説明

1種以上の病原体に対抗して使用するための組成物

【課題】 本発明は、1種以上の病原体に対抗して使用するための組成物であって、少なくとも1種の拮抗性微生物および請求項1で規定される少なくとも1種の塩および/またはその誘導体を含む組成物に関する。本発明は、さらに、バイオ農薬として使用するための該組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拮抗性微生物および塩を含有する組成物に関する。さらに本発明は、バイオ農薬として使用するための該組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトを含めた動物および植物の病原性の感染、例えば真菌感染は世界中で生産能力のかなりの損失を招く。多数の病原体は作物および収穫産物の重大な経済的損失の原因である。例えば、ペニシリウム(Penicillium)およびボトリチス(Botrytis)種は重大な経済的損失の原因である。これらの種が食物中にありふれていることが特に問題である。いくつかの種は毒素を生産し、食物を食べられなくするか、あるいは危険にさえすることがある。ペニシリウムの種は、例えばリンゴ(Malus)、セイヨウナシ(Pyrus)およびレモン(Citrus spp)に対して、深刻な果実の腐敗を生じさせうる。
【0003】
病原体に対する農薬(殺虫剤)は当技術分野において周知であり、多年にわたって集中的に使用されてきた。動物および植物における真菌および細菌感染の予防的および/または治療的処置のための方法は、概して、抗真菌および抗細菌性農芸化学製品の適用または生物学的駆除物質ベースのより環境に優しいバイオ農薬の使用を含む。いくつかの理由により、化学的駆除よりも生物学的駆除に関する関心が急速に高まっている。その理由は、例えば残留物削減、環境問題、化学農薬に耐性の病原体菌株の出現または化学農薬の使用の制限である。
【0004】
生物学的駆除物質として、病原体に拮抗性の微生物が公知である。植物病原体に対抗する酵母または他の微生物を含む組成物の使用に関する文献が公開されていて、その中でも、EP 1 238 587は、その実施例中で、高濃度のCaCl2%(20g/l)とともに拮抗性微生物を含む組成物を開示している。WO 99/62340、WO 99/62341、U.S. Pat. No 5,525,132、U.S. Pat. No 5,741,699、U.S. Pat. No 6,060,429、WO 00/44230、U.S. Pat. No 5,288,488およびU.S. Pat. No 5,780,023を他の例として引用することができる。
【0005】
細菌、真菌および酵母のうちの種々の微生物が、病原体によって生じる植物疾患に対抗して使用され、成功を収めている。市販の生物学的駆除製品、例えばAspireTMCandida oleophila Montrocher,I-182)およびBiosaveTMPseudomonas syringae van Hall,Esc-11)は、それぞれEcogen Inc.(Longhorn, PA)およびEcoscienceCorp.(Worcester, MA)からすでに入手可能であり、とりわけ収穫後のリンゴに関する創傷疾患に対抗して使用される。
【0006】
しかし、これらのバイオ農薬は十分には有効でないとわかることが多かった。これらの第一世代の生物学的駆除製品は、単一アンタゴニストの使用に依存するものであり、市販の条件下で使用される場合に安定かつ信頼のおける保護活性を提供しないことで批判されている。真菌および特にリンゴ青カビ病菌(Penicillium expansum)感染を駆除するそれらの天然の能力を改善し、取扱い容量、およびコストを減少させるために、新規刺激物質が調査されている。
【0007】
実際、より有効な組成物は、より少ない量の処置あたりの拮抗性微生物しか使用しないことを可能にし、病原体に対する組成物の有効性を低下させることなく、かつ病原体に対する組成物の有効性の持続期間を制限することなく、そのため、収益性の経済的閾値に達する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記内容を考慮して、本発明の主な目的は、植物、その製品および動物に対して病原体によって引き起こされる疾患、例えばカビによって誘発される疾患に対抗して使用するために適した新規組成物を提供することである。本発明の別の目的は、最新技術の組成物と少なくとも同程度に有効な組成物を提供することである。本発明の別の目的は、病原体に対して同様またはより良好な有効性を有しつつ、より低濃度の拮抗性微生物しか含まない組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第一の態様では、本発明は、1種以上の病原体に対抗して使用するために適した新規組成物であって、少なくとも1種の拮抗性微生物および、式(1)の化合物、リン酸塩、硫酸塩、アスコルビン酸の塩、イソクエン酸の塩、シトラマル酸の塩、ラクトグルコン酸の塩、および/またはその誘導体を含む群から選択される少なくとも1種のカルシウム、ナトリウムまたはカリウム塩を含む組成物を提供する:
【0010】
【化1】

式中
AはCa、KまたはNaから、好ましくはCaまたはKから、より好ましくはCaから選択されるカチオンであり、式中、a、b、cおよびdは1〜3の整数であり、ただし、a x b=c x dであり、ならびにRは−O、−OHまたは
【0011】
【化2】

から選択され、nは0〜5の整数であり、RはH、−OH、−CH、−CO、−CH−OH、−CH−COから選択され、RはHまたは−CH−COOから選択され、ならびにRはH、−NHまたはOHから選択され、その場合、nが1である場合、RがHであれば、RはHではなく、かつRは−CHではない。
【0012】
特に、本発明は、1種以上の病原体に対抗して使用するために適した組成物であって、少なくとも1種の拮抗性微生物および、硫酸カルシウム、一塩基性リン酸カルシウムCa(HPO、二塩基性リン酸カルシウム(CaHPO)、三塩基性リン酸カルシウム(Ca(PO4))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO)、酢酸カルシウム、エタン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、エリトロン酸カルシウム、テオン酸カルシウム(calcium theonate)、リボン酸カルシウム、アラビノン酸カルシウム、キシロン酸カルシウム、リキソン酸カルシウム、アロン酸カルシウム、アルトロン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、マンノン酸カルシウム(calcium mannoate)、グロン酸カルシウム、イドン酸カルシウム、ガラクトン酸カルシウム、タロン酸カルシウム、アロヘプトン酸カルシウム(calcium alloheptonate)、アルトロヘプトン酸カルシウム(calcium altroheptonate)、グルコヘプトン酸カルシウム、マンノヘプトン酸カルシウム(calcium mannoheptonate)、グロヘプトン酸カルシウム(calcium guloheptonate)、イドヘプトン酸カルシウム(calcium idoheptonate)、ガラクトヘプトン酸カルシウム(calciumgalactoheptonate)、タロヘプトン酸カルシウム(calcium taloheptonate)、タルトロン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サッカリン酸カルシウム、粘液酸カルシウム、ラクトグルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、イソクエン酸カルシウム、またはシトラマル酸カルシウムから選択される少なくとも1種の塩を含む組成物に関する。
【0013】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1種の拮抗性微生物は、細菌、真菌および酵母を含む群から選択される。特定の実施形態では、前記拮抗性微生物は以下の種を含む群から選択される:アグロバクテリウム種(Agrobacterium spp.)、アンプレオミセス種(Ampelomyces spp.)、アオレオバシジウム種(Aureobasidiumspp.);バシラス種(Bacillus spp.)、ブレオマイセス種(Bulleromycesspp.)、カンジダ種(Candida spp.)、ケトミウム種(Chaetomium spp.)、コニオスリウム種(Coniothyrium spp.)、クリプトコッカス種(Cryptococcus spp.)、デバリオマイセス種(Debaryomyces spp.)、デケラ種(Dekkera spp.)、エルウィニア種(Erwinia spp.)、エクソフィアラ種(Exophilia spp.)、グリオクラジウム種(Gliocladium spp.)、ハンゼヌラ種(Hansenula spp.)、イッサチェンキア種(Issatchenkia spp.)、クルイヴェロマイシス種(Kluyveromyces spp.)、マリアナエア種(Mariannaeaspp.)、メッシュニコビア種(Metschnikovia spp.)、ミクロドキウム種(Microdochium spp.)、ペニシリウム種(Penicillium spp.)、カミカワタケ種(Phlebiopsis spp.);ピキア種(Pichia spp.)、シュードモナス種(Pseudomonasspp.)、シュードジマ種(Pseudozyma spp.)、ロドトルラ種(Rhodotorula spp.)、サッカロミセス種(Saccharomyces spp.)、スポロボロミセス種(Sporobolomyces spp.)、ストレプトミセス種(Streptomycessp.)、タラロミセス種(Talaromyces spp.)、トリコデルマ種(Trichoderma spp.)、ウロクラジウム種(Ulocladium spp.)、およびチゴサッカロミセス種(Zygosaccharomyces spp.)、好ましくはアグロバクテリウムラジオバクテル(Agrobacteriumradiobacter)、枯草菌(Bacillus subtilis)、リケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)、パミリス菌(Bacillus pumilis)、カンジダオレオフィラ(Candida oleophila)、カンジダサイトアナ(Candida saitoana)、カンジダサケ(Candida sake)、カンジダテニウス(Candidatenius)、カンジダウチリス(Candida utilis)、コニオシリウムミニタンス(Coniothyrium minitans)、クリプトコッカスアルビダス(Cryptococcusalbidus)、軟腐病菌(Erwinia carotovora)、グリオクラジウムカテナラタム(Gliocladiumcatenalatum)、グリオクラジウムビレンス(Gliocladium virens)、ハンセニアスポラウバルム(Hanseniaspora uvarum)、熱耐性クルイベロミセス(Kluyveromycesthermotolerance)、メッシュニコビアフルクチコラ(Metschnikovia fructicola)、メッシュニコビアレウカフィ(Metschnikowia reukafii)、ミクロドチウムディメルム(Microdochiumdimerum)、ペニシリウムオクザリカム(Penicillium oxalicum)、カミカワタケ(Phlebiopsis gigantean)、ピキアアノモラ(Pichia anomala)、ピキアグイリアモンディ(Pichia guilliermondii)、シュードモナスセパシア(Pseudomonascepacia)、シュードモナスクロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シリンゲ菌(Pseudomonas syringae)、シュードザイマフロクロサ(Pseudozyma flocullosa)、ロドトルラグルチニス(Rhodotorulaglutinis)、ロドトルラムシラジナーサ(Rhodotorula mucilaginosa)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、ストレプトミセスグリセオビリディス(Streptomyces griseoviridis)、タラロミセスフラバス(Talaromyces flavus)、トリコデルマアトロビリデ(Trichoderma atroviride)、トリコデルマハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマポリスポラム(Trichodermapolysporum)、トリコデルマビリディ(Trichoderma viride)、およびウロクラジウムアトラム(Ulocladium atrum)。
【0014】
本発明の一実施形態では、本組成物中で使用される少なくとも1種の塩はカルシウム塩である。好ましい実施形態では、該塩は、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、一塩基性リン酸カルシウムCa(HPO、二塩基性リン酸カルシウム(CaHPO)、三塩基性リン酸カルシウム(Ca(PO4))、ラクトグルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウムである。
【発明の効果】
【0015】
該塩は拮抗性微生物の生物学的活性に対する驚くべき増強特性を有することが見出された。前記組み合わせは、低い塩濃度、すなわち5g/l未満でさえ、具体的に活性であった。その組み合わせは、微生物を単独で使用した場合より有効であることが示された。同量の塩に関して、発明者らは、拮抗性微生物とともに高濃度のCaCl2%(20g/l)を使用した場合と同様の効力を達成している。本発明に基づく組成物は、驚くべきことに、低用量の塩、すなわち5g/l未満で非常に良好な効力を示し、高濃度のCaCl2%(20g/l)を含む拮抗性微生物を伴う組成物と同様か、あるいはそれより良好な有効性を示した。本組成物は、植物および/または動物に対して病原体によって引き起こされる疾患に対抗して、改善された効力および/または長期の効力を有する。本組成物は、例えば、収穫後または植物の生活環中に、植物の部分にコロニー形成するカビによって引き起こされる疾患に対して特に有効である。
【0016】
前記組み合わせは、微生物を単独で使用した場合より有効であることが示された。本組成物は、より少ない量の微生物および/またはより少ない量の塩しか使用せずに、病原体に対する同様の有効性を有するか、あるいはより良好な有効性さえ有することを可能にする。
【0017】
本組成物は、植物またはヒトを含めた動物に対して疾患を生じさせる能力を有する1種以上の病原体に対して有用である。該病原体は真菌、酵母、細菌およびウイルスであってよい。
【0018】
本発明に基づく組成物は、植物性物質に対して疾患を生じさせる能力を有する病原体に対して特に有用である。本明細書中で使用される用語「植物」は、植物全体、植物の部分、果実および他の植物関連物質を包含する。植物の非限定的な例には、植物の部分、果実、例えばMalus spp.Pyrus spp.Citrusspp.の種(例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、タンジェリン)、および作物、例えば、トマト、ピーマン、キュウリ、ブドウの木およびイチゴの種);根菜類(例えば、ジャガイモ、ニンジン);熱帯性果実(例えば、マンゴー、バナナ、グアバ、パイナップル、アボカド);メロン果実、および花および他の観賞用作物を含む群から選択してよい植物性物質が含まれる。本発明に基づく組成物の効力は、同濃度の拮抗性微生物を単独で用いて達成される効力より優れており、高濃度のCaCl(2%w/v)と該微生物を用いて達成される効力と同様である。
【0019】
また本発明は、植物性物質に対して病原体によって引き起こされる疾患の生物学的抑制のための方法であって、本発明に基づく組成物を該植物性物質に適用する段階を含む方法に関する。
【0020】
さらに本発明は、バイオ農薬、好ましくはバイオ殺真菌剤、バイオ殺ウイルス剤および/またはバイオ殺菌剤としての本発明に基づく組成物の使用、および本発明に基づく組成物を含むバイオ農薬を製造するための方法に関する。
【0021】
以下、本発明をさらに詳細に開示する。実施例を挙げ、その説明をさらに支持する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
詳細な説明
本発明は、真菌および細菌性の植物病原体を駆除するための組成物および方法に関する。特に、本発明は、1種以上の病原体に対抗して使用するために適した組成物であって、少なくとも1種の拮抗性微生物および、式(1)の化合物;リン酸塩、硫酸塩、アスコルビン酸の塩、イソクエン酸の塩、シトラマル酸の塩、ラクトグルコン酸の塩、および/またはその誘導体および/またはその混合物を含む群から選択される少なくとも1種のカルシウム、ナトリウムまたはカリウム塩を含む組成物に関する:
【0023】
【化3】

