高密度記憶媒体アプリケーションのための多次元符合化方法
記憶媒体における記憶のために二次元でランダムビットストリームを符合化するための方法を提供する。ランダムビットストリームは、所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて、分離している複数のパルスによりランダムビットストリームを表す、一定の振幅で、パルス幅が変化している、VAC符合化を生成するように可変アパーチャ符合化(VAC)を用いて符合化される(3310)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、信号符合化に関し、特に、高密度記憶媒体アプリケーションのための多次元符合化に関する。
【背景技術】
【0002】
既に、数十億ドル規模の産業であるにも拘らず、ディジタル記録産業は、更なる記憶に対する殆ど飽くことのない貪欲さが大きくなり続けているため、将来も尚も拡大することが見込まれる。この拡大は、例えば、ディジタルコンパクトディスク(CD)によりアナログロングプレイ(LP)ディスクを置き換えることによりオーディオ産業において起こってきたように、ディジタルシステムの方向への着実な動きにより、部分的に刺激される。ディジタルディスク記録システムは磁気記録及び光記憶を有し、後者は、主に、読み出し専用アプリケーションのためのものである。光又は磁気に拘らず、継続中の研究の主な目的の1つは、単位面積当たりのビットについての単位面積当たりの密度を増加させることである。
【0003】
殆どの記録システムに対する変調符号については、シンボル間干渉(ISI)の減少により線形密度を増加させることに焦点を当てている。記憶密度における更なる増加は、トラック幅を減少させること及びトラック密度を増加させることにより利用可能である可能性が高い。しかしながら、これは、不所望のトラック間干渉と信号対ノイズ比(SNR)の低下とを結果としてもたらす。その結果、典型的な磁気記録システムの線形対トラック密度比は、ほんの25対1のみである。リードヘッドと隣接トラックデータとの間で起こるヘッドアライメントずれ又はサイドリーディング(クロストーク)はITIをもたらす。これは、高性能な信号処理技術を用いる一方、マルチトラックヘッドと同時に幾つかの隣接トラックを読み出すことにより低減されることができる重大なノイズ源として認知されてきた。二次元ランレングス制限(d,k)変調符号を用いることにより、マルチトラックを並行して読み出すことの付加的有利点を得ることができる。それらの有利点は、トラックに沿って、タイミング制約kを緩和することにより記憶容量を増加させる手段として、近年、非常に注目を集めている。タイミング回復は、それ故、多くのトラックにおいて取得された情報からの結合方式において達成される。
【0004】
今日、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又は任意のドライブ等の媒体の記憶容量は、ヘッド、媒体及び書き込み技術の状態により制限されている。連続した媒体は、最もよいコストメトリクスを用いて、記憶空間を増加させる最もよい機会を与える。媒体記憶におけるイライラさせる問題点の1つは、上書きの問題のために、500乃至800Kbpiを上回る遷移磁束変化を操作する磁気媒体の能力がないことである。
【0005】
符合化並びに他の方法及び装置は、その遷移数を減少させるために提案されてきた。しかしながら、そのような既存の装置全ては、1つ又はそれ以上の欠点を有している。例えば、アナログ−ディジタル変換(ADC)を用いるピーク検出方法により、遷移の検出を実行することができ、それにより、電力消費が増加するため、その方法はマイクロドライブ及び他の携帯型媒体アプリケーションには望ましくない。更に、遷移当たり1.3ビットの現在の容量における改善に対する重大な空きが存在する。
【0006】
新しい垂直記録技術に伴うマルチヘッド及びマルチトラックの組み合わせは、記録媒体の容量を増加させるために用いられてきた。それらの方式は高価であり、一般に、垂直記録システムにおいて用いられる新しい媒体の特性及び増加したヘッド数のために、信頼性の問題に陥る。
【0007】
従って、従来技術についての上記の問題点を克服することができる高密度記憶媒体のアプリケーションについての符合化方法及び装置を実現することは有利であり、待望されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術の上記問題点及び他の関連する問題点は、高密度記憶媒体のアプリケーションのための多次元符合化方法及び装置を提供する本発明により解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の特徴に従って、記憶媒体における記憶に対して二次元でランダムビットストリームを符合化する方法を提供する。ランダムビットストリームは、所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離された複数のパルスによりランダムビットストリームを表す、一定振幅でパルス幅が変化するVAC符合化を生成するように、可変アパーチャ符合化(VAC)を用いて符合化される。
【0010】
本発明の他の特徴に従って、記憶媒体においてランダムビットストリームを記憶する方法を提供する。ランダムビットストリームは、所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離された複数のパルスを有する、一定振幅でパルス幅が変化するVAC符合化により表される。VAC符合化は、記憶媒体における記憶のためのデータチャネルに沿って送信される。
【0011】
本発明の上記の及び他の特徴、機能及び優位性については、以下の、添付図面を参照する好適な実施形態の詳述から、理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、高密度記憶媒体アプリケーションのための多次元符合化方法及び装置について提供する。本発明は、磁束遷移数を減少させるために多次元(幅)を利用する符合化のための方法及び装置を提供する。可変アパーチャ符合化(VAC)ベースのチャネルは、VAC符合化が可変T間隔を有する2乃至8個の特徴的な遷移ポイントを示すようにVAC符合化を実行する点で、従来の部分応答最大尤度(PRML)チャネルとは異なり、これにより、シンボル間干渉(ISI)関連問題を回避することができる。遷移当たり1.3bitの現在の容量は、遷移当たり4bitまで、次第に改善され、記憶容量の著しい改善が可能となる。更に、アナログ−ディジタル変換(ADC)を伴わないピーク検出方法により検出が実行されるため、VACベースのハードディスクドライブ(HDD)は、消費電力が低いため、マイクロドライブ及び他の携帯型媒体アプリケーションに対して望ましいものとなる。
【0013】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊用途プロセッサ又はそれらの組み合わせの種々の形態で実施されることが可能であることが理解できる。好適には、本発明は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実施される。更に、ソフトウェアは、好適には、プログラム記憶装置において具体的に具現化されるアプリケーションプログラムとして実施される。アプリケーションプログラムは、何れの適切なアーキテクチャから構成される装置により実行され、それによりアップロードされることが可能である。好適には、その装置は、1つ又はそれ以上の中央演算処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入力/出力(I/O)インタフェースのようなハードウェアを使用して、コンピュータプラットホームにおいて実施される。コンピュータプラットホームは又、オペレーティングシステム及びマイクロインストラクションコードを有する。以下、説明する種々のプロセス及び機能は、マイクとインストラクションコードの一部であるか又はオペレーティングシステムにより実行されるアプリケーションプログラム一部(又は、それらの組み合わせ)である。更に、種々の他の周辺装置が、付加データ記憶装置及び印刷装置のようなコンピュータプラットホームに接続されることが可能である。
【0014】
添付図面に示しているシステムの構成要素及び方法の段階の一部はソフトウェアにおいて実施されるため、システムの構成要素(又はプロセス段階)間の実際の接続は、本発明がプログラムされる方式に依存して異なり得ることが更に理解できる。以下に説明することにより、当業者は、本発明の実施形態又は構成に類似する実施形態又は構成を検討することができる。
【0015】
可変アパーチャ符号化は、何れのランダムディジタルビットストリームに対する帯域幅効率(bit/秒/Hz)を非常に減少させることができるディジタルバイフェーズ符号の新しいクラスである。“R”が情報信号のレートである場合、VAC符合化方法は、直交周波数分割多重方式(OFDM)、直交振幅変調方式(L−QAM)又は多重移送シフトキーイング方式(MPSK)のような高次変調スキームの殆どの場合のように、遷移密度を減少させないが、少なくともビットレートのR/9倍の帯域幅に高密度に集中したパワースペクトル密度から構成される。非VAC符合化方法は、信号を成功裏に復号化させるために、少なくとも“R”の帯域幅を必要とする。VAC信号の狭い占有帯域幅のために、記憶装置における容量の増加は、二倍に容量を増加させる及び/又は遷移間のインタバルに導入された直交VACビットストリームを有する、ダイビット符合化VACの導入により可能である。インチ当たりのトラック数を増加させるために、代替のトラックを直交VACストリームにおいて実行することができる。隣接書き込みドメインに少しのリークをもたらす、狭いパワースペクトル密度(PSD)フットプリントのために及び隣接トラックにおける信号直交性から導き出されたトラック間干渉の減少のために、トラック間距離を減少させることが又、可能である。長手記録/光記録は二次元埋め込みプロセスであり、スピンドル速度は一定であるとみなされるため、空間化又は時間において信号への付加次元を付加することなく、容量を増加させることは可能ではない。VACは時間領域を変えることにより付加次元を与えるため、垂直記録方式は、空間において付加次元を与えることにより容量を増加させる。その結果、VACシンボルの幅が変化し、それらVACシンボルの幅は、オリジナルのデータストリームにおける種々の信号遷移を順に表す。
【0016】
効率的な符合化及び変調方法を用いることは、面積当たりの密度を改善するための他の方法であり、面積については、何れの主導的な研究グループよっても大々的に研究されてきていない。拡張された部分応答最大尤度(EPRML)及びその派生は、磁気媒体における遷移数を減少させることに加えて、最小反復可能フットプリントを有する磁気材料における遷移を改善することのみが可能である。しかしながら、PRMLを用いると、最も近い遷移は1Tの距離において、尚も、起こることが可能であり、これは、ISI及びITI関連の問題に関する制限をもたらす。VACと結合したPRMLは、遷移密度を減少させる一方、純粋なPRML符合化チャネルに対して遷移当たりのビット数を改善する。現在の媒体及びヘッド技術の状態を与える場合、全ての遷移に対する“マルチビット重み”を割り当てることにより容量を増加させることが可能である。
【0017】
VACは、ディジタル通信アプリケーションにおける送信帯域幅を最小化させるように、元々設計されたものである。本発明においては、HDD及び他の記憶装置産業における記憶容量を増加させるために役立つようにVACを使用する。
【0018】
1つの遷移から次の遷移へのオリジナルのデータ持続時間にマークを付けるために、1及び0がディスクに記憶される方法は、ディスクに遷移パルスを記録することである。遷移間の距離(ディスクが一定スピードでスピンすることを仮定する持続時間に変換することができる)は、入力信号のそのビットの持続時間である。これは、実際には、ディスクに書き込むための簡単な且つ直接的な方法である。しかしながら、連続的遷移の持続時間の差は、読み出しプロセスの信頼性が低くなるようにシンボル間干渉を生じさせる程多く変化する。更に、記録密度を増加させるにつれ、このシンボル間干渉は重大な問題になる。その結果、幾つかの符合化スキームは、読み出し動作中のデータ回復に関連するシンボル間干渉及び他の問題のために、読み出しエラーを補正するために用いられた。これらの符合化スキームは、特定の1及び0の組み合わせ(パターン)がシンボル間干渉を最小化する基本的概念を有している。そのプロセスは、非常に多くのビットに対して、連続する1及び0の最大数が所定のパターンに適合しなければならないような、ある数式に基づいている。殆どの場合、付加の0は、この符合化の要求に適合するように入力列に付加される。例として、入力信号の1000個の1及び0は、それらがディスクに書き込まれるにつれて、1400個の1及び0になる。このオーバーヘッドにおける40%の増加は、実際には、信頼性の低い読み出し動作を克服するために冗長トラックを生成する程、は悪くない。
【0019】
PRMLは、記憶容量を増加させ及び読み出し信頼性を向上させるために又、重要である。しかしながら、そのPRMLは、チャネル符合化スキームに尚も依存する一方、PRMLの読み出し信頼性はピーク検出方法より非常に良好であり、オーバーヘッドは尚も存在している。
【0020】
