説明

100BASE−Tイーサネットのためのフォールトトレラントモード

100BASE−T接続を維持するためイーサネットケーブル内で残っており大きくダメージを受けていないツイストペアの利用を可能とするシステムが、費用のかかる修繕及び障害なしに提供される。説明される装置は、送信経路(110)に結合されるデジタル・アナログ・コンバータ(DAC108)及び受信経路(118)に結合されるアナログ・デジタル・コンバータ(ADC116)を含む。媒体依存インタフェース(MDIX106)が、DAC及びADCに結合され、100BASE−Tイーサネット接続での通信のため第1のツイストペア(104−1)及び第2のツイストペア(104−2)を受信するよう適合される。ツイストペアフォールトが検出されると、MDIXがフォールトトレランスモードに入り、フォールトのないアクティブツイストペアで物理的全二重100BASE−Tリンクがつくられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にイーサネットに関し、更に特定して言えば、100BASE−Tイーサネットのためのフォールトモードに関連する。
【背景技術】
【0002】
現在、イーサネットについて多数の電気電子技術者学会(IEEE)規格がある。それらの例の幾つかは、10BASE−T、100BASE−T、及び1000BASE−Tであり、これらは、幾つかの異なる種類の送信媒体(即ち、ツイストペア)を列挙し、それらについて説明している。具体的には、ツイストペア(これは、IEEE802.3uにより説明され、あらゆる目的のための参照のためここに組み込む)のための100BASE−Tは、一層高速の規格(即ち、1000BASE−T)が好まれるため、多くの産業用用途を除き、大部分は使われなくなっている。言い換えると、100BASE−Tは、産業用イーサネットにおいていまだに幅広く用いられている。
【0003】
100BASE−Tの市場は限定され、比較的小さいため、問題点があるにも関わらず、あまり開発されてこなかった。例えば、イーサネットケーブルは、産業用の環境では実質的に乱用されており、これは、ケーブルへの損傷の可能性が高いことを意味する。また、イーサネット機能の途絶及びこれらのケーブルの交換はそれぞれ非常に費用が嵩み得る。そのため、ケーブル損傷に耐性のある100BASE−T接続で作動するシステムが求められている。
【0004】
従来のシステムの幾つかの例は、米国特許番号第7,587,181号、米国特許公開番号2004/0213170、及び米国特許公開番号2008/0253356に記載されている。
【発明の概要】
【0005】
従って、本発明の例示の一実施例は或る装置を提供する。この装置は、送信経路、受信経路、送信経路に結合されるデジタル・アナログ・コンバータ(DAC)、受信経路に結合されるアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)、及びDAC及びADCに結合される媒体依存インタフェース(MDI)を含み、100BASE−T接続で通信を提供するようにMDIが第1のツイストペア及び第2のツイストペアを受信するよう適合され、第1及び第2のツイストペアの一つにフォールトが検出されるとMDIがフォールトトレランスモードに入り、フォールトトレランスモードにおいて、アクティブツイストペアで全二重100BASE−Tリンクがつくられ、アクティブツイストペアが、フォールトのない第1及び第2のツイストペアの1つである。
【0006】
本発明の例示の一実施例に従って、MDIは媒体依存インタフェースクロスバー(MDIX)である。
【0007】
本発明の例示の一実施例に従って、この装置は、送信経路及び受信経路に結合されるエコーキャンセラ、及びDAC及びADCに結合されるハイブリッド回路を更に含む。
【0008】
本発明の例示の一実施例に従って、所定の期間内で半/全二重100BASE−Tリンクが成立しないかどうかを判定することにより、第1及び第2のツイストペアの一つがフォールトを有するか否かをMDIが検出する。
【0009】
本発明の例示の一実施例に従って、フォールトトレラントモードのアクティブツイストペアでMDIが同期化を行なう。
【0010】
本発明の例示の一実施例に従って或る方法が提供される。この方法は、第1のユニット及び第2のユニット間に結合される第1のツイストペア及び第2のツイストペアの一方にフォールトがあるか否かを検出すること、第1及び第2のツイストペアのどちらがアクティブツイストペアであるかを判定すること、及びアクティブツイストペアで半/全二重100BASE−Tリンクを成立させることを含む。
【0011】
本発明の例示の一実施例に従って、検出するステップが、所定の期間内で半二重100BASE−Tリンクが成立しないかどうかを判定することにより、第1及び第2のツイストペアの一つがフォールトを有するか否かを検出することを更に含む。
【0012】
