説明

麻酔用呼吸システム

本発明は、キセノンを吸収し開放するように設けられた保持フィルターと、患者からの、キセノンを含有する第1の呼吸可能なガス混合物を保持フィルターを通じて第1の流れ方向に通過させるための、保持フィルターに接続された第1の導管とを備える、麻酔用呼吸システム中のキセノンを再生するための装置に関し、キセノンの少なくとも一部分は保持フィルターに維持される。さらに、この装置は、第2の呼吸可能なガス混合物を保持フィルターを通じて第2の流れ方向に通過させるための、保持フィルターに接続された第2の導管であって、保持フィルター中に残存するキセノンの少なくとも一部が、この第2の呼吸可能なガス混合物によって採取されるとともに搬送される第2の導管と、キセノンを含有する麻酔剤を第1の導管に輸送するための、第1の導管に接続された供給導管とを備える。本発明はさらに、前述の装置を備える麻酔用呼吸システム及び麻酔用呼吸システム中のキセノンを再生する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麻酔用呼吸システム中の、麻酔物質、特にキセノンを再生する装置及び方法と、このような装置を含む麻酔用呼吸システムとに関する。
【0002】
麻酔物質としてのキセノンの使用が、数年に亘って集中的に議論されてきている。キセノンの麻酔効果は、亜酸化窒素の麻酔効果より約1.5倍強く、1940年代に既に発見されていた。その非常に低い血中溶解性のため、キセノンは呼吸によって従来の麻酔ガスより迅速に除去される。このことは、患者の麻酔状態が遅滞無く、よってより効果的に制御できる点で有利である。さらに、これにより、患者は麻酔の後、より早く回復し、よって後遺症が大幅に少なくて済む。有害な副作用は今のところ知られておらず、よってキセノンは2006年より早く独国において麻酔剤としての承認が得られている。キセノンを含有する麻酔剤は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
キセノンの使用における欠点は、キセノンが通常、液状分注による複雑な方法によって空気から抽出しなければならず、この方法がキセノンを非常に経費のかかる原材料としているということである。したがって、キセノンによる麻酔の経費効果を改善するために、再生の可能な方法が考えられてきた。例えば、特許文献2は、麻酔機器において使用されるガス混合物からキセノンを再生するための装置及び方法を記載している。この方法においては外部再生ユニットが使用されており、このユニットが、既に廃棄された麻酔ガス混合物からゼオライトによってキセノンを再生し、真空及び熱の使用によってキセノンを高純化し濃縮している。
【0004】
しかし、この記載されている方法は極端に複雑であり、したがって使用される装置は複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開02/22116パンフレット
【特許文献2】米国特許出願第2005/0235831号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、人間及び/又は哺乳類及び哺乳類以外を含む全ての動物種のような患者が、麻酔を受けている間に人工呼吸を受けることができる麻酔用呼吸システムにおけるキセノンの再生のための改良された方法、及び改良された及び/又はより簡単な装置を提供することである。この目的は特許請求の範囲に記載の特徴によって達成される。さらに、本発明の目的は、麻酔用呼吸システムにおける麻酔物質の再生のための改良された方法及び/又はより簡単な装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、麻酔用呼吸システムの導管経路内に保持フィルターを設けるという発想に基づき、この保持フィルターは、麻酔ガス中に含まれる麻酔物質、特にキセノンを収集し、保持し、開放することができる。よって、麻酔物質、特にキセノンは、追加の外部装置又は追加的に必要とされるプロセスステップ無しに、内的に再生される。
【0008】
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、キセノンを再生するための装置は、キセノンを吸収し開放するように設けられた保持フィルターと、患者からの、キセノンを含有する第1の呼吸可能なガス混合物を保持フィルターを通じて第1の流れ方向に通過させるための、保持フィルターに接続された第1の導管とを備えており、キセノンの少なくとも一部分はこの保持フィルターに維持される。さらに、キセノンを再生するための装置は、第2の呼吸可能なガス混合物を保持フィルターを通じて第2の流れ方向に通過させるための、保持フィルターに接続された第2の導管であって、保持フィルター中に残存するキセノンの少なくとも一部が、この第2の呼吸可能なガス混合物によって採取されるとともに搬送される第2の導管と、キセノンを含有する麻酔剤を第1の導管に輸送するための、第1の導管に接続された供給導管とを備えている。
【0009】
