説明

魚の色調保持方法

【課題】 ブリやマグロ等の魚を解体した際、魚肉の血合い部分が短時間に変色するのを効果的に防止する。
【解決手段】 脊髄を損傷させることで魚のブリ等の魚の運動機能を抑制し、この魚の心臓10の動脈球14に注射器5の注射針15pを刺し込んで血の一部を抜いた後、抜いた血の量とほぼ同量のビタミンC、ビタミンEの成分を含有する色調保持液を注入し、その後、魚を水槽に戻して休息させる。血を抜いたり、色調保持液を注入するための注射器5の操作時に、注射針5pの挿し込みを補助する筒状の挿入補助具4を使用すれば、操作が一層楽である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばブリやマグロ等の魚を解体した際、魚肉の血合い部分(黒ずんだ赤みを帯びた部分)が短時間に変色するのを防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばブリやマグロ等の魚を解体すると、血液に含まれるヘモグロビン、ミオグロビンが酸素と結合して酸化する酸化速度が速いため魚肉の血合い部分が褐色または黒褐色に短時間で変化して商品価値が低下するという不具合があり、これを防止する技術として、外国等においては、ミオグロビンに一酸化炭素を結合させるCO処理で変色を防止するような方法が採用されることがある。しかしながら、日本では、このようなCO処理は健康被害を起こしやすいことから規制の対象となるため、それ以外の方法が各種提案されている。
その一つとして、魚肉の血合い部分に二酸化ケイ素や、酸化カルシウムや、エノキタケ抽出物を含む変色防止剤などを添加(塗布、噴霧、水溶液中への浸漬)するような技術が知られている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)
また、魚を養殖するときの飼料として、魚餌中にシナモン、ナットメグ、ジンジャー等の粉末状香辛料を添加したもの、またはビタミンEやビタミンCの成分を含有させたもの、アスタキサンチンやγ−オリザノールを含有させたもの、サッカロマイセス属酵母を含有させたものなどを所定期間与えることにより、血合い部分の変色を防止するような技術も知られている。(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8参照。)
【0003】
更に、魚の血管を通して鮮度および色調保持を図るための環流液や、燻煙成分を溶解した燻液を注入し、その後冷蔵保管することで、注入成分を食肉に浸透させるような技術も知られている。(例えば、特許文献9、特許文献10、特許文献11参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−213438号公報
【特許文献2】特開2006−246865号公報
【特許文献3】特開2008−228702号公報
【特許文献4】特開平10−229830号公報
【特許文献5】特開2002−233316号公報
【特許文献6】特開2005−278593号公報
【特許文献7】特開2011−36176号公報
【特許文献8】特開2009−278920号公報
【特許文献9】特開平9−149761号公報
【特許文献10】特開平8−294357号公報
【特許文献11】特開2004−33014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記特許文献1〜3のように魚肉の血合い部分に二酸化ケイ素等の変色防止剤などを添加する方法は、魚肉を切り身やミンチに解体した後に添加する必要があるため、魚を解体する前の段階では適用することができなかった。
また、前記特許文献4〜8のように、魚を養殖するときの魚餌に変色防止剤を含有させる方法は、効果がでるまで通常、2〜3ヶ月程度の期間を要し、即効性に欠けるという問題があった。
更に、前記特許文献9〜11のように、魚の血管を通して鮮度や色調保持を図るための環流液等を注入する方法は、燻液を血液中に浸透させて変色防止を図るため、基本的にミオグロビンに一酸化炭素を結合させる方法と変わらず、健康被害の問題や数値的な規制の対象になるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、魚を解体する前の流通段階や保管状態等においても魚肉の血合い部分が変色するのを防止する効果があり、しかも、魚餌等に較べて即効性が得られるようにするとともに、確実に変色防止効果が発揮されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、魚を拘束手段で動けないように固定した後、心臓から血の一部を抜き取り、抜き取った血の量とほぼ同一量の色調保持液を魚の心臓から注入し、その後、魚を水槽等に戻して休息させるようにした。
【0008】
ここで、魚を動けないように固定する拘束手段としては、例えば、本出願人の提案に係る特許第3998110号や特許第3729844号のように、先端が尖った針状の道具で魚の脊髄を刺突することで運動機能を低下させたものでもよく、または特許第4244362号のように魚体の尾部から脊椎の神経弓門内に細長い特殊形状の棒状処理治具を挿し込むことで運動機能を低下させたものでもよい。更に、強制的に手で押え付けて固定したり、冷水につけることで動けなくするような方法でもよい。
