説明

高電圧トランス

【課題】従来例の高電圧トランスは、セットのプリント基板に装着した場合、プリント基板の面から高電圧トランスの頂点までの高さ寸法が大きくなるという課題がある。
【解決手段】複数個の入出力端子ピンを保持する端子台を備えた1次側コイルボビンにおいて、1次側コイルボビンの中心線より一方向側に入出力端子ピンを保持する入出力端子ピン保持部を設け、保持部に挿入された入出力端子ピンを1次側コイルボビンの長手方向と垂直に配置することにより、高電圧トランスをプリント基板と平行に配置することができ、プリント基板から高電圧トランスの頂点の高さ寸法を低減することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、直流高電圧を供給する高電圧トランスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高電圧トランス(特許文献1)の構造を、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図14は従来の高電圧トランスの1次側コイルボビンの正面図を示している。図14のように1次側コイルボビン60は、入出力端子ピン保持部61、棒状型入出力端子ピン62、1次巻線69、入出力端子ピン1次巻線巻付け部64、入出力端子ピンプリント基板挿入部65、1次巻線端末67で構成されている。
【0004】
従来の高電圧トランスは、棒状型入出力端子ピン62を入出力端子ピン保持部61に挿入して保持し、1次巻線端末67を棒状型入出力端子ピン62の根元にある入出力端子ピン1次巻線巻付け部64に巻付けている。
【0005】
図15は、従来の高電圧トランスの巻線端末ディップ方法を示す断面図である。図14の入出力端子ピン保持部61に挿入された棒状型入出力端子ピン62と1次巻線端末67を半田ディップする方法を示し説明している。図15において、1次側コイルボビン60は、入出力端子ピン保持部61、棒状型入出力端子ピン62、1次巻線69、1次巻線端末67、64、入出力端子ピンプリント基板挿入部65で構成されており、半田槽71と、半田槽内の溶融半田72を用いて半田ディップ接続を行う。
【0006】
半田槽71内で溶融半田72に、1次側コイルボビン60を矢印の方向に移動させて、半田72の中に入出力端子ピンに巻付けられた入出力端子ピン1次巻線巻付け部64部分まで浸して、入出力端子ピン62と1次巻線端末67を半田ディップ接続する方法を取っている。
【0007】
また、従来例の別例(特許文献2)について、図面を参照しながら説明する。
【0008】
図16は従来の別の高電圧トランスの1次側コイルボビンの正面図を示している。図16において、1次側コイルボビン60は、1次巻線69、略L字形状入出力端子ピン70、入出力端子ピンを保持する1次側コイルボビン入出力端子ピン保持部61、入出力端子ピン1次巻線巻付け部63、入出力端子ピンプリント基板挿入部73、1次巻線端末67、1次巻線引掛け部68で構成されている。
【0009】
本従来例は、略L字形状入出力端子ピン70を入出力端子ピン保持部61に挿入して保持し、1次巻線端末67を略L字形状入出力端子ピン70の一端にある入出力端子ピン1次巻線巻付け部63に巻付けている。
【0010】
図17は、従来の別の高電圧トランスの巻線端末ディップ方法を示す概略図である。図16の高電圧トランスの1次側コイルボビン60の入出力端子ピン70と1次巻線端末67を半田ディップする方法を説明している。
【0011】
図17において、1次側コイルボビン60は、略L字型入出力端子ピン70、1次巻線69、入出力端子ピン1次巻線巻付け部63、入出力端子ピン保持部61、入出力端子ピンプリント基板挿入部73、1次巻線端末67で構成されており、半田槽71と、半田槽内の溶融半田72を用いて半田ディップ接続を行う。
【0012】
半田槽71内で溶融半田72に、1次側コイルボビン60を矢印の方向に移動させて、半田72の中に入出力端子ピン70に巻付けられた入出力端子ピン1次巻線巻付け部63部分まで浸して、入出力端子ピン70と1次巻線端末67を半田ディップ接続する方法を取っている。
【0013】
図18は、従来の別の高電圧トランスの巻線端末ディップ方法を下から見た概略図である。つまり、図17の1次側コイルボビン60の下面から見た概要図である。
【0014】
図18において、1次側コイルボビン60は、1次側コイルボビンの端子保持部61、略L字型入出力端子ピン70、1次巻線端末67、入出力端子ピン1次巻線巻付け部63、1次側コイルボビン中空円筒部の中心77で構成されており、半田槽71と、半田槽内の溶融半田72を用いて半田ディップ接続を行う。
【0015】
半田槽71内で溶融半田72に、1次側コイルボビン60を矢印Aの方向に移動させて、入出力端子ピン70の1次巻線巻付け部63に巻付けられた1次巻線端末67部分まで半田72の中に浸して、入出力端子ピン70と1次巻線端末67を半田ディップして、接続する方法を取っていた。その際、溶融半田72に1次巻線巻付け部63を浸し、更に1次側コイルボビン60を1次側コイルボビン中空円筒部の中心77を軸として矢印Bの時計回りの方向、或いは、反時計回りの方向に回転させることにより、1次巻線端末67が巻付けられた全ての入出力端子ピン1次巻線巻付け部63も同様に半田ディップして接続する方法を取っていた。
【特許文献1】特開昭62−025807号公報
【特許文献2】特開平08−008132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