好ましくは、この装置は、第1及び/又は第2の呼吸可能なガス混合物の一部を第1の導管から分析手段へと供給するサンプルガス出口をさらに備える。分析手段は、例えば患者に供給されるか又は患者から発散される呼吸可能なガス混合物中のキセノン濃度の測定及び検査を可能とし、よって十分な麻酔状態を補償する。
【0010】
分析手段によって分析されたガス混合物、特にこのガス混合物中に含有されるキセノンを再生するために、分析されたガス混合物は、分析が行われた後に再度システムの中に供給される。このために、装置は好ましくは、分析手段と供給導管との間に接続導管を備え、分析手段から放出された呼吸可能なガス混合物を再び第1の導管の中に供給する。
【0011】
さらに、第1及び/又は第2の呼吸可能なガス混合物の温度及び/又は湿度を調整するためのフィルターを第1の導管中に挿入することができる。また、追加的な二酸化炭素フィルター又は吸収機器を設けることができる。温度及び/又は湿度を調整するためのフィルター、及び/又は二酸化炭素フィルターは、任意に保持フィルターとともに1つの部分に一体化される。
【0012】
患者への麻酔ガス混合物の適切な投与のために、第1の導管の患者側端部は好ましくは、気管内チューブ、喉頭マスク、又は他のマスク中につながれる。
【0013】
保持フィルターは本質的に有機又は無機吸収剤を備え、この吸収剤はキセノンを吸収し、再度放出するように設けられている。同時に、保持フィルターは本質的には酸素、二酸化炭素、及び窒素に対して透過性を有するべきである。この目的のために、例えば活性炭、シリカ、アルミニウム酸化物、アルミニウム珪化物、ゼオライト、又は同様の材料が考えられる。保持フィルターに吸収される貫流キセノンの割合は、好ましくは50〜100%、特に好ましくは80〜95%である。フィルターの容積をできるだけ小さくし、よって患者の人工呼吸に好ましくなく影響する場合のあるいわゆるデッドスペースを最小化するために、この割合を高くしすぎる場合をなくすることができる。
【0014】
キセノンは通常単体では使用されず、他の麻酔剤、酸素、ハロゲン化した麻酔剤、デスフルラン、セボフルラン, イソフルラン, エンフルラン、ハロタン、又は麻酔ガスに混合することができるこれら物質のいくつかの組み合わせと混合する方法で付与される。
【0015】
好都合に、装置は第1及び第2の流れの方向を制御する手段をさらに備え、様々な制御形態が考えられる。
【0016】
好ましくは、キセノンを含有する麻酔ガス混合物の導入は、呼吸フェーズの最初に始まり、即ち麻酔ガス流は患者の呼吸サイクルに同期される。1サイクルあたり供給される麻酔ガスの量は、好ましくは呼吸容量の10〜80%に対応する。このことは、約10〜60l/minのガス流量を必要とする。同期制御に対する代替形態としては、一定のキセノンの流量が提供される所定の態様が可能であるが、これはシステムの効率を減少させる。
【0017】
さらに、本発明は、上述のようなキセノンを再生するための装置と、第2の呼吸可能なガス混合物を供給するための手段と、キセノン含有麻酔物質を供給するための手段と、抽出された呼吸可能なガス混合物を分析するための手段とを備えるキセノン麻酔用呼吸システムに関する。
【0018】
既に述べた理由のために、分析手段は好ましくは、抽出された呼吸可能なガス混合物中のキセノン濃度を測定する手段を備える。また、例えば他の麻酔剤の濃度のような更なるパラメータを測定するための手段を設けることができる。また、抽出された呼吸可能なガス混合物中の特に酸素濃度の測定が必要である。
【0019】
呼吸可能なガス混合物を供給するための手段として、従来の装置を使用することができる。この装置は、例えばフィルターを通された第1の呼吸可能なガス混合物を採取し、このフィルターを通された第1の呼吸可能なガス混合物を二酸化炭素フィルター又は吸着剤を通じて流し、再度供給するように設けられたループとして構成することができる。しかし、一方向システムもまた考えられ、この一方向システムにおいては吐き出された呼吸可能なガス混合物は保持フィルターを通じてフィルターを通された後に除去され、廃棄される。
【0020】
本発明は、麻酔用呼吸システムにおける麻酔物質を再生するための装置をさらに提供する。この装置は、麻酔物質を吸収し放出するように設けられた保持フィルターを備える。第1の導管は、保持フィルターに接続されており、患者からの麻酔物質を含有する第1の呼吸可能なガス混合物を第1の流れ方向に保持フィルターを通じて流すという目的を達成し、保持フィルターには麻酔物質の少なくとも一部分が残る。さらに、第2の導管が保持フィルターに接続されており、第2の呼吸可能なガス混合物を患者に向かう第2の流れ方向に保持フィルターを通じて流すという目的を達成し、保持フィルターに残った麻酔物質の少なくとも一部が採取されて第2の呼吸可能なガス混合物によって搬送される。この装置は、第1の導管に接続されて麻酔物質を含む麻酔剤を第1の導管中に搬送する供給導管をさらに備え、第1の導管は二酸化炭素フィルターをさらに備えている。
【0021】
二酸化炭素フィルターは好ましくは、第1の流れ方向に対してキセノン保持フィルターの上流に配置されている。代替形態として、二酸化炭素フィルターは第1の流れ方向に対してキセノン保持フィルターの下流に配置することができる。
【0022】
