説明

24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置

【課題】 24時間浴水浄化循環装置における着脱可能な水用紫外線殺菌装置において、UVランプ交換時に、ハウジングへのUVランプ設置が確実でないと、UVランプを点灯しなかったり、警報表示し、循環ポンプを運転させないようにして、UVランプの点灯から目を護ること。
【解決手段】 UVランプ1と、該UVランプ1を覆い且つ浴水浸入を遮断する外管3と、UVランプ1と外管3を収納し且つ浴水を通すハウジング5と、前記外管3とUVランプ1とを保持したものを前記ハウジング5に対して着脱自在に構成すること。ハウジング5へのUVランプ1の設置を検知するセンサーAと、該センサーAからの検知信号がない場合は、UVランプ1を点灯させないようした点灯制御手段21とを備えてなること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、24時間浴水浄化循環装置における着脱可能な水用紫外線殺菌装置において、UVランプ交換時に、UVランプの点灯から目を護ることができる24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のUVランプユニットは、UVランプ,外管,ハウジング,ハウジング蓋とで構成されている。そのUVランプを24時間浴水浄化循環装置で使用する場合、電気的な安全性やランプが割れたときの安全性を考え、UVランプの外側に、紫外線を良く透過するガラスや石英などの材質による外管を設けることが多い。該外管は、殺菌効率を上げるためにも紫外線の透過率が良いものを使用するのは勿論、透過率を妨げる汚れなどが付かないようにするのが望ましい。このように、UVランプの交換等が必要の場合には、UVランプ交換時の注意をUVランプ交換説明書等に記入して、UVランプをハウジングに正しく設置した後コネクタを接続して、運転開始するようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、UVランプのコイルが切れた等で交換が必要な場合、一般ユーザーでは、注意が徹底しない場合が多い。即ち、照明用の蛍光灯と同じだと早とちりして、古いUVランプの点灯具合を目視で確認しようとする。この場合、紫外線により、目や皮膚を損傷したりする恐れがあり得る。又、UVランプを正しく設置しないとハウジングの蓋部などから水漏れして、UVランプ、インバーター基板を損傷する恐れがあった。これらの点で課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、紫外線を放射するUVランプと、該UVランプを覆い且つ紫外線を通し又浴水の浸入を遮断する外管と、前記UVランプと前記外管を収納し且つ浴水を通すハウジングと、前記外管と前記UVランプとを一体化したランプベースを前記ハウジングに対して着脱自在に構成した水用紫外線殺菌装置であって、前記ランプベースを前記ハウジングに装着した時に電力を供給するために接続可能なコネクターを備えたリード線で接続されており、前記ハウジングへの前記UVランプを組み込んだランプベースの設置を検知するセンサーと、前記ランプベースが前記ハウジングに装着されて前記センサーからの検知信号が検知され、前記コネクターが接続された時に、前記UVランプを点灯させ、前記UVランプを組み込んだランプベースがハウジングに正しく設置されず、前記コネクターが接続された時に、前記センサーの検知信号がない状態ではUVランプの点灯から目を護るように前記UVランプを点灯しないよう制御する点灯制御手段とを備えてなることを特徴とする24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置とすることで課題を解決した。
また本発明は、 更にセンサーからの検知信号がない場合は、警報表示する警報手段とを備えてなることを特徴とする24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置とすることで課題を解決した。
【発明の効果】
【0005】
本発明の24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置によれば、
24時間浴水浄化循環装置における着脱可能な水用紫外線殺菌装置において、UVランプ交換時に、ハウジングへのUVランプ設置が確実でないと、UVランプを点灯しなかったり、警報表示し、循環ポンプを運転させないようにして、UVランプの点灯から目を護ることができる。
