説明

高圧金属蒸気放電ランプおよび照明器具

【課題】 発光管を囲繞して中空管を設けるとともに始動補助に紫外線放射始動素子を用いた小形低定格出力の高圧放電ランプにおいて、電極に到達する紫外線放射量の減衰が小さく始動が容易で、確実に点灯ができる高圧金属蒸気放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明器具を提供することを目的としている。
【解決手段】 発光管バルブ51内に一対の電極6A,6Bを設けるとともに放電媒体を封入した発光管5と、この発光管5を囲繞して配設された中空管8と、この発光管5および中空管8の両端部を支持するサポート部材4a,4bが取り付けられるとともに発光管5の導入導体63,63と接続した給電部材3a,3bと、上記中空管8内に少なくとも一部を臨ませ配設されるとともに給電部材3a,3bに接続した紫外線放射始動素子7と、上記発光管5、中空管8、紫外線放射始動素子7、サポート部材4a,4bおよび給電部材3a,3bを収容した外管バルブ51とを備えた高圧金属蒸気放電ランプLおよびこの放電ランプLを用いた照明器具9である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外管バルブ内に発光管およびこの発光管を囲繞した透光性の中空管をサポート部材に支持させるとともに、このサポート部材に始動用の紫外線放射始動素子を設けた高圧金属蒸気放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
高効率、高演色が得られる高圧金属蒸気放電ランプたとえばメタルハライドランプは、発光管内にハロゲン化物が封入されているため、ハロゲンによる電子吸着作用により初期電子が不足して、始動特性がよくないということがある。
【0003】
そこで、この初期電子を増やす対策として、従来は発光管の内部にプロメチウムPm147 やクリプトンKr85などの放射性物質を封入して、始動時の電極間の電子放射を容易にすることが行われていた。しかしながら、発光管内部に放射性物質を封入することは、発光管の製造上、放射性物質に対する取り扱いおよび保管に厳重な管理を必要とするため、近年では、このような放射性物質に替わる始動補助の手段が要望されている。
【0004】
そこで、この始動補助の他の手段として、特開平1−134848号公報、特開平1−134849号公報や特公平7−7662号公報などには始動時、メタルハライドランプなどの発光管に紫外線を照射する始動素子を備えたりあるいはグロースタータ(点灯管)による高圧パルスと紫外線とを利用する高圧金属蒸気放電ランプが開示されている。
【0005】
この前者の紫外線照射による高圧金属蒸気放電ランプは、放電ランプを点灯させる際に安定器から供給される高いパルス電圧を発光管の一対の電極および紫外線放射始動素子が有する内部導電部材と外部導電部材とにそれぞれ印加し、紫外線放射始動素子のバルブ内で放電させて紫外線を発生させ、この紫外線を発光管内に向け照射することにより電極の表面から電子が放出され初期電子数が増加して発光管内における放電が生起し易く、始動が行われるものである。
【0006】
また、後者のグロースタータ(点灯管)は、バルブ内にアルゴンガスや水銀などを封入して紫外線放射始動素子とし、グロースタータのグロー放電によってアルゴンガスや水銀から発生した紫外線を電極に向け照射して初期電子数を増加させるとともに、蛍光ランプのグロースタータと同じ原理でバイメタルの開放時に安定器から高圧パルスを発生させて、放電ランプの始動を行わせるものである。
【0007】
また、この高圧金属蒸気放電ランプは、名前の通り点灯時の発光管内の圧力はランプ電力や大きさにも因るが100kPa〜500kPa程度になり、不測の事態たとえば寿命末期には発光管バルブの劣化、傷や点灯回路装置の不具合に起因する異常電流などによって内圧が上昇したときなどに、その圧力に耐えきれず発光管バルブの破裂を招くことがある。
【0008】
この発光管バルブが破裂した場合は、発光管を形成するバルブなどの破片が飛散して外管バルブに衝突し、この外管バルブをも破損してこれらの破片などを器具外に飛散するおそれがあった。
【0009】
そこで、この対応手段として、照明器具の開口部に透光性の強化ガラスや金網などからなる保護カバー部材を設けておき、放電ランプが破裂した場合には保護カバー部材で破片などを受け、破片などが器具外に落下飛散しないような防護処置が採られていた。
【0010】
しかし、この器具の開口部に保護カバー部材を設けることは、カバー部材が不所望な光反射、光吸収や光遮蔽などを生じたり、経時とともにカバー部材が汚れ可視光の透過率を下げて、器具の発光効率を低下させる要因となっており、この汚れの清掃も高所にある照明器具の場合は大変手間を要していた。
【0011】
また、放電ランプ側の対応手段としては、破片が飛散落下しないように外管バルブの外表面に透光性樹脂などの材料で防飛被膜を形成することが行われているが、許容耐熱温度が最も高いフッ素樹脂材料で260℃程度であり、放電ランプの種類や出力などにより適用に制限があった。
【0012】
