説明

高音組立笛

【課題】 従来のシート状物による折畳み式の笛においては、高い音が出ず、折畳み方が悪いと音の出も悪くなるものや小孔を直接唇に当てるので幼児には難しいものなので、誰でもが息を吹き込み易く高音を出すことが出来て慣れなくても音が出る笛を提供する。
【解決手段】 板紙やプラスチック等のシート状物の対向辺を接着して四角柱とした中空状態の四角筒状体1を形成し、その四角筒状体1の一端には筒口縁3を直線状に押しつぶした吹き口4を設け、その四角筒状体1の他端には筒口縁3の一辺から四角筒状体1の開口部内側に嵌入する間隔板5、内蓋板6、間隔板7と外蓋板8それに差し止め板9との各部分を折れ線12を介して連接し、外蓋板8と内蓋板6との中心部分に貫通孔10を設けて音鳴部11を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、板紙やプラスチック等のシート状物を打ち抜きとサック貼りによって組み立てることが出来る筒体に、息を吹き込んで高音を出す高音組立笛に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、板紙を使用した笛としては、上板と上唇板との間隔を吹いた息が通って排気口から抜ける筒状の笛とした実用新案文献1で示す折畳み式玩具笛があった。
【0003】
また、シート状物製の小横円筒体を扁平に折畳み、中心に小孔を穿設した面が凸出するように設けた実用新案文献2で示す簡易笛があった。
【0004】
【特許文献1】実公昭34−12520号公報
【特許文献2】実開昭58−147589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の実用新案文献1においては、高い音が出ず、上唇板と下唇板とを上唇及び下唇に挟んで吹くときに、吹口が直線状の扁平状態となっていない縦の板が息を吹き込み難くいものとしていて、折畳み方が悪いと音の出も悪くなる欠点があった。
【0006】
また、実用新案文献2においては、小孔から息を吹き込むときに小孔を直接唇に当てるので幼児には難しく小学生でも慣れないと音が出ないものであった。
【0007】
そこで、この発明は、誰でもが息を吹き込み易く高音を出すことが出来、慣れなくても音が出るものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、シート状物の板紙やプラスチック等の薄板を用意して、その対向辺を接着して四角柱とした中空状態の四角筒状体1を形成し、その四角筒状体1の一端には対向する二つの側面に同形となるY字状の山折り線2によって筒口縁3を直線状に押しつぶした吹き口4を設け、その四角筒状体1の他端には筒口縁3の一辺から四角筒状体1の開口部内側に嵌入して二重蓋の形態となる間隔板5、内蓋板6、間隔板7と外蓋板8それに差し止め板9との各部分を折れ線12を介して連接し、間隔を保って向かい合う外蓋板8と内蓋板6との中心部分に貫通孔10を設けることで、吹き口4からの吹き出しと吸い込みとによって二つの貫通孔10を空気が流れるときに起きる空気の渦によって高音の発鳴りする音鳴部11を設けたものとしている。
【0009】
また、筒口縁3の一辺から四角筒状体1の開口部内側に嵌入して二重蓋の形態となる音鳴部11を設けた筒口縁3の一辺と対向する辺から折れ線12を複数設けた折り返し帯部13を連接し、その折り返し帯部13の先端側には四角筒状体1の上壁面17に設けてある横向きの挿入切線14と係止する係止舌片15を切線によって内側向きに設け、その挿入切線14と係止舌片15とを掛け止めて首から吊り下げる紐16を取付ける連結部18とすることも考えられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に関する高音組立笛は、間隔を保って向かい合う外蓋板8と内蓋板6との中心部分に貫通孔10を設けることで、吹き口4からの吹き出しと吸い込みとによって二つの貫通孔10を空気が流れるときに起きる空気の渦によって高音の発鳴りとなるので、吹き終わりのあとに息継ぎによる音の切れ目に唇から笛を放すことなく吸い込むことでも音がより高く出るものであり、防犯や災害等の危険なときに人を呼ぶことができる。
【0011】
この高音組立笛を板紙で生産するときには、サック貼りの機械貼りが出来るので価格が安価となり、出庫時には平らにして納入が出来る。
【0012】
平らにした高音組立笛は、その組立ても容易であり、軽量で小型となっていて小学生の登校や下校に利用することも出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、実施例を図面にもとづいて説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明に係わる実施例の一つとしては、板紙を図1に示すように打ち抜き、その対向辺となる糊代19によって接着して図2に示すような四角柱とした中空状態の四角筒状体1を形成し、筒口縁3の一辺から四角筒状体1の開口部内側に嵌入して二重蓋の形態となる間隔板5、内蓋板6、間隔板7と外蓋板8それに差し止め板9との各部分が折れ線12を介して連接していて、間隔を保って向かい合う外蓋板8と内蓋板6との各中心部分には貫通孔10が設けられ、内蓋板6の両側辺と四角筒状体1の筒口縁3とからは折込み片20を設けたものとして音鳴部11における空気の漏れを防ぐものとしている。
