説明

鼻清掃装置

鼻清掃装置は第1及び第2吸収部を備え、各吸収部はシャフトの端部にあり、前記各シャフトはピンセットアレンジメント内で引き離されるように付勢された前記各吸収部と共に連結される。前記各吸収部の各内面は平らであり、前記各吸収部は前記吸収部が鼻孔内に挿入できる深さを制限するための深さ制限止めを備える。従って、本発明は、親が子供の快適性を改善するのに、又は各介護人が身体障害のある患者或いは高齢の患者の快適性を改善するのに役立つことができる使いやすい装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に乳幼児向けの鼻清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
子供は特に鼻道を塞ぐ粘液によって鼻が詰まると、呼吸がしづらくて苦痛を感じたり、また鼻孔内につまっている鼻糞によってさらに不快になったりする。一般に、親は子供が鼻をかむのを手伝うことによって、或いは子供の鼻孔をきれいにしようとすることによってこうした苦痛や不快感を和らげている。
【0003】
幼児が鼻をかむのを手伝おうとしても、子供はなすべきことやしていることが理解できないので必ずしも成功するとは限らず、また時には、特に粘液が鼻孔内で乾いてしまっている場合、鼻をかんでも十分に粘液を除去できないこともある。
【0004】
鼻を清掃するための安全で実用的な装置がないので、親は子供の鼻孔を清掃したがらない。本発明はそのような装置を提供することを目的とする。
【0005】
耳又は鼻などの開口部を清掃するために綿棒を使用することが知られている。しかしながら、綿棒を深く挿入しすぎてしまう危険性があり、その上、綿棒に自然に付着しない特により硬い残骸を取り除くための有効な道具ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、鼻孔の清掃に使用する効果的な装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、各吸収部がシャフトの端部にあり、前記各シャフトはピンセットアレンジメント内で引き離されるように付勢された前記各吸収部と共に連結される、第1及び第2吸収部を備える鼻清掃装置が提供され、前記各吸収部の各内面は実質的に平らであり、前記各吸収部は前記吸収部が鼻孔内に挿入できる深さを制限するための深さ制限止めを備えている。
【0008】
このアレンジメントはピンセット機能をもたらすが、使用者が切り傷を負う危険がないように各吸収部が引き離されたり引き合わされたりする。深さ止めは、装置を容易かつ練習なしに使用できるように各吸収部が鼻の上方に押され過ぎるのを防ぐ。従って、本発明は、親が子供の快適性を改善するのに役立つことができる使いやすい装置を提供する。各吸収部の各平面は各要素(items)をつかむことができるようにする。
【0009】
「実質的に平ら」であることは、各内面が実質的に平らであることを意味し、各内面を一つに合わせると単に点接触するよりもより大きな範囲の接触になり、各要素をつかむことができる。
【0010】
各深さ制限止めの深さ及び各吸収部のサイズは子供のサイズに合っているので、装置を子供に使用することができる。
【0011】
各吸収部の各平面を接触させて各吸収部を一つに合わせることで、各吸収部は同時に滑らかで切れ目のない外形をもたらすことが好ましい。言い換えれば、各平面を一つに合わせると、二つの吸収部は従来の単一綿棒と同じように使用できる。
【0012】
深さ制限止めは、吸収部の基部から外側に突出するタブを備えることができ、又は吸収部自身の突出部とすることができる。
【0013】
各シャフトの各連結端部は、他の各吸収部のそれぞれよりも大きい追加吸収部を(すなわち、一対の各吸収部の反対側のピンセットアレンジメントの端部に)備えることができる。この追加吸収部は通常の綿棒としても使用でき、例えば耳用又は鼻用に使用してもよい。追加吸収部は深さ制限アレンジメントも有することができる。
【0014】
各吸収部及び追加吸収部は、脱脂綿又は他の適切な軟質材料から形成でき、それゆえ既知の製造技術が各吸収部及び追加吸収部を形成するのに使用できる。各シャフトは紙から形成可能であり、吸収部及び各シャフトは生分解可能である。プラスチック製の各シャフトが代わりに使用されてもよい。
【0015】
各シャフトは、局所的に粗面から成るグリップ領域を備えることができる。これにより装置が使いやすくなる。
【0016】
本発明の装置は、各鼻清掃装置が異なる深さの各深さ制限止め及び適当なサイズの各吸収部を有することで、人の異なる年齢又は異なるサイズのためのさまざまな装置と共に一式として提供できる。
【0017】
次に本発明の実施例を添付の各図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の鼻清掃装置の第1実施例を示している。
【図2】図1の各吸収部分及び追加吸収部分をより詳細に示し、さらに一対の吸収部を一つに合わせて示している。
【図3】本発明の鼻清掃装置の第2実施例を示している。
【図4】吸収部分の別の実施例を示している。
