説明

高温ブロックコポリマーおよびこの製造方法

例えば、アルファ−メチル−スチレン/スチレンガラス質ブロックを含有し、ここでガラス質ブロックが25−50モル%のアルファ−メチル−スチレンを含有し、120から140℃の範囲のTg値を有する、ブロックコポリマーの調製のための新規な方法を請求する。35から60℃において比較的高固体含有率で、スチレンを連続的に添加することで行われる共重合方法は、アルファ−メチル−スチレンの非常に高い転換をもたらす。高ガラス質ブロックTg値を有する選択的に水素化されたブロックコポリマー、ならびにオレフィンポリマーまたはコポリマーを含む高使用温度のエラストマー組成物も同じく開示し請求される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルファ−メチル−スチレン(aMS)/スチレン(S)コポリマーおよびこれを含むaMSの高転換が達成されるブロックコポリマーを調製するための新規重合方法に関する。本発明は、高ガラス転移温度を有するaMS/Sブロックを含むエラストマーのブロックコポリマーにも関係する。本発明は、さらに優れた高温性能を実証するエラストマーのブロックコポリマーを含む複合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルファ−メチル−スチレン(aMS)は、これを組み込んだポリマーに高いガラス転移温度(Tg)をもたらすので、単独重合または共重合のための技術的に興味あるモノマーである。スチレンなどのモノビニル−芳香族モノマーの成分としてaMSを包含させると、スチレンブロックのTgの調節を可能にする。これは、aMSとスチレンの両方が容易に重合されるアニオン性重合に特に適している。さらに、かかる高温ガラス質ブロックは、これらが組み込まれる熱可塑性ブロックコポリマーの使用温度を上昇させることが期待できる。
【0003】
aMSポリマーに関連する良く知られている1つの問題点は、これらの天井温度(Tc)が低いことである。天井温度は、これを超えるとポリマーが自然発生的に解重合できる温度である。これは、重合中に温度を慎重にTc未満に維持しなければならない問題を引き起こす。さらに、高温での用途において、aMSホモポリマーは、任意の方法により一旦分解が開始されると、Tcより上の温度で容易に熱分解する。この問題を緩和するのに使用される1つの取組みは、aMSを高いTcを有するコモノマーと共重合することである。かかる事例が、aMSとスチレンのコポリマーである。
【0004】
これまで未解決の第2の問題は、aMSの高転換が達成される、aMSポリマー、特にモノビニル芳香族モノマーを有するコポリマーの重合である。これは、困難で費用のかかるリサイクル作業を避ける実際的な理由のため重要である。同様に、ブロック共重合におけるaMSモノマーの効率的消費は、高TgのaMSを有する非ガラス質ブロックの汚染を防止することができる。
【0005】
英国特許第1,264,741号において教示されているように、aMS/Sエンドブロックを含むブロックコポリマーが以前に調製されている。重合は、不規則に分散したコモノマーを有するブロックを合成するために行われた。これらブロックコポリマーのガラス質エンドブロックは、大部分のaMSと、10と40モル%の間のスチレンモノマーを含んでいた。重要なことは、これらブロックコポリマーを合成するのに必要な方法が、−10℃から−100℃の低温または極低温において行われたことである。
【0006】
aMSを含有するテーパーブロックコポリマーが、米国特許第4,427,837号において教示されている。ここで教示されている方法は、aMSモノマーの転換が10%未満であるという難点があった。それ故、最終ポリマーに適当量を組み込むためには、aMSモノマーの大過剰が必要であった。重合しなかったaMSモノマーの回収は、著しい実務上の問題点を引き起こす。
【0007】
完全に水素化されたスチレン/aMS/ジエンブロックコポリマーが、米国特許出願公開第2003/0065099号において教示されている。ブタジエンからスチレン/aMSへの交錯を促進するために、極性共溶媒の少量が使用された。しかしながら、この方法もaMSモノマーの転換が非常に低いという難点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実用的な重合温度で実施することができ、aMSモノマーの高転換を達成する、aMS/モノビニル芳香族モノマーを共重合するための方法に関する必要性が依然として存在する。かかる方法は、高Tgガラス質ブロックを有するブロックコポリマーの構築を可能にし、かかるブロックコポリマーは、高い使用温度のゴム化合物を作製するのに有用である。本発明は、かかる方法、高Tgブロックコポリマーおよびこれらより作製されたゴム化合物を指向している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態において、本発明は、アルファ−メチル−スチレンを不活性溶媒へ添加すること(ここで、リビングポリマー−Li鎖末端の濃度が500から2500ppmであるように、その後の共重合段階の終りの固体含有量が20から50重量%であり、アルファ−メチル−スチレンの量が、スチレンおよびアルファ−メチル−スチレンの総量に対して25から50モル%である。)、重合調節剤を添加すること、アニオン性重合開始剤を添加すること、スチレンモノマーを連続的に添加および35から60℃の温度においてリビングガラス質ブロックを形成するための前記スチレンおよびアルファ−メチル−スチレンを共重合すること(ここで、前記共重合は、共重合の大部分がアルファ−メチル−スチレンの少なくとも45%転換を達成するために、スチレンに対してブロックコポリマーを高濃度に維持するように行われる。)、共役ジエンまたは共役ジエンの混合物を添加すること、およびリビングエラストマーブロック生成のための前記共役ジエンまたは共役ジエンの混合物を重合すること(ここで、共役ジエンまたは共役ジエンの混合物の転換は少なくとも90%である。)を含むブロックコポリマーの調製のための方法およびこの方法によって作製されたブロックコポリマーである。
【0010】
別の実施形態において、本発明は、スチレンおよびアルファ−メチル−スチレンの混合物からなる少なくとも1つのガラス質ブロックを有するブロックコポリマー(ここで、アルファ−メチル−スチレンの量が、ガラス質ブロック中のスチレンおよびアルファ−メチル−スチレンの総量に対して25から50モル%であり、ガラスブロックのピーク分子量が2,000から30,000g/モルである。)、共役ジエンまたは共役ジエンの混合物を含む少なくとも1つのエラストマーブロック(ここで、エラストマーブロックが20,000から300,000g/モルの分子量を有し、ガラス質ブロックの量が10から40重量%である。)、およびオレフィン重合体またはコポリマーを含むエラストマー組成物である。
【0011】
さらなる実施形態において、本発明は、少なくとも1つのガラス質ブロックおよび少なくとも1つのエラストマーブロック(ここで、ガラス質ブロックがアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーとモノビニル−芳香族モノマーのコポリマーであり、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーのモノビニル−芳香族モノマーに対するモル比が25/75から50/50であり、エラストマーブロックが、20%と85%の間のビニル含有量を有する少なくとも1つの重合共役ジエンのブロックであり、水素化の後で、ガラス質ブロック中のアレーン二重結合の0から約10%が還元されており、少なくとも共役二重結合の90%が還元されており、各ガラス質ブロックが2,000から30,000g/モルのピーク分子量を有し、各エラストマーブロックが20,000から300,000g/モルのピーク分子量を有し、ガラス質ブロックの量がブロック共重合の全質量に対して10から40重量%であり、ガラス質ブロックのガラス転移温度が120から140℃である。)を含む、選択的に水素化されたエラストマーブロックコポリマーである。
