説明

1,3,5−トリアジン誘導体からなる薄膜及び製造方法

【課題】有機電界発光素子用の有機材料として有用な1,3,5−トリアジン化合物の薄膜およびその製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)
【化1】


で表される1,3,5−トリアジン誘導体からなる薄膜。またその製造方法として、一般式(2)
【化2】


で表される置換ベンゾニトリル類と、一般式(3)
【化3】


で表されるジカルボン酸ジクロリド類とを、ルイス酸の存在下で反応させ、一般式(4)
【化4】


で表される1,3,5−オキサジアジニウム塩またはその溶液を得、次いでこれとアンモニア水を反応させる。
[式中、Yは炭素数1から8のアルキル基を示し、nは0又は1から5の整数を示し、nが2から5の整数を示す時はYは同一又は相異なっていてもよい。Xはp−フェニレン基、m−フェニレン基または4,4’−ビフェニレン基を示し、Zは陰イオンを示す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,3,5−トリアジン誘導体からなる薄膜及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機化合物の薄膜を有機電界発光素子として連続使用する場合、駆動時の温度上昇による薄膜の結晶化が問題となる。すなわち、薄膜が結晶化することにより、分子の凝集、表面平滑性の喪失などがもたらされ、これらが要因となりダ−クスポットの生成ひいては寿命の低下を引起す。例えば、電子輸送材としてよく知られる2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ルや正孔輸送材としてよく知られるN,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジンは、上記のような結晶化が材料としての欠点である。
【0003】
1,3,5−トリアジン誘導体は、有機電界発光素子用の有機材料の用途が期待される化合物である。例えば、特許文献1、2、3および4には、4,4’−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジニン−2−イル)−1,1’−ビフェニルを含む薄膜を用いて素子を構成したディスプレイ装置が開示されている。
【0004】
特許文献1、2、3および4に開示されている1,3,5−トリアジン誘導体の合成方法は、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロリドと置換ベンゾニトリル誘導体を塩化アルミニウム、塩化チオニルおよび塩化アンモニウムの共存下で反応させるものであり、収率が13から38%と低いという問題点がある。また、非特許文献1には、テレフタル酸ジクロリドまたはイソフタル酸ジクロリドと置換ベンゾニトリル誘導体を四塩化スズの存在下で反応させ、オキサジアジニウム塩を一旦単離してから、1,3,5−トリアジン誘導体を製造する方法が開示されている。この方法は、収率は高いものの、オキサジアジニウム塩を1,3,5−トリアジン誘導体に変換する過程で、工業上使用が困難な乾燥アンモニアガスを用いるプロセスである。さらに非特許文献2には、テレフタルアルデヒドとベンズアミジンとの反応により、1,3,5−トリアジン誘導体を製造する方法が開示されているが、精製過程で工業上使用が困難なニトロベンゼンを用いるプロセスである。
【0005】
【特許文献1】特開2004−63465号公報
【特許文献2】米国特許第6057048号明細書
【特許文献3】米国特許第6229012号明細書
【特許文献4】米国特許第6225467号明細書
【非特許文献1】Izvestiya Natsional’noi Akademii Nauk Respubliki Kazakhstan,Seriya Khimicheskaya、1993年、第2号、13−20ペ−ジ
【非特許文献2】Die Makromolekulare Chemie,1975年、第176巻、849−858ペ−ジ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、有機電界発光素子用の有機材料として有用な1,3,5−トリアジン化合物の薄膜およびそれらの製造方法を開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成る薄膜が、真空蒸着法、スピンコ−ト法、塗布法、インクジェット法などで成膜することが可能であり、有機電界素子として用いるために必要な高い表面平滑性、アモルファス性、耐熱性、電子輸送能、正孔ブロック能、酸化還元耐性、耐水性、耐酸素性などをもつことを見出した。また、一般式(2)で表される置換ベンゾニトリル類と一般式(3)で表されるジカルボン酸ジクロリド類とをルイス酸の存在下で反応させることにより得られる一般式(4)で表される1,3,5−オキサジアジニウム塩またはその溶液を得、次いでこれをアンモニア水と反応させることにより極めて簡便かつ高収率で一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体へと転換できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0009】
【化1】

