説明

2つの末端アルコール官能基を含む有機構造化剤からのマガディアイトまたはケニヤアイトの調製方法

【課題】マガディアイトおよびケニヤアイトから選択される少なくとも1種の結晶ラメラ固体を調製する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、マガディアイトまたはケニヤアイトによって形成された少なくとも1種の結晶ラメラ固体の調製方法であって、工程(i)において、少なくとも1種のシリカ源、式HO−(CH−OH(2≦n≦5)の少なくとも1種の有機構造化剤、少なくとも1種のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mおよび水を混合すること実施すること、次いで、工程(ii)において、前記結晶ラメラ固体が形成されるまで前記混合物の水熱処理を実施することからなる、方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィロケイ酸塩またはラメラケイ酸塩タイプのラメラ固体の名称によっても知られるケイ酸塩ベースのラメラ固体の調製の分野に関する。表現「ケイ酸塩ベースのラメラ固体」は、重ね合わせられているが、2〜5Åの間で変動する距離で互いに分離される層(またはシート)によって形成される固体化合物であって、該シートは、四面体配位(SiO)で配列させられたシリカによって形成されているものを表示するために用いられる。ケイ素Si以外の元素は、固体中に、これも四面体の位置で存在し得る。
【背景技術】
【0002】
ラメラケイ酸塩の中で、マガディアイト、ナトロシライト、ケニヤアイト、マカタイト、ネコアイト、カネマイト、オーケナイト、デハイエライト、マクドナルダイトおよびローデサイトが挙げられ得る。
【0003】
これらの固体は、しばしば、ASi・nHO(1≦x≦15、2≦y≦32、4≦z≦80および0≦n≦20,x、y、zおよびnは、有理数または整数であり、Aは、例えば、ナトリウムまたはカリウム元素であり得る)タイプの組成を有する天然の状態で存在する。このようなラメラ固体は、例えば、マガディアイトについてはNaSi1429・9HOの組成を、ケニヤアイトについてはNaSi2041・10HOの組成を含む。合成によって得られる固体は、天然の状態で存在する固体と同一の組成のものである。これらのラメラケイ酸塩、特に、マガディアイトおよびケニヤアイトは、しばしば、シート間にファンデルワールスタイプの相互作用を有する三次元構造および小さい比表面積を含む。
【0004】
これらのラメラケイ酸塩、特に、マガディアイトおよびケニヤアイトは、興味深い吸着および交換特性を有する。これらの固体は、水または有機分子の吸着およびカチオンの表面交換に特に適している。最近、ラメラケイ酸塩は、プロトン交換によって酸固体になるそれらの容量に関して広範に研究された。他の研究により、ラメラ間スペースに鉱柱(pillar)を導入すれば、メソ多孔度が形成され、かつ、比表面積が増加させられ得ることも証明された。
【0005】
特許文献1から、ベンジルトリエチルアンモニウム・クロリド、ベンジルトリメチルアンモニウム・クロリド、ジベンジルジメチルアンモニウム・クロリド、N,N’−ジメチルピペラジン、トリエチルアミンまたは他の第4級化合物またはヘテロ環アミンから選択される有機構造化剤を用いて調製された合成マガディアイトによって形成されたラメラケイ酸塩から架橋ラメラケイ酸塩を合成することが知られている。
【0006】
特許文献2から、アルキルアミン、トリアルキルアミン、テトラアルキルアンモニウム化合物およびジアミン・トリメチルヘキサメチレンジアミン(前記アルキルは、1〜12個の炭素原子を有する)から選択される有機化合物を用いてケニヤアイトタイプの結晶ラメラケイ酸塩を合成することも知られている。
【0007】
特許文献3から、チラミン、4−アミノフェノール、trans−4−アミノシクロヘキサノール、2−(4−アミノ−フェニル)−エタノールまたは他の化合物であって、少なくとも1つのアルコール基および少なくとも1つのアミン基を含み、これらは1〜20個の炭素原子を有する炭化水素鎖によって分離されているものから選択される有機構造化剤を用いてケニヤアイトおよびマガディアイトタイプのケイ酸塩をベースとするラメラ固体を合成することが知られている。
【特許文献1】国際公開第88/00091号パンフレット
【特許文献2】国際公開第91/12204号パンフレット