【0012】
(発明の詳細な記述)
本発明の方法は、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族コポリマーおよびモノビニル−芳香族コポリマーおよびこれらを含有するブロックコポリマーのアニオン性合成ために開発された独自の重合方法である。アニオン性重合の一般的特徴、例えば、溶媒、開始剤、およびカップリング剤を、この発明に適用することもできる。本方法の独自の態様は、本明細書で説明する他の特徴の内で、特にコモノマー添加スキーム、固体含有範囲、好ましい共重合温度および極性共溶媒を含む。
【0013】
特に、本発明の方法は、高ガラス転移温度(Tg)ガラス質ブロックを有する熱可塑性ブロックコポリマーを合成するために使用される。本明細書で使用する場合、「熱可塑性ブロックコポリマー」は、一般的にアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーおよびモノビニル−芳香族モノマーから重合される少なくとも1つのガラス質ブロックおよび一般的に1つまたは複数のジエンから重合される、少なくとも1つのゴム質ブロックを有するブロックコポリマーであると規定される。本発明は、実施形態として熱可塑性ブロックコポリマー組成物を含み、これはジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、または多ブロックの組成物であることもできる。ジブロックコポリマー組成物の場合、1つのブロックは、ガラス質アルファ−アルキル−ビニル−芳香族/モノビニル−芳香族コポリマーブロックであり、第2のポリマーブロックは、エラストマーブロックであり、これは実質的に共役ジエンからなる。トリブロック組成物の場合、これはガラス質エンドブロックおよびエラストマー中間ブロックを含む。トリブロックコポリマー組成物が調製されるとき、共役ジエンブロックを「B」と、そしてアルファ−アルキル−ビニル−芳香族/モノビニル−芳香族ブロックを「A」および「C」と指定することができる。A−B−Cトリブロック組成物は、逐次重合によって作製することができる。A−B−Aトリブロック組成物は、リビングA−Bジブロックのカップリングによって作製することができる。線状トリブロック形態に加えて、ブロックは放射状(分枝した)ポリマー、(A−B)Xを形成するように構築することができ、またはこの両方の種類を混合物中に結合することができる。一部のA−Bジブロックポリマーが存在することができる。
【0014】
本明細書において規定するとき、高Tg値は100℃超のガラス転移温度を有することを意味する。一般的に、スチレン系ブロックコポリマー含むスチレン系ポリマーは、100℃に近いTg値を有するガラス質ブロックを含む。本発明の1つの目的は、モノビニル芳香族ホモポリマーブロックにもたらされるよりも高いガラス転移温度を有するアルファ−アルキル−ビニル−芳香族/ビニル芳香族コポリマーブロックを含むガラス質ブロックを有するブロックコポリマーを構築することである。例えば、十分に大きい分子量のホモポリマースチレンブロックは、100℃に近いTg値を有する。アルファ−メチル−スチレンなどのアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーとの共重合は、40℃と同程度の増加に導くことができる。本発明において、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーおよびモノビニル−芳香族モノマーを含むコポリマーブロックは、120から140℃のTg値を有する。コポリマーブロックが、130から140℃のTg値を有することが好ましい。
【0015】
本発明のアニオン性重合方法において使用されるモノマーには、モノビニル−芳香族モノマー、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーおよび共役ジエンが含まれる。アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーは、アルファ−メチル−スチレン(aMS)、アルファ−エチルスチレンおよびパラメチル−アルファ−メチル−スチレンなどの置換アルファ−アルキルスチレンなどから選択することができる。これらの中で、アルファ−メチル−スチレン(aMS)が最も好ましい。モノビニル芳香族モノマーは、スチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、およびパラ−tert−ブチルスチレンまたはこれらの混合物から選択することができる。これらの中で、スチレンが最も好ましく、これはさまざまな製造業者から比較的安い価額で市販されている。本明細書において使用する共役ジエンは、1,3−ブタジエンおよびイソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、および1−フェニル−1,3−ブタジエンなどの置換ブタジエンまたはこれらの混合物である。これらの中で、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが最も好ましい。本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、「ブタジエン」は、具体的には「1,3−ブタジエン」を指す。
【0016】
重合媒体として使用する溶媒は、ポリマーを形成するリビングアニオン性鎖末端と反応せず、市販の重合ユニット中で容易に取り扱うことができ、生成ポリマーに関して適切な溶解度特性を提供する任意の炭化水素とすることもできる。例えば、一般的にイオン化水素が不足している、非極性脂肪族炭化水素が特に適した溶媒を作り出す。しばしば使用されるのは、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、およびシクロオクタンなどの環状アルカンであり、これらは全て比較的非極性である。他の適切な溶媒は、当業者に知られており、温度が考慮される重要な要素の1つであり、所定の一連の工程条件において有効に実施されるように選択することができる。
【0017】
本発明におけるアニオン性重合開始剤には、例えば、アルキルリチウム化合物およびs−ブチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、アミルリチウムなど他の有機リチウム化合物が、m−ジイソプロペニルベンゼンのジ−sec−ブチルリチウム付加物などのジ開始剤を含めて、含まれる。他のかかるジ開始剤が米国特許第6,492,469号において開示されている。さまざまな重合開始剤の中で、s−ブチルリチウムが好ましい。開始剤は、重合混合物(モノマーおよび溶媒を含む)中で、所望するポリマー鎖当たりの1開始剤分子に基づき計算した量で使用することができる。リチウム開始剤の方法は良く知られており、例えば、米国特許第4,039,593号およびRe.27,145(これらの記述は、参照により本明細書に組み込まれている。)に記述されている。
【0018】
本発明における重合調節剤の別の効果は、エラストマーブロックにおける共役ジエンの微細構造またはビニル含有量を制御することである。これはエラストマーブロックが水素化されるときに、特に重要である。「ビニル」という用語は、ポリマー鎖上のビニル側基の存在を指す。共役ジエンとしてブタジエンの使用を指す場合、プロトンNMR分析で測定して、コポリマーブロック中の縮合ブタジエン単位の約20から約85モルパーセントが、1,2ビニル形態を有していることが好ましい。選択的に水素化したブロックコポリマーに関しては、共役ジエン単位の好ましくは約30から約70モルパーセントが、ビニル形態を有しているべきである。
【0019】