[式中、Yは炭素数1から8のアルキル基を示し、nは0又は1から5の整数を示し、nが2から5の整数を示す時はYは同一又は相異なっていてもよい。Xはp−フェニレン基、m−フェニレン基または4,4’−ビフェニレン基を示す。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成ることを特徴とする薄膜である。
【0010】
また本発明は、一般式(2)
【0011】
【化2】

[式中、Y、nは前述と同様を示す。]で表される置換ベンゾニトリル類と、一般式(3)
【0012】
【化3】

[式中、Xは前述と同様を示す。]で表されるジカルボン酸ジクロリド類とを、ルイス酸の存在下で反応させることにより、一般式(4)
【0013】
【化4】

[式中、Y、n、Xは前述と同様を示し、Zは陰イオンを示す。]で表される1,3,5−オキサジアジニウム塩またはその溶液を得、次いでこれとアンモニア水を反応させることを特徴とする、一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体の製造方法である。以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明において、炭素数1から8のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、イソブチル基、シクロブチルメチル基、2−シクロプルピルエチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0015】
またへプチル基、イソヘプチル基、1−メチル−1−シクロプロピルプロピル基、2,2−ジメチルペンチル基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−エチル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチルシクロペンチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2,2−ジエチルプロピル基、2−エチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、1−プロピルブチル基、シクロヘプチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0016】
またオクチル基、シクロオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、1,2−ジメチル−1−シクロプロピルプロピル基、1−プロピルシクロペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1−メチルシクロヘプチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−プロピル−2−メチルブチル基、1−プロピル−1−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1−エチル−1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルブチル基、1,2,3−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、1,2−ジエチルブチル基、4−エチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,3−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基および2,4−ジメチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0017】
それら中でもYとしてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、もしくはシクロブチル基、又はn=0が材料としての性能が良い点で望ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、もしくはtert−ブチル基又はn=0がさらに望ましい。
【0018】
本発明において一般式(1)で表される化合物としては具体的には、1,4−ビス(4,6−ジ−4−ブチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,4−ビス(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス[4,6−ビス(3−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,4−ビス[4,6−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,3−ビス(4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス[4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,3−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン等があげられる。
【0019】
また1,3−ビス(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス[4,6−ビス(3−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,3−ビス[4,6−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,4−ビス[4,6−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,4−ビス[4,6−ビス(3,5−ジブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,4−ビス[4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,3−ビス[4,6−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,3−ビス[4,6−ビス(3,5−ジブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン等があげられる。
【0020】
また1,3−ビス[4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、4,4’−ビス[4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス[4,6−ビス(3−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス[4,6−ビス(3−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス[4,6−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス[4,6−ビス(3,5−ジブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス[4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル等があげられる。