そこで、他の対応手段として、たとえば特開平5−121047号公報、特開平6−295708号公報や特開平11−288696号公報などに記載されているように、発光管を囲繞して発光管バルブと同じ材料などからなる耐熱透光性の中空管を介在させ、発光管バルブが破損し飛散してもこの中空管に衝突させ、その飛散エネルギーを弱めることによって破片などが外管バルブに直接に飛来するのを阻止して衝撃を和らげ、外管バルブの破損を防ぐようにすることが知られているとともに実際に多く採用されている。
【0013】
そして、本発明者等はこの種高圧金属蒸気放電ランプにおいて、外管バルブ内に上記発光管バルブ破裂時の破片などの飛散防止および発光管の発光特性の向上のため発光管を囲繞して昇温させる中空管と、この中空管外の中空管の仮想延長線内の所定位置に上記始動補助のための紫外線放射始動素子を配置した始動回路構成部材とを併設してなる発明を出願した。(特許文献1)
【特許文献1】特開2003−100256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述の技術文献1のように、発光管バルブ内にこの発光管を囲繞する中空管および紫外線放射始動素子を有する始動回路構成部材を設けたランプは、構成が簡単であるとともに経済性も高くなるという利点を有する。
【0015】
しかしながら、発光管内に設けられた電極と紫外線放射始動素子との距離が遠いいと電極に到達する紫外線放射量が減衰してしまい初期電子が十分に得られないことがあり、また、特に発光管および外管バルブを小形化したい低出力の高圧金属蒸気放電ランプにおいては、外管バルブ内の容積の関係や外管バルブとステムとの封止の際の加熱で紫外線放射始動素子の特性が劣化するなど紫外線放射始動素子の配設位置が問題になることがあった。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、発光管を囲繞して耐熱透光性の中空管を設けるとともに始動補助に紫外線放射始動素子を用いた小形低定格出力の高圧放電ランプにおいて、電極に到達する紫外線放射量の減衰が小さくランプの始動が容易で、かつ、確実に点灯ができる高圧金属蒸気放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明器具を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の請求項1に記載の高圧金属蒸気放電ランプは、耐熱透光性の発光管バルブ内に導入導体を介して一対の電極が封装されるとともに放電媒体が封入された発光管と、この発光管の周囲を囲繞するように配設された耐熱透光性部材からなる円筒状の中空管と、この発光管および中空管の両端部を支持するサポート部材と、上記発光管の導入導体と接続した給電部材と、上記サポート部材または給電部材に支持されるとともに上記中空管内に少なくとも一部が臨むように配設された紫外線放射始動素子と、上記発光管、中空管、紫外線放射始動素子、サポート部材および給電部材を収容した外管バルブとを具備していることを特徴としている。
【0018】
本発明では紫外線を発生するエンハンサなどの紫外線放射始動素子の少なくとも一部が中空管内に位置して配設された、紫外線放射始動素子を発光管内の電極に近付けてある。そして、発光管上下の電極およびこの電極に並列的に接続した紫外線放射始動素子には同時に通電され、始動器として電極に近付け配設した紫外線放射始動素子は、内部のグロー放電によりアルゴンガスや水銀から発生した紫外線の電極への照射量が多くなり初期電子数が増加して、放電ランプに接続した点灯回路装置の安定器からのパルス電圧が電極に印加されることによって放電ランプの始動を容易に行わせることができる。
【0019】
また、紫外線放射始動素子から発光管内方向へ向かう紫外線ばかりか、中空管方向に向かった紫外線の一部が中空管の壁面で反射して遠方側の電極に向け照射して初期電子の増加がはかれその始動性を高めることができる。
【0020】
また、紫外線放射始動素子が中空管内に位置しているので、小形化された外管バルブとステムとを封止する際、外管バルブ内面側から紫外線放射始動素子に伝熱される熱的影響を低減することができる。
【0021】
本発明の請求項2に記載の高圧金属蒸気放電ランプは、上記放電ランプの全長が150mm以下であるとともに上記中空管端面から内方に臨ませた紫外線放射始動素子の先端までの長さUと、この紫外線放射始動素子配設側の中空管端面から発光管内に隣接する電極先端までの長さDとの関係が0<U/D≦1であることを特徴としている。
【0022】
本発明は、特に小形低出力の高圧金属蒸気放電ランプに適用して、上記請求項1に記載と同様な作用を奏する。
【0023】
本発明の請求項3に記載の高圧金属蒸気放電ランプは、紫外線放射始動素子がエンハンサまたはグロースタータであることを特徴としている。
【0024】
紫外線放射始動素子は、エンハンサやグロースタータ(点灯管)などからなり、少なくとも200nm〜460nmの波長の紫外線を放射して、発光管内の電極表面から初期電子を放出させることができる。
【0025】