【特許文献3】欧州特許第1559681号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、マガディアイトおよびケニヤアイトから選択される少なくとも1種の結晶ラメラ固体を調製する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のマガディアイトおよびケニヤアイトから選択される少なくとも1種の結晶ラメラ固体の調製方法は、工程(i)において、少なくとも1種のシリカ源、式HO−(CH−OH(2≦n≦5)の少なくとも1種の有機構造化剤、少なくとも1種のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mおよび水を混合することを実施すること、次いで、工程(ii)において、少なくとも前記結晶ラメラ固体が形成されるまで前記混合物の水熱処理を実施することからなるものである。
【0010】
前記有機構造化剤は、エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオールおよびペンタン−1,5−ジオールから選択されることが好ましい。
【0011】
前記有機構造化剤は、エチレングリコールであることが好ましい。
【0012】
前記アルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mは、リチウム、カリウム、ナトリウムおよびカルシウムおよびこれらの金属の少なくとも2種の混合物から選択されることが好ましい。
【0013】
前記アルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mは、ナトリウムであることが好ましい。
【0014】
前記工程(i)において組み込まれる前記シリカ源は、コロイドシリカであることが好ましい。
【0015】
前記工程(i)の過程で形成される前記混合物は、四面体配位を含みかつケイ素とは異なる少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の源を含むことが好ましい。
【0016】
前記元素Xは、アルミニウムであることが好ましい。
【0017】
前記工程(i)において得られる反応混合物は、式:
SiO:wXO:xMOH:yHO:zR
(式中、wは0〜0.5であり、xは0.001〜1であり、yは10〜100であり、zは0.05〜15であり、aは1〜3であり、Xは、四面体配位のケイ素とは異なる少なくとも1種の元素であり、Mは、リチウム、カリウム、ナトリウムおよびカルシウムおよびこれらの金属の少なくとも2種の混合物から選択される少なくとも1種のカチオンであり、Rは、式HO−(CH−OH(2≦n≦5)の有機構造化剤であり、w、x、yおよびzは、それぞれ、XO、MOH、HOおよびRのモル数を示す)
により酸化物のモルに関して表される化学組成のものであることが好ましい。
【0018】
前記工程(ii)は、前記反応混合物を、自発反応圧力下の水熱条件に100〜200℃の結晶化温度に付すことによって行われる、ことによって行われることが好ましい。
【0019】
前記工程(ii)の継続期間は、10〜48時間の間で変動する。
【0020】
前記結晶化工程(ii)に由来する前記産物は、
(iii)結晶化混合物から少なくとも前記結晶ラメラ固体を分離する工程;
(iv)少なくとも前記結晶ラメラ固体を洗浄する工程、および
(v)少なくとも前記結晶固体を乾燥させる工程
に少なくとも付されることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、マガディアイトまたはケニヤアイトによって形成された少なくとも1種の結晶ラメラ固体の調製方法であって、工程(i)において、少なくとも1種のシリカ源、式HO−(CH−OH(2≦n≦5)の少なくとも1種の有機構造化剤、少なくとも1種のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mおよび水を混合すること実施すること、次いで、工程(ii)において、前記結晶ラメラ固体が形成されるまで前記混合物の水熱処理を実施することからなり、この方法により、マガディアイトおよびケニヤアイトから選択される少なくとも1種の結晶ラメラ固体を生じさせることができ、その際、従来技術の方法による際の結晶化時間よりも短時間内に結晶化を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(本発明の簡単な説明)
本発明は、マガディアイトおよびケニヤアイトから選択される少なくとも1種の結晶ラメラ固体の調製方法であって、工程(i)において、少なくとも1種のシリカ源、式HO−(CH−OH(2≦n≦5)の少なくとも1種の有機構造化剤、少なくとも1種のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mおよび水を混合することを実施すること、次いで、工程(ii)において、少なくとも前記結晶ラメラ固体が形成されるまで前記混合物の水熱処理を実施することを包含する方法に関する。有利には、前記工程(i)の過程で形成される前記混合物は、四面体配位を含みかつケイ素とは異なる少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の源を含む。
