鳥かご
【課題】 戸が開閉するときに戸が通過する空間を従来より小さくすることができる鳥かごを提供する。
【解決手段】 鳥かご10は、鳥の飼育空間10aの境界を形成する戸30を備え、戸30は、枠31と、枠31の内部の最も上側に配置された板32Aと、枠31の内部の最も下側に配置されて飼育空間10aの内部と外部とを仕切る仕切り板である板32Bと、板32A及び板32Bの間に配置されて飼育空間10aの内部と外部とを仕切る仕切り板である4枚の板32Cと、板32B、32Cを上下に並べて吊るす太めの麻糸である2本の吊り紐33A、33Bとを有している。
【解決手段】 鳥かご10は、鳥の飼育空間10aの境界を形成する戸30を備え、戸30は、枠31と、枠31の内部の最も上側に配置された板32Aと、枠31の内部の最も下側に配置されて飼育空間10aの内部と外部とを仕切る仕切り板である板32Bと、板32A及び板32Bの間に配置されて飼育空間10aの内部と外部とを仕切る仕切り板である4枚の板32Cと、板32B、32Cを上下に並べて吊るす太めの麻糸である2本の吊り紐33A、33Bとを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥を飼育するための鳥かごに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の鳥かごとして、開き戸を備えたもの(例えば、特許文献1参照。)や、スライド戸を備えたもの(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【特許文献1】特開平11−285757号公報
【特許文献2】実開平6−61062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の鳥かごにおいては、戸が閉じているときに戸が存在する空間(以下「閉時存在空間」という。)の外に、戸が開閉するときに戸が通過する空間(以下「開閉時通過空間」という。)が大きく必要であるという問題がある。
【0004】
図16に示すように、開き戸91を備えた鳥かごにおいては、開き戸91の閉時存在空間の外に開き戸91の開閉時通過空間91aが大きく必要であるので、開き戸91が鳥かごの飼育空間の外側に開く場合には、鳥かごの周囲の物が開き戸91の開閉時通過空間91aに存在しないように鳥かごを十分に広い場所に設置しなければならない。一方、開き戸91が鳥かごの飼育空間の内側に開く場合には、飼育空間の内部の餌入れ容器や水入れ容器などの物が開き戸91の開閉時通過空間91aに存在しないようにしなければならず、飼育空間という狭い空間でのレイアウトが非常に難しい。
【0005】
図17に示すように、スライド戸92を備えた鳥かごにおいては、スライド戸92の閉時存在空間の外にスライド戸92の開閉時通過空間92aが大きく必要であるので、止まり木などの物がスライド戸92の開閉時通過空間92aに存在しないようにしなければならず、飼育空間という狭い空間でのレイアウトが非常に難しい。
【0006】
そこで、本発明は、戸の開閉時通過空間を従来より小さくすることができる鳥かごを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鳥かごは、鳥の飼育空間の境界を形成する戸を備え、前記戸は、前記飼育空間の内部と外部とを仕切る複数枚の仕切り板と、前記複数枚の仕切り板を上下に並べて吊るす吊り紐とを有することが好ましい。
【0008】
この構成により、本発明の鳥かごは、戸が開かれるときに戸自体が折りたたまれるので、戸の開閉時通過空間を従来より小さくすることができる。
【0009】
また、本発明の鳥かごの前記仕切り板は、前記吊り紐が交差している部分で前記吊り紐に支えられていることが好ましい。
【0010】
この構成により、本発明の鳥かごは、仕切り板を支えるための紐を吊り紐とは別に設ける必要がなく、簡単な構成で仕切り板を支えることができる。
【0011】
また、本発明の鳥かごの前記仕切り板は、下側が前記吊り紐より前記飼育空間側に存在することが好ましい。
【0012】
この構成により、本発明の鳥かごは、吊り紐が仕切り板に隠されて飼育空間の内側に露出し難いので、飼育空間の内部の鳥によって吊り紐が引っ張られて仕切り板が引き上げられたりすることや、飼育空間の内部の鳥によって吊り紐が切断されたりすることを防止することができる。
【0013】
また、本発明の鳥かごの前記仕切り板は、使用者の指を掛ける指掛け部を有することが好ましい。
【0014】
この構成により、本発明の鳥かごは、使用者が戸を開く動作を容易化することができる。
【0015】
また、本発明の鳥かごは、使用者に引かれるための引き紐を有し、前記引き紐は、一端が前記仕切り板に固定されていることが好ましい。
【0016】
この構成により、本発明の鳥かごは、使用者が戸を開く動作を容易化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、戸の開閉時通過空間を従来より小さくすることができる鳥かごを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態に係る鳥かごの構成について説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る鳥かご10の正面左側からの外観斜視図である。図2は、鳥かご10の底面図である。図3は、鳥かご10の側面断面図である。
【0021】
図1〜図3に示すように、鳥かご10は、L字状の脚部21と、脚部21によって支持されて鳥の飼育空間10aの境界である底面を形成する全体が傾斜した床部22と、飼育空間10aの境界である前後左右の面を形成する壁部のうち鳥かご10の背面側の壁部を形成する背面壁部23と、飼育空間10aの境界である上面を形成する天井部24と、鳥かご10の左側面の一部に配置された戸30と、飼育空間10aの境界である左側面側の壁部、正面側の壁部及び右側面側の壁部を形成する弾性を有するワイヤである弾性ワイヤ40と、飼育空間10aで発生して床部22の傾斜を伝わって落ちるゴミを受ける位置に配置されたゴミ受け部51と、脚部21、床部22及び天井部24の位置関係を保持するための円筒形の木製の支柱60と、脚部21の底面の四隅にのり付けされた滑り止め用の薄型の透明なゴムパッド70とを有している。