【0006】
また、本発明では、UVランプ1と、該UVランプ1を覆い且つ浴水浸入を遮断する外管3と、UVランプ1と外管3を収納し且つ浴水を通すハウジング5と、前記外管3とUVランプ1とを保持したものを前記ハウジング5に対して着脱自在に構成し、前記ランプベースを前記ハウジングに装着した時に電力を供給するために接続可能なコネクターを備えたリード線で接続されており、ハウジング5へのUVランプ1の設置を検知するセンサーAと、該センサーAからの検知信号がない状態で電力を供給するコネクターが接続された場合に対して、UVランプ1を点灯させないようした点灯制御手段21とを備えてなる24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置の安全装置としたことにより、UVランプ1がハウジング5に正しく設置されない限り、UVランプ1は点灯しないようにしたから、操作者がハウジング5に装着しない状態、すなわち、UVランプの点灯具合を目視で確認しようとするようにされた場合についても、点灯しないようにしたから、紫外線により、目や皮膚を損傷する恐れはなく、24時間浴水浄化循環装置の作業者又は使用者に対して安全を確保できる利点がある。
【0007】
また本発明では、更にセンサーAからの検知信号がない場合は、点灯させないと共に、警報表示する警報手段24とを備えてなる24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置の安全装置としたことにより、ハウジング5へのUVランプ1の設置を、より確実に作業者等に知らせることができ、安全を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
UVランプ1と、該UVランプ1を覆い且つ浴水浸入を遮断する外管3と、UVランプ1と外管3を収納し且つ浴水を通すハウジング5と、前記外管3とUVランプ1とを保持したものを前記ハウジング5に対して着脱自在に構成し、前記ランプベースを前記ハウジングに装着した時に電力を供給するために接続可能なコネクターを備えたリード線で接続されており、ハウジング5へのUVランプ1の設置を検知するセンサーAと、該センサーAからの検知信号がない状態で電力を供給するコネクターが接続された場合に対して、UVランプ1を点灯させないようした点灯制御手段21とを備えてなる24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置としたことで、ハウジング5へのUVランプ1の設置を検知するセンサーによりUVランプが露出した状態では点灯しないよう制御する。
【実施例】
【0009】
図3は本発明の水用紫外線殺菌装置の断面図である。該水用紫外線殺菌装置には、260nm程度の殺菌線が放射されるUVランプ1が設けられている。該UVランプ1は具体的には、製造容易な直管タイプで、両端に電極1a,1aが設けられ、一端(上端)が合成樹脂製のランプベース2にて保持され、一方の電極1a(上端側)から外部に半田付け可能なニッケルメッキ線としてのリード線1bが突出し、上端は前記ランプベース2を貫通し、且つ他方側(下方側)の電極1aからの裸線1cも前記ランプベース2箇所を貫通している。
【0010】
外管3は、一端(下端)が閉塞され、上端(上端)が開口され、殺菌線を通し易い石英等で作られ、前記UVランプ1への浴水の浸入を遮断するものである。前記外管3は、前記ランプベース2の下部側筒部2aの内周に接着剤又はパッキン4を介して保持シールされ、外管3とランプベース2とが固定されている。
【0011】
ハウジング5は、筒状をなし、その上端は、24時間浴水浄化循環装置の本体15の開口部15aに固着され、且つ上端の内周には内ネジ部5aが形成され、その近くの胴体部に浴水の流入口5bが設けられ、他端(下端)には、流出口5cが設けられている。前記ランプベース2の鍔状部2bの外周に設けられた外ネジ部2cが、前記ハウジング5の内ネジ部5aに螺合され、ランプベース2とハウジング5とは着脱自在に構成されている。
【0012】
6は、ランプベース2に収納された高周波高電圧を発生させ,且つUVランプ1を点灯させるための点灯回路としての,インバータ回路であって、前記UVランプ1に接続され、且つランプベース2に設けられている。6aはインバータ回路6のインバータ回路蓋で、ユーザーが高周波高電圧を発生するインバータ回路6に直接手で触れられないようにしたものである。前記インバータ回路蓋6aはランプベース2に接着又はねじ止めされている。
