説明

鼻用マスクアセンブリ

【課題】未成年に適したマスクアセンブリ、および良好な密封で広範囲の未成年に適合し、市場化するために経済的である、クッション、フレーム、ヘッドギア、ヨークおよびその他のマスク構成要素のシステムを提供すること。
【解決手段】マスクシステムが、未成年、または小さいまたは子供のような顔の形態を有する患者、たとえば、一般よりも5%10%小さい寸法を有する患者に適合するように提供される。たとえば、ヘッドギアおよび/またはクッションが、この範囲の患者に対応するような寸法にされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠呼吸障害(SDB)を有する青年または若い成人に適用される非侵襲的陽圧換気(NIPPV)で使用するための鼻用マスクアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、そのそれぞれがその全体において参照によって本明細書に組み込まれる、2003年2月21日に提出された米国特許仮出願第60/448,533号および、2003年4月28日に提出された第60/465,790号の利益を請求する。
【0003】
睡眠呼吸障害は、無呼吸および呼吸低下を有する睡眠障害に対する一般的な用語である。無呼吸は一般に、10秒間以上の気流の停止であるとされている。呼吸低下は一般に、10秒間以上の50%以上の気流の低下であるとされている。無呼吸および呼吸低下は両方、個人が呼吸を再開するのに十分に覚醒しているが、睡眠の妨害を記憶するのは十分でないとき、睡眠時覚醒を生じさせる。ある覚醒は、睡眠者をより軽い段階の睡眠に移行させる。いずれの場合も、覚醒は睡眠の質を低下させる。無呼吸および呼吸低下は、血中酸素レベルを低下させることがある。無呼吸および呼吸低下は、全体的または部分的のいずれかの上気道の遮蔽、または人体の自動的な呼吸への動作の機能不全の結果生じる。
【0004】
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、一般的な障害である。OSAを有する米国人の数の算定は、研究のために使用される基準研究者に応じて様々である。しかし、控えめな算定は、OSAを有する成人の米国人の数を約2000万人としている。OSAは、いびきをかかせるまたは呼吸を停止させることがある上気道遮蔽によって生じる。遮蔽は、2つの主な理由、筋肉の正常な緊張の欠如および/または重力から睡眠中に生じる。上気道内の過剰な組織および解剖学的な異常が、これらの要素を悪化させる。睡眠中、特にレム睡眠中、我々の体は、リラックスし、舌および軟口蓋などの筋肉組織は、それらのわずかな剛性を失う。我々は横臥して睡眠する傾向があるため、重力が、これらの組織を喉の後方へ引き、上気道を閉鎖する。
【0005】
睡眠時無呼吸症候群(OSA)を治療するための持続的陽圧呼吸(経鼻CPAP)の使用が、米国特許第4,944,310号でSullivanによって教示されている。OSAのための今日の装置は通常、(i)陽圧での空気または呼吸可能な気体の供給を行うブロワと、(ii)ブロワと接続された空気移送導管と、(iii)空気移送導管と接続された鼻用マスクなどの患者インターフェイスとを備える。
【0006】
様々な鼻用マスクが開発されている。あるこのようなマスクは、特に、ResMed Limitedによって製造され、米国特許第6,112,746号、第6,357,441号、第6,119,693号および第6,463,931号に記載されているMIRAGE(登録商標)マスクである。別のこのようなマスクは、米国特許第6,112,746号、第6,357,441号、第6,374,826号、第6,412,487号、第6,439,230号および第6,463,931号に記載されているULTRA MIRAGE(登録商標)マスクである。
【0007】
米国小児科学会は、Technical Report on the Diagnosis and Management of Childhood Obstructive Sleep Apnea Syndrome(OSAS)(PEDIATRICS VOl.109 No.4 2002年4月)で、「いびきが小児に頻発しており、罹患率は3.2%から12.1%の間と報告されている。小児OSASの罹患率は、発行されている研究がその確認のために異なるPSG基準を使用しているため、算定することが困難である。報告は、0.7%から10.3%の範囲である」と述べている。
【0008】
治療の有効性および治療との患者の追従性のキーとなる要素は、マスクの快適性および適合性である。成人のために設計された多数のマスクがあるが、小児に適するように設計されたものはかなり少ない。
【0009】
小児のために設計された1つのマスクは、ResMed Limitedによって製造された、SULLIVAN(登録商標)鼻用CPAPシステム、センサチュービングを備えるInfant Nasal Bubble Mask Systemである。図1を参照。また、Respironics Inc.は、「Comfort Flap Small Child」製品を製造している。
【0010】
他の幼児用マスクは、以下の特許、FR 2775905、GB 2277688、US 2002/0104531、US 3,827,433、US 4,232,476、US 4,406,283、US 4,774,946、US 4,896,666、US 4832015、US 5,271,391、US 5,318,590、US 5,462,050、US 5,509,408、US 5,535,741、US 5,813,423、US 5660174、US 6,418,929、WO 01/32250、WO 02/05883、WO 95/09023の明細書及び公開公報に示されている。
【0011】
1つの大人用マスクは、ResMed Limitedによって製造されたVISTA(商標)であり、2002年4月23日に提出されたオーストラリア国特許仮出願PS1926、2002年5月3日に提出されたUS 60/377,254、2002年7月22日に提出されたUS 60/397,195、2002年8月12日に提出されたUS 60/402,509、およびすべて2003年3月19日に提出されたUS 10/391,440,10/390,682,10/390,681,10/390,720および10/390,826に記載されており、これらの内容が、相互参照によって本明細書に組み込まれる。VISTA(商標)マスクに適用された装飾用デザインが、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国意匠特許出願Des 29/166,190に示されている。