【0022】
なお、鳥かご10は、主に、文鳥や十姉妹などの三角嘴のフィンチ類を飼育するためのものである。また、飼育空間10aで発生するゴミとしては、例えば、鳥の糞や羽根、籾殻などがある。
【0023】
図4は、脚部21、床部22、背面壁部23及び天井部24の基になる金属の平板20の平面図である。図4に示すように、脚部21、床部22、背面壁部23及び天井部24は、アルミニウムなどの金属の平板20を折り曲げて形成されている。
【0024】
図1〜図3に示すように、脚部21は、ゴミ受け部51を固定するネジ81のネジ部を通すための2つのネジ用孔21a(図4参照。)と、支柱60を固定するネジ82のネジ部を通すためのネジ用孔21bとが形成されている。床部22は、弾性ワイヤ40を通すためのワイヤ用孔22aが左側面側、正面側及び右側面側の端の近傍に多数並んで形成されて弾性ワイヤ40を固定する固定部材を構成しているとともに、支柱60を通すための穴22bが形成されている。床部22の傾斜は、自然にゴミが落ちるように30°〜40°が好ましい。天井部24は、弾性ワイヤ40を通すためのワイヤ用孔24aが左側面側、正面側及び右側面側の端の近傍に多数並んで形成されて弾性ワイヤ40を固定する固定部材を構成しているとともに、使用者によって鳥かご10が持ち上げられるときに使用者の指が挿入されるための4つの持ち手穴24bと、支柱60を固定するネジ82のネジ部を通すためのネジ用孔24cとが形成されている。
【0025】
図5は、戸30の正面図である。図6は、戸30の背面図である。図7は、戸30の側面断面図である。図8は、吊り紐33Bを取り除いた状態での戸30の正面図である。図9は、吊り紐33Bを取り除いた状態での戸30の背面図である。
【0026】
図5〜図9に示すように、戸30は、枠31と、枠31の内部の最も上側に配置された板32Aと、枠31の内部の最も下側に配置されて飼育空間10aの内部と外部とを仕切る仕切り板である板32Bと、板32A及び板32Bの間に配置されて飼育空間10aの内部と外部とを仕切る仕切り板である4枚の板32Cと、板32B、32Cを上下に並べて吊るす太めの麻糸である2本の吊り紐33A、33Bとを有しており、飼育空間10aの境界を形成している。枠31は、板32B、32Cの水平方向の移動を規制して、板32B、32Cを鉛直方向にのみ移動可能にガイドしている。上面側及び底面側の枠31には、弾性ワイヤ40を通すためのワイヤ用孔31a(図1参照。)が多数並んで形成されている。板32B、32Cは、下側が吊り紐33A、33Bより飼育空間10a側に存在している。板32Aは、ネジ34によって枠31に固定されている。板32A、32B、32Cには、吊り紐33A、33Bを通す吊紐用穴32aが形成されている。板32B、32Cには、左右方向の中央部分に使用者の指を掛ける指掛け部である窪み32bが形成されている。吊紐用穴32aは、板32Aには両端部に4個ずつ形成されており、板32Bには両端部に8個ずつ形成されており、板32Cには両端部に12個ずつ形成されている。吊り紐33A、33Bは、対称に配置されており、両端部33aで板32Aに固定されている。吊り紐33A、33Bは、交差している部分33bで板32B、32Cを支えている。
【0027】
図1に示すワイヤ40は、鉢を吊るすためなどに使用される園芸用のワイヤであると良い。ワイヤ40は、ワイヤ用孔を通された後、折り返されて、隣のワイヤ用孔を通されるというように、床部22のワイヤ用孔22aと、天井部24のワイヤ用孔24aと、戸30のワイヤ用孔31aとに通されて、鳥かご10の左側面側、正面側及び右側面側の壁部を形成している。なお、ワイヤ40は、端部が金具41によって固定されている。
【0028】
図10は、ゴミ受け部51の基になる金属の平板50の平面図である。図10に示すように、ゴミ受け部51は、アルミニウムなどの金属の平板50を折り曲げて形成されている。
【0029】
図1〜図3に示すように、ゴミ受け部51は、のりしろ部分51aに形成されたネジ用孔51b(図10参照。)を通されたネジ81によって脚部21に固定されており、鳥かご10の正面側に配置されて上面が露出している。また、ゴミ受け部51は、のりしろ部分51aの板厚だけ、脚部21との間にスリット51cが設けられている。スリット51cは、ゴミ受け部51の下部に開けられた水抜き用の穴を構成している。
【0030】
支柱60は、床部22の穴22bに通されて、上下の端部でネジ82によって脚部21及び天井部24に固定されている。
【0031】
次に、鳥かご10の製造方法について説明する。
【0032】
まず、平板20及び平板50は、プレス機によって打ち抜かれ、外形や穴などが形成される。
【0033】
次いで、外形や穴などが形成された平板20は、板金工によって立体的に折り曲げられて、脚部21、床部22、背面壁部23及び天井部24として形成される。同様に、平板50は、ゴミ受け部51として形成される。
【0034】
次いで、脚部21、床部22、背面壁部23、天井部24、ゴミ受け部51及び支柱60は、互いに組みつけられてネジ81及びネジ82によって固定される。また、脚部21の底面の四隅には、ゴムパッド70がのり付けされる。
【0035】
なお、戸30は、板32A、32B、32Cの吊紐用穴32aに吊り紐33A、33Bが通されて板32A、32B、32Cが連結された後、板32A、32B、32Cが枠31の中に入れられて、ネジ34によって枠31及び板32Aが固定されることによって製造される。
【0036】
