説明

高圧液体クロマトグラフィのためのフリット

フリット44は、複数の空所を有する多孔質支持構造を含み、複数の二次粒子46がこれらの空所の中に満たされ、二次粒子46は、フリット44が約2.5ミクロン未満の直径を有する充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされている。1つ又は複数のフリット44が高圧液体クロマトグラフィHPLCのクロマトグラフィコラムの中に受け入れられ、コラムはその入口と出口にフリット44を受け入れるための取付け具とフィルタ組立体とを含むことが好ましい。フリット44を、支持構造を製造するために使用されるものよりも小さな二次粒子46で満たされた空所又は細孔を有する多孔質支持構造から構成することができる。空所の中に含まれる粒子46は支持構造によって保持されるためには十分に大きいが、2.5マイクロメートル以下の粒子を保持することができる支持構造の空所の中に、相互接続されたチャネルのより細かいネットワークを作るためには十分に小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年3月5日に出願された米国仮特許出願第60/550993号の優先権を主張するものである。上記の出願は、その全体がこの参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)のクロマトグラフィコラムにおいて使用するために構成されたフリットに関し、より具体的には2.5マイクロメートル以下の粒子を保持することができるフリットに関する。フリットはまた、HPLCシステムにおけるクロマトグラフィコラムの上流に配置されたインラインフィルタとして働くこともできる。高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)コラムは、液体流における溶質の分離と定量化のために広く使用されている。典型的なクロマトグラフィシステムは、図7に示すように、少なくとも次の主要構成部分、すなわちポンプ70、インジェクタ72、クロマトグラフィコラム74、検出器76、及びデータの取得と処理が可能であるソフトウェアを実行するコンピュータ78を含む。ポンプ70は、インジェクタ、コラム、及び検出器を通って液体流を推進するために使用される。インジェクタ72は、ポンプ70に操作可能に連結され、小容積の液体試料をこれがコラム74に入る前に液体流の中に導入できるようにする。次に試料成分は、溶質とこの中に含まれる充填材料との間のさまざまな相互作用によってコラムを通じて移動するときに分離される。コラムを出ると、個別の成分は廃棄される前に検出器76によって検出される。次に、検出器76からの信号がコンピュータ78における適切なコンピュータソフトウェアプログラムによって処理され、検出された溶質の量を指示する数値を提供する。
【背景技術】
【0003】
HPLCの分野における進歩の中枢は、充填材料の技術と理論における進歩である。HPLCコラムの中で使用されるクロマトグラフィ充填材料の粒径は年が経つごとに小さくなっている。1960年代後期には、30マイクロメートルの充填材が使用されていた。1970年代初期までに、充填技術が発展して、10マイクロメートルの充填材料を含む再生可能なコラムを提供した。1970年代後期には、5マイクロメートルの充填材で充填されたコラムが市販されるようになった。1980年代と1990年代の間に、充填材料の純度と表面誘導体化の改良が当科学分野をさらに進歩させた。現在、3マイクロメートルの充填材料が通常使用されている。マサチューセッツ州MilfordのWaters Corporationによる2.5マイクロメートル充填材の1999年の導入によって、趨勢は明らかにより小さな粒径の充填材料に向かっている。
【0004】
焼結された多孔質フィルタが、HPLCコラムの中に粒子充填材料を保持するためにクロマトグラフィコラムの入口と出口において広く使用されている。焼結されたフィルタは一般的に、制御された粒径分布を有する粒子を所望の形状に圧縮成形し、次いで焼結して、フィルタの中で相互接続された細孔のネットワークを形成することによって作られる。クロマトグラフィの目的のために通常使用されるフィルタを、ステンレス鋼、チタン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又はポリエチレンなどの、さまざまな材料から作ることができる。今日使用されているHPLCコラムの大部分は316ステンレス鋼フィルタを使用して製造されるが、このわけは、この材料が高い強度と、低コストと、耐腐食性の良好なバランスをもたらすからである。
【0005】
HPLCコラムの中におけるクロマトグラフィフリットの等級又は公称粒子保持性能は、コラムの中に含まれるべき粒子の関数としてケースバイケースベースで選ばれる。5ミクロン又は3ミクロン粒子を含むクロマトグラフィコラムにおいて使用される多孔質焼結ステンレス鋼フリットは、一般的にはそれぞれ2.0メディアグレードのフリット又は0.5メディアグレードのフリットを使用する。メディアグレードは、空気流、間隙率、及び粒子保持の測定値の組合せから導き出すことができ、フィルタを通る実際の孔径と必ずしも等しいわけではない。フィルタは、テキサス州HoustonのVICI(Valco Instrument Co.)、イリノイ州DeerfieldのAlltech Associates Inc.、及びコネティカット州FarmingtonのMott Corporation’s Porous Metal Productsなどのいくつかの供給元から市販されている。このような多孔質フィルタはHPLCの条件の下で2.5マイクロメートルという小さな直径の粒子を保持することができるが、これらのフィルタでは直径2.5ミクロン未満の粒子を適切に保持することは困難である。
【0006】
従来のフリットを通るチャネルは、フリットが保持するように設計される粒子よりもかなり大きい。使用中、フリットはデプス型フィルタとして挙動し、保持はチャネルの蛇行経路を遮蔽する粒子間及び粒子と壁の間の相互作用を通じて達成される。このようなフィルタの粒子保持効率は、流量、粒径、及び対象流体の濃度によって変化する。所与の一組の条件下における保持は、HPLCにおいて遭遇するさまざまな条件の下での保持を保証するものではない。
【0007】
2.5ミクロン以下の充填材料を含む溶液を有する公称0.5グレードのフリットの能力調査を、粒子の漏出の証拠であるフリットの曇った排出下流を生成するために示した。図8は、2.2ミクロンのクロマトグラフィ充填材料によって充填された0.5グレードのフリットの一例である。フリットを出口取付け具の中に挿入し、分解する前にクロマトグラフィコラムの中に約1時間置き、分解時に出口取付け具とフリットとをコラムから取り外した。図8は、フリットの下流側の走査型電子顕微鏡写真であり、これは、充填材料によるフリットの下流側の汚染によって立証されるように、充填材料がフリットを通って移動したことを指摘するものである。さらに、使用中、従来のフリットによって構成された2.5ミクロン以下の充填材を含むコラムは、粒子の漏出を示すUVクロマトグラムの基線に非常に鋭い断続的スパイクを生成する。例えば図9は、従来の0.5グレードのフリットを含む1.7ミクロンのクロマトグラフィ充填材料によって充填された3つ(A〜C)のHPLCコラムのUVクロマトグラムを示す。クロマトグラムにおけるスパイクは、従来のフリットを通る充填材料の移動の明白な指標である。したがって、所望の使用条件下では、完全な粒子保持は従来のフリットを使用しては達成されない。
【0008】
クロマトグラフィ充填材料の適切な保持は、コラムの機械的安定性とHPLCシステムの保全性には必須である。分離条件が非常に高いコラム効率を要求するときは、これは特に重要である。最短時間で高い効率を達成するためには、可能な限り小さな粒径の充填材が望ましい。HPLCシステムの余分のコラムチュービング容積を、コラムの効率性能を落とさないように最小にしなければならない。これには、非常に小さな直径の連結チュービングの使用が必要となり、粒子がHPLCコラムの中にうまく保持されない場合には、このチュービングは粒子によって容易に詰まる可能性がある。従来のフリットは2.5マイクロメートル以下の充填材を適切に保持しない。
【0009】
小さな粒子を保持することができる焼結多孔質金属フィルタは一般的に、金属粉又は金属合金粉を所望の形状に圧縮成形又は成形することによって作られる。次に形成された形状は高温で焼結され、圧密された(consolidated)多孔質物体が得られる。これらの多孔質材料は特定の用途のために製造され、処理工程において使用される圧縮と温度の他に、粉体の粒径、粒子形状、及び粒子の種類に依存する特性を有する。現在、HPLCコラムにおいて使用されるフリットは、出発材料として45〜100マイクロメートルの不規則形状の粉体を使用して製造される。粒径10マイクロメートル以下かつ球形状の粉体を焼結するのは困難である。10マイクロメートル未満の球状粒径粉体から作られる圧縮形成物の取扱いにおける困難性は、焼結前の「未焼結(green)」形成物の低い機械的強度によるものである。この低い機械的強度は、焼結過程において必要とされる取扱いと移送に耐えるには、あまりにも未焼結形成物を不安定にする。さらに、10ミクロン未満の球状粉体を圧縮成形して作られた未焼結形成物は、焼結すると過度に収縮する傾向があり、最終フリット構造の中に亀裂や溝を形成する結果となる。
【0010】
2.5マイクロメートル以下の粒子の保持には、従来のHPLCフリットの中に存在するものよりもさらに細かい細孔構造を必要とする。この問題に対する解決策は、既存のフリット媒体をさらに圧縮して、細孔をさらに閉じて、チャネル開口部を狭くすることであると言える。しかし、この解決策は間隙率を減じ、したがってフリットの透過性を低下させるという欠点がある。代替案として、より小さな粒径の粉体を使用することができるが、このような粉体は焼結中に低い「未焼結」強度と過度の収縮という欠点を示す。いくつかの特許が、半導体産業のための気体の濾過においてしばしば遭遇するこの問題に対処する方法を提案している。すべての場合において、機械的に安定した支持体を使用して、支持体の上に層を成すことによって(米国特許第5456740号明細書、同第4746341号明細書、同第4976760号明細書、同第4039703号明細書、及び同第5925156号明細書)、若しくは支持体の中を充填することによって(米国特許第5114447号明細書、同第4613369号明細書、同第4888114号明細書、及び同第6080219号明細書)必要な強度を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、2.5マイクロメートル以下の充填材料を保持することができるフリットと、フリットを組み込むHPLCシステムと、2.5マイクロメートル以下の充填材料をHPLCコラムの中に保持する方法とを提供することによって、従来のフリットに関連する問題点を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるフリットは、複数の空所を有する多孔質支持構造を含み、複数の二次粒子がこれらの空所の中に満たされ、二次粒子は、フリットが約2.5ミクロン未満の直径を有する充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされている。ある実施形態では、空所は、フリットが少なくとも50%の密度を有するように二次粒子によって満たされている。特に、本発明のフリットをクロマトグラフィシステムにおいて使用するために構成することができる。クロマトグラフィシステムが、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムであることは好ましい。フリットは、HPLCコラムの端部に、又はHPLCコラムの上流に位置することが好ましいHPLCシステム内のインラインフィルタとして配置することができる。
【0013】
本明細書で使用されるように、「フリット」という用語は、クロマトグラフィ粒子を保持することができる複数の空所を有するいずれの多孔質構造も指す。この定義には、一般的にフリット、フィルタ、又はスクリーンと呼ばれるいずれの数の知られている構造も含まれる。
【0014】
本発明によるクロマトグラフィコラムは、第1端部と第2端部とを有する筒形チャンバを含み、筒形チャンバはクロマトグラフィ充填材料によって満たされ、さらに第1端部と第2端部の中に受け入れられた少なくとも1つのフリットを含む。
【0015】
