説明

高圧チャンバ

本発明は、好ましくは計量された量の流体、例えば医薬製剤を噴霧化し又は噴射するための高圧チャンバに関する。高圧チャンバの強度を決定する高圧チャンバの構成部品は、プラスチック領域が直接取り付けられた焼結金属本体で構成されている。プラスチック領域により高圧チャンバの内部の高圧チャンバ内に圧力下で入れられた流体に対する耐腐食性及び材料適合性の実現が可能である。焼結金属本体の形状によりシステム全体に高圧作動に必要な剛性及び他の構成部品への連結形式を規定した直接成形連結要素が与えられる。それにより、高圧チャンバの強度を決定する高圧チャンバの構成部品が変形し又は圧着されて安価且つ迅速な全体的組立てプロセスが利用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個の独立した部品で構成され、液体によって作動される高圧チャンバに関する。
【0002】
本発明の内容は、例えば患者の肺内への投薬又は患者の体内への注入のための液体調合薬の噴霧化において技術的医療用途向きの高圧チャンバに関する。
【背景技術】
【0003】
純粋な液体及び溶液はもちろんのこと、「液体」という用語は、分散液、懸濁液、サスリューション(溶液と懸濁液の混合液)等を更に含む。特に、この用語は、使用中における高圧チャンバの内容物の集合状態に関する。
【0004】
液体が患者の体に投与され又は技術的医用機器内部で運搬される多くの医療処置において、例えば輸液をセットアップする場合又は血液又は他の製薬的液体を循環させる医療処置において極めて低い圧力が用いられることが知られている。美容のための従来型小出しシステム又は医用加圧ガスアトマイザも又、一般に、7バール未満の液体圧力、極めて希には最高20バールまでの液体圧力で動作する。高圧圧送システムは、他方において、一般に、種々の工業用途で知られているが、実際には、技術的医用機器での使用には適していない。というのは、このような高圧圧送システムは、特定の医学的有効物質との適合性がなく又はそれどころか患者に対して毒性のある物質を放出する場合のある材料で作られていることが多いからである。多くの場合、技術的医用構成部品では、これら構成部品が滅菌可能であることが必要不可欠である。課される衛生上の要件のために、医用機器の構成部品は、一般に、短い使用期間又はそれどころか1回使用向きに設計されており、従って、この技術分野においては、大量生産に対する要求が著しく高まっている。さらに、工業的圧送又はポンプ送りシステムは、機械的に複雑な性状のものである場合が多く、従って、このようなシステムを特に手持ち型医用機器のサイズまで小さくすることは困難である。
【0005】
他方、肺疾患の治療において、携帯可能な手持ち型機器の使用が欠くことができない状態になっている。このような機器を使用すると、治療を毎日、しかも治療を提供する医師の診療所から距離を置いたところで施すことができ、この場合、患者は、常時、吸入用の本質的緊急用薬剤にアクセスすることができる。
【0006】
液体調合薬が噴霧化されるとき、正確に計量された量の有効物質が吸入のためのエーロゾルに変換されるようになっている。エーロゾルは、小滴サイズ分布状態の小さな平均粒径を有するべきである。推進剤を用いないでノズルポンプ構造を用いてこれを達成するためには、100〜1200バールの圧力が関連のポンプチャンバ内に必要であり、システムの漏れ止め構造に高い要求が課される。
【0007】
「調合薬」という用語は、本発明では、薬剤、治療薬等は言うまでもなく、吸入又は他の形態の投薬のための特にあらゆる種類の薬を意味している。しかしながら、本発明は、医療的噴霧化には限定されず、例えば以下の説明が主として、医学的用途、及び吸入のための調合薬の好ましい噴霧化に関していても、例えば測定された量の液体をインゼクタ、スプレーシステム及び他の小出しシステム並びに液体のジェットが高圧下で用いられるシステム(例えば、切断システム)において小出しする場合にあらゆる種類の液体を圧力下で小出しする種々の部門全体に利用可能である。さらに、この種の高圧チャンバ及びこれら高圧チャンバと関連した製造技術を全く異なる工業分野、例えばモータ業界に利用できる。ただし、本発明は、主として、例えば薬剤分野における医学的技術又は食品技術において問題の液体の特に清浄な取り扱いが必要不可欠である圧送状況に関する。
【0008】
国際公開第91/14468(A1)号パンフレット及び同第97/12687(A1)号パンフレットは、ネブライザ又は小型高圧ネブライザを記載している。これらは、噴霧化されるべき医薬製剤のリザーバとして、内袋付きの挿入可能な硬質容器及び医薬製剤を運搬して噴霧化するための駆動ばねを備えた手動式圧力発生器を有する。この種の容器は、国際公開第96/06011(A1)号パンフレット及び同第00/49988(A2)号パンフレットに開示されており、このような容器は、約2〜10mlの容積を有する。他方、上述のネブライザに代わるネブライザが先行技術で知られるようになっており、これは、図1に例示的に示されており、これについて以下に詳細に説明する。このネブライザでは、多部品構成型圧送チャンバが用いられる。この実質的に円筒形の圧送チャンバの強度決定構成部品は、長手方向に動くことができる仕方で案内される圧送ピストン用の案内管、リザーバ端部に設けられていて、螺着式キャップ状保持要素により固定された支持リング及び圧送チャンバの他端部に設けられていて、同様な螺着式キャップ状保持要素によって固定されたノズルホルダである。ノズルホルダによって保持された噴出ノズルのための考えられる微細構造の細部が国際公開第94/07607号パンフレット、同第99/16530号パンフレット及び同第2005/000476(A1)号パンフレットに開示されている。
【0009】
ポンプチャンバに用いられる構成部品には、材料の強度に関する特定の要件がある。多くの場合、これら構成部品は、医用技術における大量生産構成部品にとって従来のものである比較的安価なプラスチックでは構成できない。上述の保持要素は、典型的には、旋盤(レーズ)で製造される金属構成部品である。
【0010】
米国特許出願公開第2002/0176788号明細書は、とりわけ、壁が薄肉管から成る高圧ポンプ本体を示しており、この高圧ポンプ本体内において、強度決定構成部品は、互いにねじ止めされず、圧着密封ビードによって連結要素に接合される。密封要素を備えた出口弁が薄肉管内に挿入される。管は、弁ユニットに設けられた適当な凹部内に押し込まれて確実にロックする仕方で嵌まり込む。高圧圧送本体内において想定される高圧に達すると、対応の弁が開き、それにより液体は、ポンプ出口に連続的に流れることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第91/14468(A1)号パンフレット
【特許文献2】国際公開第97/12687(A1)号パンフレット
【特許文献3】国際公開第96/06011(A1)号パンフレット
【特許文献4】国際公開第00/49988(A2)号パンフレット
【特許文献5】国際公開第94/07607号パンフレット
【特許文献6】国際公開第99/16530号パンフレット
【特許文献7】国際公開第2005/000476(A1)号パンフレット
【特許文献8】米国特許出願公開第2002/0176788号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、工業的製造に適した特に医用ネブライザ又はインゼクタシステム用の一体形出口ノズルを備えた高圧チャンバを提供することにある。この種のシステムは、計量された量の液体を短いパルスで送り出す。液体は、圧力を用いないで吸い込まれ、そして短い期間内に、液体がノズルを通って小出しされる(好ましくは、直接に)高圧チャンバ内のピーク圧力まで至る。この種のパルス化システムに関する密封要件は、連続圧送と比較して静的観点だけでなく動的観点を有し、このことは、特に高圧チャンバと出口ノズルとの間の連結技術には特定の要求が課されることを意味している。
【0013】
高圧チャンバという用語は、本明細書において、流体が加圧され、そしてピストン又はプランジャの前進によって放出される内部が実質的に円筒形のチャンバを意味している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、本発明によれば、複数個の構成部品で構成されたピストンポンプチャンバの形態をした高圧チャンバによって解決される。高圧チャンバは、入口弁及び出口ノズルを有する。高圧チャンバ内において、液体は、加圧され、軸方向に動くことができるピストンによって出口ノズルを通って放出される。少なくとも1つの構成部品は、変形可能であると共に/或いは圧着及び/又はフランジ止め及び/又は押し潰し可能な金属構成部品から成る。この少なくとも1つの構成部品は、確実ロック、摩擦ロックにより解除できないようにチャンバの少なくとも1つの他の構成部品に連結される。有利な他の特徴については以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
本発明の一特徴は、例えば以下に説明する特定の製造プロセスを用いて強度決定構成部品の幾何学的形状を作って幾つかの構成部品がこれら構成部品を他の構成部品に接合する要素を有するようにすることである。これら連結要素は、好ましくは、アーム、ストリップ、ジグザグリング(例えば王冠コルクのジグザグリング)として具体化され又は他の形態に具体化されるのが良い。連結要素は、2つの構成部品を互いに確実にロックしたときに変形し又は曲げられ、好ましくは圧着される。好ましくは、延性があり且つ種々の幾何学的形状において変形範囲内で十分に変形可能である構成部品について圧着可能な材料が選択される。好ましい材料は、機械的変形後に変形範囲内で固まる材料である。構成部品を圧着により互いに接合することにより、これら構成部品を例えばねじ連結と比較して迅速に組み立てることができる。さらに、圧着継手は、これらの位置公差の面でねじ連結よりも破損の恐れが少ない。圧着継手は、非常に頑丈であり且つ最高5000バールまでの内圧を受けることができる。高圧チャンバの強度決定構成部品は、好ましくは、圧着によって組み立てプロセスの終わりに互いに接合される。これにより、システムの全ての機能構成部品、例えば密封要素、フィルタ要素及びノズルが収納されたコンポーネントユニットが得られる。本明細書において説明する高圧チャンバは、その構成が非常にコンパクトなので手持ち型医用機器への組み込みに極めて適している。
【0016】
本発明のもう1つの特徴は、金属射出成形法(MIM技術)により作られた構成部品が高圧チャンバ内において強度決定構成部品として用いられるということにある。略語であるMIMは、金属射出成形(metal injection moulding)を表している。MIMプロセスは、金属粉末(公知の粉末状金属及び合金どれでも用いることができる)を射出成形プロセスにおいて結合材、例えばポリオレフィンと共に成形して所望の構成部品を作り、次に、多くのプロセスステップにおいて互いに異なる温度で処理する金属射出成形プロセスである。まず最初に、結合材を構成部品から除去し、次に、この構成部品を焼結によって硬化させる。一般に、MIMプロセスでは、粒径が30ミクロン未満であり、メイジアン粒径分布が6〜7ミクロンである金属粉末が用いられる。この方法は、構成部品を経済的規模で大量生産により作るよう使用できる。これら構成部品は、任意の別の機械加工を用いないで、例えば旋盤で使用できる。焼結金属構成部品の幾何学的形状は、従来製造された金属構成部品と比較して多種多様であって良く、焼結金属構成部品の幾何学的形状は、例えば回転対称の形状には限定されない。更に、開始粉末の適当な選択によって、特に、構成部品について耐腐食性材料を用いることが可能であり、システムの頑丈さが増す。
【0017】
本発明の別の特徴では、プラスチック要素又はプラスチック被膜が高圧チャンバの強度決定構成部品に直接被着される(好ましくは、再成形又は接合前に)。これは、例えばプラスチック射出成形プロセス又はコーティングプロセス(プラスチック射出成形プロセスでは、別のプロセスインサートは、プラスチックによる表面被覆度とは無関係に、しかしながら、用語の用い方において他のコーティングプロセスを含むために「射出被覆部品」と呼ばれており、「ベース部材」という用語がこの場合用いられる)においてインサートとして焼結金属製の構成部品を用いる製造プロセスの組み合わせによって達成できる。同様に、他の製造又は構造化プロセスからの金属構成部品を用いることができる。このように、性能及び機能の互いに異なる要件を単一構成部品で満たすことができるので有利である。
【0018】
射出被覆金属構成部品又はベース部材は、高圧用途に必要な剛性を備えている。位置及び液体との接触並びに材料の選択に応じて、プラスチックによる被覆又はプラスチック要素の取り付けによって、弾性密封要素並びに構成部品の薬学的適合性及び耐腐食性を達成することができる。好ましくは、液体と直接的な接触状態にある構成部品の表面全て、即ち、特に、高圧チャンバ内の表面は、例えばポリプロピレンで被覆される。これにより、敏感な有効物質の場合、構成部品と有効物質との適合性が実現される。ポリプロピレンに代えて、所望の効果に応じて、サーモプラスト(thermoplast)、デューロプラスト(duroplast)又はエラストマーの中から選択された複数の標準市販プラスチックで要素をコーティングし又は金属構成部品を射出コーティングことが可能である。