最後に、床部22、天井部24及び戸30の間が、弾性ワイヤ40によって編みあげられる。
【0037】
次に、鳥かご10の使用方法について説明する。
【0038】
使用者は、吸水紙をゴミ受け部51に充填して、吸水紙によってスリット51cを塞いでおく。
【0039】
飼育空間10a内の鳥が糞をすると、糞は、床部22の傾斜を伝わって落ちて、ゴミ受け部51に溜まる。糞以外のゴミについても同様に、床部22の傾斜を伝わって落ちて、ゴミ受け部51に溜まる。
【0040】
使用者は、ゴミ受け部51を掃除機で掃除したり、ゴミ受け部51に充填した吸水紙を交換したりすることによって、ゴミ受け部51に溜まった糞などのゴミを簡単に清掃することができる。
【0041】
また、使用者は、ゴミ受け部51に充填した吸水紙を取り除いた状態で、バスルームのシャワーなどによって床部22に水を流すことによって、床部22及びゴミ受け部51を一度に丸ごと洗い流すことができる。床部22の傾斜を流れた水は、ゴミ受け部51に入り、ゴミ受け部51の水抜き用のスリット51cから排出される。
【0042】
使用者は、飼育空間10aに対して鳥や餌などを出し入れする場合、図11に示すように、板32Bの窪み32bに指を掛けて板32B及び板32Cを引き上げることによって、戸30を開ける。そして、戸30は、板32B、32Cが持ち上げられなくなると、板32B、32Cの自重によって自動的に閉まる。
【0043】
以上に説明したように、鳥かご10は、板32B、32Cを吊り紐33A、33Bで吊るした構成により、戸30が開かれるときに戸30自体が折りたたまれるので、戸30の開閉時通過空間を従来より小さくすることができる。
【0044】
また、鳥かご10は、板32B、32Cを吊り紐33A、33Bで吊るした構成により、新規な美観を提供することができる。
【0045】
また、鳥かご10は、吊り紐33A、33Bが交差している部分33bで板32B、32Cを支えているので、板32B、32Cを支えるための紐を吊り紐33A、33Bとは別に設ける必要がなく、簡単な構成で板32B、32Cを支えることができる。もちろん、鳥かご10は、ブラインドのように、吊り紐33A、33Bとは別に板32B、32Cを支えるための横糸を設けて板32B、32Cを支える構成であっても良い。
【0046】
また、鳥かご10は、図7に示すように板32B、32Cの下側が吊り紐33A、33Bより飼育空間10a側に存在するので、図6に示すように吊り紐33A、33Bが板32B、32Cに隠されて飼育空間10aの内側に露出し難い。したがって、鳥かご10は、飼育空間10aの内部の鳥によって吊り紐33A、33Bが引っ張られて板32B、32Cが引き上げられたりすることや、飼育空間10aの内部の鳥によって吊り紐33A、33Bが切断されたりすることを防止することができる。また、鳥かご10は、飼育空間10aの内部の鳥によって吊り紐33A、33Bが引っ張られて板32B、32Cが引き上げられたりすることや、飼育空間10aの内部の鳥によって吊り紐33A、33Bが切断されたりすることを防止することができる。
【0047】
また、鳥かご10は、使用者の指を掛ける窪み32bが板32B、32Cにあるので、使用者が戸30を開く動作を容易化することができる。なお、使用者の指を掛ける指掛け部は、窪みである必要はなく、例えば取っ手などであっても良い。
【0048】
鳥かご10は、窪み32bが板32B、32Cの左右方向の中央部分に設けられているので、使用者が指を掛けて板32B、32Cを引き上げるときに板32B、32Cのバランスが取れて板32B、32Cが左右に傾かない。したがって、鳥かご10は、使用者が指を掛けて板32B、32Cを引き上げるときに板32B、32Cが左右に傾いて板32B、32Cが枠31に引っ掛かることがないので、板32B、32Cが左右に傾かないように板32B、32Cをガイドするガイド装置を備えていなくても良い。
【0049】
なお、戸30は、図5〜図9に示す構成以外の構成であっても良い。例えば、戸30は、吊り紐に板が接着剤によって固定されるなど、図5〜図9に示す構成のように吊り紐が板に編みつけられることによって板が吊り紐に固定される構成でなくても良い。また、戸30は、吊り紐が板に編みつけられる構成であっても、図5〜図9に示す編み方とは異なる編み方(例えば、図12〜図14参照。)によって板が吊り紐に固定される構成であっても良い。
【0050】
図12〜図14に示す編み方にすれば、戸30は、1本の吊り紐33で板36、37を吊るすことができるし、二重に吊り紐33を巻きつけた部分33cを設けることによって吊り紐33が滑り易いナイロン製であっても板36、37がずれ難い。
【0051】
板35には、穴35a、35b、35cが左右対称に形成されている。板36には、穴36a、36bが左右対称に形成されている。板37には、穴37a、37b、37c、37d、37e、37fが左右対称に形成されている。
【0052】
吊り紐33は、板35の背面側で固定されて穴35aを通されて板35の正面側に出される。そして、吊り紐33は、板37の背面側から穴37aを通されて板37の正面側に出され、次いで穴37bを通されて板37の背面側に出され、次いで再び穴37aを通されて板37の正面側に出され、次いで再び穴37bを通されて板37の背面側に出され、次いで穴37cを通されて板37の正面側に出される。同様に、吊り紐33は、次々に板35に編み付けられる。そして、吊り紐33は、板36の背面側から穴36aを通されて板36の正面側に出され、次いで穴36bを通されて板36の背面側に出され、次いで再び穴36aを通されて板36の正面側に出され、次いで再び穴36bを通されて板36の背面側に出される。そして、吊り紐33は、穴37a、37b、37cと同様に穴37d、37e、37fを通されて次々に板37に編み付けられる。そして、吊り紐33は、板35の正面側から穴35bを通されて板35の背面側に出され、次いで穴35cを通されて板35の正面側に出され、次いで再び穴35bを通されて板35の背面側に出され、次いで再び穴35cを通されて板35の正面側に出され、次いで再び穴35bを通されて板35の背面側に出され、板35のうち穴35bと左右対称の位置に形成された穴を通されて板35の正面側に出される。吊り紐33の編み方は、左右対称であるので、残りの部分は説明を省略する。