また、色調保持液とは、魚の血に含まれるヘモグロビンやミオグロビンが酸化することによって色変わりするのを防止するのに有効な液体であり、例えば、酸化防止剤等を溶解させた溶液などである。
また、入れ替える血の量としては、例えば、少なくとも全血液量の1%程度以上であることが好ましい。
このような方法により、活きたままの魚に色調保持液を注入し、しかも、その後活きた状態で所定時間休息させることにより、魚体の血管、毛細血管内の血液中に色調保持液をいきわたらせ、魚肉の隅々まで色調保持液を浸透させることで確実な変色防止を図ることができる。しかも、魚餌によって変色防止を図ることに較べて即効性が発揮される。
【0009】
また本発明では、前記色調保持液を、魚餌に含ませると色調保持に有効である成分を溶解させた溶液とした。このような溶接とすることで、健康被害や規制の対象となる恐れをなくすことができる。
なお、魚餌に含ませると色調保持に有効な成分としては、例えば、ビタミンEやビタミンCの成分を含有させた溶液、またはアスタキサンチンやγ−オリザノールを含有させた溶液、またはサッカロマイセス属酵母を含有させた溶液などである。
【0010】
また本発明では、前記魚の血の一部を心臓から抜き取る際と、抜き取った血の量とほぼ同一量の色調保持液を魚の心臓から注入する際には、魚の心臓に注射器を刺して、抜き取り及び注入を行うようにした。
このように、注射器を使用して血の入れ替えを行うことにより、注射針を抜いても心臓に開けた針跡がすぐに閉塞し、その後の魚の心臓の働きを阻害しない。
このため、魚肉全般にわたってより効果的に色調保持液を浸透させることができる。
【0011】
また、本発明では、前記魚の心臓に注射器を刺す際、注射針の刺し込みを補助するための筒状の挿入補助具を魚体に埋め込んで使用するようにした。
この筒状の挿入補助具は、注射針を挿通させることのできる貫通孔を有しており、例えば、魚の外皮と心臓との間の魚肉に挿入補助具の外径と同じ程度の径の穴を開け、この穴に挿入補助具を埋め込むことにより、注射針を心臓に挿し込みやすくする。また、この挿入補助具の貫通孔を通して注射針を心臓に刺し込むことにより、熟練度の少ない人でも簡単に作業できるようになる。すなわち、熟練度がある人であれば、魚体を通して直接心臓に注射針を刺し込んで血の抜き取り、液の注入等を行えるが、注射針が直接魚肉や皮に接触して抵抗を受けるため、注射針の先端が心臓に刺さったかどうかは熟練度の少ない人には判りにくい。そこで、この補助具を使用すれば、注射針の先端が心臓に刺さったことを手の感触でも判別できるようになり、しかも注射針を刺し込む位置も確実になるため便利である。
因みに、挿入補助具を使用しない場合は、注射針の径より大きめ(例えば直径3mm程度)の針道を魚体に作ることで、注射針を挿入した際に魚肉や皮の抵抗を軽減する方法も有効である。
【発明の効果】
【0012】
魚を拘束手段で動けないように固定した後、心臓から血の一部を抜き取り、抜き取った血の量とほぼ同一量の色調保持液を魚の心臓から注入し、その後、魚を水槽等に戻して休息させることで、魚体の血管、毛細血管内を循環する血液に色調保持液を含ませることができ、魚肉の隅々まで色調保持液を浸透させて確実な変色防止を図ることができる。しかも、魚餌を与えて変色防止を図ることに較べて短時間で効果を発揮させることができる。
この際、色調保持液として、魚餌に混入すれば有効であるといわれている成分を溶解させたものとすれば、魚肉が数値的規制の対象となることがなく、しかも魚餌に含ませることに較べて短時間に且つ確実に効果を得ることができる。
また、血の入れ替えを注射器で行えば、心臓に刺さった針を抜くだけで孔が閉塞し、その後の魚の働きを阻害しないようにすることができるため、魚肉全体への浸透効果が増大する。
また、注射針の刺し込みを補助するための筒状の挿入補助具を魚体に埋め込んで使用すれば、熟練度の少ない人でも簡単で確実に作業できて便利である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る魚の色調保持方法を説明するための工程図である。
【図2】魚の頭部部分を下方から見た説明図であり、(a)は挿入補助具を魚体に埋め込んだ状態図、(b)は解剖した内臓の説明図である。
【図3】硬骨魚の心臓の形態等を示す説明図である。
【図4】注射器の刺し込みを補助する挿入補助具の一例を示す説明図である。
【図5】注射器の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
本発明に係る魚の色調保持方法は、魚を解体する前の流通段階や保管状態等においても魚肉の血合い部分が変色するのを防止する効果があり、しかも、魚餌等に色調保持剤を混ぜて養殖することに較べて短時間で変色防止効果が得られるようにされるとともに、確実に変色防止効果が発揮するようにされており、魚が活きた段階で魚の血の一部を抜き出して、魚餌に含ませると有効である成分を溶解させた色調保持液に入れ替えることを特徴としている。