本発明はまた、高圧液体クロマトグラフィコラムにおいて使用するためのフリットを調製する方法も対象とし、この方法は、複数の空所を有する多孔質支持構造を提供するステップと、空所を二次粒子で満たすステップとを含み、二次粒子は、フリットが約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされている。この方法は、フリットが少なくとも50%の密度を有するように空所を二次粒子によって満たすステップを含むことができる。この方法はさらに、多孔質支持構造と二次粒子とを焼結して、二次粒子を空所の中に固定するステップも含むことができる。
【0016】
本発明はさらに、複数の空所を有する多孔質支持構造を提供するステップと、空所を二次粒子によって充填するステップと、二次粒子が使用中に空所の中に固定されたままになるように多孔質支持構造を配向するステップとを含み、二次粒子は、フリットが約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされている、高圧液体クロマトグラフィコラムにおいて使用するためのフリットを調製する方法も対象とする。
【0017】
本発明による、液体流における溶質を分離及び定量化するためのクロマトグラフィシステムは、クロマトグラフィ充填材料によって満たされる、第1端部と第2端部とを有する筒形チャンバと、筒形チャンバの第1端部と第2端部に受け入れられる少なくとも1つのフリットであって、フリットが約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされている複数の二次粒子で充填された複数の空所を有する多孔質支持構造を有するフリットと、筒形チャンバ内でクロマトグラフィ充填材料と接触する液体流を、筒形チャンバを通じて推進させるためのポンプと、試料を液体流の中に配送するためのインジェクタと、液体流が筒形チャンバの第2端部を出るときに液体流の個々の成分を検出するための検出器とを含むことが好ましい。
【0018】
本発明はまた、クロマトグラフィ充填材料によって満たされる、第1端部と第2端部とを有する筒形チャンバを提供するステップと、フリットが、複数の空所と、約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされている複数の二次粒子とを有する多孔質支持構造を有する少なくとも1つのフリットを、筒形チャンバの第1端部と第2端部に挿入するステップと、筒形チャンバ内でクロマトグラフィ充填材料と接触する液体流を、筒形チャンバを通じて推進させるステップと、試料を液体流の中に注入するステップと、液体流が筒形チャンバの第2端部を出るときに液体流の個々の成分を検出するステップとを含む、液体流における溶質を分離及び定量化するための方法も含む。
【0019】
本発明によれば、第1端部と第2端部を有するチャンバを有する高圧液体クロマトグラフィコラムと共に使用するためのキットが提供される。このキットは、チャンバの第1端部と第2端部の1つにねじ込み式に取り付けるための取付け具と、複数の空所を有する多孔質支持構造と複数の二次粒子を有する、取付け具の中に受け入れられる少なくとも1つのフリットとを含み、空所は、フリットが約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされている複数の二次粒子によって満たされ、さらに使用のための説明書を含む。
【0020】
本発明によるフリットが空所の中に二次粒子を受け入れることができ、空所が二次粒子によって部分的に又は完全に満たされることは好ましい。二次粒子は空所の中に、約2.5ミクロン未満の直径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持することができる細孔サイズを有する二次細孔ネットワークを形成することができる。
【0021】
本発明によれば、フリットは複数の空所を有する多孔質支持構造を含み、空所は、フリットが少なくとも50%の密度を有するように複数の二次粒子によって充填される。換言すれば、多孔質支持構造と二次粒子はフリットの容積の少なくとも50%を構成し、これによってフリットは高密度の構造(50%を超える密度)を形成する。フリットの高密度の構造は部品強度を強化し、フリットを損傷することなくこれを空洞又はコラムの中にプレスフィットすることを可能にする。ある実施形態では、空所は、二次粒子によるフリット内の貫通深さが約10ミクロンを超える、より好ましくは約28ミクロン〜178ミクロンの範囲にあるように、二次粒子によって満たされる。
【0022】
多孔質支持構造の空所が二次粒子によって満たされ、次いで本発明の1つの好ましい実施形態によって焼結されることは好ましい。焼結工程を受けることによって、多孔質支持構造は加熱され、これによって空所を充填する二次粒子を固定する。二次粒子を互いに焼結するか、空所を取り囲む多孔質支持構造と焼結するか、又は両方によって焼結することができる。焼結後に、フリットをHPLCコラムの筒形チャンバの中にプレスフィットすることができる。
【0023】
代替案として、フリットをインラインフィルタとして構成することができる。例えば、インラインフィルタをHPLCシステムにおける筒形チャンバの上流に、好ましくはポンプとインジェクタの間、又はインジェクタと筒形チャンバの間に配置することができる。
【0024】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、フリットは、好ましくは焼結されないが代わりに、筒形チャンバを通じて流れ方向に対して配向される。フリットが、複数の空所を有する多孔質支持構造を含み、空所がクロマトグラフィ充填材料を保持するように複数の二次粒子によって満たされ、二次粒子は、フリットが約2.5ミクロン未満の直径を有する充填材料を保持するように空所と充填材料に対して寸法付けされていることが好ましい。この実施形態では、フリットがクロマトグラフィ充填材料の流れ方向に対して適切に配向されているので、焼結工程を必要としない。特に、フリットを筒形チャンバの端部に配置して、筒形チャンバを通じて流れ方向に対して配向することができる。代替案として、フリットをインラインフィルタとして構成することができる。例えば、インラインフィルタをHPLCシステムのポンプとインジェクタとの間、又はインジェクタと筒形チャンバとの間に配置することができる。
【0025】
上記の実施形態、及び本発明の範囲に含まれる他の実施形態によれば、フリットが、好ましくは、金属、金属合金、金属酸化物、セラミック、及びポリマーからなる群から選択された材料から作られた多孔質支持構造を含む。ある実施形態においては、多孔質支持構造は好ましくは、焼結可能金属、焼結可能金属合金、焼結可能金属酸化物、焼結可能セラミック、及び焼結可能ポリマーからなる群から選択された材料から作られる。ある実施形態においても、多孔質支持構造は、ステンレス鋼、チタン、PEEK、ポリエチレン、Hastaloy(商標)、ポリプロピレン、Teflon(登録商標)、ガラス、二酸化珪素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料から作られる。多孔質支持構造のための特に好ましい材料はステンレス鋼であり、さらに好ましくは316ステンレス鋼である。
【0026】
上記の実施形態、及び本発明の範囲に含まれる他の実施形態によれば、フリットは、0.5メディアグレードのステンレス鋼又は2.0メディアグレードのステンレス鋼などの、約0.5〜約10の範囲にあるメディアグレードを有する支持構造を含む。支持構造の空所に満たされるために適した二次粒子の直径は約5ミクロン以下であることが好ましい。さらに好ましくは、二次粒子の直径は約3ミクロンから約5ミクロンの範囲にある。例えば、直径が約3.5ミクロン又は4ミクロンの二次粒子が適している。適切な組合せの一例は、直径が約4ミクロンの二次粒子で満たされた0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼で作られた多孔質支持構造である。別の例では、直径が約4ミクロンの二次粒子で満たされた2.0メディアグレード焼結ステンレス鋼の多孔質支持構造が使用される。ある実施形態では、二次粒子は、フリットによって保持される充填材料と同じ組成を有することができる。代替案として、二次粒子は、充填材料とは異なる組成を有することができる。二次粒子は、多孔質支持構造と同じか又は異なる組成を有することができる。いくつかの実施形態では、二次粒子を球状ステンレス鋼粒子にすることができる。
【0027】
上述の実施形態、及び本発明の範囲に含まれる他の実施形態によれば、フリットによって保持される充填材料はクロマトグラフィ充填材料である。クロマトグラフィ充填材料を、シリカゲル、誘導体化シリカゲル、酸化ジルコニウム、誘導体化酸化ジルコニウム、酸化チタン、誘導体化酸化チタン、有機シリカハイブリッド、誘導体化有機シリカハイブリッド、金属酸化物ハイブリッド、及び誘導体化金属酸化物ハイブリッドからなる群から選択することができる。
【0028】
本発明のクロマトグラフィコラムは、筒形チャンバの少なくとも1つの端部に連結された取付け具を備えることができ、この筒形チャンバはクロマトグラフィ充填材料によって満たされている。入口取付け具と出口取付け具がチャンバの第1端部と第2端部にそれぞれ設けられることは好ましい。一実施形態では、各取付け具はフリットを受け入れるために形成された密封リングを備え、フリットは取付け具の中にプレスフィットされる。代替案として、別の実施形態では、入口取付け具と出口取付け具は密封リングなしで設けられ、各フリットを対応する取付け具の中に直接プレスフィットすることができる。各取付け具はフリットを受け入れるための空洞を備えることができ、ここでフリットと取付け具がコラムの中で密封式に係合することは好ましい。代替案として、さらに別の実施形態では、フリットをチャンバの入口端部と出口端部の中に直接プレスフィットすることができる。本発明によるクロマトグラフィコラムは約5000〜50000psiまでの圧力に耐えられることが好ましい。
【0029】
ある実施形態では、第1フリットは入口取付け具の空洞の中に配置され、第2フリットは出口取付け具の空洞の中に配置されている。特に、第1フリットと第2フリットを、これらの上表面を筒形チャンバの方に配向するように配置することができる。一実施例では、各フリットは円形平面リングの中に受け入れられ、各対応するリングとフリットは、筒形チャンバによって入口取付け具と出口取付け具を封止するように構成されている。
【0030】
本発明のフリット、インラインフィルタ、クロマトグラフィコラム、方法、システム、及びキットのこれらの特徴及びその他の独特の特徴は、好ましい実施形態の詳細な説明に関連して取り上げる図面の下記の説明からさらに容易に明らかになろう。
【0031】
したがって、本発明に関連する技術分野の当業者には、本発明のフリット、インラインフィルタ、及び高圧液体クロマトグラフィコラムの製造法と使用法、並びに方法及びシステムを、図面を参照して容易に理解されよう。
【0032】
本発明のフリット、インラインフィルタ、及び高圧液体クロマトグラフィコラム、方法、及びシステムのこれらの特徴及びその他の特徴は、好ましい実施形態の下記の詳細な説明から当業者には容易に明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
下記の説明において、「フリット」という用語は、クロマトグラフィ粒子を保持することができる複数の空所を有するあらゆる多孔質構造を指す。一般的にフリット、フィルタ、又はスクリーンと呼ばれるかなり多数の知られている構造がこの定義に含まれる。
【0034】
本発明によるフリットは、クロマトグラフィシステム、特に高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムにおいて使用するために構成されている。このフリットを、クロマトグラフィコラム(「HPLCコラム」とも呼ばれる)の一端又は両端に配置することができる。代替案として、フリットを、HPLCシステムにおける流体の流れから粒子汚染物を閉じ込めて除去するために適したインラインフィルタとして使用することができる。フリットが、HPLCシステムにおいてクロマトグラフィコラムの上流のある位置に配置されることは好ましい。例えば、フリットをHPLCコラムの上流に、好ましくはポンプとインジェクタとの間に、又はインジェクタとクロマトグラフィコラムとの間に位置付けることができる。
【0035】