本発明の方法において、共重合中、モノビニル−芳香族モノマーと比較して、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの高い濃度を維持することが必須である。aMSのスチレンとの共重合の場合、スチレンモノマーは高い重合速度を有している。両方のモノマーを、共重合の開始時においてバッチ様式で加えると、次にスチレンモノマーが優先的に重合される。その結果、不均一の、または傾斜したコモノマー分布が得られ、aMSの転換が低くなる。ここで、共重合の開始時にaMSの総量とスチレンの一部だけを加えるコモノマーの半バッチ式添加を使用することが、均一な分散と高いaMS転換を達成する1つの方法であることを見出した。コポリマーの完成に必要なスチレンモノマーの残りの部分は、全重合中に連続的に加えられる。別の方法において、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーをもっと速い速度で加えて、両方のモノマーを連続的に加えることができる。好ましい別の実施形態においては、共重合の開始時にaMSの全部を加え、スチレンの全部を、15分超から180分までまたはこれより長い時間にわたって共重合中に連続的に加える。過度に長い添加時間は、熱停止の発生をもたらす可能性が高いので望ましくない。最も好ましい実施形態において、連続添加は30分以上から60分までにおいて行われる。
【0020】
完全に重合したコポリマーブロックにおいて、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーは、合計芳香族モノマーの25から50モル%を作り上げる。これは、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーのモノビニル芳香族モノマーに対するモル比が25/75から50/50であることに相当する。アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーのモノビニル−芳香族モノマーに対する最も好ましい比率は、40/60から50/50である。アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの量が増加すると、結果として得られるコポリマーのTg値が増加する。25モル%未満のアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーでは、Tg値の増加が小さい。25から50モル%の範囲において、コポリマーは少なくとも120℃および140℃程度のTg値を有する。本発明において、より好ましい組成物が130から140℃のTg値をもたらす。
【0021】
ポリマーのガラス転移温度は、しばしば柔軟化の開始の温度と関連している。Tgにおいて、ポリマーはガラス質固体と粘性液体状態の間を転移する。本発明のポリマーに関して、Tg値は、例えば、機械的、熱的、または電気的手段を利用する一般的な方法のいずれか1つによって測定することができる。
【0022】
一般的に、アニオン性重合は30と90℃の間の温度で実際上行われている。本発明において、共重合温度を35−60℃の範囲で行うことが重要である。この温度範囲において、aMSは効率的に共重合され、一方では反応停止が最小化される。共重合が、35から50℃の温度において行われることが好ましい。
【0023】
リビング末端の高濃度、別の表現で言えば、高リチウム濃度を維持することが重要である。これは、共重合を高固体含有量で行うことでなされる。本発明において、「固体含有量」は、重合または共重合されるモノマーの全質量を、モノマー、溶媒および調節剤の全質量の百分率で表したものである。好ましい固体含有量は20から50重量%である。より好ましい固体含有量は30から45重量%であり、最も好ましい固体含有量は35から45重量%である。これらの条件の下で、リビングポリマー−リチウム鎖末端の濃度は、500から2500ppm(0.008−0.04mmol/g)である。最も好ましいリビングポリマー−リチウム鎖末端の濃度は、1000から2500ppm(0.016−0.04mmol/g)である。
【0024】
リチウム濃度もまたポリマーの分子量によって影響される。他の全ての条件が同じ場合、低分子量のポリマーは、高分子量のポリマーよりもより多くの開始剤、したがってより多くのリチウムを必要とする。本発明において、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの高転換を達成するための固体含有量、共重合調節剤、および温度条件のどの所定のセットにおいても、コポリマーブロックに分子量の上限が実現する。アルファ−アルキル−ビニル−芳香族/モノビニル芳香族コポリマーブロックの好ましいピーク分子量は2,000から30,000g/モルであり、最も好ましくは5,000から20,000g/モルである。
【0025】
本明細書で使用する場合、「分子量」という用語は、ポリマーまたはコポリマーのブロックのg/モルにおける真の分子量を指す。この明細書および特許請求の範囲において参照される分子量は、ASTM3536により測定するなど、ポリスチレン較正標準を使用したゲル透過型クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。GPCは良く知られた方法であり、ここではポリマーが分子の寸法により分離され、最大の分子が最初に溶離される。クロマトグラフは、市販されているポリスチレン分子量標準を使用して較正される。このように較正されたGPCを使用して測定したポリマーの分子量は、スチレン等価分子量である。スチレン等価分子量は、ポリマーのスチレン含有量およびジエンセグメントのビニル含有量が既知の場合は、真の分子量に転換することもできる。使用する検出器は、紫外線と屈折率検出器の組合せであることが好ましい。本明細書において表現される分子量は、GPCトレースのピークにおいて測定し、真の分子量に転換したもので、一般的に「ピーク分子量」と称される。
【0026】
共重合調節剤を使用することは重要である。調節剤は、共重合中のコモノマーの取入れ効率の改善を助ける。代表的な共重合調節剤には、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチルプロピルエーテルなどの極性調節剤、ジエトキシプロポーン(DEP)、1,2−ジオキシ−エタン(ジオキソ)、1,2−ジメトキシ−エタン(グリマー)およびオルト−ジメトキシ−ベンゼン(ODMB)などのキレート極性調節剤が含まれる。必要な調節剤の量は、調節剤の種類に依存する。ジエチルエーテル(DEE)などの非キレート極性調節剤が、比較的高い水準において一般的に最も有効である。非キレート極性調節剤の好ましい範囲は、溶媒および調節剤の全質量に対して2から20重量%である。最も好ましい非キレート極性調節剤の量は、4から8重量%である。調節剤が、ジエトキシプロパン(DEP)またはオルトジメトキシベンゼン(ODMB)などのキレート極性調節剤の場合は、より少ない量が求められる。キレート極性調節剤の好ましい範囲は、一般的に溶媒および調節剤の全質量に対して50から1000ppmである。キレート調節剤がDEPの場合、好ましい調節剤の量は400から1000ppmであり、最も好ましい量は500から700ppmである。キレート調節剤がODMBの場合、好ましい調節剤の量は50から500ppmであり、最も好ましい量は100から300ppmである。
【0027】
本明細書で規定する共重合条件を使用することで、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族コモノマーの非常に高い転換を達成することができる。好ましい条件の下で、少なくとも45%の転換が達成される。より好ましい条件の下で、少なくとも80%の転換が達成され、最も好ましい条件の下では、少なくとも90%の転換が達成される。これら高い転換は、アルファ−アルキル−芳香族モノマーのコポリマーへの効率的な取入れをもたらし、未重合モノマーの総体的なリサイクルおよび回収の必要性を取り除く。
