説明

2−アミノ−2−アリールエタノールおよび新規中間体の製造方法

【課題】 2−アミノ−2アリールエタノールおよび新規中間体の提供。
【解決手段】 式(II)
【化1】


Arは、非置換または置換アリールを表す、
の化合物を、ラニーニッケルまたはラニーコバルトを用いて接触水素化する2−アミノ−2−アリールエタノール類の製造法および関連の新規中間体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規2-アミノ-2-アリールエタノールおよびその製造のための新規中間体の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
2-アミノ-2-アリールエタノールおよびその誘導体は、置換芳香族アミノ酸あるいはそのエステルあるいはオキシムエーテルあるいはヒドロキシオキシムを、NaBH/BFまたはLiAlHのような複合金属水素化物により還元することにより相応じて得られることが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1、または非特許文献2参照)。しかし一方ではこれらの金属水素化物は高価であり、そして他方では反応にはかなり安全性に対する出費を要するので、これらを工業的に使用する可能性には限界がある。
【0003】
さらに特定のアミン類はロジウム触媒またはパラジウム触媒のような貴金属触媒を、酢酸、硫酸または塩酸のような酸の存在または不存在下で使用して得ることができることが知られている(例えば、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5参照)。しかし、これらの方法にはそれらを制限なしには使用できないという不利がある。例えば触媒としてロジウムを使用して2-インダノンオキシムを対応するアミンに還元することは成功しない(非特許文献6参照)パラジウム触媒も例外なく使用できない。
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第322982号明細書
【非特許文献1】Z.Anorg.Allg.Chemie.1970,376,296-302
【非特許文献2】Comprehensive OrganicSynthesis 第8巻、第64ff頁
【非特許文献3】J.Org.Chem.27,2209,1962
【非特許文献4】J.Org.Chem.28,2797,1963
【非特許文献5】J.Org.Chem.48,2520(1983)
【非特許文献6】Houben-Weyl、Methoden derOrganischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]ゲオルグ チーメ 出版、シュトゥッツガルド(GeorgThieme Verlag,Stuttgart)、第IV巻、1c、第251-252頁
【発明の開示】
【0005】
本発明は、
(1)式(I)
【0006】
【化1】

【0007】
式中、
Arはそれぞれが非置換、あるいは同一または異なりモノ置換からペンタ置換されたアリールまたはヘトアリールを表し、その置換基には次のものを挙げることができる:
ハロゲン、アルキル、ハロゲノアルキル、アルコキシ、ハロゲノアルコキシ、非置換または置換シクロアルキルオキシまたは非置換または置換フェニルの2-アミノ-2-アリールエタノールの製造法であって、
式(II)
【0008】
【化2】

【0009】
式中、
Arは上記意味を有する、
のα−ヒドロキシケトオキシムをラニーニッケルまたはラニーコバルトを使用して希釈剤および塩基の存在下で接触水素化することを含んで成る方法に関し、
(2)式(Ia)
【0010】
【化3】

【0011】
式中、
Rは基
【0012】
【化4】

【0013】
式中、
Xはハロゲン、アルキルまたはアルコキシを表し、
Yはハロゲノアルコキシまたはハロゲン−置換シクロアルキルオキシを表し、
mは0、1または2の数を表し、そして
nは1または2の数を表す、
の新規2-アミノ-2-アリールエタノールに関し、
(3)式(IIa)
【0014】
【化5】