【0015】
ここで、魚を解体した際、血液の酸化によって魚肉の血合い部分が褐色または黒褐色に短時間で変化するのを防止するため、前述のように、魚餌に色調保持剤を混ぜて養殖する技術が知られており、この場合の色調保持剤として、ビタミンCやビタミンE、またはアスタキサンチンやγ−オリザノール、またはサッカロマイセス属酵母などが有効であるといわれているが、魚餌にこれら成分を含有させて育成する場合は、その効果が発揮されるのに長期間を要するとともに、その効果も確実であるとはいいきれない。
【0016】
そこで本発明では、活きている魚の心臓に直接これらの成分を含む色調保持液を注入することにより、短時間で効果が得られるようにするとともに、確実に効果が得られるようにしている。
この際、効果を確実にするため、色調保持液の注入量を多めにし、予め注入量に対応する量の血を抜いた後、抜いた血の量とほぼ同量の色調保持液を注入するようにしている。
ちなみに、このときの血液と色調保持液の入れ替え量は、少なくとも全血液量の1%程度以上であることが好ましい。
【0017】
ここで、魚の心臓10は、図2(b)に示すように、エラ15とエラ15の中間にあるのが一般的であり、また、全身から集まってくる血液をエラ15に向かって流すだけの単純な構造のため、1心房1心室から構成されるとともに、硬骨魚類の心臓の場合、図3に示すように、全身からの静脈血が集まる静脈洞11、静脈洞11から送られた血を受け取って心室13に送り出すことのできる収縮力を有する心房12、力強い収縮力により血液をエラを介して全身に送り出すことのできる心室13、心室13とエラ15の間にあって血液の流れを安定させる役割を有する動脈球14と直列に連なる四つの部屋を有しており、静脈洞11、心房12、心室13、動脈球14の間には逆流を防止するための弁が設けられている。
因みに、軟骨魚類の場合、動脈球14の代わりに、心臓球あるいは動脈錐と呼ばれる部屋を有している。
【0018】
そして、このような硬骨魚類の魚の心臓10において、心室13や動脈球14が下方の腹部、胸部側に位置し、心房12や静脈洞11が上部側に位置するため、魚の腹部側を切り開くと、図2(b)に示すように、心室13と動脈球14が下方から見えるようになる。
そして、このような心臓10のうち、本発明では、静脈洞11、心房12、心室13、動脈球14のいずれかに注射器を刺し込んで血を抜いたり、色調保持液を注入するようにしている。そしてこの場合、注射器を抜くと、心臓10に生じた針孔は閉塞し、その後の魚の心臓の働きは正常で、魚にダメージが見られないことを本発明者は確認している。
【0019】
また、このような静脈洞11や心房12や心室13や動脈球14の位置は、熟練度が増すと魚を解剖しなくても鰓蓋等の位置関係から、外部から判るようになり、例えば、魚の種類がブリであれば、心臓10の動脈球14は、魚体の胸部のうち鰓蓋の前にある切り込みで且つ左右方向の中心部に位置することがわかる。
【0020】
また、本発明者は、魚の運動機能を一時的に抑制する技術として、魚の脊髄を先端が尖った針状の道具で刺突したり(特許第3729844号、特許第3998110号)、魚体の尾部から脊椎の神経弓門内に細長い特殊形状の棒状の処理治具を挿し込んだり(特許第4244362号)して、脊髄を損傷させるような技術を既に提案しているが、このように運動機能を低下させた魚に対して作業すれば作業が容易である。
【0021】
そこで本実施例では、上記のような技術によって運動機能を低下させた魚の心臓13のうち、動脈球14に注射針を刺し込んで血を抜いたり、色調保持液を注入するようにしている。
【実施例】
【0022】
図1(a)に示すように、大きさ5キロ程度のブリ1の脊髄を損傷させて運動機能を低下させたものを水槽から取り出して所定位置に固定した後、心臓の位置に対応する箇所の胸部部分から孔明け針2を挿し込んで心臓10の動脈球14に通じる孔路3を形成し、この孔路3に、図1(b)に示すように、注射器の挿し込みを補助するための挿入補助具4を埋め込んだ。(下方から見た状態は図2(a))
【0023】
この挿入補助具4は、図4に示すように、埋め込み先端側が、心臓10の動脈球14に触っても動脈球14が損傷しない程度に丸みを帯びさせたアール形状とし、また、埋め込み基端側に埋め込み量を規制するためのフランジ部が4fを形成され、中央部に注射針を挿通せしめることのできる貫通孔4kが形成されるものであり、例えばプラスチックなどによって形成されている。また、この挿入補助具4は、魚の種類や大きさ等によって、長さの異なる複数種類のものが準備されている。
【0024】
因みに、この挿入補助具4は、注射針を刺し込む際、魚の皮や肉が抵抗となり、注射針先端が魚の心臓10の動脈球14に刺さったかどうか熟練度の少ない人には判りづらいので、本例では使用する例を示しているが、熟練度が高い人には不要である。また、この際、例えば直径3mm程度の針道を魚体に作ることで、注射針を挿入した際に魚肉や皮の抵抗を軽減する方法も有効である。
【0025】
