魚釣用リール
【課題】 本発明は魚釣用リールに関し、制御ボックスの取付作業性,取付構造の簡素化等を図った魚釣用リールを提供することを目的とする。
【解決手段】 フレームと、該フレームの側部に装着される外装部材とで構成されるリール本体にスプールを回転自在に支持すると共に、該リール本体の上部に、糸長計測装置の糸長計測値を表示する表示器を有する制御ボックスを取り付けた魚釣用リールに於て、前記制御ボックスの側部に係合部を形成し、前記フレームに装着される外装部材により、該係合部を介して制御ボックスをフレームに固定したことを特徴とする。
【解決手段】 フレームと、該フレームの側部に装着される外装部材とで構成されるリール本体にスプールを回転自在に支持すると共に、該リール本体の上部に、糸長計測装置の糸長計測値を表示する表示器を有する制御ボックスを取り付けた魚釣用リールに於て、前記制御ボックスの側部に係合部を形成し、前記フレームに装着される外装部材により、該係合部を介して制御ボックスをフレームに固定したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は魚釣用リールに係り、詳しくはスプールの回転(回転数と回転方向)から釣糸の繰出し量や巻取り量(糸長)を計測表示する糸長計測装置を備えた魚釣用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
釣果の向上を図るため、近年、多くの魚釣用リールには、糸長を計測表示する糸長計測装置が備えられている。
この糸長計測装置は、リール本体に回転自在に支持したスプールの回転数と回転方向を検出する回転検出装置と、この回転検出装置の検出値を基に糸長を演算計測して、糸長計測値を表示器に表示させるマイクロコンピュータ等の電装部品(電子制御装置)とで構成されており、リール本体の側板(外装部材)間の上部に装着した制御ボックスに電装部品が内装され、糸長計測値を釣人が視認可能に表示器が制御ボックスに設けられている。
【0003】
而して、従来、制御ボックスの取付構造として、特許文献1には回転検出装置や表示器,マイクロコンピュータ,電源等の電装部品を防水性を有するL字状の制御ボックスに収容し、該制御ボックスの水平部をリール本体の上部(左右の側板の上部に設けた切欠部)に着脱自在に嵌着すると共に、垂直部を側板内に収容し、該垂直部の電源収容部を側板に設けた透孔に係合させて、制御ボックスをフレームと側板との間で挟着固定した制御ボックスの取付構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、電装部品を収容する制御ボックスの左右両側部に取付片を下方へ延設し、該取付片を介して制御ボックスをリール本体のフレームの上部側面にネジ止めした制御ボックスの取付構造が開示されている。
【特許文献1】実開昭60−121758号公報
【特許文献2】実開平4−48974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし乍ら、特許文献1の従来例にあっては、左右の側板の上部に制御ボックスの水平部を嵌合させる切欠部を設け、また、制御ボックスの垂直部の電源収容部を係合させる透孔を側板に設ける構造上、リール本体の内部に水が浸入し易く、十分な防水性能が得られ難い課題が残されていた。
一方、特許文献2の従来例の如く制御ボックスの左右両側部に取付片を設けてこれをフレームにネジ止めする取付構造にあっては、製造,組立,メンテナンスの点で作業性が悪く、また、部品点数が多くなってしまう欠点が指摘されていた。
【0006】
また、フレームにネジ締め付け用のスペースが必要であると共に、フレームにネジ孔を設けることで強度が低下してしまう不具合もあった。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、上述の如き従来の不具合を解決して、制御ボックスの取付作業性,取付構造の簡素化等を図った魚釣用リールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、フレームと、該フレームの側部に装着される外装部材とで構成されるリール本体にスプールを回転自在に支持すると共に、該リール本体の上部に、糸長計測装置の糸長計測値を表示する表示器を有する制御ボックスを取り付けた魚釣用リールに於て、前記制御ボックスの側部に係合部を形成し、前記フレームに装着される外装部材により、該係合部を介して制御ボックスをフレームに固定したことを特徴とする。
【0008】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の魚釣用リールに於て、前記フレームの側部外周にネジ部を形成すると共に、前記外装部材を、該フレームのネジ部に螺合するネジ部を内周に設けた環状体としたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の魚釣用リールに於て、前記外装部材は前記フレームに取り付く側板で、該側板に、前記制御ボックスの係合部に係合する側板側係合部が形成されていることを特徴とし、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の魚釣用リールに於て、前記側板に機能部材が取り付き、該機能部材の側部に、前記制御ボックスの係合部に係合する側板側係合部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
各請求項に係る発明によれば、糸長計測装置の糸長計測値を表示する表示器を有する制御ボックスを、フレームの側部に取り付く外装部材によって位置決め固定する構造としたので、
[1] 例えば、外装部材が側板である場合、リール本体を構成するフレームに装着される側板を、制御ボックス1の取付け固定部として機能部材させることで、フレームへの制御ボックスの取付けに当たり、固定専用ネジやネジ孔が不要となるため、構造の簡素化により部品点数が減少してコストの低減が図れると共に、スペース面での制約がなくなり設計の自由度も向上する。
【0010】
[2] フレームに装着される外装部材の取付作業と同時に制御ボックスをフレームに固定できるため、作業性が著しく向上する。
[3] 制御ボックスの側面に形成した係合部と、フレームに装着される外装部材との係合作用で制御ボックスをフレームに固定保持する構成としたので、制御ボックスを装着する上での開口部を極力少なくでき、すっきりした外観が得られると共に、リール本体内部に対する防水性能も向上する利点を有する。
【0011】
そして、請求項2に係る発明によれば、フレームに環状体である外装部材を回転操作してフレームに螺着する作業と同時に制御ボックスをフレームに位置決め固定できるので、一連の組み込み作業の行程で、制御ボックスの取付作業を極めて簡単に行える利点を有する。
更に、請求項4に係る発明によれば、側板に一体的に装着される機能部材に、更に制御ボックスの取付け固定機能を付加させて多機能化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図5は請求項1乃至請求項3に係る魚釣用リールの第一実施形態を示し、図1に於て、1,3はフレーム5の左右のフレーム枠体5a,5bに取り付く側板(外装部材)で、両側板1,3とフレーム5とによって魚釣用リール7のリール本体9が構成されている。
【0013】
図4に示すように側板1,3とフレーム枠体5a,5bは何れも側面視円形状に形成され、図2に示すように後述するハンドル11と反対側のフレーム枠体5aには、その外周に沿って雄ネジ部13が形成されている。そして、該フレーム枠体5aに取り付く側板1の端部の周縁部内周に、雄ネジ部13に螺合する雌ネジ部15が形成されており、側板1は雄ネジ部13を雌ネジ部15に螺着してフレーム5(フレーム枠体5a)に固定されるようになっている。
【0014】
尚、他方の側板3は、従来と同様、ネジを用いたフレーム5(フレーム枠体5b)への取付構造となっている。
そして、両側板1,3間に、スプール軸17を介してスプール19が回転自在に支持されており、スプール軸17の一端側は、フレーム枠体5aに装着した軸受21によって支持されている。そして、軸受21は、フレーム枠体5aの外側面にネジ止めされた収容ボックス23により水密性を以って被覆されている。
【0015】
一方、スプール軸17の他端側は側板3外に突出し、ブレーキ調節ツマミ25が取り付く支持部材27内に装着した軸受29によって支持されている。そして、スプール軸17には、該スプール軸17に設けたクラッチ部31に係脱可能なピニオンギヤ33が相対回転可能且つその軸方向へスライド可能に取り付けられており、スプール19後方の側板1,3間に設けたクラッチレバー35を下方向へ押圧操作すると、クラッチ部31とピニオンギヤ33とのクラッチ係合がクラッチプレート37で解除(クラッチOFF)されて、スプール19が巻取り可能状態からスプールフリー状態に切り換わるようになっている。
