説明

高速エレベーターのケージ

【目的】 限られた狭隘な空間のエレベーターシャフト内をスムーズにエレベーターが高速で昇降しうるエレベーターのケージを提供する。
【構成】 エレベーターのケージ4の上下面に、角錐あるいは平面が曲線形で垂直錐状のカバー5を取付けた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速の昇降用エレベーターのケージに係るものである。
【0002】
【従来の技術】昇降用エレベーターに用いるケージaは、平面形状が四角形を主とした多角形、あるいは曲面的に形成され、断面的に上下面は水平になっていて、一部、機器を搭載したり、外観上、一部に飾り壁面架構を取付けたものである。なおシースルーエレベーター等はあくまでも見えがかりを対象したものである。
【0003】図中bはエレベーターの昇降シャフト、cは各階の床、dはエレベーター出入口である。(図5,図6参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】建物が高層化し、昇降用エレベーターの速度も益々高速化が要求されてくる。現在一般的には105〜120m/min、超高層建物では600m/min、級のエレベーターも使用されており、将来、更に高速化が要求されてきている。
【0005】しかしながら限られた空間のエレベーターシャフトをエレベーターのケージが高速で昇降すると、気流の変化によって振動や、上下に行き交うケージ相互の干渉による横揺れ等が生起する。気流の流れがスムーズでない点は、エレベーターの高速化が進む程問題となっている。
【0006】本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とする処は、限られた狭隘な空間のエレベーターシャフト内を、スムーズにエレベーターが高速で昇降しうるエレベーターのケージを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、本発明に係るエレベーターのケージは、ケージ本体の上下面に角錐、あるいは平面が曲線形で垂直錐状のカバーを取付けて構成されている。
【0008】
【作用】本発明に係るエレベーターのケージは、上下面に取付けられたカバーが角錐、または平面が曲線形で、垂直錐状に構成されているので、同カバーによって昇降ケージの気流の流れをスムーズにして、昇降するケージの気流の流れを円滑にし、振動やケージ相互の行き交い時の影響を小さくすることができる。
【0009】またエレベーターシャフトが限られた狭い空間の場合でも気流の乱れ、抵抗が少なく高速昇降が可能となる。
【0010】
【実施例】以下本発明を図示の実施例について説明する。1はエレベーターシャフト、2は各階の床、3はエレベーター出入口である。4は前記エレベーターシャフト1内を昇降するケージで、同ケージ4の上下面に平面が曲線形で垂直錐に近い形をしたカバー5が取付けられている。
【0011】図示の実施例は前記したように構成されているので、エレベーターシャフト1内を昇降するケージの上下面に設けられた前記カバー5によって気流の流れをスムーズにし、振動やケージ4相互の行き交い時の影響を小さくすることができ、エレベーターシャフト1内が狭隘な空間の場合でもスムーズな高速昇降ができる。
【0012】前記カバー5は平滑な面をしたもので、極力軽量で硬い材質のもの、例えばFRP等が好適である。また形状としては多角錐形の他、曲面錐形のものがよく、図3及び図4は多段式ケージの例を示し、エレベーターシャフト1の隙間に向い気流が流入し易い形にカバー5の形状を形成したものである。図中6は出入口扉である。
【0013】
【発明の効果】本発明は前記したように構成されているので、エレベーターが高速で昇降する場合の振動やケージ相互の行き交う際の影響が少なく、またエレベーターシャフトが限られた狭隘な空間のエレベーターシャフトの場合でもスムーズな高速昇降が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高速エレベーターのケージの使用状態を示す縦断面図である。
【図2】図1の平断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す側面図である。
【図4】図3の実施例の使用状況を示す平断面図である。
【図5】従来のエレベーターの縦断面図である。
【図6】図5の平断面図である。
【符号の説明】
1 エレベーターシャフト
2 床
3 エレベーター出入口
4 ケージ
5 カバー
6 出入口扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】 エレベーターのケージの上下面に、角錐、あるいは平面が曲線形で垂直錐状のカバーを取付けてなることを特徴とする高速エレベーターのケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開平5−286673
【公開日】平成5年(1993)11月2日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−87259
【出願日】平成4年(1992)4月8日
【出願人】(000112668)株式会社フジタ (20)