【0013】
また、インバータ回路6からは、本体の制御部とを結ぶリード線8aが出ており、途中でコネクター8bにて接続されている。該コネクター8b及びリード線8aに流れる電流は低電圧の電流で、コネクター8bの脱着時の感電や火花等の危険を防止している。前記インバータ回路6やUVランプ1が水に濡れるのを防ぐものとしてカバー9が設けられている。該カバー9は、本体15に設けた筒状継手片15bに着脱自在に設けられている。
【0014】
A,Bはセンサーであって、磁気近接スイッチ10a,10bと磁石11a,11bとからそれぞれ構成されている。磁気近接スイッチ10aは前記インバータ回路6に内蔵されている。前記磁気近接スイッチ10aに対応する磁石11aは前記カバー9の内面の突起部に固着されている。該カバー9が取り外されたときに、即ち、磁気近接スイッチ10a,磁石11aなるセンサーAにてカバー9が所定位置以外で外れたときに、前記センサーAからの検知信号がない場合に、インバータ回路6の電流をストップするUVランプ1の点灯を制御する点灯制御手段21が設けられ、中央演算処理装置(CPU)20に接続されている。
【0015】
また、前記磁気近接スイッチ10bは、前記インバータ回路6に内蔵されている。前記磁気近接スイッチ10bに対応する磁石11bは前記24時間浴水浄化循環装置の本体15の筒状継手片15bに固着されている。24時間浴水浄化循環装置の本体15から、UVランプ1付きランプベース2を分離させた場合に、インバータ回路6の電流をストップさせるUVランプ1の点灯を制御する点灯制御手段21が設けられ、中央演算処理装置(CPU)20に接続されている。前記センサーAとBは直列に設けられ、何れか、1つが動作した場合に、インバータ回路6の電流をストップさせUVランプ1の点灯を制御するように構成されている。
【0016】
そのカバー9が所定位置以外で外れたときや、或いは、24時間浴水浄化循環装置の本体15から、UVランプ1付きランプベース2を分離させた場合には、前記磁気近接スイッチ10a,10bにて検知した前記磁石11a,11bの磁力と、予め記憶手段22に格納された所定の磁力とを比較手段23にて比較し、格納された磁力よりも少ないと判断された場合には、インバータ回路6の電流をストップさせるものである。
【0017】
24は警報手段であって、前記センサーA又はBからの検知信号がない場合は、表示装置25に対して警報内容を表示するようにするものであり、前記中央演算処理装置(CPU)20に接続されている。その警報内容としては、例えば、「もう一度、カバーを付けて下さい」等である。また、警報内容としては、光又はアラーム等で出力することもある。
【0018】
26は運転制御手段であって、前記センサーA又はBからの検知信号がない場合は、循環ポンプ27をも運転させないように制御するものであり、前記中央演算処理装置(CPU)20に接続されている。図1において、28は浴水加熱用のヒーター、29は24時間浴水浄化循環装置を始動・終了させるための運転スイッチである。
【0019】
次に、動作説明についてフローチャートにて説明する(図2参照)。まず、外管3の清掃(6ヶ月に1回)、UVランプ1の交換(数年に1回)後、図5に示すように、UVランプ1、カバー9、コネクター8bが取り付けられないと、磁気近接スイッチ10a,10bは開のままである。そこで、図4に示すように、UVランプ1及び外管3付きランプベース2をハウジング5内に挿入する。即ち、UVランプ1を取付ける(S1参照)。このとき、磁気近接スイッチ10aは磁気を感知し(S2参照)、UVランプ1の取付が正常かを判断する(S3参照)。UVランプ1の取付が正常ではない場合には、UVランプ1の点灯を禁止し(S4参照)、表示装置25に警報内容を表示するようにするものであり(S5参照)、その警報内容としては、例えば「もう一度UVランプを取付けて下さい。」等である。
【0020】
また、UVランプ1の取付が正常の場合には、図3に示すように、カバー9を本体15に取付ける(S6参照)。このとき、磁気近接スイッチ10bは磁気を感知し(S7参照)、カバー9の取付が正常かを判断する(S8参照)。カバー9の取付が正常ではない場合には、UVランプ1の点灯を禁止し(S9参照)、表示装置25に警報内容を表示するようにするものであり(S10参照)、その警報内容としては、例えば「もう一度カバーを取付けて下さい。」等である。そして、カバー9の取付が正常の場合には、即ち、センサーA,Bからの検知信号があった場合として、点灯制御手段21にてインバータ回路6の電流を流してUVランプ1の点灯を開始する(S11参照)。そして、水用紫外線殺菌装置の運転を開始する(S12参照)。さらに、前記センサーA,Bからの検知信号があった場合には、運転制御手段26にて循環ポンプ27が始動し(S13参照)、24時間浴水浄化循環装置が作動するものである。