【0015】
式中、
Arはそれぞれが同一または異なりモノ置換からペンタ置換されたアリールまたはヘ
トアリールを表し、その置換基は次のものを挙げることができる:
ハロゲン、ハロゲノアルキル、アルコキシ、ハロゲノアルコキシ、非置換または置換シクロアルコキシあるいは同一または異なりモノ置換からペンタ置換されたフェニル、
の新規α-ヒドロキシケトオキシムに関し、
化合物1-(4-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ−エタノンオキシムおよび1-(5-ブロモ-2-チエニル)-2-ヒドロキシ−エタノンオキシムを除く(Khimiya iTekhnol,Elementoorg.Poluproduktov iPolimerov,Volgograd(1984)20-4,: from Ref Zh.,Khim,1985,Abstr.No.9Zh241;HuaxueXuebao(1983),41(4),380-4,CODEN:HHHPA4;ISSN:0567-7351)。
【0016】
ケトオキシムの接触水素化および白金触媒またはラニーニッケル触媒ヒドロキシアミン類の使用ということになるのは周知なので、式(I)の2-アミノ-2-アリールエタノールが本発明の方法(I)により極めて良好な収量で、かつ高純度で得られることは大変驚くべきことである[Houben-Weyl,Methodender Organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、ゲオルグ チーメ 出版、シュトゥッツガルド、第IV巻、1c、第1部、第251頁;JACS,59,715(1937)およびChem.Ber.88,38(1955)]。本発明の上記(1)下での式(I)の2-アミノ-2-アリールエタノールの製造法は、対照的に、広い範囲に応用でき、すなわち本技術の価値を高めることを示す。
【0017】
本発明の方法により、好ましくは式(I)
式中Arはそれぞれの場合で同一または異なりモノ置換からペンタ置換されたフェニル、あるいはそれぞれの場合で同一または異なりモノ置換からトリ置換されたチエニル、ピリジルまたはピリミジニルを表し、ここで各々の場合に置換基として次のものを挙げることができる:
フッ素、塩素、臭素、C−Cアルキル、C−Cハロゲノアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシ、非置換またはハロゲンもしくはC−Cアルキルで置換されたC−Cシクロアルキルオキシ、ならびに非置換または同一もしくは異なりフッ素、塩素、臭素、C−Cアルキル、C−Cハロゲノアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシまたは非置換またはハロゲンもしくはC−Cアルキルにより置換されたC−Cシクロアルキルオキシによりモノ置換からペンタ置換されたフェニル、
の化合物が製造される。
【0018】
本発明の方法により、特に好ましくは式(I)
式中Arはそれぞれの場合で同一または異なりモノ置換からトリ置換されたフェニル、チエニル、ピリジルまたはピリミジニルを表し、ここで各々の場合に置換基として次のものを挙げることができる:
フッ素、塩素、臭素、C−Cアルキル、C−Cハロゲノアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシ、非置換またはハロゲンで置換されたC−Cシクロアルキルオキシ、ならびに非置換または同一もしくは異なりフッ素、塩素、臭素、C−Cアルキル、C−Cハロゲノアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシあるいは非置換またはハロゲンにより置換されたC−Cシクロアルキルオキシによりモノ置換からトリ置換されたフェニル、
の化合物が製造される。
【0019】
本発明の方法により、さらにいっそう好ましくは式(I)
式中Arは同一または異なりモノ置換またはジ置換されたフェニルを表し、ここで置換基として次のものを挙げることができる:フッ素、塩素、臭素、非置換またはフッ素および/もしくは塩素により置換されたC−Cアルキル、非置換またはフッ素および/もしくは塩素により置換されたC−Cアルコキシ、非置換またはフッ素および/もしくは塩素によりモノまたはポリ置換されたC−Cシクロアルキルオキシ、ならびに非置
換または同一もしくは異なりフッ素、塩素、臭素、非置換またはフッ素および/もしくは塩素により置換されたC−Cアルキル、非置換またはフッ素および/もしくは塩素により置換されたC−Cアルコキシ、あるいは非置換またはフッ素および/もしくは塩素によりモノまたはポリ置換されたC−Cシクロアルキルオキシによりモノ置換またはジ置換されたフェニル、
の化合物が製造される。
【0020】
一般的な基の定義または上記に掲げられた好適な範囲に特定された基の定義は、式(I)の最終生成物および製造に必要な対応する出発物質および/または中間体の両方に適用される。
【0021】
これらの基の定義はそれぞれの範囲および好適範囲の間で、どのようにも一緒に組み合わせることができる。
【0022】
例えば4-ジフルオロメトキシ-ω-ヒドロキシ-アセトフェノンが出発物質ならば、水素およびラニーニッケルを触媒として使用し、そして本発明の方法の反応経路は以下の式により描くことができる:
【0023】
【化6】

