説明

高度に設計された衣服

【課題】通気性、伸縮可能、難燃性のある防弾チョッキの下に着用される防弾チョッキ下着を提供する。
【解決手段】合成布防弾チョッキ下着は第1の布部分と、第2の布部分とを有する。防弾チョッキによって防備されないままの使用者の身体の胴体上部領域を覆って防弾チョッキによって覆われる第2の身体遷移領域にまで延在するように構成される第1の布部分は、伸縮性が低いか又は伸縮性がない布から形成される。防弾チョッキの下で使用者の身体の胴体領域を覆うように構成される第2の布要素は、伸縮可能な布から形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は衣服に関し、特に個人が防弾チョッキの下に着用する衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
[背景]
防弾チョッキは、個人が、戦闘及び戦場又は類似の状況において弾道発射体が着用者の身体の被覆された領域に侵入するのを防ぐために使用するものとして既知である。最近では、身体のより多くの表面積を覆う防弾チョッキが開発されている。たとえば、Lewisに対する米国特許第5,060,314号は、背面パネルと、前面及び左側結合パネルと、前面及び右側結合パネルと、襟と、肩上部とを有する、着用者の腰の3インチ下にまで延在している防弾ジャケットを記載している。Biermann他に対する米国特許第6,363,527号は、熱伝達を高めるための熱伝導性繊維、及び湿気を身体及び防弾チョッキから遠ざけるための撥水性材料から形成される防弾チョッキを記載している。Crye他に対する米国特許第6,892,392号は、チョッキの内部に固定され、着用者とチョッキとの間に垂直に延在する複数の空気チャネルを画定するフォームパッドを有する防弾チョッキを記載しており、空気チャネルは着用者の通気及び冷却を促進する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[概要]
本開示は、一部には、防弾チョッキの下に着用されて、通気性のある、伸縮可能な、着用者の身体の防弾チョッキによって覆われる領域を覆う内層とともに、耐久性のある、伸縮性が低いか又は伸縮性がない、使用者の身体の防弾チョッキによって防備されないままの領域を覆う外層を提供する、戦場用衣服及び類似の衣服等の衣服に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、合成布防弾チョッキ下着は、第1の布部分と、第2の布部分とを備える。第1の布部分は、使用者の身体の胴体上部領域を覆うように構成される伸縮性が低いか又は伸縮性がない布を含み、第1の布部分は、防弾チョッキによって防備されないままの第1の身体領域を覆って防弾チョッキによって覆われる第2の身体遷移領域にまで延在する。第2の布部分は、防弾チョッキの下で使用者の身体の胴体下部領域を覆うように構成される伸縮可能な布を含む。
【0005】
この態様の実施態様は、以下の追加の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。第1の布部分は伸縮性が低い織布から形成されてもよい。織布は(たとえば、寒冷な気候へ適用するためのもの等、断熱性を高め且つ/又は通気性を低下させるための)二重織構造を含むことができる。伸縮性が低い織布は、合成糸及び/又は合成繊維(たとえば、ポリエステル、ナイロン等)、天然糸及び/又は天然繊維(たとえば、コットン及び/又はウール)、並びに特殊糸及び/又は特殊繊維(たとえば、メタ系アラミド(E. I. duPont社から商標NOMEX(登録商標)で市販されているメタ系アラミド等)を含む難燃糸及び/又は難燃繊維、メラミン、難燃コットン、難燃ナイロン、難燃処理コットン/ナイロン混紡物、モダクリル繊維、難燃ポリエステル、難燃レーヨン、並びにそれらの組み合わせ)から成る材料の群から選択される。第1の布部分は、炎又は高温に曝されるときに融解又は滴落に耐性がある糸及び/又は繊維から成ってもよい。第1の布部分は所定の通気性を有し、たとえば、約0CFM〜約200CFM、好ましくは約5CFM〜約100CFM、より好ましくは約20CFM〜約40CFMの範囲の所定の通気性を有する。
【0006】
第2の布部分は、合成糸及び/若しくは合成繊維(たとえば、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、及びそれらの組み合わせ)、天然糸及び/若しくは天然繊維、並びに/又はそれらの組み合わせから形成されてもよい。第2の布部分は、難燃糸及び/又は難燃繊維(たとえば、メタ系アラミド、難燃処理コットン、アクリル、モダクリル繊維、難燃ポリエステル、難燃レーヨン、及びそれらの組み合わせ)から成ってもよい。場合によっては、第2の布部分は、炎又は高熱に曝されるときに融解及び滴落に耐性がある糸及び/又は繊維(たとえば、コットン、ウール、アクリル、及びそれらの組み合わせ)を含む。第2の布部分は、1方向伸縮性又は2方向伸縮性の布から成ってもよい。第2の布部分は、添え糸編ジャージ、ダブルニット、シングルジャージニット、添え糸編構造の片面テリーループ、又は添え糸編でない構造の片面テリーループを有する。場合によっては、添え糸編ジャージ構造はナイロン糸とコットン糸との組み合わせを含むことができ、ナイロン糸は主に布の加工表面(technical face)に見られ、コットン糸は主に布の加工裏面(technical back)に見られる。代替的に、添え糸編ジャージ構造はメタ系アラミド糸(たとえば、NOMEX(登録商標)糸)とコットン糸との組み合わせを含むことができ、メタ系アラミド糸は主に布の加工表面に見られ、コットン糸は主に布の加工裏面に見られる。