【0028】
アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーおよびモノビニル芳香族モノマーのコポリマーブロックは、良く知られた合成ストラテジーにより熱可塑性ブロックコポリマーの構築に使用することができる。一般的に、共重合を行うのに使用されるリビング、アニオン性重合は、他のアニオン性重合可能なモノマーのブロックとの合成を継続することができる。本発明の目的のために、共役ジエンを含むエラストマーブロック形成のための重合の継続が好ましい。共役ジエンブロックは、単一共役ジエン、共役ジエンの混合物または他の非ジエンモノマーとの混合物で構成されていてもよい。エラストマーブロックの好ましい分子量は、20,000から300,000g/モルで、最も好ましい分子量は、30,000から100,000g/モルである。その後の共役ジエンブロックの重合中、少なくとも90%のモノマーの転換が必要である。最も好ましい転換は、少なくとも95%である。
【0029】
ブロック共重合において、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族/モノビニル−芳香族ブロックのある部分は共役ジエン重合と交錯しないことがある。これは共役ジエンモノマーの導入におけるブロックの偶発的停止により起こることもあり、または停止剤の意図的添加により起こることもある。この場合、一部のアルファ−アルキル−ビニル−芳香族/モノビニル−芳香族ブロックが最終ブロックコポリマー中に存在する。このブロックは、低揮発性とブルーミング特性を有する高Tgのアルファ−アルキル−ビニル−芳香族/モノビニル−芳香族ブロックのために、高度に適用性があり高Tg樹脂の利点を提供することもある。本発明において、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族/モノビニル−芳香族ブロックの50%までをそのように停止することもできる。非揮発性流動促進剤の存在を所望する場合は、25から50%の範囲のより多い量が望ましい。高強度のブロックコポリマーを所望する場合、停止アルファ−アルキル−ビニル−芳香族ブロックの量は25%未満であり、好ましくは10%未満、最も好ましくは5%未満である。
【0030】
本発明の熱可塑性ブロックコポリマーは、これだけには限らないが、式A−B、A−B−C、および(A−B)nXによって表すことができる。A、B、およびCブロックの多くの他の配列が、本発明の熱可塑性ブロックコポリマーにおいて想定することができる。一般式において、AおよびCは、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーおよびモノビニル芳香族モノマーのガラス質コポリマーブロックであり、Bは共役ジエンを含むエラストマーブロックであり、Xはカップリング剤の残基であり、nは結合したA−Bアームの平均数を表す。熱可塑性ブロックコポリマー中のガラス質ブロックの量は、全ブロックコポリマーの質量に対して10から40重量%である。この範囲において、ブロックコポリマーは熱可塑性エラストマー特性を示す。
【0031】
結合したポリマーの一般式(A−B)nXにおいて、nは2から約30、好ましくは約2から約15、最も好ましくは2から6である。nが2の場合、ブロックコポリマーは線状構造を有する。nが2超の場合、ブロックコポリマーは、ラジアル、分枝または星型を指すこともある。カップリング反応は、リビングアームの一部だけが結合するように行うこともできる。一般的に、カップリング反応において結合したリビングアームの量は、「カップリング効率」として示される。カップリング効率は、ブロックコポリマーの全質量を基準とする結合したブロックコポリマーの質量である。例えば、90%のカップリング効率を有するブロックコポリマーは、ポリマーの90%が結合した形態であり、10%が非結合の形態である。A−Bリビングアームが結合したならば、これは10%のA−Bジブロックを残す。重要なことには、カップリングは一般的に統計的工程であり、nは米国特許出願公開第2003/0225209号および2004/0054090号において教示されているように、結合したアームの平均数である。例えば、2、3、4および5個のアームを持った種を有する結合ブロックコポリマーにおいて、平均数nは3であることもできる。ポリマーの物理的性質を検討するのに重要な、アーム数分布が存在する。例えば、平均数n=3を持っているがn=5の比較的大きな部分を有する結合ポリマーは、平均数n=3を持っているがn=5の比較的小さな部分を有する匹敵する結合ポリマーよりも、より高い粘性とより低い溶融流動を有する。
【0032】
本発明において、カップリング効率は、所望するポリマーの性質に応じて広範囲に変動させることができる。例えば、低カップリング効率(<50%)は、粘性の低い高い加工可能性のポリマーをもたらすことができる。高いカップリング効率(>50%)は、高い強度と弾性を有するポリマーをもたらすことができる。
【0033】
さまざまなカップリング剤が当該技術分野において知られており、これには例えば、ジハロアルカン、ハロゲン化ケイ素、シロキサン、多機能エポキシド、m−ジビニルベンゼンなどを含むポリアルケニル化合物、アルコキシシラン、アルキルシラン、アルキル−アルコキシ−シランなどを含むシリカ化合物、ジメチルアジペートなどを含むカルボン酸を有する一価アルコールのエステル、およびエポキシ化油が含まれる。好ましいのは、テトラ−エトキシシラン(TEOS)およびテトラ−メトキシシランなどのテトラ−アルコキシシラン、メチル−トリメトキシシラン(MTMS)などのアルキルトリアルコキシシラン、ジメチルアジペートおよびジエチルアジペートなどの脂肪族ジエステル、およびビス−フェノールAの反応から誘導されたジグリシジルエーテルなどのジグリシジル芳香族エポキシ化合物およびエピクロロヒドリンである。その後の水素化または選択的水素化を所望する場合は、カップリング剤は、いかなる残余の未反応カップリング剤、ポリマー鎖に組み込まれるカップリング剤残留物またはカップリング反応の副産物も、水素化を妨害しないように選択するべきである。
【0034】
本発明の実施形態において、結合したブロックコポリマーは、所望のアーム数分布を有する結合したポリマーを生成するためのモル比でカップリング剤をリビングポリマーに加えて作製される。カップリング剤は、純粋な化合物として、または計量を容易にするために不活性な溶媒中に希釈して添加することができる。添加手順は、アーム数分布に影響を有する可能性がある。カップリング後、通常停止処理は必要ではない。
【0035】
非結合ブロックコポリマーが生成される本発明の実施形態において、重合は停止剤の添加により止められる。しばしばアニオン性重合は、ポリマー鎖末端からリチウムを水酸化リチウム(LiOH)として除去するための水の添加、またはリチウムをリチウムアルコキシド(LiOR)として除去するためのアルコール(ROH)の添加によって停止される。停止剤は、リビング鎖末端に対してモル過剰で加えられる。その後の水素化または選択的水素化を所望する場合は、停止剤の種類および/または量は、残留停止剤または停止副産物が水素化を妨害しないように選択するべきである。
【0036】
水素化は、従来技術において知られている幾つかの水素化または選択的水素化方法のいずれかを介して実施することができる。例えば、かかる水素化は、例えば、米国特許第3,595,942号、第3,634,549号、第3,670,054号、第3,700,633号およびRe.27,145(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれている。)において教示されている方法などを使用して成し遂げることができる。これら方法は、芳香族またはエチレン的不飽和を含むポリマーを水素化するために作動し、適切な触媒の動作に基づいている。かかる触媒または触媒前駆物質は、アルミニウムアルキルまたは元素周期律表のI−A族、II−AおよびIII−Bから選択される金属、特にリチウム、マグネシウムまたはアルミニウムの水素化物などの適切な還元剤と結合したニッケルまたはコバルトなどのVIII族金属を含むことが好ましい。この調製は、適切な溶媒または希釈剤中で、約20℃から約80℃の温度において成し遂げることができる。有用な他の触媒には、チタンベースの触媒系が挙げられる。