【0012】
VISTA(商標)マスクは、クッションと、フレームと、エルボーと、ヨークを備えるヘッドギアとを備える。
【0013】
VISTA(商標)マスクは、成人に特に適しており、このような成人用マスクがいかにして小児に適するように構成されることができるかについての問題が生じる。
【0014】
国際特許出願WO 2001/32250(Sullivan & Wilkie)は、圧力下の気体を幼児の鼻気道に供給するためのマスクを記載している。この出願では、以下のことが述べられている。
「今まで、幼児用マスクは、幼児の顔および鼻に近似するために成人用マスクを縮尺することに基づいて開発されてきた。この縮尺プロセスの問題点は、閾値である。
第1に、成人の鼻および顔の中央3分の1は、幼児のそれとは形状が極めて異なる。成人の鼻は、鼻梁がなく、鼻腔(鼻通路)が外を向いている比較的平坦な幼児の鼻と比較すると、より細長く、顔の表面からより遠く突き出している。したがって、成人の鼻に適合させるために、マスクの底部は、鉛直軸に細長い三角形形状を有する。逆に、幼児では、鼻の底部の幅は、鼻(鼻腔)の底部から鼻の頂点(ナジオン)への高さを近似する。成人の鼻領域の形状は、幼児に対する正方形の形状と比較して矩形である。この形状の基本的な差異に加えて、成人の顔は、特に鼻および幼児にない頬領域の周囲で極めてはっきりとした輪郭を有する。成人用マスクは、したがって、これらの顔の輪郭に対応する鋭角を有する。したがって、成人用マスクが幼児のために縮尺されると、幼児の鼻および顔に対して形状が悪いだけでなく、必要なく組み込まれた角度が、不本意に新しい問題点を導入する。幼児が比較的平坦な鼻を有し、見かけ上鼻梁がないため、角度が、特に鼻梁の領域で、マスクの密封マージンでのチャネルの形成を促進する。
第2に、成人用マスクのデザインでは、ヘッドハーネスのストラップが、マスクが成人の鼻の高さに対応することを可能にするために、顔の表面から20mmのオーダーで剛性のマニホルド上のラグと接続している。このため、潜在的な支点効果が生じる。成人では、この支点効果は、成人は睡眠中あまり動かないだけでなく、成人の顔および頬の輪郭がこの上昇を偏移させることができるため、幼児ほど問題ではない。幼児では、使用されているマスクが、単に成人用マスクの縮尺であるとき、顔の上へのストラップラグの上昇は約12mmである。このこと自体が、成人のように潜在的な支点効果を生じさせるが、この効果は、小さい顔面積のため、幼児の頬からの偏移がないという事実によって強調される。したがって、成人の頬と比較して、マスクを定位置に保持するストラップが幼児の顔の側面と接触する。
第3に、小児用マスクの顔および頭部への取付は、成人用マスクの取付を模倣しているため、ねじり力が増加される。大きいねじり効果は、空気移送パイプと接触するマスクフェイスの表面積を減少させる。したがって、比較的小さな運動が、マスクと幼児の顔の間のインターフェイスで運動を生じさせるのに十分なねじり力を結果として生じさせる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/448,533号明細書
【特許文献2】米国特許仮出願第60/465,790号明細書
【特許文献3】米国特許第4,944,310号明細書
【特許文献4】米国特許第6,112,746号明細書
【特許文献5】米国特許第6,357,441号明細書
【特許文献6】米国特許第6,119,693号明細書
【特許文献7】米国特許第6,463,931号明細書
【特許文献8】米国特許第6,374,826号明細書
【特許文献9】米国特許第6,412,487号明細書
【特許文献10】米国特許第6,439,230号明細書
【非特許文献1】Technical Report on the Diagnosis and Management of Childhood Obstructive Sleep Apnea Syndrome(OSAS)(PEDIA TRICS VOl.109 No.4 2002年4月)
【特許文献11】仏国特許第2775905号明細書
【特許文献12】英国特許第2277688号明細書
【特許文献13】米国仮特許出願2002/0104531号明細書
【特許文献14】米国特許第3,827,433号明細書
【特許文献15】米国特許第4,232,476号明細書
【特許文献16】米国特許第4,406,283号明細書
【特許文献17】米国特許第4,774,946号明細書
【特許文献18】米国特許第4,896,666号明細書
【特許文献19】米国特許第4,832,015号明細書
【特許文献20】米国特許第5,271,391号明細書
【特許文献21】米国特許第5,318,590号明細書
【特許文献22】米国特許第5,462,050号明細書
【特許文献23】米国特許第5,509,408号明細書
【特許文献24】米国特許第5,535,741号明細書
【特許文献25】米国特許第5,813,423号明細書
【特許文献26】米国特許第5,660,174号明細書
【特許文献27】米国特許第6,418,929号明細書
【特許文献28】国際公開第01/32250号パンフレット
【特許文献29】国際公開第02/05883号パンフレット
【特許文献30】国際公開95/09023号パンフレット
【特許文献31】オーストラリア国特許仮出願PS1926
【特許文献32】米国仮特許出願 60/377,254
【特許文献33】米国仮特許出願 60/397,195
【特許文献34】米国仮特許出願 60/402,509
【特許文献35】米国仮特許出願 10/391,440
【特許文献36】米国仮特許出願 10/390,682
【特許文献37】米国仮特許出願 10/390,681
【特許文献38】米国仮特許出願 10/390,720
【特許文献39】米国仮特許出願 10/390,826
【特許文献40】米国意匠特許出願Des 29/166,190
【特許文献41】国際公開2001/32250号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様によると、未成年に適したマスクアセンブリが提供される。
【0017】
本発明の第2の態様によると、良好な密封で広範囲の未成年に適合し、市場化するために経済的である、クッション、フレーム、ヘッドギア、ヨークおよびその他のマスク構成要素のシステムが提供される。
【0018】