【0024】
本発明の(I)の下で特定される式(I)の化合物の製造に出発物質として使用するα-ヒドロキシケトオキシムは、一般的に式(II)の式に定義される。式(II)において、Arは好ましくは、または特に好ましくは、すでに式(I)の化合物のArの記載に関して好ましい、または特に好ましいと特定した上記のものを表す。
【0025】
いくつかの式(II)のα-ヒドロキシケトオキシムは周知である(例えばJ.Chem.Technol.Biotechnol.,54(1),19-26,1992に注意されたい)。
【0026】
しかし未だに未知であり、同様に本発明の主題であるのは上記(3)の下で、かつ式(IIa)に定義されるα-ヒドロキシケトオキシムである。
【0027】
Arは好ましくは同一または異なりモノ置換からペンタ置換されたフェニル、またはそれぞれの場合で同一または異なりモノ置換からトリ置換されたチエニル、ピリジルまたはピリミジニルを表し、ここで置換基として次のものを挙げることができる:
フッ素、塩素、臭素、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシ、非置換またはハロゲンもしくはC−Cアルキルで置換されたC−Cシクロアルキルオキシ、ならびに非置換または同一もしくは異なりフッ素、塩素、臭素、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシあるいは非置換またはハロゲンもしくはC−Cアルキルにより置換されたC−Cシクロアルキルオキシによりモノ置換からペンタ置換されたフェニル、を表す。
【0028】
Arは特に好ましくはそれぞれの場合で同一または異なりモノ置換からトリ置換されたフェニル、チエニル、ピリジルまたはピリミジニルを表し、ここで置換基として次のものを挙げることができる:
フッ素、塩素、臭素、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシ、非置換またはハロゲンで置換されたC−Cシクロアルキルオキシならびに同一もしくは異なりフッ素、塩素、臭素、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシもしくは非置換またはハロゲンにより置換されたC−Cシクロアルキルオキシによりモノ置換からトリ置換されたフェニル、を表す。
【0029】
Arはさらにいっそう好ましくは同一または異なりモノ置換またはジ置換されたフェニルを表し、ここで置換基として次のものを挙げることができる:
フッ素、塩素、臭素、C−Cアルコキシ、フッ素および/もしくは塩素により置換されたC−Cアルコキシ、非置換またはフッ素および/もしくは塩素によりモノ置換またはポリ置換されたC−Cシクロアルキルオキシ、ならびに同一もしくは異なりフッ素、塩素、臭素、C−Cアルキル、非置換あるいはフッ素および/もしくは塩素により置換されたC−Cアルコキシ、または非置換またはフッ素および/もしくは塩素によりモノもしくはポリ置換されたC−Cシクロアルキルオキシによりモノ置換またはジ置換されたフェニル、を表す。
【0030】
化合物1-(4-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ−エタノンオキシムおよび1-(5-ブロモ-2-チエニル)-2-ヒドロキシ-エタノンオキシム(KhimiyaiTekhnol,Elementoorg.Poluproduktovi Polimerov,Volgograd(1984)20-4,from:RefZh.,Khim,1985,Abstr.No.9Zh241;HuaxueXuebao(1983),41(4),380-4,CODEN:HHHPA4;ISSN:0567-7351)はこれらの定義から除外する。
【0031】
式(II)の既知の、そして新規化合物は一般的に周知の方法により従来の様式で対応するω-ヒドロキシケトン類およびヒドロキシアミン塩酸塩から得ることができる(製造例に注意されたい)。
【0032】
ω-ヒドロキシケトン類は例えば、対応するω-クロロケトン類(これは次に例えば置換ベンゼン類を塩化アンモニウムの存在下で塩化クロロアセチルを使用するフリーデル−クラフト アシル化により得ることができる)をギ酸塩と反応させることにより得る(製造例に注意されたい)。
【0033】
(1)に記載された方法はラニーニッケルまたはラニーコバルトの存在下で行う。これらは良く知られた触媒であり、例えばHouben-Weyl,Methoden der Organischen Chemie[Methods of OrganicChemistry]ゲオルグ チーメ 出版、シュトゥッツガルド、第4/1c巻、(還元)第18ff頁に記載されている。
【0034】
(1)に記載された本発明の方法は好ましくは希釈剤の存在下で行われる。
【0035】
有用な希釈剤は反応条件下で不活性なすべての慣習的な有機溶媒である。これらにはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソ-プロパノール、n-ブタノールまたはイソ−ブタノールのようなアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、クロロヘキサンのような炭化水素、またはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、tert-アミルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフランおよびジオキサンのようなエーテル類が含まれる。
【0036】
しかし、反応条件では水と上記の希釈剤との混合物を使用することも有利でありうる。
【0037】
本発明の方法が(1)に記載された方法により行われるとき、反応温度は比較的広い範囲で可変である。一般的には温度は15℃から180℃の間、好ましくは30℃から120℃の間が使用される。
【0038】
(1)に記載された本発明の方法は水素の存在下で、かつ一般的には加圧下で行われ、その水素圧は1から150barの間、好ましくは15から100barの間である。
【0039】
(1)に記載された本発明の方法は塩基性の反応条件下で、好ましくはアンモニアの存在下で行われる。これは適当であるならばガスまたは液体状態で使用できる。
【0040】
例えば1molの式(II)のα-ヒドロキシケトオキシムあたり、1から100当量の、好ましくは5から50当量のアンモニアおよび1から150重量パーセント、好ましくは10から60重量パーセントのラニーニッケルまたはラニーコバルトを使用する。
【0041】
操作は従来法により進めることができ、例えば結晶を濾過し、そして減圧下で溶媒を除去する。このようにして得た粗生成物を再結晶またはクロマトグラフィーにより精製することができる。アミノアルコール類もその塩(例えば塩酸塩)を形成することにより精製することができる。
【0042】
(2)に記載した2-アミノ-2-アリールエタノールは一般的に式(Ia)により定義される。この式に関し、次のように適用する;M=2またはn=2ならば、基XまたはYはそれぞれ同一または異なることができる。
【0043】
式(Ia)の基Rにおいて、
Xは好ましくはフッ素、塩素、臭素、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシを表し、
Yは好ましくはC−Cハロゲノアルコキシまたはハロゲン−置換C−Cシクロアルコキシを表し
nは好ましくは1の数を表し、そして
mは好ましくは0または1を表す。
【0044】
式(Ia)の化合物で特に好ましいのは、Rが基
【0045】
【化7】