本発明の請求項4に記載の高圧金属蒸気放電ランプは、中空管が、少なくとも発光管バルブの内端部を覆う長さを有していることを特徴としている。
【0026】
中空管が長いほど発光管バルブ破裂の際のガラス片などの飛散を防ぐことができるが、最低でも発光管の内端部間を覆っていればよい。また、バルブの最冷部を形成する内端部が保温されることにより所定の作用を奏する。なお、この発光管の内端部とは、バルブ端部の封止部(封着部)を除いたバルブ内の空間領域を指す。
【0027】
本発明の請求項5に記載の照明器具は、器具本体と、この器具本体内に配設された上記請求項1ないし4のいずれか一に記載の高圧金属蒸気放電ランプと、この高圧金属蒸気放電ランプに接続した点灯回路装置とを具備していることを特徴としている。
【0028】
上記請求項1ないし4に記載の始動特性の向上した高圧金属蒸気放電ランプを組み込んでいるので、短時間でランプの点灯がはかれるとともに、万一、発光管バルブが破損しても部材の破片を飛散させることがない安全性の高い照明器具を提供できる。
【発明の効果】
【0029】
請求項1の発明によれば、耐熱透光性の中空管の発光管に近接してエンハンサなどの紫外線放射始動素子を配設したので、電極への紫外線照射量を多くでき、電極間の放電が促進されて極めて短時間(従来に比べ約20〜70%短縮)のうちに容易に始動することができる。
【0030】
また、中空管により発光管および紫外線放射始動素子を囲繞しているので、発光管の保温および発光管破損時に部材の飛散防止などの作用を奏するとともに紫外線放射始動素子が外管バルブとステムとの封止の際の熱的劣化が低減され、始動特性および発光特性および安全性の向上がはかれる金属蒸気高圧放電ランプを提供できる。
【0031】
請求項2の発明によれば、特に小形で低定格出力の金属蒸気高圧放電ランプに適用して、上記請求項1に記載と同様な効果を奏する放電ランプ提供できる。
【0032】
請求項3の発明によれば、紫外線放射始動素子として、小形で有効な紫外線放射を行わせることができるエンハンサやグロースタータを用いることにより、放電ランプの小形化や始動特性の向上がはかれる。
【0033】
請求項4の発明によれば、中空管で発光管および紫外線放射始動素子を囲繞しているので、上記請求項1に記載と同様な発光特性および安全性の向上がはかれるほか、中空管壁面で反射した紫外線が電極を照射する確率を高めることができる。
【0034】
請求項5の発明によれば、上記請求項1〜4に記載の効果を有する高圧放電ランプを組込んでいるので、始動特性および発光特性の向上がはかれるとともに、安全性の高い照明器具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下,本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る高圧金属蒸気放電ランプとして、メタルハライドランプの概略を示す正面図、図2は図1中の矢印a−a線に沿う切断面の概略を示す端面図、図3は図1中の外管バルブ内に配設した発光管部分を示す拡大断面正面図、図4は図1中の外管バルブ内に配設した紫外線放射始動素子を示す拡大正面図である。
【0036】
この図1に示すメタルハライドランプLは、外管バルブ1の一端部に封止されたステム2から導出した一対の内導線2a,2bの一方に長尺の給電部材3aを、他方に短尺の給電部材3bを接続するとともに長尺の給電部材3aの中間部の上下に設けたサポート部材4a,4bに発光管5、紫外線放射始動素子7およびこの発光管5と紫外線放射始動素子7とを囲繞した耐熱透光性中空管8の端部を支持させた構造となっている。
【0037】
これら各部分を詳述すると、外管バルブ1はホウケイ酸ガラスなどの透光性の硬質ガラスからなる直管形(T形)をなし、図示下部側の略半球状に閉塞されたトップ部11および上部側のネック部12を有し、このネック部12側にはステム2との封止部(図示しない。)が形成され、この封止部を覆ってE形の口金10が取付けられている。
【0038】
発光管5は図3に拡大して示すように、略球状をしている膨出部52の両端に連続的な曲面によって繋った小径筒状部53a,53bを連設したアルミナ製の透光性セラミックス製の放電容器を形成する発光管バルブ51を備え、この発光管バルブ51の小径筒状部53a,53bの先端内を貫通して、電極6A,6Bに接続したニオブなどからなる線状の導入導体63,63が耐熱性シール剤64,64により気密に封止られた上下対称構造をしている。
【0039】
上記導入導体63,63は、発光管バルブ51外に導出した外導体部66と、この外導体部66を小径筒状部53a,53b内に延長した部位においてモリブデン線を巻回したコイル状部65とからなる。また、上記各電極6A,6Bはコイル状部65を介し互いに突合せ溶接し、先端側を膨出部52側に臨ませたタングステン線からなる電極軸62およびこの電極軸62の先端にタングステン細線を巻装したコイル状電極61から構成されている。
【0040】