【0019】
焼結金属構成部品がパルス作動式高圧チャンバの構成部品として用いられる場合、焼結金属構成部品の内部をプラスチックで内張りすることにより、射出成形プロセスのための金属粉末の選択に応じて、焼結構成部品中に残存する開いた細孔が密封され、表面が滑らかにされるという別の利点が得られる。このように、粗い粉末であっても、高圧チャンバの内容積部及びそれゆえに焼結金属の表面中の細孔による死空間の増大を回避することが可能である。圧送システム中の死空間が少なければ少ないほどシステムの始動段階がそれだけ一層短くなる(ネブライザの説明において、この始動段階を以下「プライミング」という)と共にパルス化システムにおける液体の計量が一層正確になる。
【0020】
本発明の個々の特徴は、主として、互いに無関係に使用できると共に/或いは所望に応じて実質的に互いに組み合わせ可能である。
【0021】
以下の説明において、添付の図面を参照して本発明の別の特徴及び性質を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】非張力状態にある公知のネブライザの概略断面図である。
【図2】図1と比較して90°回転させた張力状態にある図1のネブライザの概略断面図である。
【図3】ネブライザに用いられる本発明の高圧チャンバの概略断面図である。
【図4a】第2の材料領域の取り付け前且つ組み立て前における図3の高圧チャンバの構成部品(ノズルホルダ)のベース部材を示す図である。
【図4b】図4aの同一のベース部材の別の斜視図である。
【図5】高圧チャンバへの取り付け前の取り付け状態の第2の材料ゾーンを含む図4の完成状態の構成部品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1及び図2は、圧力チャンバ(11)に代えて提案対象の高圧チャンバを用いることができる液体(2)を噴霧化する公知の手動操作式ネブライザ(1)の略図である。図1及び図2のネブライザは、各作動サイクルで所与の投与分の液体を小出しする計量型ネブライザである。ネブライザの作動中、圧力チャンバ(11)内の計量空間が満たされていない非張力状態(1)と圧力チャンバ(11)が満たされた張力状態(図2)の区別がなされる。圧力チャンバ(11)は、その機能が圧送又はポンプ用送りチャンバに一致している。
【0024】
この圧力チャンバの強度決定構成部品は、内部が実質的に円筒形であり、中実プラスチック、例えば好ましくはPEEKで作られた中央部分(23)、止めナット(26)によって上流側の方向でこの中央部分(23)にねじ止めされた支持リング(25)及び止めナット(33)によって下流側で中央部分(23)にねじ止めされたノズルホルダ(32)である。組み立て状態におけるこれら強度決定構成部品は、多数の機能構成部品、種々のシール、フィルタ及びノズルを含み、以下、これらについて説明する。
【0025】
図1及び図2は、容器(3)が液体(2)を収容した状態のネブライザ(1)を示している。ネブライザ(1)は、携帯可能な手持ち式器具として具体化され、ネブライザは、推進ガスなしで動作する。好ましくは、ネブライザ(1)は、液体調合薬の吸入のための医用ネブライザとして使用できる。
【0026】
液体(2)を噴霧化したとき、エーロゾル(14)が形成され(図1)、このエーロゾルは、医用ネブライザの場合、好ましくは肺向きであり、ユーザ(図示せず)により1日に数回吸引され、オプションとして吸入される。
【0027】
ネブライザ(1)を開いた後、液体(2)の入っている容器(3)をネブライザ(1)内に下から挿入するのが良く又は交換品として収納されるのが良い。容器(3)は、噴霧化されるべき液体(2)のためのリザーバを形成する。好ましくは、容器(3)は、最高200回の噴霧化又は塗布が可能であるよう数回投与分の液体(2)、例えば最高200回の投与ユニット(投与分)に十分な液体(2)を収容している。ネブライザ(1)は、各場合において、所定の、オプションとして調節可能な投与量で液体(2)を運搬すると共に噴霧化する運搬器具、特に圧力発生器(5)を更に有している。
【0028】
ネブライザ(1)は、特に容器(3)のためのホルダ(6)、好ましくは手動で操作して解除できる関連のロック要素(8)を備えた関連の駆動ばね(7)(一部しか示さず)、弁、特に逆止弁(10)を備えた毛管として具体化されている中空ピストン(9)、圧力チャンバ(11)及び特にマウスピース(13)の付近に設けられた噴出ノズル(12)を有している。逆止弁(10)は、好ましくは、中空ピストン(9)に設けられた対応関係をなす端凹部内で軸方向に制限された仕方で動くことができる弁体を有する。特に、弁体は、側部及び/又は端部(圧力チャンバ(11)の)に凹部、溝等を備えており、その結果、逆止弁(10)を開くと、逆止弁(10)が開いた状態で圧力チャンバに向かう弁体が中空ピストン(9)の軸方向当接部に当接した場合であっても、液体(2)は、弁体周りにこれに沿って流れることができるようになっている。
【0029】
容器(3)は、ホルダ(6)により、特に圧締め又はラッチ止め作用により、ネブライザ(1)内に固定されていて、中空ピストン(9)の下端部が、容器(3)中に浸漬するようになっている。ホルダ(6)は、容器(3)を交換することができるよう構成されたものであるのが良い。
【0030】
駆動ばね(7)を軸方向に引っ張ると、ホルダ(6)が容器(3)及び中空ピストン(9)と一緒に下方に移動し、液体(2)が容器(3)から吸い出され、逆止弁(10)を通過して圧力発生器(5)の圧力チャンバ(11)内に吸い込まれる。
【0031】
ロック要素(8)の作動後における次の弛緩の際、圧力チャンバ(11)内の液体の投与分は、駆動ばね(7)の解除により、逆止弁(10)が今や閉鎖状態にある状態で中空ピストン(9)が上方に戻されて加圧され、その結果、この中空ピストン(9)は、加圧ラムとして働くようになる。この圧力により、圧力チャンバ(11)内の液体が送り出しノズル(12)中に放出され、その間、このような液体は、図1に示されているように好ましくは肺行きのエーロゾル(14)の状態に噴霧化される。代表的には、数百バール、幾つかの場合においては最高1200バールの圧力ピークがシステム中に生じる。圧力チャンバの横断面積及び圧力ピストンの移動距離は、放出ノズルを通って噴霧化される液体の量を定める。高圧チャンバの内容積は、好ましくは、圧力ラムにより押し退けられる容積よりもほんの僅かに大きい。好ましくは、最大250マイクロリットルまでの内容積、特に、10〜100マイクロリットルの容積を有する高圧チャンバが用いられる。
【0032】
ユーザ又は患者(図示せず)は、エーロゾル(14)を吸入することができ、その間、好ましくは供給空気(給気)が少なくとも1つの給気開口部(15)を通ってマウスピース(13)内に吸い込まれる。
【0033】
噴霧化プロセス中、容器(3)は、駆動ばね(7)によってその元の位置に戻される。容器(3)は、引張り操作プロセス中及び噴霧化プロセス中、持ち上げ運動を行う。
【0034】
ネブライザ(1)は、特に、上側ハウジング部品(16)及びこの上側ハウジング部品に対して回転可能な内側ハウジング部品(17)(図2)を有し、手動操作可能又は回転可能な下側ハウジング部品(18)が、好ましくは保持要素(19)によって上側ハウジング部品(17)に解除自在に取り付けられ、特にこれに嵌着又は装着されている。容器(3)を挿入すると共に/或いは交換するために、下側ハウジング部分(18)をネブライザ1から取り外すことができ、その結果、容器を内側ハウジング部品(17)内に軸方向に押し込むことができるようになる。下側ハウジング部品(18)は好ましくは、カップ状であり、容器(3)の下方自由端部周りに係合し又はこれに嵌まっている。
【0035】
下側ハウジング部品(18)を上側ハウジング部品(16)に対して回転させることができ、それにより、内側部品(17)も又回転する。このように、駆動ばね(7)は、ホルダ(6)に作用する歯車(図示せず)によって軸方向に引っ張られる。引張り操作中、容器(3)は、容器(3)が図2に示す端位置を占めるまで軸方向下方に動かされ、その端部が下側ハウジング部品(18)中に又はその端面まで一段と入り込む。この状態では、駆動ばね(7)は、張力下にある。
【0036】
引張り操作がまず最初に起こると、容器(3)は、好ましくは、そのベースが穿通され、それにより通気される。下側ハウジング部品(18)内に配置された軸方向に作用するばね(20)が容器ベース(21)に当接するようになり、他方、ばね(20)に取り付けられた穿通要素(22)は、容器(3)又は接触がまず最初に行われたときにベースに設けられているシールを穿通する。これは、容器(3)の外側シェルだけを開き、液体(2)の入っている内袋(4)は、容器(4)を内側ハウジング部品(17)内に挿入し、次に容器の頂部の隔膜を貫通して袋の内部に挿入されたときに中空ピストン(9)が容器(3)の頂部のシールを穿通することによって開かれる。このように、容器(3)内の袋(4)は、中空ピストン(9)を介して圧力チャンバ(11)に流体結合される。最初の使用前であって袋(4)の流体学的取り付け後に、ネブライザ(1)に数回、張力をかけて解除する。このプロセスは、「プライミング」と呼ばれ、このような操作により、中空ピストン(9)及び放出ノズル(12)までの圧力発生器(5)内に存在する空気は、液体によって押し退けられ、ネブライザ(1)は、意図した仕方でいつでも使用できる状態にある。次に、液体が袋(4)から中空ピストン(9)を通って取り出されると、柔軟性の袋(4)は、潰れる。容器(3)内の圧力を等しくするため、周囲空気が通気開口部を通って容器(3)内に流れることができ、その結果、液体(2)を運搬しているとき、同一の圧力条件が常時存在するようになる。
【0037】
圧力発生器(5)は、圧力チャンバ(11)を形成する長手方向ボアを備えた管状中央部分(23)を有している。中空ピストン(9)は、圧力チャンバ(11)内に突き出ている。中空ピストンは、中央部分(23)の容器側端部に設けられた対応の凹部内に位置した支持リング(25)及び止めナット(26)によって保持されたシール(24)で密封されている。組み立て状態では、中空ピストン(9)は、シール(24)を通って延び、それにより外部又は半径方向に密封される。
【0038】
放出ノズル(12)は、中央部分(23)の出口端部に設けられている。放出ノズル(12)と圧力チャンバ(11)との間には、好ましくは予備フィルタ(27)が設けられ、この予備フィルタは、好ましくは、液体(2)と化学的に適合性のあるプラスチック、例えばポリエチレン又はポリプロピレンで作られる。
【0039】
予備フィルタ(27)は、放出ノズル(12)又は下流側に設けられた微細フィルタを閉塞し又は変形させる場合のある粒子を引き止める。フィルタしきい値は、好ましくは、約10ミクロンである。これよりも大きな粒子は、流通している液体(2)から予備フィルタ(27)によって引き止められる。
【0040】
図1及び図2では、予備フィルタ(27)は、例えば加圧によって圧力チャンバ(11)の出口端部に直接設けられたフィルタホルダ(28)によって保持され、フィルタホルダ(28)は、シール(29)、特にOリングによって中央部分(23)から密封される。しかしながら、例えば別の実施形態(以下の図3も又参照されたい)に示されているように、他の設計上の解決策も又、採用可能である。
【0041】
好ましくは、超微細フィルタ及び放出ノズル(12)が予備フィルタ(27)又はフィルタホルダ(28)のすぐ後に配置されている。噴霧化前に予備フィルタ(27)及び超微細フィルタを通る液体の2段濾過が特に好ましい。特に、超微細フィルタ及び放出ノズル(12)は、単一の構成部品を形成している。超微細フィルタを用いて、放出ノズル(12)の非常に細い出口チャネルを閉塞し又は詰まらせる場合のある粒子を濾過して除去する。フィルタしきい値は、特に、2〜5ミクロンである。
【0042】
放出ノズル(12)は、好ましくは、ノズルシール(30)によって受け入れられると共に半径方向に保持される。ノズルホルダ(32)が出口側に取り付けられている。止めナット(33)は、中央部分(23)に取り付け可能に設けられている。ノズルホルダ(32)は、放出ノズル(12)及びノズルシール(30)を保持している。
【0043】
放出ノズル(12)は、ガラス及び/又はシリコーンで作られた互いに固定的に取り付けられた2つの部品、即ち、プレート(12a),(12b)で構成されている。一方のプレートは、微細構造化され、このプレートは、平坦な側部に、ノズル入口をノズル出口に結合する流れ領域を有する。2枚のプレート(12a),(12b)は、好ましくは、結合によって互いにしっかりと接合されている。ノズル入口が上流側に位置し、ノズル出口が下流側に位置した流れ領域は、2枚のプレート相互間に包囲されている。プレート相互間に位置した微細構造体は、流れ領域中に流れ方向に超微細フィルタ構造体を形成し、次に、ノズル出口を備えたノズルチャネルを形成している。この超微細フィルタ構造体は、例えば、壁を貫通して形成された細いチャネル及び/又は指定された表面密度を有する隆起部によって形成されている。圧力チャンバ(11)に隣接して位置する放出ノズル(12)への流体結合部の容積及び放出ノズル(12)の容積それ自体は、死空間を小さくするために可能な限り小さい。放出ノズル(12)を通る流れ抵抗は、実質的に、張力操作ストローク中、中空ピストンを通って圧力チャンバ(11)内に流れる液体(2)の流れ抵抗よりも高く、その結果、ネブライザは、ノズル領域中の出口側部に弁なしで動作するようになっている。