【0016】
また、図1中、11は釣糸巻取り用のハンドルで、そのハンドル軸39には前記ピニオンギヤ33に噛合するドライブギヤ41が相対回転可能に取り付けられており、ハンドル11の回転操作による巻取り力が、ドライブギヤ41とピニオンギヤ33を介してスプール軸17からスプール19に伝達されるようになっている。
そして、既述したスプールフリー状態でハンドル11を巻取り方向へ回転させると、図示しない周知の復帰機構により前記ピニオンギヤ33がクラッチ部31にクラッチ係合(クラッチON)して、スプール19が巻取り可能状態に復帰するように構成されており、このクラッチレバー35とハンドル11のクラッチON/OFFの切換え操作で、スプール19が巻取り可能状態とスプールフリー状態とに切り換わって、スプール19へのハンドル11の巻取り駆動力が伝達/遮断されるようになっている。
【0017】
そして、ドライブギヤ41とハンドル軸39は従来周知のドラグ装置43によって摩擦結合されており、ドラグ力の調節はハンドル軸39に回転可能に装着したドラグノブ45で行うようになっている。
また、図4に示すように反ハンドル側のスプール19の端部にマグネット47が固着されると共に、該マグネット47の回転軌跡に対向してフレーム枠体5aにホール素子やリードスイッチ等からなる磁気センサ49が装着されており、これらはスプール19の回転数とその回転方向を検出する回転検出手段を構成する。
【0018】
そして、磁気センサ49は、リール本体9の上部前方に取り付く制御ボックス51内のマイクロコンピュータに接続されており、マイクロコンピュータのCPUは、特開平5−103567号公報で開示された糸長計測装置と同様、磁気センサ49から出力されるスプール19の正転,逆転の判定信号を取り込んで釣糸の繰出しか巻取りかを判定すると共に、磁気センサ49から取り込むスプール19の回転パルス信号をカウントして、この計数値を基にマイクロコンピュータのROMに記憶された糸長計算式を演算実行するようになっている。そして、CPUは、その演算結果(糸長計測値)を制御ボックス51の操作パネル53上に装着した表示器55に表示するように構成されているが、本実施形態は、該制御ボックス51の取付構造に改良を加えたことを特徴とする。
【0019】
図3は制御ボックス51の全体斜視図を示し、制御ボックス51は平面視矩形状に形成され、既述したフレーム枠体5a,5b間に架設可能な寸法に設定されている。そして、制御ボックス51の上部にモードスイッチ57を備えた操作パネル53が形成され、該操作パネル53に表示器55が装着されると共に、内部にマイクロコンピュータや表示器55の液晶基板等が水密性を以って収容されている。
【0020】
一方、図2,図4及び図5に示すようにフレーム枠体5a,5bには、夫々、制御ボックス51を載置可能な切欠部59,61が設けられており、両切欠部59,61によって、制御ボックス51がリール本体9の上部前方の側板1,3間(フレーム枠体5a,5b間)に位置決めされる。
そして、図1及び図3に示すように制御ボックス51のハンドル側の側面63の後方には、前記側板3の内周(側板側係合部)3aに沿って円弧状の突条からなる係合部65が突設されており、該側板3をフレーム枠体5bにネジ止めすると、図5に示すように側板3の内周(側板側係合部)3aが係合部65に係合(当接)して、制御ボックス51が該係合部65を介して側板3とフレーム枠体5bとの間に挟持されるようになっている。
【0021】
また、図1,図3及び図4に示すように制御ボックス51の反ハンドル側の側面67の後方には、前記側板1をフレーム枠体5aに螺着する際に、該側板1の内周(側板側係合部)1aが係合する円弧状の突条からなる係合部69が側板1の内周(側板側係合部)1aに沿って円弧状に突設されており、側板1をフレーム枠体5aに螺着すると、側板1の内周(側板側係合部)1aが係合部69に係合(当接)して、制御ボックス51が該係合部69を介して側板1とフレーム枠体5aとの間に挟持されるようになっている。
【0022】
このように、側板3の内周(側板側係合部)3aが係合部65に係合して制御ボックス51が側板3とフレーム枠体5bとの間に挟持されると共に、側板1の内周(側板側係合部)1aが係合部69に係合して制御ボックス51が側板1とフレーム枠体5aとの間に挟持されて、制御ボックス51がリール本体9の上部前方に抜け止め保持されている。
その他、図4に於て、71は収容ボックス23内に収容された磁気センサ49や電池(図示せず)と制御ボックス51内のマイクロコンピュータ等との間に配線された複数本のリード線である。
【0023】
本実施形態はこのように構成されているから、制御ボックス51をフレーム5に取り付けるには、先ず、フレーム枠体5a,5bの切欠部59,61に制御ボックス51を載置して、制御ボックス51をフレーム枠体5a,5b間に位置決めする。
そして、側板3の内周(側板側係合部)3aを制御ボックス51の側面63に突設した係合部65に係合させ乍ら、該側板3をフレーム枠体5bにネジ止めすれば、図5に示すように係合部65と側板3の内周(側板側係合部)3aを介して制御ボックス51の側面63側が側板3とフレーム枠体5bとの間に挟持される。
【0024】
次いで、前記雄ネジ部13と雌ネジ部15を介して側板1をフレーム枠体5aに螺着すると、図4に示すように側板1の内周(側板側係合部)1aが係合部69に係合して、制御ボックス51の側面67側が、該係合部69と側板1の内周(側板側係合部)1aを介して側板1とフレーム枠体5aとの間に挟持され、制御ボックス51がリール本体9の上部前方に抜け止め保持されることとなる。
【0025】
このように本実施形態は、フレーム枠体5aに取り付く側板1を該フレーム枠体5aに螺着可能に構成して、フレーム枠体5aに環状体である側板1を回転操作して螺着する作業と同時に、前記係合部69と側板1の内周(側板側係合部)1aを介して制御ボックス51をフレーム枠体5aに固定できるので、一連の組み込み作業の行程で制御ボックス51の取付作業を極めて簡単に行える利点を有する。
【0026】
而も、リール本体9を構成するフレーム5に装着される側板1,3を、制御ボックス51の取付け固定部として機能部材させることで、フレーム枠体5aへの制御ボックス51の取付けに当たり、固定専用ネジやネジ孔が不要となるため、構造の簡素化により部品点数が減少してコストの低減が図れると共に、スペース面での制約がなくなり設計の自由度も向上する。
【0027】
更に、制御ボックス51の側面67に突設した係合部69と、フレーム枠体5aに螺着される側板1の内周(側板側係合部)1aとの係合作用で制御ボックス51をフレーム枠体5aに固定保持する構成としたので、制御ボックス51を装着する上でリール本体9の開口部を極力少なくでき、すっきりした外観が得られると共に、リール本体9内部に対する防水性能も向上する利点を有する。
【0028】
尚、前記実施形態は、制御ボックス51をリール本体9の上部前方に取り付けたが、制御ボックスの取付位置は前記実施形態に限定されるものではない。
即ち、図6及び図7は請求項1乃至請求項3に係る魚釣用リールの第二実施形態を示し、図中、5a-1は前記フレーム枠体5aと同様、フレーム5-1の反ハンドル側のフレーム枠体で、円形状に形成されたその外周には、側板1の雌ネジ部15が螺着可能な雄ネジ部13が形成されている。
【0029】
また、図中、51-1は前記制御ボックス51と同一寸法に形成された平面視矩形状の制御ボックスで、側板1側の側面67-1の中央には、フレーム枠体5a-1への側板1の螺着時に、該側板1の内周(側板側係合部)1aが係合する円弧状の係合部69-1が突設されている。
そして、フレーム枠体5a-1,5bの上部中央には、制御ボックス51-1を載置可能な切欠部59-1,61が設けられており、両切欠部59-1,61によって、制御ボックス51-1がリール本体9-1の上部中央の側板1,3間(フレーム枠体5a-1,5b間)に位置決めされるようになっている。そして、斯様に切欠部59-1,61に制御ボックス51-1を位置決めして側板1をフレーム枠体5a-1に螺着すると、前記実施形態と同様、係合部69-1が側板1の内周(側板側係合部)1aに当接して、制御ボックス51-1が該係合部69-1と側板1の内周(側板側係合部)1aを介して側板1とフレーム枠体5a-1との間に挟持されるようになっている。
【0030】