なお、上記コイル状部65は小径筒状部53a,53b内を貫通する電極軸62と小径筒状部53a,53b内壁面との隙間が大きい場合に形成されたもので、細線からなるコイルを巻装して隙間を0.1mm以下と小さくしてあり、このコイルの外側面が小径筒状部53a,53bの内面と接触していてもよい。また、上記電極軸62の先端のコイル状電極61は必須のものではなく、電極軸62の先端が電極作用を行うものであってもよい。
【0041】
また、この発光管5のバルブ51内には、放電媒体としてたとえばアルゴンArなどを含む始動および緩衝ガスならびに発光金属としてよう化ナトリウム、よう化タリウム、よう化インジウムおよびよう化ツリウムなどの金属ハロゲン化物と水銀とが封入されている。
【0042】
耐熱透光性中空管8は、石英ガラスからなる上下端部が開口した円筒形状をなし、発光管5の周囲を所定の間隔を隔て囲繞しているともに少なくとも発光管バルブ51の内端部を覆う長さで配設されている。
【0043】
ステム2の内導線2a,2bに接続して外管バルブ1内に延在する給電部材3a、3bは、モリブデンやステンレスなどからなる線状や板状をなし、一方の長尺の給電部材3aは発光管5から導出した外導体部66と接続しているとともに中間部の上下においてサポート部材4a,4bが取り付けられている。また、他方の給電部材3bは、発光管5から導出した外導体部66と接続している。また、これら給電部材3a,3bには、ゲッター40などを取付けることもできる。
【0044】
サポート部材4a,4bは、ステンレスや鉄−ニッケル合金などからなる薄板をスパイダー状や円板状に打ち抜き形成した、たとえば中央に透孔41が設けられた円環状のランド42の周囲に複数のレグ部43,44,…,45,…,46(ここでは一部図示されてないものもあるがレグ部43が各1か所、レグ部44,45が略等角度で各3か所、レグ部46が1〜3か所)を有し、これらレグ部43,44,…,45,…,46,…を上方、下方や側方などに折曲げたり抱持させることによって上記発光管5、紫外線放射始動素子7および耐熱透光性中空管8を支持することができる。
【0045】
すなわち、サポート部材4a,4bは、外管バルブ1軸に対し直交する状態となるよう各レグ部43を長尺の給電部材3aの中間部の上下に固定され、発光管5両端の小径筒状部53a,53bがサポート部材4a,4b中央の透孔41に緩通してある。
【0046】
また、サポート部材4a,4bに設けられた複数のレグ部44,…の平坦面と中空管8の端面とが当接して、中空管8は上下両端面を挟む状態で支持されているとともにこれら複数のレグ部44,…の先端側は中空管8と離れる方向に傾斜して折り曲げられ外管バルブ1の内壁面と弾性的に当接している。また、複数のレグ部45,…は中空管8内の方向に折り曲げられ中空管8の内壁面と弾性的に当接している。
【0047】
また、外管バルブ1のトップ部11側に位置するサポート部材4aに設けられたレグ部46が発光管5軸に沿うよう折曲げられ小径筒状部53aから延出した導入導体63と接続固定され、また、ネック部12側に位置するサポート部材4bに設けられた3か所のレグ部46,…(一部は図示されていない。)は透孔41に遊通された小径筒状部53bを中心軸上に位置するよう外側より押圧してる。
【0048】
紫外線放射始動素子はエンハンサ7であって、図4に拡大して示すように石英ガラスからなる紫外線透過性の気密バルブ71の端部に形成した封止部72内にモリブデン線などからなる封着線兼用のリード線73が気密封止され、気密バルブ71の紫外線放射部75内においてモリブデンなどからなる箔状や線状の内部導電部材を構成する電極74が接続してあり、バルブ71外に導出したリード線73を上記他方の給電部材3bに接続している。また、この気密バルブ71内にはアルゴンなどの希ガスが封入されている。
【0049】
このエンハンサ7は、気密バルブ71の電極74側の紫外線放射部75が中空管8内に臨むとともに発光管5軸にほぼ沿って配設され、気密バルブ71の外周部に金属薄板で形成した帯状の保持部材を兼ねる外部導電部材76を巻回抱持させるとともにその端部を上記給電部材3aに接続固定している。なお、この外部導電部材76は導電線を螺旋状に複数回巻回することにより形成してもよい。
【0050】
外管バルブ1内における発光管5、エンハンサ7および中空管8は、上述したような構成で給電部材3a,3bやサポート部材4a,4bに支持固定または電気的な接続がなされるが、外管バルブ1内壁面や中空管8壁面、小径筒状部53bの外周面に弾性当接するレグ部44,…,45,…,46,…によりランプ(外管バルブ)軸のほぼ中心軸上に保持されるとともに多少の振動や衝撃が加わってもこれを緩和して発光管5などの損傷を防ぐことができる。
【0051】
なお、各レグ部44,…,45,…,46,…など他の部品と弾性当接する部分には、半球状や屈曲状などの凸部を形成しておいてもよい。また、給電部材3a,3b、サポート部材4a,4bや導電部材など相互の接続や固定は、溶接、ろう付けやかしめなどの手段で行うことができ、また、内導線2a,2b、給電部材3a,3bや導電部材などは格別に設けず、長さや配設方向を変えるなどのことで兼用することにより部材点数を減らすことは構わない。
【0052】
