説明

高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法及び高純度金属酸化物の製造方法

【課題】 表面硬化処理を施した粉砕機を用いることにより、粉砕された粉粒状の金属酸化物前駆体内への鉄等の不純物の混入を防止する高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法及び高純度金属酸化物の製造方法を提供する。
【解決手段】 塊状又は大粒状の金属酸化物前駆体Aを粉砕機で粉砕して、粉粒状の金属酸化物前駆体Bとする高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、粉砕機は、金属酸化物前駆体Aの粉砕を行う部分の表面に表面硬化処理が行われ、粉砕を行う部分のピッカース硬度が800Hv以上となっている。これにより、粉砕機で粉砕された金属酸化物前駆体への不純物の混入が少なくなり、この粉砕された金属酸化物前駆体を空気中で熱焼成して高純度の金属酸化物を製造することができる。また、金属酸化物前駆体Bを焼成して金属酸化物を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面硬化処理が行われた粉砕機による高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法及び高純度金属酸化物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(1)光触媒、化粧品材料、紫外線吸収剤等として期待されているチタン酸化物、(2)絶縁材料、耐熱材料等として期待されているアルミニウム酸化物、(3)塗料、食品香料担体、クロマトグラフィー用担体等として期待されているシリコン酸化物、(4)燃料電池材料、磁性材料、各種ガスセンサー用の固体電解物質等として期待されているジルコニウム酸化物等の金属酸化物は、高機能化の観点から、純度及び品質に関して非常に厳しい管理が要求されている。
【0003】
また、高純度及び高品質の金属酸化物を製造する方法の1つとして、ゾルゲル法を適用する方法が広く実施されている。ゾルゲル法を適用する金属酸化物の製造方法においては、量産化が可能であるというメリットがある。
ここで、ゾルゲル法によって得られる金属酸化物前駆体の粒径を揃える、つまり金属酸化物前駆体の粒度分布を所定の範囲にする必要があり、金属酸化物前駆体に圧縮力、衝撃力、摩擦力、剪断力、及び曲げの力等を作用させる粉砕機で粉砕している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平4−27445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、通常用いられる粉砕機の物理的粉砕手段の部材には、ステンレス鋼(例えば、オーステナイト系ステンレス鋼)が使用されており、塊状又は大粒状の金属酸化物前駆体を粉砕する際に、粉砕機に硬い金属酸化物前駆体が接触することにより、粉砕機のステンレス鋼が削られ、粉砕された粉粒状の金属酸化物前駆体中に粉砕機を構成している金属成分が混入することがあった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、表面硬化処理を施した粉砕機を用いることにより、粉砕された粉粒状の金属酸化物前駆体内への金属成分等の不純物混入を防止する高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法及び高純度金属酸化物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う請求項1記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法は、塊状又は大粒状の金属酸化物前駆体Aを粉砕機で粉砕して粉粒状の金属酸化物前駆体Bとする高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、
前記粉砕機は、前記金属酸化物前駆体Aの粉砕を行う部分の表面に表面硬化処理が行われ、該粉砕を行う部分のピッカース硬度が800Hv以上となっている。
【0008】
請求項1記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、塊状又は大粒状の金属酸化物前駆体Aは、例えば、ゾルゲル法によって製造される。
また、粉砕機は、例えば、塊状又は大粒状(3〜10mm程度)の金属酸化物前駆体Aを、粉粒状(0.5〜1mm程度)の金属酸化物前駆体Bまで細かくする装置である。ここで、粉砕機の金属酸化物前駆体の粉砕を行う部分とは、粉砕機の容器の内側表面と粉砕部材の表面とをいい、金属酸化物前駆体Aを粉砕する部分の全部又は一部に表面硬化処理が行われる。なお、一部に表面硬化処理を行う場合には、粉砕機の金属酸化物前駆体Aが押圧(剪断)される部分に行う。