尚、その他の構成は図1の実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
このように制御ボックス51-1の取付位置をリール本体9-1の上部中央とした本実施形態の魚釣用リール7-1も、フレーム枠体5a-1に取り付く側板1を該フレーム枠体5a-1に螺着可能に構成すると共に、フレーム枠体5a-1への側板1の取付けと同時に、前記係合部69-1と側板1の内周(側板側係合部)1aを介して制御ボックス51-1をフレーム枠体5a-1に固定できるように構成したので、図1の第一実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、制御ボックス51-1の取付作業性が著しく向上する等の利点を有する。
【0031】
図8は請求項1乃至請求項3に係る魚釣用リールの第三実施形態を示し、本実施形態は、図6及び図7の構成を一部変形したもので、図中、51-2は前記制御ボックス51-1と同一寸法に形成された平面視矩形状の制御ボックスで、そのハンドル側の側面63-1の中央に、正面視円弧状の係合部(係止凹部)73が設けられている。
また、図中、3-1はフレーム5-2のフレーム枠体5bにネジ止めされる側板で、該側板3-1には、これをフレーム枠体5bにネジ止めする際に、前記係合部(係止凹部)73に係合可能な係合片(側板側係合部)75が突設されており、側板3-1をフレーム枠体5bにネジ止めすると、係合部(係止凹部)73に係合した係合片(側板側係合部)75を介して、制御ボックス51-2のハンドル側が側板3-1とフレーム枠体5bとの間に取り付くようになっている。
【0032】
一方、制御ボックス51-2の反ハンドル側の側面67-2の中央には、前記係合部69-1より短寸に突出する円弧状の係合部69-2が設けられている。
そして、本実施形態に於ても、円形状に形成されたフレーム枠体5a-2の外周に雄ネジ部13が形成されると共に、該フレーム枠体5a-2に取り付く側面視円形状に形成された側板1-1側の周縁部内周に、雄ネジ部13に螺合する雌ネジ部15が形成されているが、図示するように雌ネジ部15は、側板1-1の端部からやや内方に設けられている。そして、側板1-1をフレーム枠体5a-2に螺着すると、雌ネジ部15が形成されていない側板1-1の端部内周(側板側係合部)1a-1が前記係合部69-2に係合(当接)して、制御ボックス51-2の反ハンドル側が、該係合部69-2と側板1-1の端部内周(側板側係合部)1a-1を介してフレーム枠体5a-2と側板1-1との間に挟持されるようになっている。
【0033】
尚、本実施形態に於ても、その他の構成は図1の実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
このように、本実施形態に係る魚釣用リール7-2も、フレーム枠体5a-2に取り付く側板1-1を該フレーム枠体5a-2に螺着可能に構成すると共に、フレーム枠体5a-2への側板1-1の取付けと同時に、前記係合部69-2と側板1-1の端部内周(側板側係合部)1a-1を介して制御ボックス51-2をフレーム枠体5a-2に固定できるようにしたので、既述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、制御ボックス51-2の取付作業性が著しく向上する等の利点を有する。
【0034】
図9は請求項1乃至請求項4に係る魚釣用リールの一実施形態を示し、本実施形態は、図8の側板1-1に代え、フレーム枠体5a-2の雄ネジ部13に螺着可能なネジリング(機能部材)77を用いて、側面視円形状の側板1-2をフレーム枠体5a-2に取り付け可能とした魚釣用リール7-3に本発明を適用し、ネジリング77をフレーム枠体5a-2に螺着すると、雌ネジ部15が形成されていないその端部内周(側板側係合部)77aが係合部69-2に係合(当接)して、制御ボックス51-2の反ハンドル側が、該係合部69-2とネジリング77の端部内周(側板側係合部)77aを介してフレーム枠体5a-2とネジリング77との間に挟持されるように構成したものである。
【0035】
そして、その他の構成は図1の実施形態と同様で、本実施形態によっても、既述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
また、機能部材たるネジリング77に制御ボックス51-2の取付け固定機能を付加させて、ネジリング77の多機能化を図ることが可能となった。
図10及び図11は請求項1及び請求項3の一実施形態に係る魚釣用リールと制御ボックスの取付構造を示し、本実施形態は、既述した各実施形態の如き丸形リールでなく、左右の側板79,81をフレーム83のフレーム枠体83a,83bに複数本の取付ピン(端部にネジ部を有する棒状の取付ネジ)85で固定する一般的な魚釣用リール(両軸リール)87に本発明を適用したもので、ハンドル89側の側板81とフレーム枠体83bに、取付ピン85のピン挿通孔91,93がフレーム枠体83a方向に形成されると共に、該フレーム枠体83aに取付ピン85のピン挿通孔95が形成され、更に側板79の内周には、取付ピン85の挿入先端部が螺着する螺着部97が設けられている。
【0036】
そして、前記フレーム83と両側板79,81とで構成されるリール本体99の上部前方に、平面視矩形状に形成された制御ボックス51-3が装着されており、両フレーム枠体83a,83bの上部には、夫々、制御ボックス51-3を載置可能な切欠部101,103が形成され、両切欠部101,103によって、制御ボックス51-3がリール本体99の上部前方の側板79,81間(フレーム枠体83a,83b間)に位置決めされている。
【0037】
また、前記制御ボックス51-3の両側面の中央には、フレーム枠体83a,83bに取り付く側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aが係合する突条の係合部105,107が該内周(側板側係合部)79a,81aに沿って突設されており、切欠部101,103に制御ボックス51-3を載置して、取付ピン85,87で側板79,81をフレーム枠体83a,83bに固定すると、図11に示すように係合部105,107と側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aを介して、制御ボックス51-3が側板79,81とフレーム枠体83a,83bとの間に挟持されるようになっている。
【0038】
そして、図11に示すように係合部105,107に係合する側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aにテーパθを設けて、取付ピン85,87による取付けにより、制御ボックス51-3がしっかりとフレーム枠体83a,83bに固定されるようになっている。
本実施形態はこのように構成されているから、制御ボックス51-3をフレーム83に取り付けるには、フレーム枠体83a,83bの切欠部101,103に制御ボックス51-3を載置して、制御ボックス51-3をフレーム枠体83a,83b間に位置決めする。
【0039】
そして、制御ボックス51-3の両側面に突設した係合部105,107を側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aに当接させ乍ら、両側板79,81を取付ピン85でフレーム83に固定すると、図11に示すように係合部105,107と側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aを介して制御ボックス51-3が側板79,81とフレーム枠体83a,83bとの間に挟持される。そして、既述したように、係合部105,107に係合する側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aにはテーパθが設けられているから、取付ピン85,87の締め付けに伴い、制御ボックス51-3がしっかりとフレーム枠体83a,83bに固定されることとなる。
【0040】
従って、本実施形態によっても、フレーム枠体83a,83bへの側板79,81の取付けと同時に、前記係合部105,107と側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aを介して制御ボックス51-3をフレーム83に固定できるため、既述した各実施形態と同様、制御ボックス51-3の取付作業性が著しく向上する等の利点を有する。