そして、図1に示す高圧金属蒸気放電ランプLは、直管(T形)の外管バルブ1内に発光管5を収容した二重管構造のメタルハライドランプLとして、鉛直や水平状態あるいは傾斜状態で点灯される。
【0053】
このメタルハライドランプLの口金10部をソケットに装着して、電源から安定器などを有する点灯回路装置(図示しない。)を介し通電される。
【0054】
この点灯回路装置としては、矩形波点灯回路装置またはチョークコイル式やトランス式などの磁気励起方式の安定器点灯回路装置を用い点灯させることができる。たとえば高圧放電ランプを点灯周波数が100Hz〜1kHzの矩形波で、かつ、安定器からの2次開放電圧が150〜400Vで点灯することができる。
【0055】
点灯回路装置に接続された放電ランプLは、始動時、口金10の端子部(図示しない。)に電気的に並列接続した内導線2a(2b)−給電部材3a・サポート部材4a(3b)−外導体部66(66)−導入導体63(63)を介し発光管5内にある電極6Aと電極6Bおよび内導線2a(2b)−給電部材3a(3b)−外部導電部材76(リード線73)を介しエンハンサ7の電極(内部導電部材)74に高圧パルス電圧が印加される。
【0056】
この電圧の印加によって、発光管5内にある電極6A,6B間に比べインピーダンスの低いエンハンサ7の内部導電部材を構成する電極74と外部導電部材76間に放電が生起する。この放電によりエンハンサ7内に紫外線が発生するとともにこの気密バルブ71の紫外線放射部75を透過して外部に紫外線が放射され、発光管5内の電極6A,6Bを照射する。
【0057】
本発明においては、発光管5に近接してエンハンサ7が配設されているので、電極6A,6Bに向かう紫外線放射量を多くでき、また、このとき発光管5軸方向などや中空管8方向に向かい中空管8壁面で反射した紫外線が他方の電極2Bにも到達して両電極6A,6Bへの紫外線照射量を従来より増加できる。
【0058】
そして、両電極6A,6B間の放電が促進されて、発光管5を約2〜4秒(従来に比べ約20〜70%短縮)の極めて短時間のうちに容易に始動するとともに、その後は安定した点灯を持続させることができる。
【0059】
すなわち、発光管5の放電空間内に存在する電極6A,6Bに、電極構成金属の仕事関数以上のエネルギをもつ紫外線が照射された場合、電極6A,6B表面から電子が放出され、この初期電子数が増加して放電を生起し易くできる。
【0060】
なお、放電が両電極6A,6B間へと移行すればこの電極6A,6B間のインピーダンスが下がり、エンハンサ7の電極を形成する内部導電部材74と外部導電部材76との間のインピーダンスの方が高くなってエンハンサ7内の放電が停止する。
【0061】
このように、本発明の高圧金属蒸気放電ランプLは、エンハンサ7からなる紫外線放射始動素子を中空管8内の発光管5の電極6A,6Bに近接して配設したことで、始動時、発光管5内における初期電子数が増加される結果、放電の生起がし易くなるとともに確実となり、ランプLの始動に要する時間の短縮がはかれる始動特性の向上した放電ランプLを提供できる。
【0062】
また、この放電ランプは外管バルブ1とステム2との封止が行われるが、中空管8内に紫外線放射始動素子7を配設したことにより、封止の際の加熱バーナなどによる紫外線放射始動素子7の昇温が低減される結果、紫外線放射始動素子7が熱劣化して所定の紫外線放射を行わないなどの事態を防止できる。
【0063】
また、万一、発光管バルブ51が破損し部材の破片が飛散しても、発光管5をの周囲を囲繞して中空管6を設けたことにより、これを阻止ないしは衝撃を緩和して外管バルブ1に及ぶ応力を低減できて、外管バルブ1の破損を防止して安全上も大いに寄与できる。
【0064】
さらに、このランプLは発光管5に近接するとともに周囲を囲繞して配設した中空管8によって発光管5の放熱が遮蔽されるため、発光管バルブ51をさらに昇温することができる。すなわち、この温度上昇は発光管バルブ51の全体に及び最冷部を形成する内端部の電極6A,6Bの根元部をも昇温するので、バルブ51内に封入された発光金属が蒸発して蒸気圧を高め発光効率や演色性などの特性を向上した高圧金属蒸気放電ランプLを提供できる。
【実施例1】
【0065】
実施例1のランプは図1に示すとほぼ同構成の定格電力が100Wのメタルハライドランプで、T形をなす外管バルブ1は肉厚が約1〜3mm、外径が約40mm、封止部からトップ部11までの長さが約115mm、口金10を含む全長が約140mmである。
【0066】
この外管バルブ1内に封装された発光管5は図3に示すとほぼ同構成のアルミナからなるバルブ51の膨出部52の外径が約11.1mm、膨出部52全長が約16.5mm、各小径筒状部53a,53bの外径が約2.6mm、長さが約14.8mm、全長が約46.0mm、内(空間)容積が約0.6ccで形成され、内部の電極2A,2B先端間距離が約7mm、内部に放電媒体としてNa−Tl−In−Tmのハロゲン化物を約4.0mg、水銀を約11.0mg、アルゴンArを約26.7kPa封入してある。
【0067】