図19は、図14或いは図16に示した従来の高電圧トランスをプリント基板に装着したときの正面図である。図19において、高電圧トランスの1次側コイルボビン60、入出力端子ピン62、プリント基板78、プリント基板面からトランスの頂点までの高電圧トランス高さ寸法79を示している。
【0017】
図14或いは図16の従来の高電圧トランスの構成では、高電圧トランスの1次側コイルボビン60の長手方向とプリント基板78が垂直に配置される構造となり、図19に示すようにセットのプリント基板78に1次側コイルボビン60を装着した場合、プリント基板78の面から高電圧トランスの頂点までの高電圧トランス高さ寸法79が大きくなるという課題があった。
【0018】
例えば、高電圧トランスを薄型テレビに使用した場合、薄型テレビのセットのプリント基板78は表示デバイスと平行に縦配置であるため、テレビの奥行き寸法が大きくなるという課題を生じる。
【0019】
また、図14、図15のような従来例の構成では、入出力端子ピンの根元64に1次巻線端末67が巻付けられており、図15のように入出力端子ピン62と1次巻線端末67とを半田ディップした時に半田に浸す入出力端子ピン部の寸法が長くなるために、半田ディップによる熱が棒状型入出力端子ピン62から1次側コイルボビン端子保持部61へ伝導し、1次側コイルボビン端子保持部61の成型プラスティック樹脂を軟化させる要因となっていた。一方、棒状型入出力端子ピン62には従来の巻線構成上常に1次巻線69の巻付け張力が働いているため、1次側コイルボビン端子保持部61の成型プラスティック樹脂部が軟化すると棒状型入出力端子ピン62が張力のかかる方向に大きく傾き、この棒状型入出力端子ピン62の傾きが原因で棒状型入出力端子ピン62がプリント基板78に設けられた入出力端子ピン挿入穴にスムースに入らなくなり、プリント基板78へのトランス装着が困難になるという問題となっていた。この装着時の問題を防止する為に高電圧トランスのディップ後の工程にて入出力端子ピン62の傾き異常に対する全数検査を必要としていた。
【0020】
一方、図16、図17の従来例は上記入出力端子ピンの傾き異常の問題を解決するものであり、入出力端子ピンに略L字形状にした略L字形状入出力端子ピン70を採用し、さらに略L字形状入出力端子ピン70への巻き付け構成を変更している。つまり、1次巻線69を直接略L字形状入出力端子ピン62のプリント基板78の側に巻き付けるのではなく、1次巻線引掛け溝68を通して略L字形状入出力端子ピン70に巻き付けることにより、略L字形状入出力端子ピン70にかかる1次巻線69の張力を低減し、入出力端子ピンの傾き異常を対策することを可能とした。しかしこの従来例では図17のように各1次巻線端末67の入出力端子ピン1次巻線巻付け部63が1次側コイルボビン円筒部の中心77を中心に略放射状に挿設される為に、1次巻線端末67と略L字形状入出力端子ピン70を半田ディップするにあたり、1次側コイルボビン60を垂直方向矢印Aと時計方向の回転方向Bの2動作に分け複数の1次巻線端末67のディップ作業をする必要が生じ半田ディップ工数が多いという問題があった。また、略L字形状出力端子ピン70の形状が複雑になることで、略L字形状入出力端子ピン70の加工が困難であると同時に1次側コイルボビン60への略L字形状入出力端子ピン70の挿入や1次巻線69の略L字形状入出力端子ピン70への巻付け方法も複雑になり、部材価格及び工数が増加するという問題点があった。
【0021】
本願は上記問題点を解決するもので、従来の部品形状や構成及び工数を大きく変えることなく高電圧トランスの高さ方向(プリント基板からトランスの頂点までの)寸法を低減できるものである。またディップ時の入出力端子ピンの傾き異常も防止でき、プリント基板への高電圧トランスの装着を容易にできることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決するために本願第1の発明の高電圧トランスは、複数個の入出力端子ピンを保持する端子台を備えた1次側コイルボビンにおいて、1次側コイルボビンの中心線より一方向側に入出力端子ピンを保持する入出力端子ピン保持部を設け、保持部に挿入された入出力端子ピンを1次側コイルボビンの長手方向と垂直に配置する構成である。
【0023】
本願第2の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピンが1次側コイルボビンの1次巻線を巻付ける第1の屈曲部と、プリント基板に挿入する第2の屈曲部と、入出力端子ピン保持部に埋設して固定される中央部を備えたコの字形状である。
【0024】
本願第3の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピンの第2の屈曲部の長さが、第2の屈曲部の長さに比べて長い構造である。
【0025】
本願第4の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピン保持部が、長辺が入出力端子ピンの直径寸法と同等以上で短辺が入出力端子ピンの直径寸法より小さい角型断面溝部と、下辺が入出力端子ピンの直径寸法より大きく上辺が入出力端子ピンの直径寸法より小さい台型断面溝部とを備え、角型断面溝部の長辺と台型断面溝部の上辺とが接するように組合せた断面形状の溝を有する構造である。
【0026】
本願第5の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピン保持部が、長い方の直径が入出力端子ピンの直径寸法より大きく短い方の直径が入出力端子ピンの直径寸法より小さくその長円の円周部に切り欠きを持つ楕円断面溝部と、下辺が入出力端子ピンの直径寸法より大きく上辺が入出力端子ピンの直径寸法より小さい台型断面溝部とを備え、楕円断面溝部の切り欠き部と台型断面溝部の上辺とが接するように組合せた断面形状の溝を有する構造である。