図12乃至図17は請求項1,請求項3及び請求項4の一実施形態に係る魚釣用リールを示し、図12中、5a-4,5b-4はフレーム5-4のフレーム枠体で、図1の実施形態と同様、円形状に形成されたフレーム枠体5a-4,5b-4に側面視円形状に形成された側板1-4,3-4がネジ止めされて、魚釣用リール7-4のリール本体9-4が形成されている。
【0041】
そして、フレーム枠体5a-4,5b-4に、制御ボックス51-4を載置可能な切欠部59,61が設けられており、両切欠部59,61によって、制御ボックス51-4がリール本体9-4の上部前方の側板1-4,3-4間(フレーム枠体5a-4,5b-4間)に位置決めされる。
制御ボックス51-4は、既述した制御ボックス51と同一寸法に形成された平面視矩形状の制御ボックスで、図12,図13及び図15に示すようにその両側面63-4,67-4の前後に、夫々、2つの係合部(係合孔)109,111が設けられている。
【0042】
一方、上述したようにフレーム枠体5a-4,5b-4に側板1-4,3-4がネジ止めされているが、図12,図16及び図17に示すように側板1-4,3-4には、リール本体9-4に装着した周知のレベルワインド機構113側に、魚釣用リール7-4を握持保持した手の指が滑って入り込まないように左右から保護したり、或いは制御ボックス51-4を外力から積極的に保護する一対のガードプレート(機能部材)115がネジ止めされている。
【0043】
図16及び図17に示すようにガードプレート115は、側板1-4,3-4からリール本体9-4の上方へ突出する金属製の板材からなり、その外周縁は制御ボックス51-4側からレベルワインド機構113側へと順次幅広な円弧状に形成されている。そして、図14に示すようにガードプレート115は、夫々、側板1-4,3-4にネジ117でネジ止めされて側板1-4,3-4と一体化されている。
【0044】
そして、図12及び図13に示すように左右一対のガードプレート115の側部に、前記係合部(係合孔)109,111に係合(挿入)可能な2本の係合ピン(側板側係合部)119が側板1-4,3-4に亘って垂直に圧入固定されており、前記切欠部59,61に制御ボックス51-4を載置して、該制御ボックス51-4をフレーム枠体5a-4,5b-4に位置決めした後、前記係合ピン(側板側係合部)119を夫々係合部(係合孔)109,111に係合(挿入)させて側板1-4,3-4をフレーム枠体5a-4,5b-4にネジ止めすると、制御ボックス51-4がフレーム枠体5a-4,5b-4に位置決め固定できるようになっている。
【0045】
本実施形態はこのように構成されているから、既述したように制御ボックス51-4をフレーム5-4に取り付けるには、前記切欠部59,61に制御ボックス51-4を載置してフレーム枠体5a-4,5b-4に位置決めした後、前記係合ピン(側板側係合部)119を係合部(係合孔)109,111に係合(挿入)させて側板1-4,3-4をフレーム枠体5a-4,5b-4にネジ止めすれば、図13に示すように係合ピン(側板側係合部)119と係合部(係合孔)109,111を介して制御ボックス51-4が、リール本体9-4の上部前方に位置決め固定されて抜け止め保持されることとなる。
【0046】
このように本実施形態は、フレーム枠体5a-4,5b-4への側板1-4,3-4のネジ止め作業と同時に、係合ピン(側板側係合部)119と係合部(係合孔)109,111を介して制御ボックス51-4をリール本体9-4の上部前方に位置決め固定できるので、本実施形態によっても、一連の組み込み作業の行程で制御ボックス51-4の取付作業を極めて簡単に行える利点を有する。
【0047】
そして、本実施形態にあっても、リール本体9-4を構成するフレーム5-4に装着される側板1-4,3-4を、制御ボックス51-4の取付け固定部として機能部材させることで、フレーム5-4への制御ボックス51-4の取付けに当たり、固定専用ネジやネジ孔が不要となるため、構造の簡素化により部品点数が減少してコストの低減が図れると共に、スペース面での制約がなくなり設計の自由度も向上する。
【0048】
更に、制御ボックス51-4の両側面63-4,67-4に設けた係合部(係合孔)109,111と、ガードプレート115から突出させた係合ピン(側板側係合部)119との係合作用で制御ボックス51-4をフレーム5-4に位置決め固定して保持する構成としたので、制御ボックス51-4を装着する上でリール本体9-4の開口部を極力少なくでき、すっきりした外観が得られると共に、リール本体9-4内部に対する防水性能も向上する利点を有する。
【0049】
また、機能部材たるガードプレート115に制御ボックス51-4の取付け固定機能を付加させて、ガードプレート115の更なる多機能化を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】請求項1乃至請求項3の第一実施形態に係る魚釣用リールの平面図である。
【図2】図1に示す魚釣用リールの側板を取り外した状態の平面図である。
【図3】制御ボックスの全体斜視図である。
【図4】図1のIX−IX線断面図である。
【図5】制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図6】請求項1乃至請求項3の第二実施形態に係る魚釣用リールの要部拡大断面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】請求項1乃至請求項3の第三実施形態に係る魚釣用リールに装着した制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図9】請求項1乃至請求項4の一実施形態に係る魚釣用リールに装着した制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図10】請求項1及び請求項3の一実施形態に係る魚釣用リールの平面図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】請求項1,請求項3及び請求項4の一実施形態に係る魚釣用リールの平面図である。
【図13】制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図14】制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図15】制御ボックスの全体斜視図である。
【図16】魚釣用リールの全体斜視図である。
【図17】魚釣用リールの断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1,1-1,1-2,1-4,3,3-1,3-4,79,81 側板
1a,3a,79a,81a 内周(側板側係合部)
5,5-1,5-2,5-4,83 フレーム
5a,5a-1,5a-2,5a-4,5b,5b-4,83a,83b フレーム枠体
7,7-1,7-2,7-3,7-4,87 魚釣用リール
9,9-1,9-4,99 リール本体
11 ハンドル
13 雄ネジ部
15 雌ネジ部
17 スプール軸
19 スプール
23 収容ボックス
35 クラッチレバー
47 マグネット
49 磁気センサ
51,51-1,51-2,51-3,51-4 制御ボックス
55 表示器
59,59-1,61,101,103 切欠部
65,69,69-1,69-2,73,105,107,109,111 係合部
75 係合片(側板側係合部)
77 ネジリング
77a 端部内周(側板側係合部)
85 取付ピン
91,93,95 ピン挿通孔
97 螺着部
117 ネジ
119 係合ピン(側板側係合部)
【技術分野】
【0001】
本発明は魚釣用リールに係り、詳しくはスプールの回転(回転数と回転方向)から釣糸の繰出し量や巻取り量(糸長)を計測表示する糸長計測装置を備えた魚釣用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
釣果の向上を図るため、近年、多くの魚釣用リールには、糸長を計測表示する糸長計測装置が備えられている。
この糸長計測装置は、リール本体に回転自在に支持したスプールの回転数と回転方向を検出する回転検出装置と、この回転検出装置の検出値を基に糸長を演算計測して、糸長計測値を表示器に表示させるマイクロコンピュータ等の電装部品(電子制御装置)とで構成されており、リール本体の側板(外装部材)間の上部に装着した制御ボックスに電装部品が内装され、糸長計測値を釣人が視認可能に表示器が制御ボックスに設けられている。
【0003】