【0046】
式中、
Yがフッ素-および/または塩素-置換C−Cアルコキシまたはフッ素-および/または塩素-置換C−Cシクロアルコキシを表し、そして
nが1の数を表す、
を表すものである。
【0047】
式(Ia)の化合物でさらにいっそう好ましいのは、Rが基
【0048】
【化8】

【0049】
式中、
Yが以下の基
【0050】
【化9】

【0051】
を表し、そして
nが1の数を表す、
を表すものである。
【0052】
式(Ia)の2-アミノ-2-アリールエタノールは新規であり、そして本発明の主題である。それらは本発明の(1)の方法により得ることができる。
【0053】
本発明により製造される式(Ia)の2-アミノ-2-アリールエタノールは殺虫剤の製造用の出発物質として使用できる(欧州特許出願公開第432661号明細書に注意されたい)。
【実施例】
【0054】
製造例
実施例1
【0055】
【化10】

【0056】
9.8g(0.045mol)の2-ヒドロキシ-1-(4-ジフルオロメトキシ-フェニル)-エタノンオキシム(100mlのメタノール、25mlのアンモニア水溶液および5gのラニーニッケル中)を、50℃および60-70barの水素圧にてこれ以上水素が吸収されなくなるまで水素化した。混合物を冷却した後、この圧を解除し、濾過そして溶媒を減圧下で除去した。ゆっくりと結晶化する暗い油状物が残った。
【0057】
純度が99%より高く(ガスクロマトグラフィーによる)、そして融点が54-57℃である7.8g(理論値の84.5%)の2-アミノ-2-(4-ジフルオロメトキシフェニル)-エタノールを得た。
【0058】
同様に、そして製造の一般的な詳述に従い、以下の表1の式(I)の化合物を得た:
【0059】
【化11】