【0053】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る鳥かごの構成のうち、第1の実施の形態に係る鳥かご10(図1参照。)の構成と同様な構成については、鳥かご10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
図15は、本実施の形態に係る鳥かごの戸130の外観斜視図である。
【0055】
本実施の形態に係る鳥かごの構成は、戸30(図1参照。)に代えて戸130を鳥かご10(図1参照。)が備えた構成と同様である。
【0056】
戸130の構成は、枠31(図1参照。)、板32A(図1参照。)及び板32C(図1参照。)に代えて枠131、板132A及び板132Cを戸30が備え、使用者に引かれるための引き紐133と、板32Bに固定された紐134と、枠131に固定されて紐134を引っ掛ける止め具135とを戸30が備えた構成と同様である。
【0057】
枠131の構成は、枠31の上面の中央部分に引き紐133を通す穴131aが開けられた構成と同様である。
【0058】
板132A、132Cの構成は、板32A、32Cの左右方向の中央部分に引き紐133を通す穴132aが開けられた構成と同様である。
【0059】
引き紐133は、一端が板32Bに固定されて、使用者の指を掛ける輪133aを他端に有し、一端と他端との間の部分が枠131の穴131aと、板132A、132Cの穴132aとを通されている。
【0060】
使用者は、飼育空間10a(図1参照。)に対して鳥や餌などを出し入れする場合、引き紐133の輪133aに指を掛けて引き紐133を引いて板32B及び板132Cを引き上げることによって、戸130を開ける。そして、戸130は、板32B、132Cが持ち上げられなくなると、板32B、132Cの自重によって自動的に閉まる。
【0061】
このように、本実施の形態に係る鳥かごは、使用者に引かれるための引き紐133を有しているので、使用者が戸130を開く動作を容易化することができる。
【0062】
本実施の形態に係る鳥かごは、引き紐133が板32Bの左右方向の中央部分に固定されているので、使用者が引き紐133を引いて板32Bを引き上げるときに板32B、132Cのバランスが取れて板32B、132Cが左右に傾かない。したがって、本実施の形態に係る鳥かごは、使用者が引き紐133を引いて板32Bを引き上げるときに板32B、132Cが左右に傾いて板32B、132Cが枠131に引っ掛かることがないので、板32B、132Cが左右に傾かないように板32B、132Cをガイドするガイド装置を備えていなくても良い。
【0063】
なお、使用者は、紐134を止め具135に引っ掛けることによって、飼育空間10aの内部の鳥によって戸130が開けられることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る鳥かごの正面左側からの外観斜視図である。
【図2】図1に示す鳥かごの底面図である。
【図3】図1に示す鳥かごの側面断面図である。
【図4】図1に示す鳥かごの脚部、床部、背面壁部及び天井部の基になる金属の平板の平面図である。
【図5】図1に示す鳥かごの戸の正面図である。
【図6】図5に示す戸の背面図である。
【図7】図5に示す戸の側面断面図である。
【図8】図5に示す戸の正面図であって、吊り紐を一本取り除いた状態での図である。
【図9】図5に示す戸の背面図であって、吊り紐を一本取り除いた状態での図である。
【図10】図1に示す鳥かごのゴミ受け部の基になる金属の平板の平面図である。
【図11】図5に示す戸の側面断面図であって、使用者の指によって板が引き上げられている状態での図である。
【図12】図1に示す鳥かごの戸の図5に示す例とは異なる例での正面図である。
【図13】図12に示す戸の背面図である。
【図14】図12に示す戸の側面断面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る鳥かごの戸の斜視図である。
【図16】従来の鳥かごの開き戸の斜視図である。
【図17】従来の鳥かごのスライド戸の正面図である。
【符号の説明】
【0065】
10 鳥かご
10a 飼育空間
30 戸
32B、32C 板(仕切り板)
32b 窪み(指掛け部)
33A、33B 吊り紐
33b 部分(交差している部分)
130 戸
133 引き紐
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥を飼育するための鳥かごに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の鳥かごとして、開き戸を備えたもの(例えば、特許文献1参照。)や、スライド戸を備えたもの(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【特許文献1】特開平11−285757号公報
【特許文献2】実開平6−61062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の鳥かごにおいては、戸が閉じているときに戸が存在する空間(以下「閉時存在空間」という。)の外に、戸が開閉するときに戸が通過する空間(以下「開閉時通過空間」という。)が大きく必要であるという問題がある。
【0004】
