説明

68Gaジェネレータ

【課題】金属不純物を含まず、放射性医薬の調製前に化学的処理を行うことがなく、長時間にわたり繰り返し使用可能な68Gaジェネレータを提供する。
【解決手段】68Gaの親核種である68Geが、トリエトキシフェニル基を介して特異的に担体に結合しており、連続的に崩壊して68Gaを生成し、トリエトキシフェニル基がリンカーを介して担体材料に共有結合している68Gaジェネレータであり、金属不純物の含有量が質量比で100ppb未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、68Ga娘核を生成するためのジェネレータに関する。
【背景技術】
【0002】
陽電子放出型の放射性核種は、いわゆる陽電子放出断層撮影に用いられている。放出型コンピュータ断層撮影法の一種である陽電子放出型断層撮影法(PET)は、弱い放射性核種で標識された物質(放射性医薬)の生体内での分布を可視化することにより生体の断層画像を生成し、それにより生化学的および生理的機能を画像化する核医学的画像検査法であり、そのため、いわゆる機能的画像化の診断分野に関連する。患者に対するそのようなPET検査の枠組みにおいて、放射性の弱い陽電子放射性核種で標識された物質の体内分布は、通常、種々の検出器により、陽電子放射性核種の放射性崩壊を利用して可視化される。
【0003】
具体的には、シンチグラフィーの原則に基づき、PET検査の開始時に放射性医薬を患者に静脈内投与する。PETでは、陽電子を放射する(β+放射)放射性核種を使用する。患者の体内で陽電子が電子と相互作用すると、2個の高エネルギー光子が正確に反対方向、つまり180°の相対角で放射される。核物理では、このような放射線を消滅放射線と呼ぶ。通常、PET装置は患者の周囲に環状に配置された複数の検出器を備えている。PET検査の原理は、互いに対向する2つの検出器で同時に検出される信号を記録する点にある。記録されたこれらの崩壊現象の時間分布および空間分布より、体内、具体的には個々の検査において検査対象となる臓器内における放射性医薬の空間分布、および/または占拠性病変等の病変の推定が可能になる。取得されたデータより、コンピュータ画像撮影法において通常行われているように、一連の断層画像が計算される。PETは、腫瘍学、神経学および心臓学において、代謝に関連する研究によく用いられているが、最近、さらに多くの応用分野が明らかにされつつある。
【0004】
現在までに最も広い用途が見出された核種は、放射性同位体18Fである。この18Fはサイクロトロンを用いて製造されるが、半減期が約110分と比較的長いため、サイクロトロンから病院の核医学部門までのやや長い距離を輸送することができる。このような理由により、18Fは現在もなお、PET検査法に最も頻繁に用いられている核種である。
【0005】
18F以外に、11C、13N、15O、68Ga、64Cuまたは82Rbが主に用いられている。
【0006】
これらの同位体の半減期の値を表1に示す。
【0007】
【表1】

【0008】
68Gaおよび82Rbはジェネレータ放射性同位体である。ここに示した放射性同位体は、不安定な親同位体の崩壊により、この親同位体を貯蔵した核ジェネレータの内部で生成する。PET核と呼ばれる他の同位体は全てサイクロトロンを用いて製造されている。
【0009】
表1に示した半減期の値および放射性核種の製造方法より、PET検査について、11Cを使用する場合には、PETシステムの比較的近くにサイクロトロンが存在している必要があるという結論が導き出される。比較的短寿命の13Nまたは15Oを使用する場合には、サイクロトロンはPETスキャナーのすぐそばに設置されていなければならない。しかし、サイクロトロンを備えた放射性医薬製造施設の建造には数千万単位の投資が必要であり、このことは、サイクロトロンで製造される核種のPETでの使用には巨大な経済的制約が存在することを示している。
【0010】
このことが、ジェネレータ放射性同位体、特に68Gaが核医学、特にPET法において特別な関心を集めている大きな理由の一つである。
【0011】
PETを実行可能にするために、代謝に関与し、あるいは特定の受容体への結合等の生理的および/または薬理活性を示す分子に放射性核種を(共有結合または配位結合によって)結合させる。