第2の布部分は、メタ系アラミド糸の第1のセットとメタ系アラミド糸の第2のセットとの組み合わせを含む添え糸編ジャージ構造を有し、メタ系アラミド糸の第1のセットは主に布の加工表面に見られ、メタ系アラミド糸の第2のセットは主に布の加工裏面に見られる。第2の布部分は、メタ系アラミド糸とウール糸との組み合わせを含む添え糸編ジャージ構造を有し、メタ系アラミド糸は主に布の加工表面に見られ、ウール糸は主に布の加工裏面に見られる。第2の布部分は、ナイロン糸とウール糸との組み合わせを含む添え糸編ジャージ構造を有し、ナイロン糸は主に布の加工表面に見られ、ウール糸は主に布の加工裏面に見られる。好ましくは、第2の布部分は、撥水性の布、たとえばマサチューセッツ州ローレンス所在のMalden Mills Industries社によって製造されるPOWER DRY(登録商標)織布から成る。スパンデックス糸を第2の布部分に含め、折れ、しわ、及び膨らみに対する耐性を高めたフィットする衣服を形成することができる。汗が第2の布部分の内側表面から第2の布部分の外側表面に流れるのを促すために(すなわち、より良好な水分管理のために)、第2の布部分はデニール勾配(denier gradient)を有し、すなわち布の外側表面では相対的にdpfが細かく、また布の内側表面では相対的にdpfが粗い。第2の布部分は所定の通気性を有し、たとえば、約100CFMよりも高い所定の通気性を有してもよい。第2の布部分は片面添え糸編構造を有する。好ましくは、片面添え糸編構造は、第2の布部分の内側表面を画定するシンカーループ面を含む。シンカーループ面は、毛羽立てシンカーループ仕上げ、ベロア(毛羽立て(napped))仕上げ、カットループベロア仕上げ、又は毛羽立てしないループの形態を有することができる。シンカーループ面は、第1の内パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した内側領域を含む、複数のループ糸の離散した内側領域を画定し、また第1の内パイル高さよりも相対的に高い対照的な内パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した内側領域を画定し、1つ又は複数のループ糸の第1の離散した内側領域は、1つ又は複数の他の離散した内側領域とともに使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間の空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに使用者の皮膚との接触点の数を低減する。空気チャネルは複数の垂直チャネル、水平チャネル、対角チャネル、又はそれらの組み合わせを含む。空気チャネルは複数の交差チャネルを含んでもよい。複数のループ糸の離散した内側領域は、使用者の身体の1つ又は複数の所定の領域に対応するパターンに配置される。複数のループ糸の離散した内側領域は、第2の布部分の前面に、第2の布部分の背面に、又は第2の布部分の前面及び背面の両方に配置されてもよい。場合によっては、第2の布部分は両面織物を含む。両面織物は、第2の布部分の内側表面を画定する第1の表面を含むことができ、この内側表面は、第1の内パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した内側領域を含む、複数のループ糸の離散した内側領域を画定し、また第1の内パイル高さよりも相対的に高い対照的な内パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した内側領域を画定し、1つ又は複数のループ糸の第1の離散した内側領域は、1つ又は複数の他の離散した内側領域とともに使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間の内側空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに使用者の皮膚との接触点の数を低減する。両面織物は、第2の布部分の外側表面を画定する第2の表面をさらに含み、この外側表面は複数のループ糸の離散した外側領域を画定し、このループ糸の離散した外側領域は、第1の外パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した外側領域と、第1の外パイル高さよりも相対的に高い対照的な外パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した外側領域とを含み、ループ糸の離散した外側領域は、1つ又は複数の他の離散した外側領域とともに防弾チョッキの内側表面と、対向する布の外側ベース面との間の外側空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに防弾チョッキの内側表面との接触点の数を低減する。内側空気チャネル及び/又は外側空気チャネルは複数の垂直チャネル、水平チャネル、対角チャネル、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。内側空気チャネル及び/又は外側空気チャネルは複数の交差チャネルを含んでもよい。複数のループ糸の離散した内側領域は、使用者の身体の1つ又は複数の所定の領域に対応するパターンに配置されてもよい。複数のループ糸の離散した内側領域及び外側領域は、第2の布部分の前面に、第2の布部分の背面に、又はその両方に配置されてもよい。
【0007】
別の態様では、戦場用衣服システムは、防弾チョッキ要素と、チョッキ下着とを備える。チョッキ下着は、使用者の胴体上部領域を覆うように構成される伸縮性の低い布を含む第1の織布部分を含み、第1の織布部分は、防弾チョッキ要素によって防備されないままの第1の身体領域を覆って防弾チョッキ要素によって覆われる第2の身体遷移領域にまで延在する。チョッキ下着は、防弾チョッキ要素の下で使用者の身体の胴体下部領域を覆うように構成される伸縮可能な布を含む第2の織布部分をさらに含む。