式中
AはCa、KまたはNaから、好ましくはCaおよびKから、より好ましくはCaから選択されるカチオンであり、
a、b、cおよびdは1〜3の整数であり、ただし、a x b=c x dであり、ならびに
は−O、−OHまたは
【0024】
【化4】

から選択され、nは0〜5の整数であり、RはH、−OH、−CH、−CO、−CH−OH、−CH−COから選択され、RはHまたは−CH−COOから選択され、ならびにRはH、−NHまたはOHから選択され、その場合、nが1である場合、RがHであれば、RはHではなく、かつRは−CHではない。驚くべきことに、前記組成物の組み合わせは単独の拮抗性微生物が提供する駆除より優れた駆除を提供することが見出された。
【0025】
特定の実施形態では、少なくとも1種の塩の量は、0.005〜5g/l w/vの範囲、好ましくは0.01〜4g/l w/vの範囲、より好ましくは0.1〜3g/l w/vの範囲、より好ましくは0.01〜2.5g/l w/vの範囲、およびさらにより好ましくは0.1〜2.2g/l w/vの範囲で含まれる。別の実施形態では、該拮抗性微生物は、10〜10111cfu/ml、好ましくは10〜1010cfu/mlの範囲の濃度で適用される。適切な濃度の別の例には、10〜10cfu/mlが含まれ、好ましくは微生物の濃度は、該拮抗性微生物が真菌である場合は10〜10cfu/mlであり、該拮抗性微生物が細菌である場合は10〜1011、好ましくは10〜1011である。
【0026】
好ましい実施形態では、該塩は以下の塩を含む群から選択される:硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、エタン酸塩、グリセリン酸塩、グルタミン酸塩、エリトロン酸塩、テオン酸塩(theonate salt)、リボン酸塩、アラビノン酸塩、キシロン酸塩、リキソン酸塩、アロン酸塩、アルトロン酸塩、グルコン酸塩、マンノン酸塩、グロン酸塩、イドン酸塩、ガラクトン酸塩、タロン酸塩、アロヘプトン酸塩、アルトロヘプトン酸塩、グルコヘプトン酸塩、マンノヘプトン酸塩、グロヘプトン酸塩、イドヘプトン酸塩、ガラクトヘプトン酸塩、タロヘプトン酸塩、タルトロン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、サッカリン酸塩、粘液酸塩、乳酸塩、ラクトグルコン酸塩、アスコルビン酸塩、イソクエン酸塩、およびシトラマル酸塩。
【0027】
塩は水和形式または無水であってよい。当然、本組成物は塩および/またはそのポリマーの混合物を含有してもよい。
【0028】
本発明の一実施形態では、本組成物中で使用される塩はカルシウム塩である。
【0029】
好ましい実施形態では、塩は以下の塩を含む群から選択される:硫酸カルシウム、一塩基性リン酸カルシウムCa(HPO、二塩基性リン酸カルシウム(CaHPO)、三塩基性リン酸カルシウム(Ca(PO4))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO)、酢酸カルシウム、エタン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、エリトロン酸カルシウム、テオン酸カルシウム、リボン酸カルシウム、アラビノン酸カルシウム、キシロン酸カルシウム、リキソン酸カルシウム、アロン酸カルシウム、アルトロン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、マンノン酸カルシウム、グロン酸カルシウム、イドン酸カルシウム、ガラクトン酸カルシウム、タロン酸カルシウム、アロヘプトン酸カルシウム、アルトロヘプトン酸カルシウム、グルコヘプトン酸カルシウム、マンノヘプトン酸カルシウム、グロヘプトン酸カルシウム、イドヘプトン酸カルシウム、ガラクトヘプトン酸カルシウム、タロヘプトン酸カルシウム、タルトロン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サッカリン酸カルシウム、粘液酸カルシウム、乳酸カルシウム、ラクトグルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、イソクエン酸カルシウム、およびシトラマル酸カルシウム、およびその混合物。驚くべきことに、前記組成物が、果実および植物(野菜)の収穫後の疾患についての特に有効なインヒビターであることが見出された。驚くべきことに、かつ予想外に、本発明に基づく少なくとも1種の拮抗性微生物とともに上記規定の少なくとも1種の塩を使用すると、植物病原体の駆除の改善が促されることが見出されている。本明細書中に記載の塩および拮抗性微生物の組み合わせは、果実の主な収穫後の腐敗の有効な抑制を提供し、同一濃度のアンタゴニストの単独使用より良好な抑制を提供するか、あるいは多量のCaCl(2%)を微生物とともに使用した場合と同様の抑制を提供する。該組成物は特に抗真菌および抗菌活性を有する。
【0030】
本発明の一実施形態では、前記少なくとも1種の拮抗性微生物は、細菌、真菌および酵母を含む群から選択される。特定の実施形態では、該拮抗性微生物は以下の種を含む群から選択される:アグロバクテリウム種(Agrobacterium spp.)、アンプレオミセス種(Ampelomyces spp.)、アオレオバシジウム種(Aureobasidiumspp.);バシラス種(Bacillus spp.)、ブレオマイセス種(Bulleromycesspp.)、カンジダ種(Candida spp.)、ケトミウム種(Chaetomium spp.)、コニオスリウム種(Coniothyrium spp.)、クリプトコッカス種(Cryptococcus spp.)、デバリオマイセス種(Debaryomyces spp.)、デケラ種(Dekkera spp.)、エルウィニア種(Erwinia spp.)、エクソフィアラ種(Exophiliaspp.)、グリオクラジウム種(Gliocladium spp.)、ハンゼヌラ種(Hansenula spp.)、イッサチェンキア種(Issatchenkia spp.)、クルイヴェロマイシス種(Kluyveromycesspp.)、マリアナエア種(Mariannaea spp.)、メッシュニコビア種(Metschnikoviaspp.)、ミクロドキウム種(Microdochium spp.)、ペニシリウム種(Penicillium spp.)、カミカワタケ種(Phlebiopsis spp.);ピキア種(Pichia spp.)、シュードモナス種(Pseudomonas spp.)、シュードジマ種(Pseudozymaspp.)、ロドトルラ種(Rhodotorula spp.)、サッカロミセス種(Saccharomyces spp.)、スポロボロミセス種(Sporobolomycesspp.)、ストレプトミセス種(Streptomyces sp.)、タラロミセス種(Talaromyces spp.)、トリコデルマ種(Trichoderma spp.)、ウロクラジウム種(Ulocladium spp.)、およびチゴサッカロミセス種(Zygosaccharomyces spp.)。
【0031】
特定の実施形態では、該拮抗性微生物は好ましくは以下の微生物から選択される:アグロバクテリウムラジオバクテル(Agrobacterium radiobacter)、枯草菌(Bacillus subtilis)、リケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)、パミリス菌(Bacilluspumilis)、カンジダオレオフィラ(Candida oleophila)、カンジダサイトアナ(Candida saitoana)、カンジダサケ(Candida sake)、カンジダテニウス(Candidatenius)、カンジダウチリス(Candida utilis)、コニオシリウムミニタンス(Coniothyrium minitans)、クリプトコッカスアルビダス(Cryptococcusalbidus)、軟腐病菌(Erwinia carotovora)、グリオクラジウムカテナラタム(Gliocladiumcatenalatum)、グリオクラジウムビレンス(Gliocladium virens)、ハンセニアスポラウバルム(Hanseniaspora uvarum)、熱耐性クルイベロミセス(Kluyveromycesthermotolerance)、メッシュニコビアフルクチコラ(Metschnikovia fructicola)、メッシュニコビアレウカフィ(Metschnikowia reukafii)、ミクロドチウムディメルム(Microdochiumdimerum)、ペニシリウムオクザリカム(Penicillium oxalicum)、カミカワタケ(Phlebiopsis gigantean)、ピキアアノモラ(Pichia anomala)、ピキアグイリアモンディ(Pichia guilliermondii)、シュードモナスセパシア(Pseudomonascepacia)、シュードモナスクロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シリンゲ菌(Pseudomonas syringae)、シュードザイマフロクロサ(Pseudozyma flocullosa)、ロドトルラグルチニス(Rhodotorulaglutinis)、ロドトルラムシラジナーサ(Rhodotorula mucilaginosa)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、ストレプトミセスグリセオビリディス(Streptomyces griseoviridis)、タラロミセスフラバス(Talaromyces flavus)、トリコデルマアトロビリデ(Trichoderma atroviride)、トリコデルマハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマポリスポラム(Trichodermapolysporum)、トリコデルマビリディ(Trichoderma viride)、またはウロクラジウムアトラム(Ulocladium atrum)。
【0032】
本発明の一実施形態では、酵母はカンジダオレオフィラ(Candida oleophila)またはピキアアノモラ(Pichia anomala)である。Candida oleophila株は、BBCMTM/MUCLCulture Collection of the Mycotheque de l'Universite Catholique de Louvainに1997年6月17日にMUCL-40564の番号の下に寄託されたカンジダオレオフィラマントロシャ(Candidaoleophila Montrocher)株O、およびカンジダオレオフィラマントロシャ市販株I-182からなる菌株の形式であってよい。
【0033】