図16に示すように、開き戸91を備えた鳥かごにおいては、開き戸91の閉時存在空間の外に開き戸91の開閉時通過空間91aが大きく必要であるので、開き戸91が鳥かごの飼育空間の外側に開く場合には、鳥かごの周囲の物が開き戸91の開閉時通過空間91aに存在しないように鳥かごを十分に広い場所に設置しなければならない。一方、開き戸91が鳥かごの飼育空間の内側に開く場合には、飼育空間の内部の餌入れ容器や水入れ容器などの物が開き戸91の開閉時通過空間91aに存在しないようにしなければならず、飼育空間という狭い空間でのレイアウトが非常に難しい。
【0005】
図17に示すように、スライド戸92を備えた鳥かごにおいては、スライド戸92の閉時存在空間の外にスライド戸92の開閉時通過空間92aが大きく必要であるので、止まり木などの物がスライド戸92の開閉時通過空間92aに存在しないようにしなければならず、飼育空間という狭い空間でのレイアウトが非常に難しい。
【0006】
そこで、本発明は、戸の開閉時通過空間を従来より小さくすることができる鳥かごを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鳥かごは、鳥の飼育空間の境界を形成する戸を備え、前記戸は、前記飼育空間の内部と外部とを仕切る複数枚の仕切り板と、前記複数枚の仕切り板を上下に並べて吊るす吊り紐とを有することが好ましい。
【0008】
この構成により、本発明の鳥かごは、戸が開かれるときに戸自体が折りたたまれるので、戸の開閉時通過空間を従来より小さくすることができる。
【0009】
また、本発明の鳥かごの前記仕切り板は、前記吊り紐が交差している部分で前記吊り紐に支えられていることが好ましい。
【0010】
この構成により、本発明の鳥かごは、仕切り板を支えるための紐を吊り紐とは別に設ける必要がなく、簡単な構成で仕切り板を支えることができる。
【0011】
また、本発明の鳥かごの前記仕切り板は、下側が前記吊り紐より前記飼育空間側に存在することが好ましい。
【0012】
この構成により、本発明の鳥かごは、吊り紐が仕切り板に隠されて飼育空間の内側に露出し難いので、飼育空間の内部の鳥によって吊り紐が引っ張られて仕切り板が引き上げられたりすることや、飼育空間の内部の鳥によって吊り紐が切断されたりすることを防止することができる。
【0013】
また、本発明の鳥かごの前記仕切り板は、使用者の指を掛ける指掛け部を有することが好ましい。
【0014】
この構成により、本発明の鳥かごは、使用者が戸を開く動作を容易化することができる。
【0015】
また、本発明の鳥かごは、使用者に引かれるための引き紐を有し、前記引き紐は、一端が前記仕切り板に固定されていることが好ましい。
【0016】
この構成により、本発明の鳥かごは、使用者が戸を開く動作を容易化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、戸の開閉時通過空間を従来より小さくすることができる鳥かごを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態に係る鳥かごの構成について説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る鳥かご10の正面左側からの外観斜視図である。図2は、鳥かご10の底面図である。図3は、鳥かご10の側面断面図である。
【0021】
図1〜図3に示すように、鳥かご10は、L字状の脚部21と、脚部21によって支持されて鳥の飼育空間10aの境界である底面を形成する全体が傾斜した床部22と、飼育空間10aの境界である前後左右の面を形成する壁部のうち鳥かご10の背面側の壁部を形成する背面壁部23と、飼育空間10aの境界である上面を形成する天井部24と、鳥かご10の左側面の一部に配置された戸30と、飼育空間10aの境界である左側面側の壁部、正面側の壁部及び右側面側の壁部を形成する弾性を有するワイヤである弾性ワイヤ40と、飼育空間10aで発生して床部22の傾斜を伝わって落ちるゴミを受ける位置に配置されたゴミ受け部51と、脚部21、床部22及び天井部24の位置関係を保持するための円筒形の木製の支柱60と、脚部21の底面の四隅にのり付けされた滑り止め用の薄型の透明なゴムパッド70とを有している。
【0022】
なお、鳥かご10は、主に、文鳥や十姉妹などの三角嘴のフィンチ類を飼育するためのものである。また、飼育空間10aで発生するゴミとしては、例えば、鳥の糞や羽根、籾殻などがある。
【0023】
図4は、脚部21、床部22、背面壁部23及び天井部24の基になる金属の平板20の平面図である。図4に示すように、脚部21、床部22、背面壁部23及び天井部24は、アルミニウムなどの金属の平板20を折り曲げて形成されている。
【0024】
図1〜図3に示すように、脚部21は、ゴミ受け部51を固定するネジ81のネジ部を通すための2つのネジ用孔21a(図4参照。)と、支柱60を固定するネジ82のネジ部を通すためのネジ用孔21bとが形成されている。床部22は、弾性ワイヤ40を通すためのワイヤ用孔22aが左側面側、正面側及び右側面側の端の近傍に多数並んで形成されて弾性ワイヤ40を固定する固定部材を構成しているとともに、支柱60を通すための穴22bが形成されている。床部22の傾斜は、自然にゴミが落ちるように30°〜40°が好ましい。天井部24は、弾性ワイヤ40を通すためのワイヤ用孔24aが左側面側、正面側及び右側面側の端の近傍に多数並んで形成されて弾性ワイヤ40を固定する固定部材を構成しているとともに、使用者によって鳥かご10が持ち上げられるときに使用者の指が挿入されるための4つの持ち手穴24bと、支柱60を固定するネジ82のネジ部を通すためのネジ用孔24cとが形成されている。
【0025】
図5は、戸30の正面図である。図6は、戸30の背面図である。図7は、戸30の側面断面図である。図8は、吊り紐33Bを取り除いた状態での戸30の正面図である。図9は、吊り紐33Bを取り除いた状態での戸30の背面図である。
【0026】