【0044】
ネブライザは、50〜600バール、好ましくは100〜500バールのばね圧力で動作する。ネブライザの各作動時、10〜50マイクロリットルの量の液体が送り出される。液体は、エーロゾルに変換され、エーロゾルの液滴は、最大20ミクロンまで、好ましくは3〜10ミクロンの空気力学的径を有する。関連ノズルは、20°から160°、好ましくは80°から100°のノズルスプレー広がりを生じさせる。これらの大きさは、特に好ましい値として本発明の教示に従ってネブライザに当て嵌まる。
【0045】
図3は、一例として、例えば図1及び図2のネブライザで利用できる種類の本発明の高圧チャンバ(100)の断面図である。
【0046】
高圧チャンバ(100)の強度決定構成部品は、内側が実質的に円筒形の中央部分(123)及びこの中央部分の両端部を閉鎖する構成部品、即ち、ノズルホルダ(133)及び支持リング(126)である。組み立て状態では、これら構成部品は、システム内で別の構成部品、例えばシール、フィルタ及びノズルを収納することができる。
【0047】
図3に特定の実施形態として示されている中央部分(123)は、内部が実質的に円筒形断面の金属製ベース部材(123a)及びこれに連結された強度決定構成部品、即ち支持リング(126)及びノズルホルダ(133)の形状に合った外側形状を有する。これら連結領域は、上昇構造体と下降構造体の両方、例えば、ウェブ、突出部、ビード、穴又は溝状窪み又はスロット状凹部を有するのが良い。図3に示されている実施形態では、中央部分(123)の長手方向に平行に延びる長方形のスリット又はスロット状凹部が設けられ、構成部品(126),(133)に設けられた連結要素が確実ロックによりこの凹部に嵌まり込む。2つ又は3つ以上の構成部品の連結要素は、この種の単一の凹部内に嵌まり込むのが良い。図3では、いずれの場合においても、支持リング(126)の連結要素(126c)は、ノズルホルダ(133)の連結要素(133c)と同一の凹部内に嵌まり込む。しかしながら、特に連結箇所の形状、連結要素が各連結箇所で互いに係合する数及び連結箇所で連結要素によって互いに係合する構成部品の数に関し、他の設計上の解決策も又、採用可能である。例えば、いずれの場合においても、連結要素は、1つしか設けられなくても良く、或いは、変形例として、2つ又は3つ以上の連結要素が連結箇所に取り付けられても良い。1つ又は2つ以上の他の構成部品を一構成部品に取り付けても良い。
【0048】
高圧チャンバ(100)の強度決定構成部品を備えた連結要素に加えて、他の連結要素を成形により中央部分(123)の外側に又は構成部品(126)又は(133)に直接取り付けることができ、その目的は、高圧チャンバ(100)全体を全体的システム、例えばネブライザ内に取り付けることにある。特に好ましくは、これら追加の連結要素は、他の構成部品にばねラッチ止め又はスナップ嵌め連結を生じさせるばねアーム(123d)であるのが良い。
【0049】
中央部分(123)は、金属製ベース部材(123a)に固定的に連結された領域(123b)を更に有するのが良く、この領域は、異なる材料、例えばプラスチックから成るのが良い。この第2の材料領域(123b)は、システム全体を通じて動作中、液体と接触状態にある表面全てを覆うのが良い。好ましくは、液体の材料腐食及び変化が生じないよう、例えば有効物質の分解が生じないようにするために用いられる液体と化学的に適合性のあるプラスチック材料が用いられる。適当なプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンが挙げられる。このようなプラスチックは又、例えば、以下に説明する液体側端部の第2の材料領域に使用することができ、これら第2の材料領域は、他の構成部品、例えば支持リング(126)及びノズルホルダ(133)に設けられる。
【0050】
第2の材料領域、例えば(123b)は、被膜であるのが良く、この被膜の表面は、下に位置するベース部材、例えば(123a)の表面に実質的に平行に延びる。更に、第2の材料領域は、例えば射出成形、糊付け、結合、スナップ嵌め又は同様な取り付け方法によってベース部材、例えば(123a)に取り付けられるのが良い。特に、上述した結合方法を用いて、第2の材料領域は、ベース部材の形状とは異なる形状を有するのが良い。図3は、好ましくは射出成形によりベース部材(123a)に取り付けられた第2の材料領域(123b)が個々の構造体と共に中央部分(123)の内側領域全体にわたって延びる中央部分(123)を示している。
【0051】
第2の材料領域(123b)は、高圧チャンバ(100)の強度を決定する構成部品、即ち、中央部分(123)、支持リング(126)及びノズルホルダ(133)が組み立てられるときに設けられるのが良い他の構成部品のための支持面としての役目を果たす。第2の材料領域(123b)の構造は、別個のフィルタ、例えば予備フィルタ(27)及び別の微細フィルタ(31)の取り付け位置を定める。これらフィルタは、部分的に円錐形の形状の中への圧力嵌めによって中央部分(123)の上流側端部から第2の材料領域(123b)の内側構造体に設けられた環状カラー又は当接部に当てて押し込められるのが良い。この種の構成では、別の構成部品がフィルタホルダとして又はフィルタの領域内のシールとして働く必要はない。微細フィルタ(31)のフィルタしきい値は、これが予備フィルタ(27)のしきい値と放出ノズル(12)内に一体化された超微細フィルタのしきい値の間に位置するよう選択される。フィルタの取り付け方、フィルタの形式、フィルタの数及びフィルタのシーケンスに関する他の設計が可能である。領域(123b)の構造体は、液体とベース部材(123a)との接触を阻止する。他の構成部品とのシールは、ベース部材(123a)とシールとの直接的な接触が生じないよう領域(123b)に当接するのが良い。シール(24)、例えばOリングは、中央部分(123)及び支持リング(126)を中空ピストン(9)から密封する。シール(24)は、領域(123b)に設けられた凹部内に設けられる。領域(123b)は、包囲している連結リング(123c)と共に中央部分(123)から見て下流側に突き出ていて、ノズルシール(12)のための支持面を形成している。
【0052】
図3に示されている支持リング(126)は、シール(24)及び圧力発生器(5)と一緒になって、高圧チャンバ(100)の上流側境界部を形成している。中央部分(123)と同様、支持リング(126)は、互いに同様にしっかりと取り付けられた互いに異なる材料領域、即ち、強度決定ベース部材(126a)及びこれに直接取り付けられていて、液体と化学的適合性のある第2の材料領域(126b)で構成されるのが良い。中央部分(123)の場合と同様、支持リング(126)の形状は、少なくとも1つの他の構成部品、この場合、中央部分(123)への取り付け方を定め、支持リング(126)は、その強度を定めるそのベース部材(126a)内に、連結要素(126c)を有し、これら連結要素(126c)は、取り付けられるべき構成部品の方向に突き出ていて、二次成形プロセスにより中央部分(123)に設けられた対応の連結要素に確実ロック方式で連結されている。突き出た連結要素は、種々の形態を取ることができ、即ち、種々の厚さ、幅及び長さの種々の数のウェブであって、フランジのように折り重ね可能な包囲カラー又は管状突出部を備えたウェブ又は王冠コルク圧着のように嵌合関係をなす輪郭形状に内方に又は外方に当接することができるジグザグリングであって良い。連結要素(126c)は、好ましくは、支持リング(126)の周囲全体にわたって一様に群をなして(即ち、2つ、好ましくは4つ又は5つ以上)分布して配置されるのが良い。下流側に向いたこれらストリップ又はアームは、付形プロセス、例えば圧着により中央部分(123)に設けられている対応の凹部内に内方に曲げられて2つの構成部品、即ち支持リング(126)と中央部分(123)との間に堅牢な確実ロック連結部を形成する。圧着連結形状及び区リンプアームの寸法形状は、ベース部材(123a)に用いられる材料及びシステム内で耐えるべき圧力で決まる。適当な形状及び圧着のための適当な材料の場合、互いに接合された構成部品は、5000バールの内圧に耐えることができる。構成部品の縁部にわたって一様に分布して設けられた4本の突出直方体アームの形態をした連結要素(126c)が特に好ましく、その幅は、0.8〜1.8mmであり、その長さは、1.6〜3.0mmであり、その材料厚さは、1.5〜2.5mmである。アームの本数を変更する場合、特にこれらの幅を適合させなければならず、アームが2本しかない場合、1.6〜3.6mmの幅が好ましい。
【0053】
動作原理の面で同等であるが、図面には示されていない突出連結要素が中央部分(123)に設けられ、これら突出連結要素は、他の強度決定構成部品((126)又は(133))の少なくとも1つに設けられた対応の凹部内に確実に嵌り込むよう形作られる。
【0054】
中央部分(123)の第2の材料領域(123b)と同様、支持リング(126)の第2の材料領域(126b)は、一方において、被膜であるのが良く、その表面は、下に位置するベース部材(123a)の表面に実質的に平行に延びる。他方、第2の材料領域(126b)は、吹き付け、糊付け、結合、スナップ嵌め又は類似の取り付け方法によってベース部材(126a)に取り付けられるのが良く、このような第2の材料領域は、外部がベース部材とは異なる適当な形状を有するのが良い。図3は、外部がベース部材とは異なる構造を備えていて、ベース部材(126a)に吹き付けられた第2の材料領域(126b)が中央中空ピストン(9)の方へ差し向けられた支持リング(126)の領域全体にわたって延びている支持リング(126)を示している。その結果、一方において、中央部分(123)の場合と同様、液体(2)と金属製ベース部材(126a)との直接的な接触が全て阻止される。他方、逆止弁(10)がポンプ側端部に取り付けられた金属製中空ピストン(9)は、硬質ベース部材(126a)にいつも、即ち、組み立て中でなくても、接触することができない。これにより、組み立ての際の損傷が阻止される。さらに、第2の材料領域(126b)は、挿入勾配を備えるのが良いと共に/或いは中空ピストンの取り付けを助ける特定の滑り特徴部を有するのが良い。
【0055】
第2の材料領域(126b)は、高圧チャンバ(100)のシール(24)のための接触面でもある。シール(24)は、中央部分(123)及び支持リング(126)である構成部品の組み立ての際、システム内に納められる。第2の材料領域(126b)は、シール(24)のための受け入れソケットを形成するよう中央部分(123)内に突き出ている。シール(24)は、ベース部材(126a)には直接的には接触しない。高圧チャンバ(100)内で密封部材を通過した液体は、ベース部材(126a)の材料に接触することはない。
【0056】
必要ならば、フィルタ((27)及び(31))又はシール(24)に加えて、他の構成部品、例えば中央ボアを備えた平べったい座金の形態をしたスペーサ(36)を中央部分(123)と支持リング(126)の組立体によって収納されるのが良い。スペーサ(36)の厚さにより、中央部分(123)中への支持リング(126b)の第2の材料領域の進入深さを変化させることができる。シール(24)の圧縮度及びプレテンショニング度を調節することができる。
図示されていない高圧チャンバの別の実施形態では、密封要素、例えばシール(24)又は(29)又はノズルシール(30)の1つの密封機能を中央部分(123)、支持リング(126)又はノズルホルダ(133)を含む強度決定構成部品の1つに設けられている第2の材料領域によって受け持つことができる。第2の材料領域は、標準型の市販エラストマー、例えばシリコーンから成るのが良く、このような第2の材料領域を中央部分(123)及び支持リング(126)を参照して上述した材料複合体と同様、それぞれのベース部材に連結するのが良い。図示されていない高圧チャンバの別の実施形態では、強度決定構成部品の数を3つから2つに減少させるのが良い。このために、中央部分(123)は、単一の構成部品を形成するよう支持リング(126)かノズルホルダ(133)かのいずれかと組み合わされるのが良い。これは、シールを射出成形によって取り付けることによって行われるのが良い。シール(24)の機能は、中央部分の例えばエラストマーから成る第2の材料領域(123b)によって受け持たれる場合、図3において支持リング(126)によって形成されたこのシールのカウンタホルダは、もはや不用である。
【0057】