【0037】
水素化は、少なくとも共役ジエン二重結合の約90%が低減され、芳香族二重結合の0と10%の間が低減されるような条件の下で実施することができる。好ましい範囲は、少なくとも共役ジエン二重結合の約95%が、より好ましくは約98%が低減されることである。別の方法としては、芳香族不飽和も上述の10%水準を超えて低減されるようにポリマーを水素化することが可能である。かかる徹底的な水素化は、通常高温において達成される。この場合、共役ジエンおよび芳香族単位両方の二重結合は、90%以上低減されることもある。
【0038】
本発明の一実施形態において、ブロックポリマーは、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーおよびモノビニル−芳香族モノマーからなる少なくとも1つのガラス質ブロックを含み、少なくとも1つのエラストマーブロックがオレフィンポリマーと配合している。オレフィンポリマーには、例えば、エチレンホモポリマー、エチレン/アルファ−オレフィンコポリマー、ホモポリプロピレン、プロピレンコポリマー、プロピレン/アルファ−オレフィンコポリマー、高衝撃ポリプロピレン、ブチレンホモポリマー、ブチレン/アルファオレフィンコポリマー、および他のアルファオレフィンコポリマーまたはインターポリマーを含む。これらのポリマーは、低い流動性から高いおよび非常に高い流動性のポリオレフィンまで変動することができ、しばしばワックスと呼ばれる。代表的なポリオレフィンには、例えば、これだけには限らないが、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、極低密度または低密度ポリエチレン(ULDPEまたはVLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)および高圧低密度ポリエチレン(LDPE)を含めて、実質的に線状のエチレンポリマー、均一に分枝した線状エチレンポリマー、不均一に分枝した線状エチレンポリマーが含まれる。ここでの他のポリマーには、エチレン/アクリル酸(EEA)コポリマー、エチレン/メタクリル酸(EMAA)イオノマー、エチレン/ビニルアセテート(EVA)コポリマー、エチレン/ビニルアルコール(EVOH)コポリマー、エチレン/環状オレフィンコポリマー、ポリプロピレンホモポリマーおよびコポリマー、プロピレン/スチレンコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、ポリブチレン、エチレンカーボンモノオキシドインターポリマー(例えば、エチレン/カーボンモノオキシド(ECO)コポリマー、エチレン/アクリル酸/カーボンモノオキシドターポリマーなどが含まれる。さらにここでの他のポリマーには、PS ABS、アルファ−メチル−スチレン(aMS)/スチレン(S)コポリマーのようなスチレン型のポリマーまたはコポリマーが含まれる。本発明のエラストマー組成物のために有用なオレフィンポリマーの典型的な量は、ブロックコポリマー100部当たり5から500部である。オレフィンポリマーの好ましい量は、ブロックコポリマー100部当たり10から50部である。
【0039】
本発明のエラストマーブロックコポリマーは、低分子量の粘着性樹脂と配合することもできる。低分子量の粘着性樹脂には、アルファ−アルキルビニル芳香族/モノビニル芳香族ブロック相容性樹脂およびエラストマーブロック相容性樹脂が含まれる。アルキルビニル/モノビニル芳香族ブロック相容性樹脂は、クマロンインデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ポリスチレン樹脂、ビニルトルエン−アルファメチルスチレン樹脂、アルファメチルスチレン樹脂およびポリフェニレンエーテル、特にポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)の群から選択することもできる。かかる低分子量樹脂は、例えば、「HERCURES」、「ENDEX」、「KRISTALEX」、「NEVCHEM」および「PICCOTEX」の商標名の下で販売されている。エラストマーブロックと相容性のある低分子量の粘着性樹脂は、相容性のあるC炭化水素樹脂、水素化C炭化水素樹脂、スチレン化C樹脂、C/C樹脂、スチレン化テルペン樹脂、完全水素化または部分的水素化炭化水素C樹脂、ロジンエステル、ロジン誘導体およびこれらの混合物からなる群から選択することもできる。これらの樹脂は、例えば、「REGALITE」、「REGALREZ」、「ESCOREZ」、「OPPERA」および「ARKON」の商標名の下で販売されている。本発明においては、CまたはCベース粘着性樹脂が好ましい。エラストマーブロックが水素化される場合は、水素化粘着性樹脂を使用するのが好ましい。使用される低分子量粘着性樹脂の量は、ブロックコポリマー100部(重量)に対して約5から約300部(重量)、好ましくは約10から約50部(重量)にまで変動する。
【0040】
本発明のエラストマーブロックコポリマーは、低分子量のプロセス油と配合することもできる。エラストマーブロックと相容性のあるオイルの種類であることが特に好ましい。エラストマーブロックが水素化される場合、水素化オイルを使用することが好ましい。低揮発性で、芳香族含有量が10%未満の石油ベースホワイト油が好ましい。芳香族含有量が2%未満の典型的なパラフィン系ホワイトプロセス油を、本発明のポリマーを柔軟化し、延伸するために使用することができる。さらにオイルは、好ましくは200℃超の引火点を有する、低揮発性のものであるべきである。同時にプロセス油は、容易な配合を可能にするために、比較的低い粘性を有しているべきである。使用するオイルの量は、ゴムまたはブロックコポリマー100部(重量)に対して、約5から約300部(重量)、好ましくは約10から約100部(重量)に変動する。配合または溶融加工は、一般的に適用されているポリマー配合装置または技法の任意のものを用いて成し遂げることができる。特に重要なのは、押出しまたは単軸もしくは2軸のいずれかを用いる射出成形技術である。特に興味のある適用は、オーバーモールディング(over−molding)で、これは高Tg値ブロックコポリマーおよび場合によっては他の熱可塑性ポリマーおよび加工助剤を含有する組成物を、より堅いポリマーの基材上に射出成形して、よりソフトな感触または異なる摩擦特性を与えるものである。
【0041】
本発明のさらなる一態様において、高Tgブロックコポリマーを含む、フィルム、シート、多層ラミネート、被覆、バンド、帯板、側面像、鋳型、発泡体、テープ、織物、糸、フィラメント、リボン、繊維、複数の繊維、不織マットまたは繊維性織物の形態の物品を作製することができる。別の特に興味のある適用は、スチレンブロックコポリマーの加工可能性を維持しているが、スパンデックスポリウレタンと類似した、より高い「弾性力」を示す熱可塑性フィルムである。さらに興味ある適用は、20から80重量%のブロックコポリマーが、ポリオレフィンまたはオレフィンコポリマーと配合しているポリオレフィンの変形である。
【0042】
実施例
以下の実施例を、本発明の実例として提供する。これらは限定を意味するものではなく、むしろ本発明の最良の形態の説明を可能にするものである。分子量および分子量分布は、ゲル透過型クロマトグラフィー(GPC)を使用して決定した。コポリマーの組成はHNMRを用いて測定した。Tg値は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定した。実施例において使用されている用語の一部を表Aに定義する。