【0008】
この態様の好ましい実施態様は以下の追加の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。第1の織布部分は使用者の肩部領域を覆って肘の下、使用者の手首まで延在するように構成され、1対の布腕部を画定する。布腕部の少なくとも一方は銃弾を保持するように構成されるポケットを備える。第1の織布部分は織物構造を有する。第1の織布部分は、耐久撥水性(DWR)、カムフラージュ、及び/又は赤外線低減の処理が為される。第2の織布部分は布に組み込まれる伸縮性材料及び/又は弾性材料の繊維を含む。第2の織布部分は毛羽立て内側表面を含む。毛羽立て内側表面は、毛羽立てシンカーループ面、ベロア面、カットループベロア面、又は毛羽立てしないループの形態に仕上げてもよい。毛羽立て内側表面は、第1の内パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した内側領域と、第1の内パイル高さよりも相対的に高い対照的な内パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した内側領域とを含む、1つ又は複数のループ糸の離散した内側領域を画定し、1つ又は複数の第1の離散した内側領域は、1つ又は複数の他の離散した内側領域とともに使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間の内側空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに使用者の皮膚との接触点の数を低減する。第1の内パイル高さは、低いパイル、パイルがない、又はそれらの組み合わせである。対照的な内パイル高さは、高いパイル、低いパイル、又はそれらの組み合わせである。好ましくは、第1の内パイル高さを有する第1の離散した内側領域は、約1.0mm〜約3.0mmの低いパイル高さに形成されるループ糸を含む。他の離散した内側領域は、約2.0mm〜最大約6.0mmを超える範囲のパイル高さに形成されるループ糸を含む。内側空気チャネルは複数の垂直チャネル、水平チャネル、対角チャネル、又はそれらの組み合わせを含む。複数のループ糸の離散した内側領域は、脊髄領域、脊椎、背領域、上背領域、下背領域、前胸領域、乳房領域、及び腹領域から成る群から選択される使用者の身体の1つ又は複数の所定の領域に対応する。ループ糸の離散した内側領域は、第2の織布部分の前面に、織布部分の背面に、又は織布部分の前面及び背面の両方に配置することができる。第2の織布部分はまた、毛羽立て外側表面を含んでもよい。好ましくは、毛羽立て外側表面は1つ又は複数のループ糸の離散した外側領域を画定し、このループ糸の離散した外側表面は第1の外パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した外側領域と、第1の外パイル高さよりも相対的に高い対照的な外パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した外側領域とを含み、1つ又は複数の第1の離散した外側領域は、他の離散した外側領域とともに防弾チョッキ要素の内側表面と、対向する布の外側ベース面との間の外側空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに防弾チョッキ要素の内側表面との接触点の数を低減する。第1の外パイル高さは、低いパイル、パイルがない、又はそれらの組み合わせであってもよく、好ましくは約1.0mm〜約3.0mmのパイル高さである。対照的な外パイル高さは、高いパイル、低いパイル、又はそれらの組み合わせであってもよく、好ましくは約2.0mm〜最大約6.0mmを超える範囲内である。外側空気チャネルは複数の水平チャネルと、垂直チャネルとを含んでもよい。複数のループ糸の内側領域及び外側領域は、第2の織布部分の前面に、第2の織布部分の背面に、又は第2の織布部分の前面及び背面に配置されてもよい。
【0009】
さらに別の態様では、戦場用合成布防弾チョッキ下着を形成する方法は、伸縮性が低いか又は伸縮性がない布から使用者の身体の胴体上部領域に対応する第1の布部分を形成するステップであって、第1の布部分は防弾チョッキによって防備されないままの第1の身体領域を覆って防弾チョッキによって覆われる第2の身体遷移領域にまで延在する、第1の布部分を形成するステップと、伸縮可能な布から使用者の身体の胴体下部領域に対応する第2の布部分を形成するステップであって、第2の布部分は防弾チョッキの下で使用者の身体の胴体下部領域を覆うように構成される、第2の布部分を形成するステップと、第1の布部分と第2の布部分とをともに接合するステップであって、それによって戦場用合成布衣服を形成する、接合するステップとを含む。
【0010】