一実施形態では、本発明に基づく組成物は1種の塩と1種の拮抗性微生物の組み合わせを含み、該組み合わせは以下のものから選択される:CaHPO+シリンゲ菌(Pseudomonas syringae)、Ca(PO+シリンゲ菌、Ca(CO)+シリンゲ菌、Ca(HCO+シリンゲ菌、酢酸カルシウム+シリンゲ菌、グルタミン酸カルシウム+シリンゲ菌、CaHPO+枯草菌(Bacillus subtilis)、Ca(PO+枯草菌、Ca(CO)+枯草菌、Ca(HCO+枯草菌、酢酸カルシウム+枯草菌、グルタミン酸カルシウム+枯草菌、CaHPO+パミリス菌(Bacillus pumilis)、Ca(PO+パミリス菌、Ca(CO)+パミリス菌、Ca(HCO+パミリス菌、酢酸カルシウム+パミリス菌、グルタミン酸カルシウム+パミリス菌、CaHPO+カンジダオレオフィラ(Candida oleophila)、Ca(PO+カンジダオレオフィラ、Ca(CO)+カンジダオレオフィラ、Ca(HCO+カンジダオレオフィラ、酢酸カルシウム+カンジダオレオフィラ、グルタミン酸カルシウム+カンジダオレオフィラ、CaHPO+カンジダサイトアナ(Candida saitoana)、Ca(PO+カンジダサイトアナ、Ca(CO)+カンジダサイトアナ、Ca(HCO+カンジダサイトアナ、酢酸カルシウム+カンジダサイトアナ、グルタミン酸カルシウム+カンジダサイトアナ、CaHPO+カンジダサケ(Candida sake)、Ca(PO+カンジダサケ、Ca(CO)+カンジダサケ、Ca(HCO+カンジダサケ、酢酸カルシウム+カンジダサケ、グルタミン酸カルシウム+カンジダサケ、CaHPO+クルイヴェロマイシス種(Kluyveromycessp.)、Ca(PO+クルイヴェロマイシス種、Ca(CO)+クルイヴェロマイシス種、Ca(HCO+クルイヴェロマイシス種、酢酸カルシウム+クルイヴェロマイシス種、グルタミン酸カルシウム+クルイヴェロマイシス種、CaHPO+メッシュニコビアフルクチコラ(Metschnikovia fructicola)、Ca(PO+メッシュニコビアフルクチコラ、Ca(CO)+メッシュニコビアフルクチコラ、Ca(HCO+メッシュニコビアフルクチコラ、酢酸カルシウム+メッシュニコビアフルクチコラ、グルタミン酸カルシウム+メッシュニコビアフルクチコラ、CaHPO+ミクロドキウム種(Microdochium sp.)、Ca(PO+ミクロドキウム種、Ca(CO)+ミクロドキウム種、Ca(HCO+ミクロドキウム種、酢酸カルシウム+ミクロドキウム種、グルタミン酸カルシウム+ミクロドキウム種、CaHPO+ピキアアノモラ(Pichia anomala)、Ca(PO+ピキアアノモラ、Ca(CO)+ピキアアノモラ、Ca(HCO+ピキアアノモラ、酢酸カルシウム+ピキアアノモラ、グルタミン酸カルシウム+ピキアアノモラ、CaHPO+ピキアグイリアモンディ(Pichia guilliermondii)、Ca(PO+ピキアグイリアモンディ、Ca(CO)+ピキアグイリアモンディ、Ca(HCO+ピキアグイリアモンディ、酢酸カルシウム+ピキアグイリアモンディ、グルタミン酸カルシウム+ピキアグイリアモンディ、CaHPO+トリコデルマアトロビリデ(Trichodermaatroviride)、Ca(PO+トリコデルマアトロビリデ、Ca(CO)+トリコデルマアトロビリデ、Ca(HCO+トリコデルマアトロビリデ、酢酸カルシウム+トリコデルマアトロビリデ、グルタミン酸カルシウム+トリコデルマアトロビリデ、CaHPO+トリコデルマハルジアナム(Trichoderma harzianum)、Ca(PO+トリコデルマハルジアナム、Ca(CO)+トリコデルマハルジアナム、Ca(HCO+トリコデルマハルジアナム、酢酸カルシウム+トリコデルマハルジアナム、グルタミン酸カルシウム+トリコデルマハルジアナム、CaHPO+トリコデルマポリスポラム(Trichoderma polysporum)、Ca(PO+トリコデルマポリスポラム、Ca(CO)+トリコデルマポリスポラム、Ca(HCO+トリコデルマポリスポラム、酢酸カルシウム+トリコデルマポリスポラム、グルタミン酸カルシウム+トリコデルマポリスポラム、CaHPO+トリコデルマビリディ(Trichoderma viride)、Ca(PO+トリコデルマビリディ、Ca(CO)+トリコデルマビリディ、Ca(HCO+トリコデルマビリディ、酢酸カルシウム+トリコデルマビリディまたはグルタミン酸カルシウム+トリコデルマビリディ。
【0034】
別の実施形態では、該組み合わせは以下のものから選択される:グルコン酸カルシウム+シリンゲ菌(Pseudomonas syringae)、グルコン酸カルシウム+枯草菌(Bacillus subtilis)、グルコン酸カルシウム+パミリス菌(Bacillus pumilis)、グルコン酸カルシウム+カンジダオレオフィラ(Candida oleophila)、グルコン酸カルシウム+カンジダサイトアナ(Candida saitoana)、グルコン酸カルシウム+カンジダサケ(Candida sake)、グルコン酸カルシウム+クルイヴェロマイシス種(Kluyveromyces sp.)、グルコン酸カルシウム+メッシュニコビアフルクチコラ(Metschnikovia fructicola)、グルコン酸カルシウム+ミクロドキウム種(Microdochium sp.)、グルコン酸カルシウム+ピキアアノモラ(Pichia anomala)、グルコン酸カルシウム+ピキアグイリアモンディ(Pichia guilliermondii)、酒石酸カルシウム+シリンゲ菌(Pseudomonas syringae)、クエン酸カルシウム+シリンゲ菌、ラクトグルコン酸カルシウム+シリンゲ菌、アスコルビン酸カルシウム+シリンゲ菌、イソクエン酸カルシウム+シリンゲ菌、シトラマル酸カルシウム+シリンゲ菌、酒石酸カルシウム+枯草菌(Bacillus subtilis)、クエン酸カルシウム+枯草菌、ラクトグルコン酸カルシウム+枯草菌、アスコルビン酸カルシウム+枯草菌、イソクエン酸カルシウム+枯草菌、シトラマル酸カルシウム+枯草菌、酒石酸カルシウム+パミリス菌(Bacillus pumilis)、クエン酸カルシウム+パミリス菌、ラクトグルコン酸カルシウム+パミリス菌、アスコルビン酸カルシウム+パミリス菌、イソクエン酸カルシウム+パミリス菌、シトラマル酸カルシウム+パミリス菌、酒石酸カルシウム+カンジダオレオフィラ(Candida oleophila)、クエン酸カルシウム+カンジダオレオフィラ、グルコン酸カルシウム+トリコデルマアトロビリデ(Trichodermaatroviride)、グルコン酸カルシウム+トリコデルマハルジアナム(Trichodermaharzianum)、グルコン酸カルシウム+トリコデルマポリスポラム(Trichoderma polysporum)、グルコン酸カルシウム+トリコデルマビリディ(Trichodermaviride)、または酒石酸カルシウム+トリコデルマアトロビリデ(Trichodermaatroviride)。
【0035】
別の実施形態では、該組み合わせは以下のものから選択される:ラクトグルコン酸カルシウム+カンジダオレオフィラ(Candida oleophila)、アスコルビン酸カルシウム+カンジダオレオフィラ、イソクエン酸カルシウム+カンジダオレオフィラ、シトラマル酸カルシウム+カンジダオレオフィラ、酒石酸カルシウム+カンジダサイトアナ(Candida saitoana)、クエン酸カルシウム+カンジダサイトアナ、ラクトグルコン酸カルシウム+カンジダサイトアナ、アスコルビン酸カルシウム+カンジダサイトアナ、イソクエン酸カルシウム+カンジダサイトアナ、シトラマル酸カルシウム+カンジダサイトアナ、酒石酸カルシウム+カンジダサケ(Candida sake)、クエン酸カルシウム+カンジダサケ、ラクトグルコン酸カルシウム+カンジダサケ、アスコルビン酸カルシウム+カンジダサケ、イソクエン酸カルシウム+カンジダサケ、シトラマル酸カルシウム+カンジダサケ、酒石酸カルシウム+クルイヴェロマイシス種(Kluyveromycessp.)、クエン酸カルシウム+クルイヴェロマイシス種、ラクトグルコン酸カルシウム+クルイヴェロマイシス種、アスコルビン酸カルシウム+クルイヴェロマイシス種、イソクエン酸カルシウム+クルイヴェロマイシス種、シトラマル酸カルシウム+クルイヴェロマイシス種、酒石酸カルシウム+メッシュニコビアフルクチコラ(Metschnikovia fructicola)、クエン酸カルシウム+メッシュニコビアフルクチコラ、ラクトグルコン酸カルシウム+メッシュニコビアフルクチコラ、アスコルビン酸カルシウム+メッシュニコビアフルクチコラ、イソクエン酸カルシウム+メッシュニコビアフルクチコラ、シトラマル酸カルシウム+メッシュニコビアフルクチコラ、酒石酸カルシウム+ミクロドキウム種(Microdochium sp.)、クエン酸カルシウム+ミクロドキウム種、ラクトグルコン酸カルシウム+ミクロドキウム種、アスコルビン酸カルシウム+ミクロドキウム種、イソクエン酸カルシウム+ミクロドキウム種、シトラマル酸カルシウム+ミクロドキウム種、酒石酸カルシウム+ピキアアノモラ(Pichia anomala)、クエン酸カルシウム+ピキアアノモラ、ラクトグルコン酸カルシウム+ピキアアノモラ、アスコルビン酸カルシウム+ピキアアノモラ、イソクエン酸カルシウム+ピキアアノモラ、シトラマル酸カルシウム+ピキアアノモラ、酒石酸カルシウム+ピキアグイリアモンディ(Pichia guilliermondii)、クエン酸カルシウム+ピキアグイリアモンディ、ラクトグルコン酸カルシウム+ピキアグイリアモンディ、アスコルビン酸カルシウム+ピキアグイリアモンディ、イソクエン酸カルシウム+ピキアグイリアモンディ、シトラマル酸カルシウム+ピキアグイリアモンディ、ラクトグルコン酸カルシウム+トリコデルマアトロビリデ(Trichodermaatroviride)、アスコルビン酸カルシウム+トリコデルマアトロビリデ、イソクエン酸カルシウム+トリコデルマアトロビリデ、シトラマル酸カルシウム+トリコデルマアトロビリデ、酒石酸カルシウム+トリコデルマハルジアナム(Trichoderma harzianum)、クエン酸カルシウム+トリコデルマハルジアナム、ラクトグルコン酸カルシウム+トリコデルマハルジアナム、アスコルビン酸カルシウム+トリコデルマハルジアナム、イソクエン酸カルシウム+トリコデルマハルジアナム、シトラマル酸カルシウム+トリコデルマハルジアナム、酒石酸カルシウム+トリコデルマポリスポラム(Trichoderma polysporum)、クエン酸カルシウム+トリコデルマポリスポラム、ラクトグルコン酸カルシウム+トリコデルマポリスポラム、アスコルビン酸カルシウム+トリコデルマポリスポラム、イソクエン酸カルシウム+トリコデルマポリスポラム、シトラマル酸カルシウム+トリコデルマポリスポラム、酒石酸カルシウム+トリコデルマビリディ(Trichoderma viride)、クエン酸カルシウム+トリコデルマビリディ、ラクトグルコン酸カルシウム+トリコデルマビリディ、アスコルビン酸カルシウム+トリコデルマビリディ、イソクエン酸カルシウム+トリコデルマビリディ、またはシトラマル酸カルシウム+トリコデルマビリディ。
【0036】
また本発明は、少なくとも1種の拮抗性微生物および上記の本明細書中に記載の少なくとも2種の塩を含む組成物を包含する。また本発明は、少なくとも2種の拮抗性微生物および上記の本明細書中に記載の少なくとも1種の塩を含む組成物を包含する。
【0037】
前後関係によって特に確定されない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、および「the」には、複数の概念が含まれる。一例として、「a compound」とは1種の化合物または2種以上の化合物を意味する。
【0038】
端点による数的範囲の列挙には、すべての整数が含まれ、適切であれば、その範囲内に包括される少数が含まれる(例えば1〜5は1、1.1、1.15、1.2、1.3、1.4、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含みうる)。
【0039】
本明細書中で使用される用語「誘導体」とは、化学的誘導体、例えば溶媒和物、水和物立体異性体、ラセミ混合物、およびエステルを意味する。本明細書中で使用されるように、特に指定されない限り、用語「溶媒和物」には、塩と、適切な無機溶媒(例えば水和物)または有機溶媒、例えば非限定的にアルコール、ケトン、エステル等によって形成されてよい任意の混成物(combination)が含まれる。
【0040】
本明細書中に記載の塩のすべての立体異性体は、純粋な化合物ならびにその混合物として、本発明の範囲内に含まれる。個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体、ならびにその組み合わせおよび混合物はすべて本発明に包含される。本明細書中に記載の塩および中間体の純粋な立体異性体とは、該化合物または中間体の同一基本分子構造を有する他の鏡像異性体またはジアステレオ異性体を実質的に含まない異性体として定義される。
【0041】
本明細書中で使用される用語「増強性化合物」とは、微生物の生物学的特性を増強する能力を有する化合物を意味する。例えば、それは、植物性物質に対して疾患を生じさせることができる病原体に対抗する拮抗性微生物の生物学的特性をブーストするものであってよい。
【0042】
本明細書中で使用される用語「拮抗性微生物」とは、病原体、例えば植物またはヒトを含めた動物に対して疾患を生じさせる能力を有する病原体に対してアンタゴニストである微生物を意味する。好ましい実施形態では、該微生物は、病原体、例えば植物性物質に対して疾患を生じさせやすい病原体に対するアンタゴニストである。そのような拮抗性微生物は、細菌、真菌および酵母を含む群から選択することができる。
【0043】
本明細書中で使用される用語「バイオ農薬」とは、バイオ殺真菌剤、バイオ殺菌剤およびバイオ殺ウイルス剤を包含する。
【0044】
本発明の組成物は、塩および微生物に加えて、少なくとも1種のマンナンおよび/またはその誘導体をさらに含んでよい。該マンナンの量は、0.001%〜2% w/vの範囲、好ましくは0.001〜0.2% w/vの範囲であってよい。
【0045】
したがって、本発明は、植物薬学的(phytopharmaceutical)および医薬組成物として、微生物感染に対抗する植物および動物の処置に使用できる組成物を提供する。微生物感染には、細菌、酵母、真菌、ウイルスおよび原虫感染が含まれる。