また、麻酔物質を再生するための装置の好ましい実施形態は、キセノンを単独で、及び組み合わせとして再生するための装置に関して上述された全ての特徴を備えることができる。
【0023】
さらに、本発明は、麻酔用呼吸システムにおけるキセノンを含有する第1の呼吸可能なガス混合物からキセノンを再生するための方法を提供する。この方法は、以下のステップ、すなわち第1の呼吸可能なガス混合物を保持フィルターを通じて第1の流れの方向に流すステップであって、キセノンの少なくとも一部が保持フィルター中に残るステップと、酸素を含有する第2の呼吸可能なガス混合物を保持フィルターを通じて第2の流れの方向に流すステップであって、保持フィルターに残ったキセノンの少なくとも一部が第2の呼吸可能なガス混合物中に排出されるステップとを備えている。
【0024】
呼吸可能なガス混合物が保持フィルターを通過する際、通常の1分あたり4〜13lの呼吸容積の場合に20〜60l/minの瞬間的な流量が生じる。若年層の人間又は小動物における1分あたりの呼吸容積は非常に少ない、例えば子供においては0.3〜5lである場合があるので、これら用途に対しては特定の小さな保持フィルターを設けることもまた考えられる。
【0025】
さらに、以下の更なるステップ、すなわち、キセノンを含有する麻酔剤を保持フィルターからの第2の呼吸可能なガス混合物中に供給するステップと、第2の呼吸可能なガス混合物からサンプル容積を採取するステップと、サンプル容積の少なくともキセノン濃度を測定するステップと、測定されたサンプル容積を第2の呼吸可能なガス混合物中に再供給するステップとを任意に設けることができる。
【0026】
また、第1及び/又は第2の呼吸可能なガス混合物の温度及び/又は湿度を調整することができる。
【0027】
キセノン濃度を減少させるためにキセノンを患者から除く場合、又は麻酔物質を希釈する場合には、酸素をキセノンの代わりに供給することができる。供給される酸素の容積は好ましくは、1分あたりの呼吸容積の少なくとも50%である。
【0028】
空間におけるキセノン又は麻酔剤をできるだけ少なく維持することは、上述のシステムの目的であるとともに利点である。上記状態の麻酔剤は通常、麻酔用呼吸システムの全体に分散されている。この事実は麻酔物質の消費を増加させる。現在の麻酔用呼吸システムの容積は合計2.5〜3リットルになる。また、これら麻酔用呼吸システムは完全に密封されているわけではなく、更なる損失が考えられる。本発明のシステムは、同等に小さく、限定された空間(200ml又は0.1〜1リットル)に麻酔物質(リフレクションフィルターのみ)又は麻酔ガス混合物全体(リフレクションフィルター及び二酸化炭素吸収体)を保持する。このシステムを、追加的なガス供給部及び基本的にすべての麻酔用呼吸システム/麻酔装置をキセノンに好適な麻酔装置に変換する制御部と結合することがさらに考えられる。利点は、高価な蒸気状態の麻酔物質の迅速かつ簡単に実現可能な適用にある。ペンデュラムシステムの場合においては、従来の麻酔用呼吸システムは本質的に人工呼吸、すなわち患者の肺の中に呼吸可能なガス混合物をポンプによって供給するために呼吸システム中に圧力を生成する目的を果たす。
【0029】
以下に、本発明の様々な実施形態が図面をもとに例示的に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明によるキセノンを再生するための装置の好ましい実施形態の図である。
【図2】麻酔用呼吸システムの一部分を示す図である。
【図3】本発明によるキセノンを再生するための装置の好ましい実施形態の変形体の図である。
【図4】本発明によるキセノンを再生するための装置の更なる実施形態の図である。
【図5】本発明の図1の実施形態の代替形態の図である。
【図6】本発明による図1の実施形態の更なる代替形態の図である。
【図7】本発明による図4の実施形態の代替形態の図である。
【図8】本発明による図4の実施形態の更なる代替形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明によるキセノンを再生するための装置の好ましい実施形態を図示している。この装置は、保持フィルター1及び第1の導管2を備え、この第1の導管2は保持フィルター1を、麻酔ガス混合物の患者への付与のための喉頭マスク又は気管内チューブ(図示されず)に接続し、患者からのキセノンを含有する呼吸可能なガス混合物を保持フィルター1を通じて第1の流れの方向に(ここでは右側に向かって)流している。さらに、第2の導管3が保持フィルター1に接続され、これによって第2の呼吸可能なガス混合物が保持フィルター1を通じて第2の流れの方向(ここでは左側に向かって)流れる。少なくともキセノンを備える麻酔剤は第1の導管2に供給導管4を介して供給されている。
【0032】