本方法の好ましい実施態様は、以下の追加の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。第2の布部分を形成するステップは、合成糸及び/又は合成繊維、天然糸及び/又は天然繊維、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される糸及び/又は繊維を組み合わせることであって、それによって編物を形成する、組み合わせることを含む。第2の布部分を形成するステップは、糸及び/又は繊維を組み合わせることであって、それによって添え糸編ジャージ織物、ダブルニット織物、又はシングルジャージ編物を形成する、組み合わせることを含む。第2の布部分を形成するステップは、糸及び/又は繊維を組み合わせることであって、それによって添え糸編シンカーループを有する片面添え糸編織物を形成する、組み合わせることを含む。好ましくは、片面織物を形成することは、片面添え糸編織物の第1の表面を仕上げることであって、それによって1つ又は複数のループ糸の離散した内側領域を形成し、第1の内パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した内側領域を形成すること、及び、第1の内パイル高さよりも相対的に高い対照的な内パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した内側領域を形成することを含む、仕上げることを含み、1つ又は複数の第1の離散した内側領域は、1つ又は複数の他の離散した内側領域とともに使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間の内側空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに使用者の皮膚との接触点の数を低減する。片面添え糸編織物の第1の表面は、第2の布服の内側表面を画定してもよい。1つ又は複数のループ糸の離散した内側領域は、使用者の身体の1つ又は複数の所定の領域に対応するパターンに形成してもよい。ループ糸の離散した内側領域は、第2の織布部分の前面に、第2の織布部分の背面に、又は第2の織布部分の前面及び背面に配置されてもよい。第2の布部分を形成するステップは、糸及び/又は繊維を組み合わせることであって、それによって両面織物を形成する、組み合わせることを含む。場合によっては、両面織物を形成することは、両面織物の内側表面を仕上げることであって、それによって1つ又は複数のループ糸の離散した内側領域を形成し、第1の内パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した内側領域を形成すること、及び、第1の内パイル高さよりも相対的に高い対照的な内パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した内側領域を形成することを含む、仕上げることを含み、1つ又は複数の第1の離散した内側領域は、1つ又は複数の他の離散した内側領域とともに使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間の内側空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに使用者の皮膚との接触点の数を低減する。両面織物を形成することは、両面織物の外側表面を仕上げることであって、それによって1つ又は複数のループ糸の離散した外側領域を形成し、第1の外パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した外側領域、及び第1の外パイル高さよりも相対的に高い対照的な外パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した外側領域を形成することを含む、仕上げることをさらに含み、1つ又は複数の第1の離散した外側領域は、他の離散した外側領域とともに防弾チョッキの内側表面と、対向する布の外側ベース面との間の外側空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに防弾チョッキの内側表面との接触点の数を低減する。両面織物の内側表面は第2の布服の内側表面を画定してもよく、両面織物の外側表面は第2の布服の外側表面を画定する。ループ糸の離散した内側領域及び外側領域は、第2の布部分の前面に、第2の布部分の背面に、又は第2の布部分の前面及び背面の両方に配置されてもよい。
【0011】
戦場用防弾チョッキ下着は、防弾チョッキによって覆われる領域の下の内層と共に、外層(防弾チョッキによって防備されないままである)として着用者に供給される必要がある衣服層としてのみ何度も使用される。したがって、使用される戦場用防弾チョッキ下着が丈夫で、耐久性がある、伸縮性が低いか又は伸縮性がない外層と、十分な通気を提供する、快適で、伸縮可能な内層を提供することのような、複数の要件を供給する必要がある。
【0012】
本発明の1つ又は複数の実施の形態の詳細を添付の図面及び以下の記載において説明する。本発明の他の特徴、目的、及び利点はその記載及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[詳細な説明]
図1、図1A、図2A、図2B、図5A、及び図5Bを参照すると、戦場用衣服10は第1の布部分12と、第2の布部分14とを有する。各布部分は単層の布から成る。第1の布部分12及び第2の布部分14はそれぞれ、たとえば、それぞれ異なる周囲条件及び/又は異なる身体活動に適うように変更可能である2つ以上の異なる材料から形成することができる。第1の布部分12は伸縮性が低いか又は伸縮性がない布から形成され、防弾チョッキ16によって防備されないままの第1の身体領域12’を含む使用者の身体の胴体上部領域を覆って防弾チョッキによって覆われる第2の身体遷移領域12’’にまで延在するように構成される。図2A及び図5Aに示されるように、第1の布部分12は使用者の肩部領域を覆って肘の下、使用者の手首にまで延在し、使用者/兵士がたとえば予備の銃弾及び他の実用品を保持することを可能にする、腕部に縫い付けられるポケット18を備える。伸縮性が低いか又は伸縮性がない布は、好ましくは低伸縮性織物材料又は別の非伸縮性材料である。伸縮性がないか又は伸縮性が低い材料、たとえば衣服の上部分12の同様な織布から形成される戦場用衣服10は、兵士が、織物の袖上に縫い付けられたポケット内に配置される、より多くの銃弾又は他の用具を、布を伸ばすことも衣服のフィッティングを歪めることもなく保持することを可能にする。そうでなく、衣服の上部分12がニット又は過剰に伸縮可能な織布から形成されるとしたら、ポケット18内に装着される重い銃弾は衣服のフィッティングを歪め、しわ及び折れを生じ、防弾チョッキの縁又は頸部分に擦傷を生じるであろう。伸縮性が低いか又は伸縮性がないことに加え、第1の布部分12の露出した領域12’は丈夫で且つ耐久性がある必要があり、耐久撥水性、カムフラージュ、及び/又は赤外線低減の処理が為されてもよい。好ましくは、第1の布部分12は難燃性を有する材料(たとえば、メタ系アラミド(NOMEX(登録商標)等)、PBI(登録商標)、メラミン、難燃コットン、難燃ナイロン、難燃処理コットン/ナイロン混紡物、及びそれらの組み合わせ)、又は炎に曝されるときに非融解性、非滴落性を有する材料から形成される。