【0021】
また1,4−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、4,4’−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)―1,1’―ビフェニル、4,4’−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,1’−ビフェニル、4−(4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4’−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,1’−ビフェニルなどを例示することができる。
【0022】
材料としての性能が良い点で、1,4−ビス(4,6−ジ−4−ブチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,3−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン、1,3−ビス(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、4,4’−ビス[4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン、4,4’−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)―1,1’―ビフェニル、4,4’−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,1’−ビフェニル、又は4−(4,6−ジ−p−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4’−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1,1’−ビフェニルが望ましい。
【0023】
一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成る薄膜の製造方法に、特に限定はないが、真空蒸着法による成膜も可能である。真空蒸着法による成膜は、汎用の真空蒸着装置を用いることにより行うことができる。真空蒸着法で膜を形成する際の真空槽の真空度は、有機電界発光素子作製の製造タクトタイムや製造コストを考慮すると、一般的に用いられる拡散ポンプ、タ−ボ分子ポンプ、クライオポンプ等により到達し得る1×10−4〜1×10−7torr程度が望ましい。蒸着速度は、形成する膜の厚さによるが0.005〜1.0nm/秒が望ましい。また、一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体は、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等に対する溶解度が高いため、汎用の装置を用いた塗布法、スピンコ−ト法、インクジェット法などによる成膜も可能である。
【0024】
本発明の製造方法において、反応に用いられる一般式(2)で表される置換ベンゾニトリル類と、一般式(3)で表されるジカルボン酸ジクロリド類のモル比は1:100〜100:1の広い範囲で高い収率が得られるが、量論量でも充分に反応は進行する。
【0025】
反応に用いる溶媒は、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼンなどが例示できる。収率が良い点で、ジクロロメタンが望ましい。
【0026】
ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、三塩化鉄、四塩化スズ、五塩化アンチモンなどが例示できる。収率が良い点で、五塩化アンチモンが望ましい。
【0027】
一般式(4)の塩は単離することもできるが、溶液のまま次の反応操作に供してもよい。塩として単離する場合、一般式(4)のZは、陰イオンであれば特に限定はないが、一般式(4)の陽イオン部分を中和するのに必要な価数をもつ陰イオンであれば、単一の陰イオン又は複数の陰イオンの組合せであってもよく、上に挙げたルイス酸にフッ化物イオンまたは塩化物イオンが結合したテトラフルオロホウ酸イオン、クロロトリフルオロホウ酸イオン、テトラクロロアルミニウム酸イオン、テトラクロロ鉄(III)酸イオン、ペンタクロロスズ(IV)酸イオンまたはヘキサクロロアンチモン(V)酸イオンを対陰イオンとして得ると収率が良い。
【0028】
用いるアンモニア水の濃度に特に制限はないが、5〜50%が好ましく、市販の28%でも反応は充分に進行する。
【0029】
反応温度には特に制限はないが、−50℃〜溶媒還流温度から選ばれた温度で反応を行うことが好ましい。また反応時間は、反応温度とのかねあいによるが、0.5時間〜24時間である。
【0030】
本発明の一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成る薄膜は、高い表面平滑性、アモルファス性、耐熱性、電子輸送能、正孔ブロック能、酸化還元耐性、耐水性、耐酸素性などをもつため、有機電界発光素子の材料として用いることが可能で、とりわけ電子輸送材、正孔ブロック材として用いることができる。従って、一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成る薄膜は、有機EL材料としての使用が期待される。
【発明の効果】
【0031】
本発明により、有機電界発光素子用の有機材料として用途が期待される1,3,5−トリアジン誘導体を高収率で製造することができる。
【実施例】
【0032】
次に本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
【0033】
(実施例1)1,4−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼンの合成ならびに融点およびガラス転移点
テレフタル酸ジクロリド406mgとp−tert−ブチルベンゾニトリル1.27gを80mLのジクロロメタンにアルゴン下で溶解した。得られた溶液に、5塩化アンチモン1.20gを0℃で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌後、12時間還流した。室温まで冷却後、減圧下で低沸点成分を除去し、2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス(4,6−ジ−tert−ブチル−1,3,5−オキサジアジニウム)−ビス[ヘキサクロロアンチモン(V)酸]を、黄色固体として得た。得られた黄色固体をアルゴン気流中で粉砕し、これを0℃で28%アンモニア水溶液にゆっくりと加えた。得られた懸濁液を室温でさらに1時間攪拌した。析出した固体をろ取し、水,メタノ−ルで順次洗浄し、シリカゲルカラム(溶離液ジクロロメタン−ヘキサン)を通し、さらにトルエン溶液から再結晶して1,4−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼンの白色粉末(収量1.02g、収率67%)を得た。