図示されていないマスクを通じて患者は、導管3を介して供給される第2の呼吸可能なガスと供給導管4を介して供給される麻酔剤とからなるガス混合物を吸入する。成分の濃度比は制御部を介して調整することができる。再び吸入される第1の呼吸可能なガス混合物は保持フィルター1を通じて導管2を介して流れ、ガス混合物に含有されるキセノンの一部は保持フィルターに吸収される。次の呼吸サイクルにおいて、この吸収されたキセノンは導管3からの第2の呼吸可能なガス混合物の中に再び少なくとも部分的に放出することができる。保持フィルターが、2つの呼吸可能なガス混合物の異なる流量とそれぞれ異なるキセノン濃度との両方によって2つの流れの方向に対して異なる効果を示すことが驚くべきことに判明した。ゆっくりと流れるキセノンを多く含有するガスは好ましくはキセノンをフィルター中に排出し、一方でキセノンを多く含まないガスは速く流れ、キセノンをフィルターから採取する。こうして、キセノンは1回の呼吸サイクル中において再生される。
【0033】
この装置は、熱と湿気とを交換するための手段5をさらに備えている。この手段は例えば、吸入された呼吸可能なガス混合物に含まれる湿気を部分的に吸収し、吸入される呼吸可能なガス混合物の中に再び排出することを可能にする。サンプル出口6がこの手段に取付けられており、第1及び/又は第2の呼吸可能なガス混合物の一部分を第1の導管2から分析手段(図示されず)へ供給する。分析手段は、例えば患者へ供給されるか又は患者によって吐き出される呼吸可能なガス混合物中のキセノン濃度の測定又は検査を可能とし、よって十分な麻酔条件を保証している。出口6の手段5への取付けは、混合物の良好な撹拌をもたらし、よって代表サンプルの排出をもたらす。しかし、別の取り付けもまた考えられる。
【0034】
分析手段によって分析されたガス混合物、特にこのガス混合物に含まれるキセノンを再生するために、このガス混合物は分析が終了した後に再びループの中に供給される。このために、装置は好ましくは、分析手段と供給導管4との間に、分析手段から排出された呼吸可能なガス混合物を第2の導管2の中に再び供給するための接続導管(図示されず)を備えている。
【0035】
第2の導管3は好ましくは分岐部はY字状部7に接続されている。このことは、例えば導管3を通じる使い尽くされた呼吸可能なガスの除去及び廃棄と、供給導管9を通じる新しい呼吸可能なガスの準備を可能にする。しかし、循環する作動のために、導管3及び9を互いにそれぞれの制御部を介して接続することもできる。この場合には、例えば図2に示すように、二酸化炭素フィルター10をループの中に、例えば導管3と9の間に組み込むことが推奨される。
【0036】
図2は、キセノンを再生するための装置を上述のようなY字状部7を介して取り付けることができる麻酔システムを図示している。図2は、吐き出された呼吸可能なガス混合物が、循環するとともに本質的に新しい方法で吸入のために再び供給されるループを示している。混合物は、Y字状部7から出口11を通り過ぎて流れ、この出口11において過剰なガスを排出することができる。特に酸素であるが、また麻酔物質である場合のある新鮮なガスは、供給導管12を通じてループの中に供給することができる。人工呼吸器13は20〜60l/minの瞬間的なガス流量を提供するという目的を果たしており、この流量は、通常は1l/minのオーダーである供給導管12を通じる新鮮なガスの連続流入量よりはるかに多い。最後に、呼吸プロセスによって富化された二酸化炭素は、二酸化炭素フィルターにおいて呼吸ガス混合物からフィルターにかけられて除外される。対応する容積損失は、供給導管12を通じた前記流入量によって補償される。供給導管12を通じた新鮮なガスの流入量が例えば1分あたりの呼吸容積の量まで増加すると、二酸化炭素フィルターは不必要となる。供給導管12を通じた新鮮なガスの供給に対する代替として、供給導管4(図1参照)を通じた麻酔剤とともに新鮮なガスを導入することも可能である。
【0037】
記載されたシステムにおいては、個々の導管中における流れの方向は、勿論図示されていないそれぞれの弁によって制御されている。さらに、ループ中の構成要素の順序は変化させることができる。例えば、混合物は最初に二酸化炭素フィルター10を通過することができる。
【0038】
図3は図1による好ましい実施形態の変形体を示しており、ここでは熱及び湿気を交換するための手段5、及び保持フィルター1は1つの部分に一体化されている。
【0039】
図5及び図6は本発明による図1の実施形態の代替形が示されている。図5に図示されているように、供給導管4は例えば分岐部を備えることができ、この分岐部において、2つ、3つ、又はそれ以上の供給導管4a、4b、及び4cが合流している。したがって、酸素を、例えば供給導管4aを介して導入し、例えばハロゲン化された麻酔物質及び/又はキセノンを供給導管4bを介して供給することができる。次いで、酸素と麻酔物質とは分岐部において、混合されてガス混合物又は蒸気を形成する。分岐部は好ましくはガス混合物を撹拌するための手段を備えている。第3の供給導管4cは、分析手段から排出された呼吸ガス混合物を再度第1の導管2の中に供給するために使用することができる。
【0040】
図5に示された分岐部の代わりに、供給導管4a、4b、及び4cを、図6に図示されているように、第1の導管2の中に直接つなげることができる。
【0041】
