魚釣り用スピニングリール
【課題】ロータとラインローラとの間の連結部のメンテナンスが行い易く、かつ、支持部材に支軸部材を固定する固定部材の緩みを防止可能な魚釣り用スピニングリールを提供すること。
【解決手段】スピニングリール1は、固定ボルト22との間で互いに対する回転が規制された状態で固定ボルト22の頭部24に被覆され、頭部24の露出を防止するカバー部材50を備える。第1のベール支持部材12は、固定ボルト22の頭部24及びカバー部材50が配置される凹状部30を備える。また、凹状部30は、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転を規制する側面部32を備える。
【解決手段】スピニングリール1は、固定ボルト22との間で互いに対する回転が規制された状態で固定ボルト22の頭部24に被覆され、頭部24の露出を防止するカバー部材50を備える。第1のベール支持部材12は、固定ボルト22の頭部24及びカバー部材50が配置される凹状部30を備える。また、凹状部30は、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転を規制する側面部32を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインローラを介して釣り糸をスプールに案内する魚釣り用のスピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣り用のスピニングリールでは、釣り糸をスプールに案内するラインローラが、ロータのアーム部にベール支持部材等の支持部材を介して連結されている。支持部材には、固定ボルト等の固定部材を介して支軸部材が固定されている。そして、支軸部材によりラインローラが回転軸を中心に回転可能に支持されている。このような構成のスピニングリールでは、支軸部を支持部材に固定する固定部材の緩みを防止することが重要となる。
【0003】
特許文献1には、固定部材である固定ボルトの頭部を多角形形状、星型形状等の非円形形状に形成したスピニングリールが開示されている。このスピニングリールは、固定ボルトの頭部に接触する状態で、支持部材であるベール支持部材に取り付けられる回転規制部材を備える。回転規制部材が固定ボルトの頭部に接触することにより、固定ボルトの回転が規制され、固定ボルトの緩みが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−165461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のスピニングリールでは、狭いスペースに固定ボルト及び回転規制部材が設けられている。また、固定ボルト及び回転規制部材は、支持部材であるベール支持部材の外表面に露出した状態で配置されている。このため、固定ボルト及び回転規制部材にエサ、砂、海水等の汚れが付着し易い。また、固定ボルト及び回転規制部材に汚れが付着した場合に、取り除き難い。したがって、ロータとラインローラとの間の連結部のメンテナンスが、行い難い。また、固定ボルト等に付着した汚れを放置すると、例えば汚れがラインローラの軸受けに浸入し、ラインローラの回転性能が低下する可能性もある。さらに、固定ボルトがベール支持部材の外表面に露出しているため、固定ボルトの頭部の角等で釣り糸が擦れる可能性がある。これにより、糸切れが発生する。
【0006】
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ロータとラインローラとの間の連結部のメンテナンスが行い易く、かつ、支持部材に支軸部材を固定する固定部材の緩みを防止可能な魚釣り用スピニングリールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のある態様では、ロータと、前記ロータのアーム部に取り付けられる支持部材と、前記支持部材に固定される支軸部材と、前記支軸部材により回転軸を中心に回転可能に支持されるラインローラと、前記支軸部材を前記支持部材に固定する固定部材と、を備える魚釣り用スピニングリールであって、前記固定部材との間で互いに対する移動が規制された状態で前記固定部材の頭部に被覆され、前記頭部の露出を防止するカバー部材をさらに備え、前記支持部材は、前記固定部材の前記頭部及び前記カバー部材が配置される凹状部を備え、前記凹状部は、前記カバー部材の前記支持部材に対する移動を規制する規制部を備えることを特徴とする魚釣り用スピニングリールを提供する。
【0008】
また、この魚釣り用スピニングリールでは、前記カバー部材は、前記回転軸に垂直な断面が非円形形状に形成され、前記規制部は、前記凹状部の前記回転軸に垂直な断面を前記カバー部材に対応する非円形状に規定し、前記カバー部材の前記支持部材に対する回転を規制する側面部を備えることが好ましい。
【0009】
また、前記カバー部材を前記支持部材に固定するカバー固定部材をさらに備え、前記カバー部材は、前記回転軸に平行な方向についての第1の寸法が、前記カバー固定部材の軸線を通り前記回転軸に直交する直線に平行な方向について、前記固定部材の前記カバー固定部材から遠い側の端と前記カバー部材の前記カバー固定部材から遠い側の端との間の第2の寸法より大きいことが好ましい。
【0010】
また、前記頭部は、前記回転軸に垂直な断面が非円形状である係合溝を備え、前記カバー部材は、前記回転軸に垂直な断面が前記係合溝に対応する非円形状であり、前記係合溝に係合することにより前記固定部材と前記カバー部材との間で互いに対する回転が規制される係合突起を備えることが好ましい。
【0011】
また、前記カバー部材は、前記支持部材より低比重かつ低ヤング率に形成されることが好ましい。
【0012】
さらに、前記カバー部材は、前記支持部材の外表面より外側に前記凹状部から突出していないことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
魚釣り用スピニングリールでは、固定部材の頭部にカバー部材が被覆されている。このため、固定部材に汚れが付着し難くなる。したがって、ロータとラインローラとの間の連結部のメンテナンスが、行い易くなる。また、カバー部材が設けられているため、固定部材の頭部が露出していない。このため、固定部材の頭部で釣り糸が擦れることはなく、釣り糸の糸切れの発生を防止することができる。
【0014】
また、カバー部材は、固定部材との間で互いに対する移動が規制された状態で固定部材の頭部に被覆されている。そして、凹状部に設けられる側面部により、カバー部材の支持部材に対する回転が規制されている。このため、固定部材の支持部材に対する回転が規制される。これにより、固定部材の緩みが防止される。以上のように、カバー部材を除いて部品の数を増加させることなく、固定部材の緩みが防止される。このため、製造時の生産性が向上する。
【0015】
また、カバー部材は、回転軸に平行な方向についての第1の寸法が、カバー固定部材の軸線を通り回転軸に直交する直線に平行な方向について、固定部材のカバー固定部材から遠い側の端とカバー部材のカバー固定部材から遠い側の端との間の第2の寸法より大きい。このため、ロータの回転による遠心力や、衝突した物体の衝撃力がカバー部材に加わった場合も、カバー部材を固定部材の頭部から取り外す力に対する抵抗が大きくなる。したがって、ロータを高速回転させている間等の釣りの最中にカバー部材が凹状部から取り外れることを防止できる。
【0016】
また、頭部には係合溝が形成され、係合溝は回転軸に垂直な断面が非円形状に形成されている。そして、カバー部材は、回転軸に垂直な断面が係合溝に対応する非円形状に形成される係合突起を備える。係合突起が係合溝に係合することにより、固定部材とカバー部材との間で互いに対する回転が規制された状態で、カバー部材が固定部材の頭部に被覆される。したがって、狭小なスペースでも、固定部材とカバー部材との間で互いに対する回転を規制することが可能となる。これにより、凹状部の大きさを最小限に抑えることができる。
【0017】
また、カバー部材は、支持部材より低比重かつ低ヤング率に形成されている。このため、ロータの回転による遠心力や、衝突した物体の衝撃力がカバー部材に加わった場合も、カバー部材は微小な変形に対応可能である。したがって、振動による異音の発生を防止することができる。