【0027】
本願第6の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピン保持部が、直径が入出力端子ピンの直径寸法とほぼ同等でその一部に切り欠きを有する真円断面溝部と、下辺が入出力端子ピンの直径寸法より大きく上辺が入出力端子ピンの直径寸法より小さい台型断面溝部とを備え、真円断面溝部の切り欠き部と台型断面溝部の上辺とが接するように組合せた断面形状の溝を有する構造である。
【0028】
本願第7の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピン保持部が、1辺が入出力端子ピンの直径寸法より小さい角型断面溝部と、凹形を上下反転した凹型断面溝部とを備え、角型断面溝部と凹型断面溝部とを組合せた断面形状の溝を有する構造である。
【0029】
本願第8の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピン保持部が、1辺が入出力端子ピンの直径寸法より小さい角型断面溝部と、凹形を上下反転した凹型断面溝部とを備え、角型断面溝部と凹型断面溝部とを組合せた断面形状の溝を有し、入出力端子ピンの断面方向において入出力端子ピンを右上と左上と下の3点で固定し、更に入出力端子ピンの長手方向において右上と左上を固定する保持部を上下2ヵ所に分けて挿設した構造である。
【0030】
本願第9の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピン保持部が、入出力端子ピンの長手方向の上下に入出力端子ピンを上下方向に固定するための上部保持リブと下部保持リブを有する構造である。
【発明の効果】
【0031】
本願第1の発明の高電圧トランスにおいて、入出力端子ピン保持部に入出力端子ピンの中央部の一部を固定して配置することにより、トランスの一側面側に入出力端子ピンのプリント基板挿入部を配置することができると同時に、トランスの入出力端子ピンをプリント基板に装着した時に、プリント基板に対して高電圧トランスの1次側コイルボビン部の長手方向をプリント基板と平行に配置することができ、トランスの頂点のプリント基板からの高さ寸法を従来技術に比べて大幅に低減する効果が生ずる。
【0032】
本願第2の発明の高電圧トランスは、1次側コイルボビン1のコア保持部の中心線より片側に入出力端子ピン保持部を設け、保持部に入出力端子ピンを1次側コイルボビンのコイル部長手方向に対して垂直に配置させることにより、入出力端子ピンをプリント基板に装着した時に、トランスの頂点のプリント基板からの高さ寸法を従来技術に比べて大幅に低減する効果が生ずる。その結果、薄型テレビ等の表示装置に高電圧トランスを内蔵したとき、表示デバイスに対する奥行き方向の寸法を大幅に低減できる。
【0033】
本願第3の発明の高電圧トランスは、プリント基板に挿入する第2の屈曲部とトランスの1次巻線端末を巻付ける第1の屈曲部とをその両屈曲部に設けた入出力端子ピンを入力端子ピン保持部に固定する構造を有し、更にプリント基板に挿入する端子部の長さがトランスの1次巻線端末を巻付ける端子部の長さより長い形状のコの字形状入出力端子ピンを入力端子ピン保持部に挿入して保持する構成とすることで、高電圧トランスの入出力端子ピンをプリント基板に装着した時に、プリント基板に対してトランスの1次側コイルボビン部の長手方向をプリント基板と平行に配置することができ、トランスの頂点のプリント基板からの高さ寸法を従来技術に比べて大幅に低減する効果が生ずると同時に、トランスの1次巻線端末を巻付ける1次巻線端末巻付け部はトランスの外装ケース内に収めることができ、もう一方の第2の屈曲部を外装ケースの側面より外に突出させプリント基板に挿入することができる。
【0034】
第1の屈曲部5はエポキシ樹脂等の絶縁材を注入後熱硬化することにより、端子部を硬化した樹脂で固定することが出来、端子の保持強度が強くなり、第2の屈曲部をプリント基板に挿入した後のピン倒れを低減し1次巻線の断線等を防止することができる。またプリント基板に挿入した入出力端子ピン部からエポキシ樹脂等で固定された入出力端子ピン部までの距離を長く取ることで、トランスをプリント基板に挿入した状態での振動や落下に対する衝撃を緩和でき、半田付けされたプリント基板の端子挿入部の半田クラック等を防止できる効果も有している。
【0035】
同時に本願第3の発明の高電圧トランスは、下記効果も併せ持っている。
【0036】
1次巻線端末を巻付けた端子部の高さ寸法を短く設計できるために、1次巻線端末と入出力端子ピンを半田付けする際に、従来例に比べて入出力端子ピンの溶融半田への浸深寸法を短く抑えられ、半田ディップ時の溶融半田から入出力端子ピンへの熱伝導を低減することができ、入出力端子ピンを保持している成型品の入力端子ピン保持部への熱伝導も低減されることにより入力端子ピン保持部の樹脂が軟化することが要因となって発生する入出力端子ピンの傾き異常を防止することができる効果がある。また逆に少ない熱容量でディップできるためにディップ時間を低減できる効果もある。
【0037】
本願第1、第2、第3の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピンを保持できる入出力端子ピン保持部複数個を同時にトランスの一側面側に揃えて出力させることにより、1次巻線端末を巻付けた複数の端子部を1回でディップすることができディップ時の工数を削減できる。