本発明の例示の一実施例に従って、この方法が、第1及び第2のユニットをマスタユニット及びスレーブユニットとして構成すること、及びマスタユニット及びスレーブユニットを同期化することを更に含む。
【0013】
本発明の例示の一実施例に従って、構成するステップが、第1及び第2のユニットの各々によりランダムに送信時間スロット及び受信時間スロットの一方に入ること、送信時間スロットに対し、送信時間スロットの第1の部分の間、第1及び第2のユニットの少なくとも一方によりサイレントのままとすること、送信時間スロットに対し、送信時間スロットの第2の部分の間、第1及び第2のユニットの少なくとも一方に信号を送信することであって、送信時間スロットの第2の部分が送信時間スロットの第1の部分に続くこと、送信時間スロットに対し、送信時間スロットの第3の部分の間、第1及び第2のユニットの少なくとも一方をサイレントのままとすること、受信時間スロットに対し、第1及び第2のユニットの少なくとも一方のアイドルバースト(idle
burst)を検出すること、送信時間スロットの送信される期間の半分未満のアイドルバーストの識別を宣言するため、受信経路で検出された送信されたアイドルの最小時間期間を定義すること、及びマスタユニットをアイドルバーストを先に検出する第1及び第2のユニットの一つとして設定することを更に含む。
【0014】
本発明の例示の一実施例に従って、成立させるステップが、マスタユニットの送信経路により一連の連続するアイドルを送信すること、マスタユニットのエコーキャンセラを調練すること、及びスレーブユニットのイコライザーを調練することを更に含む。
【0015】
本発明の例示の一実施例に従って、成立させるステップが、スレーブユニットの少なくとも一部を調練すること、スレーブユニットの少なくとも一部を調練するステップの後にスレーブユニットの送信経路により一連の連続するアイドルを送信すること、スレーブユニットのエコーキャンセラを調練すること、及びマスタユニットの少なくとも一部を調練することを更に含む。
【0016】
本発明の例示の一実施例に従って或る装置が提供される。この装置は、第1の送信経路と、第1の受信経路と、送信経路に結合される第1のDACと、受信経路に結合される第1のADCと、第1のADC及び第1のDACに結合される第1のMDIと、第1のMDIに結合される第1のツイストペアと、第1のMDIに結合される第2のツイストペアとを有する第1のユニット、第2の送信経路と、第2の受信経路と、送信経路に結合される第2のDACと、受信経路に結合される第2のADCと、第2のDAC及び第2のADCに結合される第2のMDIとを有する第2のユニットを含み、第2のMDIが、100BASE−T接続で第1のユニットとの通信を提供するように、第1及び第2のツイストペアに結合されており、第1及び第2のツイストペアの一方にフォールトが検出されると第1及び第2のMDIがフォールトトレランスモードに入り、フォールトトレランスモードにおいて、アクティブツイストペアで全二重100BASE−Tリンクがつくられ、アクティブツイストペアが、フォールトのない第1及び第2のツイストペアの1つである。
【0017】
本発明の例示の一実施例に従って、第1及び第2のMDIの各々が、それぞれ、第1のMDIX及び第2のMDIXを更に含む。
【0018】
本発明の例示の一実施例に従って、第1のユニットが、第1の送信経路及び第1の受信経路に結合される第1のエコーキャンセラ、及び第1のDAC及び第1のADCに結合される第1のハイブリッド回路を更に含む。
【0019】
本発明の例示の一実施例に従って、第2のユニットが、第2の送信経路及び第2の受信経路に結合される第2のエコーキャンセラ、及び第2のDAC及び第2のADCに結合される第2のハイブリッド回路を更に含む。
【0020】
本発明の例示の一実施例に従って、所定の期間内で半/全二重100BASE−Tリンクが成立しないかどうかを判定することにより、第1及び第2のツイストペアの一つがフォールトを有するか否かをMDIが検出する。
【0021】
本発明の例示の一実施例に従って、第1及び第2のMDIが、第1及び第2のユニットをマスタユニット及びスレーブユニットとして構成し、マスタユニット及びスレーブユニットを同期化する。
【0022】
本発明の例示の一実施例に従って、第1及び第2のMDIの各々が、マスタユニットを、アイドルバーストを先に検出する第1及び第2のユニットの一つとして設定する。
【0023】
例示の実施例を添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の例示の一実施例に従ったシステムの一例のブロック図である。
【0025】
【図2】図1のシステムに対するマスタユニット及びスレーブユニットの解像(resolution)を示すタイミング図である。
【図3】図1のシステムに対するマスタユニット及びスレーブユニットの解像を示すタイミング図である。
【図4】図1のシステムに対するマスタユニット及びスレーブユニットの解像を示すタイミング図である。
