説明

高演色性印刷物およびその印刷方法

【課題】従来の黄、紅、藍、墨プロセス4色印刷で表現していたRGBの色再現領域より
もより広い色領域を再現することを可能とする印刷方法および印刷物。
【解決手段】本発明は、軟化点120〜190℃および重量平均分子量20000〜10
0000であるロジン変性フェノール樹脂、アニリン点70〜100℃である石油系溶剤
、脂肪酸エステル、植物油類ならびに顔料を含有する浸透乾燥型オフセットインキであっ
て、浸透乾燥型オフセット黄インキ、浸透乾燥型オフセット紅インキおよび浸透乾燥型オ
フセット藍インキから選ばれる2種類以上ならびに浸透乾燥オフセット墨インキにより印
刷してなることを特徴とする印刷物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなる浸透乾燥型オフセットインキを印刷
してなる印刷物およびその印刷方法であって、4色によって高彩度の色再現性に優れたイ
ンキシステムを用いた印刷物および印刷方法に関する。
【0002】
また、白色度の高い新聞用紙(高白新聞紙)上に、上記記載の高彩度な色再現可能であ
る、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなる浸透乾燥型オフセットインキを用いて、規定
濃度で印刷することにより、従来の浸透乾燥型オフセットインキ印刷方法では成し得なか
った高彩度の色再現性に優れた浸透乾燥型オフセットインキ印刷物および印刷方法に関す
る。
【背景技術】
【0003】
90年代より始まったIT革命は、印刷現場を取り巻く環境を著しくデジタル化の方向
へと導いてきており、このデジタル化によって、従来の印刷方式のワークフロー(撮影・
ポジ・スキャン・データ・デザイン・EPS・面付け・フィルム・刷版・印刷)が多段階
式過程であったのに対し、デジタルカメラによる撮影・DTP・CTP・印刷とその過程
を飛躍的に短縮することに成功した。それによって、入稿データの「RGB」化が標準化
しつつあり、取り扱われるデータがより色再現領域の広いものへとシフトしつつあるのが
現状である。
【0004】
しかし、現在主流となっている黄、紅、藍、墨のプロセス4色(CMYK)からなる平
版オフセット印刷では、減色混合による色相となるため、必然的に色再現領域がRGBの
それよりも狭いものとなり、デジタルデータと印刷物との間の色再現性の差異が問題とな
っていった。
【0005】
特に浸透乾燥型インキを用いる更紙用印刷(新聞印刷)においては、用紙の白色度、平
滑性の問題があり、コート紙用印刷よりも、さらに色再現領域が狭くなり、デジタルデー
タからの見本印刷物との色再現性の差異が非常に問題となってしまう。
【0006】
また、浸透乾燥型インキを用いる新聞印刷においては、近年、モアカラー化の要望が強
まり、新聞紙面のカラーページが増加する傾向にあるため、これに対応すべく印刷品質の
向上や、カラー広告の高品質化による紙面の差別化が強く望まれている。
【0007】
これを解決する手段として、特許文献1では高彩度の印刷システムとして5〜7色のイ
ンキセットを使用する印刷方法が確立され、それぞれの特定した色相を持つインキセット
を用いる印刷方法として、プロセス4色に橙、緑を加えた6色(ヘキサクロム印刷)やプ
ロセス4色に橙、緑、紫を加えた7色(ハイファイ印刷)等が確立されている。また、ヘ
キサクロムインキに代表されるように、色再現領域を広げる手段として一部の色に蛍光顔
料を含有させる等の手法もとられるが、印刷適性の劣化(転移不良、光沢低下等)や耐光
性不足による印刷物の褪色等のデメリットもある。さらに、使用するインキの色数が6色
、7色となり、印刷機の胴数が6胴以上の高価な多色印刷機を必要とする事に加え、それ
と同数の多色分解した版数が必須条件となり、新たに始めるには巨額な設備投資と、色調
管理の複雑化などで本システムを用いるには限られた範囲に止まっている。
【0008】
新聞印刷においては、特にプロセス4色用の印刷機がほとんどであり、5色機以上の多
色機が汎用品として市場に導入されていないこともあり、多色印刷機を用いた5胴以上の
多色印刷方法による紙面の高彩度化はさらに困難であり、そのため高演色用インキの存在
や、印刷用紙を含めた高彩度を得るために印刷方法の確立が重要になってくる。
【0009】
従来、新聞印刷において、インキ盛り量を通常より多くし、紙面濃度を上げることによ
って高彩度化を図ることが試みられてきた、しかし、インキ盛り量を多くすることによっ
て、紙面の彩度は向上するものの、セット性が遅延し、オフセット汚れ、ガイド汚れの誘
発を招く。また、顔料濃度を高濃度化し、インキの盛り量を変化させずに紙面濃度を上げ
ることも試みられてきたが、乳化適性等の印刷適性の劣化を招く危険性が高い。
【0010】
また、藍顔料と緑顔料を混合した藍インキを用いることで、緑(藍×黄の重ね)の色再