【0014】
図1、図1A、図2A、図2B、図5A、及び図5Bを引き続き参照すると、第2の布部分14は使用者の身体の胴体下部領域を覆い、防弾チョッキ16の下にフィットするように設計される。第2の布部分14は伸縮可能な布から形成され、防弾チョッキ16の下で使用者の身体の胴体下部領域を覆うように構成される。伸縮可能な布は好ましくはニット構造から成り、より好ましくは良好な撥水性、良好な水分管理、及び良好な空気透過性を有する添え糸編ニット構造から成る。加えて、わずかにフィットする布の胴体下部領域を形成することにより、折れ、しわ、及び膨らみが最小限に抑えられ、それによって着用者の皮膚の擦傷を最小限に抑えられる。添え糸編ニット構造は、たとえば意図される用途に従って調整することができる異なる糸の組み合わせで作成することができる。たとえば、温暖な気候に適用するために、添え糸編ニット構造はナイロン(又は難燃)糸とコットン糸との組み合わせを含むことができ、ナイロン(又は難燃)糸は、それらが主に布の加工表面に見られるように編成され、コットン糸はそれらが主に布の加工裏面に見られるように編成される。寒冷な気候に適用するために、たとえば、添え糸編ニット構造はナイロン(又は難燃)糸とウール糸との組み合わせを含むことができ、ナイロン(又は難燃)糸はそれらが主に布の加工表面に見られるように編成され、ウール糸は主に布の加工裏面に見られる。ウール糸は、使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間の領域の接線空気流(tangential air flow)を損なうことなく、コットン糸と比べて高い断熱性を提供し、それによって防弾チョッキの下での発熱を最小限に抑える。「加工表面」及び「加工裏面」という用語は、一般的に編機を出るときの布の面を指す。本明細書において用いられる場合、加工表面という用語は第2の布部分の外側表面も指す。
【0015】
図1Bに示されるように、第2の布部分14は添え糸編ジャージ構造又はダブルニット構造を有してもよい。この実施形態では、第2の布部分14は滑らかな内側表面13(使用者の皮膚に接する表面)と、滑らかな外側表面15(防弾チョッキに対して露出する表面)とを有する。適した材料はMalden Mills Industries社によって製造されるPOWER DRY(登録商標)織布を含む。
【0016】
図1Cは、第2の布部分14が、たとえば、これもMalden Mills Industries社によって製造されるPOWER STRETCH(登録商標)織布中のもの等の片面添え糸編構造を有する代替的な一実施形態を示す。この実施形態によれば、第2の布部分14の第1の表面17が(たとえばループ形態19に、又はベロア(毛羽立て)仕上げに、又はカットループベロア19’に)仕上げられ、第2の布部分14の内側表面を画定する。仕上げ面19、19’は使用者の皮膚に接し、向上した快適さ、水分管理、並びに向上した空気の移動及び通気性を提供する。滑らかな外側表面15は防弾チョッキに対して露出する。代替的に、図1Dに示されるように、第1の表面17は対照的なパイル高さのパターンに仕上げられてもよく、それによって空気の移動及び通気性を向上するためのチャネル21が形成される。代替的な一実施形態では、対照的なパイル高さのパターンは図2A、図3、図5A、及び図6に示されるような使用者の身体の1つ又は複数の所定の領域に対応するように調整され得る。
【0017】
加えて、第2の布部分14は、上述のように、断熱性を高めるために内側表面及び外側表面の両方を仕上げられてもよい。たとえば、図2A〜図7は、第2の布部分の内側表面及び外側表面並びに前面及び背面に配置される、複数のループ糸の離散した領域22、24、32、34を示す。第2の布部分14の内側表面及び外側表面並びに前面及び背面上の対照的なパイル高さの離散した領域は、快適度を高め、空気の移動を向上して防弾チョッキ16の下の熱応力を低減する。たとえば、図2A及び図5Aに示されるように、複数のループ糸の離散した内側領域20は、第2の布部分の内側表面上の、たとえば、脊髄領域、脊椎、背領域、上背領域、下背領域、前胸領域、乳房領域、及び腹領域を含む、使用者の身体の所定の領域に対応して、使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間に配置される。ループ糸の離散した内側領域20は、第1のパイル高さを有する複数の第1の離散した内側領域22と、第1の離散した内側領域22のパイル高さよりも相対的に高い対照的なパイル高さを有する複数の他の離散した内側領域24とを含む。たとえば、第1のパイル高さは、低いパイル、パイルがない、又はそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、低いパイル高さは、約1.0mm〜約3.0mmである。対照的なパイル高さは、高いパイル、低いパイル、又はそれらの組み合わせであってもよく、好ましくは約2.0mm〜最大約6.0mmを超える。
【0018】