【0015】
そして、図3に示すものは、外蓋板8の差し止め板9を四角筒状体1の内側にに差し込んで音鳴部11を形成しようとしているところを示すもので、外蓋板8の両側辺から設けている突出板21は指先で四角筒状体1の外側面に押し当てて音鳴部11を安定させるもので、この突出板21を指先で押さえなくても良い手段としては突出板21の内側に切り線によって係止舌片を形成し、四角筒状体1の外側面に係止舌片と係止する挿入切線を設けることが考えられる。
【0016】
また、四角筒状体1の他の端には対向する二つの側面に同形となるY字状の山折り線2によって筒口縁3を直線状に押しつぶした吹き口4とすることで息を吹きつける強さと息漏れがない吹き口4を設けたものとしていて、吹き口4を唇で挟んで息を吹き込めば高音が簡単に出るものとなり、息を吸い込んでも音が出るものであるから、吹き口4を唇で挟んだままの息継ぎでも音が出るものであり、息を吸い込むときの音が吹き込むときの音より高い音となるものである。
【実施例2】
【0017】
本発明に係わる他の実施例としては、図4に示すように、筒口縁3の一辺から四角筒状体1の開口部内側に嵌入して二重蓋の形態となる音鳴部11を設けた筒口縁3の一辺と対向する辺からは、湾曲し易くする折れ線12を複数設けた折り返し帯部13を連接し、その折り返し帯部13の先端側には四角筒状体1の上壁面17に設けてある横向きの挿入切線14と係止する舌形状の係止舌片15を内側向きとして切線によって設けたものとしている。
【0018】
この舌形状の係止舌片15を設けた折り返し帯部13を吹き口4に向けて反り返して四角筒状体1の上壁面17に設けてある横向きの挿入切線14と係止して、図5に示すように、紐16を取付けることが出来る連結部18を形成するもので、首から吊り下げるなど携帯に便利なものとすることが出来るものである。
【0019】
四角筒状体1の形状においては、四角柱の他に円柱や多角柱などの形状が考えられることは当然であり、紙のように水分を吸収し易い素材によって四角筒状体1を形成する場合には吹き口4に防水や湿気止めとなるワニスなどを塗布することによって防ぐことが出来るもので、この塗布するものは口に触れるものであることから身体に無害であることは当然配慮すべきことである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例の一つを展開した状態を示す展開図である。
【図2】本発明の四角筒状体から組立て始める状態を示す斜視図である。
【図3】四角筒状体に音鳴部を組立てる状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例を展開した状態を示す展開図である。
【図5】連結部と紐とを設けた高音組立笛を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
1 四角筒状体
2 山折れ線
3 筒口縁
4 吹き口
5 間隔板
6 内蓋板
7 間隔板
8 外蓋板
9 差し止め板
10 貫通孔
11 音鳴部
12 折れ線
13 折り返し帯部
14 挿入切線
15 係止舌片
16 紐
17 上壁面
18 連結部
19 糊代
20 折り込み片
21 突出板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状物の対向辺を接着して四角柱とした中空状態の四角筒状体を形成し、その四角筒状体の一端には対向する二つの側面に同形となるY字状の山折り線によって筒口縁を直線状に押しつぶした吹き口を設け、その四角筒状体の他端には筒口縁の一辺から四角筒状体の開口部内側に嵌入して二重蓋の形態となる間隔板、内蓋板、間隔板と外蓋板それに差し止め板との各部分を折れ線を介して連接し、間隔を保って向かい合う外蓋板と内蓋板との中心部分に貫通孔を設けることで、高音の発鳴りする音鳴部を設けたことを特徴とした高音組立笛。
【請求項2】
筒口縁の一辺から四角筒状体の開口部内側に嵌入して二重蓋の形態となる音鳴部を設けた筒口縁の一辺と対向する辺から紐を掛け止める折れ線を複数設けた折り返し帯部を連接し、その折り返し帯部の先端側には四角筒状体の上壁面に設けてある横向きの挿入切線と係止する係止舌片を切線によって内側向きに設けたことを特徴とする請求項1記載の高音組立笛。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−322858(P2007−322858A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154376(P2006−154376)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(503440945)株式会社紙宇宙 (3)