挿入補助具4が取り付けられると、貫通孔4kを通して注射器5の注射針5pを挿し込み、注射針先端を心臓10の動脈球14に刺す。この際、注射針5pを刺し込みながら吸引していると、心臓10に刺さった瞬間に血液が吸引され、魚の血液は血管から抜き出されるとすぐに凝固する。
この際、抜き出した血の量は、約10cc程度であり、また、注射器5は、図5に示すように、注射筒5tと注射針5pが結合自在な通常の形態のものである。
【0026】
この際、予めビタミンC、ビタミンEの成分を含む色調保持液を準備しておく。この色調保持液は、本実施例では、株式会社ディーエイチシーのサプリメントとして販売されているビタミンCの1粒カプセル(500mg)を500ccの水に溶かした水溶液と、ビタミンEの1粒カプセル(300mg)を150ccの水に溶かした水溶液を混ぜたものであり、予め、血を抜いた注射器5の注射筒5tとは別の注射器5の注射筒5t内に抜いた血の量とほぼ同量入れたものを準備しておき、血の抜き取りが終わった後、注射針5pを心臓に突き刺したまま注射筒tだけを交換した。
【0027】
そして、注射筒5tの交換が行われると、一旦、注射器5で少し吸引することにより、注射針5p内で凝固する血や心臓内の血の一部を色調保持液中に少し抜き出して、心臓10に血の塊が入り込むのを防止するとともに、確実に心臓10に突き刺さっていることを確認した後、ゆっくりと色調保持液を注入した。
【0028】
そして所定量の色調保持液が注入された後、注射器5を抜いて水槽に戻して休息させたが、鰓の動き等は、脊髄を損傷させて水槽に入れていた状態と同じであり、ダメージは見られなかった。
【0029】
このような魚を、半日経過後解体して刺身にしたところ、30時間程度経過しても血合い部分の変色は認められなかった。これに対して、処置していない魚の場合、数時間で褐色から黒褐色に変色するため、本発明の有効性が確認された。
【0030】
なお、魚種がブリの場合、魚体温度12℃で、1キロのブリの全血液量が53mlで、心拍数出量が1分間に57mlで、血液が体内を循環する循環時間は0.9分であることが知られており、全血液量はブリの重さに比例すると思われることから、5キロのブリの場合、血液が魚体全体を循環する時間を計算すると、53×5÷57=4.65分となる。すなわち、1時間に12回魚体全体を血液が循環することとなり、色調保持液注入後の休息時間は1時間程度もあれば十分であると思われる。
【0031】
なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、対象となる魚はブリに限られるものでなく、マグロなどの回遊魚や、タイなどにも適用可能であり、また、サケのように、海から川に遡上する前に身が白くなるのを赤い色に表現することも可能である。
また、色調保持液は、ビタミンCやビタミンEの成分を溶かした水溶液に限定されるものではない。
さらに、本実施例では、魚の動きを固定する拘束手段として、脊髄を損傷させた魚を使用しているが、この拘束手段は、魚の脊髄を損傷させることに限られず、魚を手で強制的に押え付けて固定してもよく、冷水につけることで固定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
魚を解体することにより魚肉の血合い部分が短時間に変色するのを防止できるため、魚を保管したり、運搬したりするような水産業界において広い普及が期待される。
【符号の説明】
【0033】
1…ブリ、4…挿入補助具、5…注射器、10…心臓、14…動脈球。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚を拘束手段で動けないように固定した後、心臓から血の一部を抜き取る工程と、抜き取った血の量とほぼ同一量の色調保持液を魚の心臓から注入する工程と、魚を水槽等に戻して休息させる工程を備えたことを特徴とする魚の色調保持方法。
【請求項2】
前記色調保持液は、魚餌に含ませると色調保持に有効である成分を溶解させた溶液あることを特徴とする請求項1に記載の魚の色調保持方法。
【請求項3】
前記魚の血の一部を心臓から抜き取る工程と、抜き取った血の量とほぼ同一量の色調保持液を魚の心臓から注入する工程では、魚の心臓の所定箇所に注射器を刺して、抜き取り及び注入が行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の魚の色調保持方法。
【請求項4】
前記魚の心臓に注射器を刺す際、注射針の刺し込みを補助するための筒状の挿入補助具が魚体に埋め込まれて使用されることを特徴とする請求項2乃至請求項3のいずれか1項に記載の魚の色調保持方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−51888(P2013−51888A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190232(P2011−190232)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(505471989)有限会社おさかな企画 (6)
【Fターム(参考)】