【0023】
驚くべきことに、少なくとも1種のシリカ源、少なくとも1種のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属および水と混合される、2〜5回繰り返されるメチレン鎖−(CHのユニットによって分けられた2つの末端アルコール官能基を含む有機構造化剤により、マガディアイトおよびケニヤアイトから選択される少なくとも1種の結晶ラメラ固体が生じることが発見された。本発明による方法が特に有利であるのは、従来技術の方法によればマガディアイトまたはケニヤアイトの生成のために結晶化時間が一般的には数日内で計算されるのに対して、少なくとも前記ラメラ固体の結晶化が数時間内に実施されるからである。
【0024】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、マガディアイトおよびケニヤアイトから選択される少なくとも1種の結晶ラメラ固体の調製方法であって、工程(i)において、少なくとも1種のシリカ源、式HO−(CH−OH(2≦n≦5)の少なくとも1種の有機構造化剤、少なくとも1種のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mおよび水を混合することを実施すること、次いで、工程(ii)において、少なくとも前記結晶ラメラ固体が形成されるまで前記混合物の水熱処理を実施することからなる、方法に関する。
【0025】
本発明の方法によると、前記工程(i)を行うために用いられる有機構造化剤は、2〜5回繰り返されるメチレン鎖−(CH)−のユニットによって分けられた2つの末端アルコール官能基を有する。したがって、有機構造化剤は、式HO−(CH−OH(nは、2〜5の整数である)を含む。好ましくは、nは、2、4または5に等しい。n=2の場合、用いられる有機構造化剤は、エチレングリコールである。n=4の場合、用いられる有機構造化剤は、ブタン−1,4−ジオールであり、n=5の場合、用いられる前記有機構造化剤は、ペンタン−1,5−ジオールである。非常に好ましくは、有機構造化剤はエチレングリコールである。本発明の方法の工程(i)において用いられる有機構造化剤は、アミン基を全く含まない。有機構造化剤がエチレングリコールである本発明の方法の非常に好ましい実施形態によると、得られる結晶ラメラ固体は、高純度マガディアイトまたは高純度ケニヤアイトまたはマガディアイトおよびケニヤアイトの混合物のいずれかであり、好ましくは、高純度マガディアイトが得られる。本発明の方法によると、マガディアイトおよびケニヤアイトが、任意の他の結晶化相または無定形相がない単独で高純度の状態または混合物の形態で得られる。
【0026】
本発明による調製方法の工程(i)において組み込まれるアルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mは、リチウム、カリウム、ナトリウムおよびカルシウムおよびこれらの金属の少なくとも2種の混合物から選択される。好ましくは、前記金属Mは、アルカリ金属であり、非常に好ましくは、それはナトリウムである。
【0027】
本発明による調製方法の工程(i)において組み込まれるシリカ源は、ケイ酸塩をベースとする結晶ラメラ固体の合成において現在用いられているもののいずれか1つであり得るが、例えば、粉体形態のシリカ、ケイ酸、コロイドシリカ、溶解シリカまたはテトラエトキシシラン(tetraethoxysilane:TEOS)である。粉体形態のシリカの中で、沈降シリカ、特に、アルカリ金属のケイ酸塩の溶液からの沈降によって得られたもの、例えば、「CAB−O−SIL」等の火成シリカ(pyrogenated silicas)、シリカゲル等を用いることが可能である。種々の粒子サイズ、例えば、10〜15nmまたは40〜50nmの平均等価径のサイズを含むコロイドシリカ、例えば、「LUDOX(登録商標)」等の登録標章の下で市販されるものを用いることが可能である。好ましくは、ケイ素源はLUDOX(登録商標)である。
【0028】