【0046】
特に、本組成物は、植物性物質に対して病原体によって引き起こされる疾患、例えば、収穫後または植物の生活環中に植物の部分にコロニー形成するカビによって引き起こされる疾患に対抗する効力の改善を示した。本組成物によって阻害できる典型的な植物病原体の種には、非限定的に、以下の種が含まれる:アルタナリア種(Alternaria spp.)、アスコキータ種(Ascochyta spp.)、アスペルギルス種(Aspergillus spp.)、ボトリチス種(Botrytis spp.)、セルコスポラ種(Cercospora spp.)、クラドスポリウム種(Cladosporium spp.)、クラビセプス種(Claviceps spp.)、コレトトリカム種(Colletotrichum spp.)、エリシフェ種(Erysiphe spp.)、フサリウム種(Fusarium spp.)、ゲオトリクム種(Geotrichum spp.)、ギルバーテラ種(Gilbertellaspp.)、グレオスポリウム種(Gloeosporium spp.)、ヘルミントスポリウム種(Helminthosporium spp.)、モニリア種(Monilia spp.)、モニリニア種(Monilinia spp.)、ムコヴ種(Mucov spp.)、アカツブタケ種(Nectria spp.)、ペニシリウム種(Penicillium spp.)、ツユカビ種(Peronospora spp.)、ペジキュラ種(Peziculaspp.)、ホモプシス種(Phomopsis spp.)、疫病菌(Phytophthora spp.)、プラスモパラ種(Plasmopara spp.)、ポドスファエラ種(Podosphaera spp.)、シュードセルコスポリウム種(Pseudocercosporium spp.)、プクキニア種(Puccinia spp.)、リゾクトニア種(Rhizoctonia spp.)、クモノスカビ種(Rhizopus spp.)、リンコスポリウム種(Rynchosporiumspp.)、スクレロティニア種(Sclerotinia spp.)、セプトリア種(Septoria spp.)、スファエロセカ種(Sphaerotheca spp.)、ウンキヌラ種(Uncinula spp.)、ウスチラゴ種(Ustilago spp.)、ベンチュリア種(Venturia spp.)、バーチジリウム種(Verticillium spp.)、および細菌またはウイルス性病原体。特定の実施形態では、植物病原体は以下のものを含む群から選択してよい:アルタナリアアルタナリア(Alternariaalternata)、アスコキータ種(Ascochyta sp.)、黄色コウジ菌(Aspergillusflavus)、クロカビ(Aspergillus niger)、ボトリチスアリ(Botrytis alii)、灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)、ボトリチスファバエ(Botrytis fabae)、セルコスポラ種(Cercospora sp.)、クラドスポリウム種(Cladosporium sp.)、麦角菌(Claviceps purpurea)、コレトトリカム種(Colletotrichum sp.)、うどんこ病菌(Erysiphe betae)、コムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis)、フサリウムオキシスポラム(Fusarium oxysporum)、チチカビ(Geotrichumcandidum)、ギルバーテラペルシコビア(Gilbertellapersicovia)、グレオスポリウムペレナス(Gloeosporiumperennans)、グレオスポリウムフルクチゲナム(Gloeosporiumfructigenum)、ヘルミントスポリウム種(Helminthosporium sp.)、モニリア種(Monilia sp.)、モニリニアフルクチコラ(Moniliniafructicola)、モニリニアラクサ(Monilinialaxa)、ムコヴ種(Mucov sp.)、ネクトリアキンナバリナ(Nectria cinnabarina)、カンキツ緑かび病菌(Penicillium digitatum)、リンゴ青カビ病菌(Penicillium expansum)、アオカビ病菌(Penicilliumitalicum)、ツユカビ種(Peronospora sp.)、ペジキュラマルコルチカス(Pezicula malicorticas)、ホモプシスビチコラ(Phomopsis viticola)、ジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)、プラスモパラビチコラ(Plasmoparaviticola)、ポドスファエラレウコトリカ(Podosphaeraleucotricha)、シュードセルコスポリウム種(Pseudocercosporiumsp.)、黒さび病菌(Puccinia graminis)、リゾクトニア種(Rhizoctonia sp.)、リゾプスアリツス(Rhizopus arrhizus)、リゾープスストロニフェル(Rhizopusstolonifer)、リンコスポリウム種(Rynchosporiumsp.)、スクレロティニアセピボラム(SclerotiniaCepivorum)、スクレロティニアスクレロティオラム(Sclerotinia sclerotiorum)、セプトリアアピコラ(Septoria apicola)、スファエロセカ種(Sphaerotheca sp.)、ブドウうどんこ病菌(Uncinula necator)、ウスチラゴ種(Ustilago sp.)、ベンチュリアイナクアリス(Venturia inaequalis);バーティシリウムアルボアトラム(Verticillium albo-atrum)、およびバーティシリウムダーリエ(Verticillium dahliae)。特定の実施形態では、植物病原体は、ボトリチス種、ペニシリウム種、ペジキュラ種、およびクモノスカビ種を含む群から選択してよい。例えば、病原体は、ボトリチスシネレア(Botrytis cinerea)、ペニシリウムディジタツム(Penicillium digitatum)、リンゴ青カビ病菌、アオカビ病菌、ペジキュラ種、およびクモノスカビ種であってよい。
【0047】
好ましい実施形態では、本発明の組成物はバイオ農薬として特に有用である。
【0048】
本発明では、拮抗性微生物および本明細書中に記載の塩および/またはその誘導体を、本明細書中に記載の微生物および塩の混合物として提供することができる。本発明の別の実施形態では、拮抗性微生物および本明細書中に記載の塩を、分離した、未混合の調製物として提供することができ、その調製物は、本組成物を作成するために混合される対象のものである。例えば、拮抗性微生物および本明細書中に記載の塩を、個別にパックするか、あるいは混合が容易な形式で一緒にパックして、キットとして提供してよい。拮抗性微生物および本明細書中に記載の塩は、分離した、未混合の調製物として、あるいは一調製物中で一緒にして、キットとして提供することができる。
【0049】
本発明は、本発明に基づく組成物を製造するための方法であって、少なくとも1種の拮抗性微生物を本明細書中に記載の少なくとも1種の塩と混合する段階を含む方法をさらに包含する。
【0050】
本発明の別の態様は、処置対象の対象者に、同時に、別々に、あるいは連続して投与するための、少なくとも1種の拮抗性微生物および本明細書中に記載の少なくとも1種の塩および/またはその誘導体を含む組成物である。
【0051】
本明細書中で使用される用語「対象者」は、処置対象の植物またはヒトを含めた動物を包含する。本発明の実施形態では、対象者は植物、例えば植物性物質である。
【0052】
本発明のさらに別の態様は、植物性物質を処置するための方法であって、それらに有効量の少なくとも1種の本発明の拮抗性微生物および本明細書中に記載の少なくとも1種の塩および/またはその誘導体を、同時に、別々に、あるいは連続して投与する段階を含む方法である。
【0053】
同時投与とは、拮抗性微生物および本明細書中に記載の塩が同時に植物に投与されることを意味する。例えば、拮抗性微生物および本明細書中に記載の塩の混合物、または該拮抗性微生物および本明細書中に記載の塩を含む組成物として同時投与される。
【0054】
別々に投与するとは、拮抗性微生物および塩が、同時に、あるいは実質的に同時に植物性物質に投与されることを意味する。拮抗性微生物および塩は、分離した、未混合の調製物として投与される。例えば、拮抗性微生物および塩を、個別にパックして、キットとして提供してよい。
【0055】
拮抗性微生物が植物病原体を駆除する能力が、上記の本明細書中に記載の少なくとも1種の塩の存在下で増強されることは特に予想外である。本発明は、より低濃度の拮抗性微生物しか含まずに、病原体に対抗する組成物の有効性の持続時間を延長するバイオ農薬組成物を提供する。
【0056】
さらにまた、本発明は、少なくとも1種の拮抗性微生物を含む組成物の効力を該微生物単独の効力と比較して増強するための化合物としての、本明細書中に記載の塩の使用にも関する。塩、例えばグルコン酸カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ラクトグルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウムは、少なくとも1種の微生物を含む組成物の生物学的抗病原体効力を特にブーストすることが示された。
【0057】
また本発明は、病原体に対抗する組成物の有効性を低下させることなく拮抗性微生物の濃度を低下させるための増強性化合物としての、本明細書中に記載の少なくとも1種の塩の使用に関する。本発明は、病原体に対抗する組成物の有効性の持続期間を延長させつつ、拮抗性微生物の濃度を低下させるための増強性化合物としての、本明細書中に記載の少なくとも1種の塩の使用にさらに関する。
【0058】
該方法では、微生物または微生物ベースの組成物の生物学的特性をブーストすることは、病原体に対抗する組成物の有効性を低下させることなく、拮抗性微生物の濃度を低下させることを含んでよい。生物学的特性を増強および増幅することは、病原体に対抗する組成物の有効性の持続時間を延長しつつ、拮抗性微生物の濃度を低下させることを含んでもよい。本組成物の効果の驚くべき増大のために、本発明は、より低濃度の組成物の使用を可能にする。
【0059】
また本発明は、有効量の新規組成物の適用によって収穫後の疾患を抑制するための、植物性物質、例えば果実および植物(野菜)を処置するための方法に関する。
【0060】
また本発明は、組成物中のバイオ殺真菌剤、バイオ殺菌剤および/またはバイオ殺ウイルス剤の特性をブーストするための方法であって、該組成物に、増強性化合物として、本明細書中に記載の少なくとも塩を加える段階を含む方法に関する。さらに具体的には、本発明は、バイオ殺真菌剤、バイオ殺菌剤および/またはバイオ殺ウイルス剤の特性を増強するための化合物としての、本明細書中に記載の少なくとも1種の塩および/またはその誘導体の使用を包含する。
【0061】
また本発明は、1種以上の病原体に対抗して使用するための組成物であって、本発明に基づく組成物および少なくとも1種の農芸化合物を含む組成物を提供する。本発明の一実施形態では、農芸化合物は、殺真菌剤、殺菌剤、殺線虫剤、殺虫剤、除草剤等を含む群から選択することができる。
【0062】
また本発明は、組成物中の少なくとも1種の農芸化合物の特性をブーストするための方法であって、該組成物に、増強性化合物として、本明細書中に記載の少なくとも1種の塩を加える段階を含む方法に関する。さらに具体的には、本発明は、少なくとも1種の農芸化合物の特性を増強するための化合物としての、本明細書中に記載の少なくとも1種の塩および/またはその誘導体の使用を包含する。例えば、本明細書中に記載の少なくとも1種の塩を加えることによって化学物質の農薬特性をブーストすることができる。したがって本発明は、また、1種以上の病原体に対抗して使用するための組成物であって、本明細書中に記載の少なくとも1種の塩および/またはその誘導体および1種の農芸化合物を含む組成物を提供する。本発明の一実施形態では、農芸化合物は、殺真菌剤、殺菌剤、殺線虫剤、殺虫剤、除草剤等を含む群から選択することができる。
【0063】
以下、いくつかの実行方法の説明によって本発明をさらに例証する。
【実施例1】
【0064】
本発明の組成物に包含される塩および拮抗性微生物を表1および2に列挙する。
【0065】
【表1】