本発明によるフリットは、直径が約2.5ミクロン未満の粒子を保持できなければならない。フリットが、複数の細孔又は空所を有する多孔質支持構造を含むことは好ましく、複数の二次粒子が空所の中に満たされ、二次粒子は、フリットが約2.5ミクロン未満の直径の充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされている。空所は二次粒子によって部分的に又は完全に満たされ、粒子は、多孔質支持構造の中の空所の中に入って充填するように十分に小さく、これによって二次粒子間に二次細孔ネットワークを生成し、この二次細孔ネットワークのサイズは、約2.5ミクロン未満の直径の充填材料を適切に保持するように十分に小さい。好ましい実施形態では、空所は、フリットが少なくとも50%の密度を有するように二次粒子によって満たされる。HPLCコラムでは、充填材料はクロマトグラフィ充填材料であり、フリットは、約2.5ミクロン未満の直径のクロマトグラフィ充填材料を保持できることが必要である。
【0036】
さまざまなグレード又は公称粒子保持等級の多孔質支持構造が市販されている。このような多孔質支持構造を、HPLCコラム又はその他の液体又は気体クロマトグラフィ用途において使用するために設計することができる。当業者には、多孔質支持構造もクロマトグラフィフリット又はフィルタとして知られていることは理解されよう。本明細書で使用されるように、「多孔質支持構造」という用語は、HPLCにおいて、クロマトグラフィコラム又はインラインフィルタのいずれにおいても使用するために適したグレード又は粒子保持等級を有することが好ましいいくつかの多孔質支持構造のうちのいずれか、例えばクロマトグラフィフリット又はフィルタを指す。これらの多孔質支持構造は一般的に公称間隙率と細孔サイズグレードを有し、約2.5ミクロンを超える直径の粒子を保持することができる。本発明によるフリットを作るために適した多孔質支持構造には、約0.5〜約10の範囲のグレードを有する多孔質焼結ステンレス鋼の多孔質支持構造、例えば0.5グレード及び2.0グレードのステンレス鋼多孔質支持構造が含まれる。多孔質支持構造を、当技術分野では知られている技術によって圧縮成形及び焼結された粒子から作ることができ、これによって特定のグレードの構造を製造する。
【0037】
多孔質支持構造の中に二次細孔ネットワークを形成するために使用される二次粒子は、多孔質支持構造と同じ材料で作ることができ、又は異なる組成を有してもよい。さらに、二次粒子は、HPLCコラムにおいて使用されるクロマトグラフィ充填材料と同じ組成を有することができ、又は異なる組成を有してもよい。二次粒子を不規則な形状又は球状にすることができ、狭いサイズ又は多分散系のいずれにすることもできる。多孔質支持構造の中の空所を容易にかつ効率的に満たす助けになるように、そして新たに形成された二次細孔ネットワークの中の開放空間を最大にするように、二次粒子が球状で狭いサイズのものであることが好ましい。
【0038】
本発明の好ましい一実施形態では、多孔質支持構造の空所の中にいったん導入されると、二次粒子はさらに適所に固定されて、一体構造を形成する。二次粒子を固定するために、「第2」加熱又は焼結ステップを実施することができ、第2焼結ステップは、二次粒子が多孔質支持構造の空所の中に導入された後に、換言すれば多孔質支持構造の中で二次粒子を満たして圧縮成形した後に起こる。二次粒子を互いに焼結することができるか、多孔質支持構造と焼結することができるか、又はこれらの両方によって焼結することができる。焼結の結果、二次粒子は適所に固着され、これによって多孔質支持構造の中に形成された二次細孔ネットワークを有する一体構造を生成する。いったん形成されると、例えばフリットを密封リングの中にプレスフィットすることによって、又はフリットをかなりの数の典型的なコラム端部取付け具設計の中に挿入することによって、最終フリットをクロマトグラフィコラム本体の中に直接挿入することができる。代替案として、フリットをインラインフィルタとして使用し、HPLCシステムの中のどこにでも、好ましくはポンプとインジェクタとの間に、又はインジェクタとクロマトグラフィコラムとの間に位置付けることができる。
【0039】
好ましい第1実施形態の一実施例では、多孔質支持構造は公称2ミクロン級の316ステンレス鋼焼結多孔質支持構造であり、二次粒子は、多孔質支持構造の中に満たされて二次細孔ネットワークを形成する狭いサイズの4ミクロン球状ステンレス鋼粒子である。次いで、満たされた支持構造は焼結されて一体構造を形成する。はるかに小さな二次粒子によって大きな表面積が与えられるので、二次焼結ステップ中に、二次粒子はより粗い多孔質支持構造よりも低い温度で軟化し、そのため多孔質支持構造のサイズと形状は実質的に変らない。
【0040】
本発明の好ましい第2実施形態によれば、フリットはクロマトグラフィコラムの中に配置されて、コラムを通る流れの方向に対して配向される。この好ましい第2実施形態では、二次粒子の焼結を必要としない。その代わり、二次粒子は多孔質支持構造の中に満たされ、フリットは、クロマトグラフィコラムにおける流体の力が二次粒子を多孔質支持構造から洗い流さないように、流れの方向に配向される。代替案として、好ましい第2実施形態によって製造されたインラインフィルタをクロマトグラフィコラムの上流に、例えばポンプとインジェクタとの間、又はインジェクタとクロマトグラフィコラムとの間に、液体流の流れ方向に対して配向することもできよう。
【0041】
好ましい第2実施形態の実施例では、多孔質支持構造は公称2ミクロン級の316ステンレス鋼焼結多孔質支持構造であり、二次粒子は、多孔質支持構造の中に満たされて二次細孔ネットワークを形成する狭いサイズの4ミクロンステンレス鋼粒子である。満たされる間に、二次粒子は多孔質支持構造の表面を貫通し、それから多孔質支持構造の中に留まる。
【0042】
当業者には、多孔質支持構造と二次粒子のさまざまな組合せを使用できることが理解されよう。上述のように、ステンレス鋼、より詳細には316ステンレス鋼は多孔質支持構造のためには特に好ましい材料である。一般に、多孔質支持構造を、金属、金属合金、金属酸化物、セラミック、及びポリマーからなる群から選ばれた材料にすることができる。特に上に論述した第1実施形態については、多孔質支持構造を、焼結可能金属、焼結可能金属合金、焼結可能金属酸化物、焼結可能セラミック、及び焼結可能ポリマーからなる群から選ぶことができる。上述の実施形態のための好ましい材料には、ステンレス鋼、チタン、PEEK、ポリエチレン、Hastaloy(商標)、ポリプロピレン、Teflon(登録商標)、ガラス、二酸化珪素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムが含まれる。
【0043】
本発明のフリットを製造するために使用される多孔質支持構造は、約0.5〜約10の範囲のメディアグレードを有することが好ましい。実施例には、0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼、及び2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼で作られた多孔質支持構造が含まれる。これらの支持構造の中に満たされた二次粒子の直径は約5ミクロン以下であることが好ましい。詳しくは、二次粒子の直径は約3ミクロン〜約5ミクロンの範囲にあり、例えば3.5ミクロン粒子及び4ミクロン粒子である。
【0044】
本発明のフリットは、いったん形成されると、クロマトグラフィコラムの中に充填材料を保持するようになっているかなりの数のHPLCコラム端部取付け具の中に内蔵することができ、充填材料は約2.5ミクロン未満の粒径を有する。最終フリットのサイズ、形状、及び機械的特性は市販の多孔質支持構造に類似し、本発明のフリットを、一般に既存の設計を変更することなくHPLCコラムの中に入れ替えることができる。コラムの端部にフリットを配置するための設計の例には、密封リングの中へのプレスフィット、フィルタハウジングの中へのかしめ封止、コラム本体の端部における開口部の中への直接プレスフィット、及びコラム端部取付け具における開口部の中への直接プレスフィットが含まれる。
【0045】
次に図面を参照すると、同様な参照番号は本発明の同様な態様を指しており、図1は本発明によるクロマトグラフィコラム10を図示し、このクロマトグラフィコラムは高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)のために使用することができる。クロマトグラフィコラム10は、第1端部14と第2端部16を有する筒形チャンバ12を含むことが好ましい。チャンバ12の第1端部14は少なくとも1つのフリットを受け入れるために構成され、第2端部16もまた少なくとも1つのフリットを受け入れるために構成されている。筒形チャンバ12は、入口取付け具22と出口取付け具24をそれぞれ受け入れるための第1端部14と第2端部16の外側にねじ山が切られていることが好ましい。入口取付け具22と出口取付け具24は同様な方法で製造され、各々は筒形チャンバ12の対応するねじ山とかみ合うための内部ねじ山を含むことが好ましい。
【0046】
図2Aは、フィルタ組立体を含む筒形チャンバの一端部分の拡大断面図であり、チャンバ12の両端部分は実際には同一である。図2Aでは、チャンバ12の第2端部16と出口取付け具24が図示されている。しかしながら、チャンバの第1端部と入口取付け具にも同様な配置が実現されている。図2Bは、チャンバ12の第2端部16と出口取付け具24の詳細を示すさらに別の拡大図である。
【0047】
図2Aに示すように、出口取付け具24は第1シャフト26と第2シャフト28を含む。第1シャフト26は、好ましくはチャンバ12の第2端部16において又はその近くでねじ山を受け入れてこれと協働するための内部ねじ山を有する第1空洞30を含む。第2シャフト28は、好ましくは圧縮ねじ及び/又は押えリング(図示せず)のねじ山を受け入れてこれと協働するための内部ねじ山を有する第2空洞32を含む。代替案として、第2空洞32は、他の形式の外部取付け機構を受け入れるための円滑な内部仕上げ、又はその他の仕上げを有することができる。空洞32は、この中に受け入れようとする取付け機構の形式と両立できるように形成されることが好ましく、第2空洞32の中に取付け機構を案内する助けとなるために外に向かって広がる開口部34を含むことができる。
【0048】
図2Bに示すように、チャンバ12の第2端部16は、本発明によるフリット44を受け入れるための中空中心部を有する円形平面リング40(又は「密封リング」)を含むことができる。円形平面リング40はチャンバ12の第2端部16と接触しており、[円形]平面リング40は第2端部16と空洞30の一端部との間にくさび止めされている。[円形]平面リング40は、第1シャフト26の空洞30の内部における封止表面として役立つことが好ましい。フリット44を平面リング40の中にプレスフィットするか、さもなければ受け入れることができる。円形リングとして図示されているが、平面リング40を、本発明のさまざまな実施形態において長円形、矩形、及びその他の形状などの、さまざまな形状に形成することができる。
【0049】
フリット44は、本発明の第1又は第2実施形態によれば、二次粒子により満たされる前又は後に密封リング40の中に挿入されることが好ましい。例えば、好ましい第1実施形態によれば、二次粒子を多孔質支持構造の中に満たし、次いで焼結して一体構造を製造することができる。代替案として、好ましい第2実施形態によれば、二次粒子を多孔質支持構造の中に満たし、フリット44はクロマトグラフィコラムを通じて、すなわちチャンバ12を通じて流れの方向に対して配向され、フリット44の中に満たすことができる。図2Bは、密封リング40の内部に位置付けられた第1又は第2実施形態によるフリット44を図示する。フリット44は、フリット44の中に含浸された二次粒子46を含み、二次粒子46はフリット44の中で約10ミクロンを超える深さまで貫通することが好ましい。図2Bに示すように、フリット44はチャンバ12の方向に向けられ、二次粒子46は、チャンバ12に面するフリット44の表面又はその近くにおいて最大の濃度で備えられる。
【0050】
図3は、フリット44を平面リング40の中に挿入した後の円形平面リング40とフリット44の正面図である。図3に示すように、フリット44は平面リング40の中にプレスフィットされており、平面リング40は、平面リング40を出口取付け具24の第1空洞30の中に取り付けたときに密封表面として働く。フリット44と平面リング40を受け入れるために構成することができる入口取付け具22(図示せず)のために同様な配置が提供される。
【0051】