本発明の別の態様によると、一般に2〜6才の子供のためのクッションが、6〜16才の未成年用のクッションよりも浅い鼻梁領域を有する、マスククッションのシステムが未成年のために提供される。
【0019】
本発明の別の態様によると、一般に2〜6才の子供のためのクッションが、6〜16才の未成年用のクッションよりも大きい半径の膜の下側隅縁部を有する、マスククッションのシステムが未成年のために提供される。
【0020】
本発明の別の態様によると、成人サイズのフレームに対応するために装着されるように構成されたマスククッションのシステムが、ほぼ6〜16才の未成年のために提供される。
【0021】
好ましい一実施形態では、呼吸マスクとともに使用するためのヘッドギアは、マスクのマスクフレームに備えられるようにそれぞれ構成された第1および第2のストラップを備え、前記第1および第2のストラップのそれぞれがヨークを備え、各前記ヨークは、未成年の患者または小柄成人の患者の少なくとも一方に対応するように製造および構成されている。
【0022】
上記で説明したヘッドギアとともに使用されることができる別の実施形態では、鼻用マスクとともに使用するためのクッションは、患者との密封を形成するための顔接触部分を備える外側膜と、前記膜の下に配置された下側リムとを備え、前記膜および前記リムが、未成年の患者または小柄な成人の患者の少なくとも一方に対応するように互いに対して形成および配置されている。
【0023】
これらおよびその他の態様は、以下の説明に記載される、または以下の説明から明らかになるであろう。
【0024】
好ましい実施形態が、以下の図面に関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】関連技術の幼児用バブルマスクを示す図である。
【図2】成人の患者上での関連技術のVISTA(商標)マスクの透視図である。
【図3】VISTA(商標)マスクの側面図である。
【図4】VISTA(商標)マスクの前面図である。
【図5】VISTA(商標)マスクのヘッドギアヨークの側面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態によるヘッドギアヨークの平面図である。
【図7】図6の断面7−7に沿った断面図である。
【図8】図6に示すヨークの底面図である。
【図9】本発明の実施形態による側部ヘッドギアストラップの平面図である。
【図10】本発明の実施形態による中央後部ヘッドギアストラップの平面図である。
【図11】図10の中央後部ヘッドギアストラップおよびVISTA(商標)を比較する平面図である。
【図11a】本発明の実施形態によるヘッドギアクロスオーバを示す図である。
【図11b】本発明の実施形態によるヘッドギアクロスオーバを示す図である。
【図11c】本発明の実施形態によるヘッドギアクロスオーバを示す図である。
【図12】本発明の実施形態(「キッド」クッション)による、フレームに装着されたクッションの平面図である。
【図13】「キッド」クッションの立面図である。
【図14】「キッド」(フレームなし)クッションの側部立面図である。
【図15】「キッド」クッションの底部立面図である。
【図16】「キッド」クッションの透視図である。
【図17】他のクッション形状と比較した「キッド」クッションの平面図である。
【図18】成人用VISTA(商標)と比較した寸法の変化を示す「キッド」クッションの下側リムの背面記録図である。
【図19】成人用VISTA(商標)クッションと比較した寸法の変化を示す「キッド」クッションの膜を示す図である。
【図20】「キッド」クッションの膜の縁部、およびより丸みを帯びた「ミニ」クッションの下側隅部を示す図である。
【図21】本発明の実施形態によるマスクのシステムの概略プロット図である。
【図22】本発明による「キッド」クッションの背面図である。
【図23】VISTA(商標)および/またはその他の前の実施形態と比較した本発明による「キッド」クッションの底面図である。
【図24】本発明による「キッド」クッションの上面図である。
【図25】本発明による、使用中の「キッド」クッションの側面図である。
【図26】本発明の実施形態によるクッションのための上部口唇デザインの特徴を示す図である。
【図27】VISTA(商標)、キッドスタスモール、キッドスタエクストラスモールを比較した、本発明による鼻幅対鼻またはブリッジ高さをプロットしたサンプルフィッティングチャートである。
【図28】「キッド」、キッドスタスモールおよびVISTA(商標)のクッションを比較した断面図である。
【図29】「キッド」、キッドスタスモールおよびVISTA(商標)のクッションを比較した部分平面図である。
【図30】本発明の実施形態による、ブリッジ中央深さを基にしたサンプルフィッティングチャートである。
【図31】「キッド」、キッドスタスモールおよびVISTA(商標)のクッションを比較した部分断面図である。
【図32】本発明の実施形態によるキッドスタスモールクッションの平面図である。
【図33】本発明の実施形態によるキッドスタスモールクッションの背面図である。
【図34】本発明の実施形態によるキッドスタスモールクッションの側面図である。
【図35】図32の断面35−35に沿った断面図である。
【図35a】寸法および/またはリムに対する膜の相対的な縮尺位置を含む、図32に示す例示的な断面の図である。
【図35b】寸法および/またはリムに対する膜の相対的な縮尺位置を含む、図32に示す例示的な断面の図である。
【図35c】寸法および/またはリムに対する膜の相対的な縮尺位置を含む、図32に示す例示的な断面の図である。
【図35d】寸法および/またはリムに対する膜の相対的な縮尺位置を含む、図32に示す例示的な断面の図である。
【図35e】寸法および/またはリムに対する膜の相対的な縮尺位置を含む、図32に示す例示的な断面の図である。
【図35f】寸法および/またはリムに対する膜の相対的な縮尺位置を含む、図32に示す例示的な断面の図である。
【図35g】寸法および/またはリムに対する膜の相対的な縮尺位置を含む、図32に示す例示的な断面の図である。
【図36】図35からの詳細図である。
【図37】図35からの別の詳細図である。
【図38】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの平面図である。
【図38a】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの様々な断面図である。
【図38b】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの様々な断面図である。