而して、従来、制御ボックスの取付構造として、特許文献1には回転検出装置や表示器,マイクロコンピュータ,電源等の電装部品を防水性を有するL字状の制御ボックスに収容し、該制御ボックスの水平部をリール本体の上部(左右の側板の上部に設けた切欠部)に着脱自在に嵌着すると共に、垂直部を側板内に収容し、該垂直部の電源収容部を側板に設けた透孔に係合させて、制御ボックスをフレームと側板との間で挟着固定した制御ボックスの取付構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、電装部品を収容する制御ボックスの左右両側部に取付片を下方へ延設し、該取付片を介して制御ボックスをリール本体のフレームの上部側面にネジ止めした制御ボックスの取付構造が開示されている。
【特許文献1】実開昭60−121758号公報
【特許文献2】実開平4−48974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし乍ら、特許文献1の従来例にあっては、左右の側板の上部に制御ボックスの水平部を嵌合させる切欠部を設け、また、制御ボックスの垂直部の電源収容部を係合させる透孔を側板に設ける構造上、リール本体の内部に水が浸入し易く、十分な防水性能が得られ難い課題が残されていた。
一方、特許文献2の従来例の如く制御ボックスの左右両側部に取付片を設けてこれをフレームにネジ止めする取付構造にあっては、製造,組立,メンテナンスの点で作業性が悪く、また、部品点数が多くなってしまう欠点が指摘されていた。
【0006】
また、フレームにネジ締め付け用のスペースが必要であると共に、フレームにネジ孔を設けることで強度が低下してしまう不具合もあった。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、上述の如き従来の不具合を解決して、制御ボックスの取付作業性,取付構造の簡素化等を図った魚釣用リールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、フレームと、該フレームの側部に装着される外装部材とで構成されるリール本体にスプールを回転自在に支持すると共に、該リール本体の上部に、糸長計測装置の糸長計測値を表示する表示器を有する制御ボックスを取り付けた魚釣用リールに於て、前記制御ボックスの側部に係合部を形成し、前記フレームに装着される外装部材により、該係合部を介して制御ボックスをフレームに固定したことを特徴とする。
【0008】
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の魚釣用リールに於て、前記フレームの側部外周にネジ部を形成すると共に、前記外装部材を、該フレームのネジ部に螺合するネジ部を内周に設けた環状体としたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の魚釣用リールに於て、前記外装部材は前記フレームに取り付く側板で、該側板に、前記制御ボックスの係合部に係合する側板側係合部が形成されていることを特徴とし、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の魚釣用リールに於て、前記側板に機能部材が取り付き、該機能部材の側部に、前記制御ボックスの係合部に係合する側板側係合部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
各請求項に係る発明によれば、糸長計測装置の糸長計測値を表示する表示器を有する制御ボックスを、フレームの側部に取り付く外装部材によって位置決め固定する構造としたので、
[1] 例えば、外装部材が側板である場合、リール本体を構成するフレームに装着される側板を、制御ボックス1の取付け固定部として機能部材させることで、フレームへの制御ボックスの取付けに当たり、固定専用ネジやネジ孔が不要となるため、構造の簡素化により部品点数が減少してコストの低減が図れると共に、スペース面での制約がなくなり設計の自由度も向上する。
【0010】
[2] フレームに装着される外装部材の取付作業と同時に制御ボックスをフレームに固定できるため、作業性が著しく向上する。
[3] 制御ボックスの側面に形成した係合部と、フレームに装着される外装部材との係合作用で制御ボックスをフレームに固定保持する構成としたので、制御ボックスを装着する上での開口部を極力少なくでき、すっきりした外観が得られると共に、リール本体内部に対する防水性能も向上する利点を有する。
【0011】
そして、請求項2に係る発明によれば、フレームに環状体である外装部材を回転操作してフレームに螺着する作業と同時に制御ボックスをフレームに位置決め固定できるので、一連の組み込み作業の行程で、制御ボックスの取付作業を極めて簡単に行える利点を有する。
更に、請求項4に係る発明によれば、側板に一体的に装着される機能部材に、更に制御ボックスの取付け固定機能を付加させて多機能化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図5は請求項1乃至請求項3に係る魚釣用リールの第一実施形態を示し、図1に於て、1,3はフレーム5の左右のフレーム枠体5a,5bに取り付く側板(外装部材)で、両側板1,3とフレーム5とによって魚釣用リール7のリール本体9が構成されている。
【0013】
図4に示すように側板1,3とフレーム枠体5a,5bは何れも側面視円形状に形成され、図2に示すように後述するハンドル11と反対側のフレーム枠体5aには、その外周に沿って雄ネジ部13が形成されている。そして、該フレーム枠体5aに取り付く側板1の端部の周縁部内周に、雄ネジ部13に螺合する雌ネジ部15が形成されており、側板1は雄ネジ部13を雌ネジ部15に螺着してフレーム5(フレーム枠体5a)に固定されるようになっている。
【0014】
尚、他方の側板3は、従来と同様、ネジを用いたフレーム5(フレーム枠体5b)への取付構造となっている。
そして、両側板1,3間に、スプール軸17を介してスプール19が回転自在に支持されており、スプール軸17の一端側は、フレーム枠体5aに装着した軸受21によって支持されている。そして、軸受21は、フレーム枠体5aの外側面にネジ止めされた収容ボックス23により水密性を以って被覆されている。
【0015】
一方、スプール軸17の他端側は側板3外に突出し、ブレーキ調節ツマミ25が取り付く支持部材27内に装着した軸受29によって支持されている。そして、スプール軸17には、該スプール軸17に設けたクラッチ部31に係脱可能なピニオンギヤ33が相対回転可能且つその軸方向へスライド可能に取り付けられており、スプール19後方の側板1,3間に設けたクラッチレバー35を下方向へ押圧操作すると、クラッチ部31とピニオンギヤ33とのクラッチ係合がクラッチプレート37で解除(クラッチOFF)されて、スプール19が巻取り可能状態からスプールフリー状態に切り換わるようになっている。
【0016】
また、図1中、11は釣糸巻取り用のハンドルで、そのハンドル軸39には前記ピニオンギヤ33に噛合するドライブギヤ41が相対回転可能に取り付けられており、ハンドル11の回転操作による巻取り力が、ドライブギヤ41とピニオンギヤ33を介してスプール軸17からスプール19に伝達されるようになっている。
そして、既述したスプールフリー状態でハンドル11を巻取り方向へ回転させると、図示しない周知の復帰機構により前記ピニオンギヤ33がクラッチ部31にクラッチ係合(クラッチON)して、スプール19が巻取り可能状態に復帰するように構成されており、このクラッチレバー35とハンドル11のクラッチON/OFFの切換え操作で、スプール19が巻取り可能状態とスプールフリー状態とに切り換わって、スプール19へのハンドル11の巻取り駆動力が伝達/遮断されるようになっている。
【0017】
そして、ドライブギヤ41とハンドル軸39は従来周知のドラグ装置43によって摩擦結合されており、ドラグ力の調節はハンドル軸39に回転可能に装着したドラグノブ45で行うようになっている。
また、図4に示すように反ハンドル側のスプール19の端部にマグネット47が固着されると共に、該マグネット47の回転軌跡に対向してフレーム枠体5aにホール素子やリードスイッチ等からなる磁気センサ49が装着されており、これらはスプール19の回転数とその回転方向を検出する回転検出手段を構成する。
【0018】
そして、磁気センサ49は、リール本体9の上部前方に取り付く制御ボックス51内のマイクロコンピュータに接続されており、マイクロコンピュータのCPUは、特開平5−103567号公報で開示された糸長計測装置と同様、磁気センサ49から出力されるスプール19の正転,逆転の判定信号を取り込んで釣糸の繰出しか巻取りかを判定すると共に、磁気センサ49から取り込むスプール19の回転パルス信号をカウントして、この計数値を基にマイクロコンピュータのROMに記憶された糸長計算式を演算実行するようになっている。そして、CPUは、その演算結果(糸長計測値)を制御ボックス51の操作パネル53上に装着した表示器55に表示するように構成されているが、本実施形態は、該制御ボックス51の取付構造に改良を加えたことを特徴とする。