図3に示されたノズルホルダ(133)は、ノズルシール(30)及び放出ノズル(12)と一緒になって、高圧チャンバ(100)の下流側境界部を形成している。中央部分(123)及び支持リング(126)と同様、ノズルホルダ(133)は、2つの材料領域、即ち、強度決定ベース部材(133a)及びこれに直接取り付けられていて、液体(2)と化学的適合性のある第2の材料領域(133b)を有するのが良い。中央部分(123)及び支持リング(126)の場合と同様、中央部分(123)への取り付け方は、ノズルホルダ(133)の形状によって決定され、即ち、ノズルホルダ(133)は、ベース部材(133a)に取り付けられていて、取り付けられるべき構成部品の方向に突き出ている連結要素(133c)を有し、これら連結要素は、中央部分(123)に網けちれた対応の形状に成形により確実ロック方式で連結されている。突き出た連結要素は、種々の幾何学的形状を取ることができ、即ち、種々の厚さ、幅及び長さの種々の数のウェブであって、フランジのように折り重ね可能な包囲カラー又は管状突出部を備えたウェブ又は王冠コルク圧着のように嵌合関係をなす輪郭形状に内方に当接することができるジグザグリングであって良い。連結要素(133c)は、上流側に向くと共にノズルホルダ(133)の周囲全体にわたって一様に分布して配置された複数(少なくとも2つ、好ましくは4つ又は5つ以上)のウェブ又はアームであるのが良い。付形中、例えば圧着プロセス中、連結要素は、中央部分(123)の対応の凹部内に押し込められる。これにより、2つの構成部品相互間に確実ロックの且つ堅牢な連結部が得られる。連結要素(133c)の設計は、支持リング(126)に施された設計に対応しており、構成部品の縁部にわたって一様に分布して設けられた4本の突出直方体アームの形態をした連結要素(126c)が特に好ましく、その幅は、0.8〜1.8mmであり、その長さは、1.6〜3.0mmであり、その材料厚さは、1.5〜2.5mmである。アームの本数を変更する場合、特にこれらの幅を適合させなければならず、アームが2本しかない場合、1.6〜3.6mmの幅が好ましい。
【0058】
ノズルホルダ(133)の第2の材料領域(133b)は、中央部分(123)の第2の材料領域(123b)及び一方において、被膜の形態をした支持リング(126)の第2の材料領域(126b)と同様に設計されるのが良く、第2の材料領域(133b)の表面は、下に位置するベース部材(133a)の表面に実質的に平行に延びる。他方、第2の材料領域は、射出成形、糊付け、結合、スナップ嵌め又は他の方法によってベース部材(133a)に取り付けられるのが良い。
【0059】
金属射出成形プロセスの使用が高圧チャンバ(100)の強度決定構成部品、即ち、ノズルホルダ(133)、中央部分(123)及び支持リング(126)のベース部材の製造にとって好ましい。
【0060】
図4及び図5は、図3の高圧チャンバ(100)内に挿入可能なノズルホルダ(133)は、種々の製造段階で示しており、MIMプロセスにより製作されたベース部材(133a)は、2つの斜視図で図4a及び図4bに示されている。ベース部材(133a)の形状は、次のプロセス及び組み立てステップ、即ち、第2の材料領域の射出成形、他の構成部品への取り付け及び圧着プロセスによる固定に合わせられている。
【0061】
プラスチックの第2の材料領域を射出成形するため、フローチャネル(133d)がベース部材(133a)中に設けられる。ベース部材(133a)は、射出成形器械のモールド内にインサートとして配置される。液化射出成形組成物を被覆されるべきベース部材の領域全体にわたりフローチャネルを通って一様に配分される。貫通ボア(34)の軸線に平行に延びるフローチャネル(133d)により、材料をベース部材(133a)の互いの反対側の表面に同時に射出することができる。組み立て後、貫通ボア(34)は、放出ノズル(12)の出口開口部を露出させる。第2の材料領域(133b)は液体(2)と金属製ベース部材(133a)が互いに接触しないよう構成されている。これは、高圧チャンバ(100)内に入っている液体(2)に関するだけでなく、ノズルから出るエーロゾル(4)にも関連する場合があり、エーロゾルのミストは、ノズルホルダ(133)の上方領域を湿潤させる可能性がある。
【0062】
当業者に知られている金属及びプラスチック射出成形技術の可能性を利用して、図示されていない他の実施形態が可能であり、このような実施形態では、エーロゾル端部のノズルホルダ(133)の表面は、上方に且つホルダの側部に開口する他のチャネルによって貫通ボア(34)に結合されるのが良い。患者が吸息したときにサイドストリーム空気が給気開口部(15)を通ってマウスピース(13)の内部に吸い込まれたとき、このサイドストリーム空気を新たなチャネルを通ってエーロゾル(14)の元の箇所に至らせるのが良く、このような元の箇所において、サイドストリーム空気は、包囲流れとして働く。このように、エーロゾルミストの位置合わせを一段と助けることができ、ノズルホルダ(133)上又はマウスピース(13)内へのエーロゾル粒子の沈積を減少させることができる。
【0063】
所望ならば、ノズルホルダ(133)の配向組立体を中央部分(123)への取り付けの際、ノズルホルダに設けられた位置決め補助手段(133e)によって設けることができる。ノズルホルダ(133e)に設けられたこの位置決め補助手段は、取り付け箇所に設けられた輪郭形状を用いた任意所望の形状で形成できる。ただし、これが取り付けられるべき構成部品の対応の輪郭形状に対してネガであることを条件とする。配向なしの取り付けが望ましい場合、取り付け箇所の輪郭形状は、例えば、対応の圧着部が嵌まり込む方位溝の形態をしているのが良い。
【0064】
更に、ベース部材(133a)及びそれゆえにノズルホルダ(133)の外面は、以下のプロセスステップのための把持面及び挿入勾配を有するのが良い。この種の把持面は、ベース部材(133a)の包囲旋条の形態で図4及び図5に示されている。図4a及び図4bでは、連結要素(133c)は、4つのクリンプ又は圧着アームの形態で示されている。これら真っ直ぐな圧着アームは、次の取り付けプロセスで内方に曲げられ、これに取り付けられている中央部分(123)に設けられた対応の凹部内に確実ロック方式で嵌まり込む。図3に示されている実施形態では、放出ノズル(12)及びノズルシール(30)から成る構成部品は、ノズルホルダ(133)及び中央部分(123)の接合及び連結によって高圧チャンバ(100)内に納められる。放出ノズル(12)は、高圧チャンバ(100)の下流側クロージャを形成する。中央部分(123)がノズルホルダ(133)によって密封されると共に液体がノズルホルダ(133)のベース部材(133a)に接触することがないので、放出ノズル(12)は、中央部分(123)及び支持リング(126)によって包囲された構成部品と同様、ノズルホルダ(133)の第2の材料領域(133b)にのみ当接する。ノズルホルダ又はデリケートな微細構造体に用いられた脆弱な材料の場合、これは、挿入の際、ノズルホルダが硬質ベース部材(133a)よりも軟質である表面に当たり、その結果、例えば取り付け中におけるノズルホルダへの損傷が回避されるという利点を有する。
【0065】
高圧チャンバ(100)の強度を決定する構成部品、即ち、中央部分(123)、支持リング(126)及びノズルホルダ(133)の好ましい製造プロセス及びこれら構成部品の取り付け方についての概要を再度以下に示す。
‐金属粉末及び結合材の粒状化混合物の調製
‐射出成形器械のモールド内への溶融状態の粒状化混合物の射出
‐モールドからの粗仕上げ状態の鋳造品の取り出し
‐粗仕上げ状態の鋳造品からの結合材の除去(例えば、熱処理による)
‐粗仕上げ状態の鋳造品の焼結及び焼結金属で作られたそれぞれのベース部材(123a),(126a)又は(133a)の回収
‐プラスチック粒体の調製
‐射出成形器械のモールド内へのベース部材の配置
‐射出成形器械のモールド内への溶融プラスチックの射出
‐モールドからの複合材構成部品(123),(126)又は(133)の取り出し
‐複合材構成部品内への構成部品のオプションとしての配置(例えば、ノズルホルダ(133)内への放出ノズル(12)を備えたノズルシール(30)の配置、中央部分(123)内への微細フィルタ(31)、予備フィルタ(27)及びシール(24)の配置) ‐高圧チャンバの強度を決定する構成部品の相互接合
‐連結要素の付形による、特に圧着アームの圧着による組み立て状態の構成部品の接合
【0066】
MIMプロセスからの構成部品(特に、図3の付形されるべき連結要素、例えば支持リング(126a)又はノズルホルダ(133a)を備えた構成部品)のための材料の選択に関し、材料が二次成形又は圧着により強化され、高圧システムの圧縮強度を増大させる金属を選択することが好ましい。この種の金属の多くの例の1つは、独国のメッサース‐シュトラック(Messrs Strack)社から得ることができるステンレス鋼US‐AISA317Fである。この金属は、外部から熱の追加の入力なしに冷間圧着可能である。
【0067】
圧着された継手は、永久継手であり、即ち、圧着状態の継手を解除するには、必ず構成部品を損傷させなければならない。圧着継手を確実に開くには、圧着アームを注意深く曲げ戻すのが良いが、最初の圧着中における材料の固化のために、圧着アームを壊さないで曲げ戻すことができる場合であっても、圧着アームをこれらの元の状態に戻すことはできない。圧着継手を開く場合、少なくとも材料の摩耗又は材料の変更を見込まなければならない。
【0068】
構成部品に対する要求並びに構成部品及びシステムの複雑さに応じて、この製造プロセスを当業者に基本的に知られている方法に従ってほとんど意のままに設計変更することができる。構成部品又はシステムに関する追加の要件をコーティング又は射出コーティング構成部品のための別の1組のプロセスステップが含まれる場合、選択された構成部品に設けられた第3の材料領域によって満たすことができる。
【0069】
高圧ポンプの強度決定構成部品は、種々のプロセスにより得ることができる。例えば、中央部分(23)は、全体として要求及び材料費に応じて、全体が高級プラスチック、例えば比較的高価なPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から成るのが良い。
【0070】
強度決定構成部品は、金属又は焼結金属以外の材料から成っていても良い。MIMプロセスによるベース部材の製造に代えて、中央部分(123)は、強度をもたらす引抜き管から成っていても良い。この引抜き管は、射出成形器械中にインサートとして配置されるのが良い。内外に設けられる構造体は、プラスチック射出成形プロセスにおいて引抜き管に成形により取り付けられるのが良い。
【0071】
本発明の利点は次の通りである。
‐焼結金属から高精度構成部品の経済的な大量生産が行える。
‐構成部品の様々な複雑な形状を追加の製造費なしでほとんど得ることができる。
‐構成部品の輪郭形状内に収納された連結要素及び位置決め補助手段により、構成部品を迅速且つ経済的に組み立てることができる。
‐圧着により互いに接合された構成部品は、最大5000バールまでの液体圧力に耐えることができる。
‐圧着継手は、これらの位置交差の面でねじ継手よりも破損しにくい。
‐焼結金属構成部品の輪郭形状は、回転対称形状には制限されない。
‐公知の方法によっては加工するのが困難な金属を焼結金属として用いることができる。
‐構成部品の材料に関するあらゆる種類の要求(剛性、頑丈さ、適合性、耐腐食性)を2構成部品型射出成形により満たすことができる。
‐手持ち型器具での使用に適した高圧チャンバのコンパクトな構成が達成される。
‐内部被膜及び高圧チャンバの構成部品のサイズの減少により死空間が制限される。
‐構成部品を高圧チャンバ内で組み立てる際、プラスチックによる被覆によって損傷が回避される。
【0072】
本発明の高圧チャンバが医療分野で用いられる場合、液体(2)は、好ましくは、医薬製剤である。
【0073】
幾つかの好ましい化合物又は薬学的に有効な物質、成分及び/又は医薬液体の調合薬が以下に一覧表示されている。所与の範囲の他の液体を含む任意所望の混合物を使用することができる。粉末状物質を水又は所望の溶剤に溶解させることができ又は粉末状物質が懸濁液の形態で存在していても良い。
【0074】
以下に列記する医薬化合物をこれら自体で又は組合せ状態で本発明の器具に用いることができる。以下に記載する化合物に関し、Wは、薬理学的に有効な物質であり、ベータミメティック(Betamimetic)、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4‐阻害薬、LTD4‐拮抗薬、EGFR‐阻害薬、ドーパミン作用薬、H1‐抗ヒスタミン薬、PAF‐拮抗薬及びPI3‐キナーゼ阻害薬の中から(例示として)選択される。さらに、Wの2つの組合せ又は3つの組合せを組み合わせて本発明の器具に用いることができる。Wの組合せは、例えば次のようなものが考えられる。
‐Wは、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4‐阻害薬、EGFR‐阻害薬又はLTD4‐拮抗薬と組み合わされるベータミメティックを意味する。
‐Wは、ベータミメティック、コルチコステロイド、PDE4‐阻害薬、EGFR‐阻害薬又はLTD4‐拮抗薬と組み合わされる抗コリン作用薬を意味する。
‐Wは、PDE4‐阻害薬、EGFR‐阻害薬又はLTD4‐拮抗薬と組み合わされるコルチコステロイドを意味する。
‐Wは、EGFR‐阻害薬又はLTD4‐拮抗薬と組み合わされるPDE4‐阻害薬を意味する。