図3及び図6を参照すると、第1の離散した内側領域22は、他の離散した内側領域24とともに使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間の空気チャネルを画定し、それによって矢印26によって示される通気を促進するとともに使用者の皮膚との接触点の数を低減する。
【0019】
加えて、図2B及び図5Bは、複数のループ糸の離散した外側領域30がその上に配置され、防弾チョッキの内側表面と、対向する布の外側ベース面との間にフィットするように構成される、第2の布部分の外側表面を示す。ループ糸の離散した外側領域30は、第1のパイル高さを有する複数の第1の離散した外側領域32と、第1の離散した外側領域32のパイル高さよりも相対的に高い対照的なパイル高さを有する複数の他の離散した外側領域34とを含む。たとえば、第1のパイル高さは、低いパイル、パイルがない、又はそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、低いパイル高さは、約1.0mm〜約3.0mmである。対照的なパイル高さは、高いパイル、低いパイル、又はそれらの組み合わせであってもよく、好ましくは約2.0mm〜最大約6.0mmを超える。図4及び図7を参照すると、第1の離散した外側領域32は、他の離散した外側領域34とともに防弾チョッキ16の内側表面と、対向する布の外側ベース面との間の空気チャネルを画定し、それによって矢印36によって示される通気を促進するとともに防弾チョッキの内側表面との接触点の数を低減する。
【0020】
多数の実施形態を説明した。それにもかかわらず、本開示の精神及び範囲から逸脱することなくさまざまな修正を行うことができることが理解されるであろう。たとえば、糸及び/又は繊維の組み合わせに適した任意の手法によって第2の布要素を製造し、対照的なパイル高さを有する領域及び/又はパイルのない領域を形成してもよい。伸縮性を高めるために、第2の布部分は編糸に組み込まれる伸縮性材料及び/又は弾性材料の繊維を有してもよい。第1の布部分及び第2の布部分は所定の通気性を有してもよい。たとえば、第1の布部分は約0CFM〜約200CFMの所定の通気性を有してもよく、第2の布部分は約100CFMを超える所定の通気性を有してもよい。したがって、他の実施形態は添付の特許請求項の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】戦場用衣服及び防弾チョッキシステムの正面斜視図である。
【図1A】戦場用衣服及び防弾チョッキシステムの背面斜視図である。
【図1B】添え糸編ジャージ構造又はダブルニット構造を有する戦場用衣服の第2の布部分の断面図である。
【図1C】シングルジャージ構造を有する戦場用衣服の第2の布部分の断面図である。
【図1D】空気チャネルを有する片面構造を有する戦場用衣服の第2の布部分の断面図である。
【図2A】第1のパイル高さを有する複数の第1の離散した内側領域と、第1のパイル高さよりも相対的に高い対照的なパイル高さを有する複数の他の離散した内側領域とを含む、衣服の内側前面上の複数のループ糸の離散した領域を示す、防弾チョッキの下に着用する戦場用衣服の正面斜視図である。
【図2B】第1のパイル高さを有する複数の第1の離散した外側領域と、第1のパイル高さよりも相対的に高い対照的なパイル高さを有する複数の他の離散した外側領域とを含む、衣服の外側前面上の複数のループ糸の離散した領域を示す、防弾チョッキの下に着用する戦場用衣服の正面斜視図である。
【図3】衣服の内側前面上の複数のループ糸の離散した領域によって使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間に形成されるチャネルを通る気流の流れを示す、戦場用衣服の正面斜視図である。
【図4】衣服の外側前面上の複数のループ糸の離散した領域によって防弾チョッキの内側表面と、対向する布の外側ベース面との間に形成されるチャネルを通る気流の流れを示す、戦場用衣服及び防弾チョッキシステムの正面斜視図である。
【図5A】第1のパイル高さを有する複数の第1の離散した内側領域と、第1のパイル高さよりも相対的に高い対照的なパイル高さを有する複数の他の離散した内側領域とを含む、衣服の内側背面上の複数のループ糸の離散した領域を示す、防弾チョッキの下に着用する戦場用衣服の背面斜視図である。
【図5B】第1のパイル高さを有する複数の第1の離散した外側領域と、第1のパイル高さよりも相対的に高い対照的なパイル高さを有する複数の他の離散した外側領域とを含む、衣服の外側背面上の複数のループ糸の離散した領域を示す、防弾チョッキの下に着用する戦場用衣服の背面斜視図である。
【図6】衣服の内側背面上の複数のループ糸の離散した領域によって使用者の皮膚と、対向する布の内側ベース面との間に形成されるチャネルを通る気流の流れを示す、戦場用衣服の背面斜視図である。
【図7】衣服の外側背面上の複数のループ糸の離散した領域によって防弾チョッキの内側表面と、対向する布の外側ベース面との間に形成されるチャネルを通る気流の流れを示す、戦場用衣服及び防弾チョッキシステムの背面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成布防弾チョッキ下着(under body armor hybrid fabric garment)であって、
使用者の身体の胴体上部領域を覆うように構成される伸縮性が低いか又は伸縮性がない布を含む第1の布部分であって、前記防弾チョッキによって防備されないままの第1の身体領域を覆って該防弾チョッキによって覆われる第2の身体遷移領域(body transition region)にまで延在する、第1の布部分と、
前記防弾チョッキの下で前記使用者の身体の胴体領域を覆うように構成される伸縮可能な布を含む第2の布部分と
