説明

40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできる両台車コンテナクレーン

本発明は、二台の台車が配置され、横ばりの上部レールにこのレールを運行する前台車と、門形フレームの下部レールにこのレールを運行する後台車と、門形フレームの下部にはコンテナ位置を設置する中間プラットフォームとが、それぞれが取付けられ、前台車がレールを運行して二つの40フィートのコンテナを中間プラットフォームに吊り上げ、後台車がレールを運行して中間プラットフォーム上のコンテナを一々と地面の運輸車に吊り下げる一方、反対側の積み下ろし操作も同様に行う、40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできる両台車コンテナクレーンに関するものである。本発明によれば、前台車は並んでいる二つの40フィートのコンテナを簡単に一回で積み下ろしできるとともに、後台車の極低の吊上高度と極短の運行距離により、クレーンと地面運輸車間のコンテナ積み下ろしの位置決め、揺動防止の問題を見事に解決できる。本発明のクレーンにより、クレーンと大型コンテナ船及び地面運輸車との間の積み下ろしスピードと積み下ろし効率が高められるので、自動化ターミナルに限らず一般的なコンテナターミナルにもよく適用し、明るい将来性と幅広い応用市場が見られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテナクレーンに関し、特に40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできる両台車コンテナクレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
世界中でコンテナ運輸の旺盛な要求とコンテナターミナル処理量が絶えずに成長している現在で、船舶の大型化と高速化によるコンテナ生産性に対する要求を満たすために、コンテナ積み下ろし(装卸)用の技術や設備に対して、より新しく、効率の高い岸辺コンテナ積み下ろしシステムが必要となる。
【0003】
従来のクレーンには両台車クレーンと40フィートコンテナをダブル積み下ろしできるクレーンとの2種類があり、それぞれ利点を持っているが、この2種類のクレーンの利点を組合わせ、新しいクレーンを創り出せれば、コンテナクレーンの作業効率をより一層高めることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来のコンテナクレーンが40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできるが、その構成には両台車の構造を採用していない問題、或いは、両台車構造のクレーンが40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできない問題を解決した改良型の40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできる両台車コンテナクレーンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に関わるコンテナクレーンは、二台の台車が配置され、横ばりの上部レールにこのレールを運行する前台車と、門形フレームの下部レールにこのレールを運行する後台車と、門形フレームの下部にはコンテナ位置を設置する中間プラットフォームとがそれぞれ取付けられ、前台車がレールを運行して二つの40フィートのコンテナを中間プラットフォームに吊り上げ、後台車がレールを運行して中間プラットフォーム上のコンテナを一々と地面の運輸車に吊り下げる一方、反対側の積み下ろし操作も同様に行う、40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできる両台車コンテナクレーンである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできる両台車コンテナクレーンは、両台車クレーンと40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできるクレーンを元に改良、革新したものであり、両台車クレーンと40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできるクレーンの両方の利点を継承しながら、それらの問題点を克服したので、クレーンの大型コンテナ船に対する積み下ろし効率を大幅に高め、大型クレーンの地面運輸車に対する迅速対応の問題を解決し、コンテナクレーンの作業効率をより一層向上できる。
【0007】
本発明によれば、前台車は並んでいる二つの40フィートのコンテナを簡単に一回で積み下ろしできるとともに、後台車の極低の吊上高度と極短の運行距離により、クレーンと地面運輸車間のコンテナ積み下ろしの位置決め、揺動防止の問題を見事に解決し、クレーンと地面運輸車間の積み下ろしスピードを高めることが図れる。
【0008】