【0038】
本願第4の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピン保持部に角型断面溝部と断面が台型の溝部とを組合せた溝を有する構造で入出力端子ピンを保持することにより、入出力端子ピンが容易に位置ずれしたり外れたりすることを防止できる。
【0039】
本願第5の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピン保持部2に下辺が入出力端子ピンの直径寸法より大きく、上辺が入出力端子ピンの直径寸法より小さい略台形と形状部略楕円型形状部とを組合せた溝を挿設する構造で、入出力端子ピンを3点で保持することにより、入出力端子ピンが容易に位置ずれしたり外れたりすることを防止できる。
【0040】
本願第6の発明の高電圧トランスは、入出力端子ピン保持部2に略円型形状部と断面が台型の溝部とを組合せた溝を挿設する構造でに示すように入出力端子ピンを2点と円周で保持することにより、端子部を熱硬化型樹脂でと入出力端子ピンを保持し、入出力端子ピンが容易に位置ずれしたり外れたりすることを防止できる。
【0041】
本願第7、第8の発明の高電圧トランスは入出力端子ピン保持部に略角形状部と凹形を上下反転した略凹形形状部とを組合せた溝を挿設する構造で入出力端子ピンを3点で保持することにより、端子部を熱硬化型樹脂でと入出力端子ピンを保持し、入出力端子ピンが容易に位置ずれしたり外れたりすることを防止できる。
【0042】
本願第9の発明の高電圧トランスは入出力端子ピン保持部2の上下に、上部リブ部と下部リブ部を入出力端子ピンの長手方向の両端に有することで上下方向に端子部を熱硬化型樹脂でと入出力端子ピンを保持し、入出力端子ピンが容易に位置ずれしたり外れたりすることを防止できる。
【0043】
以上のように本願発明の高電圧トランスは、従来例のトランスに比べて、入出力端子ピンをトランスの一側面に配置し、従来のトランス構成を大きく変えることなくコイル部の配置を変更できることにより、トランスの高さ方向の寸法を小さくできる。更に半田ディップ時の熱伝導による入出力端子ピンの倒れを防ぎ、樹脂に埋設することで保持強度も強くなり、プリント基板への端子挿入性を向上させピン倒れの防止と検査工数の削減ができるものである。
【0044】
また本願発明の高電圧トランスは、従来例のトランスに比べて、従来のトランス構成を大きく変えることなく1次巻線の端末を巻付けた入出力端子ピンを一方向に揃えて配置し、全端子同時に半田ディップ接続が可能で半田ディップ工数を大きく削減できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0046】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における高電圧トランス構造について図面を参照しながら説明する。
【0047】
図1は本発明の実施の形態1における高電圧トランスの断面図である。図1において高電圧トランスは、1次側コイルボビン1、入出力端子ピン保持部2、コの字形状入出力端子ピン3、1次巻線端末巻付け部を有する第1の屈曲部5、プリント基板への挿入部を有する第2の屈曲部6、
コの字形状入出力端子ピン中央部17、1次巻線4、1次巻線端末巻付け線部5A、1次巻線端末7、外装ケース8、絶縁充填材13で構成されており、プリント基板9に取付けられている。また、1次側コイルボビン円筒部及びコア保持部の中心は中心線10、高電圧トランスのプリント基板からの高さ寸法は高電圧トランス高さ寸法16で示されている。
【0048】
図2は本発明の実施の形態1における高電圧トランスの1次側コイルボビンの構成図で、正面図と下面図を示している。
【0049】
図2において1次側コイルボビン1は、入出力端子ピン保持部2、コの字形状入出力端子ピン3で構成されている。また、1次側コイルボビン円筒部及びコア保持部の中心は中心線10で示されている。
【0050】
図2で示すように高電圧トランスの1次側コイルボビン1は、1次側コイルボビン円筒部・コア保持部の中心線10より片側一方向にコの字形状入出力端子ピン3を保持する入出力端子ピン保持部2を設けている。そして、図1に示すように1次側コイルボビン1は、入出力端子ピン保持部2に第1の屈曲部5、第2の屈曲部6を有するコの字形状入出力端子ピン3を両屈曲部の先端がトランスの側面方向に向けて配置するように1次側コイルボビン入出力端子ピン保持部2にコの字形状入出力端子ピン中央部17を固定する構成を有している。
【0051】
コの字形状入出力端子ピン3は、プリント基板9への挿入部を有する第2の屈曲部6と1次巻線端末巻付け部を有する第1の屈曲部5とをそれぞれ独立して配置する構造にしたことにより1次巻線端末巻付け部5Aの寸法を1次巻線端末7が巻きつけ可能な最短の長さに設定できる。それゆえ、1次巻線端末7を半田付けする際のコの字形状入出力端子ピン3の半田への浸深寸法を短く抑えて熱伝導を低減し、コの字形状入出力端子ピン3を保持している入出力端子ピン保持部2への熱伝導が低減され、半田ディップ時のコの字形状入出力端子ピン3の傾き異常を防止することができる。さらに、1次巻線端末巻付け部5Aの寸法を短くし、少ない熱容量で1次巻線端末7をディップでき、ディップ時間を低減できる効果もある。
【0052】
また、1次側コイルボビン1は、図2に示すとおり片側側面方向に入出力端子ピン保持部2を複数個挿設した構造を持ち、入出力端子ピン保持部2にコの字形状入出力端子ピン3のプリント基板への挿入部を有する第2の屈曲部6を高電圧トランスの片側側面方向に取り出すことにより、図1のようにプリント基板9に高電圧トランスを装着した時に高電圧トランスの1次側コイルボビン1の長手方向をプリント基板面と平行に配置することができる。