【0034】
H−NMR(CDCl,ppm)
δ1.36(s,36H),7.56(d,J=8.5Hz,8H),8.66(d,J=8.5Hz,8H),8.89(s,4H).
13C−NMR(CDCl,ppm)
δ31.2(CH×12),35.1(q.×4),125.7(CH×8),128.9(CH×8),129.1(CH×4),133.6(q.×4),140.0(q.×2),156.2(q.×4),171.0(q.×2),171.7(q.×4).
融点を表1に示した。また、明確なガラス転移点は観測されなかった。
【0035】
(実施例2)1,4−ビス(4,6−ジ−4−ブチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼンの合成ならびに融点およびガラス転移点
実施例1と同様にして、テレフタル酸ジクロリド406mgとp−ブチルベンゾニトリル1.27gから目的物である1,4−ビス(4,6−ジ−4−ブチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼンの白色粉末(収量884mg、収率58%)を得た。
H−NMR(CDCl,ppm)
δ0.90(t,J=7.3Hz,12H),1.25−1.43(m,8H),1.53−1.71(m,8H),2.68(t,J=7.6Hz,8H),7.33(d,J=8.3Hz,8H),8.64(d,J=8.3Hz,8H),8.87(s,4H).
13C−NMR(CDCl,ppm)
δ14.0(CH×4),22.4(CH×4),33.4(CH×4),35.8(CH×4),128.8(CH×8),129.0(CH×12),133.8(q.×4),139.9(q.×2),148.1(q.×4),170.9(q.×2),171.7(q.×4).
融点およびガラス転移点を表1に示した。
【0036】
(実施例3)1,3−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼンの合成ならびに融点およびガラス転移点
実施例1と同様にして、イソフタル酸ジクロリド406mgとp−tert−ブチルベンゾニトリル1.27gから目的物である1,3−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼンの白色粉末(収量958mg、収率63%)を得た。
H−NMR(CDCl,ppm)
δ1.37(s,36H),7.58(d,J=8.6Hz,8H),7.72(t,J=7.8Hz,1H),8.37(d,J=8.6Hz,8H),8.90(dd,J=7.8,1.8Hz,2H),10.22(brs,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm)
δ31.2(CH×12),35.1(q.×4),125.6(CH×8),128.9(CH×8),129.0(CH×2),132.3(CH),133.7(CH,q.×4),136.9(q.×2),156.1(q.×4),171.0(q.×2),171.7(q.×4).
融点およびガラス転移点を表1に示した。
【0037】
(実施例4)1,3−ビス(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼンの合成ならびに融点およびガラス転移点
実施例1と同様にして、イソフタル酸ジクロリド406mgとm−トルニトリル937mgから目的物である1,3−ビス(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼンの白色粉末(収量611mg、収率51%)を得た。
H−NMR(CDCl,ppm)
δ2.48(s,12H),7.31−7.48(m,8H),7.69(t,J=7.8Hz,1H),8.56(s,4H),8.57(d,J=8.3Hz,4H),8.91(dd,J=7.8,1.8Hz,2H),10.03(brs,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm)
δ21.7(CH×4),126.3(CH×4),128.6(CH×4),129.0(CH),129.5(CH×4),129.6(CH),132.8(CH×2),133.4(CH,×4),136.2(q.×4),136.9(q.×2),138.3(q.×4),171.1(q.×2),171.8(q.×4).
融点およびガラス転移点を表1に示した。
【0038】
(実施例5)4,4’−ビス[4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニルの合成ならびに融点およびガラス転移点
実施例1と同様にして、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリド1.13gとp−ブチルベンゾニトリル2.55gから目的物である4,4’−ビス[4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニルの白色粉末(収量1.97g、収率59%)を得た。
H−NMR(CDCl,ppm)
δ0.90(t,J=7.3Hz,12H),1.27−1.43(m,8H),1.53−1.70(m,8H),2.69(t,J=7.7Hz,8H),7.33(d,J=8.2Hz,8H),7.84(d,J=8.4Hz,4H),8.63(d,J=8.2Hz,8H),8.82(d,J=8.4Hz,4H).
13C−NMR(CDCl,ppm)
δ14.0(CH×4),22.4(CH×4),33.4(CH×4),35.8(CH×4),127.4(CH×4),128.8(CH×8),129.0(CH×8),129.5(CH×4),133.9(q.×4),136.1(q.×2),144.2(q.×2),148.0(q.×4),171.1(q.×2),171.6(q.×4).
融点およびガラス転移点を表1に示した。
【0039】
(実施例6)4,4’−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニルの合成
実施例1と同様にして、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジクロリド281mgとp−tert−ブチルベンゾニトリル637gから目的物である4,4’−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニルの白色粉末(収量286mg、収率34%)を得た。
H−NMR(CDCl,ppm)
δ1.35(s,36H),7.55(d,J=8.6Hz,8H),7.85(d,J=8.4Hz,4H),8.65(d,J=8.6Hz,8H),8.82(d,J=8.4Hz,4H).