本発明による少なくとも1種の結晶ラメラ固体の調製方法によると、工程(i)の過程で形成される混合物は、有利には、四面体配位を含みかつケイ素とは異なる少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の源を含む。より好ましくは、元素Xは、アルミニウム、ホウ素、クロム、鉄、ガリウム、インジウム、ニッケル、ジルコニウム、コバルト、チタン、亜鉛、銅、ニオブおよびユウロピウムおよびこれらの元素の少なくとも2種の混合物によって形成される群から選択される。一層より好ましくは、元素Xはアルミニウムである。元素Xの源は、元素Xを含み、かつ、水溶液中に当該元素を活性な形態で遊離させることが可能である任意の化合物であってよい。元素Xは、酸化された形態XO(1≦a≦3;aは、有理数または整数である)または任意の他の形態、例えば、元素Xのジアセタート、特に、Co(CHCOO)、Ni(CHCOO)、Zn(CHCOO)、Cu(CHCOO)、Cr(CHCOO)およびEu(CHCOO)で混合物に組み込まれ得る。Xがチタンである場合、Ti(EtO)が有利には用いられ、Xがジルコニウムである場合、Zr(OH)が有利には用いられ、Xがニオブである場合、NbまたはNbが有利には用いられる。Xがアルミニウムである好ましい場合、アルミナ源は、好ましくは、アルミン酸ナトリウムまたはアルミニウム塩(例えば、塩化物、硝酸塩、水酸化物または硫酸塩)、アルミニウムアルコキシドまたは真の意味でのアルミナ(好ましくは、水和または脱水された形態)、例えば、コロイドアルミナ、プソイドベーマイト、ガンマアルミナまたはアルファまたはベータ三水和物である。上記源の混合物を用いることも可能である。
【0029】
本発明による調製方法によると、工程(i)において得られた反応混合物は、以下の式による酸化物のモルに関して表される化学組成のものである:
SiO:wXO:xMOH:yHO:zR
− wは0〜0.5、好ましくは0〜0.1、非常に好ましくは0.001〜0.1であり;
− xは、0.001〜1、好ましくは0.01〜0.6であり;
− yは、10〜100であり;
− zは、1〜15、好ましくは1.2〜5、非常に好ましくは1.4〜3であり、
− aは、1〜3であり;
ここで、Xは、四面体配位を含みかつケイ素とは異なる少なくとも1種の元素であり、好ましくは、アルミニウム、ホウ素、クロム、鉄、ガリウム、インジウム、ニッケル、ジルコニウム、コバルト、チタン、亜鉛、銅、ニオブおよびユウロピウムおよびこれらの元素の少なくとも2種の混合物によって形成される群から選択され、一層より好ましくは、Xはアルミニウムであり、Mは、リチウム、カリウム、ナトリウムおよびカルシウムおよびこられの金属の少なくとも2種の混合物から選択される少なくとも1種のカチオンであるが、好ましくはナトリウムであり、Rは、式HO−(CH−OH(2≦n≦5)の有機構造化剤であり、;w、x、yおよびzは、それぞれ、XO、MOH、HOおよびRのモル数を示す。
【0030】
本発明の方法の工程(ii)によると、反応混合物の水熱処理は、マガディアイトおよびケニヤアイトから選択される少なくとも前記結晶ラメラ固体が形成されるまで実施される。反応混合物は、有利には、自生反応圧力下の、場合によっては、ガス、例えば、窒素を加えることによる水熱条件下、100〜200℃、好ましくは150〜190℃の結晶化温度に、マガディアイトおよび/またはケニヤアイトのラメラ結晶の形成が起こるまで置かれる。結晶化を達成するのに必要な期間は、一般的に、10〜48時間の間で変動するが、好ましくは15〜30時間である。結晶化工程(ii)の継続期間の間、反応混合物は、激しく攪拌され得るか、または、攪拌されなくてもよい。
【0031】
好ましくは、結晶化工程(ii)の終了時に得られた産物は、下記工程の少なくとも1つ、好ましくは、下記工程の全部に付される:
(iii)結晶混合物から少なくとも前記結晶ラメラ固体を分離する工程、
(iv)少なくとも前記結晶ラメラ固体を洗浄する工程、および
(v)少なくとも前記結晶固体を乾燥させる工程。
【0032】
結晶固体は、一般的に、本発明による調製方法の工程(iii)に従って、ろ過等の当業者に知られる任意の方法によって混合物から分離される。次いで、固体は、本発明の方法の工程(iv)に従って水により、好ましくは脱イオン水を用いて洗浄される。工程(v)は、一般的に、50〜150℃の温度で、12〜30時間の範囲の期間にわたって行われる。乾燥操作は、好ましくは、大気圧で実施されるが、それはまた、圧力下に行われ得る。当該工程の全ての終了時に、得られた結果は、マガディアイトおよび/またはケニヤアイトによって形成される少なくとも1種の結晶ラメラ固体である。
【0033】
本発明によると、少なくとも前記結晶ラメラ固体の調製方法の前記工程(i)の過程で導入されるアルカリおよび/またはアルカリ土類金属に関して陽イオン交換操作を行うことが有利であり、前記陽イオン交換は、少なくとも前記ラメラ固体を乾燥させる工程(v)の終了時に水素イオンにより行われる。プロトンとの当該陽イオン交換は、マガディアイトおよび/またはケニヤアイトによって形成された結晶ラメラ固体に酸性を与える。
【0034】
以下の実施例は、本発明の範囲の制限することなく本発明を例示する。
【0035】
(実施例1:シリカ性マガディアイトの合成)