【0019】
図3は制御ボックス51の全体斜視図を示し、制御ボックス51は平面視矩形状に形成され、既述したフレーム枠体5a,5b間に架設可能な寸法に設定されている。そして、制御ボックス51の上部にモードスイッチ57を備えた操作パネル53が形成され、該操作パネル53に表示器55が装着されると共に、内部にマイクロコンピュータや表示器55の液晶基板等が水密性を以って収容されている。
【0020】
一方、図2,図4及び図5に示すようにフレーム枠体5a,5bには、夫々、制御ボックス51を載置可能な切欠部59,61が設けられており、両切欠部59,61によって、制御ボックス51がリール本体9の上部前方の側板1,3間(フレーム枠体5a,5b間)に位置決めされる。
そして、図1及び図3に示すように制御ボックス51のハンドル側の側面63の後方には、前記側板3の内周(側板側係合部)3aに沿って円弧状の突条からなる係合部65が突設されており、該側板3をフレーム枠体5bにネジ止めすると、図5に示すように側板3の内周(側板側係合部)3aが係合部65に係合(当接)して、制御ボックス51が該係合部65を介して側板3とフレーム枠体5bとの間に挟持されるようになっている。
【0021】
また、図1,図3及び図4に示すように制御ボックス51の反ハンドル側の側面67の後方には、前記側板1をフレーム枠体5aに螺着する際に、該側板1の内周(側板側係合部)1aが係合する円弧状の突条からなる係合部69が側板1の内周(側板側係合部)1aに沿って円弧状に突設されており、側板1をフレーム枠体5aに螺着すると、側板1の内周(側板側係合部)1aが係合部69に係合(当接)して、制御ボックス51が該係合部69を介して側板1とフレーム枠体5aとの間に挟持されるようになっている。
【0022】
このように、側板3の内周(側板側係合部)3aが係合部65に係合して制御ボックス51が側板3とフレーム枠体5bとの間に挟持されると共に、側板1の内周(側板側係合部)1aが係合部69に係合して制御ボックス51が側板1とフレーム枠体5aとの間に挟持されて、制御ボックス51がリール本体9の上部前方に抜け止め保持されている。
その他、図4に於て、71は収容ボックス23内に収容された磁気センサ49や電池(図示せず)と制御ボックス51内のマイクロコンピュータ等との間に配線された複数本のリード線である。
【0023】
本実施形態はこのように構成されているから、制御ボックス51をフレーム5に取り付けるには、先ず、フレーム枠体5a,5bの切欠部59,61に制御ボックス51を載置して、制御ボックス51をフレーム枠体5a,5b間に位置決めする。
そして、側板3の内周(側板側係合部)3aを制御ボックス51の側面63に突設した係合部65に係合させ乍ら、該側板3をフレーム枠体5bにネジ止めすれば、図5に示すように係合部65と側板3の内周(側板側係合部)3aを介して制御ボックス51の側面63側が側板3とフレーム枠体5bとの間に挟持される。
【0024】
次いで、前記雄ネジ部13と雌ネジ部15を介して側板1をフレーム枠体5aに螺着すると、図4に示すように側板1の内周(側板側係合部)1aが係合部69に係合して、制御ボックス51の側面67側が、該係合部69と側板1の内周(側板側係合部)1aを介して側板1とフレーム枠体5aとの間に挟持され、制御ボックス51がリール本体9の上部前方に抜け止め保持されることとなる。
【0025】
このように本実施形態は、フレーム枠体5aに取り付く側板1を該フレーム枠体5aに螺着可能に構成して、フレーム枠体5aに環状体である側板1を回転操作して螺着する作業と同時に、前記係合部69と側板1の内周(側板側係合部)1aを介して制御ボックス51をフレーム枠体5aに固定できるので、一連の組み込み作業の行程で制御ボックス51の取付作業を極めて簡単に行える利点を有する。
【0026】
而も、リール本体9を構成するフレーム5に装着される側板1,3を、制御ボックス51の取付け固定部として機能部材させることで、フレーム枠体5aへの制御ボックス51の取付けに当たり、固定専用ネジやネジ孔が不要となるため、構造の簡素化により部品点数が減少してコストの低減が図れると共に、スペース面での制約がなくなり設計の自由度も向上する。
【0027】
更に、制御ボックス51の側面67に突設した係合部69と、フレーム枠体5aに螺着される側板1の内周(側板側係合部)1aとの係合作用で制御ボックス51をフレーム枠体5aに固定保持する構成としたので、制御ボックス51を装着する上でリール本体9の開口部を極力少なくでき、すっきりした外観が得られると共に、リール本体9内部に対する防水性能も向上する利点を有する。
【0028】
尚、前記実施形態は、制御ボックス51をリール本体9の上部前方に取り付けたが、制御ボックスの取付位置は前記実施形態に限定されるものではない。
即ち、図6及び図7は請求項1乃至請求項3に係る魚釣用リールの第二実施形態を示し、図中、5a-1は前記フレーム枠体5aと同様、フレーム5-1の反ハンドル側のフレーム枠体で、円形状に形成されたその外周には、側板1の雌ネジ部15が螺着可能な雄ネジ部13が形成されている。
【0029】
また、図中、51-1は前記制御ボックス51と同一寸法に形成された平面視矩形状の制御ボックスで、側板1側の側面67-1の中央には、フレーム枠体5a-1への側板1の螺着時に、該側板1の内周(側板側係合部)1aが係合する円弧状の係合部69-1が突設されている。
そして、フレーム枠体5a-1,5bの上部中央には、制御ボックス51-1を載置可能な切欠部59-1,61が設けられており、両切欠部59-1,61によって、制御ボックス51-1がリール本体9-1の上部中央の側板1,3間(フレーム枠体5a-1,5b間)に位置決めされるようになっている。そして、斯様に切欠部59-1,61に制御ボックス51-1を位置決めして側板1をフレーム枠体5a-1に螺着すると、前記実施形態と同様、係合部69-1が側板1の内周(側板側係合部)1aに当接して、制御ボックス51-1が該係合部69-1と側板1の内周(側板側係合部)1aを介して側板1とフレーム枠体5a-1との間に挟持されるようになっている。
【0030】
尚、その他の構成は図1の実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
このように制御ボックス51-1の取付位置をリール本体9-1の上部中央とした本実施形態の魚釣用リール7-1も、フレーム枠体5a-1に取り付く側板1を該フレーム枠体5a-1に螺着可能に構成すると共に、フレーム枠体5a-1への側板1の取付けと同時に、前記係合部69-1と側板1の内周(側板側係合部)1aを介して制御ボックス51-1をフレーム枠体5a-1に固定できるように構成したので、図1の第一実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、制御ボックス51-1の取付作業性が著しく向上する等の利点を有する。
【0031】
図8は請求項1乃至請求項3に係る魚釣用リールの第三実施形態を示し、本実施形態は、図6及び図7の構成を一部変形したもので、図中、51-2は前記制御ボックス51-1と同一寸法に形成された平面視矩形状の制御ボックスで、そのハンドル側の側面63-1の中央に、正面視円弧状の係合部(係止凹部)73が設けられている。
また、図中、3-1はフレーム5-2のフレーム枠体5bにネジ止めされる側板で、該側板3-1には、これをフレーム枠体5bにネジ止めする際に、前記係合部(係止凹部)73に係合可能な係合片(側板側係合部)75が突設されており、側板3-1をフレーム枠体5bにネジ止めすると、係合部(係止凹部)73に係合した係合片(側板側係合部)75を介して、制御ボックス51-2のハンドル側が側板3-1とフレーム枠体5bとの間に取り付くようになっている。
【0032】
一方、制御ボックス51-2の反ハンドル側の側面67-2の中央には、前記係合部69-1より短寸に突出する円弧状の係合部69-2が設けられている。
そして、本実施形態に於ても、円形状に形成されたフレーム枠体5a-2の外周に雄ネジ部13が形成されると共に、該フレーム枠体5a-2に取り付く側面視円形状に形成された側板1-1側の周縁部内周に、雄ネジ部13に螺合する雌ネジ部15が形成されているが、図示するように雌ネジ部15は、側板1-1の端部からやや内方に設けられている。そして、側板1-1をフレーム枠体5a-2に螺着すると、雌ネジ部15が形成されていない側板1-1の端部内周(側板側係合部)1a-1が前記係合部69-2に係合(当接)して、制御ボックス51-2の反ハンドル側が、該係合部69-2と側板1-1の端部内周(側板側係合部)1a-1を介してフレーム枠体5a-2と側板1-1との間に挟持されるようになっている。