図5及び図6に示された実施形態を適宜に組み合わせ、変形することができることは、当業者には明瞭に理解されるべきである。例えば、2つの供給導管4a及び4bしかなく、一方が酸素を供給し、他方が分析手段から排出された呼吸ガス混合物を再供給することが可能である。また、3つ以上の供給導管があり、例えばハロゲン化された麻酔物質及びキセノンのような異なる麻酔物質を、例えば異なる供給導管を介して導入することも可能である。代替的に、図5に図示されているように、2つの供給導管4a、4bを1つの供給導管4中につなげることができ、図6に図示するように、追加的に供給ライン4cを第1の導管2中に直接つなげることもできる。
【0042】
図4は本発明によるキセノンを再生するための装置の更なる好ましい実施形態を図示しており、この装置はペンデュラムシステムとして使用することができる。このために、二酸化炭素フィルター又は吸収機器10aが第1の導管2に設けられ、この二酸化炭素フィルター又は吸収機器10aは吐き出し方向に対して保持フィルター1の上流に位置している。しかし、二酸化炭素フィルター10aは保持フィルター1の下流に位置させるか、又は保持フィルター1とともに一体部分として構成することもできる。保持フィルター1の機能とは対照的に、COは二酸化炭素フィルター10aによってのみ吸収されるが、逆の流れ方向における呼吸可能なガス混合物中に再度排出されることは無い。二酸化炭素フィルターに好適な材料は、例えば水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、又はこれら物質と同様の物質であり、これら物質においてはCOは効果的に拘束される。しかし、例えばゼオライトのような再使用可能な二酸化炭素フィルターを使用することもでき、この二酸化炭素フィルターは熱処理によって再生することができる。
【0043】
COのフィルタリングのために、この装置はペンデュラムシステムとして作動させることができ、すなわち患者は以前にシステム中に吐き出した混合物を再度本質的に吸入する。“ペンデュラム態様で移動する”呼吸可能なガス混合物は、導管2中を往復する。二酸化炭素フィルターが無い状態では、吐き出されたCOはこのような動作の場合には富化され、非常に短い間にCO中毒を引き起こす。このことに関して、キセノン保持フィルター1はキセノンの人工呼吸器中への拡散損失を防止する。適切には、第1の導管2の容積、二酸化炭素フィルター10a、及び熱及び湿気を交換するための手段5は、呼吸容積、すなわち0.2〜2.5lの範囲、特に好ましくは0.5〜1.2lの範囲にほぼ対応する。このために、第1の導管2は好ましくは対応して拡大された直径を備え、及び/又は保持フィルター1と二酸化炭素フィルター10aとの間の領域において適切な長さを備える。任意に、保持フィルター1と二酸化炭素フィルター10aもまた対応して寸法を決められたハウジング中に適合され、このハウジングは次いで導管2又は2つのフィルターは導管2に一体化することができる。
【0044】
拘束されたCOを新鮮な酸素によって置換するために、酸素はこの実施形態においては供給導管4を通じてキセノンとともに供給される。ペンデュラム作動は、酸素と、簡単のためにデスフルランなどのような麻酔剤との供給部が患者に近接していることを必要とする。また、任意に、患者に近接する更なる供給導管が設けられる。任意的なサンプルガス出口6は、図4に示すように第1の導管2から直接分岐することができるか、又は図1にしたがって熱及び湿気の交換のための手段5に取付けることができる。好ましくは、二酸化炭素フィルター、保持フィルター、及び熱及び湿気を交換するための手段5は、図3に示されているのと同様の供給及び排出導管のための接続部それぞれを有する共通のハウジングに設けられている。
【0045】
二酸化炭素フィルター10aが、図4に示すように患者に比較的近接して設けられている場合には、二酸化炭素フィルター10aから逃げるソーダ石灰の粒子は熱及び湿気を交換するための手段5によって保持することができ、よって患者の呼吸器中に進入することはできない。
【0046】
ペンデュラム作動のために、図4に示す実施形態は、例えば図2に示す従来の麻酔システムに接続することができる。しかし、この場合には、二酸化炭素フィルター10の使用は、保持フィルター1の上流の手段10aが既にそれぞれのろ過を提供しているので不必要になる。しかし通常は、圧力制御弁を含む簡単なポンプが図2に図示されたループの変わりに十分であり、このポンプは、それぞれの吸引とポンプの挙動とによって必要なペンデュラム流れを生成するように設けられる。
【0047】
図7及び図8は、本発明による図4の実施形態の代替形態を(図5及び図6と同様に)示している。図7に図示されるように、例えば供給導管4は、2つ、3つ、又はそれ以上の供給導管4a、4b、及び4cが合流する分岐部を呈することができる。したがって、酸素は例えば供給導管4aを介して導入することができ、ハロゲン化された麻酔物質及び/又はキセノンなどの麻酔物質は供給導管4bを介して導入することができる。次いで、分岐部において、酸素及び麻酔物質がガス混合物又は蒸気を形成するように混合される。分岐部は好ましくはガス混合物を撹拌するための手段を備えている。第3の供給導管4cは、分析手段から排出された呼吸可能なガス混合物を再度、第1の導管3の中に供給するように使用することができる。