【0060】
【表1】

【0061】
出発物質の製造
実施例(II−1)
【0062】
【化12】

【0063】
5.9g(0.02mol)の4-トリフルオロメトキシフェニル-ω-ヒドロキシアセトフェノンを50mlのジメトキシエタン中に入れ、5mlの水を加え、次いで2.1g(0.025mol)の酢酸ナトリウムおよび1.7g(0.025mol)のヒドロキシアミン塩酸塩を加え、そして混合物を12時間、室温で撹拌した。混合物を氷水中に注ぎ、濾過した。
収量:5.9g(理論値の88%)融点150-157℃(E/Z:25:75)
【0064】
実施例II−1に準じ、そして製造の一般的な詳述に従い、以下の表2の式(II)の化合物を得た:
【0065】
【化13】

【0066】
【表2】

【0067】
ω-ヒドロキシアセトフェノンの製造例
【0068】
【化14】

【0069】
6.75g(0.0215mol)の4-トリフルオロメトキシフェニル-ω-クロロアセトフェノンをエタノール/水中に懸濁し、そして9.2g(0.1358mol)のギ酸ナトリウムを加えた。混合物を12時間沸騰加熱し、エタノールを実質的に蒸留させ、そして混合物を水で希釈し、そして濾過した。
【0070】
6.5gのベージュ色結晶(理論値の90%)が得られ、その融点は165℃であった。
【0071】
ω-クロロアセトフェノンの製造例
【0072】
【化15】

【0073】
7g(0.0525mol)の塩化アンモニウムを50mlの1,2-ジクロロエタンに入れた。5.9g(0.0525mol)の塩化クロロアセチルを5から10℃て滴下し、そして次に11.9g(0.05mol)の4-トリフルオロメトキシビフェニルを数部で、-10℃にて加えた。混合物をさらに12時間、室温で撹拌し、反応混合物を氷水に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を分離し、重炭酸ナトリウム溶液で1回、水で2回洗浄し、乾燥そして濃縮した。
【0074】
シリカゲルカラム(移動相:塩化メチレン)で精製した14.3gの粗生成物を得た。6.85gの明るいベージュ色の結晶が得られ、その融点は74-76℃であった。収量:理論値の38.5%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)
【化1】

式中、Rは基
【化2】

を表し、
ここで、
Xはハロゲン、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
YはC−C−ハロゲノアルコキシまたはハロゲン−置換C−C−シクロアルキルオキシを表し、
mは0、1または2の数を表し、そして
nは1または2の数を表す、
の化合物。
【請求項2】
式(IIa)
【化3】

式中、Arは同一または異なりモノ置換からペンタ置換されたフェニル、またはそれぞれの場合で同一または異なりモノ置換からトリ置換されたチエニル、ピリジルまたはピリミジニルを表し、ここで各々の置換された場合の置換基としてはフッ素、塩素、臭素、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシ、非置換またはハロゲンもしくはC−Cアルキルで置換されたC−Cシクロアルコキシ、ならびに非置換または同一もしくは異なりフッ素、塩素、臭素、C−Cアルキル、C−Cハロゲノアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロゲノアルコキシまたは非置換またはハロゲンもしくはC−Cアルキルにより置換されたC−Cシクロアルキルオキシによりモノ置換からペンタ置換されたフェニルを挙げることができるが、Arが4−クロロフェニル、2−クロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロ−6−フルオロフェニルまたはペンタフルオロフェニルである化合物を除く、
の化合物。

【公開番号】特開2007−176952(P2007−176952A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54671(P2007−54671)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【分割の表示】特願平7−221021の分割
【原出願日】平成7年8月7日(1995.8.7)
【出願人】(591063187)バイエル アクチェンゲゼルシャフト (67)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−51368 Leverkusen,Germany
【Fターム(参考)】