また、この発光管5の周囲を囲繞する中空管8は石英ガラスからなる外径が約24mm、肉厚が約1.0mm、全長が約34mmの円筒状をなしている。
【0068】
また、紫外線放射始動素子を構成するエンハンサ7は図4に示すとほぼ同構成で、外径が約4mm、内径が約2mm、全長が約20mm、紫外線放射部75の長さが約10mmの略円筒状をした石英ガラスからなる紫外線透過性の気密バルブ71端部の封止部72内に外径約0.75mmのモリブデン線からなる封着線兼用のリード線73を気密封止している。
【0069】
また、気密バルブ71内には幅約1.5mm、厚さ約30μm、長さ約8mmのモリブデンからなる箔状の内部導電部材を構成する電極74が接続してあり、この電極74に接続したリード線73をバルブ71外に導出している。また、この気密バルブ71内にはアルゴンなどの希ガスが約1300Paの圧力で封入されている。また、この気密バルブ71の外周部に厚さ約0.3mmのステンレスからなる帯状薄板の保持部材を兼ねる外部導電部材76を巻回抱持させ給電部材3aに接続固定している。
【0070】
給電部材3a,3bは外径が約2.0mmのステンレス線が用いられている。また、外管バルブ1内において上記発光管5、中空管8およびエンハンサ7を支持する一対のサポート部材4a,4bは外形がほぼ同形でステンレスなどからなる厚さが約0.3mmの薄板をプレスなどで打抜き加工した外径が約30mmでレグ部間には隙間(空間)が形成してあるスパイダー形をし、この隙間から上記エンハンサ7の紫外線放射部75側が中空管8内に位置するよう取り付け放電ランプLを構成した。
【0071】
このような構成の放電ランプLは、エンハンサ7を発光管5の電極6A,6Bに近接して配設したことで、始動時、発光管5内における初期電子数が増加される結果、放電の生起がし易くなり、ランプLの始動に要する時間の短縮がはかれた。
【0072】
なお、本発明者等の実験によれば、上記と同構成の定格電力が20〜150W、口金を含むランプ全長が約100〜150mmの小形低電力化がはかられる高圧放電ランプにおいて、中空管内の発光管の電極と近接してエンハンサなどの紫外線放射始動素子を位置させることにより、始動特性を向上できた。
【0073】
また、上記実施例1の放電ランプと同定格、同構成の定格電力が100Wのランプにおいて、中空管8の端面からエンハンサ7の紫外線放射部75側の頂部までの高さと、発光管5内の電極6Aの先端部までの高さとの関係を規制することによって、好ましい始動特性が得られることが分かった。
【0074】
すなわち、中空管8の端面からエンハンサ7(紫外線放射部75側)頂部までの高さUと、中空管8の端面から発光管5内のエンハンサ7に近接した電極6Aの先端までの高さDとの比率U/Dを0を含まない0〜1の範囲とすることによって始動時間の短縮がはかれた。
【0075】
図5はこの比率を変化させた場合のグラフで、横軸は中空管8の端面からエンハンサ7頂部までの高さUと、発光管5内の近接した電極6A先端までの高さDとの比率U/Dを、また、縦軸はランプの始動(電源投入から発光管のアーク発生まで)に要した時間(秒)を対比させてあり、この比率U/Dが0より小さいときはエンハンサ7が中空管8内に存在していないことで電極6Aへの紫外線照射量が少なく始動に長時間を要し好ましくない。
【0076】
また、比率U/Dが1を超えると始動時間に変化はみられず、発光管5からの放射光をエンハンサ7が遮蔽したり発光管5にエンハンサ7が近付き過ぎて温度上昇を招きエンハンサ7の封止部にリークを生じるなどの損傷を与えたりするなどの不具合があって好ましくない。
【0077】
また、図6は本発明に係わる高圧金属蒸気放電ランプLを装着した店舗照明用などの照明器具9の実施の形態の概略を示す縦断面図である。
【0078】
この図6の照明器具(ダウンライト)9は、筐体91の内部上方に設けられた基台92にソケット93が取着されているとともに内部に金属板製の円錐形状をして内面に反射面が形成された反射笠94が固定され、上記ソケット93に放電ランプLの口金10が装着されることによりランプLの保持と電気的な接続がなされる。
【0079】
この照明器具9は、たとえば百貨店などの天井面などに筐体91が反射笠94の開口部側を下方に向けて取付けられ、電源スイッチを入れることにより電源から点灯回路装置(図示しない。)、ソケット93を介して放電ランプLに通電される。
【0080】
そして、この反射笠94内で口金10側を上方(ヘースアップ)にした垂直状態にあるランプLが点灯されると、ランプLからの可視光は反射面で反射され、あるいは直接に開口部を透過して、被照射物である下方の商品、催場や通路などを照射して所定の照度を得ることができる。
【0081】
したがって、上記高圧金属蒸気放電ランプLを用いた本発明の実施の形態に係わる照明器具9は、始動特性の向上した放電ランプLを用いているので、従来の器具よりランプLを短時間のうちに点灯して所望の照明が行えるとともに安全性が向上できるので、器具の開口部に強化ガラスや金網などからなる飛散防止用の保護カバー部材などの配設を省くことが可能な照明器具9を提供できる。
【0082】