【0066】
【表2】

【0067】
本発明は、1種以上の塩1〜43と1種以上の拮抗性微生物a〜iiの任意の組み合わせを包含する。一実施形態では、本発明に基づく組成物は1種の塩と1種の拮抗性微生物の組み合わせを含み、該組み合わせは以下のものを含む群から選択される:
1+a, 2+a, 3+a, 4+a, 5+a, 6+a, 7+a, 8+a,9+a, 10+a, 1+b, 2+b, 3+b, 4+b, 5+b, 6+b, 7+b, 8+b, 9+b, 10+b, 1+c, 2+c, 3+c,4+c, 5+c, 6+c, 7+c, 8+c, 9+c, 10+c, 1+d, 2+d, 3+d, 4+d, 5+d, 6+d, 7+d, 8+d,9+d, 10+d, 1+e, 2+e, 3+e, 4+e, 5+e, 6+e, 7+e, 8+e, 9+e, 10+e, 1+f, 2+f, 3+f,4+f, 5+f, 6+f, 7+f, 8+f, 9+f, 10+f, 1+g, 2+g, 3+g, 4+g, 5+g, 6+g, 7+g, 8+g,9+g, 10+g, 1+h, 2+h, 3+h, 4+h, 5+h, 6+h, 7+h, 8+h, 9+h, 10+h, 1+i, 2+i, 3+i, 4+i,5+i, 6+i, 7+i, 8+i, 9+i, 10+i, 1+j, 2+j, 3+j, 4+j, 5+j, 6+j, 7+j, 8+j, 9+j,10+j, 1+k, 2+k, 3+k, 4+k, 5+k, 6+k, 7+k, 8+k, 9+k, 10+k, 1+l, 2+l, 3+l, 4+l,5+l, 6+l, 7+l, 8+l, 9+l, 10+l, 1+m, 2+m, 3+m, 4+m, 5+m, 6+m, 7+m, 8+m, 9+m,10+m, 1+n, 2+n, 3+n, 4+n, 5+n, 6+n, 7+n, 8+n, 9+n, 10+n, 1+o, 2+o, 3+o, 4+o,5+o, 6+o, 7+o, 8+o, 9+o, 10+o, 1+p, 2+p, 3+p, 4+p, 5+p, 6+p, 7+p, 8+p, 9+p,10+p, 1+q, 2+q, 3+q, 4+q, 5+q, 6+q, 7+q, 8+q, 9+q, 10+q, 1+r, 2+r, 3+r, 4+r,5+r, 6+r, 7+r, 8+r, 9+r, 10+r, 1+s, 2+s, 3+s, 4+s, 5+s, 6+s, 7+s, 8+s, 9+s,10+s, 1+t, 2+t, 3+t, 4+t, 5+t, 6+t, 7+t, 8+t, 9+t, 10+t, 1+u, 2+u, 3+u, 4+u,5+u, 6+u, 7+u, 8+u, 9+u, 10+u, 1+v, 2+v, 3+v, 4+v, 5+v, 6+v, 7+v, 8+v, 9+v,10+v, 1+w, 2+w, 3+w, 4+w, 5+w, 6+w, 7+w, 8+w, 9+w, 10+w, 1+x, 2+x, 3+x, 4+x, 5+x,6+x, 7+x, 8+x, 9+x, 10+x, 11+a, 12+a, 13+a, 14+a, 15+a, 16+a, 17+a, 18+a, 11+b,12+b, 13+b, 14+b, 15+b, 16+b, 17+b, 18+b, 11+c, 12+c, 13+c, 14+c, 15+c, 16+c,17+c, 18+c, 11+d, 12+d, 13+d, 14+d, 15+d, 16+d, 17+d, 18+d, 11+e, 12+e, 13+e,14+e, 15+e, 16+e, 17+e, 18+e, 11+f, 12+f, 13+f, 14+f, 15+f, 16+f, 17+f, 18+f,11+g, 12+g, 13+g, 14+g, 15+g, 16+g, 17+g, 18+g, 11+h, 12+h, 13+h, 14+h, 15+h,16+h, 17+h, 18+h, 11+i, 12+i, 13+i, 14+i, 15+i, 16+i, 17+i, 18+i, 11+j, 12+j,13+j, 14+j, 15+j, 16+j, 17+j, 18+j, 11+k, 12+k, 13+k, 14+k, 15+k, 16+k, 17+k,18+k, 11+l, 12+l, 13+l, 14+l, 15+l, 16+l, 17+l, 18+l, 11+m, 12+m, 13+m, 14+m,15+m, 16+m, 17+m, 18+m, 11+n, 12+n, 13+n, 14+n, 15+n, 16+n, 17+n, 18+n, 11+o,12+o, 13+o, 14+o, 15+o, 16+o, 17+o, 18+o, 1+aa, 2+aa, 3+aa, 4+aa, 5+aa, 6+aa,7+aa, 8+aa, 9+aa, 10+aa, 1+bb, 2+bb, 3+bb, 4+bb, 5+bb, 6+bb, 7+bb, 8+bb, 9+bb,10+bb, 1+cc, 2+cc, 3+cc, 4+cc, 5+cc, 6+cc, 7+cc, 8+cc, 9+cc, 10+cc, 1+dd, 2+dd,3+dd, 4+dd, 5+dd, 6+dd, 7+dd, 8+dd, 9+dd, 10+dd, 1+ee, 2+ee, 3+ee, 4+ee, 5+ee,6+ee, 7+ee, 8+ee, 9+ee, 10+ee, 1+ff, 2+ff, 3+ff, 4+ff, 5+ff, 6+ff, 7+ff, 8+ff,9+ff, 10+ff, 1+gg, 2+gg, 3+gg, 4+gg, 5+gg, 6+gg, 7+gg, 8+gg, 9+gg, 10+gg, 1+hh,2+hh, 3+hh, 4+hh, 5+hh, 6+hh, 7+hh, 8+hh, 9+hh, 10+hh, 1+ii, 2+ii, 3+ii, 4+ii,5+ii, 6+ii, 7+ii, 8+ii, 9+ii, 10+ii, 11+aa, 12+aa, 13+aa, 14+aa, 15+aa, 16+aa,17+aa, 18+aa, 11+bb, 12+bb, 13+bb, 14+bb, 15+bb, 16+bb, 17+bb, 18+bb, 11+cc,12+cc, 13+cc, 14+cc, 15+cc, 16+cc, 17+cc, 18+cc, 11+dd, 12+dd, 13+dd, 14+dd,15+dd, 16+dd, 17+dd, 18+dd, 11+ee, 12+ee, 13+ee, 14+ee, 15+ee, 16+ee, 17+ee,18+ee, 11+ff, 12+ff, 13+ff, 14+ff, 15+ff, 16+ff, 17+ff, 18+ff, 11+gg, 12+gg,13+gg, 14+gg, 15+gg, 16+gg, 17+gg, 18+gg, 11+hh, 12+hh, 13+hh, 14+hh, 15+hh,16+hh, 17+hh, 18+hh, 11+ii, 12+ii, 13+ii, 14+ii, 15+ii, 16+ii, 17+ii, 18+ii及び11+p。
【0068】
別の実施形態では、本発明に基づく組成物は1種の塩と1種の拮抗性微生物の組み合わせを含み、該組み合わせは以下のものを含む群から選択される:
12+p, 13+p, 14+p, 15+p, 16+p, 17+p, 18+p,11+q, 12+q, 13+q, 14+q, 15+q, 16+q, 17+q, 18+q, 11+r, 12+r, 13+r, 14+r, 15+r,16+r, 17+r, 18+r, 11+s, 12+s, 13+s, 14+s, 15+s, 16+s, 17+s, 18+s, 11+t, 12+t,13+t, 14+t, 15+t, 16+t, 17+t, 18+t, 11+u, 12+u, 13+u, 14+u, 15+u, 16+u, 17+u,18+u, 11+v, 12+v, 13+v, 14+v, 15+v, 16+v, 17+v, 18+v, 11+w, 12+w, 13+w, 14+w,15+w, 16+w, 17+w, 18+w, 11+x, 12+x, 13+x, 14+x, 15+x, 16+x, 17+x, 18+x, 19+a,20+a, 21+a, 22+a, 23+a, 24+a, 25+a, 26+a, 27+a, 28+a, 29+a, 30+a, 19+b, 20+b,21+b, 22+b, 23+b, 24+b, 25+b, 26+b, 27+b, 28+b, 29+b, 30+b, 19+c, 20+c, 21+c,22+c, 23+c, 24+c, 25+c, 26+c, 27+c, 28+c, 29+c, 30+c, 19+d, 20+d, 21+d, 22+d,23+d, 24+d, 25+d, 26+d, 27+d, 28+d, 29+d, 30+d, 19+e, 20+e, 21+e, 22+e, 23+e,24+e, 25+e, 26+e, 27+e, 28+e, 29+e, 30+e, 19+f, 20+f, 21+f, 22+f, 23+f, 24+f,25+f, 26+f, 27+f, 28+f, 29+f, 30+f, 19+g, 20+g, 21+g, 22+g, 23+g, 24+g, 25+g,26+g, 27+g, 28+g, 29+g, 30+g, 19+h, 20+h, 21+h, 22+h, 23+h, 24+h, 25+h, 26+h,27+h, 28+h, 29+h, 30+h, 19+i, 20+i, 21+i, 22+i, 23+i, 24+i, 25+i, 26+i, 27+i,28+i, 29+i, 30+i, 19+j, 20+j, 21+j, 22+j, 23+j, 24+j, 25+j, 26+j, 27+j, 28+j,29+j, 30+j, 19+k, 20+k, 21+k, 22+k, 23+k, 24+k, 25+k, 26+k, 27+k, 28+k, 29+k,30+k, 19+l, 20+l, 21+l, 22+l, 23+l, 24+l, 25+l, 26+l, 27+l, 28+l, 29+l, 30+l,19+m, 20+m, 21+m, 22+m, 23+m, 24+m, 25+m, 26+m, 27+m, 28+m, 29+m, 30+m, 19+n,20+n, 21+n, 22+n, 23+n, 24+n, 25+n, 26+n, 27+n, 28+n, 29+n, 30+n, 19+o, 20+o,21+o, 22+o, 23+o, 24+o, 25+o, 26+o, 27+o, 28+o, 29+o, 30+o, 19+p, 20+p, 21+p,22+p, 23+p, 24+p, 25+p, 26+p, 27+p, 28+p, 29+p, 30+p, 19+q, 20+q, 21+q, 22+q,23+q, 24+q, 25+q, 26+q, 27+q, 28+q, 29+q, 30+q, 19+r, 20+r, 21+r, 22+r, 23+r,24+r, 25+r, 26+r, 27+r, 28+r, 29+r, 30+r, 19+s, 20+s, 21+s, 22+s, 23+s, 24+s,25+s, 26+s, 27+s, 28+s, 29+s, 30+s, 19+t, 20+t, 21+t, 22+t, 