図1に示すようなHPLCコラムを組み立てるために、多孔質支持構造、例えば約0.5〜約10の範囲にあるメディアグレードを有する焼結ステンレス鋼多孔質支持構造は二次粒子により満たされ、フリット44を調製する。その際、フリットをクロマトグラフィコラムの中に配置する前又は後のいずれかに二次粒子を満たすことができる。例えば、フリットを0.5メディアグレードの316L多孔質支持構造から作ることができ、フリット44は、出口取付け具24の第1空洞30の中に受け入れられる密封リング40の中にプレスフィットされる。フリット44の頂部表面が、二次粒子が焼結されると配向は必要とされないが、チャンバ12の方に配向されることは好ましい。チャンバ12の第2端部16が十分なトルクで第1空洞30の中にねじ込まれて、約5000〜50000psiの圧力に耐えることができるシールを提供することが好ましい。
【0052】
同様な方式で、フリットを、フリット44が密封リング40の中にプレスフィットされる2.0メディアグレード316L多孔質支持構造などの、適切な支持構造を選択することによって、入口取付け具22に配置することができ、密封リング40を、出口取付け具24について上述したものと同じ方式で、入口取付け具22の第1シャフトの空洞の中に受け入れることができる。フリット44の頂部表面が、二次粒子が焼結されると配向は必要とされないが、チャンバ12の方に配向されることは好ましい。従来のスラリー充填技術を使用して、チャンバ12を充填材料によって、好ましくはクロマトグラフィ充填材料によって満たすことができる。次いで、2.0メディアグレードのフリットを含む入口取付け具22の空洞を、十分なトルクを使用してチャンバ12の第1端部14の中にねじ込んで、約5000〜50000psiの圧力に耐えることができるシールを提供する。入口取付け具の第2空洞(出口取付け具24の第2空洞32と等価)は、圧縮ねじ、押えリング、及びチュービングを使用して溶剤流に連結されることが好ましく、チュービングは一般的にチャンバ12の内径よりも実質的に小さな内径を有する。出口取付け具の第2ねじ山付き空洞32を、圧縮ねじ、押えリング、及びチュービングを使用して検出器(例えば、図7に示す検出器76)に連結することができる。
【0053】
クロマトグラフィコラムの中にフリット44を保持するための適切な配置の他の例を図4A〜4B及び5A〜5Bに示すが、下記の例において、同様な参照番号は同様な部分を示す。図4A及び4Bは、出口取付け具124の開口部150の中にフリット144が受け入れられる配置を示す。フリット144を開口部150の中に受け入れることもできるが、フリット144は開口部150の中にプレスフィットすることが好ましい。図4A及び4Bに示すように、チャンバ112の第2端部116は、直接若しくはベアリングの使用を介して出口取付け具124の端部表面に接触している。図4A及び4Bに図示するフリット144は図2A及び2Bのフリット44と同じものであり、二次粒子146によって好ましくは約10ミクロンを超える深さまで含浸されている。図4Bに示すように、フリット144はチャンバ112に向けて配向されているが、このような配向は二次粒子146が焼結されている場合は必要ではない。
【0054】
図5A及び5Bは、フリット244がチャンバ112の第2端部216又はその近くに位置する開口部260の中に受け入れられた別の配置を図示する。別の係合機構を利用することができるが、フリット244を開口部260の中にプレスフィットすることが好ましい。チャンバ212の第2端部216は、図4A及び4Bの例におけるように、出口取付け具224の端部表面に接触していることが好ましい。図5A及び5Bに図示するフリット244は図2A及び2Bに図示するフリット44と同じものであり、二次粒子246によって好ましくは約10ミクロンを超える深さまで含浸されている。図5Bに示すように、フリット244はチャンバ212に向けて配向されているが、このような配向は二次粒子246が焼結されている場合は必要ではない。
【0055】
図6A及び6Bは、フリット344が本発明によるHPLCシステムにおいてインラインフィルタとして使用される配置を図示する。フリット344はHPLCシステムにおいて、図6A及び6Bに示すように、ポンプとコラムの間などのクロマトグラフィコラムの好ましくは上流に位置付けられる。図6A及び6Bのインラインフィルタをポンプとインジェクタの間に位置付けることができるが、同様な配置をインジェクタとコラムの間に備えることもできる(例えば図7を参照)。
【0056】
図6A及び6Bに示すように、第1及び第2相補取付け具370及び324が、圧縮ねじ、押えリング、及びチュービングを使用してHPLCシステムにおいて溶剤流に連結されている。フリット344は、別の係合機構を利用することができるが、第1取付け具370の開口部350の中にプレスフィットされている。取付け具324及び370がクロマトグラフィコラムの上流に配置され、フリット344がHPLCシステムの中に導かれる粒子汚染物をコラム入口に達する前に捕捉できるようにし、これによってクロマトグラフィコラムの寿命を長くすることは好ましい。第1取付け具370の端部372が、直接又はベアリングの使用を介して第2取付け具324の端部表面に接触していることは好ましい。図6A及び6Bのフリット344は、図2A及び2Bのフリット44と同じものであり、二次粒子346によって好ましくは約10ミクロンを超える深さまで含浸されている。図6Bに示すように、フリット344は、クロマトグラフィ粒子を上流に保持するように第1取付け具370に向けて配向され、これによって粒子の漏出を防止するが、この配向はフリット344の二次粒子346が焼結されている場合は必要とされない。本発明の範囲内にあるHPLCシステムにおいて使用するために、本発明のフリットのさまざまなその他の配置を提供することができる。
【0057】
(実施例1)
3.5ミクロンの二次粒子を含む多孔質支持構造を次のように満たした。0.5メディアグレードの多孔質支持構造を、密封表面を可能にする(図3に示すような)円形平面リングの中にプレスフィットした。多孔質支持構造を含む密封リングを出口取付け具の中に配置した。出口取付け具をチャンバ(コラム)の第2端部(出口端部)に取り付けた。3mLのリザーバをチャンバの空の第1端部(入口)に取り付けた。T字管をリザーバの頂部に取り付けた。ポンプをT字管の側部開口部に取り付けた。次いで、0.01グラムの3.5ミクロンのクロマトグラフィ充填材料を3mLのテトラヒドロフラン(THF)の中で混ぜて超音波処理した。粒子溶液を2分間超音波処理した。粒子溶液を、T字管の頂部開口部を通じてリザーバの中に注ぐか又はピペットで移した。粒子溶液に約2.2mLのTHFを注ぎ足した。溶液を導くために使用されるT字管における頂部開口部に栓をした。ポンプによって給送される6000psiの圧力を、5mLがチャンバ出口において収集されるまで加えた。出口取付け具組立体をチャンバから分離した。粒子で満たされた多孔質支持構造を含む密封リングを出口取付け具組立体から除去した。過剰の材料を、密封リングと満たされた多孔質支持構造の頂部表面から除去した。同じ手順を使用して、フリットを図10Cに示すような2ミクロンのクロマトグラフィ粒子で満たした。
【0058】
実施例1は、二次焼結ステップを必要とせずに、コラムの出口側で使用するためのフリットを調製するために適している。本発明のこの実施形態によれば、フリットは、流体力が二次粒子をフリットから洗い出さないように、クロマトグラフィコラムを通じて流れの方向に対して配向される。
【0059】
(実施例2)
4ミクロンのステンレス鋼粒子を含むフリットを次のように調製した。直径2.1mm及び厚さ0.040インチ(約1mm)の多孔質支持構造(2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼)をステンレス鋼密封リングの中にプレスフィットした。多孔質支持構造を固定具の中に置き、こうして多孔質支持構造に真空を通した。狭いサイズの粒子(直径4ミクロン)を10mLのトルエンの中に懸濁させ、磁気撹拌棒を使用して混合した。小体積の粒子懸濁液を多孔質支持構造の上に置き、支持構造の内部の空所の中に貫通させ充填させた。満たされたフリットの過剰の粒子を拭き取って清浄にし、次いで制御されたH雰囲気の中で約1時間1900°F(約1038℃)に焼結し、粒子を一体構造の中に永続的に固定した。0.5および2.0の両方のメディアグレードのフリットがこの処理により満たされた。
【0060】
実施例2では、説明した実施形態は、多孔質支持構造の中に受け入れられた二次粒子を焼結する「第2」ステップを含む。
【0061】
(実施例3)
上記の各実施例では、各フリットは少なくとも50%の密度を有することが好ましい。換言すれば、空所又は細孔はフリットの容積の50%未満を構成する。フリットの密度は、二次粒子が空所に満たされた後に増加し、これによって間隙率を減少させる。
【0062】
実施例3では、0.5及び2.0メディアグレードの多孔質支持構造を使用して貫通深さを測定した。2.0メディアグレードの多孔質支持構造については、満たされていない構造の間隙率は32%(68%の密度)であった。0.5メディアグレードの多孔質支持構造については、満たされていない構造の間隙率は19%(81%の密度)であった。各支持構造の直径は2インチ(約5.08cm)、厚さは0.125インチ(約3.18mm)であった。多孔質支持構造の重量を316Lステンレス鋼の固体部分の予期重量と比較することによって、間隙率を測定した。次に、多孔質支持構造を4ミクロンのステンレス鋼球状粒子(二次粒子)で片側からスラリー充満し、乾燥して新しい重量を得た。多孔質支持構造における空所の貫通容積の約50%が二次粒子によって満たされると仮定して、空所の中への二次粒子の貫通深さを計算することができる。
【0063】
予期されたように、2.0メディアグレードの支持構造における二次粒子の貫通深さは、0.5メディアグレードの支持構造におけるものよりも大きかった。両支持構造では、フリットの満たされない及び満たされた間隙率は、これらの構造の高い密度の結果として低かった(容積で50%未満)。2メディアグレードのフリットにおける二次粒子の貫通は約0.007インチ(178ミクロン)であった。0.5メディアグレードのフリットについては、二次粒子の貫通は約0.0011インチ(28ミクロン)であった。
【0064】
(実施例4)
6個のコラム(A〜F)を1.7ミクロンのクロマトグラフィ充填材料で充填し、各コラムに0.5メディアグレードのフリットを配置した。先に論述したように、コラムA〜Cはコラム出口で従来の0.5メディアグレードのフリットを使用し、コラムD〜Fは二次粒子で満たした0.5メディアグレードのフリットを使用した。コラムD〜Fで使用されたフリットを、実施例1で説明した方法によって、充填材料と同じ組成の3.5ミクロンの二次粒子を使用して満たした。図9は、HPLC移動相におけるコラム平衡中の254nmで収集されたUVトレースを示す。コラムA〜Cに関するUVトレースは、従来のフリットを通る1.7ミクロン充填材料の移動の指標となるスパイクを明確に示している。本発明の予め満たしたフリットを出口に使用して組み立てられたコラムD〜Fについては、UVトレースの中にスパイクは存在しない。
【0065】
図10Aに示すように、0.5メディアグレードのフリットを3.5ミクロンの二次粒子で満たすと、二次粒子は空所の中に含浸することになり、これによって二次細孔ネットワークを形成する。図10Bの底部の図に示すように、二次粒子はフリットの空所又は細孔の内部に取り囲まれており、粒子の漏出の証拠はない。
【0066】
図11Aは、二次粒子で満たされる前の0.5メディアグレードのフリットのSEM(走査型電子顕微鏡写真)である。図11Bに示すように、4ミクロンの球状ステンレス鋼粒子で満たして二次焼結ステップで焼結された後に、一体構造が形成される。
【0067】
開示したフリット、クロマトグラフィコラム、及び関連する方法と装置を、好ましい実施形態に関して説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の精神と範囲から逸脱することなく本発明に対して修正及び変更を行うことができることは明らかである。
【0068】
ここにおいて、本明細書の中で引用したすべての特許、公開された特許出願、及びその他の参照文献の内容はすべて、全体として参照により本明細書の中に明白に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】コラムを通る流れの方向が矢印で示されている、本発明による高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)コラムの部分断面図である。
【図2A】フリットを保持するためのある配置による図1のHPLCコラムのコラム出口の拡大断面図である。
【図2B】図2Aに示す範囲の拡大図である。
【図3】図1のHPLCコラムにおいて使用するために構成されたフリットを含む密封リングの概略前面図である。