【0009】
粉砕機は、金属酸化物前駆体に圧縮力、衝撃力、摩擦力、剪断力、及び曲げの力等を作用させる物理的粉砕手段を含み、金属酸化物前駆体を一時又は常時貯留する容器と、この容器の内側の粉砕部材とを有している。粉砕機としては、例えば、網式造粒機、コーン型粉砕機、ハンマーミル型粉砕機、ボールミル型粉砕機等が使用でき、金属酸化物前駆体Aを所定の粒径の金属酸化物前駆体Bに粉砕できればよく、これらの粉砕機の他に、ダブルロールクラッシャ、リングロールミル、ジェットミル等も使用できる。また、粉砕機の部材には、ステンレス鋼、特にオーステナイト系ステンレス鋼(クロムが18.00〜20.00質量%、ニッケルが8.00〜10.50質量%)が好適に使用され、炭素が0.08質量%以下含まれている18−8鋼(SUS304)が更に好ましい。
【0010】
網式造粒機は、回転駆動するローラ(粉砕部材)と、このローラの周囲の一部に当接する網体(容器)とを備え、網体とローラとの間に供給された金属酸化物前駆体Aを網体に通過させて粉砕する装置である。
コーン型粉砕機は、固定された逆円錐状(逆円錐台状も含む)の多孔質容器と、多孔質容器内に所定の間隔を設けて配置され、多孔質容器の内側形状に沿って回転する回転羽根(粉砕部材)とを有し、回転羽根を回転駆動されることによって塊状又は大粒状の金属酸化物前駆体Aを粉粒状の金属酸化物前駆体Bに粉砕する装置である。
【0011】
また、ハンマーミル型粉砕機は、金属酸化物前駆体Aを貯留する容器と、容器内を回転するハンマー(粉砕部材)とを有し、金属酸化物前駆体Aをハンマーによって打撃して金属酸化物前駆体Bに粉砕する装置である。
ボールミル型粉砕機は、金属酸化物前駆体Aを貯留する(円筒型の)容器と、容器内に入れられる鋼球、フリント球等のボール(粉砕部材)とを有し、金属酸化物前駆体Aをボールによって打撃して金属酸化物前駆体Bに粉砕する装置である。
【0012】
ここで、粉砕を行う部分のピッカース硬度は、800Hv以上で、5000Hv以下とするのが好ましい。ピッカース硬度が、800Hv未満であると、金属酸化物前駆体の粉砕時に粉砕機の母材が削れて、粉砕した金属酸化物前駆体内に混入することがあり、5000Hvを超えると、表面処理コストがかかり、製品のコスト上昇を招きあまり好ましくない。
【0013】
請求項2記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法は、請求項1記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、前記金属酸化物前駆体Aは金属酸化物原料を加水分解(ゾルゲル法)して製造されている。
請求項3記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法は、請求項1及び2記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、前記表面硬化処理は、窒化処理、浸炭処理、及びアルミナ処理のいずれか1である。
請求項3記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、窒化処理、浸炭処理、及びアルミナ処理による表面硬化処理によって、ピッカース硬度を1000Hv以上とすることができる。
【0014】
窒化処理とは、窒化クロム、炭窒化チタン、窒化チタン、及び窒化アルミチタン等の窒化物を表面にコーティングする処理のことであり、例えば、イオンプレーティング法等によってコーティング膜を形成することができる。
浸炭処理とは、炭化チタン、炭化ケイ素等の炭化物を表面にコーティングする処理のことであり、例えば、プラズマCVD法等によってコーティング膜を形成することができる。浸炭処理により、粉粒状の金属酸化物前駆体に炭素が残存した場合でも、粉粒状の金属酸化物前駆体から金属酸化物を製造する際に、例えば、粉粒状の金属酸化物前駆体を空気中で焼成することにより、炭素は燃焼して金属酸化物中に残存し難くなる。
アルミナ処理とは、アルミナを表面にコーティングする処理のことであり、例えば、プラズマCVD法等によってコーティング膜を形成することができる。
【0015】
請求項4記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法は、請求項1〜3記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、前記表面硬化処理された前記粉砕機の表面には、更にダイヤモンド状炭素膜が形成されている。
請求項4記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、ダイヤモンド状炭素膜によって、ピッカース硬度を2000Hv以上とすることができる。
【0016】