ここで、本発明に対応し、本発明について例示する実験について、説明することにする。遷移ノイズの影響を有するHDDチャネルに対するVAC信号検出の実行可能性を確認するために、それらの実験を実行した。遷移を検出するために、ピーク検出を採用した。勿論、本発明の範囲及び主旨を維持しながら、他の方法を又、採用することが可能である。VAC信号の検出におけるアパーチャの影響を研究するために、それらの実験を更に実行した。より広いアパーチャを有するVAC信号はより容易に検出されることができることが予測される。更に、VACのピーク検出が読み出しチャネルにおいてアナログ−ディジタル変換(ADC)を伴わないで実行するために、それらの実験を実行した。
【0021】
2つの主段階においてテストを実行した。第1に、HDDチャネルから取り出された実験データを用いた。それらのデータのパターンは、VAC符合化のアパーチャ変化を反映した“3−6−9”、“4−6−8”及び“5−6−7”である。シンボルレートは50Mbpsである。第2に、実験データは、検出器/復号化器への入力として及びVAC信号検出の実行可能性を示すために用いられた。
【0022】
実験データは、次のようなパターンであって:(1)80回の6Tの繰り返しが送られる;(2)200回の好ましいデータパターン(例えば、3−6−9又は4−6−8等)の繰り返しが送られる;及び(3)6Tは、300MHzのクロック、2Gs/secの取得レート及びサイズが27kbであるように切り捨てられたデータを有する;パターンに従う。
【0023】
図1は、例示としての本発明の実施形態に従って、可変アパーチャ符合化(VAC)に対する検出器/復号化器回路100を示すブロック図である。検出器/復号化器回路100は、ローパスフィルタ110、非線形モジュール120、ピーク検出器130、ジッタ除去器140、ハードリミッタ150及びパルス整形器160を有する。
【0024】
ローパスフィルタ110は、信号再構成のための必要な情報(例えば、データファイル199)を保持し、ノイズであって、特に取得されたデータからのディジタルデータをフィルタリングにより除去する。非線形モジュール120は、ローパスフィルタの出力に非線形性を適用する。適用された非線形性量はシミュレーションの結果により決定された。フィルタリングされるパルスを細くさせるために、適切な非線形性量を適用した。ピーク検出器130は、前処理した信号のピークを検出する。ジッタ除去器140は、エラーを減少させるために所望のパルス間のジッタを除去する。ハードリミッタ150は検出された信号を“0−1”値化パルストレインに変換する。パルス整形器160は、変化する幅を有するオリジナルのVAC矩形状波形にパルストレインを変換して戻す。
【0025】
図2は、例示としての本発明の実施形態に従った、図1のローパスフィルタ110の特性200を示す図である。混乱を回避するために、周波数全ては、−π乃至πの範囲内のディジタル周波数に変換されることは注目に値する。それらをアナログ周波数に変換するためには、データレート、クロックレート、サンプリングレート、及び実験プロセス中に生じさせることが可能である何れの他の周波数変換レートを知る必要がある。
【0026】
又、ローパスフィルタ110は、入力信号パターンに基づいて調節されることに留意する必要がある。これは、異なるデータパターンが信号において異なる最大周波数をもたらすためである。ローパスフィルタ110は、周波数変化に適応するために調節される必要がある。
【0027】
ここで、上記の実験に対応するテスト結果について説明する。
【0028】
これまで、“3−6−9”データパターン、“4−6−8”データパターン及び“5−6−7”データパターンが連続的に復号化された。シミュレーションは次のような結果であって:(1)VAC信号は上記条件の下で検出可能である;及び、(2)より広いアパーチャを有するVAC信号は検出がより容易である;結果を確認した。
【0029】
ここで、例示としての本発明の実施形態に従って、3−6−9符合化パターンの検出について、説明する。3−6−9符合化パターンの検出の結果については、図3乃至6を参照して説明する。
【0030】
図3A及び3Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された3−6−9データ波形300と対応するスペクトル350とをそれぞれ示している。図3Aの波形の前半部分は6Tの反復を示しており、その波形の後半部分は“3−6−9”パターンを示している。順に、信号を何れのフィルタリングを伴わないで検出し難くする多くのディジタルノイズを信号が含むことが、スペクトルと波形の両方から観測される。
【0031】
図4A及び4Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、フィルタリング後の図3Aの取得された3−6−9データ波形のフィルタリングされたバージョン400と対応するスペクトル450とをそれぞれ示す図である。フィルタリングされた信号400は “よりきれい”であり、ピーク検出に対してより適切であることが理解できる。図4Aに示す波形は、図1のローパスフィルタ110及び非線形モジュールの処理後の信号300である。
【0032】
図5A及び5Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、図4Aのフィルタリング信号400のジッタ除去された及びハードリミットされたバージョン500と、ピーク検出された信号のジッタ除去された及びハードリミットされたバージョン550とをそれぞれ示す図である。図5Bに示す信号550はオリジナルの信号のピークを忠実に表していることが理解できる。パルス間の幅は異なるが、それらの距離は“3−6−9”のパルス距離に適合していることが又、観測される。信号500及び550は、図1のジッタ除去器140及びハードリミッタ150の両方により処理されたものである。
【0033】
図6A及び6Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、ピーク検出された信号のパルス整形バージョン600と復号化された信号のパルス整形バージョン650とをそれぞれ示す図である。再構成(復号化)信号は、遷移が復号化パルスに対応する矩形状VAC信号である。3種類の特徴的な幅については、再構成信号において観測することができる。
【0034】
検出のためのサンプリングレートに依存して、検出窓を、正確な位置に遷移を“引き寄せる”ために用いることが可能であることに留意する必要がある。例えば、サンプリングレートが5サンプル/bitである場合、次のような検出窓を用いることができる。
(1) 2つのパルス間のカウント数が25個のサンプル数より大きい場合、“3T”の判定がなされる(性能を改善するために、3Tは15個のサンプルを有し、10個のサンプルのマージンが与えられることに留意されたい)。
(2) 2つのパルス間のカウント数が35個のサンプル数より大きい場合、“9T”の判定がなされる(性能を改善するために、9Tは45個のサンプルを有し、10個のサンプルのマージンが与えられることに留意されたい)。
(3) カウント数が26個と34個の間のサンプル数である場合、“6T”の判定がなされる(6Tは30個のサンプルを有することに留意されたい)。
【0035】
エラー特性は、上記の概念に基づいて考慮された。検出された信号中にエラーは見つけられなかった。(注意:全く最初のビット及び列の最後における数ビットにおいてエラーが起こった。しかしながら、それらのエラーは、データ取得プロセス及びフィルタリングプロセス間にもたらされたものであり、検出方法によりもたらされたものではない。)
ここで、例示としての本発明の実施形態に従って、4−6−8符合化パターンの検出について説明する。4−6−8符合化パターンの検出の結果について、図7乃至10を参照して説明する。その検出プロセスは、3−6−9符合化パターンのための検出プロセスと同様である。その違いは、用いられるフィルタがより狭い帯域幅(図8Bから理解できるように、信号のフィルタリングスペクトル)を有することである。このことは、このパターンにおける最大周波数は3−6−9符合化パターンにおける最大周波数より小さいために、理解できる。
【0036】
図7A及び7Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、取得された4−6−8データ波形700と対応するスペクトル750とをそれぞれ示す図である。この4−6−8符合化パターンにおいては、復号化信号において3つのエラーが見つけられた。シンボルエラーレート(SER)は、次のように規定される。即ち、
(SER)=(エラーにおけるシンボル数)/(全シンボル数)
であって、ここで、1つのシンボルは所定パターンにおける1つの遷移を表す。これは次のようなSERに対応する。即ち、
SER=3(エラー)/650(比較シンボル)=4.6*10−3
である。エラーフロアは1*10−3であることに留意されたい。更に、1つのシンボルエラーは現在ビットとエラーの状態にある隣接ビットとをもたらすことに留意されたい。それ故、1つのビットエラーは少なくとも2つのビットエラーに変換される。従って、上記のSERは、次のようなビットエラーレート(BER)に変換される。即ち、
BER=[3(シンボル)*2(エラーbit/シンボル)]/(650*6bit)=1.5*10−3
である。テストパターン全てにおいて用いられた全シンボル数は680シンボルであることに留意されたい。これらは、80回の6Tの反復と、200回ずつの特定パターン3−6−9、4−6−8又は5−6−7の反復を含む。データ取得エラー及びフィルタリングエラー(フィルタのエッジ)のために、650のシンボルのみが、シンボルエラーを演算するときに比較のために用いられる。平均シンボルエラーは6bit/シンボルであるため、テストパターンにおいて用いられる全ビット数は680*6=4080bitである。更に、ビットエラーを演算するために用いられるビット数は650*6=3900bitである。
【0037】
例示としての本発明の実施形態に従って、図8A及び8Bは、図7Aの取得された4−6−8データ波形700のフィルタリングされたバージョン800と対応するスペクトル850とをそれぞれ示す図である。図8Aに示す波形800は、図1のローパスフィルタ110及び非線形モジュール120による処理後の信号700である。
【0038】
例示としての本発明の実施形態に従って、図9A及び9Bは、図8Aのフィルタリングされた信号のジッタ除去及びハードリミットされたバージョン900とピーク検出された信号のジッタ除去及びハードリミットされたバージョン950とをそれぞれ示す図である。信号900及び950は、図1のジッタ除去器140及びハードリミッタ150の両方により処理されたものである。
【0039】
例示としての本発明の実施形態に従って、図10A及び10Bは、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン1000と復号化された信号のパルス整形されたバージョン1050とをそれぞれ示す図である。
【0040】
ここで、例示としての本発明の実施形態に従って、5−6−7符合化パターンの検出について説明する。5−6−7符合化パターンの検出結果を、図11乃至14を参照して説明する。5−6−7符合化パターンの検出プロセスは、他のパターンに関して上で説明した検出プロセスト同様である。即ち、
SER=7(シンボルエラー)/650(シンボル)=1.08*10−2
BER=14(エラーbit/シンボル)/3900(bit)=3.6*10−3
である。
【0041】
例示としての本発明の実施形態に従って、図11A及び11Bは、取得された5−6−7データ波形1100と対応するスペクトル1150とをそれぞれ示す図である。
【0042】
例示としての本発明の実施形態に従って、図12A及び12Bは、図11Aの取得されたデータ波形1100のフィルタリングされたバージョン1200と対応するスペクトル1250とをそれぞれ示す図である。図12Aに示す波形1100は、図1のローパスフィルタ110及び非線形モジュール120による処理後の信号1100である。
例示としての本発明の実施形態に従って、図13A及び13Bは、図12Aのフィルタリングされた信号のジッタ除去及びハードリミットされたバージョン1300とピーク検出された信号のジッタ除去及びハードリミットされたバージョン1350とをそれぞれ示す図である。信号1300及び1350は、図1のジッタ除去器140及びハードリミッタ150の両方により処理されたものである。
【0043】
例示としての本発明の実施形態に従って、図14A及び14Bは、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン1400と復号化された信号のパルス整形されたバージョン1450とをそれぞれ示す図である。
【0044】
上記のテストは、VAC符合化を用いて、HDDにおいて50Mのシンボルレートで3つの特徴的な幅のシンボルを検出する能力を確立した。実行されたそれらのテストにおいては、小から大への遷移においては“3T”の幅が与えられ、大から小への遷移においては“9T”の幅が与えられ、変化がない場合は、“6T”の幅が割り当てられた。1秒当たり50Mのレート(50Mbps)を実現するために、データは300MHzにおいてクロックされた。進行させるために、100Mbps及びそれ以上のデータレートに増加させるように取ることができる3つの方法がある。
【0045】
第1の方法においては、クロックレートは300MHzに保持されるが、次のような新しい符合化ルールを採用する。生データを2bitのバイトにグループ化する。4つの可能な組み合わせ、即ち、00、01、10及び11が存在する。オリジナルの生データストリームから2bitのバイトの各々に次のような幅を割り当てる。即ち、