【図5】図1のシステムに対するマスタユニット及びスレーブユニットの解像を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1において、参照符号100は、本発明の例示の一実施例に従ったシステムの一例を全般的に示す。システム100は、全般的に、100BASE−T接続を介してツイストペア104−1及び104−2で互いに通信するユニット102−1及び102−2を有するイーサネットシステムである。典型的に、ツイストペア104−1及び104−2は、カテゴリー5又はCAT5ケーブルであり得る。この100BASE−T接続の結果、ツイストペア104−1及び104−2での100BASE−Tリンクは、通常オペレーションでの物理的半二重リンクである。ユニット102−1及び102−2は全般的に、それらのそれぞれの媒体依存インタフェース(MDI)120−1及び120−2とも通信する。
【0027】
これらのユニット102−1及び102−2の各々は、フォールトが生じるときフォールトトレランスモードを用いて100BASE−T物理層(PHY)が100BASE−Tリンクを再成立させることができるようにする、幾つかのサブコンポーネント(これらは単一の集積回路又はIC内に含まれ得る)を含む。特に、ユニット102−1及び102−2はそれぞれ、媒体依存インタフェース(MDI)又は媒体依存インタフェースクロスバー(MDIX)106−1及び106−2、デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)108−1、送信又はTX経路110−1及び110−2、エコーキャンセラ112−1及び112−2、ハイブリッド回路114−1及び114−2、アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)116−1及び116−2、受信又はRX経路118−1及び118−2を含む。任意で、ツイストペア104−1及び104−2の長さが短い(典型的に、10m未満)用途では送信される信号の相対的強度がエコーよりずっと大きいため、ハイブリッド回路114−1及び114−2は省かれてもよい。
【0028】
オペレーションにおいて、システム100は、たとえツイストペア104−1及び104−2の一方にフォールトがある場合でも、100BASE−Tリンクを維持するためにフォールトトレラントモードを用いることができる。フォールトの例は、破損及び低減された信号対雑音比(SNR)である。代替として、フォールトは、ユーザがツイストペア104−1及び104−2をバックアップとして用いる選択肢であってもよい。システム100は全般的に、物理的半二重100BASE−Tリンクで動作するとき、ツイストペア104−1及び104−2の一方にフォールトを検出することにより、これを行う。フォールトが検出されると、システム100は、残りのアクティブツイストペア(フォールトのないツイストペア104−1又は104−2)で全二重100BASE−Tリンクを成立させることができる。
【0029】
ツイストペア104−1又は104−2で全二重100BASE−Tリンクを成立する前に、達成すべき幾つかの基準がある。第1に、受信したデータに比べ全般的にエコー応答を一定の位相遅延に維持して一層シンプルなデジタル最小二乗平均(LMS)を考慮し、かつ、全般的にユニット102−1及び102−2がマスタ/スレーブ構成で動作するように、ユニット102−1及び102−2に対し単一のクロックがあるべきである。第2に、ユニット102−1及び102−2内のフィルタは収束するべきである。
【0030】
リンク成立のため及びフォールトトレランスモードに入ることができるようにするためのIEEE規格(つまり、IEEE802.3u)に準拠するため、システム100は、リンクタイマ(典型的に、およそ数ミリ秒である所定の期間又は継続時間を有する)を用いて測定を行う。全般的に、パワーアップの間又はフォールトが生じる場合にリンクタイマが開始される。基本的に、リンクタイマは、リンク障害が生じるたびに開始され得る。リンクタイマのこの期間の間、MDI106−1及び/又は106−2は、リンクを再成立させる試みをすることができる。期間が経過する前にリンクが成立できない場合、MDI106−1及び/又は106−2は、ツイストペア104−1及び104−2の一方にフォールトがありアクティブツイストペアが成立すると仮定する。
【0031】
アクティブツイストペア104−1又は104−2が成立すると、システム100は、ユニット102−1及び102−2をマスタユニット及びスレーブユニットとして構成する。これを行うため、ユニット102−1及び102−2の各々(つまり、MDIの106−1及び106−2)は、リンクタイマの満了に続いてまず送信時間スロット又は受信時間スロットにランダムに入る。送信時間スロットの間、MDI106−1及び/又は106−2は、全般的に送信時間スロットの中間で信号を送信し、送信時間スロットの残りの間、サイレントのままである。受信時間スロットの間、MDI106−1及び/又は106−2は、送信時間スロットの間他方のMDI106−1及び/又は106−2から送信された信号に対応する、受信したエネルギーであるアイドルバーストがないか聴く(listens