また、ダイヤモンド状炭素膜の形成は、ダイヤモンドライクカーボン(diamond like carbon 、DLC)コーティングともいわれ、真空中でのプラズマプロセスであるイオンプレーティング法によって行われ、真空チャンバー中に炭化水素ガス、例えばベンゼンガスを導入し、直流アーク放電プラズマ中で炭化水素イオンや励起されたラジカルが生成され、生成した炭化水素イオンは直流の負電圧にバイアスされた基板(成膜される製品)にバイアス電圧に応じたエネルギーで衝突して固体化する。なお、ダイヤモンド状炭素膜の膜厚は1μm程度である。
【0017】
前記目的に沿う請求項5記載の高純度金属酸化物の製造方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法によって製造された前記金属酸化物前駆体Bを焼成して金属酸化物を製造する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1〜4記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法は、塊状又は大粒状の金属酸化物前駆体Aの粉砕を行う部分の表面に表面硬化処理が行われ、粉砕を行う部分のピッカース硬度が800Hv以上となっている粉砕機を使用するので、粉砕機が金属酸化物前駆体と接触しても、粉砕機の母材が削れ難くなり、粉砕された金属酸化物前駆体への不純物の混入が少なくなる。
特に、請求項2記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法においては、金属酸化物前駆体は金属酸化物原料を加水分解して製造されているので、純度の高い金属酸化物前駆体を簡単に製造することができる。
【0019】
請求項3記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法においては、表面硬化処理が、窒化処理、浸炭処理、及びアルミナ処理のいずれか1であるので、粉砕機の金属酸化物前駆体を粉砕する部分の硬度が高くなり、より粉砕機の粉砕する部分が削れ難くなる。
請求項4記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法は、表面硬化処理された粉砕機の表面に、更にダイヤモンド状炭素膜が形成されているので、ダイヤモンド状炭素膜が剥がれ難くなり、高硬度を維持できる。
請求項5記載の高純度金属酸化物の製造方法は、高純度金属酸化物前駆体に不純物が混入されず、金属酸化物から製造される製品の品質がよくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施の形態に係る高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法に適用される粉砕機について説明する。
粉砕機の主要部材となる容器及び粉砕部材は、オーステナイト系ステンレス鋼の一例であるSUS304(クロムが18.00〜20.00質量%、ニッケルが8.00〜10.50質量%、更に、炭素が0.08質量%以下含まれている)を使用して形成されている。また、容器及び粉砕部材の粉砕が行われる部分には、イオンプレーティング法によって表面硬化処理の一例である窒化処理が行われ、表面に窒化クロムのコーティング膜が形成された後、更に、ダイヤモンド状炭素膜が形成されている。
【0021】
ダイヤモンド状炭素膜と母材(ステンレス鋼)との間に窒化クロムの中間層があるので、ダイヤモンド状炭素膜が剥がれ難くなり、高硬度を維持できる。窒化クロムの膜厚は30μm以上であり、ダイヤモンド状炭素膜の膜厚は1μm程度である。なお、窒化クロムによる表面硬化処理では、ピッカース硬度は、1600Hvであった。また、粉砕機のケーシングの内側表面にも、表面硬化処理及びダイヤモンド状炭素膜形成を行い、金属酸化物前駆体の接触によって、それぞれの表面の母材が削られるのを防止することが好ましい。
【0022】
ダイヤモンド状炭素膜の形成は、真空中でのプラズマプロセスであるイオンプレーティング法によって行われている。すなわち、真空チャンバー中に炭化水素ガス、例えばベンゼンガスが導入され、直流アーク放電プラズマ中で炭化水素イオンや励起されたラジカルが生成され、生成した炭化水素イオンは直流の負電圧にバイアスされた基板(成膜される製品)にバイアス電圧に応じたエネルギーで衝突して固体化されて、ダイヤモンド状炭素膜とされる。このダイヤモンド状炭素膜のピッカース硬度は、2000Hv以上であり、塊状又は大粒状の金属酸化物前駆体を粉砕しても、母材が削れることがなく、粉砕した粉粒状の金属酸化物前駆体への鉄等の不純物の混入を防止できる。
【0023】
次に、本発明の一実施の形態に係る高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法及び高純度金属酸化物の製造方法について説明する。