【0043】
【表1】


【0044】
以下の実施例およびデータ表において、本発明のポリマーを数値的に表示する。比較ポリマーは、「C」の接頭語を付けて識別してある。
【実施例1】
【0045】
aMSおよびスチレンのガラス質ブロックコポリマーを、1Lのステンレス製オートクレーブ中で重合調節剤無しで合成した。シクロヘキサンおよびaMSを反応容器に加えた。この実施例において、重合調節剤は使用しなかった。半バッチ式スチレン共重合(ポリマーC1、C2およびC3)の場合は、スチレンモノマーのバッチ部分も同じく加えた。次いでsec−ブチルリチウムを加えて、重合を開始した。残りのスチレンモノマーを、高圧シリンジポンプを用いて一定の速度で特定のプログラム時間にわたって加えた。本発明の実施例を、50から70℃にわたるさまざまな共重合温度において実施した。反応が完了したならば、イソプロパノールを加えることでリビング共重合を停止した。両モノマーの重合の程度は、反応混合物のHNMRによって予測して、重合の終りにおいて存在するモノマーの濃度に基づき推定した。特段の注記が無い限り、基本的にスチレンモノマーの全てが消費された、すなわちスチレンの転換率は100%であった。ポリマーを溶液から回収し、乾燥して特性を調べた。
【0046】
表1に、50%固体において実施したaMS/スチレン共重合の結果を示す。適当に高いaMS転換(67から78%)が、共重合の開始においてスチレンモノマーのバッチ式投入無しで行われたポリマー1、2および3、ならびに高固体(aMSおよびブチルリチウムの高初期濃度)について得られた。半バッチの手続きを使用し、スチレンモノマーを反応開始時に存在させて、低固体含有率について実験した結果、aMS転換は30%未満であった。
【実施例2】
【0047】
aMSおよびスチレンのガラス質ブロックコポリマーを、以下を除き実施例1の方法により合成した。共重合は、6重量%DEEを重合調節剤として使用した。スチレンモノマーの全てを連続式様式で添加した。共重合開始時、反応混合物中にスチレンモノマーの部分は存在しなかった。表2に、高固体含有量(50%)において6%のジエチルエーテルを重合調節剤として使用したaMS/スチレン共重合の結果を示す。ポリマーは、48から97%のaMS転換を有し、得られたTg値は128から140℃であった。本発明ポリマーの狭い分子量分布が得られた。GPCで測定した分子量分布を、ポリマー5に関して図1に示す。
【実施例3】
【0048】
aMSおよびスチレンのガラス質ブロックコポリマーを、実施例2の方法により、さまざまな固体含有量において合成した。6重量%におけるジエチルエーテルを、重合調節剤として使用した。スチレンモノマーを60分にわたり連続的に加えた。共重合を50℃において行った。表3に、aMS/スチレン共重合の結果を示す。固体含有量20から50重量%および分子量20,000g/mol未満での共重合において、900から2500ppmのリチウム含有量が得られた。これらの条件において、高aMS転換が達成された。30から50%固体において作製されたポリマーに関して、aMS転換は85%以上であった。コポリマーの得られたTg値は、126から130℃であった。
【実施例4】
【0049】
aMSおよびスチレンのガラス質ブロックコポリマーを、実施例2の方法により、さまざまな重合調節剤水準において合成した。共重合温度は50℃であった。表4に、さまざまなジエチルエーテル水準を用いて行ったaMS/スチレン共重合の結果を示す。20重量%以下のジエチルエーテル水準によって、aMSコモノマーの高い転換と124から140℃のTg値が得られた。
【実施例5】
【0050】
aMSおよびスチレンのガラス質ブロックコポリマーを、実施例2の方法によりDEEではなくてキレート重合調節剤を使用して合成した。表5にジエトキシプロパン(DEP)およびオルトジメトキシベンゼン(ODMB)を使用したaMS/スチレン共重合の結果を示す。キレート調節剤は、高aMS転換および低分子量多分散性を有するコポリマーを与えた。
【実施例6】
【0051】
aMSおよびスチレンのガラス質ブロックコポリマーを、実施例2の方法によりさまざまな共重合温度およびスチレンモノマー添加速度において合成した。表6は、30から50℃の範囲の温度において行ったaMS/スチレン共重合の結果を示す。本発明のポリマーは、55から89%のaMS転換を有していた。
【実施例7】
【0052】
aMSおよびスチレンのガラス質ブロックならびに1,3−ブタジエンのエラストマーブロックを有するジブロックコポリマーを、以下を除き実施例2の方法により合成した。実施例の全ては、スチレンモノマーの連続的添加を用いて行った。開始前には、反応混合物にスチレンを添加しなかった。ガラス質ブロック共重合の終りにおいて、ブタジエンを単一バッチ投入で添加した。表7に、(aMS/スチレン)−ブタジエンジブロックコポリマーに関する結果を示す。比較ポリマーC7およびC8は、aMS無しで作製したスチレン−ブタジエンジブロックコポリマーであった。スチレンを少なくとも30分間にわたって、少なくとも40℃の温度において、および6%DEEの存在において添加するとき、aMSの高水準をコポリマーに組み入れることができた。共重合を40℃において行い、スチレンモノマーを60分間にわたり連続的に加えたとき(ポリマー27)aMSの高転換が達成され(60%)、ブタジエンブロックに対する良好な交錯が存在した(UVA=21%)。30分間のスチレン添加でもって30℃において行った共重合(C9)は、ステップ1共重合中比較的aMS転換が低く(22%)、ブタジエンブロックを組み込まなかった鎖の部分の転換が比較的高かった(UVA=29%)。
【実施例8】
【0053】
aMSおよびスチレンのガラス質ブロックならびに1,3−ブタジエンのエラストマーブロックを有するトリブロックコポリマーを、以下を除き実施例2の方法により合成した。トリブロックは、2基の反応装置法において重合した。aMS/スチレンガラス質ブロックは、第1の反応装置中で高固体において共重合した。このステップI重合の終りに、リビング鎖末端は第2の反応装置に移動した。第2の反応装置は、精製ブタジエンモノマー、シクロヘキサン溶媒およびジエチルエーテル調製剤を含んでいた。エラストマーブロックの重合に必要なブタジエンの約10%だけが初期には存在していた。リビング鎖末端を第2の反応装置に移動した後、ブタジエンモノマーの残りを20−30分間の間隔で連続的に加えた。この第2ブロック重合、すなわちステップIIの完了時に、ポリマーはメチルトリメトキシシラン(MTMS)と結合した。MTMSのLiに対するモル比は約0.45であった。結合した生成物は、実質的に結合した線状トリブロックであった。表8は、[(aMS/スチレン)−ブタジエン]ブロックコポリマーの結果を示す。高いaMSの転換(47−98%)、ブタジエンブロックに対する良好な交錯(UVA≦25%)および良好なカップリング効率(32−80%)が達成された。
【0054】
ポリマー32および33は、約700psiの水素および約75℃までの温度において、Co/Al触媒(約40ppmCo)を使用して、(それぞれ)約0.55および0.13ミリ当量オレフィン/グラムの残留ジエン不飽和に選択的に水素化された。触媒は、N/Oガスブレンドで散布する間に接合剤をリン酸水溶液と接触することによって酸化し抽出した。次いで(N/Oで散布中に)接合剤を、接合剤が(湿潤pH試験紙で試験して)中性になるまで蒸留水で洗浄した。次いでポリマーを、熱水凝固により回収した。
【実施例9】
【0055】