【0021】
また、第2の実施の形態では、前述の第1の実施の形態において、循環ポンプ27の運転制御手段26を設けないで、他の構成は、第1の実施の形態と同一とすることもある。この場合の詳細な構成及び動作のフローチャートの説明は省略する。さらに、第3の実施の形態では、第2の実施の形態において、警報手段24を設けないこともあり、他の構成は、第2の実施の形態と同一とすることもある。この場合の詳細な構成及び動作のフローチャートの説明も省略する。
【0022】
また、前述の構成では、UVランプ1と外管3とは分離できないが、図6に示すように、外管3に固着した外管ベース12とUVランプ1に固着したランプベース2とを係合部13を介して分離可能に構成されている。該係合部13は、係合突起13aと被係合孔13bとからなる。前記係合突起13aが前記ランプベース2に設けられ、係合突起13aに適宜係合する被係合孔13bが前記外管ベース12に設けられており、必要に応じて、ランプベース2に対して外管ベース12を分離可能に構成されている。具体的には、係合突起13aの係合を解除するように該係合突起13aの軸部を変形されるようにして被係合孔13bから離脱させてランプベース2と外管ベース12とを分離させるものである。このような実施の形態であっても、制御部の構成や、フローチャートには変更はない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の安全装置の概略を示すブロック図
【図2】本発明のフローチャート
【図3】本発明の要部断面図
【図4】カバーを外している状態の安全装置の要部断面図
【図5】水用紫外線殺菌装置からUVランプ,外管箇所を外している状態の断面図
【図6】UVランプと外管とを分離できるタイプの断面図
【符号の説明】
【0024】
1…UVランプ
2…ランプベース
3…外管
5…ハウジング
9…カバー
A,B…センサー
21…点灯制御手段
24…警報手段
26…運転制御手段
27…循環ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線を放射するUVランプと、
該UVランプを覆い且つ紫外線を通し又浴水の浸入を遮断する外管と、
前記UVランプと前記外管を収納し且つ浴水を通すハウジングと、
前記外管と前記UVランプとを一体化したランプベースを前記ハウジングに対して着脱自在に構成した水用紫外線殺菌装置であって、
前記ランプベースを前記ハウジングに装着した時に電力を供給するために接続可能なコネクターを備えたリード線で接続されており、
前記ハウジングへの前記UVランプを組み込んだランプベースの設置を検知するセンサーと、
前記ランプベースが前記ハウジングに装着されて前記センサーからの検知信号が検知され、前記コネクターが接続された時に、前記UVランプを点灯させ、
前記UVランプを組み込んだランプベースがハウジングに正しく設置されず、前記コネクターが接続された時に、前記センサーの検知信号がない状態ではUVランプの点灯から目を護るように前記UVランプを点灯しないよう制御する点灯制御手段とを備えてなること
を特徴とする24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置。
【請求項2】
請求項1において、前記センサーからの検知信号がない場合は、警報表示する警報手段とを備えてなること
を特徴とする24時間浴水浄化循環装置における水用紫外線殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−237179(P2007−237179A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108120(P2007−108120)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【分割の表示】特願平8−233129の分割
【原出願日】平成8年9月3日(1996.9.3)
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】