【図5】図4の吸収部の設計を使用する本発明の鼻清掃装置の第3実施例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、一般に一対のピンセットの形状をしている本発明の鼻清掃装置を示す。各ピンセットアーム10、12は、先端に綿球部(cotton bud)14(又は他の吸収材による吸収部)を有する。各ピンセットアームは、各綿球部が取り付けられる各シャフトとして形成される。従って、各綿球部は各シャフトが支持する各拡大頭部を画定する。
【0020】
各シャフト10、12は、図1に示すように、引き離されるように付勢された各綿球部に連結される。この各シャフトの引き離しはさまざまな方法で達成できる。各シャフトは、その形状を保ち、変形ができ、さらに原型に戻るように十分な剛性及び弾力性を備える必要がある。このためには、プラスチック又は紙のシャフトが適している。
【0021】
各シャフトの分離は、連結端部付近にスペーサーを取り付けることによって可能である。また、接着した各端部により強力な「V」形の構成要素を使用することも可能であり、これにより開いた状態で引き離すことができる。しかしながら、装置が再生利用可能及び/又は生分解性となるように、構造はすべて紙から作られることが好ましい。
【0022】
装置は、一回で使い捨てる商品として設計されることが好ましく、使用中又は使用後に清掃されるようには設計されていない。
【0023】
一対の綿球部の各内面は、粘液又は他の鼻の付着物をつかんで取り出すことができるように平らになっている。各綿球部は、適切な形状のシャフト端部の表面に形成でき、所望の形状を形成する。また、各綿球部は、綿球部が鼻孔内に挿入できる深さを制限するための深さ制限止め16も備えている。この例として、深さ制限止め16は綿球部の基部から外側に突出するタブの形状をしているが、該深さ制限止めは綿球部自身から突出する一体型の突出部であってもよい。タブのサイズは、二つのタブ及び二つの綿球部の全幅が装置を装着する子供の鼻孔の開口部の大きさよりも大きくなるようになっている。
【0024】
該装置のさまざまな形によって異なる綿球部サイズ及び各綿球部の端部から制限止め16までの異なる距離を備えることができ、これにより子供の特定のサイズに適した装置が使用される。
【0025】
各綿球部の各平面を接触させて各綿球部を一つに合わせると、各綿球部は同時に滑らかで切れ目のない外形をもたらす。これは図2に示されており、深さ寸法22も同様に示す。この寸法は、一般に3mmから12mmの範囲である。各綿球部が一つに合わされると、二つの綿球部は従来の単一綿棒と同じ方法で使用できる。
【0026】
実施例が示すように、各シャフトの各連結端部は追加吸収部18を共有する。追加吸収部18は他の各綿球部のそれぞれよりも大きいが、一対の綿球部の結合サイズに対応する大きさであってもよい。追加吸収部18は通常の綿棒としても使用でき、また、基部の周りに各タブ又は切れ目のないリングの形状で深さ制限アレンジメント20も有することができる。
【0027】
従って、追加吸収部は鼻用にも使用できる。例えば、一対の綿球部は硬くなった粘液などの物質を除去するのに用いられ、単一の吸収部はそれに続く清掃に用いられる。清潔な吸収部が最終的な鼻の清掃作業用にすでに利用可能であるため、一対の綿球部をきれいにする必要がない。
【0028】
しかしながら、追加吸収部は異なる設計でもよく、また例えば耳用などの異なる目的のためでもよい。
【0029】
各シャフトは、局所的に粗面から成るグリップ領域(不図示)を備えることができる。これが、装置を使いやすくするのに役立つ。
【0030】
各鼻清掃装置が異なる深さ制限止めの距離22及び異なるサイズの各綿球部及び追加吸収部を有することにより、各綿球部及び追加吸収部は、それぞれが人の異なる年齢又はサイズ用の異なるサイズ一式として販売できる。
【0031】
各綿球部及び追加吸収部は、合成物質も使用できるが、綿又は他のセルロースベースの物質から形成できる。使用される各繊維は吸水性のあるものでもよく、及び/又はその構造内の各繊維間で用いられるオープンスペースを吸収及び清掃するためのメカニズムとして使用できる。
【0032】
上記の実施例において、各綿球部は製造の過程で各ピンセットアーム上に形成され、完成した製品が図1に示す形状で使用者に提供される。別の仕組みにおいては、各綿球部は、例えばスナップ嵌めとして各ピンセットアームの各端部に嵌合して、各ピンセットアームから取り外し可能である。さらに1セットは、少数のピンセット部分(できる限り一つだけのピンセット部分、或はいくらかの予備となるような少数のピンセット部分)と装着可能なかなり多数の綿球部とを備えることができる。
【0033】
各綿球部は、吸収性よりも主に把持機能のために設計されている。例えば、各綿球部は軟質ゴム又はシリコンから成ることができる。ピンセット部分は、再生利用可能なプラスチックまたは金属であってもよい。
【0034】
図3は、図1及び図2と同じ参照番号を使用してこの手法の実施例を示す。各綿球部14がピンセットから分離して示されており、クリップ30が各ピンセットアームの端部に概略的に示されている。これにより綿球部の内部機能とスナップ嵌めし、各綿球部が各ピンセットアームの各端部上にしっかりとスナップ嵌めされる。このために、任意の適切な保持機能が使用できる。