【図38c】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの様々な断面図である。
【図38d】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの様々な断面図である。
【図38e】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの様々な断面図である。
【図38f】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの様々な断面図である。
【図38g】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの様々な断面図である。
【図39】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの背面図である。
【図40】本発明の実施形態によるキッドスタエクストラスモールクッションの側面図である。
【図41】図38の断面41−41に沿った断面図である。
【図42】図41からの詳細図(縮尺2対1)である。
【図43】本発明の実施形態によるフレームの上面図である。
【図44】異なる位置での図43のフレームの図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図2〜5は、ResMed Incorporatedによって製造されているVISTA(商標)として公知である関連出願のマスクを示している。マスクアセンブリ100は、(i)柔らかい顔に接触するクッション110、(ii)スイーベルエルボー130、(iii)ヘッドギアクリップ140、(iv)クッション110を受け、スイーベルエルボー130およびヘッドギアクリップ140を支持するように構成されたフレーム120と、(v)ストラップ160およびヘッドギアヨーク170を備えるヘッドギア150とを備える。
【0027】
成人患者200の顔220上でのクッション110およびフレーム120の安定化は、サイズ、形状、およびヘッドギア150上でのヨーク170の位置調整によって補助される。従来技術のマスクの支点およびねじりの影響に関連するSullivan & Wilkieによって特定された問題にもかかわらず、より大きな安定性が、本発明によるマスクを用いて未成年で達成されることができる。一実施形態では、本願発明人は、未成年、または小さいまたは子供のような顔の形態を有する成人での使用に適するように、図2〜5のVISTA(商標)マスクを再設計した。
【0028】
図6〜16は、類似の要素が図2〜5に示したVISTA(商標)と比較して類似の要素によって参照されている、本発明の好ましい実施形態による未成年で使用するためのマスクシステムの構成要素を示している。
【0029】
米国食品医薬品局(FDA)は、未成年に対して以下の分類をしている。
【0030】
【表1】

【0031】
本発明の態様によると、異なる分類を使用するマスクシステムが提供される。
【0032】
【表2】

【0033】
マスクシステムは、FDAによって定義された未成年の同じ範囲と適合することができる。しかし、4つの別個のマスクシステムは必要ない。
【0034】
成人では、ある範囲の人に適合するのに適したマスクのシステムは、体格および人種上の鼻の特徴を考慮している。たとえば、東アジア型の鼻は、コーカサス型の鼻と比較して低い鼻梁領域を有する。しかし、5〜7才以下の子供での人種上の差異はほとんどない。特に、新生児、幼児および小さい子供は、鼻梁を有さない。子供は、成人よりも小さい頭および顔を有するだけでなく、彼らの頭および顔は異なる形状である。本発明の態様によると、その中で構成要素の最小の組が、広範囲の人々に適合するように使用されることができるマスク&ヘッドギアのシステムのサイズが開発されている。
【0035】
【表3】

【0036】
本明細書に記載したマスクシステムでの利点は、極めて広範囲の未成年が、ほとんど漏れがなく、快適であるが、製造業者が製造および市場に流通させるのに経済的であるマスクを見出すことができることである。青年、若い成人または未成年の市場は、標準的な成人の市場と比較して小さく、製品を市場に出すためのビジネスに対して経済的に刺激的ではない。しかし、本発明によるシステムが製造されると、このようなマスクを製造することが、より経済的に実現可能になる。
【0037】
ヘッドギアヨークデザイン
図6〜8は、本発明の実施形態による未成年に適した(左側の)ヘッドギアヨーク170を示している。ヨーク170は、鉛直フィンガ310と、ヘッドギアストラップを受けるためのラダーロック320と、下側ヨークフィンガ330と、クリップ140(図3)を受けるための鍵型のくぼみ311とを備える。ヘッドギアヨーク170は、好ましくは以下の特徴の1つまたは複数を有する。
1.アイライン230と耳たぶ240の間の中間に配置されたヨーク鉛直フィンガ310(図2参照)
2.アイライン230と頭頂部250の間の距離の1/3に配置されたヨークラダーロック320
3.下側ヨークフィンガ330と耳たぶ240の最下点の間に維持されている5mmの隙間
4.耳たぶ240の最下点の後ろ約15mmに配置された下側ヨークフィンガ330
5.VISTA(商標)のように、約15°〜20°、好ましくは17°で配置された下側ヨークフィンガ330。
【0038】
表4は、関連技術のVISTA(商標)ヘッドギアヨークを、本発明の好ましい実施形態による「ミニ」および「キッド」と呼ばれる2つの「スモール」ヘッドギアヨークと比較している。表4の第1行は、ヘッドギアヨークの4つの形態(A、B、CおよびD)を特定している。これらの形態は図6に示されており、図7、8は、ヨーク170の追加の図を示している。寸法の値は、以下の表4で列挙し、図面に示した寸法の値から±20%まで、好ましくは±10%まで変動してよい。たとえば、距離Aは約90〜100mmにすることができ、距離Bは約80〜100mmにすることができ、距離Cは約25〜40mmにすることができ、距離Dは45〜55mmにすることができるが、他の距離も可能である。
【0039】
図11a〜11cは、図4に示したクロスオーバの代わりに使用されることができるヘッドギアクロスオーバ80を示している。クロスオーバ80は、ほぼ正方形の外見を有する主本体82を備えるが、他の形状も可能である。各側面は、図10および11に示したストラップ160の1つを受けるためのスロット84を備えてもよい。例示的な寸法が図11a〜11cに示されているが、他の寸法も可能である。クロスオーバ80は、図4のクロスオーバと比較して改良された外見を有する。また、クロスオーバ80は、それを通って走るストラップに対してより大きな摩擦を有し、したがって、図4のクロスオーバよりも場所からの滑動に抵抗する。たとえば、クロスオーバ80に対する滑動力は、約100〜150%の間で増加されてもよい。