本発明の選択的水素化ブロックコポリマーを含むエラストマー組成物を、低分子量プロセス油およびホモポリプロピレンを用いて作製した。本発明の化合物の性質を測定し、在来のSEBSブロックコポリマーを用いて作製した化合物と比較した。比較ポリマーC10は、在来のスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックコポリマーで、20.6重量%のスチレン末端ブロック含有量、10,000g/モルのスチレン末端ブロックピーク分子量および50%の水素化前のビニル含有量を有している。比較ポリマーC11は、在来のスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックコポリマーで、30重量%のスチレン末端ブロック含有量、10,000g/モルのスチレン末端ブロックピーク分子量および40%の水素化前のビニル含有量を有している。
【0056】
化合物は、ブロックコポリマーの100部(重量)、パラフィン系プロセスオイルPrimol352の50部、およびMoplen F30Sホモポリプロピレンの35部を用いて作製した。化合物は、成分を190℃で加熱したブラベンデール(brabender)混合機中で10分間混合することによって調製し、この混合期間の終りに溶融温度を記録した。次いで収集した化合物を、180℃において150バールで1分間、6mm厚のプレートサット(platesat)にプレスし、次いで圧力下室温に冷却した。硬度はASTM D2240により測定した。圧縮永久ひずみ(CS)はASTM D395により測定した。溶融流動速度(MFR)は、200℃および5kgを使用してASTM D1238により測定した。
【0057】
表9は、化合物の処方および得られた物理的性質を示す。結果は、本発明の化合物が在来のSEBSブロックコポリマーを含有する化合物に比較して、優れた高温特性を有することを示している。低温(23℃)におけるCS性能は同等であるが、本発明により処方した化合物に関しては、70℃における弾性回復が著しく高い。同等の硬度において、本発明のポリマーは、70℃/24時間における圧縮永久ひずみを著しく改良する(すなわち、低い値とする。)。低いトリブロック含有量にもかかわらず、ポリマー32の本発明の化合物は、この温度および時間の条件において圧縮永久ひずみがわずかに85%であるが、一方のC10ベースの比較化合物の圧縮永久ひずみは94%であり、C11ベースの比較化合物は100%であった。
【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
【表7】

【0064】
【表8】

【0065】
【表9】

【0066】
【表10】

【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例2からの本発明ポリマー5のGPCクロマトグラム図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックコポリマーの調製のための方法であり、
a.アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーを不活性溶媒に添加するステップと、
b.ジエチルエーテル、オルト−ジメトキシ−ベンゼンまたはジエトキシプロパンである重合調節剤を添加するステップ、
c.n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウムまたはt−ブチルリチウムであるアニオン性重合開始剤を添加するステップ、
d.モノビニル芳香族モノマーを連続的に添加し、前記モノビニル芳香族モノマーとアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーを35から60℃の温度において共重合してリビングガラス質ブロックを形成し、ここで、前記共重合が、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーがモノビニル−芳香族モノマーと比較して高濃度に維持され、共重合の大部分においてアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの転換が少なくとも45%を達成し、このステップd)後の固体含有量が20から50重量%、好ましくは30から40%であり、リビングポリマー−Li鎖末端の濃度が500から2500ppmであり、このステップd)後のアルファ−アルキル−ビニル芳香族モノマーの量が、モノビニル−芳香族モノマーおよびアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの総量に対して25から50モル%であるように行われるステップ、
e.共役ジエンまたは共役ジエンの混合物を添加するステップ、ならびに
f.前記共役ジエンまたは共役ジエンの混合物を重合してリビングエラストマーブロックを形成し、共役ジエンまたは共役ジエンの混合物の転換が少なくとも90%であるステップ
を含む、方法。
【請求項2】
モノビニル−芳香族モノマーが、重合開始後15分を超え、および好ましくは30分以上60分まで連続的に添加される、請求項1の方法。
【請求項3】
重合調節剤が、不活性溶媒と調節剤を加えた全質量に対して2から10重量%、好ましくは4から8重量%の量のジエチルエーテルである、請求項1または2の方法。
【請求項4】
重合調節剤が、400から1000ppmの量のジエトキシプロパンである、請求項1または2の方法。
【請求項5】
重合調節剤が、50から500ppmの量のオルト−ジメトキシ−ベンゼンである、請求項1または2の方法。
【請求項6】
ステップd)の共重合が、35から50℃の温度で行われる、請求項1から5のいずれかの方法。
【請求項7】
ステップd)におけるアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの転換が、少なくとも80%、および好ましくは少なくとも90%である、請求項1から6のいずれかの方法。
【請求項8】
結合したブロックコポリマーを形成するために、リビングエラストマーブロックの重合後に、カップリング剤の添加をさらに含み、前記カップリング剤がテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランまたはメチルトリメトキシシランである、請求項1から7のいずれかの方法。
【請求項9】
ステップf)の後に、追加のアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーおよびモノビニル−芳香族モノマーが添加され、ここで、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの量が、モノビニル−芳香族モノマーとアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの総添加量に対して25から50モル%であり、ならびにモノマーの追加量が、追加のリビングガラス質ブロックを形成するために、追加のアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの転換が少なくとも45%であるように共重合されるステップをさらに含む、請求項1から7のいずれかの方法。
【請求項10】
アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーがアルファ−メチル−スチレンであり、モノビニル−芳香族モノマーがスチレンであり、ならびに共役ジエンが1,3−ブタジエンまたはイソプレンである、請求項1から9のいずれかの方法。
【請求項11】
エラストマーブロック中の二重結合の少なくとも90モル%が水素化され、およびガラス質ブロック中の二重結合の10モル%未満が水素化される選択的水素化をさらに含む、請求項1から10のいずれかの方法。
【請求項12】
請求項1の方法により作製されるブロックコポリマーであり、