23+t, 24+t, 25+t,26+t, 27+t, 28+t, 29+t, 30+t, 19+u, 20+u, 21+u, 22+u, 23+u, 24+u, 25+u, 26+u,27+u, 28+u, 29+u, 30+u, 19+v, 20+v, 21+v, 22+v, 23+v, 24+v, 25+v, 26+v, 27+v,28+v, 29+v, 30+v, 19+w, 20+w, 21+w, 22+w, 23+w, 24+w, 25+w, 26+w, 27+w, 28+w,29+w, 30+w, 19+x, 20+x, 21+x, 22+x, 23+x, 24+x, 25+x, 26+x, 27+x, 28+x, 29+x,30+x, , 31+a, 32+a, 33+a, 34+a, 35+a, 36+a, 37+a, 38+a, 39+a, 40+a, 41+a, 42+a,31+b, 32+b, 33+b, 34+b, 35+b, 36+b, 37+b, 38+b, 39+b, 40+b, 41+b, 42+b, 31+c,32+c, 33+c, 34+c, 35+c, 36+c, 37+c, 38+c, 39+c, 40+c, 41+c, 42+c, 31+d, 32+d,33+d, 34+d, 35+d, 36+d, 37+d, 38+d, 39+d, 40+d, 41+d, 42+d, 31+e, 32+e, 33+e, 34+e,35+e, 36+e, 37+e, 38+e, 19+aa, 20+aa, 21+aa, 22+aa, 23+aa, 24+aa, 25+aa, 26+aa,27+aa, 28+aa, 29+aa, 30+aa, 19+bb, 20+bb, 21+bb, 22+bb, 23+bb, 24+bb, 25+bb,26+bb, 27+bb, 28+bb, 29+bb, 30+bb, 19+cc, 20+cc, 21+cc, 22+cc, 23+cc, 24+cc,25+cc, 26+cc, 27+cc, 28+cc, 29+cc, 30+cc, 19+dd, 20+dd, 21+dd, 22+dd, 23+dd,24+dd, 25+dd, 26+dd, 27+dd, 28+dd, 29+dd, 30+dd, 19+ee, 20+ee, 21+ee, 22+ee,23+ee, 24+ee, 25+ee, 26+ee, 27+ee, 28+ee, 29+ee, 30+ee, 19+ff, 20+ff, 21+ff,22+ff, 23+ff, 24+ff, 25+ff, 26+ff, 27+ff, 28+ff, 29+ff, 30+ff, 19+gg, 20+gg,21+gg, 22+gg, 23+gg, 24+gg, 25+gg, 26+gg, 27+gg, 28+gg, 29+gg, 30+gg, 19+hh,20+hh, 21+hh, 22+hh, 23+hh, 24+hh, 25+hh, 26+hh, 27+hh, 28+hh, 29+hh, 30+hh,19+ii, 20+ii, 21+ii, 22+ii, 23+ii, 24+ii, 25+ii, 26+ii, 27+ii, 28+ii, 29+ii,30+ii, 31+aa, 32+aa, 33+aa, 34+aa, 35+aa, 36+aa, 37+aa, 38+aa, 39+aa, 40+aa,41+aa, 42+aa, 31+bb, 32+bb, 33+bb, 34+bb, 35+bb, 36+bb, 37+bb, 38+bb, 39+bb,40+bb, 41+bb, 42+bb, 31+cc, 32+cc, 33+cc, 34+cc, 35+cc, 36+cc, 37+cc, 38+cc,39+cc, 40+cc, 41+cc, 42+cc, 31+dd, 32+dd, 33+dd, 34+dd, 35+dd, 36+dd, 37+dd,38+dd, 39+dd, 40+dd, 41+dd, 42+dd, 31+ee, 32+ee, 33+ee, 34+ee, 35+ee, 36+ee,37+ee及び38+ee。
【0069】
別の実施形態では、本発明に基づく組成物は1種の塩と1種の拮抗性微生物の組み合わせを含み、該組み合わせは以下のものを含む群から選択される:
39+e, 40+e, 41+e, 42+e, 31+f, 32+f, 33+f,34+f, 35+f, 36+f, 37+f, 38+f, 39+f, 40+f, 41+f, 42+f, 31+g, 32+g, 33+g, 34+g,35+g, 36+g, 37+g, 38+g, 39+g, 40+g, 41+g, 42+g, 31+h, 32+h, 33+h, 34+h, 35+h,36+h, 37+h, 38+h, 39+h, 40+h, 41+h, 42+h, 31+i, 32+i, 33+i, 34+i, 35+i, 36+i, 37+i,38+i, 39+i, 40+i, 41+i, 42+i, 31+j, 32+j, 33+j, 34+j, 35+j, 36+j, 37+j, 38+j,39+j, 40+j, 41+j, 42+j, 31+k, 32+k, 33+k, 34+k, 35+k, 36+k, 37+k, 38+k, 39+k,40+k, 41+k, 42+k, 31+l, 32+l, 33+l, 34+l, 35+l, 36+l, 37+l, 38+l, 39+l, 40+l,41+l, 42+l, 31+m, 32+m, 33+m, 34+m, 35+m, 36+m, 37+m, 38+m, 39+m, 40+m, 41+m,42+m, 31+n, 32+n, 33+n, 34+n, 35+n, 36+n, 37+n, 38+n, 39+n, 40+n, 41+n, 42+n,31+o, 32+o, 33+o, 34+o, 35+o, 36+o, 37+o, 38+o, 39+o, 40+o, 41+o, 42+o, 31+p,32+p, 33+p, 34+p, 35+p, 36+p, 37+p, 38+p, 39+p, 40+p, 41+p, 42+p, 31+q, 32+q,33+q, 34+q, 35+q, 36+q, 37+q, 38+q, 39+q, 40+q, 41+q, 42+q, 31+r, 32+r, 33+r,34+r, 35+r, 36+r, 37+r, 38+r, 39+r, 40+r, 41+r, 42+r, 31+s, 32+s, 33+s, 34+s,35+s, 36+s, 37+s, 38+s, 39+s, 40+s, 41+s, 42+s, 31+t, 32+t, 33+t, 34+t, 35+t,36+t, 37+t, 38+t, 39+t, 40+t, 41+t, 42+t, 31+u, 32+u, 33+u, 34+u, 35+u, 36+u,37+u, 38+u, 39+u, 40+u, 41+u, 42+u, 31+v, 32+v, 33+v, 34+v, 35+v, 36+v, 37+v,38+v, 39+v, 40+v, 41+v, 42+v, 31+w, 32+w, 33+w, 34+w, 35+w, 36+w, 37+w, 38+w,39+w, 40+w, 41+w, 42+w, 31+x, 32+x, 33+x, 34+x, 35+x, 36+x, 37+x, 38+x, 39+x,40+x, 41+x, 42+x, 39+ee, 40+ee, 41+ee, 42+ee, 31+ff, 32+ff, 33+ff, 34+ff,35+ff, 36+ff, 37+ff, 38+ff, 39+ff, 40+ff, 41+ff, 42+ff, 31+gg, 32+gg, 33+gg,34+gg, 35+gg, 36+gg, 37+gg, 38+gg, 39+gg, 40+gg, 41+gg, 42+gg, 31+hh, 32+hh,33+hh, 34+hh, 35+hh, 36+hh, 37+hh, 38+hh, 39+hh, 40+hh, 41+hh, 42+hh, 31+ii,32+ii, 33+ii, 34+ii, 35+ii, 36+ii, 37+ii, 38+ii, 39+ii, 40+ii, 41+ii, 42+ii。
【実施例2】
【0070】
実施例2は、本明細書中で規定される塩、例えばグルコン酸カルシウム(CG)および、カビによって引き起こされるMalus種の果実に対する収穫後の疾患に対して活性な拮抗性酵母を含む本発明の組成物を使用することによって、良好な保護効果が達成されるであろうことを例証する。
【0071】
植物性物質
リンゴ(Malus domestica Borkh cv.Golden)を、ベルギーの標準的な栽培実施で管理されている商業的な果樹園から収穫し、正規の長期保存に付した。市販の第一級果実を使用した。それらを卸売業者から購入し、使用するまで最大15日間、低温室で4±1℃で保存した。
【0072】
病原体
まずリンゴ青カビ病菌(青カビ)株をGembloux Belgiumのリンゴから単離した。病原体由来の分生子をグリセロール溶液(25%)中の懸濁液に入れ、−70℃で保存した。この保存材料から出発し、真菌株を25℃のPDA培地に移した。Tween 20(0.05%)の水性滅菌溶液中で分生子の懸濁液を調製し、Buerker細胞を使用して必要な濃度(10胞子/ml)に調節した。
【0073】
拮抗性微生物
拮抗性酵母株は、BBCMTM/MUCLCulture Collection of the Mycotheque de l'Universite Catholique de Louvainに番号40564の下に寄託されたCandida oleophila Montrocherであった。以後、「株O」と称する。
【0074】
この拮抗性酵母株をリンゴ表面から単離し、グリセロール溶液(25%)中で−70℃で保存した。使用するまで、酵母株をPDA(ポテトデキストロース寒天)上で24時間間隔で連続して3回継代培養した。第三世代で、酵母細胞を培養培地から取り出し、等張の水(NaCl 0.85%)に懸濁した。微生物懸濁液吸光度(595nm)およびPDA上に播種された同懸濁液のコロニー形成単位(cfu)の数に関して回帰直線が確立された後に懸濁液濃度を必要な値に調節した。
【0075】
処理
次亜塩素酸ナトリウム(10%の市販の製品)中で2分間液浸することによって果実を殺菌した。それらを滅菌水ですすぎ、層流下で乾燥した後、果実の表面の片側に沿って4〜5cm離れた3部位から組織の直径4mmおよび奥行き2〜3mmのブロックを除去することによって傷をつけた。
【0076】
40μlの最新技術の組成物または本発明に基づく組成物を適用することによって創傷を処理した。
【0077】
プラスチックボックス中20℃で24時間のインキュベーション期間後、40μlのそれぞれの病原体の分生子懸濁液を創傷に接種した。果実を25℃でインキュベートした。
【0078】
創傷の周囲に発生した損傷の直径を病原体接種の7日後に測定した。処理あたり少なくとも5つの果実(15創傷)を使用した。ほとんどの場合、処理あたり15果実および45創傷を使用した。
【0079】
種々の処理によって提供される保護のパーセンテージを、以下の式を使用して、インキュベーション期間後の、果実を腐敗させる物質に起因する損傷の直径から算出した:
【数1】