【0040】
【表4】

【0041】
ヘッドギアストラップデザイン
図9は、図6に示したヨーク170とともに使用するのに適した側部ヘッドギアストラップ162を示している。ストラップ162は、鉛直部分163と下側部分164を備える。ヨークは、図5に示したように、VISTA(商標)のヨークおよびストラップに関連して示したのと同様の方式で、ストラップ160上に装着されている。たとえば、ヨークおよびストラップは、縫製、接着剤などを介して互いに固定されることができる。
【0042】
ヘッドギアストラップ160は、図9に示したような寸法を備えてもよい。しかし、これらの寸法は例示に過ぎず、他の寸法が代わりに使用されてもよい。たとえば、ストラップ160は、図9の例で示した寸法の値から±20%まで、しかし好ましくは±10%までのみしか変動しない寸法を有してもよい。ヨークに対する他の変形形態が以下で示されており、これもヘッドギアストラップの寸法に影響を与えることもある。
【0043】
図10は、ヘッドギア150のための中央ストラップ160を示している。中央ストラップ160の好ましい寸法は、例示に過ぎず、ここに示した値の±10%〜20%まで調節されてもよい。図11は、VISTA(商標)中央ストラップと隣り合わせで比較した「キッド」の中央ストラップ160を示している。図10に示した中央ストラップ150の後幅は、VISTA(商標)中央ストラップと比較して、約30mm減少させることができる。また、中央ストラップ150は、ラベル(ラベル領域161内)およびラダーロックに対応することができる。
【0044】
クッションデザイン
図12〜16は、本発明の実施形態(たとえば「キッド」)によるクッション110を示している。図12〜13および15は、標準的なVISTA(商標)フレーム120上に装着されたクッションを示している。クッション110は、二重壁の顔接触部分を備える。図12に示すように、二重壁は、密封構造を形成する薄い可撓性の外側膜910と、支持構造を形成する下側リム920を備える。図12では、リム920は、膜910を通っておよび/または膜の下に見えるように破線で示されている。図13の上面図に示すように、クッション110は、患者接触領域1110およびフレーム係合領域1120を有する。クッション110およびフレーム120は、米国特許出願第60/402,509号、または上記で列挙した出願の他のものに記載のように、VISTA(商標)マスクでのように互いに係合するように構成されているが、他の係合方法も可能である。膜910およびリム920の両方は好ましくは、図12に示すように、鼻梁ノッチ930、1対の側部部分940、および曲線状の口唇領域950を備える。
【0045】
クッション110は、VISTA(商標)マスクのために使用されているものなどのシリコーン材料から製造されているが、たとえばゲル、フォーム、シリコーンおよびそれらの組合せなどの他の材料が使用されることもできる。
【0046】
本発明の実施形態によると、2〜3の「キッド」クッションサイズおよび2〜3の「ミニ」クッションサイズが、2〜16才の未成年に適合するように使用されることができる。
【0047】
「キッド」の範囲のクッションが、成人用VISTA(商標)フレーム(たとえば図2〜5、12、13および15のフレーム120を参照)に適合するため、これらは、クッション110の比較的小さい患者接触領域110とフレーム係合部分1120の間の遷移部分を提供するほぼ内側に傾斜する外壁1130(図13〜16参照)を有する。外壁は、同様に段差を付けられてもよい。いずれの場合でも、クッションの底部の領域(クッションがフレームと接触する)は、部材が顔の組織に接触する領域よりも広く突き出している。領域の差異(すなわち、クッションの底部の突き出した領域)は、顔との密封を維持するために必要な圧力を減少させるのを助けることができる。このことは、使用可能な患者接触領域が制限されることもある、未成年または小柄な成人の患者に関して特に有利である。
【0048】
さらに、キッドスタスモールおよびキッドスタエクストラスモールマスクによって覆われる領域が小さいと、減少したヘッドギア装着を結果として生じさせる。マスク内の空気圧に曝される顔の領域が小さいと、力が領域による圧力と等しいため、小さい全体的な反力を結果として生じさせる。マスク内の圧力による反力は、特に高い空気圧では、マスクへの荷重の重要な構成要素である。したがって、マスクへの全荷重、およびこの荷重に適合するのに必要なヘッドギアストラップの荷重は、小さいマスク領域でより小さくなる。
【0049】
「キッド」および「ミニ」の範囲のクッションは両方、VISTA(商標)クッションの成人の範囲よりも小さいだけでなく、異なる形状を有する。たとえば、「キッド」および「ミニ」クッションは両方、成人用VISTA(商標)クッションと比較して、鼻梁領域内の比較的浅いノッチと、口唇領域内の比較的浅い曲線を有する。図27、28、31、32および34も参照。
【0050】
表5は、本発明の一実施形態による「キッド」クッションのサイズの変化を示している。クッション110の膜910は、膜910の縁部970によって画定されるオリフィス975(図12および17)を有する。リム920の縁部980によって画定される対応するオリフィス985 (膜910を通って見えている)がある。使用中、患者200の鼻は、オリフィス975を通過する。
【0051】
VISTA(商標)クッションと比較すると、リム920のオリフィス985は、その周縁全体で約3mm小さいが、膜910は、約0〜3mm変動する量だけ小さい。図17は、その対応する大きなオリフィスとともに、対応する成人サイズのVISTA(商標)クッションでの膜の縁部の一般的な位置を示す破線972を示している。図18は、VISTA(商標)クッションと比較した「キッド」クッションのリムの相対的な変化を概略的に示しており、図19は、VISTA(商標)と比較した「キッド」の膜の相対的な変化を概略的に示している。クッションの高さの相対的な変化は、鼻梁領域での比較的浅いノッチおよび口唇領域での比較的浅い曲線に影響を与える。
【0052】
【表5】

【0053】
本発明の別の実施形態によると、「キッド」クッションは、患者接触領域での膜の高さで鼻梁部分のフレーム係合部分からさらに3〜4mm、したがって、成人用クッションと比較したとき全体として9〜10mm増加している。リムにも対応する変化がある。