【0012】
従来のPET検査に使用されている典型的な分子が18F−フルオロデオキシグルコース(FDG)である。FDG−6−リン酸は、生体内における後続のリン酸化によってこれ以上代謝されないため、蓄積(「代謝トラッピング」)が起こる。これが、ガン性疾患の早期診断における特別な利点である。ガンの局在および転移以外にも、FDGの体内分布から、通常、グルコースの組織内代謝に関する結論が得られる。
【0013】
例えば、68Gaを使用するPET用に、下記の構造を有する68Ga−DOTADOCが用いられている。
【0014】
【化1】

【0015】
68Ga−DOTADOC等を用いると、PET等の画像診断法を用いて、例えば、局発性の神経内分泌腫瘍およびそれらの転移を検出できる。具体的には、陽電子放出型断層撮影法を用いて、ソマトスタチン発現性腫瘍(somatostatin−expressing tumors)およびそれらの転移を検出できる。68Ga−DOTADOCは、対応する変成細胞に蓄積される。これらの領域は、正常組織よりも明らかに高い放射線を放射する。放射の位置は検出器により特定され、画像処理により3次元表示に変換される。
【0016】
上述のように、ガリウム−68はPETにおいて非常に興味深い放射性核種であり、新しい利用源により、臨床診断および研究において非常に重要になる。
【0017】
68Gaは、例えば、欧州特許出願公開2216789号明細書に記載のもの等の公知のゲルマニウム−68/ガリウム−68放射性核種ジェネレータによって得ることができる。
【0018】
68Gaは、陽電子を放射しながら半減期67.63分で崩壊する。上述したように、ガリウム−68は、その物理化学的性質より、核医学検査に非常に好適である。
【0019】
68Gaが、半減期270.82日で崩壊する親核種である68Geから、電子捕獲により生成できることは、核物理実験より知られている。
【0020】
68Gaジェネレータにおいて、68Geは通常不活性な担体よりなる不溶性のマトリックスに結合しており、ゲルマニウムが連続的に崩壊するため、68Gaは連続的に生成され続け、溶媒を用いて溶出させることにより、ジェネレータから抽出することができる。
【0021】
放射性医薬の調製のためには、使用する放射性核種に対し高い品質要求を設定する必要がある。具体的には、製造される放射性核種は高い純度を有していなければならず、放射性医薬の標識について悪影響を及ぼし、技術的に達成可能な収率を減少させるおそれがある拮抗反応の原因となるため、金属不純物を実質的に含んでいてはならない。さらに、金属不純物は、高感度な生物医学的計測系を妨害するおそれがある。
【0022】
例えば、米国特許出願公開2007/0009409号明細書より、無機結合したネットワーク構造に一方で結合した有機リンカーに結合した含酸素官能基に親核種が結合した放射性核種ジェネレータが知られている。記載されているのは、例えば、親核種が224Ra、225Raまたは225Acであってよい212Biまたは213Biジェネレータである。交換材は、例えば、酸素で結合したネットワーク構造を形成可能な、共有結合した無機酸化物で形成されていてよい。官能基としてはスルホン酸基、具体的には−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO3Li、−SO3NH4が挙げられ、あるいは−PO(OX)2または−COOXから選択されるものであってもよく、XはH、Na、KもしくはNH4またはこれらの組み合わせから選択される。
【0023】
さらに、英国特許出願公開第2 056 471号明細書には、ガリウム−68をその親核種であるゲルマニウム−68から分離するためのイオン交換体が記載されている。英国特許出願公開第2 056 471号明細書に記載のイオン交換体は、全体またはほぼ全体が、2以上の隣接するヒドロキシル基を有するポリヒドロキシベンゼンと、5〜15%モル過剰のホルムアルデヒドとの縮合生成物からなり、あるいはそのような縮合生成物を内部に含んでおり、縮合生成物は、40重量%以上の水分を可逆的に吸収する。68Gaをイオン交換体から溶出させるために、68Geが結合したイオン交換体を2M〜5MのHClで処理しなければならない。