現領域を拡大する方法がある。緑の波長領域である480nm〜580nmの反射率が増加す
るため、緑の色再現域は広がる一方、藍または青(藍×紅の重ね)の波長領域の反射率が
減少し、藍または青の色再現域が狭くなるため有効な手段ではない(特許文献2、3)。
【0011】
また、近年、色再現領域を拡大する方法として、ローダミン系染料の金属レーキ化合物
を紅顔料として使用することで、紅や青や赤(紅×黄の重ね)の色再現領域が広がるとい
う報告がある。本発明は、藍顔料を従来の銅フタロシアニン顔料からバリウムレーキのフ
タロシアニン顔料またはトリフェニルメタン系染料の金属レーキ化合物を使用することで
、これまでの手法では達成しえなかった藍や緑や青の色再現領域の拡大を成し遂げる。同
時に、紅インキとしてローダミン系染料の金属レーキ化合物を併用することで、さらには
紅や赤や紫(藍×紅の重ね)の色再現域の拡大を可能とする(特許文献4〜8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−260516号公報
【特許文献2】特開2007−125880号公報
【特許文献3】特開2007−126640号公報
【特許文献4】特開2007−231221号公報
【特許文献5】特開2007−277316号公報
【特許文献6】特開2008−081608号公報
【特許文献7】特開2008−081611号公報
【特許文献8】特開2009−013288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような従来の技術における問題点を解決する為になされたものであり、
その課題とするところは、従来多く普及している4色印刷機を用いて、RGBの色再現領
域を限りなく表現することができる、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなる浸透乾燥型
オフセットインキによる印刷物およびその印刷方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために誠意研究した結果、特定の浸透乾燥型オフセットインキによ
って印刷してなる印刷物は、高彩度の色再現性に優れた印刷物であることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、軟化点120〜190℃および重量平均分子量20000〜10
0000であるロジン変性フェノール樹脂、アニリン点70〜100℃である石油系溶剤
、植物油類ならびに顔料を含有する浸透乾燥型オフセットインキにより印刷してなる印刷
物であって、
浸透乾燥型オフセット黄インキ、浸透乾燥型オフセット紅インキおよび浸透乾燥型オフ
セット藍インキから選ばれる2種類以上ならびに浸透乾燥型オフセット墨インキにより印
刷してなることを特徴とする印刷物に関するものである。
【0016】
また、本発明は、浸透乾燥型オフセット黄インキ、浸透乾燥型オフセット紅インキまた
は浸透乾燥型オフセット藍インキが、それぞれ、下記顔料成分の組み合わせからなるイン
キであることを特徴とする上記の印刷物に関するものである。
1)ジスアゾイエロー系金属化合物として、
C.I.ピグメントイエロー12
または
C.I.ピグメントイエロー13を、
インキ全量に対して5〜15重量%含有し、濃度値1.10〜1.20の浸透乾燥
型オフセット墨インキ上に0.85〜0.95の範囲で刷り重ねた場合のL
が、31を超えない透明性を有する浸透乾燥型オフセット黄インキ。
2)アゾ系金属化合物として、
ブリリアントカーミン6B、レーキレッドCもしくはレーキレッドD
または
ローダミン系染料の金属レーキ化合物として、
C.I.ピグメント81、C.I.ピグメント169もしくはC.I.ピグメント
バイオレット1を、
インキ全量に対して10〜30重量%含有する浸透乾燥型オフセット紅インキ。
3)フタロシアニン系染料の金属レーキ化合物として、
C.I.ピグメントブルー17:1もしくはC.I.アシッドブルー
または
トリフェニルメタン系染料の金属レーキ化合物として、
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー
3、C.I.ピグメントブルー8、C.I.ピグメント9、C.I.ピグメントブルー
12、C.I.ピグメントブルー62もしくはC.I.ピグメントグリーン1を、
インキ全量に対して5〜35重量%含有する浸透乾燥型オフセット藍インキ。
【0017】
さらに、本発明は、浸透乾燥型オフセット黄インキ、浸透乾燥型オフセット紅インキま
たは浸透乾燥型オフセット藍インキが、それぞれ、下記化合物を含有することを特徴とす
る上記の印刷物に関するものである。
a)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたとき
に、400nm〜500nmの波長領域が10%〜50%、530nm〜700n