式中、Yは保護のパーセンテージであり;Dは無処理コントロールに関する損傷の平均直径であり、Dは処理果実に関する損傷の平均直径である。
【0080】
リンゴ青カビ病菌(P. expansum)に起因する収穫後のリンゴの腐敗に対抗する本発明に基づく組成物の効果を制御条件下で評価した。
【0081】
説明の残りの部分では、GCとは一水和型のグルコン酸カルシウム(CAS Number: 299-28-5)(食品等級、Jungbunzlauer, Germany)を意味する。CNとは硝酸カルシウム(四水和物)(98%、VWR)を意味する。これらの製品はそれ自体公知であり、市販されている。
【0082】
第一系列の実験では、株Oの標準的組成物をコントロールとして使用した。株Oを使用するための標準的濃度は1ミリリットルあたり10コロニー形成単位(cfu/ml)であり、一方、10cfu/mlの濃度は最適以下であるとみなされる。実際、株Oを単独で使用する場合、この濃度を用いて達成される結果(上に規定されるように算出される保護のパーセンテージで表される)は満足なものではないことが表3から見て取れる。
【0083】
【表3】

【0084】
本発明では、驚くべきことに、最適以下の濃度10cfu/mlの株Oおよび2g/l CGを含む組成物が保護を改善することが見出された。
【0085】
さらにまた、最適以下の濃度10cfu/mlの株Oおよび1.2g/lまたは2.4g/lの硝酸カルシウムを含む組成物が、リンゴ青カビ病菌(P. expansum)に対抗する果実の保護において、株Oを単独で含有する組成物、または本発明の一実施形態に基づく組成物、すなわち株Oを2g/lのCGとともに含む組成物より有効性が低いことが見出された。
【0086】
リンゴに対する第二系列の実験では、株Oの標準的組成物をコントロールとして使用した。その実験の結果を表4に挙げる。
【0087】
【表4】

【0088】
第一の組成物では、使用される株Oの濃度は標準的濃度10cfu/mlであり、第二の組成物では、使用される濃度は最適以下の濃度10cfu/mlであった。
【0089】
やはり、驚くべきことに、最適以下の濃度10cfu/mlの株Oおよび2g/l CGを含む組成物が病原体に対抗する果実の保護を改善することが見出された。
【0090】
リンゴに対する第三系列の実験では、株Oの標準的組成物をコントロールとして使用した。その実験の結果を表5に挙げる。
【0091】
【表5】

【0092】
本発明では、CGを加えることによって、リンゴ青カビ病菌(P. Expansum)に対して、標準的濃度10cfu/mlを用いた場合より良好かつ増強された効力を達成しつつ、株Oの濃度を100分の1に減少させて10cfu/mlにすることができる。この結果は本発明に基づく組成物の注目すべき特性を例証するものである。
【実施例3】
【0093】
植物性物質
リンゴ(Malus domestica Borkhcv. Golden)は実施例2に記載される通りである。
【0094】
病原体
実施例2に記載のリンゴ青カビ病菌(Penicillium expansum)である。
【0095】
拮抗性微生物
拮抗性酵母株は実施例2に記載のカンジダオレオフィラ(Candida oleophila)であった。
【0096】
処理
実施例2に記載のようにリンゴに傷をつけ、本発明に基づく塩および10cfuのC. oleophilaを含む組成物、または最新技術の組成物の適用によって処理した。使用される塩は:グルコン酸カルシウム(CG)、クエン酸三カルシウム:(TC)、炭酸カルシウム(CCa)、乳酸カルシウム(CL)、ラクトグルコン酸カルシウム(CLG)、アスコルビン酸カルシウム(CA)であった。
【0097】
インキュベーション後、創傷にリンゴ青カビ病菌を接種した。果実をさらにインキュベートした。創傷の周囲に発生した損傷の直径を病原体接種の7日後に測定した。種々の処理によって提供される保護のパーセンテージを実施例2に記載のように算出した。2系列の実験から得られた、リンゴの腐敗に対するアンタゴニストおよび塩の組み合わせの保護効果の結果を表6aおよび6bに示す。株O(10)の標準的組成物をコントロールとして使用した。
【0098】
【表6】

【0099】
本発明では、種々の塩を加えることによって、株Oの濃度を100分の1に減少させて10cfu/mlにすることを可能にし、この濃度で、単独の株Oと比較してより良好な保護を達成することを可能にする。
【0100】
リンゴに対する別の系列の実験では、株Oの標準的組成物をコントロールとして使用し、使用された塩は:グルコン酸カルシウム(CG)クエン酸三カルシウム(TC)および炭酸カルシウム(CCa)であった。その実験の結果を表7に挙げる。
【0101】
【表7】

【0102】
拮抗性微生物と本発明に基づく種々の塩の組み合わせによって、リンゴ青カビ病菌(P.Expansum)に対して、濃度10cfu/mlを用いた場合より良好かつ増強された効力を達成しつつ、株Oの濃度を100分の1に減少させて10cfu/mlにすることが可能になる。さらに、本発明に基づく組成物によって、同等の保護を達成するために使用される先行技術のCaCl量と比較した場合に、必要とされる塩の量を著しく減少させることが可能になる。
【実施例4】
【0103】
植物性物質:
リンゴ(Malus domestica Borkh cv.Golden)は実施例2に記載される通りである。
【0104】
病原体:
実施例2に記載のリンゴ青カビ病菌である。
【0105】
拮抗性微生物:
拮抗性酵母株は実施例2に記載のカンジダオレオフィラであった。
【0106】
処理:
実施例2に記載のようにリンゴに傷をつけ、本発明に基づく塩および10cfuのC. oleophilaを含む組成物、または最新技術の組成物の適用によって処理した。
【0107】
インキュベーション後、創傷にリンゴ青カビ病菌を接種した。果実をさらにインキュベートした。創傷の周囲に発生した損傷の直径を病原体接種の7日後に測定した。種々の処理によって提供される保護のパーセンテージを実施例2に記載のように算出した。その結果を表8に示す。株Oの標準的組成物をコントロールとして使用した。使用される塩は:グルコン酸カルシウム(CG)、炭酸カルシウム(CCa)、炭酸水素カルシウム(CBC)、一塩基性リン酸カルシウム(CPM)、および三塩基性リン酸カルシウム(CPT)であった。
【0108】
【表8】

【0109】
同一の実験で、創傷の周囲に発生した損傷の直径を病原体接種の11日後に測定した。種々の処理によって提供される保護のパーセンテージを実施例2に記載のように算出した。その結果を表9に示す。株Oの標準的組成物をコントロールとして使用した。使用される塩は:グルコン酸カルシウム(CG)、炭酸カルシウム(CCa)、炭酸水素カルシウム(CBC)、一塩基性リン酸カルシウム(CPM)、および三塩基性リン酸カルシウム(CPT)であった。
【0110】
【表9】

【0111】
グルコン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、一塩基性リン酸カルシウム、および三塩基性リン酸カルシウムが、同一濃度の拮抗性微生物を単独で使用した場合と比較した場合に、リンゴ青カビ病菌に対抗して良好な保護を提供することが表8および9の結果から見て取れる。
【実施例5】
【0112】
植物性物質:
リンゴ(Malus domestica Borkh cv.Golden)は実施例2に記載される通りである。
【0113】
病原体:
ボトリチスシネレア(Botrytis cinerea)。
【0114】
拮抗性微生物:
拮抗性酵母株は実施例2に記載のカンジダオレオフィラであった。
【0115】
処理:
実施例2に記載のようにリンゴに傷をつけ、本発明に基づく塩および10cfuのカンジダオレオフィラ(C.oleophila)を含む組成物、または最新技術の組成物の適用によって処理した。
【0116】
インキュベーション後、創傷にリンゴ青カビ病菌を接種した。果実をさらにインキュベートした。創傷の周囲に発生した損傷の直径を病原体接種の5日後に測定した。種々の処理によって提供される保護のパーセンテージを実施例2に記載のように算出した。その結果を表10に示す。株Oの標準的組成物をコントロールとして使用した。使用される塩は:グルコン酸カルシウム(CG)、クエン酸三カルシウム:(TC)、クエン酸カリウム(PC)、グルタミン酸カルシウム(CGt)であった。
【0117】
【表10】