【図4A】フリットを保持するための別の配置による図1のHPLCコラムのコラム出口の拡大断面図である。
【図4B】図4Aに示す範囲の拡大図である。
【図5A】フリットを保持するためのさらに別の配置による図1のHPLCコラムのコラム出口の拡大断面図である。
【図5B】図5Aに示す範囲の拡大図である。
【図6A】本発明によるHPLCシステムにおけるインラインフィルタとして配置されたフリットの断面図である。
【図6B】図6Aに示す範囲の拡大図である。
【図7】(従来の技術)典型的なHPLCシステムの各構成部分を示すブロック図である。
【図8】(従来の技術)2.2ミクロンのクロマトグラフィ充填材料によって充填されたクロマトグラフィコラムから除去された、従来の0.5メディアグレードステンレス鋼フリットの下流側の走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】コラムA〜Cは従来の0.5メディアグレードフリットを使用し、コラムD〜Fは本発明による二次粒子で満たされたフリットを使用した、6個のコラムに関する一連のUVトレースを示すグラフである。
【図10A】3.5ミクロンのクロマトグラフィ粒子で満たされた0.5メディアグレードフリットの頂部の走査型電子顕微鏡写真である。
【図10B】3.5ミクロンのクロマトグラフィ粒子で満たされた0.5メディアグレードフリットの底部の走査型電子顕微鏡写真である。
【図10C】2ミクロンのクロマトグラフィ粒子で満たされた0.5メディアグレードフリットの頂部の走査型電子顕微鏡写真である。
【図11A】満たされる前の0.5メディアグレードフリットの頂部の走査型電子顕微鏡写真である。
【図11B】4ミクロンのステンレス鋼粒子で満たし、二次工程で焼結した後の、0.5メディアグレードのフリットの頂部の走査型電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の空所を有する多孔質支持構造と複数の二次粒子とを含むフリットであって、
フリットが少なくとも50%の密度を有するように複数の二次粒子によって空所が満たされ、二次粒子が、フリットが約2.5ミクロン未満の直径を有する充填材料を保持するように、空所に対して寸法付けされている、フリット。
【請求項2】
空所が二次粒子によって部分的に満たされている、請求項1に記載のフリット。
【請求項3】
空所が二次粒子によって完全に満たされている、請求項1に記載のフリット。
【請求項4】
二次粒子が空所の内部に、約2.5ミクロン未満の直径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持することができる細孔サイズを有する二次細孔ネットワークを形成する、請求項1に記載のフリット。
【請求項5】
空所が複数の二次粒子によって満たされた後に焼結される、請求項1に記載のフリット。
【請求項6】
多孔質支持構造が加熱されて、空所を満たす二次粒子を固定する、請求項1に記載のフリット。
【請求項7】
二次粒子が互いに焼結されるか、空所を囲む多孔質支持構造と焼結されるか、又はこれらの両方によって焼結される、請求項6に記載のフリット。
【請求項8】
多孔質支持構造が、金属、金属合金、金属酸化物、セラミック、及びポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項1に記載のフリット。
【請求項9】
多孔質支持構造が、焼結可能な金属、焼結可能な金属合金、焼結可能な金属酸化物、焼結可能なセラミック、及び焼結可能なポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項1に記載のフリット。
【請求項10】
多孔質支持構造が、ステンレス鋼、チタン、PEEK、ポリエチレン、Hastaloy(商標)、ポリプロピレン、Teflon(登録商標)、ガラス、二酸化珪素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料からなる、請求項1に記載のフリット。
【請求項11】
多孔質支持構造がステンレス鋼からなる、請求項1に記載のフリット。
【請求項12】
多孔質支持構造が316ステンレス鋼からなる、請求項1に記載のフリット。
【請求項13】
多孔質支持構造が約0.5〜約10の範囲にあるメディアグレードを有する、請求項1に記載のフリット。
【請求項14】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項1に記載のフリット。
【請求項15】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項1に記載のフリット。
【請求項16】
二次粒子の直径が約5ミクロン以下である、請求項1に記載のフリット。
【請求項17】
二次粒子の直径が約3ミクロン〜約5ミクロンの範囲にある、請求項1に記載のフリット。
【請求項18】
二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項1に記載のフリット。
【請求項19】
二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項15に記載のフリット。
【請求項20】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項1に記載のフリット。
【請求項21】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項1に記載のフリット。
【請求項22】
二次粒子がフリットによって保持される充填材料と同じ組成を有する、請求項1に記載のフリット。
【請求項23】
二次粒子がフリットによって保持される充填材料とは異なる組成を有する、請求項1に記載のフリット。
【請求項24】
二次粒子が多孔質支持構造と同じ組成を有する、請求項1に記載のフリット。
【請求項25】
二次粒子が多孔質支持構造とは異なる組成を有する、請求項1に記載のフリット。
【請求項26】
二次粒子が球状ステンレス鋼粒子である、請求項1に記載のフリット。
【請求項27】
フリットによって保持される充填材料がクロマトグラフィ充填材料である、請求項1に記載のフリット。
【請求項28】
クロマトグラフィ充填材料が、シリカゲル、誘導体化シリカゲル、酸化ジルコニウム、誘導体化酸化ジルコニウム、酸化チタン、誘導体化酸化チタン、有機シリカハイブリッド、誘導体化有機シリカハイブリッド、金属酸化物ハイブリッド、及び誘導体化金属酸化物ハイブリッドからなる群から選択される、請求項27に記載のフリット。
【請求項29】
クロマトグラフィコラムにおいて使用するための、請求項1に記載のフリット。
【請求項30】
クロマトグラフィコラムが高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)コラムである、請求項29に記載のフリット。
【請求項31】
クロマトグラフィコラムが、約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料によって充填された高圧液体クロマトグラフィコラムである、請求項29に記載のフリット。
【請求項32】
二次粒子が約10ミクロンを超える深さまで多孔質支持構造の空所を満たす、請求項1に記載のフリット。
【請求項33】
筒形チャンバを通る流れの方向に対して配向されている、請求項1に記載のフリット。
【請求項34】
フリットを受け入れるための筒形チャンバをさらに含み、該フリットが筒形チャンバを通じて流れの方向に対して配向されている、請求項1に記載のフリット。
【請求項35】
クロマトグラフィシステムにおいて使用するためのインラインフィルタとして構成された、請求項1に記載のフリット。
【請求項36】
クロマトグラフィシステムにおけるコラムの上流に配置された、請求項35に記載のフリット。
【請求項37】
クロマトグラフィシステムにおけるポンプとインジェクタとの間に配置された、請求項35に記載のフリット。
【請求項38】
クロマトグラフィシステムにおけるインジェクタとコラムとの間に配置された、請求項35に記載のフリット。
【請求項39】
筒形チャンバの中に受け入れられるように構成されたフリットであって、複数の空所を有する多孔質支持構造と、複数の二次粒子とを含み、空所が、クロマトグラフィ充填材料を保持するように複数の二次粒子によって満たされ、二次粒子が、フリットが約2.5ミクロン未満の直径を有する充填材料を保持するように空所と充填材料に対して寸法付けされていて、フリットが筒形チャンバを通じて流れの方向に対して配向されている、フリット。
【請求項40】
複数の空所を有する多孔質支持構造と複数の二次粒子とを含むフリットであって、空所が複数の二次粒子によって約10ミクロンを超える深さまで満たされ、二次粒子が、フリットが約2.5ミクロン未満の直径を有する充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされている、フリット。
【請求項41】
深さが約28ミクロン〜約178ミクロンの範囲にある、請求項40に記載のフリット。
【請求項42】
第1及び第2端部を有するクロマトグラフィ充填材料で満たされた筒形チャンバと、第1端部又は第2端部に受け入れられた少なくとも1つのフリットと
を含むクロマトグラフィコラムであって、
フリットが、
複数の空所を有する多孔質支持構造と複数の二次粒子とを有し、空所が複数の二次粒子によって満たされ、二次粒子が、フリットが約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持するように、空所に対して寸法付けされている、
クロマトグラフィコラム。
【請求項43】
チャンバの少なくとも1つの端部に連結された取付け具をさらに含み、少なくとも1つのフリットが取付け具の中にプレスフィットされている、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項44】
コラムが高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)コラムである、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項45】
筒形チャンバの第1端部及び第2端部に操作可能に連結された入口及び出口取付け具をさらに含む、請求項44に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項46】
少なくとも1つのフリットが入口取付け具又は出口取付け具の中にプレスフィットされている、請求項45に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項47】
少なくとも1つのフリットが入口取付け具の開口部又は出口取付け具の開口部の中に配置されている、請求項45に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項48】
第1フリットが入口取付け具の中にプレスフィットされ、第2フリットが出口取付け具の中にプレスフィットされている、請求項45に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項49】
各フリットが円形平面リングの中に受け入れられ、各対応するリングとフリットが、筒形チャンバによって入口取付け具と出口取付け具をそれぞれ密封するように構成される、請求項48に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項50】
第1フリットが入口取付け具の開口部の中に配置され、第2フリットが出口取付け具の開口部の中に配置されている、請求項45に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項51】
第1フリット及び第2フリットが筒形チャンバの中に配置されている、請求項45に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項52】
第1フリット及び第2フリットが筒形チャンバの端部にプレスフィットされている、請求項45に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項53】
少なくとも1つのフリットが密封リングの中にプレスフィットされている、請求項44に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項54】
コラムが約5000〜50000psiの圧力に耐えることができる、請求項44に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項55】