図5〜図9に示すように、戸30は、枠31と、枠31の内部の最も上側に配置された板32Aと、枠31の内部の最も下側に配置されて飼育空間10aの内部と外部とを仕切る仕切り板である板32Bと、板32A及び板32Bの間に配置されて飼育空間10aの内部と外部とを仕切る仕切り板である4枚の板32Cと、板32B、32Cを上下に並べて吊るす太めの麻糸である2本の吊り紐33A、33Bとを有しており、飼育空間10aの境界を形成している。枠31は、板32B、32Cの水平方向の移動を規制して、板32B、32Cを鉛直方向にのみ移動可能にガイドしている。上面側及び底面側の枠31には、弾性ワイヤ40を通すためのワイヤ用孔31a(図1参照。)が多数並んで形成されている。板32B、32Cは、下側が吊り紐33A、33Bより飼育空間10a側に存在している。板32Aは、ネジ34によって枠31に固定されている。板32A、32B、32Cには、吊り紐33A、33Bを通す吊紐用穴32aが形成されている。板32B、32Cには、左右方向の中央部分に使用者の指を掛ける指掛け部である窪み32bが形成されている。吊紐用穴32aは、板32Aには両端部に4個ずつ形成されており、板32Bには両端部に8個ずつ形成されており、板32Cには両端部に12個ずつ形成されている。吊り紐33A、33Bは、対称に配置されており、両端部33aで板32Aに固定されている。吊り紐33A、33Bは、交差している部分33bで板32B、32Cを支えている。
【0027】
図1に示すワイヤ40は、鉢を吊るすためなどに使用される園芸用のワイヤであると良い。ワイヤ40は、ワイヤ用孔を通された後、折り返されて、隣のワイヤ用孔を通されるというように、床部22のワイヤ用孔22aと、天井部24のワイヤ用孔24aと、戸30のワイヤ用孔31aとに通されて、鳥かご10の左側面側、正面側及び右側面側の壁部を形成している。なお、ワイヤ40は、端部が金具41によって固定されている。
【0028】
図10は、ゴミ受け部51の基になる金属の平板50の平面図である。図10に示すように、ゴミ受け部51は、アルミニウムなどの金属の平板50を折り曲げて形成されている。
【0029】
図1〜図3に示すように、ゴミ受け部51は、のりしろ部分51aに形成されたネジ用孔51b(図10参照。)を通されたネジ81によって脚部21に固定されており、鳥かご10の正面側に配置されて上面が露出している。また、ゴミ受け部51は、のりしろ部分51aの板厚だけ、脚部21との間にスリット51cが設けられている。スリット51cは、ゴミ受け部51の下部に開けられた水抜き用の穴を構成している。
【0030】
支柱60は、床部22の穴22bに通されて、上下の端部でネジ82によって脚部21及び天井部24に固定されている。
【0031】
次に、鳥かご10の製造方法について説明する。
【0032】
まず、平板20及び平板50は、プレス機によって打ち抜かれ、外形や穴などが形成される。
【0033】
次いで、外形や穴などが形成された平板20は、板金工によって立体的に折り曲げられて、脚部21、床部22、背面壁部23及び天井部24として形成される。同様に、平板50は、ゴミ受け部51として形成される。
【0034】
次いで、脚部21、床部22、背面壁部23、天井部24、ゴミ受け部51及び支柱60は、互いに組みつけられてネジ81及びネジ82によって固定される。また、脚部21の底面の四隅には、ゴムパッド70がのり付けされる。
【0035】
なお、戸30は、板32A、32B、32Cの吊紐用穴32aに吊り紐33A、33Bが通されて板32A、32B、32Cが連結された後、板32A、32B、32Cが枠31の中に入れられて、ネジ34によって枠31及び板32Aが固定されることによって製造される。
【0036】
最後に、床部22、天井部24及び戸30の間が、弾性ワイヤ40によって編みあげられる。
【0037】
次に、鳥かご10の使用方法について説明する。
【0038】
使用者は、吸水紙をゴミ受け部51に充填して、吸水紙によってスリット51cを塞いでおく。
【0039】
飼育空間10a内の鳥が糞をすると、糞は、床部22の傾斜を伝わって落ちて、ゴミ受け部51に溜まる。糞以外のゴミについても同様に、床部22の傾斜を伝わって落ちて、ゴミ受け部51に溜まる。
【0040】
使用者は、ゴミ受け部51を掃除機で掃除したり、ゴミ受け部51に充填した吸水紙を交換したりすることによって、ゴミ受け部51に溜まった糞などのゴミを簡単に清掃することができる。
【0041】
また、使用者は、ゴミ受け部51に充填した吸水紙を取り除いた状態で、バスルームのシャワーなどによって床部22に水を流すことによって、床部22及びゴミ受け部51を一度に丸ごと洗い流すことができる。床部22の傾斜を流れた水は、ゴミ受け部51に入り、ゴミ受け部51の水抜き用のスリット51cから排出される。
【0042】
使用者は、飼育空間10aに対して鳥や餌などを出し入れする場合、図11に示すように、板32Bの窪み32bに指を掛けて板32B及び板32Cを引き上げることによって、戸30を開ける。そして、戸30は、板32B、32Cが持ち上げられなくなると、板32B、32Cの自重によって自動的に閉まる。
【0043】
以上に説明したように、鳥かご10は、板32B、32Cを吊り紐33A、33Bで吊るした構成により、戸30が開かれるときに戸30自体が折りたたまれるので、戸30の開閉時通過空間を従来より小さくすることができる。
【0044】
また、鳥かご10は、板32B、32Cを吊り紐33A、33Bで吊るした構成により、新規な美観を提供することができる。
【0045】
また、鳥かご10は、吊り紐33A、33Bが交差している部分33bで板32B、32Cを支えているので、板32B、32Cを支えるための紐を吊り紐33A、33Bとは別に設ける必要がなく、簡単な構成で板32B、32Cを支えることができる。もちろん、鳥かご10は、ブラインドのように、吊り紐33A、33Bとは別に板32B、32Cを支えるための横糸を設けて板32B、32Cを支える構成であっても良い。