【0035】
図4は、綿球部14の別の設計の可能性を示す。鼻孔に入る部分は(より平らな内面を有しているが)実質的に円錐形であり、直径がだんだんと大きくなっている。この形状は自己制御式機能を有し、これにより鼻孔の大きさによってある特定の距離だけ挿入できる。挿入の深さを最終的に制限するストップ16もある。該ストップは綿球部14と一体化しており、綿球部部分が突き出るディスクを備えることができる。ピンセット端部を把持するために、通路が円錐部分の内部に沿って伸びている。
【0036】
図4の綿球部の設計は、単一サイズの綿球部が異なる年齢又は各鼻孔サイズに使用できるようになっており、それによって異なるサイズの綿球部の必要性がなくなる。代わりに、必要に応じて異なる年齢又は各鼻孔サイズに合わせた異なる綿球部サイズを作成できる。
【0037】
図5は、異なるピンセット設計の端部上に留められた図4の綿球部設計を示している。図5では、プラスチック部品の一体部分として画定されたヒンジを有する一体型プラスチックのピンセット部分10,12が成形されている。各部分10、12の中間は、使用者が握れるようにくぼんでいる。
【0038】
上記の説明は、幼児用の装置の使用について検討している。しかしながら、装置は知的障害又は身体障害患者及び介護が必要な高齢者にも同様に適用でき、従って大人用サイズの装置にも対応する。
【0039】
一つの見解においては、本発明は基本的に、特に各鼻孔に使用する再加工された綿棒を提供する。しかしながら、本発明は、上記に説明したように多数の異なる材料を使用して形成できる。
【0040】
さまざまな変更が当業者に明らかになるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各吸収部がシャフトの端部にあり、前記各シャフトはピンセットアレンジメント内で引き離されるように付勢された前記各吸収部と共に連結される、第1及び第2吸収部を備える鼻清掃装置であって、前記各吸収部の各内面は実質的に平らであり、前記各吸収部は前記吸収部が鼻孔内に挿入できる深さを制限するための深さ制限止めを備える、鼻清掃装置。
【請求項2】
前記各吸収部の各平面を接触させて前記各吸収部を一つに合わせると、前記各吸収部は同時に滑らかで切れ目のない外形をもたらす、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記深さ制限止めは、前記吸収部の基部から外側に突出するタブ又は突出部を備える、請求項1又は2のいずれか一項記載の装置。
【請求項4】
前記各シャフトの各連結端部は、他の各吸収部のそれぞれよりも大きい追加吸収部を備える、請求項1から3のいずれか一項記載の装置。
【請求項5】
前記追加吸収部は深さ制限アレンジメントも有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記各吸収部は前記各シャフト端部から取り外し可能である、請求項1から5のいずれか一項記載の装置。
【請求項7】
前記各吸収部は前記各シャフト端部上にスナップ嵌めされる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記各吸収部及び追加吸収部は脱脂綿又は他の吸収材から形成される、請求項1から7のいずれか一項記載の装置。
【請求項9】
前記各吸収部はゴム材料から形成される、請求項1から7のいずれか一項記載の装置。
【請求項10】
前記各吸収部は側面が平らな円錐形状である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記各シャフトは、紙、プラスチック又は他の適切な再生利用可能又は生分解可能な各製品から形成される、請求項1から10のいずれか一項記載の装置。
【請求項12】
前記各シャフトは局所的に粗面から成るグリップ領域を備える、請求項1から11のいずれか一項記載の装置。
【請求項13】
それぞれが人の異なる年齢又は異なるサイズのための各鼻清掃装置一式であり、各鼻清掃装置は異なる深さの各深さ制限止め及び異なるサイズの各吸収部を有する、請求項1から12のいずれか一項記載の鼻清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−510726(P2011−510726A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544788(P2010−544788)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050038
【国際公開番号】WO2009/095706
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(510207450)
【氏名又は名称原語表記】LAFE,Orobola
【住所又は居所原語表記】Kismet House,The Hillside,Orpington,Kent BR6 7SD(GB).
【Fターム(参考)】