入口取付け具と出口取付け具が筒形チャンバの第1端部と第2端部にそれぞれねじ込まれている、請求項44に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項56】
フリットが筒形チャンバを通じて流れ方向に対して配向されている、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項57】
フリットが少なくとも50%の密度を有するように空所が複数の二次粒子によって満たされている、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項58】
空所が二次粒子によって部分的に満たされている、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項59】
空所が二次粒子によって完全に満たされている、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項60】
二次粒子は空所の内部に、約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持することができる細孔サイズを有する二次細孔ネットワークを形成する、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項61】
空所が複数の二次粒子によって満たされた後に、フリットが焼結される、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項62】
空所を満たす二次粒子を固定するために、多孔質支持構造が加熱される、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項63】
二次粒子が互いに焼結されるか、空所を囲む多孔質支持構造と焼結されるか、又はこれらの両方によって焼結される、請求項62に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項64】
多孔質支持構造が、金属、金属合金、金属酸化物、セラミック、及びポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項65】
多孔質支持構造が、焼結可能金属、焼結可能金属合金、焼結可能金属酸化物、焼結可能セラミック、及び焼結可能ポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項66】
多孔質支持構造が、ステンレス鋼、チタン、PEEK、ポリエチレン、Hastaloy(商標)、ポリプロピレン、Teflon(登録商標)、ガラス、二酸化珪素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料からなる、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項67】
多孔質支持構造がステンレス鋼からなる、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項68】
多孔質支持構造が316ステンレス鋼からなる、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項69】
多孔質支持構造が約0.5〜約10の範囲にあるメディアグレードを有する、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項70】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項71】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項72】
二次粒子の直径が約5ミクロン以下である、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項73】
二次粒子の直径が約3〜約5ミクロンの範囲にある、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項74】
二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項75】
二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項76】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項77】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項78】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料と同じ組成を有する、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項79】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料とは異なる組成を有する、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項80】
二次粒子が多孔質支持構造と同じ組成を有する、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項81】
二次粒子が多孔質支持構造とは異なる組成を有する、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項82】
二次粒子が球状ステンレス鋼粒子である、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項83】
クロマトグラフィ充填材料が、シリカゲル、誘導体化シリカゲル、酸化ジルコニウム、誘導体化酸化ジルコニウム、酸化チタン、誘導体化酸化チタン、有機シリカハイブリッド、誘導体化有機シリカハイブリッド、金属酸化物ハイブリッド、及び誘導体化金属酸化物ハイブリッドからなる群から選択される、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項84】
二次粒子が空所を約10ミクロンを超える深さまで満たす、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項85】
少なくとも1つのフリットが筒形チャンバを通る流れの方向に対して配向されている、請求項42に記載のクロマトグラフィコラム。
【請求項86】
複数の空所を有する多孔質支持構造と、
複数の二次粒子であって、クロマトグラフィ充填材料を保持するように空所が複数の二次粒子によって満たされ、二次粒子が、フリットが直径約2.5ミクロン未満の充填材料を保持するように、空所と充填材料に対して寸法付けされており、
フリットを受け入れるための筒形チャンバであって、フリットが筒形チャンバを通って流れの方向に対して配向されている筒形チャンバと
を含む、クロマトグラフィコラム。
【請求項87】
高圧液体クロマトグラフィコラムにおいて使用するためのフリットを調製するための方法であって、
複数の空所を有する多孔質支持構造を提供するステップと、空所を二次粒子で満たすステップであって、二次粒子が、フリットが粒径約2.5ミクロン未満の充填材料を保持するように、空所に対して寸法付けされているステップと
を含む、方法。
【請求項88】
フリットが少なくとも50%の密度を有するように空所が複数の二次粒子によって満たされている、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
二次粒子を空所の中に固定するための、多孔質支持構造と二次粒子を焼結するステップをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
二次粒子が互いに焼結されるか、空所を囲む多孔質支持構造と焼結されるか、又はこれらの両方によって焼結される、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
第1端部及び第2端部を有する筒形チャンバと、第1端部及び第2端部にそれぞれ操作可能に連結された入口取付け具と出口取付け具とを提供するステップをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
入口取付け具と出口取付け具の1つにフリットをプレスフィットするステップをさらに含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
入口取付け具と出口取付け具が筒形チャンバの第1端部と第2端部に操作可能に連結され、少なくとも1つのフリットが入口取付け具又は出口取付け具の中に受け入れられる、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
第1フリットが入口取付け具の中にプレスフィットされ、第2フリットが出口取付け具の中にプレスフィットされる、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
第1フリットが入口取付け具の開口部の中に配置され、第2フリットが出口取付け具の開口部の中に配置される、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
各フリットが円形平面リングの中に受け入れられ、各対応するリングとフリットが、筒形チャンバによって入口取付け具と出口取付け具をそれぞれ密封するように構成される、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
第1フリット及び第2フリットが筒形チャンバの中に配置される、請求項91に記載の方法。
【請求項98】
第1フリット及び第2フリットが筒形チャンバの端部の中にプレスフィットされる、請求項91に記載の方法。
【請求項99】
多孔質支持構造が、金属、金属合金、金属酸化物、セラミック、及びポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項87に記載の方法。
【請求項100】
多孔質支持構造が、焼結可能金属、焼結可能金属合金、焼結可能金属酸化物、焼結可能セラミック、及び焼結可能ポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項87に記載の方法。
【請求項101】
多孔質支持構造が、ステンレス鋼、チタン、PEEK、ポリエチレン、Hastaloy(商標)、ポリプロピレン、Teflon(登録商標)、ガラス、二酸化珪素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料からなる、請求項87に記載の方法。
【請求項102】
多孔質支持構造がステンレス鋼製のフィルタである、請求項87に記載の方法。
【請求項103】
多孔質支持構造が316ステンレス鋼からなる、請求項87に記載の方法。
【請求項104】
多孔質支持構造が約0.5〜10のメディアグレードを有する、請求項87に記載の方法。
【請求項105】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項87に記載の方法。
【請求項106】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項87に記載の方法。
【請求項107】
二次粒子の直径が約3〜5ミクロンである、請求項87に記載の方法。
【請求項108】
二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項87に記載の方法。
【請求項109】
二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項87に記載の方法。
【請求項110】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項87に記載の方法。
【請求項111】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項87に記載の方法。
【請求項112】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料と同じ組成を有する、請求項87に記載の方法。
【請求項113】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料とは異なる組成を有する、請求項87に記載の方法。
【請求項114】