【0053】
すなわち、本発明の高電圧トランスのプリント基板9からの高電圧トランス高さ寸法16を、高電圧トランスの横方向の厚みにするので、従来の高電圧トランスに比べて大幅に低減することができる。例えば、図3の本発明の実施の形態1における高電圧トランスを使用した薄型テレビの構成図に示すように、薄型テレビ等の表示装置に高電圧トランスを内蔵したとき、表示デバイス80に対する奥行き方向の寸法を大幅に低減できる。
【0054】
さらに、本発明の高電圧トランスは、図2のように入出力端子ピン3を保持できる入出力端子ピン保持部複数個を同時に高電圧トランスの一側面側に揃えて出力させることにより、図4の本発明の実施の形態1における高電圧トランスの半田ディップ方法を示す概略図のように、1次巻線端末7を巻付けた複数の端子部を1回でディップすることができ、ディップの工数を削減することができる。
【0055】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における高電圧トランス構造について図面を参照しながら説明する。
【0056】
図5は本発明の実施の形態2におけるコの字形状入出力端子ピンを挿入した入出力端子ピン保持部の斜視図である。図6は実施の形態2における入出力端子ピン保持部の正面図である。図7は実施の形態2におけるコの字形状入出力端子ピンを挿入した入出力端子ピン保持部のY−Y断面図である。図8は実施の形態2におけるコの字形状入出力端子ピンを挿入した入出力端子ピン保持部のX−X断面図で、図8(a)はコの字形状入出力端子ピンの挿入前、図8(b)コの字形状入出力端子ピンの挿入後を示した図である。
【0057】
図5は、入出力端子ピン保持部2、コの字形状入出力端子ピン3、1次巻線端末の巻付け部を有する第1の屈曲部5、プリント基板挿入部を有する第2の屈曲部6、コの字形状入出力端子ピン中央部17と入出力端子ピン保持部2の断面でコの字形状入出力端子ピン3が挿入されている角型断面溝部43、コの字形状入出力端子ピン3を固定するエッジ部44を示している。また、図5の断面部を示した図8は、その角型断面溝部43、その台形断面溝部42、42と43の接合部に生ずる成型品のエッジ部44、入出力端子ピン断面45を示している。
【0058】
図5のようにコの字形状入出力端子ピン3は、入出力端子ピン保持部2の上部リブ部46Uと下部リブ部46Dの間に固定されて、第2の屈曲部6の長さを第1の屈曲部5より長くした構成としている。この構成により、図7のように高電圧トランスの一側面側にコの字形状入出力端子ピン3の第2の屈曲部6を第1の屈曲部5に妨げられることなく突出させることができ、図1に示すように高電圧トランスをプリント基板9に装着させるとき、第2の屈曲部6をプリント基板9の挿入孔にスムースに挿入できる。
【0059】
また、図1のように高電圧トランスの1次巻線端末7を巻付ける1次巻線端末巻付け部5Aは高電圧トランスの外装ケース8内に収め、第2の屈曲部6の先端を外装ケース8の側面より突出させプリント基板9に挿入することができる。1次巻線端末巻付け部5Aは硬化したエポキシ樹脂等の絶縁充填材13で固定され入出力端子ピン保持強度が強くなり、外部から高電圧トランス及び高電圧トランスのコの字形状入出力端子ピン3に加わる振動や力を低減し1次巻線4の断線等を防止できる。同時にプリント基板9に高電圧トランスを装着した時に高電圧トランスの1次側コイルボビン1の長手方向をプリント基板9の面と平行に配置することができ高電圧トランスのプリント基板9からの高さ寸法を大幅に低減することができる。
【0060】
本発明の高電圧トランスは、図8(a)に示すような一辺がコの字形状入出力端子ピン3の直径寸法と同等以上で他の一辺がコの字形状入出力端子ピン3の直径寸法より小さい略角型の角型断面溝部43と、下辺がコの字形状入出力端子ピン3の直径寸法より大きく、上辺がコの字形状入出力端子ピン3の直径寸法より小さい台形の台形断面溝部42とを、角型断面溝部43のコの字形状入出力端子ピン3の直径寸法と同等以上の長さの一辺と台形の溝部の上辺とが接するように組合せた断面形状の溝を挿設した構造を有している。この構成により1次側コイルボビン入出力端子ピン保持部2にコの字形状入出力端子ピン3を挿入したときに、図5や図8(b)で示すように角型断面溝部43の一辺と2個所のエッジ部44で、コの字形状入出力端子ピン3を3点保持し、コの字形状入出力端子ピン3が容易に位置ずれしたり外れたりすることを防止できるものである。
【0061】
このように本発明の入出力端子ピン保持部2は、コの字形状入出力端子ピン3を安定して保持し、傾き異常不良や位置ずれ不良の低減に効果を発揮し、プリント基板へ高電圧トランスを装着する際の挿入性を向上させることが出来る。
【0062】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における高電圧トランス構造について図面を参照しながら説明する。
【0063】
図9は本発明の実施の形態3における入出力端子ピン保持部の溝形状と保持構造を示すX−X断面図で、図9(a)はコの字形状入出力端子ピンの挿入前、図9(b)はコの字形状入出力端子ピンの挿入後を示した図である。
【0064】
図9のように入出力端子ピン保持部2は、断面が台形である台形断面溝部42と、断面が楕円である楕円断面溝部47と、エッジ部44Rと、エッジ部44Lで構成されている。そして、図9(b)では入出力端子ピン保持部2にコの字形状入出力端子ピン3が挿入されている。
