独立して、−H、−OH、−(CHCH、−O(OR−H、−OR、−OC(O)R、および−CH(CH−(ORz”−H)−CH−(ORz’−C(O)Rからなる基から選択され、
xおよびRは上記の通りであり、
z、z’およびz”は5〜20である]
b.下記式を有するポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤と、
−C(O)−N(R)−Z
[上記式中、
各RはH、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cアルコキシアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、
はCC〜21ヒドロカルビル部分であり、
各Zは、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に直接接続した直線状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分であるか、またはそのエトキシル化誘導体である]、および
c.それらの混合物と、から選択された、大きな頭部基を有する非イオン系界面活性剤であるか、
(3)反対の電荷を有する界面活性剤イオンまたは希釈粘度を下げるのに好適な電解質イオンで中和された1個の界面活性剤イオンにより形成される界面活性剤複合体であるか、
(4)ポリエチレンオキシド部分とプロピレンオキシド部分を含んでなるブロック共重合体界面活性剤であるか、および/または
(5)下記の一般式:
{R−Y−[(R−O)−H]
[上記式中、
各Rは、飽和または不飽和の、第1級、第2級または分岐鎖の、アルキルまたはアルキル−アリール炭化水素からなる群から選択され、前記炭化水素鎖の炭素数は6〜22であり、
各Rは基−(CH−および/または−[CH(CH)CH]−の基、またはそれらの基の組合せから選択され、
Yは=N−(A)、−(CH−N−(A)、−B−(CH−N−(A)、−(フェニル)−N−(A)、−(B−フェニル)−N−(A)の基から選択され、nは1〜4であり、各Aは独立して、H、C1−5アルキル、R、−(RO)−H、−(CHCH、フェニル、および置換アリールの基から選択され、0≦x≦3であり、各Bは−O−、−NA−、−NA、−C(O)O−、および−C(O)N(A)−からの基から選択され、mは1または2であり、pは1または2であり、q=1または2であり、m+p+q=4であり、
分子1個あたりの総zは3〜50であり、
は、布地柔軟化剤活性成分および補助成分と相容性がある陰イオンであるか、または
は、炭素数が8〜22であるアルキル基であり、Rは基−(CH−であり、n=2であり、総zは3〜20であり、p=2、Yは=N−(A)、AはC1−4アルキル基であり、qは1であるか、またはRは、炭素数が12〜18であるアルキル基であり、総zは5〜16であり、AはCアルキル基であり、Xはエチルサルフェートである]
を有する陽イオン系界面活性剤である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。
【請求項11】
前記組成物が、最大粘度を有する希釈溶液に対して測定して、0.1〜1.0のひずみ範囲全体にわたって、
(1)G’≦20PaおよびG”≦6Pa secを有する、
(2)G’≦3PaおよびG”≦2Pa secを有する、または
(3)G’≦1PaおよびG”≦1Pa secを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の透明または半透明の液体布地柔軟化組成物。

【公開番号】特開2006−200123(P2006−200123A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65892(P2006−65892)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【分割の表示】特願2000−522195(P2000−522195)の分割
【原出願日】平成10年11月24日(1998.11.24)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】