【0046】
また、鳥かご10は、図7に示すように板32B、32Cの下側が吊り紐33A、33Bより飼育空間10a側に存在するので、図6に示すように吊り紐33A、33Bが板32B、32Cに隠されて飼育空間10aの内側に露出し難い。したがって、鳥かご10は、飼育空間10aの内部の鳥によって吊り紐33A、33Bが引っ張られて板32B、32Cが引き上げられたりすることや、飼育空間10aの内部の鳥によって吊り紐33A、33Bが切断されたりすることを防止することができる。また、鳥かご10は、飼育空間10aの内部の鳥によって吊り紐33A、33Bが引っ張られて板32B、32Cが引き上げられたりすることや、飼育空間10aの内部の鳥によって吊り紐33A、33Bが切断されたりすることを防止することができる。
【0047】
また、鳥かご10は、使用者の指を掛ける窪み32bが板32B、32Cにあるので、使用者が戸30を開く動作を容易化することができる。なお、使用者の指を掛ける指掛け部は、窪みである必要はなく、例えば取っ手などであっても良い。
【0048】
鳥かご10は、窪み32bが板32B、32Cの左右方向の中央部分に設けられているので、使用者が指を掛けて板32B、32Cを引き上げるときに板32B、32Cのバランスが取れて板32B、32Cが左右に傾かない。したがって、鳥かご10は、使用者が指を掛けて板32B、32Cを引き上げるときに板32B、32Cが左右に傾いて板32B、32Cが枠31に引っ掛かることがないので、板32B、32Cが左右に傾かないように板32B、32Cをガイドするガイド装置を備えていなくても良い。
【0049】
なお、戸30は、図5〜図9に示す構成以外の構成であっても良い。例えば、戸30は、吊り紐に板が接着剤によって固定されるなど、図5〜図9に示す構成のように吊り紐が板に編みつけられることによって板が吊り紐に固定される構成でなくても良い。また、戸30は、吊り紐が板に編みつけられる構成であっても、図5〜図9に示す編み方とは異なる編み方(例えば、図12〜図14参照。)によって板が吊り紐に固定される構成であっても良い。
【0050】
図12〜図14に示す編み方にすれば、戸30は、1本の吊り紐33で板36、37を吊るすことができるし、二重に吊り紐33を巻きつけた部分33cを設けることによって吊り紐33が滑り易いナイロン製であっても板36、37がずれ難い。
【0051】
板35には、穴35a、35b、35cが左右対称に形成されている。板36には、穴36a、36bが左右対称に形成されている。板37には、穴37a、37b、37c、37d、37e、37fが左右対称に形成されている。
【0052】
吊り紐33は、板35の背面側で固定されて穴35aを通されて板35の正面側に出される。そして、吊り紐33は、板37の背面側から穴37aを通されて板37の正面側に出され、次いで穴37bを通されて板37の背面側に出され、次いで再び穴37aを通されて板37の正面側に出され、次いで再び穴37bを通されて板37の背面側に出され、次いで穴37cを通されて板37の正面側に出される。同様に、吊り紐33は、次々に板35に編み付けられる。そして、吊り紐33は、板36の背面側から穴36aを通されて板36の正面側に出され、次いで穴36bを通されて板36の背面側に出され、次いで再び穴36aを通されて板36の正面側に出され、次いで再び穴36bを通されて板36の背面側に出される。そして、吊り紐33は、穴37a、37b、37cと同様に穴37d、37e、37fを通されて次々に板37に編み付けられる。そして、吊り紐33は、板35の正面側から穴35bを通されて板35の背面側に出され、次いで穴35cを通されて板35の正面側に出され、次いで再び穴35bを通されて板35の背面側に出され、次いで再び穴35cを通されて板35の正面側に出され、次いで再び穴35bを通されて板35の背面側に出され、板35のうち穴35bと左右対称の位置に形成された穴を通されて板35の正面側に出される。吊り紐33の編み方は、左右対称であるので、残りの部分は説明を省略する。
【0053】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る鳥かごの構成のうち、第1の実施の形態に係る鳥かご10(図1参照。)の構成と同様な構成については、鳥かご10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
図15は、本実施の形態に係る鳥かごの戸130の外観斜視図である。
【0055】
本実施の形態に係る鳥かごの構成は、戸30(図1参照。)に代えて戸130を鳥かご10(図1参照。)が備えた構成と同様である。
【0056】
戸130の構成は、枠31(図1参照。)、板32A(図1参照。)及び板32C(図1参照。)に代えて枠131、板132A及び板132Cを戸30が備え、使用者に引かれるための引き紐133と、板32Bに固定された紐134と、枠131に固定されて紐134を引っ掛ける止め具135とを戸30が備えた構成と同様である。
【0057】
枠131の構成は、枠31の上面の中央部分に引き紐133を通す穴131aが開けられた構成と同様である。
【0058】
板132A、132Cの構成は、板32A、32Cの左右方向の中央部分に引き紐133を通す穴132aが開けられた構成と同様である。
【0059】
引き紐133は、一端が板32Bに固定されて、使用者の指を掛ける輪133aを他端に有し、一端と他端との間の部分が枠131の穴131aと、板132A、132Cの穴132aとを通されている。
【0060】
使用者は、飼育空間10a(図1参照。)に対して鳥や餌などを出し入れする場合、引き紐133の輪133aに指を掛けて引き紐133を引いて板32B及び板132Cを引き上げることによって、戸130を開ける。そして、戸130は、板32B、132Cが持ち上げられなくなると、板32B、132Cの自重によって自動的に閉まる。