for)。アイドルバーストを受信するための第1のMDI106−1又は106−2に対するユニット102−1又は102−2は、マスタユニットとして識別され、他方のユニット102−1又は102−2はスレーブユニットとして識別される。ユニット102−1及び102−2の各々はランダムに送信時間スロット又は受信時間スロットに入るため、全般的にマスタユニット及びスレーブユニットが識別されることを確実にするためにアルゴリズム(これは、図2〜4のタイミング図に説明されている)が用いられる。
【0032】
まず図2に移ると、1つのユニット(例えばユニット102−1)が送信時間スロットに入り、他方のユニット(例えばユニット102−2)が受信時間スロットに入る。図示するように、リンク障害の後、信号が、ユニット102−1から送信され、ユニット102−2により受け取られて、アイドルバーストが検出されるようになっている。そのため、この場合、ユニット102−2がマスタユニットとして識別され、ユニット102−1がスレーブユニットとして識別される。
【0033】
図3に移ると、リンク障害の後、ユニット102−1及び102−2の両方が受信時間スロットに入る。図示するように、ユニット102−1及び102−2の受信時間スロットに入るタイミングは異なるため、ユニット102−1及び102−2の各々は、送信時間スロットと受信時間スロットとの間で切り替わる。この場合、ユニット102−1及び102−2の各々に対する送信時間スロットと受信時間スロットとの間の1回の切り替えの後、ユニット102−1がマスタユニットとして識別され、ユニット102−2がスレーブユニットとして識別される。
【0034】
図4に移ると、リンク障害の後ユニット102−1及び102−2の両方が再び受信時間スロットに入る。ただ、図3及び図4の差は、2回の切り替えの後ユニット102−1又は102−2のいずれもマスタユニットとして識別されないことであり、第2の切り替えの後、ユニット102−2はこれらの時間スロットの一方にランダムに入り、そこでアイドルバーストが検出されて、ユニット102−2がマスタユニットとして識別され、ユニット102−1がスレーブユニットとして識別される。
【0035】
最後に図5に移ると、リンク障害の後、ユニット102−1及び102−2の両方が再び受信時間スロットに入る。しかし、ここでは、ユニット102−2による最初のアイドルバーストの検出に障害がある。これは、このアイドルバーストがユニット102−1による信号の送信期間の半分未満であるためである。この障害は、ユニット102−1に送信時間スロットにランダムに入らせ、そこで、バースト期間が一般的に受信時間スロットのバーストを検出するための定義された時間期間のサイズの2倍以上大きくなるという事実によりユニット102−1がアイドルバーストを検出する。そのため、ユニット102−1がマスタユニットとして識別され、ユニット102−2はスレーブユニットとして識別される。
【0036】
マスタユニット及びスレーブユニットの識別に続いて、ユニット102−1及び102−2が同期化される。連続的なアイドル送信(ユニット102−1又は102−2の一方から他方へ送信される連続的な信号)が、スレーブユニットにより受信される。連続的なアイドル送信が検出されると、スレーブユニットは、所定の期間(およそ数ミリ秒)、マスタユニットのエコーキャンセラ112−1又は112−2が収束するのを待ち、その間スレーブはそのイコライザー(シンボル間インタフェース又はISI消去(cancellation))を調練する。
【0037】
マスタユニット及びスレーブユニットが同期化された状態で、システムはスタートアップ位相に入る。第1のスタートアップ位相において、マスタユニットの送信経路110−1又は110−2は連続的なアイドル送信を提供し、マスタユニットのエコーキャンセラ112−1又は112−2は調練される。また、この第1のスタートアップ位相において、スレーブユニットの送信経路110−1又は110−2はサイレントのままであり、スレーブユニットの一部(つまり受信経路112−1又は112−2内)は調練される(イコライザー)。第2のスタートアップ位相において、マスタユニットの送信経路110−1又は110−2は連続的なアイドル送信を提供し、マスタユニットの一部(つまり、受信経路112−1又は112−2及びMDI106−1又は106−2内)は調練される(イコライザー)。また、この第2のスタートアップ位相において、スレーブユニットの送信経路110−1又は110−2は連続的なアイドル送信を提供し、スレーブユニットのエコーキャンセラ112−1又は112−2は調練される。また、この第2のスタートアップ位相において、マスタユニットは受信経路118−1又は118−2を調練する(イコライザー)。
【0038】
