説明

高純度ハイシリカモルデナイトの合成方法

【目的】脱アルミニウム処理をすることなく、合成したままの状態でSiO/Al比の高い高純度モルデナイト型ゼオライト結晶を合成し、それを用いた優れた高温耐熱性、高い構造安定性、強い固体酸性などが要求される触媒、吸着剤、分離剤等の基材として有用な材料を提供する。
【解決手段】反応混合物が酸化物のモル比で表して次の組成
SiO/Al=40〜100
NaO/SiO=0〜0.3
TEAO/SiO=0.01〜0.5
NHAn/SiO=0.01〜0.3
O/SiO=0.5〜50
(ここでTEAはテトラエチルアンモニウムイオン、NHAnはアンモニウム塩、Anは陰イオンを表す)の反応混合物を自生圧力下において100〜200℃の温度で結晶化させるSiO/Al=40〜100の高純度モルデナイト型ゼオライトの合成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触媒、吸着剤、分離剤等の基材として有用なモルデナイト、特に、有機添加剤を用いない方法では困難であったSiO/Al=40〜100の高純度モルデナイト型ゼオライトを、容易に合成する方法に関するものである。SiO/Al比の高いゼオライトは、耐熱性、耐酸性および構造安定性に優れ、また固体酸強度も強いので、触媒や吸着剤として優れた特性を示す。
【背景技術】
【0002】
モルデナイト型ゼオライトは天然にも産出するアルミノシリケートゼオライトの1種であり、その合成方法は多数提案されている。これまでに提案されているモルデナイトの一般的合成法は、有機添加剤を用いることなしにアルミノシリケートゲルスラリーを加熱結晶化する方法である(例えば、特許文献1、2、3参照)。これらの方法で得られるモルデナイトのSiO/Al比は通常9〜20の範囲である。これに対して、微粉状シリカ原料を用いて攪拌下で合成することにより、SiO/Al比が12〜30の結晶を合成する方法がある(例えば、特許文献4参照)。また有機添加剤としてベンジルトリメチルアンモニウムイオンを用いる方法(例えば、特許文献5参照)やアミノ酸を添加する方法(例えば、特許文献6参照)などが提案されている。これらの方法によれば有機添加剤を用いない方法に比べてSiO/Al比の高い結晶が得られるが、その最大値はそれぞれ25.8および26.4であり、40を超えるSiO/Al比のモルデナイト結晶の合成は不可能であった。そのために一般的には、SiO/Al比=10〜20のモルデナイトを脱アルミニウム処理することによってSiO/Al比を高くする方法が採用されてきた。しかしながらこの方法では、結晶内の一部が構造破壊を起こして結合欠陥が生じるため、細孔径や固体酸強度を任意に制御することが困難であるという不都合が生じていた。
【0003】
一方、SiO/Al比のさらに高いモルデナイト結晶を合成する試みとして、TEAイオンを添加して合成する方法があるが、生成結晶のSiO/Al比の最大値は35である(特許文献7および非特許文献1参照)。
【0004】
さらに最近は、TEAOH(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)とNaFを同時に添加することによりSiO/Al比が40以上のモルデナイトを合成する方法が提案されており、NaFを添加しない方法ではSiO/Al比が40を超えるモルデナイトの合成は困難であった(特許文献8参照)。これらの方法以外にSiO/Al比が40以上のモルデナイトを合成する方法としてリン酸イオンを添加する方法が報告(非特許文献2)されているが、X線回折図に不純物のピークが存在すると共に比表面積の値が小さいことから、高純度結晶とは言い難い。
【0005】
【特許文献1】特公昭41−17854号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特公昭47−46677号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特公昭49−10440号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】特公昭63−51969号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】特公昭62−43927号公報(特許請求の範囲)
【特許文献6】米国特許第5573746号明細書(第16頁、Example 7)
【特許文献7】米国特許第3766093号明細書(第6−7頁、Example 8)
【特許文献8】特開2003−313026号公報(比較例1,2,4)
【非特許文献1】A.A.Shaikh、P.N.Joshi、N.E.Jacob、V.P.Shiralkar著、「ゼオライツ(ZEOLITES)」、バターウオース−ハイネマン(Butterworht−Heinemann)社出版、1993年発行、Vol.13、511−517頁、(517頁、表6)
【非特許文献2】S.Samanta,N.K.Mal,P.Kumar,A.Bhaumik著,「Hydrotermally Synthesized high silica mordenite as an efficient catalyst in alkylation reaction under liquid phase condition」,Journal of Molecular Catalysis A:Chemical、215、169−175頁、2004(171頁、表1、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明の目的は、反応混合物に溶解性の高いアンモニウム塩を添加することにより、合成したままの状態でSiO/Al比=40〜100の高純度モルデナイト型ゼオライト結晶を合成し、高温耐熱性、高い構造安定性、強い固体酸性などが要求される触媒、吸着剤、分離剤等として有用な材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ゼオライトの構造と組成、ゼオライトの結晶化機構について鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。本発明のSiO/Al比=40〜100の高純度モルデナイト型ゼオライトは、有機添加剤としてTEAOH、アルカリ成分としてNaOHを添加した反応混合物に、さらにアンモニウム塩を添加して合成するものである。さらにこの反応混合物にモルデナイト型ゼオライトを種結晶として添加することにより、またはNaFと種結晶を併用することにより、容易に高純度モルデナイト型ゼオライトを合成することができる。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
モルデナイト型ゼオライトは、12員酸素環から成る細孔径6.5×7.0オングストロームの比較的大きな一次元細孔を有することが特徴である。また、モルデナイト型ゼオライト結晶の代表的X線回折図は、表1に示す回折角(2θ)と格子面間隔(d、オングストローム)およびその回折強度によって特徴づけられ、他のゼオライトと明瞭に区別することができる。
【0010】
【表1】

また、その組成は酸化物のモル比で表して下記の組成式で表わされる。
【0011】
xNaO・Al・ySiO・zH
ここでxは0.8〜1.2、yは10以上、zは0以上の数を表す。yの値が比較的高いことがモルデナイトの特徴であり、そのために高耐熱性を有し、プロトン交換体は強い固体酸性を示すことが特徴である。従来は、SiO/Al比の高いモルデナイトが必要な場合には、酸処理やスチーミングを行ってアルミニウムを骨格外に抽出することが行われていた。この方法によりSiO/Al比を上げることは可能であるが必然的に結合欠陥が生じるため、結晶細孔径や固体酸特性が変化してモルデナイト本来の特徴が損なわれる。そのために触媒や吸着剤への応用にも限界があった。
【0012】
本発明のモルデナイト型ゼオライトは、脱アルミニウム処理をすることなく、合成したままの状態で上記組成式のyの値が40〜100である。したがって、構造破壊による結合欠陥が本質的に存在せず、優れた構造安定性、耐熱性および固体酸性を有する。
【0013】
本発明のSiO/Al比の高い高純度モルデナイト型ゼオライトを合成する方法のひとつは、酸化物のモル比で表して次の組成
SiO/Al=40〜100
NaO/SiO=0〜0.3
TEAO/SiO=0.01〜0.5
NHAn/SiO2=0.01〜0.3
O/SiO=0.5〜50
(ここでTEAはテトラエチルアンモニウムイオン、NHAnはアンモニウム塩、Anは陰イオンを表す)の反応混合物を自生圧力下において100〜200℃の温度で結晶化させる方法である。
【0014】
もうひとつの方法は、上記の反応混合物にモルデナイト型ゼオライトを種結晶として0.1〜10wt%(シリカ成分重量に対して)を添加する方法である。
【0015】
さらにもうひとつの方法は、反応混合物が酸化物のモル比で表して次の組成
SiO/Al=40〜100
NaO/SiO=0〜0.3
TEAO/SiO=0.01〜0.5
NHAn/SiO=0.01〜0.3
0<NaF/SiO≦2
O/SiO=0.5〜50
の反応混合物にモルデナイト型ゼオライトを種結晶として0.1〜10wt%(シリカ成分重量に対して)を添加する方法である。
【0016】
上記組成式において、SiO/Al比が40未満の場合には、SiO/Al比が40以上の値を有するモルデナイト型ゼオライトが得られず、100を超える場合には、純粋な結晶が生成しない。
【0017】
NaOはアルカリ成分としてのNaOHを指し、NaO/SiO比が0の場合でも速度は遅いが結晶化し、0.3以上になると純粋なモルデナイト結晶が得られなくなる。
【0018】
TEAOの添加量は、TEAO/SiO比が0.01以下ではモルデナイトが結晶化せず、また0.5以上では経済合理性に欠ける。
【0019】
アンモニウム塩の添加量は、NHAn/SiO比が0.01以下では効果がなく、0.3以上では経済合理性がない。またNaFを添加する場合は、NaF/SiO比が2以上になると経済合理性がなくなる。
【0020】
アンモニウム塩(NHAn)としては硝酸アンモニウム(NHNO)、塩化アンモニウム(NHCl)、フッ化アンモニウム(NHF)、酢酸アンモニウム(CHCOONH)、硫酸アンモニウム((NHSO)、リン酸アンモニウム((NHPO・3HO)などが好適に用いられる。
【0021】
O/SiO比は上記数値の広い範囲で実施可能である。最初にスラリー状混合物を調製してから乾燥し、水分を蒸発させてHO/SiO比を小さくして反応収率を高めることも可能である。これらの反応混合物を調製するための原料として、シリカ源としてはコロイダルシリカ、無定形シリカ、珪酸ナトリウム、アルミノシリケートゲルなどが、またアルミナ源としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、アルミノシリケートゲルなどが用いられ、他の成分とも十分均一に混合できる形態のものが望ましい。塩化アルミニウムや硝酸アルミニウムを使用する場合には、その酸成分を中和するのに必要なアルカリ成分の添加が必要である。この酸成分を中和するアルカリ成分としてNaOHを用いることは可能であるが、中和に要する量は反応混合物のアルカリ成分(NaO)とはみなさない。
【0022】
反応混合物の添加順序は特に限定されないが、特にHO/SiO比が小さい場合には反応混合物の粘度が高くなるので、均一混合物が得られるような方法で混合することが好ましい。
【0023】
本反応混合物の結晶化において、加熱中の攪拌は特に必要としないが、粒子径の制御等が必要な場合は攪拌してもよい。HO/SiO比が小さい場合には、密閉容器に入れて加熱することのみにより結晶化が可能であり、容積あたりの収率を高めることができるので効率的である。
【0024】
本発明に用いられる種結晶は、SiO/Al=10〜100のモルデナイト型ゼオライトである。有機添加剤を用いないで合成したSiO/Al=10〜20のモルデナイトも使用可能であり、好ましくはSiO/Al=30〜100の合成モルデナイトが用いられる。種結晶に不純物が同伴すると、生成結晶中に不純物が残存または増加するので、純度の高いモルデナイト型ゼオライトを用いることが好ましい。種結晶添加量はシリカ成分重量を基準に算出され、0.1%以下では添加効果が現れ難く、また10%以上では経済合理性に欠ける。好ましくは、1〜5%の範囲である。
【0025】
結晶化のための加熱温度は100℃以上が必要であり、100℃未満では反応速度が遅く効率的でない。また、加熱温度の上限は200℃であり、通常、150〜180℃で結晶化される。
【0026】
本発明の方法により得られるモルデナイト結晶は、TEAイオンを結晶内に含有している。したがって触媒や吸着剤として使用する前に、加熱焼成等の方法によりTEAイオンを除去する必要がある。加熱焼成は、大気中500℃程度の温度で可能である。
【0027】
本発明の方法で得られる高純度モルデナイトは、X線回折図においてモルデナイトに帰属される回折線(表1参照)以外の回折線を含まないことが特徴である。また、高純度モルデナイトはその細孔内に存在する陽イオンの数が少ないこと、および不純物を含有していないため、窒素吸着法により測定した比表面積が450m/g以上の値を有することが特徴である。
【発明の効果】
【0028】
以上、本発明の方法によれば、高純度で耐熱性、構造安定性に優れたSiO/Al=40〜100のモルデナイト結晶を経済的、合理的に合成することが可能であり、触媒、吸着剤、分離剤等として有効に使用することができる。
【実施例】
【0029】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。結晶相と不純物の有無の確認はX線回折装置、理学電機工業社製 RINT 2000、SiO/Al比の測定は蛍光X線分析装置、PHILIPS社製 PW2000、比表面積の測定は窒素吸着量測定装置、日本ベル(株)製 ベルソープ28SAを用いて評価した。
参考例1(種結晶の合成)
硝酸アルミニウム・9水和物を水に溶解した後、水酸化ナトリウムを添加し、さらにこの水溶液にテトラエチルアンモニウムヒドロキシドと無定形シリカ粉末(日本シリカ工業製、ニップシール)を添加して均一になるように混合して表2に示す組成の反応混合物を調製した。この反応混合物をステンレス製オートクレーブに入れて密封し、170℃で72時間加熱した。生成物をろ過、洗浄した後、120℃で乾燥した。生成物のX線回折図は表1に示すモルデナイト型ゼオライトであり、生成物のSiO/Al比は表2に示すとおりである。また、窒素吸着法により測定した比表面積は430m/gであった。
【0030】
【表2】

実施例1〜3
参考例で用いたものと同じ原料を使用して、表3に示す組成の反応混合物を調製した。これらの例では全て、TEAO/SiO=0.115およびHO/SiO=7.4とした。反応混合物を参考例で用いたものと同じステンレス製オートクレーブに入れて密封し、170℃で表3に示す時間結晶化した。生成物をろ過、洗浄した後、120℃で乾燥した。X線回折による測定の結果、生成物はいずれも表1に示したモルデナイトであった。実施例1の生成物のX線回折図を図1に示す。表3に示すとおり生成物のSiO/Al比および比表面積はいずれも40以上、450m/g以上の高い値を示した。
【0031】
【表3】

実施例4〜6
参考例で用いたものと同じ原料を使用して、表4に示す組成の反応混合物を調製した。これらの例では全て、TEAO/SiO=0.115およびHO/SiO=7.4とした。参考例で用いたものと同じステンレス製オートクレーブに入れて密封し、170℃で120時間結晶化した。生成物をろ過、洗浄した後、120℃で乾燥した。X線回折による測定の結果、生成物はいずれも実施例1で得られた結晶と同等の結晶度を有するモルデナイトであった。生成物のSiO/Al比および比表面積は表4に示すとおりであった。
【0032】
【表4】

実施例7〜10
参考例で用いたものと同じ原料を使用して、表5に示す組成の反応混合物を調製した。これらの例では全て、TEAO/SiO=0.115およびHO/SiO=7.4とした。これらの反応混合物に、参考例1で合成したSiO/Al比=30.6のモルデナイト結晶を、種結晶としてシリカ成分重量の4wt%を添加して均一に混合した。参考例で用いたものと同じステンレス製オートクレーブに入れて密封し、170℃で72時間加熱した。生成物をろ過、洗浄した後、120℃で乾燥した。X線回折による測定の結果、生成物は全て実施例1で得られた結晶と同等の結晶度を有するモルデナイトであった。生成物のSiO/Al比および比表面積は表5に示すとおりであった。
【0033】
【表5】

実施例11〜15
参考例で用いたものと同じ原料を使用して、表6に示す組成の反応混合物を調製した。これらの例では全て、TEAO/SiO=0.115、NaF/SiO=0.8およびHO/SiO=7.4とした。これらの反応混合物に、参考例1で合成したSiO/Al比=30.6のモルデナイト結晶を、種結晶としてシリカ成分重量の4wt%を添加して均一に混合した。参考例で用いたものと同じステンレス製オートクレーブに入れて密封し、170℃で72時間加熱した。生成物をろ過、洗浄した後、120℃で乾燥した。X線回折による測定の結果、生成物は全て実施例1で得られた結晶と同等の結晶度を有するモルデナイトであった。実施例11の生成物のX線回折図を図2に示す。生成物のSiO/Al比および比表面積は表6に示すとおりであった。
【0034】
【表6】

比較例1〜3
参考例で用いたものと同じ原料を使用して、アンモニウム塩を添加せずに表7に示した組成の反応混合物を調製した。これらの例では全てHO/SiO=7.4とした。種結晶もNaFも添加せずにこれらの反応混合物を参考例で用いたものと同じステンレス製オートクレーブに入れて密封し、170℃で72時間加熱した。生成物をろ過、洗浄した後、120℃で乾燥した。X線回折による測定の結果、生成物は表7に示すとおりであり、純粋なモルデナイト型ゼオライトは得られなかった。
【0035】
【表7】

比較例4、5
参考例で用いたものと同じ原料を使用して表8に示す組成の反応混合物を調製した。これらの例では全てTEAO/SiO=0.115、NaO/SiO=0.1、およびHO/SiO=7.4とした。参考例で用いたものと同じステンレス製オートクレーブに入れて密封し、170℃で72時間加熱した。生成物をろ過、洗浄した後、120℃で乾燥した。X線回折による測定の結果、生成物は表6に示すとおりであり純粋なモルデナイト型ゼオライトは得られなかった。
【0036】
【表8】

【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例1で合成したモルデナイト型ゼオライトのX線回折図を示す。図の横軸(X軸)はX線回折における2θ(単位はdeg)を示し、縦軸(Y軸)はX線回折におけるピークの強度を示し、スケールは任意である。
【図2】実施例11で合成したモルデナイト型ゼオライトのX線回折図を示す。図の横軸(X軸)はX線回折における2θ(単位はdeg)を示し、縦軸(Y軸)はX線回折におけるピークの強度を示し、スケールは任意である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応混合物が酸化物のモル比で表して次の組成
SiO/Al=40〜100
NaO/SiO=0〜0.3
TEAO/SiO=0.01〜0.5
NHAn/SiO=0.01〜0.3
O/SiO=0.5〜50
(ここでTEAはテトラエチルアンモニウムイオン、NHAnはアンモニウム塩、Anは陰イオンを表す)の反応混合物を自生圧力下において100〜200℃の温度で結晶化させるSiO/Al=40〜100の高純度モルデナイト型ゼオライトの合成方法。
【請求項2】
請求項1記載の高純度モルデナイト型ゼオライトの合成方法において、該反応混合物に、モルデナイト型ゼオライトを種結晶として0.1〜10wt%(シリカ成分重量に対して)を添加することを特徴とするSiO/Al=40〜100の高純度モルデナイト型ゼオライトの合成方法。
【請求項3】
酸化物のモル比で表して次の組成である反応混合物に、モルデナイト型ゼオライトを種結晶として0.1〜10wt%(シリカ成分重量に対して)を添加することを特徴とするSiO/Al=40〜100の高純度モルデナイト型ゼオライトの合成方法。
SiO/Al=40〜100
NaO/SiO=0〜0.3
TEAO/SiO=0.01〜0.5
NHAn/SiO=0.01〜0.3
0<NaF/SiO≦2
O/SiO=0.5〜50
【請求項4】
種結晶として添加するモルデナイト型ゼオライトのSiO/Alのモル比が10〜100のモルデナイト型ゼオライトである請求項2〜請求項3記載の高純度モルデナイト型ゼオライトの合成方法。
【請求項5】
種結晶として添加するモルデナイト型ゼオライトが、酸化物のモル比で表して次の組成
SiO/Al=30〜100
NaO/SiO=0〜0.2
TEAO/SiO=0.01〜0.5
O/SiO=0.5〜50
(ここでTEAはテトラエチルアンモニウムイオンを表す)
の反応混合物を自生圧力下において、100〜200℃の温度で結晶化させることによって合成されたSiO/Al=30〜100のモルデナイト型ゼオライトである請求項2〜請求項4記載の高純度モルデナイト型ゼオライトの合成方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−83032(P2006−83032A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271244(P2004−271244)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】