13C−NMR(CDCl,ppm)
δ31.2(CH×12),35.1(q.×4),125.6(CH×8),127.4(CH×4),128.8(CH×8),129.5(CH×4),133.7(q.×4),136.0(q.×2),144.2(q.×2),156.1(q.×4),171.1(q.×2),171.6(q.×4)。
【0040】
(実施例7)真空蒸着法により製造した1,4−ビス(4,6−ジ−4−ブチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン薄膜の表面平滑性評価
抵抗加熱用タングステンフィラメントに装着されたアルミナルツボ内に実施例2で合成した1,4−ビス(4,6−ジ−4−ブチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼンを入れて、真空槽を1.4×10−6torrまで減圧した後ルツボを加熱して真空蒸着を行った。基板は25mm角の石英ガラスを用い、表面をイソプロピルアルコ−ル、UV/オゾンで順次洗浄した。蒸着速度は0.05〜0.1nm/秒とした。触針式膜厚測定装置で測定した結果、蒸着膜の膜厚は100.2nmであった。このように作製した薄膜を、室温にて1×10−1torr程度の真空下で10〜20日間保管した。その後、原子間力顕微鏡(Digital Instrument社製NanoscopeIIIa、タッピングモ−ド測定)で表面平滑性を評価した。二乗平均粗さおよび算術平均粗さは、薄膜の平均的な表面形状と判断した5μm×5μmの視野範囲で得た。測定写真を図1に示す。図1より明らかなように、極めてアモルファス性の高い膜であった。二乗平均粗さおよび算術平均粗さの値を表2に示す。
【0041】
(実施例8)真空蒸着法により製造した1,3−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼン薄膜の表面平滑性評価
実施例3で合成した1,3−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]ベンゼンを実施例7と同様の方法で真空蒸着を行った。触針式膜厚測定装置で測定した結果、蒸着膜の膜厚は85.0nmであった。このように作製した薄膜を、室温にて1×10−1torr程度の真空下で10〜20日間保管した。その後、実施例7と同様の方法で表面平滑性を評価した。原子間力顕微鏡の測定写真を図2に示す。図2より明らかなように、極めてアモルファス性の高い膜であった。二乗平均粗さおよび算術平均粗さの値を表2に示す。
【0042】
(実施例9)真空蒸着法により製造した1,3−ビス(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼン薄膜の表面平滑性評価
実施例4で合成した1,3−ビス(4,6−ジ−m−トリル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゼンを実施例7と同様の方法で真空蒸着を行った。触針式膜厚測定装置で測定した結果、蒸着膜の膜厚は86.5nmであった。このように作製した薄膜を、室温にて1×10−1torr程度の真空下で10〜20日間保管した。その後、実施例7と同様の方法で表面平滑性を評価した。原子間力顕微鏡の測定写真を図3に示す。図3より明らかなように、極めてアモルファス性の高い膜であった。二乗平均粗さおよび算術平均粗さの値を表2に示す。
【0043】
(実施例10)スピンコ−ト法により製造した4,4’−ビス[4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル薄膜の表面平滑性評価
実施例5で合成した4,4’−ビス[4,6−ビス(4−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル10.2mgをクロロホルム1mLに溶解した。これを約0.2mL基板上に滴下し、60秒間、回転数2000rpmでスピンコ−トした。スピンコ−ト膜は、60℃で90分で真空乾燥した。触針式膜厚測定装置で測定した結果、スピンコ−ト膜の膜厚は107.8nmであった。このように作製した薄膜を、室温にて1×10−1torr程度の真空下で10〜20日間保管した。その後、実施例7と同様の方法で表面平滑性を評価した。原子間力顕微鏡の測定写真を図4に示す。図4より明らかなように、極めてアモルファス性の高い膜であった。二乗平均粗さおよび算術平均粗さの値を表2に示す。
【0044】
(実施例11)真空蒸着法により製造した4,4’−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニル薄膜の表面平滑性評価
実施例6で合成した4,4’−ビス[4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,1’−ビフェニルを実施例7と同様の方法で真空蒸着を行った。触針式膜厚測定装置で測定した結果、蒸着膜の膜厚は100.2nmであった。このように作製した薄膜を、室温にて1×10−1torr程度の真空下で10〜20日間保管した。その後、実施例7と同様の方法で表面平滑性を評価した。原子間力顕微鏡の測定写真を図5に示す。図5より明らかなように、極めてアモルファス性の高い膜であった。二乗平均粗さおよび算術平均粗さの値を表2に示す。
【0045】
(比較例1)真空蒸着法により製造した2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル薄膜の表面平滑性評価
2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ルを実施例7と同様の方法で真空蒸着を行った。触針式膜厚測定装置で測定した結果、蒸着膜の膜厚は99.1nmであった。このように作製した薄膜を、室温にて1×10−1torr程度の真空下で5日間保管した。その後、実施例7と同様の方法で表面平滑性を評価した。原子間力顕微鏡の測定写真を図6に示す。図6より明らかなように、極めて高い結晶性膜であった。二乗平均粗さおよび算術平均粗さの値を表2に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施例7で得られた原子間力顕微鏡写真を示す図である。
【図2】実施例8で得られた原子間力顕微鏡写真を示す図である。
【図3】実施例9で得られた原子間力顕微鏡写真を示す図である。
【図4】実施例10で得られた原子間力顕微鏡写真を示す図である。
【図5】実施例11で得られた原子間力顕微鏡写真を示す図である。
【図6】比較例1で得られた原子間力顕微鏡写真を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Yは炭素数1から8のアルキル基を示し、nは0又は1から5の整数を示し、nが2から5の整数を示す時はYは同一又は相異なっていてもよい。Xはp−フェニレン基、m−フェニレン基または4,4’−ビフェニレン基を示す。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成ることを特徴とする薄膜。
【請求項2】
一般式(2)
【化2】