mの波長領域での反射率が90〜100%の反射スペクトルを有することを特徴と
する黄色相化合物を、インキ全量に対して5〜15重量%含有する浸透乾燥型オフ
セット黄インキ。
b)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたとき
に、400nm〜500nmの波長領域での最大反射率が50%〜100%、
500nm〜560nmの波長領域での反射率が1〜20%、630nm〜700
nmの反射率が80%〜100%の反射スペクトルを有することを特徴とする紅色
相化合物を、インキ全量に対して15〜20重量%含有する浸透乾燥型オフセット
紅インキ。
c)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたとき
に、400nm〜530nmの波長領域での最大反射率が50%〜100%、
600nm〜700nmの波長領域での反射率が1〜30%の反射スペクトルを有
することを特徴とする藍色相化合物を、インキ全量に対して5〜35重量%含有す
る浸透乾燥型オフセット藍インキ。
【0018】
また、本発明は、上記の印刷物を印刷する印刷方法に関するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明が提供する浸透乾燥型オフセットインキを用いることにより、従来の黄、紅、藍
、墨プロセス4色印刷で表現していたRGBの色再現領域よりも、より広い色領域を再現
することが可能になる。また、本発明では、印刷物の色再現領域を向上させる手段として
蛍光顔料を使用していないため、印刷適性、印刷物の経時での褪色等を劣化させることな
く、高彩度の印刷物を得ることができる。
【0020】
さらに、ISO規格の新聞用ジャパンカラー標準用紙よりも大幅に白色度の高い、高白
色新聞用紙を用いることにより、更紙による可視光領域の吸収、特に波長領域が380〜
600nmの紙による吸収を防ぐことができるため、特に黄・緑(藍×黄)・藍・青紫(藍
×紅)領域の反射率が向上し、黄・緑・藍・青紫の色再現性を大きく向上させることが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】黄・紅・藍各色の理想の分光反射スペクトルに関する図である。
【図2】黄インキの透明性の評価に関する図である。
【図3】本発明による印刷物の測定結果に関する図である。
【図4】本発明による印刷物の黄・紅・藍各色の分光反射曲線の測定結果に関する 図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0023】
本発明は、顔料、合成樹脂、植物油類および石油系溶剤とを必要に応じてステアリン酸
アルミニウム、アルミキレート等のゲル化剤と共に加熱溶解したビヒクル成分と、耐摩擦
剤等の補助剤とからなる黄、紅、藍、墨の4色からなる浸透乾燥型オフセットインキによ
り印刷してなる印刷物およびその印刷方法である。
【0024】
この印刷に使用される浸透乾燥型オフセットインキは、軟化点120〜190℃および
重量平均分子量20000〜100000であるロジン変性フェノール樹脂、アニリン点
70〜100℃である石油系溶剤、植物油類ならびに顔料を含有することが特徴である。
【0025】
さらに、浸透乾燥型オフセット黄インキ、浸透乾燥型オフセット紅インキおよび浸透乾
燥型オフセット藍インキから選ばれる2種類以上ならびに浸透乾燥型オフセット墨インキ
により印刷してなる印刷物である。
【0026】
さらに、本発明において、印刷する基材は、高白新聞用紙(例えば王子製紙(株)製高
白新聞用紙:秤量52g/m、L:92、a:0.2、b:0.8)に印刷する
ことが好ましく、印刷物の黄、紅、藍の各色を Gretag Macbeth Spectro Eye(45/0、
D50、2度視野:Status T)濃度計にて測定した際の濃度値が、
黄が0.90〜1.00、
紅が0.90〜1.02、
藍が0.90〜1.05
の範囲内であるときに、
単色および各単色の刷り重ねのL表色系による色度(JIS Z 8729)が、
黄インキで、L:82〜92、a:−10〜0、b:75〜85
紅インキで、L:55〜65、a:56〜67、b:−24〜−12
藍インキで、L:58〜70、a:−35〜−22、b:−40〜−30
の範囲内にあり、上記インキ2色の重ね刷りの色度(JIS Z8729)が、
紅インキ×黄インキの刷り重ねで、L:52〜62、a:47〜57、
:30〜40
藍インキ×黄インキの刷り重ねで、L:57〜63、a:−55〜−45、
:28〜38
藍インキ×紅インキの刷り重ねで、L:35〜45、a:15〜25、
:−50〜−40
の範囲内になることを特徴とする。
【0027】
色再現領域の表現方法としては、XYZ表色系(CIE1931表色系)、X10Y10Z1
0表色系(CIE1964表色系)、L表色系(CIE1976)、ハンター