【0024】
酸の濃度が高いことに加え、コモノマーとして使用するホルムアルデヒドに毒性があるため、溶出液を放射性医薬として使用する前に再処理が必要となる。
【0025】
さらに、ジ−またはトリヒドロキシフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の合成は技術的に複雑であると共に高コストである。
【0026】
従来技術と比較すると、欧州特許出願公開第2216789号明細書に記載の方法は、同出願において、ポリヒドロキシフェノールが、芳香族またはヘテロ芳香族基、炭素原子数4以上の飽和または不飽和脂肪酸、例えば、オクチル基、デシル基またはオクタデシル基等の炭素数4以上の分岐または非分岐アルキル鎖からなる群より選択される分子の疎水性基と結合しており、樹脂およびシリカゲル等の有機担体または無機担体材料は、共有結合を介さずにこのような分子によって被覆されている点で明確に優れている。このような被覆されたカラム材料より、68Ge塩の水溶液が充填され、68Geがカラム上に定量的に吸着した小型のクロマトグラフィー用カラムが製造される。
【0027】
次いで、0.05M HClを用いてカラム材料を溶出させると、溶出液はほぼ68Gaのみを含んでおり、親核種の漏出量は1.0×10-5〜3×10-3%であった。
【0028】
ガリウム−68は、さらに化学処理を行うことなく、注射可能なガリウム−68放射性医薬の調製に直接用いることができるという事実に拘らず、ポリヒドロキシフェノールと結合した疎水性分子は、時間の経過と共に脱離し、所望の68Ga核の不純物となる。そのため、所定時間担体材料に担持させた後、放射性医薬として使用する前に、さらに精製工程を経てから68Ga画分を放射性医薬の調製に用いる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
かくして、欧州特許出願公開第2216789号明細書記載の従来技術を出発点として、本発明の目的は、放射性医薬の調製の前に、ガリウム−68画分をさらに処理する必要がなく、長期間にわたって繰り返し使用可能な、安定なガリウム−68ジェネレータを提供することである。
【0030】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する、68Ga娘核種のためのジェネレータにより達成される。
【0031】
具体的には、本発明は、68Ge親核種が、トリヒドロキシフェニル基またはジヒドロキシベンゼン基を介して特異的に担体に結合しており、電子捕獲により半減期270.82日で連続的に崩壊して68Gaを生成し、トリヒドロキシフェニル基(またはジヒドロキシフェニル基)はリンカーを介して担体材料に共有結合しており、リンカーは、C2〜C20エステル、C2〜C20アルキル、フェニル、チオ尿素、C2〜C20アミン、マレイミド、メラミン等、トリヒドロキシフェニルアルコキシシラン、具体的には、1,2,3−トリヒドロキシフェニルトリエトキシシラン、1,2,3−トリヒドロキシフェニルジエトキシシラン、1,2,3−トリヒドロキシフェニルエトキシシラン、1,2,3−トリヒドロキシフェニルトリプロポキシシラン、1,2,3−トリヒドロキシフェニルクロロシラン、エピクロロヒドリン、イソチオシアネート、チオールからなる群より選択される68Ga娘核種のためのジェネレータに関する。
【0032】
本発明の好ましい実施形態は、前記担体材料が、不活性な無機酸化物材料、具体的には、シリカゲル、SiO2、TiO2、SnO2、Al23、ZnO、ZrO2、HfO2、あるいは不活性な有機ポリマーおよびコポリマー、具体的にはスチレン−ジビニルベンゼン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチル、アクリロニトリル−メタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル−不飽和ジカルボン酸−スチレン、塩化ビニリデン−アクリロニトリルからなる群より選択される68Gaジェネレータである。
【0033】
トリヒドロキシフェニル基は、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)であることが好ましく、この場合、シリカゲルを担体材料として、1,2,3−トリヒドロキシフェニルトリエトキシシランをリンカーとして好ましく用いることができる。