01−−−“3T”
10−−−“9T”
である。
【0046】
“3T”後の“6T”は“11”を表し、“3T”後の“5T”は生データストリームにおいて “00”を表す。 “9T”後の“6T”は“00”を表し、“9T”後の“5T”は生データストリームにおいて“11”を表す。300MHzのクロック速度を用いると、1つのシンボルレートは50Mシンボル/secである。しかしながら、検出された全ての幅に対して、生データの2bitが検出される。それ故、集合体生データレートは、ここでは、50MシンボルX2bit=100Mbpsである。
【0047】
遷移密度に関しては、500kbiの現在の限界を上回ることはない。
【0048】
時間の持続時間(ディスクにおける距離)に関しては、次のような比較がなされる。3−5/6−9スキームを有するVACの場合における“T”の平均シンボル幅は(3T+9T)/2=6Tである。300MHzのクロックレートを用いる場合、T=3.3nsecである。それ故、ディスクにおける遷移間の平均の時間の持続時間は6X3.333nsec=19.99nsecである。各々のシンボルは生データの2bitを表すため、100MbpsにおいてPRMLシステムに非常に近い、19.99nsecの平均インタバルにおいて生データの2bitを出力し、ここで、生データの各々のビットは10nsecを占めている。
【0049】
100Mbps及びそれ以上にデータレートを増加させる第2の方法においては、クロックレートは300MHzに保たれるが、次のような新しい符合化ルールが採用される。2/3(1,α)符号を用いて入力生データストリームを符合化する。この符合化プロセスにおいては、3つの2bitワードと4つの4bitワードとが存在する。有効なワードの組み合わせ及び幅について、表1に示す。
【0050】
【表1】
300MHzのクロック速度を用いると、シンボルレートは、尚も、50Mシンボル/secのままである。しかしながら、検出された全ての幅に対しては、生データの2−4
bitが復号化される。遷移密度に関しては、VACが(3T+9T)/2=6Tである場合に、“T”の平均シンボル幅として、500kbpiにおける現在の限界を上回ることはない。
【0051】
時間の持続時間(ディスクにおける距離)に関しては、次のような比較がなされる。300MHzのクロックレートを用いる場合、T=3.33nsecである。コラムAにおけるデータの22bit全てを送りたいと仮定する。対応する幅は全部で42Tであり、時間の全持続時間は42X3.3nsec=140nsecである。100MbpsにおけるPRMLベースのシステムは、同じ情報の22bitを送るための時間に相当する22X10nsec=220nsecを必要とする。VACベースのシステムは、100MbpsにおいてPRMLシステムに対して220/140=1.57倍の改善を提供する。
【0052】
100Mbps及びそれ以上にデータレートを増加させる第3の方法においては、クロックレートは600MHzに増加されるが、次のような新しい符合化ルールが採用される。生データを4bitのバイトにグループ化する。16個の有効な組み合わせ、即ち、8個の一意のパターン及び8個の補間パターンが存在する。表2に示すように、オリジナルの生データストリームから4bitのバイトの各々に次のような幅が割り当てられる。
【0053】
【表2】
コラムA又はBにおける何れの列の後の“12T”は、次の4bitのブロックの反復パターンを示す。コラムAかBのどちらかから列が選択される。しかしながら、2つ又はそれ以上の4bitワードが同じコラムAからのものである場合、“1”が、同じコラムにおける2個、4個、6個又は8個毎の選択後の前に付加される必要があり、結果として得られる4bitワードは幅を割り当てられる必要がある。“1”を付加することにより、4bitワードは、コラムAから、シンボルが負極性を有するコラムBに移動する。これは、隣接シンボル間の極性の交代を確実にするため及びシンボルに対する正確な極性を確実にするためになされる。同様な方式で、コラムBにおいて連続的な列を選択する必要がある場合、代替として、“0”が、同じコラムにおける2個、4個、6個又は8個毎の選択に付加される必要がある。“0”の付加はコラムAにそのワードを入れ、ここで、シンボルは正極性を有する。データ送信の終了時に、付加“1”及び“0”の挿入ポイントを示すルックアップテーブルが送られ、そのルックアップテーブルは、順番にビットを配列させるために復号化器により用いられる。
【0054】
遷移密度の点で、シンボルレートは、500kbpiの現在のフラックス反転限界の範囲内にあるように、観測されることができる。持続時間(ディスクにおける距離)の点では、次の比較がなされる。VACの場合の“T”の平均シンボル幅は(8T+6T)/2=12Tである。600MHzのクロックレートを用いると、T=1.6666nsecである。それ故、ディスクにおける遷移間の平均持続時間は12X1.6666nsec=19.999nsecである。各々のシンボルは生データの4bitを表すため、19.99nsecの平均インタバルにおける生データの4bitを出力し、それは、100MbpsにおいてPRMLシステムのレートの2倍である。上記のアーキテクチャを有するVACは、200Mbpsのデータレート(50Mシンボル/secX4bit)を支援することができる。
【0055】
列3−6−9、5−6−7及び4−6−8の成功裏の検出は、VACがHDDにおいて機能することができる、3つの異なる方法を確立する。3−6−9検出は最良のBER特性を有する。5−6−7列の検出は、検出における有害な影響を伴わずに、パルスをパッキングすることが可能である最近接空間を決定するようにする。VAC信号の後処理は、パワーの効率的な検出スキームを有効にする、アナログ−ディジタル変換(ADC)を有しないアーキテクチャを用いて実行される。
【0056】
図15は、例示としての本発明の実施形態に従って、復号化波形3100のプロットを示す図である。そのプロットにおいては、X軸は経過時間を表し、Y軸は検出波形の振幅を表す。そのプロットが対応するシミュレーションにおいては、3−6−9波形を用いた。“D”とマーキングされた部分は“6”の波形全てから構成される。3−6−9波形を導入する前に、“6”全ての約500bitが、DCオフセットを安定化させるために送られる。3−6−9波形は、振幅変化をはっきりと示し、この変化はISIの破壊的影響のためである。
【0057】
VAC復調信号の検出においては、検出される信号は全波整流を受け、それにより、負のピークは折り返される。C^とA(9から3への遷移)との間の幅W1は、W1の幅を表す。ISIの影響はピークAに対してははっきりしたものではなく、それ故、A1とラベリングされた振幅を有する。次の幅W2は、AとBとの間(3から6への遷移)のピーク分離である。BにおけるISIの影響はA1より小さい振幅を形成することである。Bの振幅をA2と表す。同様に、BとCとの間の遷移は幅W3を生成する。振幅CはBより小さく、A3で表されている。
【0058】
PRMLタイプの検出器を用いることにより、正確な決定をなすように3つの振幅と3つの幅の組み合わせを得ることを容易に推測することができる。振幅は非常に小さく、割り当てられたスロットにおいてCを検出する必要がないため、エラー補正は容易である。振幅が何ら検出されない場合、その振幅は自動的に“C”であると結論付けられる。
【0059】
その処理においては、シンボルを正確に復号化するために、振幅と幅の組み合わせが用いられる。振幅のみを観測し、予測される幅を復号化することが又、可能である。VACの復調処理においては、シンボルの幅は復号化データを決定する上で重要であるため、振幅情報は、復調されたVACデータストリームを与えるように、直接マッピングされることができる。
【0060】
送信器における符合化データストリームの操作により受信器における変化している振幅を同期化するための能力は特に重要である。光記録媒体に適用されるとき、永続的な装置の強度を変えることにより種々のピット深さを有するように、幅W1、W2及びW3を形成することができる。ピット深さを、D1、D2及びD3であるように設計する。ここで、9つの組み合わせ、即ち、D1、D2及びD3とW1、D1、D2及びD3とW2及びD1、D2及びD3とW3、の組み合わせを有する。これらの組み合わせについて、図16に示す。図16は、本発明の例示としての実施形態に従って、波形3210に対する種々の符合化の組み合わせ3200を模式的に示している。従って、W及びDの組み合わせを選択することにより、3bit/シンボルにおいて入力データストリームを符合化することができる。この結果を外挿することにより、ブルーレーザを用いる必要なく、通常、4.7Gbのみを記憶することができるのに比べて大きい、標準的DVDにおける15Gbの情報を記憶するこの方法を用いることができる。更に幅及び深さを有することにより、高レベルの帯域幅効率が実現可能である。
【0061】
HDTVの記憶容量の要求を満足するために、光ディスクの両側において2層記憶が提案されてきた。しかし、そのような戦略は製造コストを著しく増加させる一方、データ転送レートを向上させることはない。
【0062】
本発明は、ここで、ピット深さ変調という、新規な光符合化技術を提案する。その光符合化技術は、レッドレーザ技術を使用するときでさえ、ディスクの一方側のみの1層記録を有するHDTVを支援する。更に、転送レートは記憶容量に正比例し、非常に重要であることに、その新規な符合化技術は、既存のCD/DVD製造ラインに容易に組み込まれることができる。
【0063】
高密度化技術を可能にするブルーレーザに注目して、将来のDVDシステムに対して多くの提案がなされている。しかしながら、120mmのDVDディスクに対する製造の許容範囲は、既に極めて厳しいものとなっている。ブルーレーザは、確かに複合化された技術であって、許容される品質基準に適合するためには、新しいマスタリング及び複製装置を必要とする。このような新たな設備投資でさえ、HDTV性能及び容量の要求に適合するには十分ではない。
【0064】
DVDドライブの容量は、レーザのスポットサイズの減少に比例する因子により増加する。それ故、短い410nmの波長を有する、念願のブルーレーザにおいては、635nmの波長のレッドレーザを使用する類似するDVDドライブに対して2.4倍(635nm/410nm)だけ記憶容量を増加させることが見込まれているが、それは、DVDドライブ、即ち、ブルーレーザを内部に有するDVDドライブでさえ、HDTV(少なくとも、一方側、1層ディスクを用いない)の記憶要求を満足することができないことを意味している。今日のDVD仕様に基づいて、ブルーレーザが、現在、利用可能であると仮定すると、HDTVの要求を満足するためには、2層が必要である。更に、既存のレッドレーザ、両側、4層ディスクを使用することが要求される。これらの解決方法の両方は、エンドユーザ及び製造に対する欠点を有している。2層ディスクは、機能薄膜を収めるために反転させることが必要である。2層符合化は、製造サイクルタイムに重要であるように付加される付加プロセス段階を必要とする。
【0065】
現在の読み出し専用光システムの限界は、固定された深さ及び可変長の“ピット”にデータストリームをプレスする(press)ピット長符合化方法の結果である。データは、“ピット”か又は“ランド”領域のどちらかの2値化出力を検出する光電セルを用いて読み出される。ピット深さ変調は、対照的に、実質的に、データスとリーム記録に対する三次元の方法である。ピット深さ変調を用いる光ドライブは、高解像度映像の2プラス時間又は少なくともデータの15Gbを支援することができる一方、HDTVに対するGrand Proposal proposalにおいて規定されている19Mbit/secのデータ転送の要求に適合している。
【0066】
更に、この仕様は、レッドレーザ(635nm/650nm)ダイオードを用いて適合されることができる。勿論、短い波長のレーザは、付加的利点を与えるが、この符合化技術を用いるHDTV対応ドライブの製造についての必要条件ではない。DVD製造装置において設備投資をした製造業者にとって、特に重要なポイントは、新しい符合化技術がベンチのマスタリングに対して比較的小さい変更のみを必要とすることである。又、許容サイクルタイムの範囲内で新しい媒体を製造するために、既存の複製装置を用いることが可能である。
【0067】
現在のDVD装置のレーザ及びとラックピッチ仕様に基づいて、固定長さ、可変深さデータピットを用いる光装置は、HDTVの要求を容易に満足することができる。更に精細にピット深さを変調することにより及び個々のピットの長さを短くすることにより、データ容量及び転送速度を更に改善することができる。前者は、マスタリングプロセスを改善することにより達成することができる。
【0068】
従来の光システムにおいては、データスとリームは、可変長で固定長のピット(上部)においてディスクにプレスされる。本発明に従った方法においては、ピット深さは固定ピット長の範囲内で変化する。
【0069】
現在のCD及びDVDプレーヤは、リーダ応答が本質的に正弦波であるため、1/4波長より深いピット間で区別することができない。ピット深さをゼロから1/4波長まで増加させるにつれて、ディスクから反射される光は最大値から最小値まで減少する。それ故、代替の読み出し方法であって、ピット深さが1/4波長を上回るときに最小にならない、読み出し方法が必要である。
【0070】