Lab表色系、マンセル表色系、L表色系(CIE1976)等挙げられる。
【0028】
表色系では、色相に関係なく比較できる明るさの度合いとして「明度」を
で表現し、Lが大きくなるほど色が明るく、小さくなるほど暗くなることを示して
いる。また、各色によって異なる「色相」をa、bの値で示し、aは赤(+)から
緑(−)方向、そしてbは黄(+)から青(−)方向を示し、各方向とも絶対値が大き
くなるに従って色鮮やかになり、0に近づくに従ってくすんだ色になることを示している
。これによって一つの色を、L、a、bを用いて数値化することが可能となる。ま
た「明度」「色相」とは別に、鮮やかさの度合いを数値化する方法として「彩度(C)」
があり、計算式(1)にて求めることができる。
計算式(1)
【数1】



【0029】
Cに関しても同様に、絶対値が大きくなるに従って色鮮やかになり、値が小さくなるに
つれてくすんだ色になることを示している。
【0030】
一つの印刷物(印刷物以外のカラースペースも含む)で表現できるすべての色再現領域
を演色領域(ガモット)と呼ぶが、ガモットを表す最も簡便な方法として、aを横軸、
を縦軸とした2次元空間に、単色ベタ部(黄、紅、藍)、および、単色ベタ刷り重ね
部(黄×紅、紅×藍、藍×黄)計6色のa対bの値を、プロットした六角形の面積で
表現することが可能である。ガモットの面積が広い程、色再現領域が広いことを示してい
る。
【0031】
本発明では、a、bの2次元だけではなく、明度「L」も考慮した演色領域とし
て、Lb*表色系における色空間(カラースペース)を、横軸aを−80〜+8
0、横軸bを−80〜+80の範囲で10ステップずつの区切りで表現し、高さL
0〜100の10ステップずつの区切りでスライスして表現した最大6875色数を示す
色再現領域を模式的に表現し、その再現色数が多い程インキ再現できる演色領域が広いこ
とを数値で表現した。
【0032】
本発明の新聞印刷用紙の白色度は高いほうが、印刷発色コントラストを得られるためカ
ラー印刷では特に高いほうが良いが、高すぎると裏面の印刷が透けて見えるようになり、
印刷品質が低下してしまう。具体的には白色度60〜85%が好ましく、63〜85%が
より好ましい。また印刷後の不透明度は、高ければ高いほうが良く、88%以上が好まし
く、90%以上がさらに好ましい。印刷後不透明度が低いと両面に印刷を行う新聞用紙の
場合には裏面の印刷品質を低下させるため好ましくない。本発明に用いられる高白色新聞
用紙としては、酸性紙でも中性紙でもよい。本発明のコールドセットオフセット印刷用新
聞用紙は印刷適性すぐれ、特にカラー多色印刷時に網点の太りがなく、裏抜けも少ないた
め高品質な画像を得ることが可能となる。
【0033】
また、本発明において使用される新聞印刷用紙の王研式平滑度は10〜100秒である
ことが必要である。表面平滑性が高いほうが、インキ着肉が良好であるため好ましいが、
100秒以上ではインキ吸収性が極端に低下するためセットオフなどのトラブルが発生し
やすくなる。一方、10秒未満では表面が粗すぎて、インキ着肉が悪化し、印面もガサツ
キ傾向となるため好ましくない。王研式平滑度を10〜100秒、さらに好ましくは15
〜60秒とすることで、表面処理剤の効果を充分に出すことが可能となる。
【0034】
一般的に、色再現領域を広げるためには、各色の理想的な分光反射率曲線に近づける必
要がある。すなわち、人が色を認識する波長領域は400nm〜700nmの光(この波長を
可視光線という)において、黄インキでは、500nm〜700nmの波長領域での反射率が
100%、400nm〜500nmの波長領域での反射率が0%であり、紅インキでは、40
0nm〜500nm、600nm〜700nmの波長領域での反射率が100%、500nm〜60
0nmの波長領域での反射率が0%であり、藍インキでは、400nm〜600nmの波長領域
での反射率が100%、600nm〜700nmの波長領域での反射率が0%であることが理
想であると言われている(理想のプロセスインキの分光反射率曲線を図1に示す)。
【0035】
しかし、現状使用されているプロセス4色からなる、黄、紅、藍、墨のオフセットイン
キ組成物の反射スペクトルは理想の反射スペクトルとはかけ離れている。完全反射しなけ
ればならない部分での不必要吸収があるためにインキの濁り成分が存在し、色再現性を狭
めている。
【0036】
本発明のプロセス4色からなる、黄、紅、藍、墨の浸透乾燥型オフセットインキ組成物
の(a)黄インキ、(b)紅、(c)藍の3色が以下の分光反射率曲線を有することで、
理想のプロセスインキの分光反射曲線に近づけている。
【0037】
(a)400nm〜700nmの波長領域において、
最大反射率を100%としたときに、400nm〜500nmの波長領域が10%〜5
0%、530nm〜700nmの波長領域での反射率が90〜100%の反射スペクトル