を備える、合成布防弾チョッキ下着。
【請求項2】
前記第1の布部分は伸縮性が低い織布を含む、請求項1に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項3】
前記第2の布部分はニット構造を含む、請求項1又は2に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項4】
前記第1の布部分は難燃糸及び/又は難燃繊維を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項5】
前記難燃糸及び/又は前記難燃繊維は、メタ系アラミド、メラミン、難燃コットン、難燃ナイロン、難燃処理コットン/ナイロン混紡物、モダクリル繊維、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項4に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項6】
前記難燃糸及び/又は前記難燃繊維は、難燃ポリエステル、難燃レーヨン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項4に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項7】
前記第2の布部分は、合成糸及び/又は合成繊維、天然糸及び/又は天然繊維、並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される糸及び/又は繊維を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項8】
前記合成糸及び/又は前記合成繊維は、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項7に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項9】
前記第2の布部分は難燃糸及び/又は難燃繊維を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項10】
前記難燃糸及び/又は前記難燃繊維は、メタ系アラミド、難燃処理コットン、アクリル、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項9に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項11】
前記難燃糸及び/又は前記難燃繊維は、モダクリル繊維、難燃ポリエステル、難燃レーヨン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項9に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項12】
前記第1の布部分及び/又は前記第2の布部分は、炎又は高熱に曝されるときに融解及び滴落(dripping)に耐性のある糸及び/又は繊維を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項13】
前記第2の布部分は、コットン、ウール、アクリル、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される糸及び/又は繊維を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項14】
前記第2の布部分は、折れ、しわ、及び膨らみに対する耐性を高めるために、身体にフィットする布の形態のスパンデックスを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項15】
前記第2の布部分は撥水性の布を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項16】
前記第2の布部分は片面添え糸編(plated)構造を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項17】
前記片面添え糸編構造は、前記第2の布部分の内側表面を画定するシンカーループ面を含む、請求項16に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項18】
前記シンカーループ面は、毛羽立て(raised)シンカーループ仕上げ、ベロア仕上げ、又はカットループベロア仕上げを有する、請求項17に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項19】
前記シンカーループ面は、第1の内パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した内側領域と、前記第1の内パイル高さよりも相対的に高い対照的な内パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した内側領域とを含む、複数のループ糸の離散した内側領域を画定し、前記1つ又は複数のループ糸の第1の離散した内側領域は、前記1つ又は複数の他の離散した内側領域とともに前記使用者の皮膚と、対向する前記布の内側ベース面との間の空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに前記使用者の皮膚との接触点の数を低減する、請求項17又は18に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項20】
前記空気チャネルは複数の垂直チャネル、水平チャネル、対角チャネル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の合成布防弾チョッキ下着。