【0061】
このように、本実施の形態に係る鳥かごは、使用者に引かれるための引き紐133を有しているので、使用者が戸130を開く動作を容易化することができる。
【0062】
本実施の形態に係る鳥かごは、引き紐133が板32Bの左右方向の中央部分に固定されているので、使用者が引き紐133を引いて板32Bを引き上げるときに板32B、132Cのバランスが取れて板32B、132Cが左右に傾かない。したがって、本実施の形態に係る鳥かごは、使用者が引き紐133を引いて板32Bを引き上げるときに板32B、132Cが左右に傾いて板32B、132Cが枠131に引っ掛かることがないので、板32B、132Cが左右に傾かないように板32B、132Cをガイドするガイド装置を備えていなくても良い。
【0063】
なお、使用者は、紐134を止め具135に引っ掛けることによって、飼育空間10aの内部の鳥によって戸130が開けられることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る鳥かごの正面左側からの外観斜視図である。
【図2】図1に示す鳥かごの底面図である。
【図3】図1に示す鳥かごの側面断面図である。
【図4】図1に示す鳥かごの脚部、床部、背面壁部及び天井部の基になる金属の平板の平面図である。
【図5】図1に示す鳥かごの戸の正面図である。
【図6】図5に示す戸の背面図である。
【図7】図5に示す戸の側面断面図である。
【図8】図5に示す戸の正面図であって、吊り紐を一本取り除いた状態での図である。
【図9】図5に示す戸の背面図であって、吊り紐を一本取り除いた状態での図である。
【図10】図1に示す鳥かごのゴミ受け部の基になる金属の平板の平面図である。
【図11】図5に示す戸の側面断面図であって、使用者の指によって板が引き上げられている状態での図である。
【図12】図1に示す鳥かごの戸の図5に示す例とは異なる例での正面図である。
【図13】図12に示す戸の背面図である。
【図14】図12に示す戸の側面断面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る鳥かごの戸の斜視図である。
【図16】従来の鳥かごの開き戸の斜視図である。
【図17】従来の鳥かごのスライド戸の正面図である。
【符号の説明】
【0065】
10 鳥かご
10a 飼育空間
30 戸
32B、32C 板(仕切り板)
32b 窪み(指掛け部)
33A、33B 吊り紐
33b 部分(交差している部分)
130 戸
133 引き紐
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳥の飼育空間の境界を形成する戸を備え、
前記戸は、前記飼育空間の内部と外部とを仕切る複数枚の仕切り板と、前記複数枚の仕切り板を上下に並べて吊るす吊り紐とを有することを特徴とする鳥かご。
【請求項2】
前記仕切り板は、前記吊り紐が交差している部分で前記吊り紐に支えられていることを特徴とする請求項1に記載の鳥かご。
【請求項3】
前記仕切り板は、下側が前記吊り紐より前記飼育空間側に存在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鳥かご。
【請求項4】
前記仕切り板は、使用者の指を掛ける指掛け部を有することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の鳥かご。
【請求項5】
使用者に引かれるための引き紐を有し、
前記引き紐は、一端が前記仕切り板に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の鳥かご。
【請求項1】
鳥の飼育空間の境界を形成する戸を備え、
前記戸は、前記飼育空間の内部と外部とを仕切る複数枚の仕切り板と、前記複数枚の仕切り板を上下に並べて吊るす吊り紐とを有することを特徴とする鳥かご。
【請求項2】
前記仕切り板は、前記吊り紐が交差している部分で前記吊り紐に支えられていることを特徴とする請求項1に記載の鳥かご。
【請求項3】
前記仕切り板は、下側が前記吊り紐より前記飼育空間側に存在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鳥かご。
【請求項4】
前記仕切り板は、使用者の指を掛ける指掛け部を有することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の鳥かご。
【請求項5】
使用者に引かれるための引き紐を有し、
前記引き紐は、一端が前記仕切り板に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の鳥かご。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−263901(P2008−263901A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113590(P2007−113590)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【特許番号】特許第3975227号(P3975227)
【特許公報発行日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(507134172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【特許番号】特許第3975227号(P3975227)
【特許公報発行日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(507134172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]