を有することを特徴とする黄色相化合物を5〜15%含有する浸透乾燥型オフセット黄イ
ンキである。
【0038】
(b)400nm〜700nmの波長領域において、
最大反射率を100%としたときに、400nm〜500nmの波長領域での最大反射
率が50%〜100%、500nm〜560nmの波長領域での反射率が1〜20%、6
30nm〜700nmの反射率が80%〜100%の反射スペクトルを有することを特徴
とする紅色相化合物を15〜20%含有する浸透乾燥型オフセット紅インキである。
【0039】
(c)400nm〜700nmの波長領域において、
最大反射率を100%としたときに、400nm〜530nmの波長領域の反射率が5
0〜100%、600nm〜700nmの反射率が1〜30%の反射スペクトルを有する
ことを特徴とする藍色相化合物を5〜35%含有する浸透乾燥型オフセット藍インキ。
【0040】
本発明に用いられる黄顔料としては、ジスアゾイエロー系金属化合物、例えば、C.I
.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13等であって、ISO規格の
新聞ジャパンカラー標準用紙に印刷した時の墨インキの濃度値が1.10〜1.20の範
囲内で印刷した墨インキ上に、濃度0.85〜0.91の範囲で刷り重ねした場合のL
値が31を超えない透明性を有していれば、二次色、三次色の重ね刷りをした際の下刷り
インキへの影響が少なく、良好な色再現領域を得ることができる。添加量としては、5〜
15重量%が好ましい。さらには補色としてC.I.ピグメントイエロー83を上記黄顔
料の0.5〜10%、好ましくは2〜5%加えて使用することも可能である。
【0041】
本発明に用いられる紅顔料として、アゾ系金属化合物のブリリアント カーミン6B、
レーキレッドC、レーキレッドD、レッド2B、リソールレッド、ボルドー10D、ブリリア
ント スカーレットG、ブリリアント カーミン3Bなどのバリウム、カルシウム、マンガ
ン、ストロンチウムレーキ金属化合物、例えばC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグ
メントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド48:1
、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッ
ド64:1、C.I.ピグメントレッド60:1が挙げられ、もしくはローダミン系染料のロ
ーダミンB、ローダミン3G、ローダミン6Gなどのモリブデン、タングステン金属レー
キ化合物、例えばC.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメ
ントバイオレット1が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら紅顔料は単
独で使用してもよく、また2種類以上の組み合わせて使用することも可能である。これら
の紅顔料は、全インキに対し10〜30%、より好ましくは10〜20%含有させるのが
よい。
【0042】
本発明に用いられる藍顔料としては、フタロシアニン系染料のバリウム金属レーキ化合
物であるC.I.ピグメントブルー17:3、又は、C.I.アシッドブルー7、又はトリフェニ
ルメタン系染料の金属レーキ化合物として、C.I.ピグメントブルー1又はC.I.ピグメント
ブルー2又はC.I.ピグメントブルー3又はC.I.ピグメントブルー8又はC.I.ピグメント9
又はC.I.ピグメントブルー12又はC.I.ピグメントブルー62、又はC.I.ピグメント
グリーン1が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの藍顔料は
2種類以上を組み合わせて使用することも可能であり、全インキに対し5〜35%より好
ましくは10〜25%含有させるのが良い。
【0043】
本発明に用いられる墨顔料としては、カーボンブラック、例えばC.I.ピグメントブラッ
ク7等が挙げられる。
【0044】
本発明に用いられる合成樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキ
ッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂変性アルキッド樹脂、ロジンエステル等
が考えられる。好ましくは、ロジン変性フェノール樹脂を使用することがよい。ロジン変
性フェノール樹脂は、特に限定されないが、重量平均分子量20000〜100000の
ものを使用するのが好ましい。分子量20000以下ではインキの粘弾性が低下し、10
0000以上ではインキとしての流動性が不十分となるため好ましくない。
【0045】
また、ロジン変性フェノール樹脂は、環球法による軟化点が120〜190℃であるこ
とが好ましい。120℃未満では皮膜の柔軟性が高くマイクロクラックの発生を困難にし
、190℃を超えると溶解させるのが困難になる。
【0046】
また、ロジン変性フェノール樹脂をはじめとする合成樹脂の溶解性としては、新日本石
油(株)製0号ソルベント溶剤でトレランスが10〜40重量%のものが望ましい。10
重量%未満ではインキのセットが劣化し、40重量%を超えるとインキ流動性が低下する
。また、本発明ではこれら合成樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用い
ることもできる。
【0047】
本発明において、トレランスとは樹脂(Xg)を試験管に採取し、溶剤(新日本石油(
株)製0号ソルベント溶剤)で加熱溶解された後に25℃に冷却した時の白濁しない最小
樹脂濃度である。計算式(2)を以下に示す。尚、数値が小さいほど溶解性に優れている

計算式(2)
【数2】

【0048】
本発明に用いられる植物油類としては、植物油または、植物由来の脂肪酸エステルを示
す。
植物油としては、例えばパーム核油、ヤシ油、綿実油、落花生油、パーム油、コーン油
、オリーブ油、亜麻仁油、コーン油、大豆油、サフラワー油、桐油等の植物油由来のもの
が例示できるとともに、それらの熱重合油および酸素吹き込み重合油なども使用できる。
また、本発明ではこれら植物油を単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0049】
また、脂肪酸エステルとは、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、パルミトレ
ン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の天然物由来の脂肪酸と炭素数1〜8のア
ルコールで脱水縮合することにより得られるが、引火点170〜250℃のエステルであ
ることが好ましい。
【0050】
本発明に用いられる石油系溶剤は、芳香族炭化水素の含有率が1%以下で、アニリン点
70〜100℃がよく、さらに好ましくは80〜95℃がよい。さらに、沸点260℃〜
350℃がよく、好ましくは280〜350℃がよい。アニリン点が70%未満の場合に
は、樹脂を溶解させる能力が高すぎる為、インキのセット性が遅くなり不適であり、また
100℃を超える場合には樹脂の溶解性が乏しい為、光沢、着肉等が悪くなり好ましくな
い。沸点が260℃未満の場合には、印刷機上でのインキ溶剤の蒸発が多くなり、インキ
の流動性の劣化により、インキがローラー、ブランケット、版等への転移性が悪くなり、
好ましくない。また、350℃を超える場合には、紙に浸透した溶剤の蒸発が遅くなるた
め裏抜け等の劣化を招く。
【0051】
さらに、本発明に用いられる非芳香族系石油系溶剤としては、新日本石油(株)製のA
Fソルベント5、6、7もしくはISU Chemical Limited製のDSO
L300等が挙げられる。
【0052】
さらに、本発明のオフセットインキ組成物には、必要に応じてゲル化剤、顔料分散剤、
体質顔料、金属ドライヤー、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦向上剤、裏移り防止剤、非
イオン系界面活性剤、多価アルコールなどの添加剤を適宜使用することができる。
【実施例】
【0053】
次に具体例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら記載実施例
に限定されるものではない。なお、本発明において部は重量部を表し、%は、特に断らな
い限り重量%を表す。
【0054】
(オフセット用ロジン変性フェノール樹脂ゲルワニスAの製造)
表1のような配合にて、コンデンサー、温度計、および攪拌機を装着した四つ口フラス
コにロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業(株)製:重量平均分子量80000、ト
レランス25重量%、酸価20、軟化点160℃)39.0部、大豆油30部、AFソル
ベント5号(新日本石油(株)製)30部を仕込み、180℃に昇温して、同温で30分
間攪拌した後、放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロ
ポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み、180℃で30
分間攪拌してオフセット用ロジン変性フェノール樹脂ゲルワニスA(以下ゲルワニスAと
称す)を得た。
【0055】
【表1】

【0056】
[インキ実施例](黄インキ1)
表2のような配合にてC.I.ピグメントイエロー12(東洋インキ製造(株)製LI
ONOL YELLOW 1245−P)をニーダー中で温度75℃の条件下、ゲルワニ
スAを徐々に添加して混練して一次脱水を行った。次にニーダー温度100℃〜120℃
、減圧度76mmHgの条件下で1時間バキュームし、ベースインキ中の水分を0.5%
以下になるように二次脱水を行った。脱水後、残りのゲルワニスA、AFソルベント5号
、大豆油を添加して混練して希釈し、ニーダーより未分散ベースインキを取り出した。取
り出したベースインキをロール温度60℃の3本ロールを用いて、分散粒子系測定機(グ
ラインドメーター)で7.5ミクロン以下になるまで練肉し、黄ベースインキ1を得た。
次いで、黄ベースインキ1に対して、表3の配合でゲルワニスA、大豆油、コンパウンド
、AFソルベント5号を添加し黄インキ1を得た。
【0057】
【表2】

【0058】
【表3】

【0059】
[インキ実施例](紅インキ2)
黄インキと同様に、表2の配合にてC.I.ピグメントレッド81(不二化成(株)製
ファナルローズRNN−P)を用い、紅ベースインキ2を得た。次いで、紅ベースインキ
2に対して、表3の配合でゲルワニスA、大豆油、コンパウンド、AFソルベント5号を
添加し紅インキ2を得た。
【0060】
[インキ実施例](藍インキ3)
表3の配合にて、C.I.ピグメントブルー17:1(大日精化(株)製SEIKAL
IGHT BLUE A612)をゲルワニスAと混合し、分散粒子系測定機(グライン
ドメーター)で7.5ミクロン以下になるまで練肉後、さらに大豆油、コンパウンド、A
Fソルベント5号を添加し藍インキ3を得た。
【0061】
[インキ比較例]
比較例として用いるインキは一般的な新聞印刷用インキを使用した。このとき使用した
ゲルワニスは、ロジン変性フェノール樹脂(荒川化学工業(株)製:重量平均分子量14
0000、トレランス45重量%、酸価25、軟化点200℃)34.0部、大豆油32
部、AFソルベント5号(新日本石油(株)製)33部、ゲル化剤としてエチルアセトア
セテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製AL
CH)をゲルワニスAと同様の製造法で得たものを使用した。
【0062】
<黄インキ透明性評価>
黄インキの透明性評価については、下記の試験法で評価した。
濃度値1.10〜1.20の範囲内で印刷した墨インキ上に、濃度0.80〜1.10の
範囲で黄インキを刷り重ねし、L値を測定した。結果を図2に示す。実施例の黄インキ
は、濃度値を1.10まで上げてもL値が31を越えず、下刷りの墨インキに影響を与
え難く、透明性に優れているといえる(L値は値が小さいほど黒く、大きくなるほど白
くなることを示している)。一方、比較例はL値が高く、上刷りの黄インキが不透明で
あるために下刷りの墨インキの黒さを阻害してしまっていることが分かる。
【0063】
<新聞用紙の白色度測定>
本発明におけるコールドオフセット印刷新聞用紙の白色度は、分光白色度測色計(スガ
試験機社製)を使用してISO 3688に記載の方法で測定した。
【0064】
<王研式平滑度の測定>
JAPAN TAPPINo.5の王研式平滑度試験器により測定。
【0065】
<印刷物評価試験用印刷条件>
上記実施例および比較例のインキについて、下記印刷条件の下、黄、紅、藍の各ベタ濃
度値を、黄:0.90〜1.00、紅:0.90〜1.02、藍:0.90〜1.05の
範囲内で印刷し、印刷物の評価を実施した。尚、墨インキは、一般的なオフセット用新聞
印刷インキを使用し、濃度値1.12〜1.20の範囲内で印刷した。
実施例の印刷条件
印刷機 :LITHOPIA BT2−800 NEO(三菱重工(株))
刷り順 :墨→藍→紅→黄
用紙 :高白新聞用紙:中質紙(白色度63%、平滑度38秒、秤量52g/
)(王子製紙(株)製)
(測色値:L:92、a:0.2、b:0.8)
湿し水 :NEWSKING ALKY(東洋インキ製造(株))0.5%水道
水溶液
印刷速度:10万部/時
比較例の印刷条件
印刷機 :LITHOPIA BT2−800 NEO(三菱重工(株))
刷り順 :墨→藍→紅→黄
用紙 :新聞用更紙:超軽量紙(白色度43%、平滑度110秒、秤量
43g/m)(日本製紙(株))
(測色値:L:82、a:−0.4、b:4.6)
湿し水 :NEWSKING ALKY(東洋インキ製造(株))0.5%水道
水溶液
印刷速度:10万部/時
【0066】
<印刷物測定条件>
濃度 :Gretag Macbeth Spectro Eye(45/0、D50、2度視野:Status T)にて
印 刷物の単色(黄、紅、藍、墨)ベタ部の濃度値を測定。
測色 :Gretag Macbeth Spectro Eye(45/0、D50、2度視野:Status T)にて
印 刷物の単色ベタ部(黄、紅、藍)、および、単色ベタ刷り重ね部(黄×
紅、紅×藍、藍×黄)のL、a、b*値を測定。
C値はaおよびbから下記計算式(1)にて求めた。
計算式(1)
【数3】

【0067】
【表4】

【0068】