金属酸化物原料から加水分解(ゾルゲル法)により製造された塊状又は大粒状の金属酸化物前駆体Aは、連続的あるいは間欠的に粉砕機に供給され、粉砕機の粉砕を行う部分、すなわち容器及び粉砕部材で粉砕されて粉粒状の金属酸化物前駆体Bとなる。なお、金属酸化物前駆体Bの粒径は、粉砕機の形式等で制御することができる。更に、この金属酸化物前駆体Bを焼成して金属酸化物を製造する。
【実施例】
【0024】
金属酸化物原料を加水分解して製造した塊状又は大粒状(3〜10mm程度)の金属酸化物前駆体Aを、以下に示す粉砕機を用いて粉砕し、粉粒状(1.14mm未満)の金属酸化物前駆体Bを得た。
(実施例1)
実施例1の粉砕機は、容器及び粉砕部材の粉砕が行われる部分及びケーシングの内側表面に窒化処理を施した後、ダイヤモンド状炭素膜が形成されている。この粉砕機によって製造した金属酸化物粉には、鉄が17.0ppb含有されていた。
【0025】
(実施例2)
実施例2の粉砕機は、容器及び粉砕部材の粉砕が行われる部分及びケーシングの内側表面に窒化処理が施されている。この粉砕機によって製造した金属酸化物粉には、鉄が平均で39.4ppb、最低30.0ppb、最高49.0ppb含有されていた。
(比較例1)
比較例1の粉砕機は、容器及び粉砕部材の粉砕が行われる部分及びケーシングの内側表面に処理を行っていない。この粉砕機によって製造した金属酸化物粉には、鉄が100〜300ppb含有されていた。
【0026】
本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記した実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法及び高純度金属酸化物の製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、前記実施の形態の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、粉砕機は所定の粒径の粉粒状の金属酸化物前駆体に粉砕できればよく、網式造粒機、コーン型粉砕機、ハンマーミル型粉砕機、ボールミル型粉砕機、ダブルロールクラッシャ、リングロールミル、ジェットミル等のいずれも使用でき、それぞれの金属酸化物前駆体の粉砕する部分に表面硬化処理を行い、表面のピッカース硬度を800Hv以上とすればよい。
【0027】
また、窒化クロムのコーティング膜を形成する窒化処理を行った後、更にダイヤモンド状炭素膜を形成したが、窒化チタン、炭窒化チタン、及び窒化アルミチタン等の窒化物のコーティング膜を形成する窒化処理を行ってもよく、更には、炭化チタン、炭化ケイ素等の炭化物のコーティング膜を形成するによる浸炭処理、又はアルミナのコーティング膜を形成するアルミナ処理を行った後、ダイヤモンド状炭素膜の形成を行ってもよい。また、表面硬化処理を行った後に、ダイヤモンド状炭素膜を形成しなくてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塊状又は大粒状の金属酸化物前駆体Aを粉砕機で粉砕して粉粒状の金属酸化物前駆体Bとする高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、
前記粉砕機は、前記金属酸化物前駆体Aの粉砕を行う部分の表面に表面硬化処理が行われ、該粉砕を行う部分のピッカース硬度が800Hv以上となっていることを特徴とする高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法。
【請求項2】
請求項1記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、前記金属酸化物前駆体Aは金属酸化物原料からゾルゲル法により製造されていることを特徴とする高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、前記表面硬化処理は、窒化処理、浸炭処理、及びアルミナ処理のいずれか1であることを特徴とする高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法において、前記表面硬化処理された前記粉砕機の表面には、更にダイヤモンド状炭素膜が形成されていることを特徴とする高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の高純度金属酸化物前駆体の粉砕方法によって製造された前記金属酸化物前駆体Bを焼成して金属酸化物を製造することを特徴とする高純度金属酸化物の製造方法。

【公開番号】特開2006−15313(P2006−15313A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198448(P2004−198448)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】