【0118】
結論
これらの実施例で得られたすべての結果は、本発明に基づく組成物が、同一適用濃度で使用される微生物株を含有する最新技術の組成物によって提供される有効性より高い有効性を実証することを示す。拮抗性微生物の保護特性に関する、本明細書中に記載の塩の驚くべき特性は、本実施例によって明確に実証された。グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸カリウム、グルタミン酸カリウム、一塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、乳酸カルシウムまたはラクトグルコン酸カルシウムとカンジダオレオフィラの組み合わせを使用して、非常に良好な結果が達成された。
【0119】
本発明で使用される塩は、驚くべきことに、病原体に対抗する組成物の有効性を低下させることなく、拮抗性微生物の濃度を低下させることを可能にする良好なブースト化合物である。またそれらは、病原体に対抗する組成物の有効性の持続時間を延長しつつ、拮抗性微生物の濃度を低下させること可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上の病原体に対抗して使用するための組成物であって、少なくとも1種の拮抗性微生物および、以下の塩から選択される少なくとも1種の塩を含む組成物:硫酸カルシウム、一塩基性リン酸カルシウムCa(HPO、二塩基性リン酸カルシウム(CaHPO)、三塩基性リン酸カルシウム(Ca(PO4))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO)、酢酸カルシウム、エタン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、エリトロン酸カルシウム、テオン酸カルシウム(calcium theonate)、リボン酸カルシウム、アラビノン酸カルシウム、キシロン酸カルシウム、リキソン酸カルシウム、アロン酸カルシウム、アルトロン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、マンノン酸カルシウム、グロン酸カルシウム、イドン酸カルシウム、ガラクトン酸カルシウム、タロン酸カルシウム、アロヘプトン酸カルシウム、アルトロヘプトン酸カルシウム、グルコヘプトン酸カルシウム、マンノヘプトン酸カルシウム、グロヘプトン酸カルシウム、イドヘプトン酸カルシウム、ガラクトヘプトン酸カルシウム、タロヘプトン酸カルシウム、タルトロン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サッカリン酸カルシウム、粘液酸カルシウム、ラクトグルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、イソクエン酸カルシウム、またはシトラマル酸カルシウム。
【請求項2】
0.005〜5g/lの範囲、好ましくは0.01〜4g/l w/vの範囲、より好ましくは0.1〜3g/l w/vの範囲、より好ましくは0.01〜2.5g/l w/vの範囲、およびさらにより好ましくは0.1〜2.2g/l w/vの範囲の量の塩が含まれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1種の拮抗性微生物が、細菌、真菌および酵母を含む群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項4】
拮抗性微生物が以下の微生物を含む群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の組成物: アグロバクテリウム種(Agrobacterium spp.)、アンプレオミセス種(Ampelomyces spp.)、アオレオバシジウム種(Aureobasidiumspp.);バシラス種(Bacillus spp.)、ブレオマイセス種(Bulleromycesspp.)、カンジダ種(Candida spp.)、ケトミウム種(Chaetomium spp.)、コニオスリウム種(Coniothyrium spp.)、クリプトコッカス種(Cryptococcus spp.)、デバリオマイセス種(Debaryomyces spp.)、デケラ種(Dekkera spp.)、エルウィニア種(Erwinia spp.)、エクソフィアラ種(Exophilia spp.)、グリオクラジウム種(Gliocladium spp.)、ハンゼヌラ種(Hansenula spp.)、イッサチェンキア種(Issatchenkia spp.)、クルイヴェロマイシス種(Kluyveromycesspp.)、マリアナエア種(Mariannaea spp.)、メッシュニコビア種(Metschnikovia spp.)、ミクロドキウム種(Microdochiumspp.)、ペニシリウム種(Penicillium spp.)、カミカワタケ種(Phlebiopsis spp.);ピキア種(Pichia spp.)、シュードモナス種(Pseudomonasspp.)、シュードジマ種(Pseudozyma spp.)、ロドトルラ種(Rhodotorula spp.)、サッカロミセス種(Saccharomyces spp.)、スポロボロミセス種(Sporobolomyces spp.)、ストレプトミセス種(Streptomycessp.)、タラロミセス種(Talaromyces spp.)、トリコデルマ種(Trichoderma spp.)、ウロクラジウム種(Ulocladium spp.)、およびチゴサッカロミセス種(Zygosaccharomyces spp.)、好ましくはアグロバクテリウムラジオバクテル(Agrobacteriumradiobacter)、枯草菌(Bacillus subtilis)、リケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)、パミリス菌(Bacillus pumilis)、カンジダオレオフィラ(Candida oleophila)、カンジダサイトアナ(Candida saitoana)、カンジダサケ(Candida sake)、カンジダテニウス(Candida tenius)、カンジダウチリス(Candida utilis)、コニオスリウムミニタンス(Coniothyrium minitans)、クリプトコッカスアルビダス(Cryptococcus albidus)、軟腐病菌(Erwinia carotovora)、グリオクラジウムカテナラタム(Gliocladium catenalatum)、グリオクラジウムビレンス(Gliocladiumvirens)、ハンセニアスポラウバルム(Hanseniaspora uvarum)、熱耐性クルイベロミセス(Kluyveromyces thermotolerance)、メッシュニコビアフルクチコラ(Metschnikovia fructicola)、メッシュニコビアレウカフィ(Metschnikowia reukafii)、ミクロドチウムディメルム(Microdochiumdimerum)、ペニシリウムオクザリカム(Penicillium oxalicum)、カミカワタケ(Phlebiopsis gigantean)、ピキアアノモラ(Pichia anomala)、ピキアグイリアモンディ(Pichia guilliermondii)、シュードモナスセパシア(Pseudomonascepacia)、シュードモナスクロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、シリンゲ菌(Pseudomonas syringae)、シュードザイマフロクロサ(Pseudozyma flocullosa)、ロドトルラグルチニス(Rhodotorulaglutinis)、ロドトルラムシラジナーサ(Rhodotorula mucilaginosa)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセスストレプトミセスグリセオビリディス(Saccharomyces Streptomyces griseoviridis)、タラロミセスフラバス(Talaromyces flavus)、トリコデルマアトロビリデ(Trichoderma atroviride)、トリコデルマハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマポリスポラム(Trichodermapolysporum)、トリコデルマビリディ(Trichoderma viride)、およびウロクラジウムアトラム(Ulocladium atrum)。
【請求項5】
拮抗性微生物が、10〜1011cfu/ml、好ましくは10〜1010cfu/mlの範囲の濃度で適用される、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
植物性物質に対して疾患を生じさせる能力を有する病原体に対抗して使用するための、先行する請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
植物性物質が、Malus spp.Pyrusspp.、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、タンジェリンを含めたCitrus spp.の種を含めた果実;トマト、ピーマン、キュウリ、ブドウの木およびイチゴの種のような作物;ジャガイモ、ニンジンを含めた根菜類;マンゴー、バナナ、グアバ、パイナップル、アボカドを含めた熱帯性果実;メロン果実、および花および他の観賞用作物を含む群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
病原体が以下の病原体を含む群から選択される、先行する請求項のいずれかに記載の組成物:アルタナリア種(Alternaria spp.)、アスコキータ種(Ascochyta spp.)、アスペルギルス種(Aspergillus spp.)、ボトリチス種(Botrytis spp.)、セルコスポラ種(Cercospora spp.)、クラドスポリウム種(Cladosporium spp.)、クラビセプス種(Claviceps spp.)、コレトトリカム種(Colletotrichum spp.)、エリシフェ種(Erysiphe spp.)、フサリウム種(Fusarium spp.)、ゲオトリクム種(Geotrichum spp.)、ギルバーテラ種(Gilbertella spp.)、グレオスポリウム種(Gloeosporium spp.)、ヘルミントスポリウム種(Helminthosporium spp.)、モニリア種(Monilia spp.)、モニリニア種(Monilinia spp.)、ムコヴ種(Mucov spp.)、アカツブタケ種(Nectria spp.)、ペニシリウム種(Penicilliumspp.)、ツユカビ種(Peronospora spp.)、ペジキュラ種(Pezicula spp.)、ホモプシス種(Phomopsis spp.)、疫病菌(Phytophthora spp.)、プラスモパラ種(Plasmopara spp.)、ポドスファエラ種(Podosphaera spp.)、シュードセルコスポリウム種(Pseudocercosporium spp.)、プクキニア種(Puccinia spp.)、リゾクトニア種(Rhizoctonia spp.)、クモノスカビ種(Rhizopus spp.)、リンコスポリウム種(Rynchosporium spp.)、スクレロティニア種(Sclerotinia spp.)、セプトリア種(Septoria spp.)、スファエロセカ種(Sphaerothecaspp.)、ウンキヌラ種(Uncinula spp.)、ウスチラゴ種(Ustilago spp.)、ベンチュリア種(Venturia spp.)、バーチジリウム種(Verticillium spp.)、および細菌またはウイルス性病原体。
【請求項9】
病原体が以下の病原体を含む群から選択される、請求項8に記載の組成物:アルタナリアアルタナリア(Alternariaalternata)、アスコキータ種(Ascochyta sp.)、黄色コウジ菌(Aspergillusflavus)、クロカビ(Aspergillus niger)、ボトリチスアリ(Botrytisalii)、灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)、ボトリチスファバエ(Botrytis fabae)、セルコスポラ種(Cercospora sp.)、クラドスポリウム種(Cladosporium sp.)、麦角菌(Claviceps purpurea)、コレトトリカム種(Colletotrichum sp.)、うどんこ病菌(Erysiphe betae)、ムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis)、フサリウムオキシスポラム(Fusarium oxysporum)、チチカビ(Geotrichum candidum)、ギルバーテラペルシコビア(Gilbertella persicovia)、グレオスポリウムペレナス(Gloeosporium perennans)、グレオスポリウムフルクチゲナム(Gloeosporiumfructigenum)、ヘルミントスポリウム種(Helminthosporium sp.)、モニリア種(Monilia sp.)、モモ灰星病菌(Monilinia fructicola)、モニリニアラクサ(Monilinia laxa)、ムコヴ種(Mucov sp.)、ネクトリアキンナバリナ(Nectriacinnabarina)、カンキツ緑かび病菌(Penicillium digitatum)、リンゴ青カビ病菌(Penicillium expansum)、アオカビ病菌(Penicilliumitalicum)、ツユカビ種(Peronospora sp.)、ペジキュラマルコルチカス(Peziculamalicorticas)、ホモプシスビチコラ(Phomopsis viticola)、ジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)、プラスモパラビチコラ(Plasmoparaviticola)、ポドスファエラレウコトリカ(Podosphaera leucotricha)、シュードセルコスポリウム種(Pseudocercosporium sp.)、黒さび病菌(Puccinia graminis)、リゾクトニア種(Rhizoctonia sp.)、リゾプスアリツス(Rhizopus arrhizus)、リゾープスストロニフェル(Rhizopus stolonifer)、リンコスポリウム種(Rynchosporiumsp.)、スクレロティニアセピボラム(Sclerotinia Cepivorum)、スクレロティニアスクレロティオラム(Sclerotinia sclerotiorum)、セプトリアアピコラ(Septoria apicola)、スファエロ種(Sphaerotheca sp.)、ブドウうどんこ病菌(Uncinula necator)、ウスチラゴ種(Ustilago sp.)、ベンチュリアイナクアリス(Venturiainaequalis);バーティシリウムアルボアトラム(Verticillium albo-atrum)、およびバーティシリウムダーリエ(Verticillium dahliae)。
【請求項10】
病原体が、ボトリチス種、ペニシリウム種、ペジキュラ種およびクモノスカビ種を含む群から選択される、請求項8または9に記載の組成物。
【請求項11】
処置対象の植物に対して、同時に、別々に、あるいは連続して投与するための、少なくとも1種の拮抗性微生物および少なくとも1種の塩および/またはその誘導体を含む組成物であって、該塩が以下の塩から選択される組成物:硫酸カルシウム、一塩基性リン酸カルシウムCa(HPO、二塩基性リン酸カルシウム(CaHPO)、三塩基性リン酸カルシウム(Ca(PO4))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO)、酢酸カルシウム、エタン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、エリトロン酸カルシウム、テオン酸カルシウム(calcium theonate)、リボン酸カルシウム、アラビノン酸カルシウム、キシロン酸カルシウム、リキソン酸カルシウム、アロン酸カルシウム、アルトロン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、マンノン酸カルシウム、グロン酸カルシウム、イドン酸カルシウム、ガラクトン酸カルシウム、タロン酸カルシウム、アロヘプトン酸カルシウム、アルトロヘプトン酸カルシウム、グルコヘプトン酸カルシウム、マンノヘプトン酸カルシウム、グロヘプトン酸カルシウム、イドヘプトン酸カルシウム、ガラクトヘプトン酸カルシウム、タロヘプトン酸カルシウム、タルトロン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サッカリン酸カルシウム、粘液酸カルシウム、ラクトグルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、イソクエン酸カルシウム、またはシトラマル酸カルシウム。
【請求項12】
植物性物質に対して病原体によって引き起こされる疾患を生物学的に抑制するための方法であって、請求項1〜11のいずれかで規定される組成物を該植物性物質に適用する段階を含む方法。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれかで規定される組成物を製造するための方法であって、少なくとも1種の拮抗性微生物を少なくとも1種の塩および/またはその誘導体と混合する段階を含む方法。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれかで規定される組成物の、バイオ農薬としての使用。
【請求項15】
少なくとも1種の拮抗性微生物を含む組成物の効力を増強するための化合物としての塩の使用であって、該塩が以下の塩から選択される使用:硫酸カルシウム、一塩基性リン酸カルシウムCa(HPO、二塩基性リン酸カルシウム(CaHPO)、三塩基性リン酸カルシウム(Ca(PO4))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO)、酢酸カルシウム、エタン酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、エリトロン酸カルシウム、テオン酸カルシウム(calcium theonate)、リボン酸カルシウム、アラビノン酸カルシウム、キシロン酸カルシウム、リキソン酸カルシウム、アロン酸カルシウム、アルトロン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、マンノン酸カルシウム、グロン酸カルシウム、イドン酸カルシウム、ガラクトン酸カルシウム、タロン酸カルシウム、アロヘプトン酸カルシウム、アルトロヘプトン酸カルシウム、グルコヘプトン酸カルシウム、マンノヘプトン酸カルシウム、グロヘプトン酸カルシウム、イドヘプトン酸カルシウム、ガラクトヘプトン酸カルシウム、タロヘプトン酸カルシウム、タルトロン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サッカリン酸カルシウム、粘液酸カルシウム、ラクトグルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、イソクエン酸カルシウム、またはシトラマル酸カルシウム。

【公表番号】特表2008−514567(P2008−514567A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532849(P2007−532849)
【出願日】平成17年9月23日(2005.9.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010342
【国際公開番号】WO2006/032530
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(507095035)
【Fターム(参考)】