ピットは、通常は、性能を改善するために、短くされる。しかしながら、ピットが短すぎる場合、隣接ピットからの信号は互いに干渉する。このシンボル間干渉は、ピット深さへの僅かな調節によりマスタリングプロセスにおいて、予め補正されることができる。シンボル間干渉は、レーザ読み出しスポットより小さいピットから生じる。レーザスポットがピットに集中するとき、回折光は、対象のピットばかりでなく、隣接するピットによって影響される。名目上の深さ(その量及び方向は隣接ピットの深さに依存する)から上下させて各々のピットを僅かに調節することにより、リーダは、隣接ピットから独立した特定の深さのピットに対して同じ電気的応答を生成するようにされる。実際には、各々のリーダヘッドの設計は、レーザスポットの性質で僅かに変えられ、それ故、シンボル間干渉に対する補正が、マスタリング段階及び読み出し段階両方において行われること(即ち、前補正及び後補正)が必要である。後補正は、ピット深さを変えることによるシンボル間干渉の知識に基づいて、データ信号を均等化する又は適切にフィルタリングするためにディジタル信号処理技術を用いることによりディスクリーダにおいて達成されることができる。
【0071】
図17は、本発明の例示としての実施形態に従って、記憶媒体にランダムビットストリームを記憶するための方法を示すフロー図である。
【0072】
所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅は、記憶媒体の所定の記憶領域における遷移当たりのビット数を増加させるために、及び/又は、VAC符合化において実行されるピーク検出動作中にVAC符合化のビットエラーレート(BER)を減少させるために、記憶媒体からVAC符合化の読み出し動作中に、トラック間干渉(ITI)及び/又はシンボル間干渉(ISI)を減少させるための能力に基づいて選択される(段階3305)。
【0073】
ランダムビットストリームは、所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離される複数のパルスを有する、一定振幅でパルス幅が変化するVAC符合化により表される(段階3310)。
【0074】
VAC符合化は、記憶媒体における記憶のためのデータチャネルに沿って送信される(段階(3320)。記憶媒体における記憶のために、VAC符合化のパルス間インタバル内で、データチャネルに沿って符合化される他のVACを送信する手順を、段階3320が含むことが可能であることを理解することができる(段階3325)。
【0075】
例示としての実施形態は、添付図面を参照して、上記のように説明したが、本発明は上記のまさにそれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、当業者により種々の他の変化及び変形が実行可能であることが、理解されるであろう。そのような変化及び変形全ては、同時提出の特許請求の範囲により規定されている本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の例示としての実施形態に従った、可変アパーチャ符合化(VAC)のための検出器/符号化器回路100のブロック図である。
【図2】本発明の例示としての実施形態に従った、図1のローパスフィルタ110の特性200を示す図である。
【図3A】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された3−6−9データ波形300を示す図である。
【図3B】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された3−6−9データ波形300に対応するスペクトル350を示す図である。
【図4A】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された3−6−9データ波形300のフィルタリングされたバージョン400を示す図である。
【図4B】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された3−6−9データ波形300のフィルタリングされたバージョン400に対応するスペクトル450を示す図である。
【図5A】本発明の例示としての実施形態に従った、図4Aのフィルタリングされた信号400のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン500を示す図である。
【図5B】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン550を示す図である。
【図6A】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン600を示す図である。
【図6B】本発明の例示としての実施形態に従った、復号化された信号のパルス整形されたバージョン650を示す図である。
【図7A】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された4−6−8データ波形700を示す図である。
【図7B】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された4−6−8データ波形700に対応するスペクトル750を示す図である。
【図8A】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された4−6−8データ波形700のフィルタリングされたバージョン800を示す図である。
【図8B】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された4−6−8データ波形700のフィルタリングされたバージョン800に対応するスペクトル850を示す図である。
【図9A】本発明の例示としての実施形態に従った、図8Aのフィルタリングされた信号800のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン900を示す図である。
【図9B】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン950を示す図である。
【図10A】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン1000を示す図である。
【図10B】本発明の例示としての実施形態に従った、復号化された信号のパルス整形されたバージョン1050を示す図である。
【図11A】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された5−6−7データ波形1100を示す図である。
【図11B】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された5−6−7データ波形1100に対応するスペクトル1150を示す図である。
【図12A】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された5−6−7データ波形1100のフィルタリングされたバージョン1200を示す図である。
【図12B】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された5−6−7データ波形1100のフィルタリングされたバージョン1200に対応するスペクトル1250を示す図である。
【図13A】本発明の例示としての実施形態に従った、図12Aのフィルタリングされた信号1200のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン1300を示す図である。
【図13B】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン1350を示す図である。
【図14A】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン1400を示す図である。
【図14B】本発明の例示としての実施形態に従った、復号化された信号のパルス整形されたバージョン1450を示す図である。
【図15】本発明の例示としての実施形態に従った、復号化された波形3100のプロットを示す図である。
【図16】本発明の例示としての実施形態に従った、波形3210に対する種々の符合化の組み合わせ3200を示す図である。
【図17】本発明の例示としての実施形態に従った、記憶媒体にランダムビットストリームを記憶させるための方法を示すフロー図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、信号符合化に関し、特に、高密度記憶媒体アプリケーションのための多次元符合化に関する。
【背景技術】
【0002】
既に、数十億ドル規模の産業であるにも拘らず、ディジタル記録産業は、更なる記憶に対する殆ど飽くことのない貪欲さが大きくなり続けているため、将来も尚も拡大することが見込まれる。この拡大は、例えば、ディジタルコンパクトディスク(CD)によりアナログロングプレイ(LP)ディスクを置き換えることによりオーディオ産業において起こってきたように、ディジタルシステムの方向への着実な動きにより、部分的に刺激される。ディジタルディスク記録システムは磁気記録及び光記憶を有し、後者は、主に、読み出し専用アプリケーションのためのものである。光又は磁気に拘らず、継続中の研究の主な目的の1つは、単位面積当たりのビットについての単位面積当たりの密度を増加させることである。
【0003】
殆どの記録システムに対する変調符号については、シンボル間干渉(ISI)の減少により線形密度を増加させることに焦点を当てている。記憶密度における更なる増加は、トラック幅を減少させること及びトラック密度を増加させることにより利用可能である可能性が高い。しかしながら、これは、不所望のトラック間干渉と信号対ノイズ比(SNR)の低下とを結果としてもたらす。その結果、典型的な磁気記録システムの線形対トラック密度比は、ほんの25対1のみである。リードヘッドと隣接トラックデータとの間で起こるヘッドアライメントずれ又はサイドリーディング(クロストーク)はITIをもたらす。これは、高性能な信号処理技術を用いる一方、マルチトラックヘッドと同時に幾つかの隣接トラックを読み出すことにより低減されることができる重大なノイズ源として認知されてきた。二次元ランレングス制限(d,k)変調符号を用いることにより、マルチトラックを並行して読み出すことの付加的有利点を得ることができる。それらの有利点は、トラックに沿って、タイミング制約kを緩和することにより記憶容量を増加させる手段として、近年、非常に注目を集めている。タイミング回復は、それ故、多くのトラックにおいて取得された情報からの結合方式において達成される。
【0004】
今日、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又は任意のドライブ等の媒体の記憶容量は、ヘッド、媒体及び書き込み技術の状態により制限されている。連続した媒体は、最もよいコストメトリクスを用いて、記憶空間を増加させる最もよい機会を与える。媒体記憶におけるイライラさせる問題点の1つは、上書きの問題のために、500乃至800Kbpiを上回る遷移磁束変化を操作する磁気媒体の能力がないことである。
【0005】
符合化並びに他の方法及び装置は、その遷移数を減少させるために提案されてきた。しかしながら、そのような既存の装置全ては、1つ又はそれ以上の欠点を有している。例えば、アナログ−ディジタル変換(ADC)を用いるピーク検出方法により、遷移の検出を実行することができ、それにより、電力消費が増加するため、その方法はマイクロドライブ及び他の携帯型媒体アプリケーションには望ましくない。更に、遷移当たり1.3ビットの現在の容量における改善に対する重大な空きが存在する。
【0006】
新しい垂直記録技術に伴うマルチヘッド及びマルチトラックの組み合わせは、記録媒体の容量を増加させるために用いられてきた。それらの方式は高価であり、一般に、垂直記録システムにおいて用いられる新しい媒体の特性及び増加したヘッド数のために、信頼性の問題に陥る。
【0007】
従って、従来技術についての上記の問題点を克服することができる高密度記憶媒体のアプリケーションについての符合化方法及び装置を実現することは有利であり、待望されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術の上記問題点及び他の関連する問題点は、高密度記憶媒体のアプリケーションのための多次元符合化方法及び装置を提供する本発明により解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の特徴に従って、記憶媒体における記憶に対して二次元でランダムビットストリームを符合化する方法を提供する。ランダムビットストリームは、所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離された複数のパルスによりランダムビットストリームを表す、一定振幅でパルス幅が変化するVAC符合化を生成するように、可変アパーチャ符合化(VAC)を用いて符合化される。
【0010】
本発明の他の特徴に従って、記憶媒体においてランダムビットストリームを記憶する方法を提供する。ランダムビットストリームは、所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離された複数のパルスを有する、一定振幅でパルス幅が変化するVAC符合化により表される。VAC符合化は、記憶媒体における記憶のためのデータチャネルに沿って送信される。
【0011】