【0065】
断面が楕円である楕円断面溝部47は、入出力端子ピン保持部2にコの字形状入出力端子ピン3を固定するため横方向で長い方の直径がコの字形状入出力端子ピン3の直径寸法より大きく、縦方向で短い方の直径がコの字形状入出力端子ピンの直径寸法より小さくてその楕円の円周部の上側の一部に切り欠き部を持っている。さらに、楕円断面溝部47は、楕円形状の切り欠き部と断面が台形である台形断面溝部42の下辺とが接するように組合せた断面形状の溝となっており、本発明の実施の形態2の高電圧トランスと同じく図9(b)に示すように楕円形状の楕円の一部である端子ピン保持部44Eと2個所のエッジ部44L、44Rで、コの字形状入出力端子ピン3を3点保持することで、コの字形状入出力端子ピン3が容易に位置ずれしたり、外れたりすることを防止できるものである。
【0066】
このように本発明の入出力端子ピン保持部2は、コの字形状入出力端子ピン3を安定して保持し、傾き異常不良や位置ずれ不良の低減に効果を発揮し、プリント基板9へ高電圧トランスを装着する際の挿入性を向上させることが出来る。
【0067】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における高電圧トランス構造について図面を参照しながら説明する。
【0068】
図10は本発明の実施の形態4における入出力端子ピン保持部の溝形状と保持構造を示すX−X断面図で、図10(a)はコの字形状入出力端子ピンの挿入前を、図10(b)はコの字形状入出力端子ピンの挿入後を示した図である。
【0069】
図10のように入出力端子ピン保持部2は、断面が台形である台形断面溝部42と、断面が真円断面溝部48と、エッジ部44Rと、エッジ部44Lで構成されている。そして、図10(b)では入出力端子ピン保持部2にコの字形状入出力端子ピン3が挿入されている。
【0070】
断面が真円である真円断面溝部48は、入出力端子ピン保持部2にコの字形状入出力端子ピン3を固定するため直径が入出力端子ピン3の直径寸法とほぼ同等でその上部に切り欠きを持っている。真円断面溝部48は、円形形状の切り欠き部と台形断面溝部42の下辺とが接するように組合せた断面形状の溝となっており、本発明の実施の形態2の高電圧トランスと同じく図10(b)に示すように真円断面溝部48の円形形状の下部である略円形の内周44Fと2個所のエッジ部44L、44Rとにより、コの字形状入出力端子ピン3を保持することで、コの字形状入出力端子ピンが容易に位置ずれしたり、外れたりすることを防止できるものである。
【0071】
このように本発明の入出力端子ピン保持部2は、コの字形状入出力端子ピン3を安定して保持し、傾き異常不良や位置ずれ不良の低減に効果を発揮し、プリント基板9へ高電圧トランスを装着する際の挿入性を向上させることが出来る。
【0072】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における高電圧トランス構造について図11を参照しながら説明する。
【0073】
図11は本発明の実施の形態5における入出力端子ピン保持部の溝形状と保持構造を示す概要図で、図11(a)は入出力端子ピン保持部の正面図、図11(b)はU−U断面図、図11(c)はコの字形状入出力端子ピン3を挿入したU−U断面図、図11(d)はV−V断面図を示している。
【0074】
図11のように入出力端子ピン保持部2は、入出力端子ピン保持部2L、2R、エッジ部44L、44R、角型断面溝部43、角型断面溝部45、凹形を上下反転した断面が凹型の溝の一辺上にある入出力端子ピン保持部44G、凹形を上下反転した凹型断面溝部50で構成されている。そして、図11(c)では入出力端子ピン保持部2にコの字形状入出力端子ピン3が挿入されている。
【0075】
一辺がコの字形状入出力端子ピン3の直径より小さい角型溝部45と、1辺がコの字形状入出力端子ピン3の直径より大きな角型溝部43とが、角型溝部45の短い辺と角型溝部43の長い辺の一部に切り欠きを有して接合する断面溝部と、凹形形状をした凹型断面溝部50とを凹形を上下反転した断面が凹型の溝部の切り欠き部が接合形状部のコの字形状入出力端子ピン3の直径寸法より大きな辺と凹形形状部50とが接するように組合せた複合断面形状の溝となっており、本発明の実施の形態2の高電圧トランスと同じように2個所のエッジ部44L、44Rと断面が凹型の溝部の1点である端子ピン保持部44Gにより、図11(c)に示すようにコの字形状入出力端子ピン3を3点保持することで、コの字形状入出力端子ピン3が容易に位置ずれしたり、外れたりすることを防止できるものである。
【0076】
このように本発明の入出力端子ピン保持部2は、コの字形状入出力端子ピン3を安定して保持し、傾き異常不良や位置ずれ不良の低減に効果を発揮し、プリント基板へ高電圧トランスを装着する際の挿入性を向上させることが出来る。
【0077】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6における高電圧トランスについて図12を参照しながら説明する。
【0078】
図12は本発明の実施の形態6における入出力端子ピン保持部の溝形状と保持構造を示す概要図で、図12(a)は入出力端子ピン保持部の正面図、図12(b)はX−X”−Y”−Y断面図、図12(c)はY−Y’断面図、図12(d)はX−X’断面図、図12(e)はコの字形状入出力端子ピン3を挿入したX−X”−Y”−Y’断面図を示している。
【0079】