‐Wは、LTD4‐拮抗薬と組み合わされるEGFR‐阻害薬を意味する。
【0075】
ベータミメティックとして用いられる化合物は、好ましくは、アルブテロール、アルフォルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロクサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモル、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルチプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモル、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール、ジンテロール、CHF‐1035、HOKU‐81、KUL‐1248、及び
‐3‐(4‐{6‐[2‐ヒドロキシ‐2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐エチルアミノ]‐ヘキシロキシ}‐ブチル)‐ベンジル‐スルホナミド、
‐5‐[2‐(5,6‐ジエチル‐インダン‐2‐イルアミノ)‐1‐ヒドロキシ‐エチル]‐8‐ヒドロキシ‐1H‐キノリン‐2‐オン、
‐4‐ヒドロキシ‐7‐[2‐{[2‐{[3‐(2‐フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]‐アミノ}エチル]‐2(3H)‐ベンゾチアゾロン、
‐1‐(2‐フルオロ‐4‐ヒドロキシフェニル)‐2‐[4‐(1‐ベンジミダゾリル)‐2‐メチル‐2‐ブチルアミノ]エタノール、
‐1‐[3‐(4‐メトキシベンジル‐アミノ)‐4‐ヒドロキシフェニル]‐2‐[4‐(1‐ベンジミダゾリル)‐2‐メチル‐2‐ブチルアミノ]エタノール、
‐1‐[2H‐5‐ヒドロキシ‐3‐オキソ‐4H‐1,4‐ベンゾキサジン‐8‐イル]‐2‐[3‐(4‐N,N‐ジメチルアミノフェニル)‐2‐メチル‐2‐プロピルアミノ]エタノール、
‐1‐[2H‐5‐ヒドロキシ‐3‐オキソ‐4H‐1,4‐ベンゾキサジン‐8‐イル]‐2‐[3‐(4‐メトキシフェニル)‐2‐メチル‐2‐プロピルアミノ]エタノール、
‐1‐[2H‐5‐ヒドロキシ‐3‐オキソ‐4H‐1,4‐ベンゾキサジン‐8‐イル]‐2‐[3‐(4‐n‐ブチルオキシフェニル)‐2‐メチル‐2‐プロピルアミノ]エタノール、
‐1‐[2H‐5‐ヒドロキシ‐3‐オキソ‐4H‐1,4‐ベンゾキサジン8‐イル]‐2‐{4‐[3‐(4‐メトキシフェニル)‐1,2,4‐トリアゾル‐3‐イル]‐2‐メチル‐2‐ブチルアミノ}エタノール、
‐5‐ヒドロキシ‐8‐(1‐ヒドロキシ‐2‐イソプロピルアミノブチル)‐2H‐1,4‐ベンゾキサジン‐3‐(4H)‐オン、
‐1‐(4‐アミノ‐3‐クロロ‐5‐トリフルオロメチルフェニル)‐2‐t‐ブチルアミノ)エタノール、
‐6‐ヒドロキシ‐8‐{1‐ヒドロキシ‐2‐[2‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐1,1‐ジメチル‐エチルアミノ]‐エチル}‐4H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐3‐オン、
‐6‐ヒドロキシ‐8‐{1‐ヒドロキシ‐2‐[2‐(エチル4‐フェノキシ‐アセテート)‐1,1‐ジメチル‐エチルアミノ]‐エチル}‐4H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐3‐オン、
‐6‐ヒドロキシ‐8‐{1‐ヒドロキシ‐2‐[2‐(4‐フェノキシ‐酢酸)‐1,1‐ジメチル‐エチルアミノ]‐エチル}‐4H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐3‐オン、
‐8‐{2‐[1,1‐ジメチル‐2‐(2,4,6‐トリメチルフェニル)‐エチルアミノ]‐1‐ヒドロキシ‐エチル}‐6‐ヒドロキシ‐4H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐3‐オン、
‐6‐ヒドロキシ‐8‐{1‐ヒドロキシ‐2‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐1,1‐ジメチル‐エチルアミノ]‐エチル}‐4H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐3‐オン、
‐6‐ヒドロキシ‐8‐{1‐ヒドロキシ‐2‐[2‐(4‐イソプロピル‐フェニル)‐1,1‐ジメチル‐エチルアミノ]‐エチル}‐4H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐3‐オン、
‐8‐{2‐[2‐(4‐エチル‐フェニル)‐1,1‐ジメチル‐エチルアミノ]‐1‐ヒドロキシ‐エチル}‐6‐ヒドロキシ‐4H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐3‐オン、
‐8‐{2‐[2‐(4‐エトキシ‐フェニル)‐1,1‐ジメチル‐エチルアミノ]‐1‐ヒドロキシ‐エチル}‐6‐ヒドロキシ‐4H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐3‐オン、
‐4‐(4‐{2‐[2‐ヒドロキシ‐2‐(6‐ヒドロキシ‐3‐オキソ‐3,4‐ジヒドロ‐2H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐8‐イル)‐エチルアミノ]‐2‐メチル‐プロピル}‐フェノキシ)‐酪酸、
‐8‐{2‐[2‐(3,4‐ジフルオロ‐フェニル)‐1,1‐ジメチル‐エチルアミノ]‐1‐ヒドロキシ‐エチル}‐6‐ヒドロキシ‐4H‐ベンゾ[1,4]オキサジン‐3‐オン、
‐1‐(4‐エトキシ‐カルボニルアミノ‐3‐シアノ‐5‐フルオロフェニル)‐2‐(t‐ブチルアミノ)エタノール、
‐2‐ヒドロキシ‐5‐(1‐ヒドロキシ‐2‐{2‐[4‐(2‐ヒドロキシ‐2‐フェニル‐エチルアミノ)‐フェニル]‐エチルアミノ}‐エチル)‐ベンズアルデヒド、
‐N‐[2‐ヒドロキシ‐5‐(1‐ヒドロキシ‐2‐{2‐[4‐(2‐ヒドロキシ‐2‐フェニル‐エチルアミノ)‐フェニル]‐エチルアミノ}‐エチル)‐フェニル]‐ホルムアミド、
‐8‐ヒドロキシ‐5‐(1‐ヒドロキシ‐2‐{2‐[4‐(6‐メトキシ‐ビフェニル‐3‐イルアミノ)‐フェニル]‐エチルアミノ}‐エチル)‐1H‐キノリン‐2‐オン、
‐8‐ヒドロキシ‐5‐(1‐ヒドロキシ‐2‐(6‐フェネチルアミノ‐ヘキシルアミノ)‐エチル)‐1H‐キノリン‐2‐オン、
‐5‐[2‐(2‐{4‐[4‐(2‐アミノ‐2‐メチル‐プロポキシ)‐フェニルアミノ]‐フェニル}‐エチルアミノ)‐1‐ヒドロキシ‐エチル]‐8‐ヒドロキシ‐1H‐キノリン‐2‐オン、
‐[3‐(4‐{6‐[2‐ヒドロキシ‐2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐エチルアミノ]‐ヘキシルオキシ}‐ブチル)‐5‐メチル‐フェニル]‐ウレア、
‐4‐(2‐{6‐[2‐(2,6‐ジクロロ‐ベンジルオキソ)‐エトキシ]‐ヘキシルアミノ}‐1‐ヒドロキシ‐エチル)‐2‐ヒドロキシメチル‐フェノール、
‐3‐(4‐{6‐[2‐ヒドロキシ‐2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐エチルアミノ]‐ヘキシルオキシ}‐ブチル)‐ベンジルスルホンアミド、
‐3‐(3‐{7‐[2‐ヒドロキシ‐2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐エチルアミノ]‐ヘプチルオキシ}‐プロピル)‐ベンジルスルホンアミド、
‐4‐(2‐{6‐[4‐(3‐シクロペンタンスルホニル‐フェニル)‐ブトキシ]‐ヘキシルアミノ}‐1‐ヒドロキシ‐エチル)‐2‐ヒドロキシメチル‐フェノール、
‐N‐アダマンタン‐2‐イル‐2‐(3‐{2‐[2‐ヒドロキシ‐2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐エチルアミノ]‐プロピル}‐フェニル)‐アセトアミドの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸塩)、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ‐p‐トルエンスルホネートの中から選択される。
【0076】
用いられる抗コリン作用薬は、好ましくは、チオトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、オキシトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、フルトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、イプラトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、グリコピロニウム塩、好ましくはブロミド塩、トロスピウム塩、好ましくはクロリド塩、トルテロジンの中から選択された化合物である。上述の塩に関し、陽イオンは、薬理学的に有効な成分である。陰イオンとして、上述の塩は、好ましくは、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp‐トルエンスルホネートを含むのが良く、クロリド、ブロミド、イオジド、スルヘート、メタンスルホネート、又はp‐トルエンスルホネートが対イオンとして好ましい。全ての塩のうちで、クロリド、ブロミド、イオジド及びメタンスルホネートが特に好ましい。
【0077】
他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC‐1、即ち、
【化1】

の塩の中から選択され、この化学式において、X-は、単一の負の電荷を備えた陰イオン、好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp‐トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、好ましくは、単一の負の電荷を備えた陰イオン、特に好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、メタンスルホネート及びp‐トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、特に好ましくはブロミドを意味し、オプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンチオマー又は水和物を意味している。次の化学式AC‐1‐en、即ち、
【化2】

のエナンチオマーを含む薬理学的な組合せが特に重要であり、この化学式において、X-は、上述の意味を有するのが良い。他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC‐2、即ち、
【化3】

の塩から選択され、この化学式において、Rは、メチルかエチルかのいずれかを表し、X-は、上述の意味を有するのが良い。変形実施形態では、化学式AC‐2の化合物は、次の自由塩基AC‐2‐base、即ち、
【化4】

の形態で存在しても良い。
【0078】
他の指定される化合物は、次の通りである。
‐トロペノール2,2‐ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
‐スコピン2,2‐ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
‐スコピン2,2‐フルオロ‐2,2‐ジフェニルアセテートメトブロミド、
‐トロペノール2‐フルオロ‐2,2‐ジフェニルアセテートメトブロミド、
‐トロペノール3,3′,4,4′‐テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
‐スコピン3,3′,4,4′‐テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