【0054】
本発明の別の実施形態によると、「ミニ」クッションは、患者接触領域での膜の高さで鼻梁部分のフレーム係合部分からさらに6〜7mm、したがって、成人用クッションと比較したとき全体として12〜13mm増加している。リムに対応する変化がある。このように、「ミニ」クッションは、「キッド」クッションと比較して鼻梁領域でずっと浅いノッチを有する。「ミニ」クッションは、「キッド」クッションよりも小さいフレームを使用しているため、顔接触部分とフレーム係合部分の間の遷移領域内にほぼ傾斜する外壁を有さない。また、「ミニ」クッションは一般に、より良い安定性のために顔により近接している。このような浅いノッチが、図15の破線990で示されている。また、図20に示すように、「ミニ」クッション1510の下側隅部は、「キッド」クッションの対応する隅部よりも丸みを帯びている(すなわち半径が大きい)。クッションは、鼻梁領域、上部口唇領域および2つの側部領域を備える。この例では、膜およびリムはそれぞれ、オリフィスを有し、膜オリフィスの幅は、口唇領域で約30から32mmの間であり、各側部領域で約18から20mmの間であり、鼻梁領域で約22から24mmの間であり、リムオリフィスの幅は、鼻梁領域で約34から36mmの間であり、口唇領域で約32から34mmの間であり、クッションの各側部領域で約42から44mmの間である。膜およびリムはそれぞれ、フレームと係合するクッションの部分から測定したときの高さを有する。膜の高さは、鼻梁領域で約27から35mmの間であり、口唇領域で約19から22mmの間であり、クッションの各側部領域で約33から35mmの間であり、リムの高さは、鼻梁領域および口唇領域で約13から18mmの間であり、前記各側部部分でのリムの高さは、約25から27mmの間である。
【0055】
一般に、本発明によるマスクアセンブリを製造するために使用される材料は、VISTA(商標)マスクを製造するために使用されるものと同じである。
【0056】
図21に示すように、異なるマスクおよびクッションの間で年齢の重なりがあってよい。たとえば、ある7歳の未成年者は、「ミニ」(図21で「ミニ」として示されている)マスクが小さすぎ、「キッド」(図19で「キッド」として示されている)が適切であることを見出すかもしれない。もちろん、ミニおよびキッドは、小さい顔の形状または未成年の形状を有する成人の患者のために使用されてもよい。
【0057】
さらなる実施形態
本発明のさらなるクッションの実施形態が、図22〜45に関連して説明されている。これらの実施形態は、「スモール」(「キッドスタスモール」)および「エクストラスモール」(「キッドスタエクストラスモール(XS)」)を作成するために、クッションをVISTA(商標)マスクフレームに適合させるために同じ基本的な構造を好ましくは維持しながら、VISTA(商標)、キッドまたはミニクッションを収縮および/または再調整することにも関連する。上記で説明した「キッド」および「ミニ」クッションに試験を行った結果、新規な実施形態が開発された。
【0058】
下側リム920は、たとえば図37に示すようなフレームに付着するところで、VISTA(商標)と同じ断面を好ましくは有するが、膜910の断面および/または下側リム920とのその関係は、VISTA(商標)と同様であり、特に鼻梁領域930−膜910で両方微調整されていることに留意する。クッションの高さ(たとえば、下側リム920から測定された距離(すなわち、図22に示すような上唇(鼻の下)からクッションの上部まで))は、高さが、クッション110をフレーム120に適合させなければならないことに影響され得ることを留意して、VISTA(商標)の高さとできる限り同じに維持されるべきである。
【0059】
下側リム920については、一態様は、幅および有効高さの寸法が、すべての寸法がmm単位である表6に対応するように、ほぼその全長に沿って開口985のサイズを減少させることである。たとえば、キッドスタSおよびXSの幅は、約30〜42mmであってよく、有効高さは、約32〜42mmであってよく、有効鼻梁深さは、約13〜24mmであってよいが、他の寸法も可能である。開口985の幅および高さを示している図22を参照。膜910のサイズは、比例が維持されている場合、下側リム920を追従する。
【0060】
【表6】

【0061】
上部口唇950領域は、距離zが約2mmであるように上昇されるべきである。図23を参照。膜ブリッジ930は、表6に示すように好ましくは調節される有効深さ(すなわち、図24に示すように、下側クッション920から膜910の鼻梁領域の底部までの距離)を有する。図24を参照。下側クッション920は、これがフレーム120に着座するのを助ける場合、上昇されすぎてもよい。鉛直方向の寸法のみを調節することが望ましいが、追加の調節も望ましい。
【0062】
図25は、未成年に使用するときの、上記で説明した「ミニ」または「キッド」の側面図を示している。図示のように、ヨーク170の鉛直フィンガ310は、使用者の目に近すぎることもありえ、および/またはヨーク下側フィンガ330が、耳たぶの下側部分に当たることもありうる。したがって、キッドスタSでは、表4による寸法「C」が、耳のより近くに鉛直フィンガを移動させ、それによって視野を増加させるために、約9mm(すなわち、全体で約37mm)だけ増加されることができる。下側耳たぶに当たることを回避するまたは回避するのを助けるために、図6による寸法「B」および/または「D」が、たとえばこれらの寸法をそれぞれ4mmだけ増加させることによって変更されることができる。すなわち、全体寸法「B」は約90mmになり、全体寸法「D」は約50mmになる(すなわちVISTA(商標)よりもわずかに小さい)。下側フィンガ330は全半径を備えてもよい。
【0063】
「キッド」または「ミニ」は、目への侵入を回避するため、「硬い縁部」のクッションによる不快な刺激を回避するため、および/または、たとえば無駄な空気空間を減少させるためにクッションのサイズを減少させるために、特に11才未満の子供に対して、鼻梁領域での漏出を回避するようなより良い寸法および/または形状にされてもよい。
【0064】
目への侵入をより良く回避するために、キッドスタXSクッションが、眼窩を避けるために約5mmだけ(キッドスタSと比較して)さらに短縮されてもよい。上述のように、フレームサイズは好ましくは同じままである。
【0065】