本発明の上記の及び他の特徴、機能及び優位性については、以下の、添付図面を参照する好適な実施形態の詳述から、理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、高密度記憶媒体アプリケーションのための多次元符合化方法及び装置について提供する。本発明は、磁束遷移数を減少させるために多次元(幅)を利用する符合化のための方法及び装置を提供する。可変アパーチャ符合化(VAC)ベースのチャネルは、VAC符合化が可変T間隔を有する2乃至8個の特徴的な遷移ポイントを示すようにVAC符合化を実行する点で、従来の部分応答最大尤度(PRML)チャネルとは異なり、これにより、シンボル間干渉(ISI)関連問題を回避することができる。遷移当たり1.3bitの現在の容量は、遷移当たり4bitまで、次第に改善され、記憶容量の著しい改善が可能となる。更に、アナログ−ディジタル変換(ADC)を伴わないピーク検出方法により検出が実行されるため、VACベースのハードディスクドライブ(HDD)は、消費電力が低いため、マイクロドライブ及び他の携帯型媒体アプリケーションに対して望ましいものとなる。
【0013】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊用途プロセッサ又はそれらの組み合わせの種々の形態で実施されることが可能であることが理解できる。好適には、本発明は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実施される。更に、ソフトウェアは、好適には、プログラム記憶装置において具体的に具現化されるアプリケーションプログラムとして実施される。アプリケーションプログラムは、何れの適切なアーキテクチャから構成される装置により実行され、それによりアップロードされることが可能である。好適には、その装置は、1つ又はそれ以上の中央演算処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入力/出力(I/O)インタフェースのようなハードウェアを使用して、コンピュータプラットホームにおいて実施される。コンピュータプラットホームは又、オペレーティングシステム及びマイクロインストラクションコードを有する。以下、説明する種々のプロセス及び機能は、マイクとインストラクションコードの一部であるか又はオペレーティングシステムにより実行されるアプリケーションプログラム一部(又は、それらの組み合わせ)である。更に、種々の他の周辺装置が、付加データ記憶装置及び印刷装置のようなコンピュータプラットホームに接続されることが可能である。
【0014】
添付図面に示しているシステムの構成要素及び方法の段階の一部はソフトウェアにおいて実施されるため、システムの構成要素(又はプロセス段階)間の実際の接続は、本発明がプログラムされる方式に依存して異なり得ることが更に理解できる。以下に説明することにより、当業者は、本発明の実施形態又は構成に類似する実施形態又は構成を検討することができる。
【0015】
可変アパーチャ符号化は、何れのランダムディジタルビットストリームに対する帯域幅効率(bit/秒/Hz)を非常に減少させることができるディジタルバイフェーズ符号の新しいクラスである。“R”が情報信号のレートである場合、VAC符合化方法は、直交周波数分割多重方式(OFDM)、直交振幅変調方式(L−QAM)又は多重移送シフトキーイング方式(MPSK)のような高次変調スキームの殆どの場合のように、遷移密度を減少させないが、少なくともビットレートのR/9倍の帯域幅に高密度に集中したパワースペクトル密度から構成される。非VAC符合化方法は、信号を成功裏に復号化させるために、少なくとも“R”の帯域幅を必要とする。VAC信号の狭い占有帯域幅のために、記憶装置における容量の増加は、二倍に容量を増加させる及び/又は遷移間のインタバルに導入された直交VACビットストリームを有する、ダイビット符合化VACの導入により可能である。インチ当たりのトラック数を増加させるために、代替のトラックを直交VACストリームにおいて実行することができる。隣接書き込みドメインに少しのリークをもたらす、狭いパワースペクトル密度(PSD)フットプリントのために及び隣接トラックにおける信号直交性から導き出されたトラック間干渉の減少のために、トラック間距離を減少させることが又、可能である。長手記録/光記録は二次元埋め込みプロセスであり、スピンドル速度は一定であるとみなされるため、空間化又は時間において信号への付加次元を付加することなく、容量を増加させることは可能ではない。VACは時間領域を変えることにより付加次元を与えるため、垂直記録方式は、空間において付加次元を与えることにより容量を増加させる。その結果、VACシンボルの幅が変化し、それらVACシンボルの幅は、オリジナルのデータストリームにおける種々の信号遷移を順に表す。
【0016】
効率的な符合化及び変調方法を用いることは、面積当たりの密度を改善するための他の方法であり、面積については、何れの主導的な研究グループよっても大々的に研究されてきていない。拡張された部分応答最大尤度(EPRML)及びその派生は、磁気媒体における遷移数を減少させることに加えて、最小反復可能フットプリントを有する磁気材料における遷移を改善することのみが可能である。しかしながら、PRMLを用いると、最も近い遷移は1Tの距離において、尚も、起こることが可能であり、これは、ISI及びITI関連の問題に関する制限をもたらす。VACと結合したPRMLは、遷移密度を減少させる一方、純粋なPRML符合化チャネルに対して遷移当たりのビット数を改善する。現在の媒体及びヘッド技術の状態を与える場合、全ての遷移に対する“マルチビット重み”を割り当てることにより容量を増加させることが可能である。
【0017】
VACは、ディジタル通信アプリケーションにおける送信帯域幅を最小化させるように、元々設計されたものである。本発明においては、HDD及び他の記憶装置産業における記憶容量を増加させるために役立つようにVACを使用する。
【0018】
1つの遷移から次の遷移へのオリジナルのデータ持続時間にマークを付けるために、1及び0がディスクに記憶される方法は、ディスクに遷移パルスを記録することである。遷移間の距離(ディスクが一定スピードでスピンすることを仮定する持続時間に変換することができる)は、入力信号のそのビットの持続時間である。これは、実際には、ディスクに書き込むための簡単な且つ直接的な方法である。しかしながら、連続的遷移の持続時間の差は、読み出しプロセスの信頼性が低くなるようにシンボル間干渉を生じさせる程多く変化する。更に、記録密度を増加させるにつれ、このシンボル間干渉は重大な問題になる。その結果、幾つかの符合化スキームは、読み出し動作中のデータ回復に関連するシンボル間干渉及び他の問題のために、読み出しエラーを補正するために用いられた。これらの符合化スキームは、特定の1及び0の組み合わせ(パターン)がシンボル間干渉を最小化する基本的概念を有している。そのプロセスは、非常に多くのビットに対して、連続する1及び0の最大数が所定のパターンに適合しなければならないような、ある数式に基づいている。殆どの場合、付加の0は、この符合化の要求に適合するように入力列に付加される。例として、入力信号の1000個の1及び0は、それらがディスクに書き込まれるにつれて、1400個の1及び0になる。このオーバーヘッドにおける40%の増加は、実際には、信頼性の低い読み出し動作を克服するために冗長トラックを生成する程、は悪くない。
【0019】
PRMLは、記憶容量を増加させ及び読み出し信頼性を向上させるために又、重要である。しかしながら、そのPRMLは、チャネル符合化スキームに尚も依存する一方、PRMLの読み出し信頼性はピーク検出方法より非常に良好であり、オーバーヘッドは尚も存在している。
【0020】
ここで、本発明に対応し、本発明について例示する実験について、説明することにする。遷移ノイズの影響を有するHDDチャネルに対するVAC信号検出の実行可能性を確認するために、それらの実験を実行した。遷移を検出するために、ピーク検出を採用した。勿論、本発明の範囲及び主旨を維持しながら、他の方法を又、採用することが可能である。VAC信号の検出におけるアパーチャの影響を研究するために、それらの実験を更に実行した。より広いアパーチャを有するVAC信号はより容易に検出されることができることが予測される。更に、VACのピーク検出が読み出しチャネルにおいてアナログ−ディジタル変換(ADC)を伴わないで実行するために、それらの実験を実行した。
【0021】
2つの主段階においてテストを実行した。第1に、HDDチャネルから取り出された実験データを用いた。それらのデータのパターンは、VAC符合化のアパーチャ変化を反映した“3−6−9”、“4−6−8”及び“5−6−7”である。シンボルレートは50Mbpsである。第2に、実験データは、検出器/復号化器への入力として及びVAC信号検出の実行可能性を示すために用いられた。
【0022】
実験データは、次のようなパターンであって:(1)80回の6Tの繰り返しが送られる;(2)200回の好ましいデータパターン(例えば、3−6−9又は4−6−8等)の繰り返しが送られる;及び(3)6Tは、300MHzのクロック、2Gs/secの取得レート及びサイズが27kbであるように切り捨てられたデータを有する;パターンに従う。
【0023】
図1は、例示としての本発明の実施形態に従って、可変アパーチャ符合化(VAC)に対する検出器/復号化器回路100を示すブロック図である。検出器/復号化器回路100は、ローパスフィルタ110、非線形モジュール120、ピーク検出器130、ジッタ除去器140、ハードリミッタ150及びパルス整形器160を有する。
【0024】
ローパスフィルタ110は、信号再構成のための必要な情報(例えば、データファイル199)を保持し、ノイズであって、特に取得されたデータからのディジタルデータをフィルタリングにより除去する。非線形モジュール120は、ローパスフィルタの出力に非線形性を適用する。適用された非線形性量はシミュレーションの結果により決定された。フィルタリングされるパルスを細くさせるために、適切な非線形性量を適用した。ピーク検出器130は、前処理した信号のピークを検出する。ジッタ除去器140は、エラーを減少させるために所望のパルス間のジッタを除去する。ハードリミッタ150は検出された信号を“0−1”値化パルストレインに変換する。パルス整形器160は、変化する幅を有するオリジナルのVAC矩形状波形にパルストレインを変換して戻す。
【0025】
図2は、例示としての本発明の実施形態に従った、図1のローパスフィルタ110の特性200を示す図である。混乱を回避するために、周波数全ては、−π乃至πの範囲内のディジタル周波数に変換されることは注目に値する。それらをアナログ周波数に変換するためには、データレート、クロックレート、サンプリングレート、及び実験プロセス中に生じさせることが可能である何れの他の周波数変換レートを知る必要がある。
【0026】
又、ローパスフィルタ110は、入力信号パターンに基づいて調節されることに留意する必要がある。これは、異なるデータパターンが信号において異なる最大周波数をもたらすためである。ローパスフィルタ110は、周波数変化に適応するために調節される必要がある。
【0027】
ここで、上記の実験に対応するテスト結果について説明する。
【0028】
これまで、“3−6−9”データパターン、“4−6−8”データパターン及び“5−6−7”データパターンが連続的に復号化された。シミュレーションは次のような結果であって:(1)VAC信号は上記条件の下で検出可能である;及び、(2)より広いアパーチャを有するVAC信号は検出がより容易である;結果を確認した。
【0029】
ここで、例示としての本発明の実施形態に従って、3−6−9符合化パターンの検出について、説明する。3−6−9符合化パターンの検出の結果については、図3乃至6を参照して説明する。
【0030】
図3A及び3Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された3−6−9データ波形300と対応するスペクトル350とをそれぞれ示している。図3Aの波形の前半部分は6Tの反復を示しており、その波形の後半部分は“3−6−9”パターンを示している。順に、信号を何れのフィルタリングを伴わないで検出し難くする多くのディジタルノイズを信号が含むことが、スペクトルと波形の両方から観測される。
【0031】
図4A及び4Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、フィルタリング後の図3Aの取得された3−6−9データ波形のフィルタリングされたバージョン400と対応するスペクトル450とをそれぞれ示す図である。フィルタリングされた信号400は “よりきれい”であり、ピーク検出に対してより適切であることが理解できる。図4Aに示す波形は、図1のローパスフィルタ110及び非線形モジュールの処理後の信号300である。
【0032】
図5A及び5Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、図4Aのフィルタリング信号400のジッタ除去された及びハードリミットされたバージョン500と、ピーク検出された信号のジッタ除去された及びハードリミットされたバージョン550とをそれぞれ示す図である。図5Bに示す信号550はオリジナルの信号のピークを忠実に表していることが理解できる。パルス間の幅は異なるが、それらの距離は“3−6−9”のパルス距離に適合していることが又、観測される。信号500及び550は、図1のジッタ除去器140及びハードリミッタ150の両方により処理されたものである。