二次粒子が多孔質支持構造と同じ組成を有する、請求項87に記載の方法。
【請求項115】
二次粒子が多孔質支持構造とは異なる組成を有する、請求項87に記載の方法。
【請求項116】
二次粒子が球状ステンレス鋼粒子である、請求項87に記載の方法。
【請求項117】
二次粒子が多孔質支持構造の空所を、約10ミクロンを超える深さまで満たす、請求項87に記載の方法。
【請求項118】
高圧液体クロマトグラフィコラムにおいて使用するためのフリットを調製するための方法であって、
複数の空所を有する多孔質支持構造を提供するステップと、空所を二次粒子によって満たすステップと、二次粒子が使用中に空所の中に固定されたままになるように、二次粒子で満たされた多孔質支持構造を配向するステップであって、二次粒子が、フリットが粒径約2.5ミクロン未満のクロマトグラフィ充填材料を保持するように、空所に対して寸法付けされているステップと
を含む、方法。
【請求項119】
フリットが少なくとも50%の密度を有するように空所が複数の二次粒子によって満たされている、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
第1端部及び第2端部を有する筒形チャンバと、第1端部及び第2端部にそれぞれ操作可能に連結された入口取付け具と出口取付け具とを提供するステップをさらに含む、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
入口取付け具と出口取付け具の1つにフリットをプレスフィットするステップをさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
入口取付け具と出口取付け具が筒形チャンバの第1端部と第2端部に操作可能に連結され、少なくとも1つのフリットが入口取付け具又は出口取付け具の中に受け入れられる、請求項120に記載の方法。
【請求項123】
第1フリットが入口取付け具の中にプレスフィットされ、第2フリットが出口取付け具の中にプレスフィットされる、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
第1フリットが入口取付け具の開口部の中に配置され、第2フリットが出口取付け具の開口部の中に配置される、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
各フリットが円形平面リングの中に受け入れられ、各対応するリングとフリットが、筒形チャンバによって入口取付け具と出口取付け具をそれぞれ密封するように構成される、請求項122に記載の方法。
【請求項126】
第1フリット及び第2フリットが筒形チャンバの中に配置される、請求項122に記載の方法。
【請求項127】
第1フリット及び第2フリットが筒形チャンバの端部の中にプレスフィットされる、請求項122に記載の方法。
【請求項128】
多孔質支持構造が、金属、金属合金、金属酸化物、セラミック、及びポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項118に記載の方法。
【請求項129】
多孔質支持構造が、焼結可能金属、焼結可能金属合金、焼結可能金属酸化物、焼結可能セラミック、及び焼結可能ポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項118に記載の方法。
【請求項130】
多孔質支持構造が、ステンレス鋼、チタン、PEEK、ポリエチレン、Hastaloy(商標)、ポリプロピレン、Teflon(登録商標)、ガラス、二酸化珪素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料からなる、請求項118に記載の方法。
【請求項131】
多孔質支持構造がステンレス鋼製のフィルタである、請求項118に記載の方法。
【請求項132】
多孔質支持構造が316ステンレス鋼からなる、請求項118に記載の方法。
【請求項133】
多孔質支持構造が約0.5〜10のメディアグレードを有する、請求項118に記載の方法。
【請求項134】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項118に記載の方法。
【請求項135】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項118に記載の方法。
【請求項136】
二次粒子の直径が約3〜5ミクロンである、請求項118に記載の方法。
【請求項137】
二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項118に記載の方法。
【請求項138】
二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項118に記載の方法。
【請求項139】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項118に記載の方法。
【請求項140】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項118に記載の方法。
【請求項141】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料と同じ組成を有する、請求項118に記載の方法。
【請求項142】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料とは異なる組成を有する、請求項118に記載の方法。
【請求項143】
二次粒子が多孔質支持構造と同じ組成を有する、請求項118に記載の方法。
【請求項144】
二次粒子が多孔質支持構造とは異なる組成を有する、請求項118に記載の方法。
【請求項145】
二次粒子が球状ステンレス鋼粒子である、請求項118に記載の方法。
【請求項146】
配向するステップが、高圧液体クロマトグラフィコラムを通る流れの方向にフリットを配置することを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項147】
二次粒子が約10ミクロンを超える深さまで多孔質支持構造の空所を満たす、請求項118に記載の方法。
【請求項148】
液体流における溶質を分離及び定量化するためのクロマトグラフィシステムであって、クロマトグラフィ充填材料によって充填される、第1端部と第2端部とを有する筒形チャンバと、筒形チャンバの第1端部と第2端部に受け入れられる少なくとも1つのフリットであって、フリットが複数の空所を有する多孔質支持構造と、複数の二次粒子とを有し、空所は複数の二次粒子によって満たされ、二次粒子が、フリットが約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持するように、空所に対して寸法付けされている少なくとも1つのフリットと、筒形チャンバ内でクロマトグラフィ充填材料と接触する液体流を、筒形チャンバを通じて推進させるためのポンプと、
試料を液体流の中に配送するためのインジェクタと、
液体流が筒形チャンバの第2端部を出るときに液体流の個々の成分を検出するための検出器と
を含む、クロマトグラフィシステム。
【請求項149】
フリットが少なくとも50%の密度を有するように空所が二次粒子によって満たされる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項150】
少なくとも1つのフリットが筒形チャンバの第1端部及び第2端部の中にプレスフィットされる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項151】
筒形チャンバの第1端部及び第2端部にそれぞれ操作可能に連結された入口取付け具と出口取付け具とをさらに含む、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項152】
少なくとも1つのフリットが入口取付け具と出口取付け具の中にプレスフィットされる、請求項150に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項153】
少なくとも1つのフリットが、入口取付け具又はチャンバの中にプレスフィットされた第1フリットと、出口取付け具又はチャンバの中にプレスフィットされた第2フリットとからなる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項154】
少なくとも1つのフリットが、入口取付け具の開口部の中に配置された第1フリットと、出口取付け具の開口部に配置された第2フリットとからなる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項155】
第1フリットがその上部表面を筒形チャンバの方に配向され、第2フリットがその上部表面を筒形チャンバの方に配向されている、請求項153に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項156】
各フリットが円形平面リングの中に受け入れられ、各対応するリングとフリットが、筒形チャンバによって入口取付け具と出口取付け具をそれぞれ密封するように構成される、請求項155に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項157】
少なくとも1つのフリットが密封リングの中にプレスフィットされる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項158】
コラムが約5000〜50000psiの圧力に耐えることができる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項159】
入口取付け具と出口取付け具が筒形チャンバの第1端部と第2端部にそれぞれねじ込まれている、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項160】
空所が複数の二次粒子によって満たされた後に、フリットが焼結される、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項161】
空所を満たす二次粒子を固定するために、多孔質支持構造が加熱される、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項162】
多孔質支持構造が、金属、金属合金、金属酸化物、セラミック、及びポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項163】
多孔質支持構造が、焼結可能金属、焼結可能金属合金、焼結可能金属酸化物、焼結可能セラミック、及び焼結可能ポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項164】
多孔質支持構造が、ステンレス鋼、チタン、PEEK、ポリエチレン、Hastaloy(商標)、ポリプロピレン、Teflon(登録商標)、ガラス、二酸化珪素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料からなる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項165】
多孔質支持構造がステンレス鋼製のフィルタである、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項166】
多孔質支持構造が316ステンレス鋼からなる、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項167】
多孔質支持構造が約0.5〜10のメディアグレードを有する、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項168】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項169】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項170】
二次粒子の直径が約3〜5ミクロンである、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項171】
二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項172】