従って、フォールトトレランスモードがあれば、システム100は、フォールト又は障害の事象においてツイストペア104−1及び104−2の一方で物理的全二重100BASE−Tリンクを提供することができる。
【0039】
例示の実施例の文脈で説明したような特徴又は工程のすべて又はその幾つかを有する例示の実施例の文脈で説明した1つ又はそれ以上の特徴又は工程の異なる組み合わせを有する実施例も、本明細書に包含されることも意図している。当業者であれば、他の多くの実施例及び変形も特許請求の範囲に包含されることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
送信経路、
受信経路、
前記送信経路に結合されるデジタル・アナログ・コンバータ(DAC)、
前記受信経路に結合されるアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)、及び、
前記DAC及び前記ADCに結合される媒体依存インタフェース(MDI)、
を含み、前記MDIが、100BASE−T接続で通信を提供するように第1のツイストペア及び第2のツイストペアを受信するよう適合され、更に、前記第1及び第2のツイストペアの一つにフォールトが検出されると前記MDIがフォールトトレランスモードに入り、更に、前記フォールトトレランスモードにおいて、アクティブツイストペアで物理的全二重100BASE−Tリンクがつくられ、更に、前記アクティブツイストペアが前記フォールトのない前記第1及び第2のツイストペアの一つである、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記MDIが媒体依存インタフェースクロスバー(MDIX)である、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記装置が、
前記送信経路及び前記受信経路に結合されるエコーキャンセラ、及び、
前記DAC及び前記ADCに結合されるハイブリッド回路、
を更に含む、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、所定の期間内で半二重100BASE−Tリンクが成立しないかどうかを判定することにより、前記第1及び第2のツイストペアの一つがフォールトを有するか否かを前記MDIが検出する、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記MDIが前記フォールトトレラントモードにおいて前記アクティブツイストペアで同期化を行なう、装置。
【請求項6】
方法であって、
第1のユニットと第2のユニットとの間に結合される第1のツイストペア及び第2のツイストペアの一つにフォールトが存在するか否かを検出するステップ、
前記第1及び第2のツイストペアの一つのいずれがアクティブツイストペアであるかを判定するステップ、及び
前記アクティブツイストペアで全二重100BASE−Tリンクを成立させるステップ、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記検出するステップが、
所定の期間内で半/全二重100BASE−Tリンクが成立しないかどうかを判定することにより、前記第1及び第2のツイストペアの一つがフォールトを有するか否かを検出するステップ、
を更に含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記方法が、
前記第1及び第2のユニットをマスタユニット及びスレーブユニットとして構成するステップ、及び、
前記マスタユニット及びスレーブユニットを同期化するステップ、
を更に含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記構成するステップが、
前記第1及び第2のユニットの各々により送信時間スロット及び受信時間スロットの一方にランダムに入るステップ、
前記送信時間スロットに対し、前記送信時間スロットの第1の部分の間、前記第1及び第2のユニットの少なくとも一方によりサイレントのままとするステップ、
前記送信時間スロットに対し、前記送信時間スロットの第2の部分の間、前記第1及び第2のユニットの少なくとも一方に信号を送信するステップであり、前記送信時間スロットの第2の部分が前記送信時間スロットの前記第1の部分に続く、前記送信するステップ、
前記送信時間スロットに対し、前記送信時間スロットの第3の部分の間、前記第1及び第2のユニットの少なくとも一方をサイレントのままとするステップであり、前記送信時間スロットの前記第3の部分が前記送信時間スロットの第2の部分に続く、前記サイレントのままとするステップ、
前記受信時間スロットに対し、前記第1及び第2のユニットの少なくとも一方でアイドルバーストを検出するステップ、
前記送信時間スロットの前記送信された期間の半分未満のアイドルバーストの識別を宣言するため、受信経路での検出された送信されたアイドルの最小時間期間を定義するステップ、及び