[式中、Yは炭素数1から8のアルキル基を示し、nは0又は1から5の整数を示し、nが2から5の整数を示す時はYは同一又は相異なっていてもよい。]で表される置換ベンゾニトリル類と、一般式(3)
【化3】

[式中、Xはp−フェニレン基、m−フェニレン基または4,4’−ビフェニレン基を示す。]で表されるジカルボン酸ジクロリド類とを、ルイス酸の存在下で反応させることにより、一般式(4)
【化4】

[式中、Y、n、Xは前述と同様を示し、Zは陰イオンを示す。]で表される1,3,5−オキサジアジニウム塩またはその溶液を得、次いでこれとアンモニア水を反応させることを特徴とする、一般式(1)
【化5】

[式中、Y、n、Xは前述と同様を示す。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体の製造方法。
【請求項3】
ルイス酸が三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、三塩化鉄、四塩化スズまたは五塩化アンチモンであることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
ルイス酸が五塩化アンチモンであることを特徴とする、請求項2又は3に記載の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Yは炭素数1から8のアルキル基を示し、nは0又は1から5の整数を示し、nが2から5の整数を示す時はYは同一又は相異なっていてもよい。Xはp−フェニレン基、m−フェニレン基または4,4’−ビフェニレン基を示す。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体から成ることを特徴とする薄膜。
【請求項2】
一般式(2)
【化2】

[式中、Yは炭素数1から8のアルキル基を示し、nは0又は1から5の整数を示し、nが2から5の整数を示す時はYは同一又は相異なっていてもよい。]で表される置換ベンゾニトリル類と、一般式(3)
【化3】

[式中、Xはp−フェニレン基、m−フェニレン基または4,4’−ビフェニレン基を示す。]で表されるジカルボン酸ジクロリド類とを、ルイス酸の存在下で反応させることにより、一般式(4)
【化4】

[式中、Y、n、Xは前述と同様を示し、Zは陰イオンを示す。]で表される1,3,5−オキサジアジニウム塩またはその溶液を得、次いでこれとアンモニア水を反応させることを特徴とする、一般式(1)
【化5】

[式中、Y、n、Xは前述と同様を示す。]で表される1,3,5−トリアジン誘導体の製造方法。
【請求項3】
ルイス酸が三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、三塩化鉄、四塩化スズまたは五塩化アンチモンであることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
ルイス酸が五塩化アンチモンであることを特徴とする、請求項2又は3に記載の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の薄膜を用いることを特徴とする有機電界発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−225321(P2006−225321A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41146(P2005−41146)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000173762)財団法人相模中央化学研究所 (151)