【0048】
また、図7に示す分岐部の代わりに、供給導管4a、4b、及び4cを図8に図示すように第1の導管2の中につなぐことができる。
【0049】
図5及び図6に関連して記載した組み合わせ及び変形体が、図7及び図8の実施形態に適用可能であることは、当業者は明瞭に理解すべきである。
【0050】
図4、7、及び8に示すペンデュラムシステムは、麻酔物質としてのキセノンに関連して記載されたが、ペンデュラムシステムは他の麻酔物質、特にハロゲン化された麻酔物質、デスフルラン、セボフルラン、イソフルラン、エンフルラン、ハロタンに対しても好適である。したがって、ペンデュラムシステムは、一般的に及び使用される麻酔物質に依存することなく、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0051】
本発明の装置は、簡単かつ経費効果的に生産することができ、既に入手可能なシステムと容易に組み合わせることができるので、好都合であることが証明されている。この装置は軽量かつ小型であり、よって多くの態様において、また複雑でない方法で使用することができる。循環は内的に行われ、即ち、外部の追加的な機器は、キセノンを再生するためには全く必要とされない。
【符号の説明】
【0052】
1・・・保持フィルター
2・・・第1の導管
3・・・第2の導管
4・・・供給導管
5・・・温度及び/又は湿度を調整するためのフィルター
6・・・サンプルガス出口
10、10a・・・二酸化炭素フィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)キセノンを吸収し開放するように設けられた保持フィルター(1)と、
(b)患者からの、キセノンを含有する第1の呼吸ガス混合物を前記保持フィルター(1)を通じて第1の流れ方向に通過させるための、前記保持フィルターに接続された第1の導管(2)であって、キセノンの少なくとも一部分は前記保持フィルター中に維持される、第1の導管(2)と、
(c)第2の呼吸ガス混合物を前記保持フィルター(1)を通じて第2の流れ方向に患者に向かって通過させるための、前記保持フィルター(1)に接続された第2の導管(3)であって、前記保持フィルター(1)中に残存するキセノンの少なくとも一部が、前記第2の呼吸可能なガス混合物によって採取されるとともに搬送される第2の導管(3)と、
(d)キセノンを含有する麻酔剤を前記第1の導管に輸送するための、前記第1の導管(2)に接続された供給導管(4)と、
を備える、麻酔用呼吸システム中のキセノンを再生するための装置。
【請求項2】
前記第1の呼吸可能なガス混合物及び/又は前記第2の呼吸可能なガス混合物を、前記第1の導管(2)から分析手段へ供給するためのサンプルガス出口(6)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記分析手段と前記第1の導管(2)との間に、任意に供給導管(4)を介した接続導管をさらに備え、分析手段から放出された呼吸ガス混合物を再び前記第1の導管(2)の中に供給することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の導管(2)は、前記第1及び/又は第2の呼吸ガス混合物の温度及び/又は湿度を調整するためのフィルター(5)を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記温度及び/又は湿度を調整するためのフィルター(5)及び前記保持フィルター(1)は、いつの部分に一体化されているか、又は共通のハウジング中に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の導管(2)の患者側端部は、気管内チューブ、喉頭マスク、又は他のマスクを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記保持フィルター(1)は、有機又は無機の吸収物質を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置
【請求項8】
前記保持フィルター(1)は、活性炭、シリカ、アルミニウム酸化物、アルミニウム珪化物、ゼオライトからなるグループからの少なくとも1つの物質を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記麻酔剤は、キセノンに加えて、酸素、ハロゲン化された麻酔物質、デスフルラン、セボフルラン、イソフルラン、エンフルラン、ハロタンからなるグループの1つ以上の物質を備えることができることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1及び第2の流れの方向を制御する手段によってさらに特徴付けられている請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の導管(2)は、二酸化炭素フィルター(10a)をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記二酸化炭素フィルター(10a)は、前