マスタユニットを、前記アイドルバーストを先に検出する前記第1及び第2のユニットの一つとして設定するステップ、
を更に含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記成立させるステップが、
前記マスタユニットの送信経路により一連の連続するアイドルを送信するステップ、
前記マスタユニットのエコーキャンセラを調練するステップ、及び、
前記スレーブユニットの少なくとも一部を調練するステップ、
を更に含む、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、前記成立させるステップが、
前記スレーブユニットの少なくとも一部を調練するステップ、
前記スレーブユニットの少なくとも一部を調練する前記ステップの後、前記スレーブユニットの送信経路により一連の連続するアイドルを送信するステップ、
前記スレーブユニットのエコーキャンセラを調練するステップ、及び、
前記マスタユニットの少なくとも一部を調練するステップ、
を更に含む、方法。
【請求項12】
装置であって、
第1の送信経路と、
第1の受信経路と、
前記送信経路に結合される第1のDACと、
前記受信経路に結合される第1のADCと、
前記第1のADC及び前記第1のDACに結合される第1のMDIと、
を有する第1のユニット、
前記第1のMDIに結合される第1のツイストペア、
前記第1のMDIに結合される第2のツイストペア、及び
第2の送信経路と、
第2の受信経路と、
前記送信経路に結合される第2のDACと、
前記受信経路に結合される第2のADCと、
前記第2のDAC及び前記第2のADCに結合される第2のMDIと、
を有する第2のユニット、
を含み、
前記第2のMDIが、前記第1のユニットとの100BASE−T接続で通信を提供するように前記第1及び第2のツイストペアに結合され、
前記第1及び第2のツイストペアの一つにフォールトが検出されると、前記第1及び第2のMDIがフォールトトレランスモードに入り、
前記フォールトトレランスモードにおいて、アクティブツイストペアで物理的全二重100BASE−Tリンクがつくられ、更に、
前記アクティブツイストペアが、前記フォールトのない前記第1及び第2のツイストペアの一つである、
装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記第1及び第2のMDIの各々がそれぞれ第1のMDIX及び第2のMDIXを更に含む、装置。
【請求項14】
請求項12に記載の装置であって、前記第1のユニットが、
前記第1の送信経路及び前記第1の受信経路に結合される第1のエコーキャンセラ、及び、
前記第1のDAC及び前記第1のADCに結合される第1のハイブリッド回路、
を更に含む、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記第2のユニットが、
前記第2の送信経路及び前記第2の受信経路に結合される第2のエコーキャンセラ、及び、
前記第2のDAC及び前記第2のADCに結合される第2のハイブリッド回路、
を更に含む、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、所定の期間内で半二重100BASE−Tリンクが成立しないかどうかを判定することにより、前記第1及び第2のツイストペアの一つがフォールトを有するか否かを前記MDIが検出する、装置。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記第1及び第2のMDIが、前記第1及び第2のユニットマスタユニット及びスレーブユニットをとして構成し、前記マスタユニット及びスレーブユニットを同期化する、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記第1及び第2のMDIの各々が前記マスタユニットを、アイドルバーストを先に検出する前記第1及び第2のユニットの一つとして設定する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−520076(P2013−520076A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552867(P2012−552867)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/061502
【国際公開番号】WO2011/100035
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(390020248)日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 (219)
【出願人】(507107291)テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド (50)
【Fターム(参考)】