‐トロペノール4,4′‐ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐スコピン4,4′‐ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐トロペノール3,3′‐ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐スコピン3,3′‐ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐トロペノール9‐ヒドロキシ‐フルオレン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9‐フルオロ‐フルオレン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9‐ヒドロキシ‐フルオレン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9‐フルオロ‐フルオレン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9‐メチル‐フルオレン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9‐メチル‐フルオレン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン2,2‐ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン9‐ヒドロキシ‐キサンテン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン9‐メチル‐フルオレン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン9‐メチル‐キサンテン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピン9‐ヒドロキシ‐フルオレン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐シクロプロピルトロピンメチル4,4′‐ジフルオロベンジレートメトブロミド、
‐トロペノール9‐ヒドロキシ‐キサンテン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9‐ヒドロキシ‐キサンテン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9‐メチル‐キサンテン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9‐メチル‐キサンテン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9‐エチル‐キサンテン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐トロペノール9‐ジフルオロメチル‐キサンテン‐9‐カルボキシレートメトブロミド、
‐スコピン9‐ヒドロキシメチル‐キサンテン‐9‐カルボキシレートメトブロミド。
【0079】
上述の化合物は、本発明の範囲内で塩としても使用でき、この場合、メトブロミドに代えて、メト‐X塩が用いられ、この場合、Xは、X-について上述した意味を有するのが良い。
【0080】
コルチコステロイドとして、ベクロメタソン(beclomethasone)、ベータメタソン(betamethasone)、ブデソニド(budesonide)、ブチキソコルト(butixocorte)、シクレソニド(ciclesonide)、デフラザコルト(deflazacorte)、デキサメタソン(dexamethasone)、エチプレドノル(etiprednole)、フルニソリド(flunisolide)、フルチカソン(fluticasone)、ロテプレドノル(loteprednole)、モメタソン(mometasone)、プレドニソロン(prednisolone)、プレドニソン(prednisone)、ロフレポニド(rofleponide)、トリアムシノロン(triamcinolone)、RPR‐106541、NS‐126、ST‐26、及び
‐(S)‐フルオロメチル 6,9‐ジフルオロ‐17‐[(2‐フラニルカルボニル)オキシ]‐11‐ヒドロキシ‐16‐メチル‐3‐オキソ‐アンドロスタ‐1,4‐ジエン‐17‐カルボチオネート、
‐(S)‐(2‐オキソ‐テトラヒドロ‐フラン‐3S‐イル)6,9‐ジフルオロ‐11‐ヒドロキシ‐16‐メチル‐3‐オキソ‐17‐プロピオニルオキシ‐アンドロスタ‐1,4‐ジエン‐17‐カルボチオネート、
‐シアオメチル 6α,9α‐ジフルオロ‐11β‐ヒドロキシ‐16α‐メチル‐3‐オキソ‐17α‐(2,2,3,3‐テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ‐アンドロスタ‐1,4‐ジエン‐17β‐カルボン酸シアノメチルエステルの中から選択された化合物を用いることが好ましく、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる塩及びその誘導体、溶媒化合物及び(又は)水和物が用いられる。ステロイドと言った場合、これは、存在し得るステロイドの塩又はその誘導体、水和物又は溶媒化合物を含む。考えられるステロイドの塩及びその誘導体の例は、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートである。
【0081】
使用できるPDE4‐阻害薬は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト(tofimilaste)、プマフェントリン(pumafentrine)、リリミラスト(lirimilaste)、アロフィリン(arofylline)、アチゾラム(atizorame)、D‐4418、ベイ(Bay)‐198004、BY343、CP‐325.366、D‐4396(Sch‐351591)、AWD‐12‐281(GW‐842470)、NCS‐613、CDP‐840、D‐4418、PD‐168787、T‐440、T2585、V‐11294A、C1‐1018、CDC‐801、CDC‐3052、D‐22888、YM‐58997、Z‐15370及び、
‐N‐(3,5‐ジクロロ‐1‐オキソ‐ピリジン‐4‐イル)‐4‐ジフルオロメトキシ‐3‐シクロプロピルメトキシベンザミド、
‐(‐)p‐[(4aR*,10bS*)‐9‐エトキシ‐1,2,3,4,4a,10b‐ヘキサヒドロ‐8‐メトキシ‐2‐メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン‐6‐イル]‐N,N‐ジイソプロピルベンザミド、
‐(R)‐(+)‐1‐(4‐ブロモベンジル)‐4‐[(3‐シクロペンチルオキシ)‐4‐メトキシフェニル]‐2‐ピロリドン、
‐3‐(シクロペンチルオキシ‐4‐メトキシフェニル)‐1‐(4‐N′‐[N‐2‐シアノ‐S‐メチル‐イソチオウレイド]ベンジル)‐2‐ピロリドン、
‐シス[4‐シアノ‐4‐(3‐シクロペンチルオキシ‐4‐メトキシフェニル)シクロヘキサン‐1‐カルボン酸]、
‐2‐カルボメトキシ‐4‐シアノ‐4‐(3‐シクロプロピルメトキシ‐4‐ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン‐1‐オン、
‐シス[4‐シアノ‐4‐(3‐シクロプロピルメトキシ‐4‐ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン‐1‐オル]、
‐(R)‐(+)‐エチル[4‐(3‐シクロペンチルオキシ‐4‐メトキシフェニル)ピロリジン‐2‐イリデン]アセテート、
‐(S)‐(‐)‐エチル[4‐(3‐シクロペンチルオキシ‐4‐メトキシフェニル)ピロリジン‐2‐イリデン]アセテート、
‐9‐シクロペンチル‐5,6‐ジヒドロ‐7‐エチル‐3(2‐チエニル)‐9H‐ピラゾロ[3,4‐c]‐1,2,4‐トリアゾロ[4,3‐a]ピリジン、
‐9‐シクロペンチル‐5,6‐ジヒドロ‐7‐エチル‐3‐(t‐ブチル)‐9H‐ピラゾロ[3,4‐c]‐1,2,4‐トリアゾロ[4,3‐a]ピリジンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、PDE4阻害薬の酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ‐p‐トルエンスルホネートの中から選択される。
【0082】
用いられるLTD4‐拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC‐847(ZD‐3523)、MN‐001、MEN‐91507(LM‐1507)、VUF‐5078、VUF‐K‐8707、L‐733321、及び
‐1‐(((R)‐(3‐(2‐(6,7‐ジフルオロ‐2‐キノリニル)エテニル)フェニル)‐3‐(2‐(2‐ヒドロキシ‐2‐プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン‐酢酸、
‐1‐(((1(R)‐3(3‐(2‐(2,3‐ジクロロチエノ[3,2‐b]ピリジン‐5‐イル)‐(E)‐エテニル)フェニル)‐3‐(2‐(1‐ヒドロキシ‐1‐メチレチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン‐酢酸、
‐[2‐[[2‐(4‐t‐ブチル‐2‐チアゾリル)‐5‐ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸の中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ‐p‐トルエンスルホネートの中から選択される。LTD4‐拮抗薬がオプションとして形成できる塩又はその誘導体は、例えば、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートを意味している。
【0083】
使用できるEGFR‐阻害薬は、好ましくは、セツキシマブ(cetuximab )、トラスツズマブ(trastuzumab )、ABX‐EGF、マブ(Mab)ICR‐62、及び
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐{[4‐(モルフォリン‐4‐イル)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐{[4‐(N,N‐ジエチルアミノ)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐{[4‐(N,N‐ジメチルアミノ)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(R)‐(1‐フェニル‐エチル)アミノ]‐6‐{[4‐(モルフォリン‐4‐イル)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐シクロペンチルオキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{((R)‐6‐メチル‐2‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{[4‐((R)‐6‐メチル‐2‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐[(S)‐(テトラヒドロフラン‐3‐イル)オキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{[4‐((R)‐2‐メトキシメチル‐6‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[2‐((S)‐6‐メチル‐2‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)‐エトキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐({4‐[N‐(2‐メトキシ‐エチル)‐N‐メチル‐アミノ]‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ)‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐({4‐[N,N‐ジメチルアミノ]‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル}アミノ)‐7‐シクロペンチルオキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(R)‐(1‐フェニル‐エチル)アミノ]‐6‐({4‐[N,N‐ビス(‐(2‐メトキシ‐エチル)‐アミノ)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(R)‐(1‐フェニル‐エチル)アミノ]‐6‐({4‐[N‐(2‐メトキシ‐エチル)‐N‐メチル‐アミノ]‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル}アミノ)‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(R)‐(1‐フェニル‐エチル)アミノ]‐6‐({4‐[N‐(2‐メトキシ‐エチル)‐N‐メチル‐アミノ)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル}アミノ)‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(R)‐(1‐フェニル‐エチル)アミノ]‐6‐({4‐[N‐(テトラヒドロピラン‐4‐イル)‐N‐メチル‐アミノ]‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル}アミノ)‐7‐シクロプロピルメトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐({4‐[N,N‐ジメチルアミノ]‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐((R)‐テトラヒドロフラン‐3‐イルオキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐({4‐[N,N‐ジメチルアミノ]‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐((S)‐テトラヒドロフラン‐3‐イルオキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐({4‐[N‐(2‐メトキシ‐エチル)‐N‐メチル‐アミノ]‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル}アミノ)‐7‐シクロペンチルオキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐({4‐(N‐シクロプロピル‐N‐メチル‐アミノ)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐シクロペンチルロキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐{[4‐(N,N‐ジメチルアミノ)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐[(R)‐(テトラヒドロフラン‐2‐イル)メトキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐{[4‐(N,N‐ジメチルアミノ)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐[(S)‐(テトラヒドロフラン‐2‐イル)メトキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐フェニル)アミノ]‐6,7‐ビス‐(2‐メトキシ‐エトキシ)‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐7‐モルフォリン‐4‐イル)‐プロピルオキシ]‐6‐[ビニルカルボニル)アミノ]キナゾリン、
‐4‐[(R)‐(1‐フェニル‐エチル)アミノ]‐6‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐7H‐ピロロ[2,3‐d]ピリミジン、
‐3‐シアノ‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐{[4‐(N,N‐ジメチルアミノ)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐エトキシ‐キノリン、
‐4‐{[(3‐クロロ‐4‐(3‐フルオロ‐ベンジルオキシ)‐フェニル]アミノ}‐6‐(5‐{[2‐メタンスルホニル‐エチル)アミノ]メチル}‐フラン‐2‐イル)キナゾリン、
‐4‐[(R)‐(1‐フェニル‐エチル)アミノ]‐6‐{[4‐((R)‐6‐メチル‐2‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐{[4‐(モルフォリン‐4‐イル)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐7‐[(テトラヒドロフラン‐2‐イル)メトキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロフェニル)アミノ]‐6‐({4‐[N,N‐ビス‐(2‐メトキシ‐エチル)‐アミノ]‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル}アミノ)‐7‐[テトラヒドロフラン‐2‐イル)メトキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐フェニル)アミノ]‐6‐{[4‐(5,5‐ジメチル‐2‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)‐1‐オキソ‐2‐ブテン‐1‐イル]アミノ}‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[2‐(2,2‐ジメチル‐6‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)エトキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[2‐(2,2‐ジメチル‐6‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)エトキシ]‐7‐[(R)‐(テトラヒドロフラン‐2‐イル)メトキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐7‐[2‐(2,2‐ジメチル‐6‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)エトキシ]‐6‐[(S)‐(テトラヒドロフラン‐2‐イル)メトキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{2‐[4‐(2‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)‐ピペリジン‐1‐イル]‐エトキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[1‐(t‐ブチルオキシカルボニル)‐ピペリジン‐4‐イルオキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(トランス‐4‐アミノ‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(トランス‐4‐メタンスルホニルアミノ‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(テトラヒドロピラン‐3‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐メチル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(モルフォリン‐4‐イル)カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(メトキシメチル)カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(ピペリジン‐3‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[1‐(2‐アセチルアミノ‐エチル)‐ピペリジン‐4‐イルオキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(テトラヒドロピラン‐4‐イルオキシ)‐7‐エトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐((S)‐テトラヒドロピラン‐3‐イルオキシ)‐7‐ヒドロキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(テトラヒドロピラン‐4‐イルオキシ)‐7‐(2‐メトキシ‐エトキシ)‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{トランス‐4[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{トランス‐4‐[(モルフォリン‐4‐イル)カルボニルアミノ]‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{トランス‐4‐[(モルフォリン‐4‐イル)スルホニルアミノ]‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(テトラヒドロピラン‐4‐イルオキシ)‐7‐(2‐アセチルアミノ‐エトキシ)‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(テトラヒドロフラン‐4‐イルオキシ)‐7‐(2‐メタンスルホニルアミノ‐エトキシ)‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(ピペリジン‐1‐イル)カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐アミノカルボニルメチル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(シス‐4‐{N[(テトラヒドロピラン‐4‐イル)カルボニル]‐N‐メチル‐アミノ}‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(シス‐4‐{N‐[(モルフォリン‐4‐イル)カルボニル]‐N‐メチル‐アミノ}‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(シス‐4‐{N‐[(モルフォリン‐4‐イル)スルホニル]‐N‐メチル‐アミノ}‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(トランス‐4‐エタンスルホニルアミノ‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐メタンスルホニル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐エトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐メタンスルホニル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐(2‐メトキシ‐エトキシ)‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[1‐(2‐メトキシ‐アセチル)‐ピペリジン‐4‐イルオキシ]‐7‐(2‐メトキシ‐エトキシ)‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(シス‐4‐アセチルアミノ‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐4‐フェニル)アミノ]‐6‐[1‐(t‐ブチルオキシカルボニル)‐ピペリジン‐4‐イルオキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐フェニル)アミノ]‐6‐(テトラヒドロピラン‐4‐イルオキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(シス‐4‐{N‐[(ピペリジン‐1‐イル)カルボニル]‐N‐メチル‐アミノ}‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(シス‐4‐{N‐[(4‐メチル‐ピペリジン‐1‐イル)カルボニル]‐N‐メチル‐アミノ}‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{シス‐4‐[(モルフォリン‐4‐イル)カルボニルアミノ]‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[2‐(2‐オキソピロリジン‐1‐イル)エチル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(モルフォリン‐4‐イル)カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐(2‐メトキシ‐エトキシ)‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐アセチル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐メチル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐メタンスルホニル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐メチル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7(2‐メトキシ‐エトキシ)‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐イソプロピルオキシカルボニル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(シス‐4‐メチルアミノ‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