【0034】
通常、シリカゲルの平均粒子サイズは10〜150μmであり、平均空孔サイズは6〜50nmである。
【0035】
68Geを吸着させた担体上のトリヒドロキシフェニル基を0.05〜0.5M HClで処理することは、親核種の放射性崩壊により生成した68Gaイオンを得るために好適で特異性の高い溶出法であることがわかった。
【0036】
本発明の68Gaジェネレータにおいて、担体上への吸着には、酸化数IVの化合物の形態を取る68Ge塩が好適に用いられる。
【0037】
具体的には、68Ge(IV)塩の水溶液がトリヒドロキシフェニル基への68Geの結合に用いられ、68Ge水和イオンが特に好ましい。
【0038】
本発明の68Gaジェネレータを用いると、製造された68Gaは、すぐに放射性医薬の用途に用いることが可能な純度を有しており、不純物の含有量、具体的には金属不純物の含有量は10〜100ppb(質量比)の範囲内、好ましくは1〜10ppb(質量比)、特に好ましくは1ppb(質量比)未満である。
【0039】
シランまたはエピクロロヒドリンまたはイソチオシアネート結合基等の、不活性な無機担体または有機担体に対する有機分子または生体分子の共有結合基は、基本的に古くから公知であるが、このような結合基は、溶出剤として酸を用いた場合に加水分解を受けることも同様に知られている。このような酸加水分解の結果、担体を長期間にわたり使用すると不可逆的に分解を受け、結果的に68Ga画分への不純物の混入をも招くこととなる。
【0040】
しかし、驚くべきことに、特定のシランカップリング剤を用いた実用化試験において、これらが長期間にわたって酸に対し安定であり、親核種を吸着させた担体材料から68Gaを溶出させるために、68Geを吸着させた本発明の担体材料を0.05M〜0.5M HClで溶出させると、非常に純度の高い68Ga画分が得られることがわかった。
【0041】
このように、68Ge親核種より生成される68Ga娘核種のための本発明のジェネレータは、長期間にわたる安定性を有し、得られる68Ga画分を、例えばPET用の放射性医薬として直接使用可能な68Gaジェネレータを初めて提供するものである。
【0042】
本発明のさらなる利点および特徴は、実施例の記載より明らかになる。
【実施例】
【0043】
粒子サイズ約40μm、空孔サイズ約6nmの不活性シリカゲルを1,2,3−トリヒドロキシフェニルトリエトキシシランで処理することにより、ゲルマニウムに特異的な樹脂を調製した。天然型のシリカゲルをシラン化することにより、不活性な担体上に共有結合した1,2,3−トリヒドロキシベンゼン官能基が得られた。樹脂上のGe(IV)の重量分布係数の測定結果より、材料がゲルマニウムに対し高い親和性を有することが示された。樹脂は、小型のクロマトグラフィー用カラムとして用いた。
【0044】
HClまたはHNO3またはNaClを含み、100〜1000MBqの放射能を有する、放射性核種である68Geの水溶液を、ポンプでカラムに注入した。68Geの特異的な結合により、後者(68Ge)は定量的にカラム材料上に吸着または結合した。
【0045】
68Geを吸着したこれらのカラムを、短寿命の娘核種である68Gaの製造に使用した。68Geが担体上に結合している間、68Gaは連続的に生成され、繰り返し溶出させることができる。2.5mL以下の少量の弱酸性の塩酸溶液(0.05〜0.5M HCl)により、68Gaのみを非常に特異的に溶出させることができる。親核種68Geの漏出量は、10-5%オーダー未満である。
【0046】
得られた68Gaは、直接、すなわち化学的処理を行うことなく、注射可能な68Ga放射性医薬の調製に用いることができる。
【0047】
さらに、本発明の樹脂は、分析または医療用途において、痕跡量のゲルマニウム(放射同位体および安定同位体の両者)を水溶液から除去するために用いることもできる。
【0048】
担体材料上に共有結合しているため、樹脂は、欧州特許出願公開第2216789号明細書記載の先行技術に係るものに比べ、化学安定性および放射線安定性が増大していると共に、流体力学的抵抗が低い等、より優れた化学的、機械的性質を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