二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項173】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項174】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項175】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料と同じ組成を有する、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項176】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料とは異なる組成を有する、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項177】
二次粒子が多孔質支持構造と同じ組成を有する、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項178】
二次粒子が多孔質支持構造とは異なる組成を有する、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項179】
二次粒子が球状ステンレス鋼粒子である、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項180】
二次粒子が多孔質支持構造の空所を、約10ミクロンを超える深さまで満たす、請求項148に記載のクロマトグラフィシステム。
【請求項181】
液体流における溶質を分離及び定量化するための方法であって、
クロマトグラフィ充填材料によって充填される、第1端部と第2端部とを有する筒形チャンバを提供するステップと、少なくとも1つのフリットを入口取付け具と出口取付け具に挿入するステップであって、フリットは複数の空所を有する多孔質支持構造と複数の二次粒子とを有し、空所は複数の二次粒子によって満たされ、二次粒子は、フリットが約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持するように空所に対して寸法付けされているステップと、
筒形チャンバ内でクロマトグラフィ充填材料と接触する液体流を、筒形チャンバを通じて推進させるステップと、試料を液体流の中に射出するステップと、
液体流が筒形チャンバの第2端部を出るときに液体流の個々の成分を検出するステップと
を含む、方法。
【請求項182】
フリットが少なくとも50%の密度を有するように空所が二次粒子によって満たされる、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
少なくとも1つのフリットが筒形チャンバの第1端部及び第2端部の中にプレスフィットされる、請求項181に記載の方法。
【請求項184】
入口取付け具と出口取付け具を、筒形チャンバの第1端部と第2端部にそれぞれ連結するステップをさらに含む、請求項181に記載の方法。
【請求項185】
少なくとも1つのフリットが入口取付け具と出口取付け具の中にプレスフィットされる、請求項181に記載の方法。
【請求項186】
各フリットが円形平面リングの中に受け入れられ、各対応するリングとフリットが、入口取付け具と出口取付け具を筒形チャンバによってそれぞれ密封するように構成される、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
少なくとも1つのフリットが、入口取付け具又はチャンバの中にプレスフィットされた第1フリットと、出口取付け具又はチャンバの中にプレスフィットされた第2フリットとからなる、請求項181に記載の方法。
【請求項188】
少なくとも1つのフリットが、入口取付け具の開口部の中に配置された第1フリットと、出口取付け具の開口部の中に配置された第2フリットとからなる、請求項181に記載の方法。
【請求項189】
密封リングが約5000〜50000psiの圧力に耐えることができる、請求項188に記載の方法。
【請求項190】
入口取付け具と出口取付け具が筒形チャンバの第1端部と第2端部にそれぞれねじ込まれる、請求項181に記載の方法。
【請求項191】
空所が複数の二次粒子によって満たされた後に、フリットが焼結される、請求項181に記載の方法。
【請求項192】
二次粒子を空所の中に含浸するために、多孔質支持構造が加熱される、請求項181に記載の方法。
【請求項193】
多孔質支持構造が、金属、金属合金、金属酸化物、セラミック、及びポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項181に記載の方法。
【請求項194】
多孔質支持構造が、焼結可能金属、焼結可能金属合金、焼結可能金属酸化物、焼結可能セラミック、及び焼結可能ポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項181に記載の方法。
【請求項195】
多孔質支持構造が、ステンレス鋼、チタン、PEEK、ポリエチレン、Hastaloy(商標)、ポリプロピレン、Teflon(登録商標)、ガラス、二酸化珪素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料からなる、請求項181に記載の方法。
【請求項196】
多孔質支持構造がステンレス鋼製のフィルタである、請求項181に記載の方法。
【請求項197】
多孔質支持構造が316ステンレス鋼からなる、請求項181に記載の方法。
【請求項198】
多孔質支持構造が約0.5〜2.0のメディアグレードを有する、請求項181に記載の方法。
【請求項199】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項181に記載の方法。
【請求項200】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項181に記載の方法。
【請求項201】
二次粒子の直径が約3〜5ミクロンである、請求項181に記載の方法。
【請求項202】
二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項181に記載の方法。
【請求項203】
二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項181に記載の方法。
【請求項204】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項181に記載の方法。
【請求項205】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項181に記載の方法。
【請求項206】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料と同じ組成を有する、請求項181に記載の方法。
【請求項207】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料とは異なる組成を有する、請求項181に記載の方法。
【請求項208】
二次粒子が多孔質支持構造と同じ組成を有する、請求項181に記載の方法。
【請求項209】
二次粒子が多孔質支持構造とは異なる組成を有する、請求項181に記載の方法。
【請求項210】
二次粒子が球状ステンレス鋼粒子である、請求項181に記載の方法。
【請求項211】
二次粒子が多孔質支持構造の空所を、約28ミクロン〜180ミクロンの深さまで満たす、請求項181に記載の方法。
【請求項212】
第1端部と第2端部を有するチャンバを有する高圧液体クロマトグラフィコラムにおいて使用するためのキットであって、
チャンバの第1端部と第2端部の1つにねじ込んで取り付けるための取付け具と、取付け具の中に受け入れられる少なくとも1つのフリットであって、
複数の空所を有する多孔質支持構造と、複数の二次粒子とを有し、空所は複数の二次粒子によって満たされ、二次粒子は、フリットが約2.5ミクロン未満の粒径を有するクロマトグラフィ充填材料を保持するように、空所に対して寸法付けされている、少なくとも1つのフリットと、
使用説明書と
を含む、キット。
【請求項213】
フリットが少なくとも50%の密度を有するように空所が二次粒子によって満たされる、請求項212に記載のキット。
【請求項214】
少なくとも1つのフリットが取付け具の中にプレスフィットされる、請求項212に記載のキット。
【請求項215】
密封リングが約5000〜50000psiまでの圧力に耐えることができる、請求項212に記載のキット。
【請求項216】
空所が複数の二次粒子によって満たされた後に、フリットが焼結される、請求項212に記載のキット。
【請求項217】
空所を満たす二次粒子を固定するために、多孔質支持構造が加熱される、請求項212に記載のキット。
【請求項218】
多孔質支持構造が、金属、金属合金、金属酸化物、セラミック、及びポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項212に記載のキット。
【請求項219】
多孔質支持構造が、焼結可能金属、焼結可能金属合金、焼結可能金属酸化物、焼結可能セラミック、及び焼結可能ポリマーからなる群から選択された材料からなる、請求項212に記載のキット。
【請求項220】
多孔質支持構造が、ステンレス鋼、チタン、PEEK、ポリエチレン、Hastaloy(商標)、ポリプロピレン、Teflon(登録商標)、ガラス、二酸化珪素、二酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選択された材料からなる、請求項212に記載のキット。
【請求項221】
多孔質支持構造がステンレス鋼製のフィルタである、請求項212に記載のキット。
【請求項222】
多孔質支持構造が316ステンレス鋼からなる、請求項212に記載のキット。
【請求項223】
多孔質支持構造が約0.5〜2.0のメディアグレードを有する、請求項212に記載のキット。
【請求項224】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項212に記載のキット。
【請求項225】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼である、請求項212に記載のキット。
【請求項226】
二次粒子の直径が約3〜5ミクロンである、請求項212に記載のキット。
【請求項227】
二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項212に記載のキット。
【請求項228】
二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項212に記載のキット。
【請求項229】
多孔質支持構造が0.5メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約3.5ミクロンである、請求項212に記載のキット。
【請求項230】
多孔質支持構造が2.0メディアグレードの焼結ステンレス鋼であり、二次粒子の直径が約4ミクロンである、請求項212に記載のキット。
【請求項231】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料と同じ組成を有する、請求項212に記載のキット。
【請求項232】
二次粒子がクロマトグラフィ充填材料とは異なる組成を有する、請求項212に記載のキット。
【請求項233】
二次粒子が多孔質支持構造と同じ組成を有する、請求項212に記載のキット。
【請求項234】
二次粒子が多孔質支持構造とは異なる組成を有する、請求項212に記載のキット。
【請求項235】
二次粒子が球状ステンレス鋼粒子である、請求項212に記載のキット。
【請求項236】
二次粒子が多孔質支持構造の空所を、約10ミクロンを超える深さまで満たす、請求項212に記載のキット。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate


【公表番号】特表2007−527536(P2007−527536A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502028(P2007−502028)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/007152
【国際公開番号】WO2005/087340
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(504438255)ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド (80)