【0018】
さらに、カバー部材は、支持部材の外表面より凹状部から突出していない。このため、ロータの回転時等に物体がカバー部材に衝突し難い。また、物体がカバー部材に接触した場合も、衝撃力を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスピニングリールを示す側面図。
【図2】第1の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を示す正面図。
【図3】第1の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を部材ごとに分解して示す正面図。
【図4】図2のIV−IV線断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を示す正面図。
【図6】第2の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を部材ごとに分解して示す正面図。
【図7】図5のVII−VII線断面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を示す正面図。
【図9】第2の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を部材ごとに分解して示す正面図。
【図10】図8のX−X線断面図。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を示す正面図。
【図12】第4の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を部材ごとに分解して示す正面図。
【図13】図11の13−13線断面図。
【図14】第4の実施形態に係るスピニングリールのカバー部材を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、魚釣り用のスピニングリール1を示す図である。図1に示すように、スピニングリール1は、リール本体2を備える。リール本体2には、釣竿(図示しない)に取付けられる脚部3が設けられている。また、リール本体2には、ハンドル4が回転可能に取付けられている。リール本体2の前方方向側には、ハンドル4での回転操作に対応して回転するロータ6と、釣り糸が巻回されるスプール8とが設けられている。スプール8は、ロータ6の回転に同期して、前後方向に移動する。
【0021】
リール本体2の内部には、ハンドル4を回転することにより回転するドライブギア(図示しない)が設けられている。ドライブギアには、ピニオンギア(図示しない)が噛合されている。ピニオンギアの前方方向側には、ロータ6が連結されている。また、ピニオンギアには、スプール軸(図示しない)が軸方向に移動可能に挿通されている。スプール軸の前方方向側には、スプール8が取付けられている。スプール軸の後方方向側には、ドライブギアの駆動によりスプール軸を前後方向に移動させるオシレーティング機構(図示しない)が連結されている。
【0022】
ロータ6は、第1のアーム部10と、第1のアーム部10に対向して設けられる第2のアーム部(図示しない)とを備える。第1のアーム部10には、支持部材である第1のベール支持部材12を介して、ラインローラ14が連結されている。ラインローラ14は、釣り糸巻回時にスプール8へ釣り糸を案内する。第1のベール支持部材12は、第1のアーム部10に回動軸16を介して回動可能に連結されている。また、第2のアーム部には、第2のベール支持部材(図示しない)が回動可能に連結されている。
【0023】
また、ベール18が、第1のベール支持部材12から第2のベール支持部材まで延設されている。第1のベール支持部材12側には、支軸部材20が設けられている。支軸部材20を介して、ベール18が第1のベール支持部材12に連結される。ラインローラ14は、支軸部材20により、ラインローラ14の中心軸に沿う回転軸Cを中心として回転可能に支持されている。ベール18は、第1のベール支持部材12、第2のベール支持部材、支軸部材20及びラインローラ14と一体に、第1のアーム部10及び第2のアーム部に対して、釣り糸放出位置(図示しない)と釣り糸巻回位置(図1に示す位置)との間で回動可能である。
【0024】
釣り糸巻回時際には、ハンドル4を回転させることにより、ロータ6が回転する。また、ロータ6の回転に同期して、スプール軸が軸方向に移動する。スプール軸が移動することにより、スプール8が前後方向に移動する。ロータ6の回転及びスプール8の移動により、ラインローラ14を介して釣り糸がスプール8に片寄ることなく均等に巻回される。
【0025】
図2乃至図4は、第1のベール支持部材12とラインローラ14との間の連結部の構成を示す図である。なお、以下の説明では、ラインローラ14の回転軸Cに平行な方向の一方を第1の方向(図4の矢印A1の方向)とする。また、第1の方向と反対方向を第2の方向(図4の矢印A2の方向)とする。すなわち、ラインローラ14の第1の方向側に支軸部材20が設けられ、ラインローラ14の第2の方向側に第1のベール支持部材12が設けられている。
【0026】
図2乃至図4に示すように、支軸部材20は、固定部材である固定ボルト22を介して、第1のベール支持部材12に固定されている。固定ボルト22は、頭部24と、雄ネジ部(軸部)26とを備える。頭部24は、雄ネジ部26より第2の方向側に位置し、雄ネジ部26より大径である。
【0027】
固定ボルト22の頭部24の外周面は、回転軸Cに垂直な断面が円形状に形成されている。また、頭部24の第2の方向側の面には、係合溝25が形成されている。係合溝25は、回転軸Cに垂直な断面が非円形状である六角形状に形成されている。
【0028】
第1のベール支持部材12は、ガラス繊維又はカーボン繊維により強化されたナイロン樹脂、ABS樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂等から形成されている。このため、第1のベール支持部材12は、比重が1.7程度、ヤング率が10〜50GPa程度となっている。第2のベール支持部材もこれと同様に形成することにより、スピニングリール1の軽量化を図るとともに、変形が抑えられロータ6の回転時のバランスが保たれている。
【0029】
図4に示すように、第1のベール支持部材12は、外表面28から凹状に形成される凹状部30を備える。凹状部30は、第1の方向に向かって凹状に設けられている。凹状部30には、固定ボルト22の頭部24が位置している。図2及び図3に示すように、凹状部30は、回転軸Cに垂直な断面を非円形状に規定する側面部32を備える。本実施形態では、凹状部30の回転軸Cに垂直な断面は、回転軸Cより前方方向側(先端側)が略半円状で、回転軸Cより後方方向側(基端側)が後方方向に向かって幅寸法が小さくなる略三角形状の非円形状に規定されている。また、第1のベール支持部材12には、凹状部30の底面から回転軸Cに沿って第1のベール支持部材12を貫通する貫通孔34が設けられている。さらに、第1のベール支持部材12の回転軸Cより前方方向側の部位には、係合溝36が設けられている。
【0030】
図4に示すように、支軸部材20は、ベール取付け部39と、ラインローラ14を支持する支軸部40を備える。支軸部40は、ベール取付け部39から第2の方向へ(第1のベール支持部材12向かって)突出する状態で設けられている。支軸部40の外周面には、軸受け42が設けられている。ラインローラ14は、支軸部40により、軸受け42を介して回転軸Cを中心に回転可能に支持されている。支軸部40には、固定ボルト22の雄ネジ部26と螺合する雌ネジ部(挿入凹部)44が形成されている。固定ボルト22の雄ネジ部26は、第1のベール支持部材12の貫通孔34を通って、支軸部40の雌ネジ部44と螺合する。これにより、支軸部材20が第1のベール支持部材12に固定される。
【0031】
また、支軸部材20の前方方向側の部位には、ベール取付け部39から第1のベール支持部材12に向けて突出する突出部46が設けられている。突出部46は、第1のベール支持部材12の係合溝36と係合する。この係合により、支軸部材20に対する第1のベール支持部材12の回転が規制される。また、突出部46により、釣り糸のからみが防止される。また、第1のベール支持部材12とラインローラ14との間には、スペーサーとして筒状部材48が設けられている。ラインローラ14及び軸受け42は、筒状部材48により位置決めされている。