商品名LUDOX(登録商標) HS−40によって知られ、Aldrichによって販売されるコロイドシリカ懸濁液32.20gが、2.15gの水酸化ナトリウム(prolabo)および21.03gのエチレングリコール(>99%,Aldrich)からなる脱イオン水溶液60.50gに組み込まれる。混合物は、30分間にわたって激しく攪拌される。次いで、混合物は、均一化の後、オートクレーブに移される。オートクレーブは、20時間にわたって175℃で攪拌しながら加熱される。得られた結晶産物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され(中性のpHに達する)、次いで、一晩にわたり100℃で乾燥させられる。
【0036】
当該産物について行われるディフラクトグラム(XRD)は、高純度マガディアイトの特徴である。
【0037】
(実施例2:シリカ性マガディアイトの合成)
商品名LUDOX(登録商標) HS−40によって知られ、Aldrichによって販売されるコロイドシリカ懸濁液27.53gが、1.84gの水酸化ナトリウム(prolabo)および42.87gのエチレングリコール(>99%,Aldrich)からなる脱イオン水溶液45.82gに組み込まれる。混合物は、30分間にわたって激しく攪拌される。次いで、混合物は、均一化後に、オートクレーブに移される。オートクレーブは、20時間にわたって175℃に攪拌しながら加熱される。得られた結晶産物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され(中性のpHに達する)、次いで、一晩にわたって100℃で乾燥させられる。
【0038】
当該産物について行われるディフラクトグラム(XRD)は、高純度マガディアイトの特徴である。
【0039】
(実施例3:アルミニウムにより置換されたマガディアイトの合成)
商品名Ludox(登録商標) HS−40によって知られ、Aldrichによって販売されるコロイドシリカ懸濁液32.16gが、1.99gの水酸化ナトリウム(prolabo)、0.172gのアルミン酸ナトリウム(carbo erba)および21.01gのエチレングリコール(>99%,Aldrich)からなる脱イオン水溶液60.63gに組み込まれる。混合物は、30分間にわたって激しく攪拌される。このようにして形成されたゲルのSi/Al比は60である。次いで、混合物は、均一化後に、オートクレーブに移される。オートクレーブは、20時間にわたって175℃で攪拌しながら加熱される。得られた結晶産物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され(中性のpHに達する)、次いで、一晩にわたって100℃で乾燥させられる。
【0040】
当該産物について行われるディフラクトグラム(XRD)は、高純度マガディアイトの特徴である。
【0041】
(実施例4:アルミニウムにより置換されたマガディアイトの合成)
商品名LUDOX(登録商標) HS−40によって知られ、Aldrichによって販売されるコロイドシリカ懸濁液25.58gが、1.55gの水酸化ナトリウム(prolabo)、0.109gのアルミン酸ナトリウム(carlo erba)および23.89gのブタン−1,4−ジオール(99%,Aldrich)からなる脱イオン水溶液47.88gに組み込まれる。混合物は、30分間にわたって激しく攪拌される。このようにして形成されたゲルのSi/Al比は130である。次いで、混合物は、均一化後に、オートクレーブに移される。オートクレーブは、24時間にわたって160℃で攪拌しながら加熱される。得られた結晶産物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され(中性のpHに達する)、次いで、一晩にわたって100℃で乾燥させられる。
【0042】
当該産物について行われたディフラクトグラム(XRD)は、高純度マガディアイトの特徴である。
【0043】
(実施例5:シリカ性ケニヤアイトの合成)
商品名LUDOX(登録商標) HS−40によって知られ、Aldrichによって販売されるコロイドシリカ懸濁液24.70gが、1.55gの水酸化ナトリウム(prolabo)および26.63gのペンタン−1,5−ジオール(96%,Aldrich)からなる脱イオン水溶液46.917gに組み込まれる。混合物は、30分間にわたって激しく攪拌される。次いで、混合物は、均一化後に、オートクレーブに移される。オートクレーブは、16時間にわたって175℃で攪拌しながら加熱される。得られた結晶産物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され(中性のpHに達する)、次いで、一晩にわたって100℃で乾燥させられる。
【0044】
当該産物について行われたディフラクトグラム(XRD)は、高純度ケニヤアイトの特徴である。
【0045】
(実施例6:アルミニウムにより置換されたケニヤアイトの合成)