【請求項21】
戦場用(battlefield)衣服システムであって、
防弾チョッキ要素と、
チョッキ下着であって、
使用者の胴体上部領域を覆うように構成される伸縮性が低い布を含む第1の織布部分であって、前記防弾チョッキ要素によって防備されないままの第1の身体領域を覆って該防弾チョッキ要素によって覆われる第2の身体部分にまで延在する、第1の織布部分と、
前記防弾チョッキ要素の下で前記使用者の身体の胴体領域を覆うように構成される伸縮可能な布を含む第2の織布部分と
を備える、チョッキ下着と
を備える、戦場用衣服システム。
【請求項22】
前記第1の織布部分は、耐久撥水性、カムフラージュ、及び赤外線低減から成る群から選択される布処理について処理される、請求項21に記載の戦場用衣服システム。
【請求項23】
前記第2の織布部分は伸縮性材料及び/又は弾性材料の繊維をさらに含む、請求項21又は22に記載の戦場用衣服システム。
【請求項24】
前記第2の織布部分は毛羽立て内側表面を有する、請求項21〜23のいずれか一項に記載の戦場用衣服システム。
【請求項25】
前記毛羽立て内側表面は、第1の内パイル高さを有する1つ又は複数の離散した内側領域、及び前記第1の内パイル高さよりも相対的に高い対照的な内パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した内側領域を画定し、前記1つ又は複数の第1の離散した内側領域は、前記1つ又は複数の他の離散した内側領域とともに前記使用者の皮膚と、対向する前記布の内側ベース面との間の内側空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに前記使用者の皮膚との接触点の数を低減する、請求項24に記載の戦場用衣服システム。
【請求項26】
前記第1の内パイル高さは、低いパイル、パイルがない、又はそれらの組み合わせから成る群から選択され、前記対照的な内パイル高さは、高いパイル、低いパイル、又はそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項25に記載の戦場用衣服システム。
【請求項27】
前記1つ又は複数の離散した内側領域は、前記使用者の身体の1つ又は複数の所定の領域に対応する、請求項25又は26に記載の戦場用衣服システム。
【請求項28】
防弾チョッキと協働して使用するための戦場用合成布衣服を形成する方法であって、
伸縮性が低いか又は伸縮性がない布から使用者の身体の胴体上部領域に対応する第1の布部分を形成するステップであって、該第1の布部分は前記防弾チョッキによって防備されないままの第1の身体領域を覆って該防弾チョッキによって覆われる第2の身体遷移領域にまで延在するように構成される、第1の布部分を形成するステップと、
伸縮可能な布から前記使用者の身体の胴体領域に対応する第2の布部分を形成するステップであって、該第2の布部分は前記防弾チョッキの下で前記使用者の身体の胴体領域を覆うように構成される、第2の布部分を形成するステップと、
前記第1の布部分と前記第2の布部分とをともに接合するステップであって、それによって前記戦場用合成布衣服を形成する、接合するステップと
を含む、防弾チョッキと協働して使用するための戦場用合成布衣服を形成する方法。
【請求項29】
前記第2の布部分を形成することは、糸及び/又は繊維を組み合わせることであって、それによって添え糸編ジャージ織物、ダブルニット織物、シングルジャージ織物、添え糸編構造の片面テリーループ織物、又は添え糸編でない構造の片面テリーループ織物を形成する、組み合わせることを含む、請求項28に記載の防弾チョッキと協働して使用するための戦場用合成布衣服を形成する方法。
【請求項30】
前記第2の布部分を形成することは、糸及び/又は繊維を組み合わせることであって、それによって添え糸編シンカーループを有する片面添え糸編織物を形成する、組み合わせることを含む、請求項28に記載の防弾チョッキと協働して使用するための戦場用合成布衣服を形成する方法。
【請求項31】
前記片面添え糸編織物を形成することは、該片面添え糸編織物の第1の表面を仕上げることであって、それによって1つ又は複数のループ糸の離散した内側領域を形成し、
第1の内パイル高さを有する1つ又は複数の第1の離散した内側領域を形成すること、及び
前記第1の内パイル高さよりも相対的に高い対照的な内パイル高さを有する1つ又は複数の他の離散した内側領域を形成すること
を含む、仕上げることを含み、前記1つ又は複数の第1の離散した内側領域は、前記1つ又は複数の他の離散した内側領域とともに前記使用者の皮膚と、対向する前記布の内側ベース面との間の内側空気チャネルを画定し、それによって通気を促進するとともに前記使用者の皮膚との接触点の数を低減する、請求項30に記載の防弾チョッキと協働して使用するための戦場用合成布衣服を形成する方法。
【請求項32】
前記1つ又は複数のループ糸の離散した内側領域は、前記使用者の身体の1つ又は複数の所定の領域に対応するパターンに形成される、請求項31に記載の防弾チョッキと協働して使用するための戦場用合成布衣服を形成する方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−321328(P2007−321328A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−133939(P2007−133939)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(507165305)エムエムアイ−アイピーシーオー、エルエルシー (7)
【氏名又は名称原語表記】MMI−IPCO,LLC
【Fターム(参考)】