【0032】
図2乃至図4に示すように、スピニングリール1は、固定ボルト22の頭部24に被覆されるカバー部材(キャップ)50を備える。カバー部材50は、回転軸Cに垂直な断面が第1のベール支持部材12の凹状部30に対応する非円形状に形成されている。すなわち、本実施形態ではカバー部材50の回転軸Cに垂直な断面は、回転軸Cより前方方向側が略半円状で、回転軸Cより後方方向側が後方方向に向かって幅寸法が小さくなる略三角形状の非円形状に規定されている。このため、凹状部30の側面部32により、回転軸Cを中心としたカバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転(移動)が規制される。すなわち、凹状部30の側面部32が、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転を規制する規制部となっている。
【0033】
カバー部材50は、ABS樹脂、PC樹脂、ナイロン樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂等から形成されている。そしてカバー部材50は、比重が1.1程度、ヤング率が2〜3GPa程度となっている。すなわち、カバー部材50は、第1のベール支持部材12より低比重かつ低ヤング率に形成されている。
【0034】
カバー部材50は、固定ビス等のカバー固定部材52により、第1のベール支持部材12に固定されている。カバー固定部材52は、回転軸Cに平行な軸線Sを有する。カバー部材50には、カバー固定部材52が挿通される貫通孔54が形成されている。貫通孔54は、回転軸Cより後方方向側(ロータ6側)に設けられている。このため、カバー固定部材52は、回転軸Cより後方方向側に位置している。また、第1のベール支持部材12には雌ネジ部(凹状部)56が設けられている。カバー固定部材52には、第1のベール支持部材12の雌ネジ部56に螺合する雄ネジ部(軸部)58が設けられている。カバー固定部材52の雄ネジ部58が貫通孔54を通って雌ネジ部56に螺合することにより、カバー部材50が第1のベール支持部材12に固定される。
【0035】
なお、カバー固定部材52は、カバー部材50の外表面60より外側に突出していないことが好ましい。例えば、カバー固定部材52が皿ネジ等であり、頭部がカバー部材50に埋没されることが好ましい。ただし、カバー固定部材52への釣り糸の引っ掛かりが防止される構成であれば、中央部が盛り上がった状態で突出してもよい。
【0036】
カバー部材50は、固定ボルト22の頭部24の係合溝25に係合する係合突起(相対回転規制部)62を備える。係合突起62は、回転軸Cに垂直な断面が係合溝25に対応する非円形状である六角形状に形成されている。係合突起62が係合溝25に係合することにより、固定ボルト22とカバー部材50との間で互いに対する回転軸Cを中心とした回転(移動)が規制された状態で、カバー部材50が固定ボルト22の頭部24に取り付けられる。上述のように、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転は、規制されている。このため、カバー部材50と固定ボルト22との間で互いに対する回転が規制されることにより、固定ボルト22の第1のベール支持部材12に対する回転が規制される。これにより、固定部材である固定ボルト22の緩みが防止される。
【0037】
なお、本実施形態では、係合溝25及び係合突起62は、回転軸Cに垂直な断面が六角形状に形成されているが、これに限るものではない。すなわち、係合溝25及び係合突起62は、回転軸Cに垂直な断面が例えば四角形状等の非円形状に形成されていればよい。
【0038】
回転軸Cに平行な方向(第1の方向及び第2の方向)についてのカバー部材50の寸法(第1の寸法)Hは、3.4mm程度となっている。カバー部材50の第2の方向側の端は、回転軸Cと平行な方向について第1のベール支持部材12の外表面28と同位置、又は、外表面28より第1の方向側に位置している。このため、カバー部材50は、第1のベール支持部材12の外表面28より外側に凹状部30から突出していない。
【0039】
また、カバー固定部材52の軸線Sを通り、回転軸Cに直交する直線Lを規定する。直線Lに平行な方向について固定ボルト22のカバー固定部材52から遠い側の端とカバー部材50のカバー固定部材52から遠い側の端との間の寸法(第2の寸法)Wは、2.1mm程度となっている。すなわち、カバー部材50の高さ方向の寸法Hが幅方向の寸法Wより大きくなっている。
【0040】
そこで、上記構成のスピニングリール1では、以下の効果を奏する。すなわち、スピニングリール1では、固定部材である固定ボルト22の頭部24にカバー部材50が被覆されている。このため、固定ボルト22に汚れが付着し難くなる。したがって、ロータ6とラインローラ14との間の連結部のメンテナンスが、行い易くなる。また、カバー部材50が設けられているため、固定ボルト22の頭部24が露出していない。このため、固定ボルト22の頭部24で釣り糸が擦れることはなく、釣り糸の糸切れの発生を防止することができる。
【0041】
また、カバー部材50は、固定ボルト22との間で互いに対する回転が規制された状態で固定ボルト22の頭部24に被覆されている。そして、凹状部30に設けられる規制部である側面部32により、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転が規制されている。このため、固定ボルト22の第1のベール支持部材12に対する回転が規制される。これにより、固定部材である固定ボルト22の緩みが防止される。以上のように、カバー部材50を除いて部品の数を増加させることなく、固定ボルト22の緩みが防止される。このため、製造時の生産性が向上する。
【0042】
また、カバー部材50は、回転軸Cに平行な方向についての寸法Hが、カバー固定部材52の軸線Sを通り回転軸Cに直交する直線Lに平行な方向について、固定ボルト22のカバー固定部材52から遠い側の端とカバー部材50のカバー固定部材52から遠い側の端との間の寸法Wより大きい。このため、ロータ6の回転による遠心力や、衝突した物体の衝撃力がカバー部材50に加わった場合も、カバー部材50を固定ボルト22の頭部24から取り外す力に対する抵抗が大きくなる。したがって、ロータ6を高速回転させている間等の釣りの最中にカバー部材50が凹状部30から取り外れることを防止できる。
【0043】
また、頭部24には係合溝25が形成され、係合溝25は回転軸Cに垂直な断面が非円形状である六角形状に形成されている。そして、カバー部材50は、回転軸Cに垂直な断面が係合溝25に対応する非円形状である六角形状に形成される係合突起62を備える。係合突起62が係合溝25に係合することにより、固定ボルト22とカバー部材50との間で互いに対する回転が規制された状態で、カバー部材50が固定ボルト22の頭部24に被覆される。したがって、狭小なスペースでも、固定ボルト22とカバー部材50との間で互いに対する回転を規制することが可能となる。これにより、凹状部30の大きさを最小限に抑えることができる。
【0044】
また、カバー部材50は、第1のベール支持部材12より低比重かつ低ヤング率に形成されている。このため、ロータ6の回転による遠心力や、衝突した物体の衝撃力がカバー部材50に加わった場合も、カバー部材50は微小な変形に対応可能である。したがって、振動による異音の発生を防止することができる。
【0045】
また、カバー部材50は、第1のベール支持部材12の第2の方向側の外表面28より凹状部30から突出していない。このため、ロータ6の回転時等に物体がカバー部材50に衝突し難い。また、物体がカバー部材50に接触した場合も、衝撃力を最小限に抑えることができる。
【0046】
さらに、カバー部材50を第1のベール支持部材12に固定するカバー固定部材52は、回転軸Cより後方方向側に設けられている。第1のベール支持部材12は、ロータ6の第1のアーム部10に回動可能に取り付けられている。このため、第1のベール支持部材12では、前方方向側に向かうほど回動量が大きくなる。したがって、カバー固定部材52を回転軸Cより後方方向側に設けることにより、カバー部材50を第1のベール支持部材12により強固に固定することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図5乃至図7を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0048】
図5乃至図7は、本実施形態の第1のベール支持部材12とラインローラ14との間の連結部の構成を示す図である。図5乃至図7に示すように、本実施形態では、カバー部材50と第1のベール支持部材12との間に、例えばゴム等の振動減衰部材66が設けられている。振動減衰部材66は、第1のベール支持部材12より振動減衰性が高い。振動減衰部材66の回転軸Cに垂直に切断した断面は、凹状部30に対応する非円形状に形成されている。また、振動減衰部材66には、固定ボルト22が挿通される貫通孔(大孔)68と、カバー固定部材52が挿通される貫通孔(小孔)70とが設けられている。
【0049】
また、本実施形態では、振動減衰部材66が設けられているため、回転軸Cに平行な方向(厚さ方向)についてのカバー部材30の寸法Hが2.8mm程度であり、第1の実施形態より小さい。たたし、本実施形態でも寸法Hは、寸法Wより大きくなっている。ここで、寸法Wは、第1の実施形態と同様に、直線Lに平行な方向について固定ボルト22のカバー固定部材51から遠い側の端とカバー部材50のカバー固定部材52から遠い側の端との間の寸法である。
【0050】
本実施形態のスピニングリール1では、振動減衰部材66が設けられている。このため、物体が衝突した場合も、衝撃力を吸収することができる。また、振動減衰部材66により、振動が減衰されるので、異音の発生を抑えることができる。
【0051】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図8乃至図10を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0052】
図8乃至図10は、本実施形態の第1のベール支持部材12とラインローラ14との間の連結部の構成を示す図である。図8乃至図10に示すように、本実施形態では、固定ボルト22の頭部24は、回転軸Cに垂直な断面が六角形状に形成されている。頭部24の第2の方向側の面には、帯状の溝部71が形成されている。
【0053】
また、カバー部材50は、固定ボルト22の頭部24に係合する係合溝72を備える。係合溝72は、回転軸Cに垂直な断面が頭部24に対応する六角形状に形成されている。係合溝72が頭部24に係合することにより、固定ボルト22とカバー部材50との間で互いに対する回転が規制された状態で、カバー部材50が固定ボルト22の頭部24に被覆される。
【0054】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図11乃至図14を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0055】
図11乃至図13は、本実施形態の第1のベール支持部材12とラインローラ14との間の連結部の構成を示す図である。図14は、カバー部材50の構成を示す図である。図11乃至図14に示すように、本実施形態では、カバー部材50に、爪部74が設けられている。また、凹状部30には、爪部74が係止される係止部76が設けられている。爪部74が係止部76に係止されることにより、回転軸Cを中心としたカバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転が規制される。すなわち、凹状部30の係止部74が、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転を規制する規制部となっている。
【0056】
また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、凹状部30は、側面部32により回転軸Cに垂直な断面が非円形状に規定されている。本実施形態では、凹状部30の回転軸Cに垂直な断面は、略六角形状に規定されている。カバー部材50は、回転軸Cに垂直な断面が第1のベール支持部材12の凹状部30に対応する非円形状に形成されている。このため、第1の実施形態と同様に、凹状部30の側面部32によっても、回転軸Cを中心としたカバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転が規制される。以上より、凹状部30は、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転を規制する規制部として側面部32及び係止部76を備えている。
【0057】
また、本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、カバー固定部材52は、設けられていない。代わりに、爪部74が係止部76に係止されることにより、カバー部材50が第1のベール支持部材12に固定されている。
【0058】
また、本実施形態では、第1のベール支持部材12に孔部(図示しない)を設け、爪部74を回転軸Cに向かって押圧可能であることが好ましい。これにより、カバー部材50が、第1のベール支持部材12から取り外すことが容易となる。
【0059】
なお、上述の実施形態では、第1のベール支持部材12に固定される支軸部材20は一体に形成されているが、これに限るものではない。例えば別の態様では、ベール取付け部39と支軸部40とが別体に形成されている。また、ベール18を持たないタイプの魚釣用リールにも適用することができる。すなわち、固定部材である固定ボルト22により、ラインローラ14を支持する支軸部材20が取付けられるものであれば、適用することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1…スピニングリール、2…リール本体、6…ロータ、10…第1のアーム部、12…第1のベール支持部材、14…ラインローラ、20…支軸部材、22…固定ボルト、24…頭部、30…凹状部、32…側面部、40…支軸部、50…カバー部材、52…カバー固定部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインローラを介して釣り糸をスプールに案内する魚釣り用のスピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣り用のスピニングリールでは、釣り糸をスプールに案内するラインローラが、ロータのアーム部にベール支持部材等の支持部材を介して連結されている。支持部材には、固定ボルト等の固定部材を介して支軸部材が固定されている。そして、支軸部材によりラインローラが回転軸を中心に回転可能に支持されている。このような構成のスピニングリールでは、支軸部を支持部材に固定する固定部材の緩みを防止することが重要となる。
【0003】
特許文献1には、固定部材である固定ボルトの頭部を多角形形状、星型形状等の非円形形状に形成したスピニングリールが開示されている。このスピニングリールは、固定ボルトの頭部に接触する状態で、支持部材であるベール支持部材に取り付けられる回転規制部材を備える。回転規制部材が固定ボルトの頭部に接触することにより、固定ボルトの回転が規制され、固定ボルトの緩みが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−165461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のスピニングリールでは、狭いスペースに固定ボルト及び回転規制部材が設けられている。また、固定ボルト及び回転規制部材は、支持部材であるベール支持部材の外表面に露出した状態で配置されている。このため、固定ボルト及び回転規制部材にエサ、砂、海水等の汚れが付着し易い。また、固定ボルト及び回転規制部材に汚れが付着した場合に、取り除き難い。したがって、ロータとラインローラとの間の連結部のメンテナンスが、行い難い。また、固定ボルト等に付着した汚れを放置すると、例えば汚れがラインローラの軸受けに浸入し、ラインローラの回転性能が低下する可能性もある。さらに、固定ボルトがベール支持部材の外表面に露出しているため、固定ボルトの頭部の角等で釣り糸が擦れる可能性がある。これにより、糸切れが発生する。
【0006】
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ロータとラインローラとの間の連結部のメンテナンスが行い易く、かつ、支持部材に支軸部材を固定する固定部材の緩みを防止可能な魚釣り用スピニングリールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のある態様では、ロータと、前記ロータのアーム部に取り付けられる支持部材と、前記支持部材に固定される支軸部材と、前記支軸部材により回転軸を中心に回転可能に支持されるラインローラと、前記支軸部材を前記支持部材に固定する固定部材と、を備える魚釣り用スピニングリールであって、前記固定部材との間で互いに対する移動が規制された状態で前記固定部材の頭部に被覆され、前記頭部の露出を防止するカバー部材をさらに備え、前記支持部材は、前記固定部材の前記頭部及び前記カバー部材が配置される凹状部を備え、前記凹状部は、前記カバー部材の前記支持部材に対する移動を規制する規制部を備えることを特徴とする魚釣り用スピニングリールを提供する。
【0008】
また、この魚釣り用スピニングリールでは、前記カバー部材は、前記回転軸に垂直な断面が非円形形状に形成され、前記規制部は、前記凹状部の前記回転軸に垂直な断面を前記カバー部材に対応する非円形状に規定し、前記カバー部材の前記支持部材に対する回転を規制する側面部を備えることが好ましい。
【0009】
また、前記カバー部材を前記支持部材に固定するカバー固定部材をさらに備え、前記カバー部材は、前記回転軸に平行な方向についての第1の寸法が、前記カバー固定部材の軸線を通り前記回転軸に直交する直線に平行な方向について、前記固定部材の前記カバー固定部材から遠い側の端と前記カバー部材の前記カバー固定部材から遠い側の端との間の第2の寸法より大きいことが好ましい。
【0010】
また、前記頭部は、前記回転軸に垂直な断面が非円形状である係合溝を備え、前記カバー部材は、前記回転軸に垂直な断面が前記係合溝に対応する非円形状であり、前記係合溝に係合することにより前記固定部材と前記カバー部材との間で互いに対する回転が規制される係合突起を備えることが好ましい。
【0011】
また、前記カバー部材は、前記支持部材より低比重かつ低ヤング率に形成されることが好ましい。
【0012】
さらに、前記カバー部材は、前記支持部材の外表面より外側に前記凹状部から突出していないことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
魚釣り用スピニングリールでは、固定部材の頭部にカバー部材が被覆されている。このため、固定部材に汚れが付着し難くなる。したがって、ロータとラインローラとの間の連結部のメンテナンスが、行い易くなる。また、カバー部材が設けられているため、固定部材の頭部が露出していない。このため、固定部材の頭部で釣り糸が擦れることはなく、釣り糸の糸切れの発生を防止することができる。
【0014】
また、カバー部材は、固定部材との間で互いに対する移動が規制された状態で固定部材の頭部に被覆されている。そして、凹状部に設けられる側面部により、カバー部材の支持部材に対する回転が規制されている。このため、固定部材の支持部材に対する回転が規制される。これにより、固定部材の緩みが防止される。以上のように、カバー部材を除いて部品の数を増加させることなく、固定部材の緩みが防止される。このため、製造時の生産性が向上する。
【0015】
また、カバー部材は、回転軸に平行な方向についての第1の寸法が、カバー固定部材の軸線を通り回転軸に直交する直線に平行な方向について、固定部材のカバー固定部材から遠い側の端とカバー部材のカバー固定部材から遠い側の端との間の第2の寸法より大きい。このため、ロータの回転による遠心力や、衝突した物体の衝撃力がカバー部材に加わった場合も、カバー部材を固定部材の頭部から取り外す力に対する抵抗が大きくなる。したがって、ロータを高速回転させている間等の釣りの最中にカバー部材が凹状部から取り外れることを防止できる。
【0016】
また、頭部には係合溝が形成され、係合溝は回転軸に垂直な断面が非円形状に形成されている。そして、カバー部材は、回転軸に垂直な断面が係合溝に対応する非円形状に形成される係合突起を備える。係合突起が係合溝に係合することにより、固定部材とカバー部材との間で互いに対する回転が規制された状態で、カバー部材が固定部材の頭部に被覆される。したがって、狭小なスペースでも、固定部材とカバー部材との間で互いに対する回転を規制することが可能となる。これにより、凹状部の大きさを最小限に抑えることができる。
【0017】
また、カバー部材は、支持部材より低比重かつ低ヤング率に形成されている。このため、ロータの回転による遠心力や、衝突した物体の衝撃力がカバー部材に加わった場合も、カバー部材は微小な変形に対応可能である。したがって、振動による異音の発生を防止することができる。
【0018】
さらに、カバー部材は、支持部材の外表面より凹状部から突出していない。このため、ロータの回転時等に物体がカバー部材に衝突し難い。また、物体がカバー部材に接触した場合も、衝撃力を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスピニングリールを示す側面図。
【図2】第1の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を示す正面図。
【図3】第1の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を部材ごとに分解して示す正面図。
【図4】図2のIV−IV線断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を示す正面図。
【図6】第2の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を部材ごとに分解して示す正面図。
【図7】図5のVII−VII線断面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を示す正面図。
【図9】第2の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を部材ごとに分解して示す正面図。
【図10】図8のX−X線断面図。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を示す正面図。
【図12】第4の実施形態に係るスピニングリールの第1のベール支持部材とラインローラとの間の連結部の構成を部材ごとに分解して示す正面図。
【図13】図11の13−13線断面図。
【図14】第4の実施形態に係るスピニングリールのカバー部材を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、魚釣り用のスピニングリール1を示す図である。図1に示すように、スピニングリール1は、リール本体2を備える。リール本体2には、釣竿(図示しない)に取付けられる脚部3が設けられている。また、リール本体2には、ハンドル4が回転可能に取付けられている。リール本体2の前方方向側には、ハンドル4での回転操作に対応して回転するロータ6と、釣り糸が巻回されるスプール8とが設けられている。スプール8は、ロータ6の回転に同期して、前後方向に移動する。
【0021】
リール本体2の内部には、ハンドル4を回転することにより回転するドライブギア(図示しない)が設けられている。ドライブギアには、ピニオンギア(図示しない)が噛合されている。ピニオンギアの前方方向側には、ロータ6が連結されている。また、ピニオンギアには、スプール軸(図示しない)が軸方向に移動可能に挿通されている。スプール軸の前方方向側には、スプール8が取付けられている。スプール軸の後方方向側には、ドライブギアの駆動によりスプール軸を前後方向に移動させるオシレーティング機構(図示しない)が連結されている。
【0022】
ロータ6は、第1のアーム部10と、第1のアーム部10に対向して設けられる第2のアーム部(図示しない)とを備える。第1のアーム部10には、支持部材である第1のベール支持部材12を介して、ラインローラ14が連結されている。ラインローラ14は、釣り糸巻回時にスプール8へ釣り糸を案内する。第1のベール支持部材12は、第1のアーム部10に回動軸16を介して回動可能に連結されている。また、第2のアーム部には、第2のベール支持部材(図示しない)が回動可能に連結されている。
【0023】
また、ベール18が、第1のベール支持部材12から第2のベール支持部材まで延設されている。第1のベール支持部材12側には、支軸部材20が設けられている。支軸部材20を介して、ベール18が第1のベール支持部材12に連結される。ラインローラ14は、支軸部材20により、ラインローラ14の中心軸に沿う回転軸Cを中心として回転可能に支持されている。ベール18は、第1のベール支持部材12、第2のベール支持部材、支軸部材20及びラインローラ14と一体に、第1のアーム部10及び第2のアーム部に対して、釣り糸放出位置(図示しない)と釣り糸巻回位置(図1に示す位置)との間で回動可能である。
【0024】
釣り糸巻回時際には、ハンドル4を回転させることにより、ロータ6が回転する。また、ロータ6の回転に同期して、スプール軸が軸方向に移動する。スプール軸が移動することにより、スプール8が前後方向に移動する。ロータ6の回転及びスプール8の移動により、ラインローラ14を介して釣り糸がスプール8に片寄ることなく均等に巻回される。
【0025】
図2乃至図4は、第1のベール支持部材12とラインローラ14との間の連結部の構成を示す図である。なお、以下の説明では、ラインローラ14の回転軸Cに平行な方向の一方を第1の方向(図4の矢印A1の方向)とする。また、第1の方向と反対方向を第2の方向(図4の矢印A2の方向)とする。すなわち、ラインローラ14の第1の方向側に支軸部材20が設けられ、ラインローラ14の第2の方向側に第1のベール支持部材12が設けられている。
【0026】
図2乃至図4に示すように、支軸部材20は、固定部材である固定ボルト22を介して、第1のベール支持部材12に固定されている。固定ボルト22は、頭部24と、雄ネジ部(軸部)26とを備える。頭部24は、雄ネジ部26より第2の方向側に位置し、雄ネジ部26より大径である。
【0027】
固定ボルト22の頭部24の外周面は、回転軸Cに垂直な断面が円形状に形成されている。また、頭部24の第2の方向側の面には、係合溝25が形成されている。係合溝25は、回転軸Cに垂直な断面が非円形状である六角形状に形成されている。
【0028】
第1のベール支持部材12は、ガラス繊維又はカーボン繊維により強化されたナイロン樹脂、ABS樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂等から形成されている。このため、第1のベール支持部材12は、比重が1.7程度、ヤング率が10〜50GPa程度となっている。第2のベール支持部材もこれと同様に形成することにより、スピニングリール1の軽量化を図るとともに、変形が抑えられロータ6の回転時のバランスが保たれている。
【0029】
図4に示すように、第1のベール支持部材12は、外表面28から凹状に形成される凹状部30を備える。凹状部30は、第1の方向に向かって凹状に設けられている。凹状部30には、固定ボルト22の頭部24が位置している。図2及び図3に示すように、凹状部30は、回転軸Cに垂直な断面を非円形状に規定する側面部32を備える。本実施形態では、凹状部30の回転軸Cに垂直な断面は、回転軸Cより前方方向側(先端側)が略半円状で、回転軸Cより後方方向側(基端側)が後方方向に向かって幅寸法が小さくなる略三角形状の非円形状に規定されている。また、第1のベール支持部材12には、凹状部30の底面から回転軸Cに沿って第1のベール支持部材12を貫通する貫通孔34が設けられている。さらに、第1のベール支持部材12の回転軸Cより前方方向側の部位には、係合溝36が設けられている。
【0030】
図4に示すように、支軸部材20は、ベール取付け部39と、ラインローラ14を支持する支軸部40を備える。支軸部40は、ベール取付け部39から第2の方向へ(第1のベール支持部材12向かって)突出する状態で設けられている。支軸部40の外周面には、軸受け42が設けられている。ラインローラ14は、支軸部40により、軸受け42を介して回転軸Cを中心に回転可能に支持されている。支軸部40には、固定ボルト22の雄ネジ部26と螺合する雌ネジ部(挿入凹部)44が形成されている。固定ボルト22の雄ネジ部26は、第1のベール支持部材12の貫通孔34を通って、支軸部40の雌ネジ部44と螺合する。これにより、支軸部材20が第1のベール支持部材12に固定される。
【0031】
また、支軸部材20の前方方向側の部位には、ベール取付け部39から第1のベール支持部材12に向けて突出する突出部46が設けられている。突出部46は、第1のベール支持部材12の係合溝36と係合する。この係合により、支軸部材20に対する第1のベール支持部材12の回転が規制される。また、突出部46により、釣り糸のからみが防止される。また、第1のベール支持部材12とラインローラ14との間には、スペーサーとして筒状部材48が設けられている。ラインローラ14及び軸受け42は、筒状部材48により位置決めされている。
【0032】
図2乃至図4に示すように、スピニングリール1は、固定ボルト22の頭部24に被覆されるカバー部材(キャップ)50を備える。カバー部材50は、回転軸Cに垂直な断面が第1のベール支持部材12の凹状部30に対応する非円形状に形成されている。すなわち、本実施形態ではカバー部材50の回転軸Cに垂直な断面は、回転軸Cより前方方向側が略半円状で、回転軸Cより後方方向側が後方方向に向かって幅寸法が小さくなる略三角形状の非円形状に規定されている。このため、凹状部30の側面部32により、回転軸Cを中心としたカバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転(移動)が規制される。すなわち、凹状部30の側面部32が、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転を規制する規制部となっている。
【0033】
カバー部材50は、ABS樹脂、PC樹脂、ナイロン樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂等から形成されている。そしてカバー部材50は、比重が1.1程度、ヤング率が2〜3GPa程度となっている。すなわち、カバー部材50は、第1のベール支持部材12より低比重かつ低ヤング率に形成されている。
【0034】
カバー部材50は、固定ビス等のカバー固定部材52により、第1のベール支持部材12に固定されている。カバー固定部材52は、回転軸Cに平行な軸線Sを有する。カバー部材50には、カバー固定部材52が挿通される貫通孔54が形成されている。貫通孔54は、回転軸Cより後方方向側(ロータ6側)に設けられている。このため、カバー固定部材52は、回転軸Cより後方方向側に位置している。また、第1のベール支持部材12には雌ネジ部(凹状部)56が設けられている。カバー固定部材52には、第1のベール支持部材12の雌ネジ部56に螺合する雄ネジ部(軸部)58が設けられている。カバー固定部材52の雄ネジ部58が貫通孔54を通って雌ネジ部56に螺合することにより、カバー部材50が第1のベール支持部材12に固定される。
【0035】
なお、カバー固定部材52は、カバー部材50の外表面60より外側に突出していないことが好ましい。例えば、カバー固定部材52が皿ネジ等であり、頭部がカバー部材50に埋没されることが好ましい。ただし、カバー固定部材52への釣り糸の引っ掛かりが防止される構成であれば、中央部が盛り上がった状態で突出してもよい。
【0036】
カバー部材50は、固定ボルト22の頭部24の係合溝25に係合する係合突起(相対回転規制部)62を備える。係合突起62は、回転軸Cに垂直な断面が係合溝25に対応する非円形状である六角形状に形成されている。係合突起62が係合溝25に係合することにより、固定ボルト22とカバー部材50との間で互いに対する回転軸Cを中心とした回転(移動)が規制された状態で、カバー部材50が固定ボルト22の頭部24に取り付けられる。上述のように、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転は、規制されている。このため、カバー部材50と固定ボルト22との間で互いに対する回転が規制されることにより、固定ボルト22の第1のベール支持部材12に対する回転が規制される。これにより、固定部材である固定ボルト22の緩みが防止される。
【0037】
なお、本実施形態では、係合溝25及び係合突起62は、回転軸Cに垂直な断面が六角形状に形成されているが、これに限るものではない。すなわち、係合溝25及び係合突起62は、回転軸Cに垂直な断面が例えば四角形状等の非円形状に形成されていればよい。
【0038】
回転軸Cに平行な方向(第1の方向及び第2の方向)についてのカバー部材50の寸法(第1の寸法)Hは、3.4mm程度となっている。カバー部材50の第2の方向側の端は、回転軸Cと平行な方向について第1のベール支持部材12の外表面28と同位置、又は、外表面28より第1の方向側に位置している。このため、カバー部材50は、第1のベール支持部材12の外表面28より外側に凹状部30から突出していない。
【0039】
また、カバー固定部材52の軸線Sを通り、回転軸Cに直交する直線Lを規定する。直線Lに平行な方向について固定ボルト22のカバー固定部材52から遠い側の端とカバー部材50のカバー固定部材52から遠い側の端との間の寸法(第2の寸法)Wは、2.1mm程度となっている。すなわち、カバー部材50の高さ方向の寸法Hが幅方向の寸法Wより大きくなっている。
【0040】
そこで、上記構成のスピニングリール1では、以下の効果を奏する。すなわち、スピニングリール1では、固定部材である固定ボルト22の頭部24にカバー部材50が被覆されている。このため、固定ボルト22に汚れが付着し難くなる。したがって、ロータ6とラインローラ14との間の連結部のメンテナンスが、行い易くなる。また、カバー部材50が設けられているため、固定ボルト22の頭部24が露出していない。このため、固定ボルト22の頭部24で釣り糸が擦れることはなく、釣り糸の糸切れの発生を防止することができる。
【0041】
また、カバー部材50は、固定ボルト22との間で互いに対する回転が規制された状態で固定ボルト22の頭部24に被覆されている。そして、凹状部30に設けられる規制部である側面部32により、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転が規制されている。このため、固定ボルト22の第1のベール支持部材12に対する回転が規制される。これにより、固定部材である固定ボルト22の緩みが防止される。以上のように、カバー部材50を除いて部品の数を増加させることなく、固定ボルト22の緩みが防止される。このため、製造時の生産性が向上する。
【0042】
また、カバー部材50は、回転軸Cに平行な方向についての寸法Hが、カバー固定部材52の軸線Sを通り回転軸Cに直交する直線Lに平行な方向について、固定ボルト22のカバー固定部材52から遠い側の端とカバー部材50のカバー固定部材52から遠い側の端との間の寸法Wより大きい。このため、ロータ6の回転による遠心力や、衝突した物体の衝撃力がカバー部材50に加わった場合も、カバー部材50を固定ボルト22の頭部24から取り外す力に対する抵抗が大きくなる。したがって、ロータ6を高速回転させている間等の釣りの最中にカバー部材50が凹状部30から取り外れることを防止できる。
【0043】
また、頭部24には係合溝25が形成され、係合溝25は回転軸Cに垂直な断面が非円形状である六角形状に形成されている。そして、カバー部材50は、回転軸Cに垂直な断面が係合溝25に対応する非円形状である六角形状に形成される係合突起62を備える。係合突起62が係合溝25に係合することにより、固定ボルト22とカバー部材50との間で互いに対する回転が規制された状態で、カバー部材50が固定ボルト22の頭部24に被覆される。したがって、狭小なスペースでも、固定ボルト22とカバー部材50との間で互いに対する回転を規制することが可能となる。これにより、凹状部30の大きさを最小限に抑えることができる。
【0044】
また、カバー部材50は、第1のベール支持部材12より低比重かつ低ヤング率に形成されている。このため、ロータ6の回転による遠心力や、衝突した物体の衝撃力がカバー部材50に加わった場合も、カバー部材50は微小な変形に対応可能である。したがって、振動による異音の発生を防止することができる。
【0045】
また、カバー部材50は、第1のベール支持部材12の第2の方向側の外表面28より凹状部30から突出していない。このため、ロータ6の回転時等に物体がカバー部材50に衝突し難い。また、物体がカバー部材50に接触した場合も、衝撃力を最小限に抑えることができる。
【0046】
さらに、カバー部材50を第1のベール支持部材12に固定するカバー固定部材52は、回転軸Cより後方方向側に設けられている。第1のベール支持部材12は、ロータ6の第1のアーム部10に回動可能に取り付けられている。このため、第1のベール支持部材12では、前方方向側に向かうほど回動量が大きくなる。したがって、カバー固定部材52を回転軸Cより後方方向側に設けることにより、カバー部材50を第1のベール支持部材12により強固に固定することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図5乃至図7を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0048】
図5乃至図7は、本実施形態の第1のベール支持部材12とラインローラ14との間の連結部の構成を示す図である。図5乃至図7に示すように、本実施形態では、カバー部材50と第1のベール支持部材12との間に、例えばゴム等の振動減衰部材66が設けられている。振動減衰部材66は、第1のベール支持部材12より振動減衰性が高い。振動減衰部材66の回転軸Cに垂直に切断した断面は、凹状部30に対応する非円形状に形成されている。また、振動減衰部材66には、固定ボルト22が挿通される貫通孔(大孔)68と、カバー固定部材52が挿通される貫通孔(小孔)70とが設けられている。
【0049】
また、本実施形態では、振動減衰部材66が設けられているため、回転軸Cに平行な方向(厚さ方向)についてのカバー部材30の寸法Hが2.8mm程度であり、第1の実施形態より小さい。たたし、本実施形態でも寸法Hは、寸法Wより大きくなっている。ここで、寸法Wは、第1の実施形態と同様に、直線Lに平行な方向について固定ボルト22のカバー固定部材51から遠い側の端とカバー部材50のカバー固定部材52から遠い側の端との間の寸法である。
【0050】
本実施形態のスピニングリール1では、振動減衰部材66が設けられている。このため、物体が衝突した場合も、衝撃力を吸収することができる。また、振動減衰部材66により、振動が減衰されるので、異音の発生を抑えることができる。
【0051】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図8乃至図10を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0052】
図8乃至図10は、本実施形態の第1のベール支持部材12とラインローラ14との間の連結部の構成を示す図である。図8乃至図10に示すように、本実施形態では、固定ボルト22の頭部24は、回転軸Cに垂直な断面が六角形状に形成されている。頭部24の第2の方向側の面には、帯状の溝部71が形成されている。
【0053】
また、カバー部材50は、固定ボルト22の頭部24に係合する係合溝72を備える。係合溝72は、回転軸Cに垂直な断面が頭部24に対応する六角形状に形成されている。係合溝72が頭部24に係合することにより、固定ボルト22とカバー部材50との間で互いに対する回転が規制された状態で、カバー部材50が固定ボルト22の頭部24に被覆される。
【0054】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図11乃至図14を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0055】
図11乃至図13は、本実施形態の第1のベール支持部材12とラインローラ14との間の連結部の構成を示す図である。図14は、カバー部材50の構成を示す図である。図11乃至図14に示すように、本実施形態では、カバー部材50に、爪部74が設けられている。また、凹状部30には、爪部74が係止される係止部76が設けられている。爪部74が係止部76に係止されることにより、回転軸Cを中心としたカバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転が規制される。すなわち、凹状部30の係止部74が、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転を規制する規制部となっている。
【0056】
また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、凹状部30は、側面部32により回転軸Cに垂直な断面が非円形状に規定されている。本実施形態では、凹状部30の回転軸Cに垂直な断面は、略六角形状に規定されている。カバー部材50は、回転軸Cに垂直な断面が第1のベール支持部材12の凹状部30に対応する非円形状に形成されている。このため、第1の実施形態と同様に、凹状部30の側面部32によっても、回転軸Cを中心としたカバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転が規制される。以上より、凹状部30は、カバー部材50の第1のベール支持部材12に対する回転を規制する規制部として側面部32及び係止部76を備えている。
【0057】
また、本実施形態では、第1の実施形態とは異なり、カバー固定部材52は、設けられていない。代わりに、爪部74が係止部76に係止されることにより、カバー部材50が第1のベール支持部材12に固定されている。
【0058】
また、本実施形態では、第1のベール支持部材12に孔部(図示しない)を設け、爪部74を回転軸Cに向かって押圧可能であることが好ましい。これにより、カバー部材50が、第1のベール支持部材12から取り外すことが容易となる。
【0059】
なお、上述の実施形態では、第1のベール支持部材12に固定される支軸部材20は一体に形成されているが、これに限るものではない。例えば別の態様では、ベール取付け部39と支軸部40とが別体に形成されている。また、ベール18を持たないタイプの魚釣用リールにも適用することができる。すなわち、固定部材である固定ボルト22により、ラインローラ14を支持する支軸部材20が取付けられるものであれば、適用することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1…スピニングリール、2…リール本体、6…ロータ、10…第1のアーム部、12…第1のベール支持部材、14…ラインローラ、20…支軸部材、22…固定ボルト、24…頭部、30…凹状部、32…側面部、40…支軸部、50…カバー部材、52…カバー固定部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータと、
前記ロータのアーム部に取り付けられる支持部材と、
前記支持部材に固定される支軸部材と、
前記支軸部材により回転軸を中心に回転可能に支持されるラインローラと、
前記支軸部材を前記支持部材に固定する固定部材と、
を具備する魚釣り用スピニングリールであって、
前記固定部材との間で互いに対する移動が規制された状態で前記固定部材の頭部に被覆され、前記頭部の露出を防止するカバー部材をさらに具備し、
前記支持部材は、前記固定部材の前記頭部及び前記カバー部材が配置される凹状部を備え、
前記凹状部は、前記カバー部材の前記支持部材に対する移動を規制する規制部を備えることを特徴とする魚釣り用スピニングリール。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記回転軸に垂直な断面が非円形形状に形成され、
前記規制部は、前記凹状部の前記回転軸に垂直な断面を前記カバー部材に対応する非円形状に規定し、前記カバー部材の前記支持部材に対する回転を規制する側面部を備えることを特徴とする請求項1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項3】
前記カバー部材を前記支持部材に固定するカバー固定部材をさらに具備し、
前記カバー部材は、前記回転軸に平行な方向についての第1の寸法が、前記カバー固定部材の軸線を通り前記回転軸に直交する直線に平行な方向について、前記固定部材の前記カバー固定部材から遠い側の端と前記カバー部材の前記カバー固定部材から遠い側の端との間の第2の寸法より大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項4】
前記頭部は、前記回転軸に垂直な断面が非円形状である係合溝を備え、
前記カバー部材は、前記回転軸に垂直な断面が前記係合溝に対応する非円形状であり、前記係合溝に係合することにより前記固定部材と前記カバー部材との間で互いに対する回転が規制される係合突起を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記支持部材より低比重かつ低ヤング率に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記支持部材の外表面より外側に前記凹状部から突出していないことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項1】
ロータと、
前記ロータのアーム部に取り付けられる支持部材と、
前記支持部材に固定される支軸部材と、
前記支軸部材により回転軸を中心に回転可能に支持されるラインローラと、
前記支軸部材を前記支持部材に固定する固定部材と、
を具備する魚釣り用スピニングリールであって、
前記固定部材との間で互いに対する移動が規制された状態で前記固定部材の頭部に被覆され、前記頭部の露出を防止するカバー部材をさらに具備し、
前記支持部材は、前記固定部材の前記頭部及び前記カバー部材が配置される凹状部を備え、
前記凹状部は、前記カバー部材の前記支持部材に対する移動を規制する規制部を備えることを特徴とする魚釣り用スピニングリール。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記回転軸に垂直な断面が非円形形状に形成され、
前記規制部は、前記凹状部の前記回転軸に垂直な断面を前記カバー部材に対応する非円形状に規定し、前記カバー部材の前記支持部材に対する回転を規制する側面部を備えることを特徴とする請求項1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項3】
前記カバー部材を前記支持部材に固定するカバー固定部材をさらに具備し、
前記カバー部材は、前記回転軸に平行な方向についての第1の寸法が、前記カバー固定部材の軸線を通り前記回転軸に直交する直線に平行な方向について、前記固定部材の前記カバー固定部材から遠い側の端と前記カバー部材の前記カバー固定部材から遠い側の端との間の第2の寸法より大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項4】
前記頭部は、前記回転軸に垂直な断面が非円形状である係合溝を備え、
前記カバー部材は、前記回転軸に垂直な断面が前記係合溝に対応する非円形状であり、前記係合溝に係合することにより前記固定部材と前記カバー部材との間で互いに対する回転が規制される係合突起を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記支持部材より低比重かつ低ヤング率に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記支持部材の外表面より外側に前記凹状部から突出していないことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−95569(P2012−95569A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244588(P2010−244588)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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