商品名LUDOX(登録商標) HS−40によって知られ、Aldrichによって販売されるコロイドシリカ懸濁液24.66gが、1.49gの水酸化ナトリウム(prolabo)、0.105gのアルミン酸ナトリウム(carlo erba)および26.60gのペンタン−1,5−ジオール(96%,Aldrich)からなる脱イオン水溶液46.11gに組み込まれる。混合物は、30分間にわたって激しく攪拌される。このようにして形成されたゲルのSi/Al比は130である。次いで、混合物は、均一化後に、オートクレーブに移される。オートクレーブは、24時間にわたって160℃で攪拌しながら加熱される。得られた結晶産物は、ろ過され、脱イオン水により洗浄され(中性のpHに達する)、次いで、一晩にわたって100℃で乾燥させられる。
【0046】
当該産物について行われたディフラクトグラム(XRD)は、高純度ケニヤアイトの特徴である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マガディアイトおよびケニヤアイトから選択される少なくとも1種の結晶ラメラ固体の調製方法であって、工程(i)において、少なくとも1種のシリカ源、式HO−(CH−OH(2≦n≦5)の少なくとも1種の有機構造化剤、少なくとも1種のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mおよび水を混合することを実施すること、次いで、工程(ii)において、少なくとも前記結晶ラメラ固体が形成されるまで前記混合物の水熱処理を実施することからなる、方法。
【請求項2】
前記有機構造化剤は、エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオールおよびペンタン−1,5−ジオールから選択される、請求項1に記載の調製方法。
【請求項3】
前記有機構造化剤は、エチレングリコールである、請求項2に記載の調製方法。
【請求項4】
前記アルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mは、リチウム、カリウム、ナトリウムおよびカルシウムおよびこれらの金属の少なくとも2種の混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか1つに記載の調製方法。
【請求項5】
前記アルカリおよび/またはアルカリ土類金属Mは、ナトリウムである、請求項4に記載の調製方法。
【請求項6】
前記工程(i)において組み込まれる前記シリカ源は、コロイドシリカである、請求項1〜5のいずれか1つに記載の調製方法。
【請求項7】
前記工程(i)の過程で形成される前記混合物は、四面体配位を含みかつケイ素とは異なる少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の源を含む、請求項1〜6のいずれか1つに記載の調製方法。
【請求項8】
前記元素Xは、アルミニウムである、請求項7に記載の調製方法。
【請求項9】
前記工程(i)において得られる反応混合物は、式:
SiO:wXO:xMOH:yHO:zR
(式中、wは0〜0.5であり、xは0.001〜1であり、yは10〜100であり、zは0.05〜15であり、aは1〜3であり、Xは、四面体配位のケイ素とは異なる少なくとも1種の元素であり、Mは、リチウム、カリウム、ナトリウムおよびカルシウムおよびこれらの金属の少なくとも2種の混合物から選択される少なくとも1種のカチオンであり、Rは、式HO−(CH−OH(2≦n≦5)の有機構造化剤であり、w、x、yおよびzは、それぞれ、XO、MOH、HOおよびRのモル数を示す)
により酸化物のモルに関して表される化学組成のものである、請求項1〜8のいずれか1つに記載の調製方法。
【請求項10】
前記工程(ii)は、前記反応混合物を、自発反応圧力下の水熱条件に100〜200℃の結晶化温度に付すことによって行われる、ことによって行われる、請求項1〜9のいずれか1つに記載の調製方法。
【請求項11】
前記工程(ii)の継続期間は、10〜48時間の間で変動する、請求項1〜10のいずれか1つに記載の調製方法。
【請求項12】
前記結晶化工程(ii)に由来する前記産物は、
(iii)結晶化混合物から少なくとも前記結晶ラメラ固体を分離する工程;
(iv)少なくとも前記結晶ラメラ固体を洗浄する工程、および
(v)少なくとも前記結晶固体を乾燥させる工程
に少なくとも付される、請求項1〜11のいずれか1つに記載の調製方法。

【公開番号】特開2008−150282(P2008−150282A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322658(P2007−322658)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(591007826)イエフペ (261)
【Fターム(参考)】