記第1の流れの方向に対して前記キセノン保持フィルター(1)の上流又は下流に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記二酸化炭素フィルター(10a)及び前記保持フィルター(1)は、1つの部分に一体化されているか、又は共通のハウジング内に取付けられていることを特徴とする請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記二酸化炭素フィルター(10a)は、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムからなるグループからの少なくとも1つの物質を備えるソーダ石灰を含有することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記二酸化炭素フィルター(10a)は、例えば熱処理によって再生できる再使用可能なフィルターであることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記二酸化炭素フィルター(10a)と前記保持フィルター(1)との間の前記第1の導管(2)は、前記二酸化炭素フィルター(10a)を含む前記第1の導管(2)内のガス容積が0.2〜2.5l、好ましくは0.5〜1.2lであるように構成されていることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
(a)請求項1〜16のいずれか一項に記載のキセノンを再生するための装置と、
(b)前記第2の呼吸ガス混合物を供給する手段と、
(c)キセノン含有麻酔剤を供給する手段と、
(d)抽出された呼吸ガス混合物を分析する手段と、
を備えるキセノン麻酔用呼吸システム。
【請求項18】
前記分析手段は、前記抽出された呼吸ガス混合物中のキセノン濃度を測定する手段を備えることを特徴とする請求項17に記載の麻酔用呼吸システム。
【請求項19】
前記第2の呼吸ガス混合物を供給するための手段は、フィルターをかけられた前記第1の呼吸可能なガス混合物を採取し、この前記第1の呼吸可能なガス混合物を二酸化炭素フィルター(10)に渡し、前記第1の呼吸可能なガス混合物を再び第2の呼吸可能なガス混合物として供給するように設けられたループとして構成されていることを特徴とする請求項17又は18に記載の麻酔用呼吸システム。
【請求項20】
前記フィルターをかけられた第1の呼吸可能なガス混合物の除去及び/又は廃棄のための排出導管をさらに備えることを特徴とする請求項17〜19のいずれか一項に記載の麻酔用呼吸システム。
【請求項21】
20〜60l/minのガス流れを前記第2の導管(3)の中に供給するための装置をさらに備えることを特徴とする請求項17〜20のいずれか一項に記載の麻酔用呼吸システム。
【請求項22】
(a)第1の呼吸ガス混合物を保持フィルターを通じて第1の流れの方向に流すステップであって、キセノンの少なくとも一部が前記保持フィルター中に残るステップと、
(b)酸素を含有する第2の呼吸ガス混合物を前記保持フィルターを通じて第2の流れの方向に流すステップであって、前記保持フィルターに残ったキセノンの少なくとも一部が前記第2の呼吸ガス混合物中に排出されるステップと、
を備える、麻酔用呼吸システムにおけるキセノンを含有する第1の呼吸可能なガス混合物からキセノンを再生する方法。
【請求項23】
(a)キセノンを含有する麻酔剤を前記保持フィルターからの前記第2の呼吸ガス混合物中に供給するステップと、
(b)前記第2の呼吸ガス混合物からサンプル容積を採取するステップと、
(c)前記サンプル容積の少なくともキセノン濃度を測定するステップと、
(d)測定された前記サンプル容積を前記第2の呼吸ガス混合物中に再供給するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1及び/又は第2の呼吸可能なガス混合物の温度及び/又は湿度を調整するステップをさらに備えることを特徴とする請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
(a)麻酔物質を吸収し開放するように設けられた保持フィルター(1)と、
(b)患者からの、麻酔物質を含有する第1の呼吸可能なガス混合物を前記保持フィルター(1)を通じて第1の流れ方向に通過させるための、前記保持フィルターに接続された第1の導管(2)であって、前記麻酔物質の少なくとも一部分は前記保持フィルター中に維持される、第1の導管(2)と、
(c)第2の呼吸可能なガス混合物を前記保持フィルター(1)を通じて第2の流れ方向に患者に向かって通過させるための、前記保持フィルター(1)に接続された第2の導管(3)であって、前記保持フィルター(1)中に残存する前記麻酔物質の少なくとも一部が、前記第2の呼吸可能なガス混合物によって採取されるとともに搬送される第2の導管(3)と、
(d)前記麻酔物質を含有する麻酔剤を前記第1の導管(2)に輸送するための、前記第1の導管(2)に接続された供給導管(4)と、
を備え、
前記第1の導管(2)は、二酸化炭素フィルター(10a)をさらに備える、