なお、この実施の形態では上記筐体91、基台92、ソケット93、反射笠94などで器具本体を構成しているが、必要でない場合は一部部材が省略されたりあるいは前面カバーなどを含み器具本体を構成しても差し支えない。また、ランプLの点灯回路装置や電源スイッチなどは器具本体とは別の所に設けられていても、筐体91内などに納められていてもよい。
【0083】
なお、本発明は上記実施の形態に限らない。たとえば放電容器である発光管バルブを形成する材料は、アルミニウム酸化物(アルミナ)などからなるセラミックスを用いているが、発光特性、耐熱性、耐蝕性や電気絶縁性などを満足できるイットリウム−アルミニウム−ガーネットの酸化物、イットリウム酸化物、アルミニウム窒化物、ルビーやサファイアなどからなる透光性セラミックスを用いても、あるいは放電ランプの種類によっては石英ガラス、ホウケイ酸ガラスやアルミノシリケートガラスなどの酸化ケイ素を主成分とする耐熱透光性高シリカガラスであってもよい。
【0084】
発光管バルブは円筒形、長円形、球形などの単一形状や複合形状したものからなる。発光管バルブの端部に形成される封止部の形態はセラミックスの場合は接着剤の充填、ディスクやキャップを焼嵌めたり接着剤による封止を採用することができ、また、ガラスの場合は金属箔や金属線などの導入導体をバルブ端部内に圧潰封止やシュリンク(焼き絞り)封止などで封止することができる。
【0085】
また、発光管内に設けられる電極は、少なくとも一対であって、補助電極の有無は問わない。また、この発光管バルブ内に封入される放電媒体としては、水銀、発光金属、ハロゲンや希ガスなどがランプ種類、用途や特性などに応じて適宜選択して用いることができる。
【0086】
また、中空管は、上記発光管バルブと同様な耐熱透光性の材料を用いることができ、その形状は円筒形状をなしている。この中空管の肉厚は、1.0〜3.0mm程度の範囲のもので、中空管を二重管としてもよい。
【0087】
この中空管の強度を高める手段として、中空管の外周に耐熱性のセラミックスなどの無機繊維からなる線状やメッシュ状の補強体を巻装することにより対応させることができる。また、中空管の表面に蛍光体膜、光拡散膜、紫外線を反射や吸収する遮断膜などの被膜あるいは光拡散用の凹凸面などを形成しても差支えない。
【0088】
また、給電部材に固定されて上記発光管およびこの発光管を囲繞した中空管の両端部を支持するサポート部材は、ステンレスなどの金属薄板やセラミックス板などでスパイダー状や円板状に成型され、切起片や凹凸部で発光管や中空管を固定係止する形状であればよく、中空管の端面を完全に覆うより隙間(空間部)を有することによって発光管軸方向への光放射が行えるとともに紫外線放射始動素子の設置や支持するのにも活用できる。
【0089】
また、金属部材からなるサポート部材は、発光管内の電極や紫外線放射始動素子の導電部材への給電部材として使われ電位がかかっていても、発光管バルブや紫外線放射始動素子の導電部材と電気的に隔離された電位がかからない構成であってもよい。
【0090】
また、発光管の支持は、バルブ端部またはこの端部から導出した外部導入導体を、サポート部材または給電部材に直接固定させてもよく、その固定手段は帯状のバンド部材を用いたり溶接、ろう付けやかしめなどにより行うことができる。
【0091】
また、紫外線放射源をなす始動素子は、エンハンサやグロースタータ(点灯管)などからなり、200nm〜460nmの波長の少な<とも一部を透過する石英ガラスやホウケイ酸ガラスなどの硬質ガラス、紫外線透過性の軟質ガラスあるいはセラミックなどの紫外線透過性のバルブが用いられ、バルブ内にはアルゴンガスまたはアルゴンガスと水銀などの放電媒体ならびに内部導電部材が封装されていて、グロー放電の際に紫外線を放出するものである。
【0092】
エンハンサの内部導電部材は、導電性および耐熱性を備えたモリブデンやタングステンなどの金属であってもあるいは内部の不純ガスを吸収するゲッタ機能を兼ねるタンタルなどを用いることができる。また、導電部材の形状および形態は、棒状、箔状やコイル状などであって、封止部を貫通した導入線と接続していてもあるいは導入線を有さず容器外部と誘電的に接続されるものであってもよい。
【0093】
また、外部導電部材は、鉄−ニッケル合金、鉄−ニッケル−クロム合金、ニッケル、銅やニオブなどの金属からなる線状や薄板(箔)状のもので、紫外線放射始動素子のバルブの外周面に巻き付ける形で設置され、内部導電部材と容量結合している。
【0094】
そして、この紫外線放射始動素子の配置は、上記実施の形態では発光管に近接並行して設けたが、発光管に対し傾斜やほぼ直交して設けられていてもよい。また、紫外線放射始動素子の配置は、図1においてネック部12側のサポート部材4bの近傍に設けたが、トップ部11側のサポート部材4aの近傍に設けてもあるいは上下の両サポート部材4a,4bの近傍の複数箇所に設けてもよい。
【0095】
要するに紫外線放射部が発光管内の電極と近接対面していればよく、たとえばエンハンサの場合は発光管内の電極より遠方にバルブの封止部側が、また、グロースタータの場合はエミッタ物質の付着の多いトップ側を遠方にして配設するのが好ましい。