図12のように入出力端子ピン保持部2は、入出力端子ピン保持部2L、2R、エッジ部44L、44R、角型断面溝部43、角型断面溝部45、入出力端子ピンを保持する44H、44J、凹形を上下反転した溝部50で構成されている。そして、図12(c)、(d)、(e)では入出力端子ピン保持部2にコの字形状入出力端子ピン3が挿入されている。
【0080】
実施形態6の入出力端子ピン保持部2は、図12(a)に示すとおり、コの字形状入出力端子ピン3の長手方向の上下に複数箇所に分けて創設されており、上部側の保持部においては図12(d)で示すようにコの字形状入出力端子ピン3を左側の成形リブ2Lのエッジ部44Lと端子ピン保持部44Jで、また下部側の保持部においては図12(c)に示すようにコの字形状入出力端子ピン3を右側の成形リブ2Rの44Rと端子ピン保持部44Hで保持する構造を有する。
【0081】
入出力端子ピン保持部2は、入出力端子ピン断面49が円となる方向で左側の成形リブ2Lと右側の成形リブ2Rが擬似的に横に並んだ状態、すなわち、図12(e)のX−X”−Y”−Y断面図に示すように、本発明の実施の形態5と同じく一辺がコの字形状入出力端子ピン3の直径寸法より小さい角型断面溝部45と、一辺がコの字形状入出力ピン3の直径寸法より大きい角型溝部43とを角型溝部45の短い辺と角型溝部43の長い辺の一部に切り欠きを有して接続した溝部と、凹形断面溝部50とを角型断面溝部43の入出力端子ピン直径寸法より大きい一辺と凹形断面溝部50とが接するように組合せた断面形状の溝を有している。
【0082】
上記構成により図12(d)のX−X’断面において左側の成形リブ2Lに創設されたエッジ部44Lで入出力端子ピン断面49の断面方向における左上を、凹形状の端子ピン保持部44Jでコの字形状入出力端子ピン3の下をそれぞれ保持し、また図12(c)のY’−Y断面においては右側の成形リブ2Rに創設されたエッジ部44Rで入出力端子ピン断面49の断面方向における右上を、凹形状の端子ピン保持部44Hでコの字形状入出力端子ピン3の下をそれぞれ保持し、端子ピン保持部2全体として図12(e)に示すように凹型平面上の点44J、44Hにおいて入出力端子ピン断面49の断面方向における下側を保持し、リブ44L、44Rも含めた点でコの字形状入出力端子ピン3を3点保持する構造を有している。
【0083】
熱硬化型樹脂製の上記の構造でコの字形状入出力端子ピン3を保持することで、コの字形状入出力端子ピン3が容易に位置ずれしたり、外れたりすることを防止でき、コの字形状入出力端子ピン3の挿入性をも向上させることができるものである。
【0084】
また、本発明の実施の形態6の高電圧トランスは、溝の形状が本発明の実施の形態2乃至5の溝形状と比較して大きく取れるので、溝部分の成型品金型の強度が強くなり金型の破損・磨耗を防止し、金型寿命も延ばすことができる特徴を併せ持っている。
【0085】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7の高電圧トランス構造について図13を参照しながら説明する。
【0086】
図13は本発明の実施の形態7における入出力端子ピン保持部の溝形状と保持構造を示す概要図で、図13(a)は入出力端子ピン保持部の正面図、図13(b)はZ−Z断面図を示している。
【0087】
図13のように入出力端子ピン保持部2は、コの字形状入出力端子ピン3、コの字形状入出力端子ピンの長手方向上部に配置された上部リブ部46U、コの字形状入出力端子ピン3の長手方向下部に配置された下部リブ部46Dで構成されている。
【0088】
本発明の実施の形態7の高電圧トランスは、図13(b)に示すようにコの字形状入出力端子ピン3を挿入する入出力端子ピン保持部2の溝部の上下に傾斜を持つ上部リブ46U、下部リブ、46Dを有した構造の入出力端子ピン保持部2をもつ。
【0089】
上記本発明の実施の形態2乃至6の高電圧トランスにおいて、図7に示すようにコの字形状入出力端子ピン3の上下方向の傾き不良や位置ずれ不良の低減に効果を発揮し、上記本発明の実施の形態2乃至6の高電圧トランス構成と併用することで更にプリント基板への高電圧トランスの端子挿入性を向上し、プリント基板へ高電圧トランスを装着する際の挿入性を向上させることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明にかかる高電圧トランスは、プリント基板へのスムースな挿入を安価に実現でき、同時にプリント基板からの高電圧トランスの高さ寸法を従来技術に比べて大幅に低減できることで、装置の奥行きを薄型にすることが可能になり、薄型テレビ等の更なる薄型化等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態1における高電圧トランスの断面図
【図2】本発明の実施の形態1における1次側コイルボビンの構成図
【図3】本発明の実施の形態1における高電圧トランスを使用した薄型テレビの構成図
【図4】本発明の実施の形態1における高電圧トランスの半田ディップ方法を示す概略図
【図5】本発明の実施の形態2における入出力端子ピン保持部の斜視図
【図6】本発明の実施の形態2における入出力端子ピン保持部の正面図
【図7】本発明の実施の形態2における入出力端子ピン保持部のY−Y断面図
【図8】本発明の実施の形態2における入出力端子ピン保持部のX−X断面図
【図9】本発明の実施の形態3における入出力端子ピン保持部のX−X断面図
【図10】本発明の実施の形態4における入出力端子ピン保持部のX−X断面図
【図11】本発明の実施の形態5における入出力端子ピン保持部の概要図
【図12】本発明の実施の形態6における入出力端子ピン保持部の概要図
【図13】本発明の実施の形態7における入出力端子ピン保持部の概要図