【0033】
図6A及び6Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、ピーク検出された信号のパルス整形バージョン600と復号化された信号のパルス整形バージョン650とをそれぞれ示す図である。再構成(復号化)信号は、遷移が復号化パルスに対応する矩形状VAC信号である。3種類の特徴的な幅については、再構成信号において観測することができる。
【0034】
検出のためのサンプリングレートに依存して、検出窓を、正確な位置に遷移を“引き寄せる”ために用いることが可能であることに留意する必要がある。例えば、サンプリングレートが5サンプル/bitである場合、次のような検出窓を用いることができる。
(1) 2つのパルス間のカウント数が25個のサンプル数より大きい場合、“3T”の判定がなされる(性能を改善するために、3Tは15個のサンプルを有し、10個のサンプルのマージンが与えられることに留意されたい)。
(2) 2つのパルス間のカウント数が35個のサンプル数より大きい場合、“9T”の判定がなされる(性能を改善するために、9Tは45個のサンプルを有し、10個のサンプルのマージンが与えられることに留意されたい)。
(3) カウント数が26個と34個の間のサンプル数である場合、“6T”の判定がなされる(6Tは30個のサンプルを有することに留意されたい)。
【0035】
エラー特性は、上記の概念に基づいて考慮された。検出された信号中にエラーは見つけられなかった。(注意:全く最初のビット及び列の最後における数ビットにおいてエラーが起こった。しかしながら、それらのエラーは、データ取得プロセス及びフィルタリングプロセス間にもたらされたものであり、検出方法によりもたらされたものではない。)
ここで、例示としての本発明の実施形態に従って、4−6−8符合化パターンの検出について説明する。4−6−8符合化パターンの検出の結果について、図7乃至10を参照して説明する。その検出プロセスは、3−6−9符合化パターンのための検出プロセスと同様である。その違いは、用いられるフィルタがより狭い帯域幅(図8Bから理解できるように、信号のフィルタリングスペクトル)を有することである。このことは、このパターンにおける最大周波数は3−6−9符合化パターンにおける最大周波数より小さいために、理解できる。
【0036】
図7A及び7Bは、例示としての本発明の実施形態に従って、取得された4−6−8データ波形700と対応するスペクトル750とをそれぞれ示す図である。この4−6−8符合化パターンにおいては、復号化信号において3つのエラーが見つけられた。シンボルエラーレート(SER)は、次のように規定される。即ち、
(SER)=(エラーにおけるシンボル数)/(全シンボル数)
であって、ここで、1つのシンボルは所定パターンにおける1つの遷移を表す。これは次のようなSERに対応する。即ち、
SER=3(エラー)/650(比較シンボル)=4.6*10−3
である。エラーフロアは1*10−3であることに留意されたい。更に、1つのシンボルエラーは現在ビットとエラーの状態にある隣接ビットとをもたらすことに留意されたい。それ故、1つのビットエラーは少なくとも2つのビットエラーに変換される。従って、上記のSERは、次のようなビットエラーレート(BER)に変換される。即ち、
BER=[3(シンボル)*2(エラーbit/シンボル)]/(650*6bit)=1.5*10−3
である。テストパターン全てにおいて用いられた全シンボル数は680シンボルであることに留意されたい。これらは、80回の6Tの反復と、200回ずつの特定パターン3−6−9、4−6−8又は5−6−7の反復を含む。データ取得エラー及びフィルタリングエラー(フィルタのエッジ)のために、650のシンボルのみが、シンボルエラーを演算するときに比較のために用いられる。平均シンボルエラーは6bit/シンボルであるため、テストパターンにおいて用いられる全ビット数は680*6=4080bitである。更に、ビットエラーを演算するために用いられるビット数は650*6=3900bitである。
【0037】
例示としての本発明の実施形態に従って、図8A及び8Bは、図7Aの取得された4−6−8データ波形700のフィルタリングされたバージョン800と対応するスペクトル850とをそれぞれ示す図である。図8Aに示す波形800は、図1のローパスフィルタ110及び非線形モジュール120による処理後の信号700である。
【0038】
例示としての本発明の実施形態に従って、図9A及び9Bは、図8Aのフィルタリングされた信号のジッタ除去及びハードリミットされたバージョン900とピーク検出された信号のジッタ除去及びハードリミットされたバージョン950とをそれぞれ示す図である。信号900及び950は、図1のジッタ除去器140及びハードリミッタ150の両方により処理されたものである。
【0039】
例示としての本発明の実施形態に従って、図10A及び10Bは、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン1000と復号化された信号のパルス整形されたバージョン1050とをそれぞれ示す図である。
【0040】
ここで、例示としての本発明の実施形態に従って、5−6−7符合化パターンの検出について説明する。5−6−7符合化パターンの検出結果を、図11乃至14を参照して説明する。5−6−7符合化パターンの検出プロセスは、他のパターンに関して上で説明した検出プロセスト同様である。即ち、
SER=7(シンボルエラー)/650(シンボル)=1.08*10−2
BER=14(エラーbit/シンボル)/3900(bit)=3.6*10−3
である。
【0041】
例示としての本発明の実施形態に従って、図11A及び11Bは、取得された5−6−7データ波形1100と対応するスペクトル1150とをそれぞれ示す図である。
【0042】
例示としての本発明の実施形態に従って、図12A及び12Bは、図11Aの取得されたデータ波形1100のフィルタリングされたバージョン1200と対応するスペクトル1250とをそれぞれ示す図である。図12Aに示す波形1100は、図1のローパスフィルタ110及び非線形モジュール120による処理後の信号1100である。
例示としての本発明の実施形態に従って、図13A及び13Bは、図12Aのフィルタリングされた信号のジッタ除去及びハードリミットされたバージョン1300とピーク検出された信号のジッタ除去及びハードリミットされたバージョン1350とをそれぞれ示す図である。信号1300及び1350は、図1のジッタ除去器140及びハードリミッタ150の両方により処理されたものである。
【0043】
例示としての本発明の実施形態に従って、図14A及び14Bは、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン1400と復号化された信号のパルス整形されたバージョン1450とをそれぞれ示す図である。
【0044】
上記のテストは、VAC符合化を用いて、HDDにおいて50Mのシンボルレートで3つの特徴的な幅のシンボルを検出する能力を確立した。実行されたそれらのテストにおいては、小から大への遷移においては“3T”の幅が与えられ、大から小への遷移においては“9T”の幅が与えられ、変化がない場合は、“6T”の幅が割り当てられた。1秒当たり50Mのレート(50Mbps)を実現するために、データは300MHzにおいてクロックされた。進行させるために、100Mbps及びそれ以上のデータレートに増加させるように取ることができる3つの方法がある。
【0045】
第1の方法においては、クロックレートは300MHzに保持されるが、次のような新しい符合化ルールを採用する。生データを2bitのバイトにグループ化する。4つの可能な組み合わせ、即ち、00、01、10及び11が存在する。オリジナルの生データストリームから2bitのバイトの各々に次のような幅を割り当てる。即ち、
01−−−“3T”
10−−−“9T”
である。
【0046】
“3T”後の“6T”は“11”を表し、“3T”後の“5T”は生データストリームにおいて “00”を表す。 “9T”後の“6T”は“00”を表し、“9T”後の“5T”は生データストリームにおいて“11”を表す。300MHzのクロック速度を用いると、1つのシンボルレートは50Mシンボル/secである。しかしながら、検出された全ての幅に対して、生データの2bitが検出される。それ故、集合体生データレートは、ここでは、50MシンボルX2bit=100Mbpsである。
【0047】
遷移密度に関しては、500kbiの現在の限界を上回ることはない。
【0048】
時間の持続時間(ディスクにおける距離)に関しては、次のような比較がなされる。3−5/6−9スキームを有するVACの場合における“T”の平均シンボル幅は(3T+9T)/2=6Tである。300MHzのクロックレートを用いる場合、T=3.3nsecである。それ故、ディスクにおける遷移間の平均の時間の持続時間は6X3.333nsec=19.99nsecである。各々のシンボルは生データの2bitを表すため、100MbpsにおいてPRMLシステムに非常に近い、19.99nsecの平均インタバルにおいて生データの2bitを出力し、ここで、生データの各々のビットは10nsecを占めている。
【0049】
100Mbps及びそれ以上にデータレートを増加させる第2の方法においては、クロックレートは300MHzに保たれるが、次のような新しい符合化ルールが採用される。2/3(1,α)符号を用いて入力生データストリームを符合化する。この符合化プロセスにおいては、3つの2bitワードと4つの4bitワードとが存在する。有効なワードの組み合わせ及び幅について、表1に示す。
【0050】
【表1】
300MHzのクロック速度を用いると、シンボルレートは、尚も、50Mシンボル/secのままである。しかしながら、検出された全ての幅に対しては、生データの2−4
bitが復号化される。遷移密度に関しては、VACが(3T+9T)/2=6Tである場合に、“T”の平均シンボル幅として、500kbpiにおける現在の限界を上回ることはない。
【0051】
時間の持続時間(ディスクにおける距離)に関しては、次のような比較がなされる。300MHzのクロックレートを用いる場合、T=3.33nsecである。コラムAにおけるデータの22bit全てを送りたいと仮定する。対応する幅は全部で42Tであり、時間の全持続時間は42X3.3nsec=140nsecである。100MbpsにおけるPRMLベースのシステムは、同じ情報の22bitを送るための時間に相当する22X10nsec=220nsecを必要とする。VACベースのシステムは、100MbpsにおいてPRMLシステムに対して220/140=1.57倍の改善を提供する。
【0052】
100Mbps及びそれ以上にデータレートを増加させる第3の方法においては、クロックレートは600MHzに増加されるが、次のような新しい符合化ルールが採用される。生データを4bitのバイトにグループ化する。16個の有効な組み合わせ、即ち、8個の一意のパターン及び8個の補間パターンが存在する。表2に示すように、オリジナルの生データストリームから4bitのバイトの各々に次のような幅が割り当てられる。
【0053】
【表2】
コラムA又はBにおける何れの列の後の“12T”は、次の4bitのブロックの反復パターンを示す。コラムAかBのどちらかから列が選択される。しかしながら、2つ又はそれ以上の4bitワードが同じコラムAからのものである場合、“1”が、同じコラムにおける2個、4個、6個又は8個毎の選択後の前に付加される必要があり、結果として得られる4bitワードは幅を割り当てられる必要がある。“1”を付加することにより、4bitワードは、コラムAから、シンボルが負極性を有するコラムBに移動する。これは、隣接シンボル間の極性の交代を確実にするため及びシンボルに対する正確な極性を確実にするためになされる。同様な方式で、コラムBにおいて連続的な列を選択する必要がある場合、代替として、“0”が、同じコラムにおける2個、4個、6個又は8個毎の選択に付加される必要がある。“0”の付加はコラムAにそのワードを入れ、ここで、シンボルは正極性を有する。データ送信の終了時に、付加“1”及び“0”の挿入ポイントを示すルックアップテーブルが送られ、そのルックアップテーブルは、順番にビットを配列させるために復号化器により用いられる。
【0054】
遷移密度の点で、シンボルレートは、500kbpiの現在のフラックス反転限界の範囲内にあるように、観測されることができる。持続時間(ディスクにおける距離)の点では、次の比較がなされる。VACの場合の“T”の平均シンボル幅は(8T+6T)/2=12Tである。600MHzのクロックレートを用いると、T=1.6666nsecである。それ故、ディスクにおける遷移間の平均持続時間は12X1.6666nsec=19.999nsecである。各々のシンボルは生データの4bitを表すため、19.99nsecの平均インタバルにおける生データの4bitを出力し、それは、100MbpsにおいてPRMLシステムのレートの2倍である。上記のアーキテクチャを有するVACは、200Mbpsのデータレート(50Mシンボル/secX4bit)を支援することができる。
【0055】
列3−6−9、5−6−7及び4−6−8の成功裏の検出は、VACがHDDにおいて機能することができる、3つの異なる方法を確立する。3−6−9検出は最良のBER特性を有する。5−6−7列の検出は、検出における有害な影響を伴わずに、パルスをパッキングすることが可能である最近接空間を決定するようにする。VAC信号の後処理は、パワーの効率的な検出スキームを有効にする、アナログ−ディジタル変換(ADC)を有しないアーキテクチャを用いて実行される。