【0096】
また、外管バルブは、石英ガラスまたはホウケイ酸ガラスやアルミノシリケートガラスなどの硬質ガラスあるいはソーダーライムガラスなどの軟質ガラスでもって、その形状をA形、A形、AP形、B形、BT形やED形などに形成したものを用いることができる。
【0097】
また、この外管バルブの内部は、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気あるいは真空雰囲気としてある。すなわち、外管バルブ内に不活性ガスまたは窒素ガスを低圧封入するか真空雰囲気とすることにより、点灯時に高温となる発光管構成部材、サポート部材やステム構成部材の酸化などを防止するとともにランプの再始動時間を短縮したり、万一の外管バルブ破損時の破裂を防止できる。
【0098】
本発明が適用できる高圧金属蒸気放電ランプは、たとえば、メタルハライドランプ、ショートアークメタルハライドランプや高圧水銀ランプなどで発光管が外管バルブ内に封装された二重管などの多重管構造をしている。また、放電ランプの点灯姿勢は水平、鉛直はもちろん傾斜した姿勢であってもよい。
【0099】
さらに、本発明が適用できる照明器具は、反射鏡、透光性カバーやレンズなどの部材を有していても構わず、また、点灯回路装置の設置は器具内であっても器具外であってもよい。
【0100】
さらにまた、照明器具は高圧放電ランプの発光を何らかの目的で用いるあらゆる器具を含む広い概念である。たとえば百貨店、店舗、劇場、ホール、地下街、広場、オフィスや工場などの照明用はもちろん移動体用前照灯、光ファイバー用光源、画像投射用、光化学用、指紋判別用などに適用して、好ましい始動特性および発光特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の金属蒸気高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)の実施の形態を示す概略正面図である。
【図2】図1中の矢印a−a線に沿った切断面の概略を示す断面図である。
【図3】図1中の外管バルブ内に配設した発光管部分を示す拡大断面正面図である。
【図4】図1中の外管バルブ内に配設した紫外線放射始動素子(エンハンサ)を示す拡大正面図である。
【図5】横軸は中空管の端面からエンハンサ頂部までの高さUと、発光管内の近接した電極までの高さDとの比率U/Dを、縦軸はランプの始動に要した時間(秒)を対比させたグラフである。
【図6】本発明の実施の形態に示す金属蒸気高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)を装着した照明器具の概略を示す正面図である。
【符号の説明】
【0102】
L:金属蒸気高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)
1:外管バルブ
3a,3b:給電部材
4a,4b:サポート部材
5:発光管
51:発光管バルブ(放電容器)
6A,6B:電極
63:導入導体
7:紫外線放射始動素子(エンハンサ)
8:耐熱透光性中空管
9:照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐熱透光性の発光管バルブ内に導入導体を介して一対の電極が封装されるとともに放電媒体が封入された発光管と;
この発光管の周囲を囲繞するように配設された耐熱透光性部材からなる円筒状の中空管と;
この発光管および中空管の両端部を支持するサポート部材と;
上記発光管の導入導体と接続した給電部材と;
上記サポート部材または給電部材に支持されるとともに上記中空管内に少なくとも一部が臨むように配設された紫外線放射始動素子と;
上記発光管、中空管、紫外線放射始動素子、サポート部材および給電部材を収容した外管バルブと;
を具備していることを特徴とする高圧金属蒸気放電ランプ。
【請求項2】
上記放電ランプの全長が150mm以下であるとともに上記中空管端面から内方に臨ませた紫外線放射始動素子の先端までの長さUと、この紫外線放射始動素子配設側の中空管端面から発光管内の電極先端までの長さDとの関係が0<U/D≦1であることを特徴とする請求項1に記載の高圧金属蒸気放電ランプ。
【請求項3】
紫外線放射始動素子がエンハンサまたはグロースタータであることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧金属蒸気放電ランプ。
【請求項4】
中空管が、少なくとも発光管バルブの内端部を覆う長さを有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の高圧金属蒸気放電ランプ。
【請求項5】
器具本体と;
この器具本体内に配設された上記請求項1ないし4のいずれか一に記載の高圧金属蒸気放電ランプと;
この高圧金属蒸気放電ランプに接続した点灯回路装置と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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