【図14】従来の高電圧トランスにおける1次側コイルボビンの正面図
【図15】従来の高電圧トランスの巻線端末ディップ方法を示す断面図
【図16】従来の別の高電圧トランスの1次側コイルボビンの正面図
【図17】従来の別の高電圧トランスの半田ディップ方法を示す概略図
【図18】従来の別の高電圧トランスの巻線端末ディップ方法を下から見た概略図
【図19】従来高電圧トランスをプリント基板に装着したときの正面図
【符号の説明】
【0092】
1 1次側コイルボビン
2 入出力端子ピン保持部
2L 左側の成形リブ
2R 右側の成形リブ
3 コの字形状入出力端子ピン
4 1次巻線
5 第1の屈曲部
5A 1次巻線端末巻付け部
6 第2の屈曲部
7 1次巻線端末
8 外装ケース
9 プリント基板
10 中心線
11 半田ディップ槽
12 ディップ半田
13 絶縁充填材
15 薄型テレビ用表示デバイス
16 高電圧トランス高さ寸法
17 コの字形状入出力端子ピン中央部
42 台形断面溝部
43 角型断面溝部
44 エッジ部
44D 端子ピン保持部
44E 端子ピン保持部
44F 端子ピン保持部
44G 端子ピン保持部
44H 端子ピン保持部
44J 端子ピン保持部
44L エッジ部
44R エッジ部
45 角型断面溝部
46U 上部リブ部
46D 下部リブ部
47 楕円断面溝部
48 真円断面溝部
49 入出力端子ピン断面
50 凹型断面溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の入出力端子ピンを保持する端子台を備えた1次側コイルボビンにおいて、前記1次側コイルボビンの中心線より一方向側に前記入出力端子ピンを保持する入出力端子ピン保持部を設け、前記保持部に挿入された前記入出力端子ピンを1次側コイルボビンの長手方向と垂直に配置することを特徴とする高電圧トランス。
【請求項2】
前記入出力端子ピンは前記1次側コイルボビンの1次巻線を巻付ける第1の屈曲部と、プリント基板に挿入する第2の屈曲部と、前記入出力端子ピン保持部に埋設して固定される中央部を備えたコの字形状であることを特徴とする請求項1記載の高電圧トランス。
【請求項3】
前記第2の屈曲部の長さが、前記第2の屈曲部の長さに比べて長いことを特徴とした請求項2に記載の高電圧トランス。
【請求項4】
前記入出力端子ピン保持部が、長辺が前記入出力端子ピンの直径寸法と同等以上で短辺が前記入出力端子ピンの直径寸法より小さい角型断面溝部と、下辺が前記入出力端子ピンの直径寸法より大きく上辺が前記入出力端子ピンの直径寸法より小さい台型断面溝部とを備え、前記角型断面溝部の長辺と前記台型断面溝部の上辺とが接するように組合せた断面形状の溝を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高電圧トランス。
【請求項5】
前記入出力端子ピン保持部が、長い方の直径が前記入出力端子ピンの直径寸法より大きく短い方の直径が前記入出力端子ピンの直径寸法より小さくその長円の円周部に切り欠きを持つ楕円断面溝部と、下辺が前記入出力端子ピンの直径寸法より大きく上辺が前記入出力端子ピンの直径寸法より小さい台型断面溝部とを備え、前記楕円断面溝部の切り欠き部と前記台型断面溝部の上辺とが接するように組合せた断面形状の溝を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高電圧トランス。
【請求項6】
前記入出力端子ピン保持部が、直径が前記入出力端子ピンの直径寸法とほぼ同等でその一部に切り欠きを有する真円断面溝部と、下辺が前記入出力端子ピンの直径寸法より大きく上辺が前記入出力端子ピンの直径寸法より小さい台型断面溝部とを備え、前記真円断面溝部の切り欠き部と前記台型断面溝部の上辺とが接するように組合せた断面形状の溝を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高電圧トランス。
【請求項7】
前記入出力端子ピン保持部が、1辺が前記入出力端子ピンの直径寸法より小さい角型断面溝部と、凹形を上下反転した凹型断面溝部とを備え、前記角型断面溝部と前記凹型断面溝部とを組合せた断面形状の溝を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高電圧トランス。
【請求項8】
前記入出力端子ピン保持部が、1辺が前記入出力端子ピンの直径寸法より小さい角型断面溝部と、凹形を上下反転した凹型断面溝部とを備え、前記角型断面溝部と前記凹型断面溝部とを組合せた断面形状の溝を有し、前記入出力端子ピンの断面方向において前記入出力端子ピンを右上と左上と下の3点で固定し、更に前記入出力端子ピンの長手方向において前記右上と左上を固定する保持部を上下2ヵ所に分けて挿設した請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高電圧トランス。
【請求項9】
前記入出力端子ピン保持部が、前記入出力端子ピンの長手方向の上下に前記入出力端子ピンを上下方向に固定するための上部保持リブと下部保持リブを有することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の高電圧トランス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−4719(P2008−4719A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172142(P2006−172142)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】