【0056】
図15は、例示としての本発明の実施形態に従って、復号化波形3100のプロットを示す図である。そのプロットにおいては、X軸は経過時間を表し、Y軸は検出波形の振幅を表す。そのプロットが対応するシミュレーションにおいては、3−6−9波形を用いた。“D”とマーキングされた部分は“6”の波形全てから構成される。3−6−9波形を導入する前に、“6”全ての約500bitが、DCオフセットを安定化させるために送られる。3−6−9波形は、振幅変化をはっきりと示し、この変化はISIの破壊的影響のためである。
【0057】
VAC復調信号の検出においては、検出される信号は全波整流を受け、それにより、負のピークは折り返される。C^とA(9から3への遷移)との間の幅W1は、W1の幅を表す。ISIの影響はピークAに対してははっきりしたものではなく、それ故、A1とラベリングされた振幅を有する。次の幅W2は、AとBとの間(3から6への遷移)のピーク分離である。BにおけるISIの影響はA1より小さい振幅を形成することである。Bの振幅をA2と表す。同様に、BとCとの間の遷移は幅W3を生成する。振幅CはBより小さく、A3で表されている。
【0058】
PRMLタイプの検出器を用いることにより、正確な決定をなすように3つの振幅と3つの幅の組み合わせを得ることを容易に推測することができる。振幅は非常に小さく、割り当てられたスロットにおいてCを検出する必要がないため、エラー補正は容易である。振幅が何ら検出されない場合、その振幅は自動的に“C”であると結論付けられる。
【0059】
その処理においては、シンボルを正確に復号化するために、振幅と幅の組み合わせが用いられる。振幅のみを観測し、予測される幅を復号化することが又、可能である。VACの復調処理においては、シンボルの幅は復号化データを決定する上で重要であるため、振幅情報は、復調されたVACデータストリームを与えるように、直接マッピングされることができる。
【0060】
送信器における符合化データストリームの操作により受信器における変化している振幅を同期化するための能力は特に重要である。光記録媒体に適用されるとき、永続的な装置の強度を変えることにより種々のピット深さを有するように、幅W1、W2及びW3を形成することができる。ピット深さを、D1、D2及びD3であるように設計する。ここで、9つの組み合わせ、即ち、D1、D2及びD3とW1、D1、D2及びD3とW2及びD1、D2及びD3とW3、の組み合わせを有する。これらの組み合わせについて、図16に示す。図16は、本発明の例示としての実施形態に従って、波形3210に対する種々の符合化の組み合わせ3200を模式的に示している。従って、W及びDの組み合わせを選択することにより、3bit/シンボルにおいて入力データストリームを符合化することができる。この結果を外挿することにより、ブルーレーザを用いる必要なく、通常、4.7Gbのみを記憶することができるのに比べて大きい、標準的DVDにおける15Gbの情報を記憶するこの方法を用いることができる。更に幅及び深さを有することにより、高レベルの帯域幅効率が実現可能である。
【0061】
HDTVの記憶容量の要求を満足するために、光ディスクの両側において2層記憶が提案されてきた。しかし、そのような戦略は製造コストを著しく増加させる一方、データ転送レートを向上させることはない。
【0062】
本発明は、ここで、ピット深さ変調という、新規な光符合化技術を提案する。その光符合化技術は、レッドレーザ技術を使用するときでさえ、ディスクの一方側のみの1層記録を有するHDTVを支援する。更に、転送レートは記憶容量に正比例し、非常に重要であることに、その新規な符合化技術は、既存のCD/DVD製造ラインに容易に組み込まれることができる。
【0063】
高密度化技術を可能にするブルーレーザに注目して、将来のDVDシステムに対して多くの提案がなされている。しかしながら、120mmのDVDディスクに対する製造の許容範囲は、既に極めて厳しいものとなっている。ブルーレーザは、確かに複合化された技術であって、許容される品質基準に適合するためには、新しいマスタリング及び複製装置を必要とする。このような新たな設備投資でさえ、HDTV性能及び容量の要求に適合するには十分ではない。
【0064】
DVDドライブの容量は、レーザのスポットサイズの減少に比例する因子により増加する。それ故、短い410nmの波長を有する、念願のブルーレーザにおいては、635nmの波長のレッドレーザを使用する類似するDVDドライブに対して2.4倍(635nm/410nm)だけ記憶容量を増加させることが見込まれているが、それは、DVDドライブ、即ち、ブルーレーザを内部に有するDVDドライブでさえ、HDTV(少なくとも、一方側、1層ディスクを用いない)の記憶要求を満足することができないことを意味している。今日のDVD仕様に基づいて、ブルーレーザが、現在、利用可能であると仮定すると、HDTVの要求を満足するためには、2層が必要である。更に、既存のレッドレーザ、両側、4層ディスクを使用することが要求される。これらの解決方法の両方は、エンドユーザ及び製造に対する欠点を有している。2層ディスクは、機能薄膜を収めるために反転させることが必要である。2層符合化は、製造サイクルタイムに重要であるように付加される付加プロセス段階を必要とする。
【0065】
現在の読み出し専用光システムの限界は、固定された深さ及び可変長の“ピット”にデータストリームをプレスする(press)ピット長符合化方法の結果である。データは、“ピット”か又は“ランド”領域のどちらかの2値化出力を検出する光電セルを用いて読み出される。ピット深さ変調は、対照的に、実質的に、データスとリーム記録に対する三次元の方法である。ピット深さ変調を用いる光ドライブは、高解像度映像の2プラス時間又は少なくともデータの15Gbを支援することができる一方、HDTVに対するGrand Proposal proposalにおいて規定されている19Mbit/secのデータ転送の要求に適合している。
【0066】
更に、この仕様は、レッドレーザ(635nm/650nm)ダイオードを用いて適合されることができる。勿論、短い波長のレーザは、付加的利点を与えるが、この符合化技術を用いるHDTV対応ドライブの製造についての必要条件ではない。DVD製造装置において設備投資をした製造業者にとって、特に重要なポイントは、新しい符合化技術がベンチのマスタリングに対して比較的小さい変更のみを必要とすることである。又、許容サイクルタイムの範囲内で新しい媒体を製造するために、既存の複製装置を用いることが可能である。
【0067】
現在のDVD装置のレーザ及びとラックピッチ仕様に基づいて、固定長さ、可変深さデータピットを用いる光装置は、HDTVの要求を容易に満足することができる。更に精細にピット深さを変調することにより及び個々のピットの長さを短くすることにより、データ容量及び転送速度を更に改善することができる。前者は、マスタリングプロセスを改善することにより達成することができる。
【0068】
従来の光システムにおいては、データスとリームは、可変長で固定長のピット(上部)においてディスクにプレスされる。本発明に従った方法においては、ピット深さは固定ピット長の範囲内で変化する。
【0069】
現在のCD及びDVDプレーヤは、リーダ応答が本質的に正弦波であるため、1/4波長より深いピット間で区別することができない。ピット深さをゼロから1/4波長まで増加させるにつれて、ディスクから反射される光は最大値から最小値まで減少する。それ故、代替の読み出し方法であって、ピット深さが1/4波長を上回るときに最小にならない、読み出し方法が必要である。
【0070】
ピットは、通常は、性能を改善するために、短くされる。しかしながら、ピットが短すぎる場合、隣接ピットからの信号は互いに干渉する。このシンボル間干渉は、ピット深さへの僅かな調節によりマスタリングプロセスにおいて、予め補正されることができる。シンボル間干渉は、レーザ読み出しスポットより小さいピットから生じる。レーザスポットがピットに集中するとき、回折光は、対象のピットばかりでなく、隣接するピットによって影響される。名目上の深さ(その量及び方向は隣接ピットの深さに依存する)から上下させて各々のピットを僅かに調節することにより、リーダは、隣接ピットから独立した特定の深さのピットに対して同じ電気的応答を生成するようにされる。実際には、各々のリーダヘッドの設計は、レーザスポットの性質で僅かに変えられ、それ故、シンボル間干渉に対する補正が、マスタリング段階及び読み出し段階両方において行われること(即ち、前補正及び後補正)が必要である。後補正は、ピット深さを変えることによるシンボル間干渉の知識に基づいて、データ信号を均等化する又は適切にフィルタリングするためにディジタル信号処理技術を用いることによりディスクリーダにおいて達成されることができる。
【0071】
図17は、本発明の例示としての実施形態に従って、記憶媒体にランダムビットストリームを記憶するための方法を示すフロー図である。
【0072】
所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅は、記憶媒体の所定の記憶領域における遷移当たりのビット数を増加させるために、及び/又は、VAC符合化において実行されるピーク検出動作中にVAC符合化のビットエラーレート(BER)を減少させるために、記憶媒体からVAC符合化の読み出し動作中に、トラック間干渉(ITI)及び/又はシンボル間干渉(ISI)を減少させるための能力に基づいて選択される(段階3305)。
【0073】
ランダムビットストリームは、所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離される複数のパルスを有する、一定振幅でパルス幅が変化するVAC符合化により表される(段階3310)。
【0074】
VAC符合化は、記憶媒体における記憶のためのデータチャネルに沿って送信される(段階(3320)。記憶媒体における記憶のために、VAC符合化のパルス間インタバル内で、データチャネルに沿って符合化される他のVACを送信する手順を、段階3320が含むことが可能であることを理解することができる(段階3325)。
【0075】
例示としての実施形態は、添付図面を参照して、上記のように説明したが、本発明は上記のまさにそれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、当業者により種々の他の変化及び変形が実行可能であることが、理解されるであろう。そのような変化及び変形全ては、同時提出の特許請求の範囲により規定されている本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の例示としての実施形態に従った、可変アパーチャ符合化(VAC)のための検出器/符号化器回路100のブロック図である。
【図2】本発明の例示としての実施形態に従った、図1のローパスフィルタ110の特性200を示す図である。
【図3A】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された3−6−9データ波形300を示す図である。
【図3B】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された3−6−9データ波形300に対応するスペクトル350を示す図である。
【図4A】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された3−6−9データ波形300のフィルタリングされたバージョン400を示す図である。
【図4B】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された3−6−9データ波形300のフィルタリングされたバージョン400に対応するスペクトル450を示す図である。
【図5A】本発明の例示としての実施形態に従った、図4Aのフィルタリングされた信号400のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン500を示す図である。
【図5B】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン550を示す図である。
【図6A】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン600を示す図である。
【図6B】本発明の例示としての実施形態に従った、復号化された信号のパルス整形されたバージョン650を示す図である。
【図7A】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された4−6−8データ波形700を示す図である。
【図7B】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された4−6−8データ波形700に対応するスペクトル750を示す図である。
【図8A】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された4−6−8データ波形700のフィルタリングされたバージョン800を示す図である。
【図8B】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された4−6−8データ波形700のフィルタリングされたバージョン800に対応するスペクトル850を示す図である。