(シス‐4‐[N‐(2‐メトキシ‐アセチル)‐N‐メチル‐アミノ]‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐フェニル)アミノ]‐6‐(ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐フェニル)アミノ]‐6‐[1‐(2‐メトキシ‐アセチル)‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐エチニル‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(モルフォリン‐4‐イル)カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(シス‐2,6‐ジメチル‐モルフォリン‐4‐イル)カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(2‐メチル‐モルフォリン‐4‐イル)カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(S,S)‐(2‐オキサ‐5‐アザ‐ビシクロ[2.2.1]ヘプト‐5‐イル)カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[N‐メチル‐N‐2‐メトキシエチル‐アミノ]カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐エチル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(2‐メトキシエチル)カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐{1‐[(3‐メトキシプロピル‐アミノ)‐カルボニル]‐ピペリジン‐4‐イルオキシ}‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[シス‐4‐(N‐メタンスルホニル‐N‐メチル‐アミノ)‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[シス‐4‐(N‐アセチル‐N‐メチル‐アミノ)‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(トランス‐4‐メチルアミノ‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[トランス‐4‐(N‐メタンスルホニル‐N‐メチル‐アミノ)‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ]‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(トランス‐4‐ジメチルアミノ‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(トランス‐4‐{N‐[(モルフォリン‐4‐イル)カルボニル]‐N‐メチル‐アミノ}‐シクロヘキサン‐1‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐[2‐(2,2‐ジメチル‐6‐オキソ‐モルフォリン‐4‐イル)‐エトキシ]‐7‐[(S)‐(テトラヒドロフラン‐2‐イル)メトキシ]‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐メタンスルホニル‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリン、
‐4‐[(3‐クロロ‐4‐フルオロ‐フェニル)アミノ]‐6‐(1‐シアノ‐ピペリジン‐4‐イルオキシ)‐7‐メトキシ‐キナゾリンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ‐p‐トルエンスルホネートの中から選択される。
【0084】
用いられるドーパミン作用薬は、好ましくは、ブロモクリプチン(bromocriptine)、カベルゴリン(cabergoline)、アルファ‐ジヒドロエルゴクリプチン(alpha ‐dihydroergocryptine)、リスリド(lisuride)、ペルゴリド(pergolide)、プラミペクソール(pramipexole)、ロキシンドール(roxindole)、ロピニロール(ropinirole)、タリペクソール(talipexole)、テルグリド(terguride)、ビオザン(viozane)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ‐p‐トルエンスルホネートの中から選択される。
【0085】
使用できるH1‐抗ヒスタミン薬は、好ましくは、エピナスチン(epinastine)、セチリジン(cetirizine)、アゼラスチン(azelastine)、フェクソフェンダジン(fexofenadine)、レボカバスチン(levocabastine)、ロラタジン(loratadine)、ミゾラスチン(mizolastine)、ケトチフェン(ketotifene)、エメダスチン(emedastine)、ジメチンデン(dimetindene)、クレマスチン(clemastine)、バミピン(bamipine)、セクスクロルフェニラミン(cexchlorpheniramine)、フェニラミン(pheniramine)、ドキシルアミン(doxylamine)、クロロフェノキサミン(chlorophenoxamine )、ジメンヒドリネート(dimenhydrinate)、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)、プロメタジン(promethazine)、エバスチン(ebastine)、デスロラチジン(desloratidine)、メクロジン(meclozine)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオジド、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ‐p‐トルエンスルホネートの中から選択される。
【0086】
また、欧州特許出願公開第1,003,478(A1)号明細書及びカナダ国特許出願公開第2297174(A1)号明細書に開示されている吸入可能な高分子を使用することが可能である。
【0087】
さらに、化合物は、バッカク(麦角)アルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP‐拮抗薬、ホスホジエストラーゼ‐V阻害薬から成る群に由来するものであるのが良く、オプションとしてこれら化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。
【0088】
バッカクアルカロイド誘導体の例は、ジヒドロエルゴタミン及びエルゴタミンである。
【符号の説明】
【0089】
1 ネブライザ
2 液体
3 容器
4 袋
5 圧力発生器
6 ホルダ
7 駆動ばね
8 ロック要素
9 中空ピストン
10 逆止弁
11 圧力チャンバ
12 放出ノズル
12a プレート
12b プレート
13 マウスピース
14 エーロゾル
15 給気開口部
16 上側ハウジング部品
17 内側ハウジング部品
18 下側ハウジング部品
19 保持要素
20 ばね(下側ハウジング部品のばね)
21 容器ベース
22 穿通要素
23 中央部分
24 シール
25 支持リング
26 止めナット
27 予備ナット
28 フィルタホルダ
29 シール
30 ノズルシール
31 微細フィルタ
32 ノズルホルダ
33 止めナット
34 貫通穴
35 スペーサ
100 高圧チャンバ
123 中央部分
123a ベース部材
123b 第2の材料領域
123c 連結リング
123d ばねアーム
126 支持リング
126a ベース部材
126b 第2の材料領域
126c 連結要素
133 ノズルホルダ
133a ベース部材
133b 第2の材料領域
133c 連結要素
133d フローチャネル
133e ノズルホルダ上への位置決め補助手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル出口(12)を備えた多部品構成型圧送チャンバの形態をしていて、液体が最高5000バールまでの圧力下で収容される高圧チャンバにおいて、前記高圧チャンバの少なくとも1つの構成部品は、付形及び/又は圧着可能な金属から成ると共に付形又は圧着によって前記高圧チャンバの少なくとも1つの他の構成部品に確実にロックする仕方で永続的に連結されている、高圧チャンバ。
【請求項2】
前記高圧チャンバの強度決定構成部品は、ピストン端部に位置したノズルホルダ(133)及び/又は中央部分(123)及び支持リング(126)を含む、請求項1記載の高圧チャンバ。
【請求項3】
前記圧着可能な金属は、材料が機械的付形によって強化される性質を更に有する、請求項1又は2記載の高圧チャンバ。
【請求項4】
密封及び/又は濾過及び/又は液体噴霧化及び/又は調節機能を備えた別々の個々の構成部品は、付形又は圧着により前記高圧チャンバ内に納められている、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の高圧チャンバ。
【請求項5】
別の構成部品に接合されるべき金属構成部品の連結部の性状又は前記圧着の形態は、前記金属構成部品への連結要素((126c)又は(133c)又は(123d))の形状によって既に決定されている、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の高圧チャンバ。
【請求項6】
圧着によって別の構成部品に連結された構成部品の前記連結要素((126c)又は(133c))は、前記他の構成部品の方へ曲げられた少なくとも2つ、好ましくは4つのウェブ又はアームの形態を取っている、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の高圧チャンバ。
【請求項7】
圧着中に曲げられるウェブ又はアーム((126c)又は(133c))は、0.8〜3.6ミリメートルの幅及び/又は1.6〜3.0ミリメートルの長さ及び1.5〜2.5ミリメートルの材料厚さを有する、請求項6記載の高圧チャンバ。
【請求項8】
第2の材料領域((123b)又は(126b)又は(133b))は、少なくとも1つの金属構成部品に直接取り付けられ又は前記金属構成部品は、第2の材料で少なくとも部分的に内張りされ又は被覆されている、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の高圧チャンバ。
【請求項9】
前記第2の材料は、前記第2の材料が耐腐食性であると共に/或いは使用のために提供される液体(2)と薬学的に適合性があるよう選択される、請求項8記載の高圧チャンバ。
【請求項10】
前記第2の材料は、プラスチック、特にポリプロピレン又はポリエチレンである、請求項8又は9記載の高圧チャンバ。
【請求項11】
前記第2の材料領域((123b)又は(126b)又は(133b))は、その形状及びその材料の性質により、別の強度決定構成部品との接合箇所で、前記高圧チャンバの内部のためのシールを構成している、請求項8〜10のうちいずれか一に記載の高圧チャンバ。
【請求項12】
前記ノズルホルダ((32)又は(133))を貫通して延びる少なくとも1つのチャネルが前記ノズル出口側に設けられ、前記チャネルは、好ましくは頂部が開口している、請求項2記載の高圧チャンバ。
【請求項13】
前記高圧チャンバの内容積は、最大250マイクロリットルまで、好ましくは10〜100マイクロリットルであると共に/或いは前記高圧チャンバは、最高1200バールまでの過剰圧力範囲向きに設計されている、請求項1〜12のうちいずれか一に記載の高圧チャンバ。
【請求項14】
少なくとも1つのノズルホルダ((32)又は(133))及び/又は中央部分((23)又は(123))及び支持リング((25)又は(126))から成る請求項1記載の高圧チャンバの製作方法であって、一プロセスステップにおいて、前記構成部品の少なくとも2つを互いに嵌め合わし、付形又は圧着によって互いに接合する、方法。
【請求項15】
液体(2)、特に調合薬を噴霧化し又は注入するネブライザ(1)又はインゼクタであって、請求項1〜13のうちいずれか一に記載の高圧チャンバを有する、ネブライザ(1)又はインゼクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−532710(P2012−532710A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519950(P2012−519950)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057937
【国際公開番号】WO2011/006711
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)