麻酔用呼吸システム中の麻酔物質を再生するための装置。
【請求項26】
前記二酸化炭素フィルター(10a)は、前記第1の流れの方向に対して前記キセノン保持フィルター(1)の上流に配置されていることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記二酸化炭素フィルター(10a)は、前記第1の流れの方向に対して前記キセノン保持フィルター(1)の下流に配置されていることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記第1の導管(2)からの前記第1及び/又は第2の呼吸ガス混合物の一部を分析手段に供給するためのサンプルガス出口(6)をさらに備えることを特徴とする請求項25〜27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記分析手段と前記第1の導管(2)との間に、任意に前記供給導管(4)を介して、接続導管を備え、前記分析手段から排出される前記呼吸可能なガス混合物を前記第1の導管(2)の中に再度、供給することを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1の導管(2)は、前記第1及び/又は第2の呼吸ガス混合物の温度及び/又は湿度を調整するためのフィルター(5)を備えることを特徴とする請求項25〜29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記温度及び/又は湿度を調整するためのフィルター(5)と前記保持フィルター(1)とは、1つの部分に一体化されているか、又は供給のハウジングの中に取り付けられていることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記第1の導管(2)の患者側端部は、気管内チューブ、喉頭マスク、又は他のマスクを備えていることを特徴とする請求項25〜31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記保持フィルター(1)は、有機又は無機の吸収剤を備えることを特徴とする請求項25〜32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記保持フィルター(1)は、活性炭、シリカ、アルミニウム酸化物、アルミニウム珪化物、ゼオライトからなるグループからの少なくとも1つの物質を備えていることを特徴とする請求項25〜33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記麻酔剤は、キセノン、酸素、ハロゲン化された麻酔物質、デスフルラン、セボフルラン、イソフルラン、エンフルラン、ハロタンからなるグループの1つ以上の物質を備えることができることを特徴とする請求項25〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記第1及び第2の流れの方向を制御するための手段によってさらに特徴付けられていることを特徴とする請求項25〜35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記二酸化炭素フィルター(10a)及び前記保持フィルター(1)は、1つの部分に一体化されているか又は共通のハウジングの中に取り付けられていることを特徴とする請求項25〜36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
前記二酸化炭素フィルター(10a)は、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムからなるグループからの少なくとも1つの物質を備えるソーダ石灰を含有することを特徴とする請求項25〜37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記二酸化炭素フィルター(10a)は、熱処理によって再生できる再使用可能なフィルターであることを特徴とする請求項25〜38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記二酸化炭素フィルター(10a)と前記保持フィルター(1)との間の前記第1の導管(2)は、前記二酸化炭素フィルター(10a)を含む前記第1の導管(2)内のガス容積が0.2〜2.5l、好ましくは0.5〜1.2lであるように構成されていることを特徴とする請求項25〜39のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−538688(P2010−538688A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523340(P2010−523340)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007405
【国際公開番号】WO2009/033646
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(510065687)