本発明によるコンテナクレーンは、自動化ターミナルに限らず一般的なコンテナターミナルにもよく適用し、明るい将来性と幅広い応用市場が見られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図面を参照すると、本発明の40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできる両台車コンテナクレーンにはそれぞれ独立した上部と下部の二つのレールを運行する二台の台車が配置されることが分かる。前台車1は横ばりの上部レール3に取付けられ、このレールを運行する。前台車のレール3は前後の横ばりに設置され、その高度が普通クレーンの正常高度である。前台車1は主にコンテナ船と中間プラットフォーム間のコンテナの積み下ろし作業を担う。後台車2は門形フレーム5の下部レール4に取付けられ、このレールを運行する。地面運輸車と中間プラットフォーム間のコンテナの積み下ろし作業を果たす後台車のレール4の高さが地面に近い。
【0010】
門形フレーム5の下部の最適な位置には、コンテナ位置設置用の中間プラットフォーム6が取付けられる。前台車1はレール3を運行することにより、コンテナ船7上の並んでいる二つの40フィートのコンテナを一回で中間プラットフォーム6に吊り上げるか、中間プラットフォーム6上の二つの40フィートのコンテナを一回でコンテナ船7に吊り下げる。前台車が一回で二つの40フィートのコンテナを積み下ろしできるので、効率は普通クレーンの2倍となっている。前台車は四つの20フィートのコンテナ或いは、一つの40フィートのコンテナと二つの20フィートのコンテナを同時に積み下ろしすることもできる。もちろん前台車は普通クレーンのように、一つの20フィートのコンテナか、一つの40フィートのコンテナか、一つの45フィートのコンテナか、一つの53フィートのコンテナを積み下ろしすることもできる。
【0011】
後台車2はレール4を運行することにより、中間プラットフォーム6上のコンテナを一々と地面運輸車8に吊り下げるか、地面運輸車8上のコンテナを一々と中間プラットフォーム6に吊り上げる。下部のレール4の設置にはクレーン自体の構成特徴を見事に利用し、地面との高度を大幅に低下することで、台車の運行距離を短縮するからで、後台車の吊上高度と運行距離の最適化が実現できる同時に、クレーンと地面運輸車間の位置合わせ作業がやり易く、積み下ろし作業が位置固定、揺動防止できるようになり、積み下ろし作業のスピードと効率も高められる。
【0012】
二台の台車は中間プラットフォーム6を介して、リレー式作業の実現ができるが、全自動化の無人作業のモードを利用しても良いし、ユーザの要望に応じて人工作業か遠隔制御と結合した作業のモードを利用しても良い。中間プラットフォームは二台の台車の中間リレーとしての機能以外、コンテナの四角ピンの装脱作業もこの中間プラットフォームで作業員により行える。即ち、二台の台車のリレー作業の中間時間を利用することにより、コンテナの四角ピンの装脱作業時間は全体の作業時間を占有しないようにでき、クレーンの積み下ろし効率を高めることができる。一方、普通のクレーンの作業によれば、コンテナの四角ピンの装脱作業は台車がコンテナを吊りながら地面に近付いた時、作業員が地面で行うので、作業員のコンテナの四角ピンの装脱作業が完成しない限り、台車が次の作業に入れない。本発明によるクレーンの前台車はコンテナを中間プラットフォームに吊り上げられると、直ぐに次の作業に入るので、前台車の作業中のピン装脱の作業時間を節約することができる。
【0013】
後台車の吊上高度と台車運行距離とも短いので、その効率を前台車に合わせるように、後台車の一回作業時間は前台車の一回作業時間の半分に当たる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできる両台車コンテナクレーンの構造図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二台の台車が配置された両台車コンテナクレーンであり、横ばりの上部レールにこのレールを運行する前台車と、門形フレームの下部レールにこのレールを運行する後台車と、門形フレームの下部にはコンテナ位置を設置する中間プラットフォームとが、それぞれ取付けられ、前台車がレールを運行して二つの40フィートのコンテナを中間プラットフォームに吊り上げ、後台車がレールを運行して中間プラットフォーム上のコンテナを一々と地面の運輸車に吊り下げる一方、反対側の積み下ろし操作も同様に行うことを特徴とする40フィートのコンテナをダブル積み下ろしできる両台車コンテナクレーン。

【図1】
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【公表番号】特表2008−516865(P2008−516865A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518405(P2007−518405)
【出願日】平成17年10月8日(2005.10.8)
【国際出願番号】PCT/CN2005/001643
【国際公開番号】WO2007/041890
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(506013472)上海振華港口机械(集団)股▲分▼有限公司 (9)