モノビニル−芳香族モノマーおよびアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーからなる少なくとも1つのガラス質ブロックならびに共役ジエンまたは共役ジエンの混合物からなる少なくとも1つのエラストマーブロックを有し、前記ガラス質ブロックのピーク分子量が2,000から30,000g/モル、好ましくは5,000から20,000g/モルであり、前記エラストマーブロックのピーク分子量が20,000から300,000g/モルであり、前記ガラス質ブロックの量が全ブロックコポリマー質量に対して10から40重量%であり、ならびに前記ガラス質ブロックのガラス転移温度が120から140℃、好ましくは130から140℃である、ブロックコポリマー。
【請求項13】
ブロックコポリマーが、一般式(A−B)n−X(式中、Aはガラス質ブロックであり、およびBはエラストマーブロックであり、nは2から6であり、ならびにXはカップリング剤の残基である。)を有して結合し、ならびにカップリング剤が、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランまたはメチル−トリメトキシシランである、請求項12のブロックコポリマー。
【請求項14】
アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーがアルファ−メチル−スチレンであり、モノビニル芳香族モノマーがスチレンであり、ならびに共役ジエンが1,3−ブタジエン、イソプレンまたは1,3−ブタジエンとイソプレンの混合物である、請求項12または13のブロックコポリマー。
【請求項15】
エラストマーブロックが水素化され、共役二重結合の少なくとも90%が還元されている、請求項12から14のいずれかのブロックコポリマー。
【請求項16】
エラストマー組成物であり、
a.モノビニル−芳香族モノマーとアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの混合物からなる少なくとも1つのガラス質ブロック(アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの量は、ガラス質ブロック中のモノビニル−芳香族モノマーおよびアルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーの総量に対して25から50モル%である。)、および共役ジエンまたは共役ジエンの混合物を含む少なくとも1つのエラストマーブロックを有するブロックコポリマー(ガラス質ブロックのピーク分子量は、2,000から30,000g/モル、好ましくは5,000から20,000g/モルであり、およびエラストマーブロックのピーク分子量は20,000から300,000g/モルであり、ガラス質ブロックの量は、ブロックコポリマーの総質量に対して10から40重量%であり、ならびにガラス質ブロックのガラス転移温度は、120から140℃、好ましくは130から140℃である。)、および
b.オレフィンのポリマーまたはコポリマー
を含むエラストマー組成物。
【請求項17】
オレフィンのポリマーまたはコポリマーが、ブロックコポリマー100部当たり5から500部、好ましくはブロックコポリマー100部当たり10から50部の量の、プロピレンベースのポリマーもしくはコポリマーまたはエチレンベースのポリマーもしくはコポリマーである、請求項16のエラストマー組成物。
【請求項18】
ブロックコポリマーが、一般式(A−B)n−X(式中、Aはガラス質ブロックであり、Bはエラストマーブロックであり、Xはカップリング剤の残基であり、ならびにnは2から6である。)を有し、ブロックAのピーク分子量が5,000から20,000g/モルであり、ならびにブロックAの量がブロックコポリマー全質量に対して10から40重量%である、請求項16または17のエラストマー組成物。
【請求項19】
ブロックコポリマー100部当たり5から300部、好ましくはブロックコポリマー100部当たり10から100部の量の低分子量粘着性樹脂または低分子量プロセス油をさらに含む、請求項16から18のいずれかのエラストマー組成物。
【請求項20】
アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーがアルファ−メチル−スチレンであり、モノビニル−芳香族モノマーがスチレンであり、ならびに共役ジエンが、1,3−ブタジエン、イソプレンまたは1,3−ブタジエンとイソプレンの混合物である、請求項16から19のいずれかのエラストマー組成物。
【請求項21】
ブロックBが水素化されて共役二重結合の少なくとも90%が還元されている、請求項16から20のいずれかのエラストマー組成物。
【請求項22】
少なくとも1つのガラス質ブロックおよび少なくとも1つのエラストマーブロックを含む、選択的に水素化されたエラストマーブロックコポリマーであり、
a.ガラス質ブロックが、アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーとモノビニル−芳香族モノマーのコポリマーであり、ならびにアルファ−アルキル−芳香族モノマーのモノビニル−芳香族モノマーに対するモル比が、25/75から50/50、好ましくは40/60から50/50であり、
b.エラストマーブロックが、20%と85%の間のビニル含有量を有する少なくとも1つの重合した共役ジエンのブロックであり、
c.水素化後に、ガラス質ブロック中のアレーン二重結合の0から約10%が還元されており、ならびにエラストマーブロック中の共役二重結合の少なくとも90%が還元されており、
d.各ガラス質ブロックが、2,000から50,000g/モル、好ましくは5,000から20,000g/モルのピーク分子量を有し、ならびに各エラストマーブロックが20,000から300,000g/モルのピーク分子量を有し、
e.ガラス質ブロックの量が、ブロックコポリマーの総質量に対して10から40重量%であり、ならびに
f.前記ガラス質ブロックのガラス転移温度が120から140℃、好ましくは130から140℃である、
選択的に水素化されたエラストマーブロックコポリマー。
【請求項23】
一般式(A−B)n−X(式中、Aはガラス質ブロックであり、Bはエラストマーブロックであり、nは2から6であり、ならびにXはカップリング剤の残基である。)を有し、前記カップリング剤が、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランまたはメチル−トリメトキシシランである、請求項22の選択的に水素化されたエラストマーブロックコポリマー。
【請求項24】
一般的な線状構造A−BまたはA−B−C構造(AおよびCはガラス質ブロックであり、ならびにBはエラストマーブロックである。)を有する、請求項22の選択的に水素化されたエラストマーブロックコポリマー。
【請求項25】
アルファ−アルキル−ビニル−芳香族モノマーがアルファ−メチル−スチレンであり、モノビニル芳香族モノマーがスチレンであり、ならびに共役ジエンが、1,3−ブタジエン、イソプレンまたは1,3−ブタジエンとイソプレンの混合物である、請求項22から24のいずれかの選択的に水素化されたエラストマーブロックコポリマー。
【請求項26】
フィルム、繊維、複数の繊維、不織マットまたは多層ラミネートである、請求項22から25のいずれかの選択的に水素化されたブロックコポリマーを含む物品。

【図1】
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【公表番号】特表2009−534476(P2009−534476A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501696(P2009−501696)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/064387
【国際公開番号】WO2007/112232
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(508272307)クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー (12)
【Fターム(参考)】