68Ge親核種が、トリヒドロキシフェニル基またはジヒドロキシベンゼン基を介して特異的に担体に結合しており、電子捕獲により半減期270.82日で連続的に崩壊して68Gaを生成する68Ga娘核種のためのジェネレータであって、
前記トリヒドロキシフェニル基またはジヒドロキシフェニル基はリンカーを介して担体材料に共有結合しており、前記リンカーは、C2〜C20エステル、C2〜C20アルキル、フェニル、チオ尿素、C2〜C20アミン、マレイミド、メラミン等、及びトリヒドロキシフェニルアルコキシシラン、具体的には、1,2,3−トリヒドロキシフェニルトリエトキシシラン、1,2,3−トリヒドロキシフェニルジエトキシシラン、1,2,3−トリヒドロキシフェニルエトキシシラン、1,2,3−トリヒドロキシフェニルトリプロポキシシラン、1,2,3−トリヒドロキシフェニルクロロシラン、エピクロロヒドリン、イソチオシアネート、チオール、からなる群より選択されることを特徴とする68Gaジェネレータ。
【請求項2】
前記担体材料が、不活性な無機酸化物材料、具体的には、シリカゲル、SiO2、TiO2、SnO2、Al23、ZnO、ZrO2、HfO2、あるいは不活性な有機ポリマーおよびコポリマー、具体的にはスチレン−ジビニルベンゼン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチル、アクリロニトリル−メタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル−不飽和ジカルボン酸−スチレン、塩化ビニリデン−アクリロニトリルからなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載の68Gaジェネレータ。
【請求項3】
前記トリヒドロキシフェニル基が、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)であることを特徴とする請求項1または2記載の68Gaジェネレータ。
【請求項4】
前記担体としてシリカゲルが用いられ、前記リンカーとして1,2,3−トリヒドロキシフェニルトリエトキシシランが用いられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の68Gaジェネレータ。
【請求項5】
前記シリカゲルの平均粒子サイズが、10〜150μmであり、平均空孔サイズが6〜50nmであることを特徴とする請求項4記載の68Gaジェネレータ。
【請求項6】
親核種の放射性崩壊により生成した68Gaイオンを特異的に溶出させるために、68Geを吸着させた担体上のトリヒドロキシフェニル基を0.05〜0.5M HClで処理することを特徴とする請求項4または5記載の68Gaジェネレータ。
【請求項7】
酸化数IVの化合物の形態を取る親核種68Geを用いることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の68Gaジェネレータ。
【請求項8】
68Ge(IV)塩の水溶液、具体的には68Geアクアイオンがトリヒドロキシフェニル基への68Geの結合に用いられることを特徴とする請求項7記載の68Gaジェネレータ。
【請求項9】
製造された68Gaが、放射性医薬の用途に直接用いることが可能な純度を有しており、不純物の含有量、具体的には金属不純物の含有量は10〜100ppb(質量比)の範囲内、好ましくは1〜10ppb(質量比)、特に好ましくは1ppb(質量比)未満であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の68Gaジェネレータ。

【公開番号】特開2012−78353(P2012−78353A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204921(P2011−204921)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(511228698)イーテーエム イゾトーペン テクノロジエン ミュンヘン アーゲー (1)
【Fターム(参考)】