【図9A】本発明の例示としての実施形態に従った、図8Aのフィルタリングされた信号800のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン900を示す図である。
【図9B】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン950を示す図である。
【図10A】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン1000を示す図である。
【図10B】本発明の例示としての実施形態に従った、復号化された信号のパルス整形されたバージョン1050を示す図である。
【図11A】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された5−6−7データ波形1100を示す図である。
【図11B】本発明の例示としての実施形態に従った、ハードドライブディスク(HDD)チャネルから取得された5−6−7データ波形1100に対応するスペクトル1150を示す図である。
【図12A】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された5−6−7データ波形1100のフィルタリングされたバージョン1200を示す図である。
【図12B】本発明の例示としての実施形態に従った、フィルタリング後に取得された5−6−7データ波形1100のフィルタリングされたバージョン1200に対応するスペクトル1250を示す図である。
【図13A】本発明の例示としての実施形態に従った、図12Aのフィルタリングされた信号1200のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン1300を示す図である。
【図13B】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のジッタを削除され且つハードリミットされたバージョン1350を示す図である。
【図14A】本発明の例示としての実施形態に従った、ピーク検出された信号のパルス整形されたバージョン1400を示す図である。
【図14B】本発明の例示としての実施形態に従った、復号化された信号のパルス整形されたバージョン1450を示す図である。
【図15】本発明の例示としての実施形態に従った、復号化された波形3100のプロットを示す図である。
【図16】本発明の例示としての実施形態に従った、波形3210に対する種々の符合化の組み合わせ3200を示す図である。
【図17】本発明の例示としての実施形態に従った、記憶媒体にランダムビットストリームを記憶させるための方法を示すフロー図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体における記憶のための二次元のランダムビットストリームを符合化するための方法であって:
所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離している複数のパルスにより前記ランダムビットストリームを表す、一定振幅でパルス幅が変化する可変アパーチャ符合化(VAC)を生成するように、VAC符合化を用いてランダムビットストリームを符合化する段階;
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記の所定の集合における遷移幅の各々は隣接する遷移幅間において異なるゼロの数を指定する、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記の所定の集合における遷移幅は、遷移幅の第1群、第2群及び第3群の一から構成され、前記第1群は3個のゼロ、6個のゼロ及び9個のゼロから成り、前記第2群は5個のゼロ、6個のゼロ及び9個のゼロから成り、そして前記第3群は4個のゼロ、6個のゼロ及び8個のゼロから成る、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって:
前記記憶媒体における記憶のためのデータチャネルに沿って前記VAC符合化を送信する段階;及び
前記記憶媒体における記憶のために、前記VAC符合化のパルス間インタバルにおいて、前記データチャネルに沿って他のVAC符合化を送信する段階;
から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記VAC符合化及び前記の他のVAC符合化は互いに関して直交している、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記記憶媒体からの前記VAC符合化の読み出し動作中にトラック間干渉及びシンボル間干渉の少なくとも1つを減少させる能力に基づいて所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記記憶媒体の所定の記憶領域における遷移当たりのビット数を増加させるように所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記VAC符合化において実行されるピーク検出動作中のVAC符合化のビットエラーレートを減少させるように所定の遷移の集合に副なれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
記憶媒体においてランダムビットストリームを記憶するための方法であって:
所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離される複数のパルスを有する、一定振幅でパルス幅が変化するVAC符合化によりランダムビットストリームを表す段階;
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記の所定の集合における遷移幅は前記の所定の集合における遷移幅の各々は隣接する遷移幅間において異なるゼロの数を指定する、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記の所定の集合における遷移幅は、遷移幅の第1群、第2群及び第3群の一から構成され、前記第1群は3個のゼロ、6個のゼロ及び9個のゼロから成り、前記第2群は5個のゼロ、6個のゼロ及び9個のゼロから成り、そして前記第3群は4個のゼロ、6個のゼロ及び8個のゼロから成る、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、記憶媒体における記憶のために、VAC符合化のパルス間インタバルにおいてデータチャネルに沿って他のVAC符合化を送信する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記VAC符合化及び前記の他のVAC符合化は互いに関して直交している、ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項9に記載の方法であって、前記記憶媒体からの前記VAC符合化の読み出し動作中にトラック間干渉及びシンボル間干渉の少なくとも1つを減少させる能力に基づいて所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法であって、前記記憶媒体の所定の記憶領域における遷移当たりのビット数を増加させるように所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項9に記載の方法であって、前記VAC符合化において実行されるピーク検出動作中のVAC符合化のビットエラーレートを減少させるように所定の遷移の集合に副なれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項1】
記憶媒体における記憶のための二次元のランダムビットストリームを符合化するための方法であって:
所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離している複数のパルスにより前記ランダムビットストリームを表す、一定振幅でパルス幅が変化する可変アパーチャ符合化(VAC)を生成するように、VAC符合化を用いてランダムビットストリームを符合化する段階;
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記の所定の集合における遷移幅の各々は隣接する遷移幅間において異なるゼロの数を指定する、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記の所定の集合における遷移幅は、遷移幅の第1群、第2群及び第3群の一から構成され、前記第1群は3個のゼロ、6個のゼロ及び9個のゼロから成り、前記第2群は5個のゼロ、6個のゼロ及び9個のゼロから成り、そして前記第3群は4個のゼロ、6個のゼロ及び8個のゼロから成る、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって:
前記記憶媒体における記憶のためのデータチャネルに沿って前記VAC符合化を送信する段階;及び
前記記憶媒体における記憶のために、前記VAC符合化のパルス間インタバルにおいて、前記データチャネルに沿って他のVAC符合化を送信する段階;
から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記VAC符合化及び前記の他のVAC符合化は互いに関して直交している、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記記憶媒体からの前記VAC符合化の読み出し動作中にトラック間干渉及びシンボル間干渉の少なくとも1つを減少させる能力に基づいて所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記記憶媒体の所定の記憶領域における遷移当たりのビット数を増加させるように所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記VAC符合化において実行されるピーク検出動作中のVAC符合化のビットエラーレートを減少させるように所定の遷移の集合に副なれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
記憶媒体においてランダムビットストリームを記憶するための方法であって:
所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅のみを用いて分離される複数のパルスを有する、一定振幅でパルス幅が変化するVAC符合化によりランダムビットストリームを表す段階;
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記の所定の集合における遷移幅は前記の所定の集合における遷移幅の各々は隣接する遷移幅間において異なるゼロの数を指定する、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記の所定の集合における遷移幅は、遷移幅の第1群、第2群及び第3群の一から構成され、前記第1群は3個のゼロ、6個のゼロ及び9個のゼロから成り、前記第2群は5個のゼロ、6個のゼロ及び9個のゼロから成り、そして前記第3群は4個のゼロ、6個のゼロ及び8個のゼロから成る、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、記憶媒体における記憶のために、VAC符合化のパルス間インタバルにおいてデータチャネルに沿って他のVAC符合化を送信する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記VAC符合化及び前記の他のVAC符合化は互いに関して直交している、ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項9に記載の方法であって、前記記憶媒体からの前記VAC符合化の読み出し動作中にトラック間干渉及びシンボル間干渉の少なくとも1つを減少させる能力に基づいて所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法であって、前記記憶媒体の所定の記憶領域における遷移当たりのビット数を増加させるように所定の遷移幅の集合に含まれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項9に記載の方法であって、前記VAC符合化において実行されるピーク検出動作中のVAC符合化のビットエラーレートを減少させるように所定の遷移の集合に副なれる遷移幅を選択する段階から更に構成される、ことを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2006−506773(P2006−506773A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553760(P2004−553760)
【出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/036575
【国際公開番号】WO2004/047085
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/036575
【国際公開番号】WO2004/047085
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【Fターム(参考)】
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