キッドまたはミニクッションの深さは、VISTA(商標)よりも約3mm深かったが、このことは、起こり得る不安定性をもたらし、ヘッドギアの適合を困難にしうる。キッドスタSでは、高さが、VISTA(商標)の高さに対して近似的に減少される。
【0066】
キッドおよびミニでは、半径は、上部口唇を横切って小さくなっており(VISTA(商標)と比較して)、漏出または不快感は報告されていない。したがって、本実施形態によるキッドスタSに対しても、VISTA(商標)と比較して2mm小さい半径を維持する。キッドスタXSについては、半径は、それに比例してさらに2mm減少され、より小さい唇を有する患者に対応することを助けうる。図26を参照。
【0067】
サイジング戦略に関して、1つの目的は、ほぼ等しい人口範囲を有する2つのサイズのみしか使用しないことである。サイジングに最も影響を有する寸法は、最大鼻幅(マスクの幅を制限する)、鼻中隔からアイラインまでの最小鼻高(マスクの高さを制限する)および最小の鼻梁深さ(マスクの浅さを制限する)である。発明人は、幅および高さの成長が5〜16才のグループに対してほぼ線形であることを発見した。マスクは、約5才の年齢ブロックを固定するように、および各ブロック内での最大の幅および最小の高さに適合するように設計されている。鼻梁領域の中間からのデータは、広く使用可能ではなく、したがって、各ブロック内で線形であるように仮定されている。以下の表7を参照。
【0068】
【表7】

【0069】
図27は、鼻幅および鼻またはブリッジ高さを基にしたサイジングチャートである。
【0070】
図28〜29は、比較の目的で、VISTA(商標)およびキッドまたはミニの他のクッションとともにキッドスタSの他の様々な特徴を示している。
【0071】
図30は、たとえばキッドスタS、キッドスタXS、キッドまたはミニ、VISTA(商標)(S−W)およびVISTA(商標)(標準)のブリッジの中央深さ対クッションタイプを示している。キッドまたはミニと比較して、鼻梁深さは、キッドスタSに対して約3mm、キッドスタXSに対して7mmだけ減少されている。また、通気孔は、VISTA(商標)と同一または類似である。図31参照。
【0072】
図32〜37は、キッドスタSの様々な図を示し、図38〜42は、キッドスタXSの様々な図を示し、これらは寸法例を含んでいる。寸法は、図示した例示的な値の約±20%まで変更されることができるが、好ましくは約±10%までしか変更されない。図32〜42は、縮尺で描かれている、または少なくともクッション部分の間の相対距離を縮尺して示されている。
【0073】
図32および38に示すように、クッションは、たとえば、ダイヤモンドの形態またはその他の形状の1つまたは複数のマーカー911を備えることができる。マーカーは、位置合わせを容易にするための視覚的な標示を提供するために、フレーム上の同様のまたは相補的なマーキングとともに設けられてもよい。
【0074】
ヘッドギアクリップ
VISTA(商標)(図2〜5)に示すようなヘッドギアクリップ140は、PBT、プラスチック、弾力性材料製であってもよいが、他の材料が使用されてもよい。本実施形態については、クリップは、好ましくは「BOREALIS」の商標下で入手可能であるポリプロピレン製であってもよい。ポリプロピレン製のクリップは、PBTよりも可撓性であってもよいが、このことは、特に未成年による、たとえばクリップの組立ておよび分解の操作を容易にする。たとえば5才の少女がポリプロピレンチップを操作することができる。このことは、患者の順応性を増加させることを助けることができる。
【0075】
フレーム
既存のVISTA(商標)タイプのフレーム120は、鉛直方向および横方向運動からの両方でマスクを支持する頬部片(図2〜5参照)を備える。これらの頬部片は、最大の快適性を有する最大の安定性を提供するために頬および/または顎との軽い接触を好ましくは維持している。
【0076】
人によって異なる顔の幅を有するため、問題が生じる。ある人物に最適な接触を提供するフレームの幅は、別の人物にはきつすぎ、さらに別の人物には緩すぎる。
【0077】
フレームがきつすぎる場合、患者は痛みまたは皮膚の損傷を受けることがある、またはもはやきつくないようにマスクを調節することになるが、もはや密封しない、または効果的な治療を提供しないことになる。マスクが緩すぎる場合、マスクは、特に患者が寝返りをうち、片側の頬を枕に押し付けるとき過度の横方向運動を有することになる
【0078】
本発明の別の態様は、きつすぎに優先する緩すぎの傾向を有して、多数の患者に適したサイズを選択することである。顧客が狭い、中間または広いマスクフレームから選択するように、サイズの範囲が導入されることが予見される。
【0079】
図43〜44は、頬部片123とマスクフレームの主本体125の間に、剛性ではなく可動な接続部121を有するフレーム120を示している。このことは、頬部片の間のフレームの幅が、患者に適合するように調節されることを可能にする。
【0080】
このアイデアが実施されることができるいくつかの異なる方法がある。たとえば、頬部片123は、内外に揺動することができるようにヒンジ上に装着されることができる。頬部片123は、自由に運動するか、戻り止め、摩擦および/またはピンスロット構成を介して、1つまたは複数の所定の位置にロックされるかのいずれかであってよい。
【0081】
別法として、頬部片123は、あまり力を必要とせずに内外に曲がることができるように、可撓性に装着されることができる。中立位置が患者の顔よりも広いように設定されている場合、ヘッドギア内の張力が、その人物に対しての理想的な位置に向かって頬部片を引き込むことになる。
【0082】
さらなる代替形態では、頬部片123が、中立位置が患者の顔よりも狭いように設定されている場合、頬が、その人物に対して理想的な位置に向かって頬部片を押し出すことになる。別の方法では、頬部片は、ねじ構成などの、ある種の調節機構を使用して内外に調節されることができる。
【0083】
可動な頬部片では、マスクは、広範囲の患者にとってより快適であることができる。幅広の顔を有する患者は、頬への過度の圧力をもはや受けないことになる。
【0084】
マスクは、より固定して顔に装着されてもよく、その結果、細い顔を有する人にとって、または、マスクを調節する幅広の顔を有する人にとってより快適にするための少ない努力で、より小さいマスクの運動を生じさせる。このより大きな固定性の結果、より少ない漏出となり、より大きな快適性およびより効果的な治療をもたらす。
【0085】
このことは、VISTA(商標)タイプのマスクを、様々な異なる顔の形状に適合することをより容易にする。1つのマスクがこのように大きな範囲に適合するため、在庫はほとんど必要とされないだろう。