濃度および測色した結果を表4に示す。比較例と比べて実施例のC値が大きく、印刷物
の彩度が高いことがわかる。また、図3にaを横軸、b縦軸とした2次元空間に、各
、b値をプロットし、2次元のガモットで比較した結果、実施例の色再現領域が広
いことがわかる。
【0069】
また、得られた分光反射率曲線を図4に示す。比較例の従来インキに比べ、実施例のイ
ンキの方が理想の分光反射率曲線に近くなっており、完全反射しなければならない部分の
不必要吸収が少なくなっている。そのため、インキの濁り成分が減少し、色再現領域が広
がっていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟化点120〜190℃および重量平均分子量20000〜100000であるロジン
変性フェノール樹脂、アニリン点70〜100℃である石油系溶剤、植物油類ならびに顔
料を含有する浸透乾燥型オフセットインキにより印刷してなる印刷物であって、
浸透乾燥型オフセット黄インキ、浸透乾燥型オフセット紅インキおよび浸透乾燥型オフ
セット藍インキから選ばれる2種類以上ならびに浸透乾燥型オフセット墨インキにより印
刷してなることを特徴とする印刷物。
【請求項2】
浸透乾燥型オフセット黄インキ、浸透乾燥型オフセット紅インキまたは浸透乾燥型オフ
セット藍インキが、それぞれ、下記顔料成分の組み合わせからなるインキであることを特
徴とする請求項1記載の印刷物。
1)ジスアゾイエロー系金属化合物として、
C.I.ピグメントイエロー12
またはC.I.ピグメントイエロー13を、
インキ全量に対して5〜15重量%含有し、
濃度値1.10〜1.20の浸透乾燥型オフセット墨インキ上に0.85〜
0.95の範囲で刷り重ねた場合のL値が、31を超えない透明性を有する浸透
乾燥型オフセット黄インキ。
2)アゾ系金属化合物として、
ブリリアントカーミン6B、レーキレッドCもしくはレーキレッドD
または
ローダミン系染料の金属レーキ化合物として、
C.I.ピグメント81、C.I.ピグメント169もしくはC.I.ピグメント
バイオレット1を、
インキ全量に対して10〜30重量%含有する浸透乾燥型オフセット紅インキ。
3)フタロシアニン系染料の金属レーキ化合物として、
C.I.ピグメントブルー17:1もしくはC.I.アシッドブルー
または
トリフェニルメタン系染料の金属レーキ化合物として、
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー
3、C.I.ピグメントブルー8、C.I.ピグメント9、C.I.ピグメントブルー
12、C.I.ピグメントブルー62もしくはC.I.ピグメントグリーン1を、
インキ全量に対して5〜35重量%含有する浸透乾燥型オフセット藍インキ。
【請求項3】
浸透乾燥型オフセット黄インキ、浸透乾燥型オフセット紅インキまたは浸透乾燥型オフ
セット藍インキが、それぞれ、下記化合物を含有することを特徴とする請求項1または2
記載の印刷物。
a)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたとき
に、400nm〜500nmの波長領域が10%〜50%、530nm〜700n
mの波長領域での反射率が90〜100%の反射スペクトルを有することを特徴と
する黄色相化合物を、インキ全量に対して5〜15重量%含有する浸透乾燥型オフ
セット黄インキ。
b)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたとき
に、400nm〜500nmの波長領域での最大反射率が50%〜100%、
500nm〜560nmの波長領域での反射率が1〜20%、630nm〜700
nmの反射率が80%〜100%の反射スペクトルを有することを特徴とする紅色
相化合物を、インキ全量に対して15〜20重量%含有する浸透乾燥型オフセット
紅インキ。
c)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたとき
に、400nm〜530nmの波長領域での最大反射率が50%〜100%、
600nm〜700nmの波長領域での反射率が1〜30%の反射スペクトルを有
することを特徴とする藍色相化合物を、インキ全量に対して5〜35重量%含有す
る浸透乾燥型オフセット藍インキ。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか記載の印刷物を印刷する印刷方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−213932(P2011−213932A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84975(P2010−84975)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】