【0033】
尚、本実施形態に於ても、その他の構成は図1の実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
このように、本実施形態に係る魚釣用リール7-2も、フレーム枠体5a-2に取り付く側板1-1を該フレーム枠体5a-2に螺着可能に構成すると共に、フレーム枠体5a-2への側板1-1の取付けと同時に、前記係合部69-2と側板1-1の端部内周(側板側係合部)1a-1を介して制御ボックス51-2をフレーム枠体5a-2に固定できるようにしたので、既述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、制御ボックス51-2の取付作業性が著しく向上する等の利点を有する。
【0034】
図9は請求項1乃至請求項4に係る魚釣用リールの一実施形態を示し、本実施形態は、図8の側板1-1に代え、フレーム枠体5a-2の雄ネジ部13に螺着可能なネジリング(機能部材)77を用いて、側面視円形状の側板1-2をフレーム枠体5a-2に取り付け可能とした魚釣用リール7-3に本発明を適用し、ネジリング77をフレーム枠体5a-2に螺着すると、雌ネジ部15が形成されていないその端部内周(側板側係合部)77aが係合部69-2に係合(当接)して、制御ボックス51-2の反ハンドル側が、該係合部69-2とネジリング77の端部内周(側板側係合部)77aを介してフレーム枠体5a-2とネジリング77との間に挟持されるように構成したものである。
【0035】
そして、その他の構成は図1の実施形態と同様で、本実施形態によっても、既述した各実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
また、機能部材たるネジリング77に制御ボックス51-2の取付け固定機能を付加させて、ネジリング77の多機能化を図ることが可能となった。
図10及び図11は請求項1及び請求項3の一実施形態に係る魚釣用リールと制御ボックスの取付構造を示し、本実施形態は、既述した各実施形態の如き丸形リールでなく、左右の側板79,81をフレーム83のフレーム枠体83a,83bに複数本の取付ピン(端部にネジ部を有する棒状の取付ネジ)85で固定する一般的な魚釣用リール(両軸リール)87に本発明を適用したもので、ハンドル89側の側板81とフレーム枠体83bに、取付ピン85のピン挿通孔91,93がフレーム枠体83a方向に形成されると共に、該フレーム枠体83aに取付ピン85のピン挿通孔95が形成され、更に側板79の内周には、取付ピン85の挿入先端部が螺着する螺着部97が設けられている。
【0036】
そして、前記フレーム83と両側板79,81とで構成されるリール本体99の上部前方に、平面視矩形状に形成された制御ボックス51-3が装着されており、両フレーム枠体83a,83bの上部には、夫々、制御ボックス51-3を載置可能な切欠部101,103が形成され、両切欠部101,103によって、制御ボックス51-3がリール本体99の上部前方の側板79,81間(フレーム枠体83a,83b間)に位置決めされている。
【0037】
また、前記制御ボックス51-3の両側面の中央には、フレーム枠体83a,83bに取り付く側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aが係合する突条の係合部105,107が該内周(側板側係合部)79a,81aに沿って突設されており、切欠部101,103に制御ボックス51-3を載置して、取付ピン85,87で側板79,81をフレーム枠体83a,83bに固定すると、図11に示すように係合部105,107と側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aを介して、制御ボックス51-3が側板79,81とフレーム枠体83a,83bとの間に挟持されるようになっている。
【0038】
そして、図11に示すように係合部105,107に係合する側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aにテーパθを設けて、取付ピン85,87による取付けにより、制御ボックス51-3がしっかりとフレーム枠体83a,83bに固定されるようになっている。
本実施形態はこのように構成されているから、制御ボックス51-3をフレーム83に取り付けるには、フレーム枠体83a,83bの切欠部101,103に制御ボックス51-3を載置して、制御ボックス51-3をフレーム枠体83a,83b間に位置決めする。
【0039】
そして、制御ボックス51-3の両側面に突設した係合部105,107を側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aに当接させ乍ら、両側板79,81を取付ピン85でフレーム83に固定すると、図11に示すように係合部105,107と側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aを介して制御ボックス51-3が側板79,81とフレーム枠体83a,83bとの間に挟持される。そして、既述したように、係合部105,107に係合する側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aにはテーパθが設けられているから、取付ピン85,87の締め付けに伴い、制御ボックス51-3がしっかりとフレーム枠体83a,83bに固定されることとなる。
【0040】
従って、本実施形態によっても、フレーム枠体83a,83bへの側板79,81の取付けと同時に、前記係合部105,107と側板79,81の内周(側板側係合部)79a,81aを介して制御ボックス51-3をフレーム83に固定できるため、既述した各実施形態と同様、制御ボックス51-3の取付作業性が著しく向上する等の利点を有する。
図12乃至図17は請求項1,請求項3及び請求項4の一実施形態に係る魚釣用リールを示し、図12中、5a-4,5b-4はフレーム5-4のフレーム枠体で、図1の実施形態と同様、円形状に形成されたフレーム枠体5a-4,5b-4に側面視円形状に形成された側板1-4,3-4がネジ止めされて、魚釣用リール7-4のリール本体9-4が形成されている。
【0041】
そして、フレーム枠体5a-4,5b-4に、制御ボックス51-4を載置可能な切欠部59,61が設けられており、両切欠部59,61によって、制御ボックス51-4がリール本体9-4の上部前方の側板1-4,3-4間(フレーム枠体5a-4,5b-4間)に位置決めされる。
制御ボックス51-4は、既述した制御ボックス51と同一寸法に形成された平面視矩形状の制御ボックスで、図12,図13及び図15に示すようにその両側面63-4,67-4の前後に、夫々、2つの係合部(係合孔)109,111が設けられている。
【0042】
一方、上述したようにフレーム枠体5a-4,5b-4に側板1-4,3-4がネジ止めされているが、図12,図16及び図17に示すように側板1-4,3-4には、リール本体9-4に装着した周知のレベルワインド機構113側に、魚釣用リール7-4を握持保持した手の指が滑って入り込まないように左右から保護したり、或いは制御ボックス51-4を外力から積極的に保護する一対のガードプレート(機能部材)115がネジ止めされている。
【0043】
図16及び図17に示すようにガードプレート115は、側板1-4,3-4からリール本体9-4の上方へ突出する金属製の板材からなり、その外周縁は制御ボックス51-4側からレベルワインド機構113側へと順次幅広な円弧状に形成されている。そして、図14に示すようにガードプレート115は、夫々、側板1-4,3-4にネジ117でネジ止めされて側板1-4,3-4と一体化されている。
【0044】
そして、図12及び図13に示すように左右一対のガードプレート115の側部に、前記係合部(係合孔)109,111に係合(挿入)可能な2本の係合ピン(側板側係合部)119が側板1-4,3-4に亘って垂直に圧入固定されており、前記切欠部59,61に制御ボックス51-4を載置して、該制御ボックス51-4をフレーム枠体5a-4,5b-4に位置決めした後、前記係合ピン(側板側係合部)119を夫々係合部(係合孔)109,111に係合(挿入)させて側板1-4,3-4をフレーム枠体5a-4,5b-4にネジ止めすると、制御ボックス51-4がフレーム枠体5a-4,5b-4に位置決め固定できるようになっている。
【0045】
本実施形態はこのように構成されているから、既述したように制御ボックス51-4をフレーム5-4に取り付けるには、前記切欠部59,61に制御ボックス51-4を載置してフレーム枠体5a-4,5b-4に位置決めした後、前記係合ピン(側板側係合部)119を係合部(係合孔)109,111に係合(挿入)させて側板1-4,3-4をフレーム枠体5a-4,5b-4にネジ止めすれば、図13に示すように係合ピン(側板側係合部)119と係合部(係合孔)109,111を介して制御ボックス51-4が、リール本体9-4の上部前方に位置決め固定されて抜け止め保持されることとなる。
【0046】
このように本実施形態は、フレーム枠体5a-4,5b-4への側板1-4,3-4のネジ止め作業と同時に、係合ピン(側板側係合部)119と係合部(係合孔)109,111を介して制御ボックス51-4をリール本体9-4の上部前方に位置決め固定できるので、本実施形態によっても、一連の組み込み作業の行程で制御ボックス51-4の取付作業を極めて簡単に行える利点を有する。
【0047】
そして、本実施形態にあっても、リール本体9-4を構成するフレーム5-4に装着される側板1-4,3-4を、制御ボックス51-4の取付け固定部として機能部材させることで、フレーム5-4への制御ボックス51-4の取付けに当たり、固定専用ネジやネジ孔が不要となるため、構造の簡素化により部品点数が減少してコストの低減が図れると共に、スペース面での制約がなくなり設計の自由度も向上する。
【0048】
更に、制御ボックス51-4の両側面63-4,67-4に設けた係合部(係合孔)109,111と、ガードプレート115から突出させた係合ピン(側板側係合部)119との係合作用で制御ボックス51-4をフレーム5-4に位置決め固定して保持する構成としたので、制御ボックス51-4を装着する上でリール本体9-4の開口部を極力少なくでき、すっきりした外観が得られると共に、リール本体9-4内部に対する防水性能も向上する利点を有する。
【0049】
また、機能部材たるガードプレート115に制御ボックス51-4の取付け固定機能を付加させて、ガードプレート115の更なる多機能化を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】請求項1乃至請求項3の第一実施形態に係る魚釣用リールの平面図である。
【図2】図1に示す魚釣用リールの側板を取り外した状態の平面図である。
【図3】制御ボックスの全体斜視図である。
【図4】図1のIX−IX線断面図である。
【図5】制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図6】請求項1乃至請求項3の第二実施形態に係る魚釣用リールの要部拡大断面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】請求項1乃至請求項3の第三実施形態に係る魚釣用リールに装着した制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図9】請求項1乃至請求項4の一実施形態に係る魚釣用リールに装着した制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図10】請求項1及び請求項3の一実施形態に係る魚釣用リールの平面図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】請求項1,請求項3及び請求項4の一実施形態に係る魚釣用リールの平面図である。
【図13】制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図14】制御ボックスの要部切欠き正面図である。
【図15】制御ボックスの全体斜視図である。
【図16】魚釣用リールの全体斜視図である。
【図17】魚釣用リールの断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1,1-1,1-2,1-4,3,3-1,3-4,79,81 側板
1a,3a,79a,81a 内周(側板側係合部)
5,5-1,5-2,5-4,83 フレーム
5a,5a-1,5a-2,5a-4,5b,5b-4,83a,83b フレーム枠体
7,7-1,7-2,7-3,7-4,87 魚釣用リール
9,9-1,9-4,99 リール本体
11 ハンドル
13 雄ネジ部
15 雌ネジ部
17 スプール軸
19 スプール
23 収容ボックス
35 クラッチレバー
47 マグネット
49 磁気センサ
51,51-1,51-2,51-3,51-4 制御ボックス
55 表示器
59,59-1,61,101,103 切欠部
65,69,69-1,69-2,73,105,107,109,111 係合部
75 係合片(側板側係合部)
77 ネジリング
77a 端部内周(側板側係合部)
85 取付ピン
91,93,95 ピン挿通孔
97 螺着部
117 ネジ
119 係合ピン(側板側係合部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、該フレームの側部に装着される外装部材とで構成されるリール本体にスプールを回転自在に支持すると共に、該リール本体の上部に、糸長計測装置の糸長計測値を表示する表示器を有する制御ボックスを取り付けた魚釣用リールに於て、
前記制御ボックスの側部に係合部を形成し、前記フレームに装着される外装部材により、該係合部を介して制御ボックスをフレームに固定したことを特徴とする魚釣用リール。
【請求項2】
前記フレームの側部外周にネジ部を形成すると共に、前記外装部材を、該フレームのネジ部に螺合するネジ部を内周に設けた環状体としたことを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項3】
前記外装部材は前記フレームに取り付く側板で、該側板に、前記制御ボックスの係合部に係合する側板側係合部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用リール。
【請求項4】
前記側板に機能部材が取り付き、該機能部材の側部に、前記制御ボックスの係合部に係合する側板側係合部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用リール。
【請求項1】
フレームと、該フレームの側部に装着される外装部材とで構成されるリール本体にスプールを回転自在に支持すると共に、該リール本体の上部に、糸長計測装置の糸長計測値を表示する表示器を有する制御ボックスを取り付けた魚釣用リールに於て、
前記制御ボックスの側部に係合部を形成し、前記フレームに装着される外装部材により、該係合部を介して制御ボックスをフレームに固定したことを特徴とする魚釣用リール。
【請求項2】
前記フレームの側部外周にネジ部を形成すると共に、前記外装部材を、該フレームのネジ部に螺合するネジ部を内周に設けた環状体としたことを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項3】
前記外装部材は前記フレームに取り付く側板で、該側板に、前記制御ボックスの係合部に係合する側板側係合部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用リール。
【請求項4】
前記側板に機能部材が取り付き、該機能部材の側部に、前記制御ボックスの係合部に係合する側板側係合部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用リール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−267729(P2007−267729A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332868(P2006−332868)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000002495)ダイワ精工株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000002495)ダイワ精工株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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