【0086】
調節可能なマスクフレームの使用は、2つ以上のフレームサイズの必要性を停止させる。このことは、在庫および工作コストを減少させる。
【0087】
広範囲の顔の形状に容易に適合することは、マスクに魅力を感じる人の範囲を増加させる。本発明は特定の実施形態を参照にして説明されてきたが、この実施形態は本発明の原理の適用例の例示に過ぎないことを理解されたい。様々な修正がここで行われることができ、他の構成が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく考案されることができる。
【符号の説明】
【0088】
80 ヘッドギアクロスオーバ
84 スロット
100 マスクアセンブリ
110 クッション
120 フレーム
130 スイーベルエルボー
140 ヘッドギアクリップ
150 ヘッドギア
160 ストラップ
162 側部ヘッドギアストラップ
163 鉛直部分
164 下側部分
170 ヘッドギアヨーク
200 成人患者
220 顔
230 アイライン
240 耳たぶ
250 頭頂部
310 鉛直フィンガ
311 鍵型のくぼみ
320 ラダーロック
330 下側ヨークフィンガ
910 外側膜
911 マーカー
920 下側リム
930 鼻梁ノッチ
940 側部部分
950 口唇領域
970、980 縁部
975、985 オリフィス
990 ノッチ
1110 患者接触領域
1120 フレーム係合領域
1130 外壁
1510 隅部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者との密封を形成するための顔接触部分を備える外側膜と、
前記膜の下に配置された下側リムとを備え、
前記膜および前記リムが、未成年の患者または小柄な成人の患者の少なくとも一方に対応するように互いに対して形成および配置されている鼻用マスクとともに使用するためのクッション。
【請求項2】
前記クッションが、鼻梁領域、上部口唇領域および2つの側部領域を備え、
前記膜およびリムがそれぞれオリフィスを有し、
前記膜オリフィスの幅が、前記口唇領域で約30から32mmの間であり、前記側部領域のそれぞれで約18から20mmの間であり、前記鼻梁領域で約22から24mmの間であり、
前記リムオリフィスの幅が、前記鼻梁領域で約34から36mmの間であり、前記口唇領域で約32から34mmの間であり、前記側部領域のそれぞれで約42から44mmの間であり、
膜および前記リムがそれぞれ、前記フレームと係合する前記クッションの部分から測定された高さを有し、
前記膜の高さが、前記鼻梁領域で約27から35mmの間であり、前記口唇領域で約19から22mmの間であり、前記側部領域のそれぞれで約33から35mmの間であり、
前記リムの高さが、前記鼻梁領域および前記口唇領域で約13から18mmの間であり、
前記リムの高さが、前記側部領域のそれぞれで約25から27mmの間である請求項1に記載のクッション。
【請求項3】
前記リムが、約30〜42mmの間の幅、約32〜42mmの間の平面図で見た前記リムの縁部から前記クッションの上部までで鉛直方向に測定された有効高さ、約13〜24mmの間の上面図で見た前記鼻梁領域の前記膜から各前記側部領域の前記リムまでで鉛直方向に測定された有効ブリッジ深さを有する開口を備える請求項1に記載のクッション。
【請求項4】
前記幅が約39〜40mmの間であり、前記高さが約35mmであり、前記深さが約15mm未満である請求項3に記載のクッション。
【請求項5】
前記幅が約34〜35mmの間であり、前記高さが約40mmであり、前記深さが約20mmである請求項3に記載のクッション。
【請求項6】
前記膜が、前記リムの輪郭をほぼ追従している請求項3に記載のクッション。
【請求項7】
フレーム接続部分が、前記顔接触部分の反対側に設けられ、前記クッションが、前記顔接触部分の突き出した領域が、前記膜の前記顔接触部分によって画定される領域よりもほぼ大きいように、ほぼ段差付きおよび/または傾斜付きの輪郭形状を有する請求項1に記載のクッション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図35a】
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【図35b】
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【図35c】
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【図35d】
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【図35e】
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【図35f】
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【図35g】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図38a】
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【図38b】
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【図38c】
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【図38d】
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【図38e】
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【図38f】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2010−284563(P2010−284563A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221627(P2010−221627)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【分割の表示】特願2006−501368(P2006−501368)の分割
【原出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD