説明

90度移相器

【課題】IQ成分の位相誤差を調整することが可能な90度移相器を提供する。
【解決手段】フリップフロップ部とバイアス調整部BA1とが設けられている。フリップフロップ部は、互いに位相が180度だけ異なるクロック信号CKp_M、CKn_M、CKp_S、CKn_Sに従ってフリップフロップFF1の出力をフリップフロップFF2に入力し、フリップフロップFF2の出力をフリップフロップFF1に入力することで、クロック信号CKp_M、CKn_M、CKp_S、CKn_Sが2分周された互いに位相が90度ずつ異なる信号I、IX、Q、QXを生成する。バイアス調整部BA1は、フリップフロップ部のDCバイアスを調整することにより、フリップフロップFF1、FF2間でデータがやり取りされるタイミングを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は90度移相器に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信などの分野では、不要なイメージを抑圧するために、直交変調が行われることがある。直交変調を実現するために、フリップフロップを2段構成にした90度移相器が用いられることがある。この90度移相器では、トランジスタのしきい値のばらつきなどによってIQ成分の位相誤差が発生し、イメージ抑圧比の低下を招くことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−154270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの実施形態の目的は、IQ成分の位相誤差を調整することが可能な90度移相器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の90度移相器によれば、フリップフロップ部とバイアス調整部とが設けられている。フリップフロップ部は、互いに位相が180度だけ異なるクロック信号に従って第1のフリップフロップの出力を第2のフリップフロップに入力し、前記第2のフリップフロップの出力を前記第1のフリップフロップに入力することで、前記クロック信号が2分周された互いに位相が90度ずつ異なる信号を生成する。バイアス調整部は、前記フリップフロップ部のDCバイアスを調整することにより、第1のフリップフロップと前記第2のフリップフロップとの間でデータがやり取りされるタイミングを調整する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、第1実施形態に係る90度移相器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の90度移相器の各部の電圧波形を示すタイミングチャートである。
【図3】図3は、図1の90度移相器の出力波形とバイアス調整値とを示す図である。
【図4】図4は、図3のバイアス調整値と図1の90度移相器の出力波形との関係を示す図である。
【図5】図5は、図1の90度移相器のバイアス調整値とIQ誤差との関係を示す図である。
【図6】図6は、第2実施形態に係る90度移相器の概略構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、第3実施形態に係る90度移相器が適用される無線受信機の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係る90度移相器について図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る90度移相器の概略構成を示すブロック図である。
図1において、この90度移相器には、フリップフロップ部およびバイアス調整部BA1が設けられている。フリップフロップ部には、フリップフロップFF1、FF2が設けられている。そして、フリップフロップ部は、互いに位相が180度だけ異なるクロック信号CKp_M、CKn_M、CKp_S、CKn_Sに従ってフリップフロップFF1の出力をフリップフロップFF2に入力し、フリップフロップFF2の出力をフリップフロップFF1に入力することで、クロック信号CKp_M、CKn_M、CKp_S、CKn_Sが2分周された互いに位相が90度ずつ異なる信号I、IX、Q、QXを生成することができる。なお、クロック信号CKp_M、CKn_Sは互いに同一の信号である。また、クロック信号CKn_M、CKp_Sは互いに同一の信号である。
【0009】
バイアス調整部BA1は、フリップフロップFF1、FF2のDCバイアスを調整することにより、フリップフロップFF1、FF2間でデータがやり取りされるタイミングを調整することができる。なお、バイアス調整部BA1は、例えば、カレントミラー回路を用いることができる。
【0010】
ここで、フリップフロップFF1には、状態遷移部SM1および状態保持部SH1が設けられている。状態保持部SH1は、クロック信号CKn_Mに従って状態を保持することができる。状態遷移部SM1は、クロック信号CKp_Mに従って動作し、フリップフロップFF2に保持されている状態に基づいて状態保持部SH1の状態を遷移させることができる。
【0011】
フリップフロップFF2には、状態遷移部SM2および状態保持部SH2が設けられている。状態保持部SH2は、クロック信号CKn_Sに従って状態を保持することができる。状態遷移部SM2は、クロック信号CKp_Sに従って動作し、フリップフロップFF1に保持されている状態に基づいて状態保持部SH2の状態を遷移させることができる。
【0012】
具体的には、状態遷移部SM1にはNチャンネル電界効果トランジスタM11〜M13が設けられている。状態保持部SH1にはNチャンネル電界効果トランジスタM14〜M16が設けられている。状態遷移部SM2にはNチャンネル電界効果トランジスタM21〜M23が設けられている。状態保持部SH2にはNチャンネル電界効果トランジスタM24〜M26が設けられている。
【0013】
そして、Nチャンネル電界効果トランジスタM11のドレインは抵抗R11を介して高電源電位VDDに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM12のドレインは抵抗R12を介して高電源電位VDDに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM11、M12のソースはNチャンネル電界効果トランジスタM13のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM13のソースは低電源電位VSSに接続されている。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM13のゲートにはキャパシタC1を介してクロック信号CKp_Mが入力される。
【0014】
Nチャンネル電界効果トランジスタM14のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM11のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM15のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM12のドレインおよびNチャンネル電界効果トランジスタM14のゲートに接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM15のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM14のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM14、M15のソースはNチャンネル電界効果トランジスタM16のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM16のソースは低電源電位VSSに接続されている。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM16のゲートにはキャパシタC2を介してクロック信号CKn_Mが入力される。
【0015】
Nチャンネル電界効果トランジスタM21のドレインは抵抗R21を介して高電源電位VDDに接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM21のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM12、M15のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM22のドレインは抵抗R22を介して高電源電位VDDに接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM22のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM11、M14のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM21、M22のソースはNチャンネル電界効果トランジスタM23のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM23のソースは低電源電位VSSに接続されている。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM23のゲートにはキャパシタC2を介してクロック信号CKp_Sが入力される。
【0016】
Nチャンネル電界効果トランジスタM24のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM11のゲートおよびNチャンネル電界効果トランジスタM21のドレインに接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM24のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM12のゲートに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM25のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM22のドレインおよびNチャンネル電界効果トランジスタM12、M24のゲートに接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM15のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM21、M24のドレインおよびNチャンネル電界効果トランジスタM11のゲートに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM24、M25のソースはNチャンネル電界効果トランジスタM26のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM26のソースは低電源電位VSSに接続されている。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM26のゲートにはキャパシタC1を介してクロック信号CKn_Sが入力される。
【0017】
バイアス調整部BA1には、電流源G1、電流調整部G2、G3およびNチャンネル電界効果トランジスタM1〜M3が設けられている。なお、電流調整部G2、G3は、例えば、可変電流源を用いるようにしてもよい。また、電流調整部G2、G3は互いに逆方向に動作することができる。すなわち、電流調整部G2にて電流が増加される場合、電流調整部G3にて電流が減少され、電流調整部G2にて電流が減少される場合、電流調整部G3にて電流が増加される。
【0018】
そして、電流源G1は抵抗R14、R24をそれぞれ介してNチャンネル電界効果トランジスタM16、M26のゲートに接続されている。電流調整部G2は抵抗R13を介してNチャンネル電界効果トランジスタM13のゲートに接続されている。電流調整部G3は抵抗R23を介してNチャンネル電界効果トランジスタM23のゲートに接続されている。
【0019】
また、電流源G1にはNチャンネル電界効果トランジスタM1が直列に接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM1のゲートは電流源G1とNチャンネル電界効果トランジスタM1との接続点に接続されている。電流調整部G2にはNチャンネル電界効果トランジスタM2が直列に接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM2のゲートは電流調整部G2とNチャンネル電界効果トランジスタM2との接続点に接続されている。電流調整部G3にはNチャンネル電界効果トランジスタM3が直列に接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM3のゲートは電流調整部G3とNチャンネル電界効果トランジスタM3との接続点に接続されている。
【0020】
図2は、図1の90度移相器の各部の電圧波形を示すタイミングチャートである。
図2において、Nチャンネル電界効果トランジスタM1、M16、M26のカレントミラー動作により、Nチャンネル電界効果トランジスタM16、M26に流れる電流は電流源G1に流れる電流に対応して設定される。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM2、M13のカレントミラー動作により、Nチャンネル電界効果トランジスタM13に流れる電流は電流調整部G2に流れる電流に対応して設定される。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM3、M23のカレントミラー動作により、Nチャンネル電界効果トランジスタM23に流れる電流は電流調整部G3に流れる電流に対応して設定される。
【0021】
ここで、電流調整部G2の電流を調整することにより、Nチャンネル電界効果トランジスタM13のゲート電位が変化し、状態遷移部SM1のDCバイアスが調整される。また、電流調整部G3の電流を調整することにより、Nチャンネル電界効果トランジスタM23のゲート電位が変化し、状態遷移部SM2のDCバイアスが調整される。
【0022】
そして、フリップフロップFF2の非反転出力Qがロウレベル、フリップフロップFF2の反転出力QXがハイレベルであるものとする。そして、クロック信号CKp_Mが立ち上がると(t1)、Nチャンネル電界効果トランジスタM13がオンし、状態遷移部SM1が活性化される。そして、フリップフロップFF2の反転出力QXがNチャンネル電界効果トランジスタM11のゲートに印加されることで、Nチャンネル電界効果トランジスタM11がオンし、フリップフロップFF2の非反転出力QがNチャンネル電界効果トランジスタM12のゲートに印加されることで、Nチャンネル電界効果トランジスタM12がオフする。このため、フリップフロップFF1の非反転出力Iがハイレベル、フリップフロップFF1の反転出力IXがロウレベルに遷移する。
【0023】
次に、クロック信号CKp_Sが立ち上がると(t2)、Nチャンネル電界効果トランジスタM23がオンし、状態遷移部SM2が活性化される。そして、フリップフロップFF1の反転出力IXがNチャンネル電界効果トランジスタM22のゲートに印加されることで、Nチャンネル電界効果トランジスタM22がオフし、フリップフロップFF1の非反転出力IがNチャンネル電界効果トランジスタM21のゲートに印加されることで、Nチャンネル電界効果トランジスタM21がオンする。このため、フリップフロップFF2の非反転出力Qがハイレベル、フリップフロップFF2の反転出力QXがロウレベルに遷移する。
【0024】
ここで、クロック信号CKp_Sが立ち上がると、クロック信号CKp_Mが立ち下がり、Nチャンネル電界効果トランジスタM13がオフする。このため、状態遷移部SM1の出力が不定になるが、クロック信号CKp_Mが立ち下がると、クロック信号CKn_Mが立ち上がるため、状態遷移部SM1の出力が不定になる直前の状態が状態保持部SH1に保持され、フリップフロップFF1の非反転出力Iがハイレベル、フリップフロップFF1の反転出力IXがロウレベルに維持される。
【0025】
このようにして、フリップフロップFF1、FF2では、クロック信号CKp_M、CKn_M、CKp_S、CKn_Sが2分周された互いに位相が90度ずつ異なる非反転出力I、Qおよび反転出力IX、QXが生成される。
【0026】
ここで、電流調整部G2の電流を増加させることにより、クロック信号CKp_Mが立ち上がるタイミングを早くし、電流調整部G3の電流を減少させることにより、クロック信号CKp_Sが立ち上がるタイミングを遅くすることができる。
【0027】
また、フリップフロップFF1の非反転出力Iが立ち上がるタイミングはクロック信号CKp_Mの立ち上がりエッジに同期し、フリップフロップFF2の非反転出力Qが立ち上がるタイミングはクロック信号CKp_Sの立ち上がりエッジに同期する。
【0028】
この結果、電流調整部G2、G3の電流を調整することにより、フリップフロップFF1、FF2の非反転出力I、Qの位相を調整することができ、無線通信などの直交変調または直交復調におけるIQ成分の位相誤差を調整することができる。
【0029】
図3は、図1の90度移相器の出力波形とバイアス調整値とを示す図である。
図3において、電流調整部G2の電流を増加させると、状態遷移部SM1のDCバイアスが減少し、クロック信号CKp_Mが立ち上がるタイミングを早くすることができる。また、電流調整部G3の電流を減少させると、状態遷移部SM2のDCバイアスが増加し、クロック信号CKp_Sが立ち上がるタイミングを遅くすることができる。
【0030】
図4は、図3のバイアス調整値と図1の90度移相器の出力波形との関係を示す図である。
図4において、電流調整部G2、G3の電流を調整することにより、フリップフロップFF1、FF2の非反転出力I、Qの位相を調整することができる。ここで、電流調整部G2、G3の電流を逆方向にずらすことにより、フリップフロップFF1、FF2の非反転出力I、Qの位相を逆方向にずらすことができ、IQ成分の位相誤差の調整量を大きくすることができる。
【0031】
なお、電流調整部G2、G3の電流を調整する方法としては、IQ成分の位相誤差を出荷前にテスタなどで測定し、IQ成分の位相誤差がなくなるように電流調整部G2、G3の電流量をバイアス調整値として求めることができる。
【0032】
そして、そのバイアス調整値を出荷前にレジスタまたはヒューズ素子に格納し、90度移相器の動作時にレジスタまたはヒューズ素子からバイアス調整値を読み出すことにより、電流調整部G2、G3の電流を調整することができる。
【0033】
図5は、図1の90度移相器のバイアス調整値とIQ誤差との関係を示す図である。
図5において、電流調整部G2、G3の電流を調整するバイアス調整値を5ビット分だけ製品に記憶させることにより、−15度〜15度の30度分を32段階で調整することができる。調整幅は1コード当たり1度なので、常温をセンターとした時の位相誤差は±0.5度以内に収めることができる。
【0034】
なお、図1の構成では、状態遷移部SM1、SM2の双方のDCバイアスを調整する方法について説明したが、状態遷移部SM1、SM2のいずれか一方のDCバイアスを調整するようにしてもよい。
【0035】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る90度移相器の概略構成を示すブロック図である。
図6において、この90度移相器には、フリップフロップ部およびバイアス調整部BA2が設けられている。フリップフロップ部には、フリップフロップFF3、FF4が設けられている。そして、フリップフロップ部は、互いに位相が180度だけ異なるクロック信号CKp_M、CKn_M、CKp_S、CKn_Sに従ってフリップフロップFF3の出力をフリップフロップFF4に入力し、フリップフロップFF4の出力をフリップフロップFF3に入力することで、クロック信号CKp_M、CKn_M、CKp_S、CKn_Sが2分周された互いに位相が90度ずつ異なる信号I、IX、Q、QXを生成することができる。
【0036】
バイアス調整部BA2は、フリップフロップFF3、FF4のDCバイアスを調整することにより、フリップフロップFF3、FF4間でデータがやり取りされるタイミングを調整することができる。なお、バイアス調整部BA2は、例えば、カレントミラー回路を用いることができる。
【0037】
ここで、フリップフロップFF3には、状態遷移部SM3および状態保持部SH3が設けられている。状態保持部SH3は、クロック信号CKn_Mに従って状態を保持することができる。状態遷移部SM3は、クロック信号CKp_Mに従って動作し、フリップフロップFF3に保持されている状態に基づいて状態保持部SH3の状態を遷移させることができる。
【0038】
フリップフロップFF4には、状態遷移部SM4および状態保持部SH4が設けられている。状態保持部SH4は、クロック信号CKn_Sに従って状態を保持することができる。状態遷移部SM4は、クロック信号CKp_Sに従って動作し、フリップフロップFF3に保持されている状態に基づいて状態保持部SH4の状態を遷移させることができる。
【0039】
具体的には、状態遷移部SM3にはNチャンネル電界効果トランジスタM31〜M33およびPチャンネル電界効果トランジスタM31´〜M33´が設けられている。状態保持部SH3にはNチャンネル電界効果トランジスタM34〜M36およびPチャンネル電界効果トランジスタM34´〜M36´が設けられている。状態遷移部SM4にはNチャンネル電界効果トランジスタM41〜M43およびPチャンネル電界効果トランジスタM41´〜M43´が設けられている。状態保持部SH4にはNチャンネル電界効果トランジスタM44〜M46およびPチャンネル電界効果トランジスタM44´〜M46´が設けられている。
【0040】
そして、Nチャンネル電界効果トランジスタM31、M32のソースはNチャンネル電界効果トランジスタM33のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM33のソースは低電源電位VSSに接続されている。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM33のゲートにはキャパシタC1を介してクロック信号CKp_Mが入力される。
【0041】
Pチャンネル電界効果トランジスタM31´のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM31のドレインに接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM31´のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM31のゲートに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM32´のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM32のドレインに接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM32´のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM32のゲートに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM31´、M32´のソースはPチャンネル電界効果トランジスタM33´のドレインに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM33´のソースは高電源電位VDDに接続されている。また、Pチャンネル電界効果トランジスタM33´のゲートにはキャパシタC2を介してクロック信号CKn_Mが入力される。
【0042】
Nチャンネル電界効果トランジスタM34のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM31のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM35のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM32のドレインおよびNチャンネル電界効果トランジスタM34のゲートに接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM35のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM34のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM34、M35のソースはNチャンネル電界効果トランジスタM36のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM36のソースは低電源電位VSSに接続されている。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM36のゲートにはキャパシタC2を介してクロック信号CKn_Mが入力される。
【0043】
Pチャンネル電界効果トランジスタM34´のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM34のドレインに接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM34´のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM34のゲートに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM35´のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM35のドレインに接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM35´のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM35のゲートに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM34´、M35´のソースはPチャンネル電界効果トランジスタM36´のドレインに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM36´のソースは高電源電位VDDに接続されている。また、Pチャンネル電界効果トランジスタM36´のゲートにはキャパシタC1を介してクロック信号CKp_Mが入力される。
【0044】
Nチャンネル電界効果トランジスタM41のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM32、M35のドレインおよびNチャンネル電界効果トランジスタM34のゲートに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM42のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM31、M34のドレインおよびNチャンネル電界効果トランジスタM35のゲートに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM41、M42のソースはNチャンネル電界効果トランジスタM43のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM43のソースは低電源電位VSSに接続されている。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM43のゲートにはキャパシタC2を介してクロック信号CKp_Sが入力される。
【0045】
Pチャンネル電界効果トランジスタM41´のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM41のドレインに接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM41´のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM41のゲートに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM42´のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM42のドレインに接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM42´のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM42のゲートに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM41´、M42´のソースはPチャンネル電界効果トランジスタM43´のドレインに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM43´のソースは高電源電位VDDに接続されている。また、Pチャンネル電界効果トランジスタM43´のゲートにはキャパシタC1を介してクロック信号CKp_Mが入力される。
【0046】
Nチャンネル電界効果トランジスタM44のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM31のゲートおよびNチャンネル電界効果トランジスタM41のドレインに接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM44のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM32のゲートおよびNチャンネル電界効果トランジスタM42のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM45のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM42のドレインおよびNチャンネル電界効果トランジスタM32、M44のゲートに接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM45のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM41、M44のドレインおよびNチャンネル電界効果トランジスタM31のゲートに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM44、M45のソースはNチャンネル電界効果トランジスタM46のドレインに接続されている。Nチャンネル電界効果トランジスタM46のソースは低電源電位VSSに接続されている。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM46のゲートにはキャパシタC1を介してクロック信号CKn_Sが入力される。
【0047】
Pチャンネル電界効果トランジスタM44´のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM44のドレインに接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM44´のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM44のゲートに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM45´のドレインはNチャンネル電界効果トランジスタM45のドレインに接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM45´のゲートはNチャンネル電界効果トランジスタM45のゲートに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM44´、M45´のソースはPチャンネル電界効果トランジスタM46´のドレインに接続されている。Pチャンネル電界効果トランジスタM46´のソースは高電源電位VDDに接続されている。また、Pチャンネル電界効果トランジスタM46´のゲートにはキャパシタC2を介してクロック信号CKn_Mが入力される。
【0048】
バイアス調整部BA2には、電流源G4、G7、電流調整部G5、G6、G8、G9、Nチャンネル電界効果トランジスタM4〜M6およびPチャンネル電界効果トランジスタM7〜M9が設けられている。なお、電流調整部G5、G6、G8、G9は、例えば、可変電流源を用いるようにしてもよい。また、電流調整部G5、G8と電流調整部G6、G9は互いに逆方向に動作することができる。すなわち、電流調整部G5、G8にて電流が増加される場合、電流調整部G6、G9にて電流が減少され、電流調整部G5、G8にて電流が減少される場合、電流調整部G6、G9にて電流が増加される。
【0049】
そして、電流源G4は抵抗R34、R44をそれぞれ介してNチャンネル電界効果トランジスタM36、M46のゲートに接続されている。電流調整部G5は抵抗R32を介してNチャンネル電界効果トランジスタM33のゲートに接続されている。電流調整部G6は抵抗R42を介してNチャンネル電界効果トランジスタM43のゲートに接続されている。
【0050】
また、電流源G4にはNチャンネル電界効果トランジスタM4が直列に接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM4のゲートは電流源G4とNチャンネル電界効果トランジスタM4との接続点に接続されている。電流調整部G5にはNチャンネル電界効果トランジスタM5が直列に接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM5のゲートは電流源G5とNチャンネル電界効果トランジスタM5との接続点に接続されている。電流調整部G6にはNチャンネル電界効果トランジスタM6が直列に接続され、Nチャンネル電界効果トランジスタM6のゲートは電流源G6とNチャンネル電界効果トランジスタM6との接続点に接続されている。
【0051】
電流源G7は抵抗R33、R43をそれぞれ介してPチャンネル電界効果トランジスタM36´、M46´のゲートに接続されている。電流調整部G8は抵抗R31を介してPチャンネル電界効果トランジスタM33´のゲートに接続されている。電流調整部G9は抵抗R41を介してPチャンネル電界効果トランジスタM43´のゲートに接続されている。
【0052】
また、電流源G7にはPチャンネル電界効果トランジスタM7が直列に接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM7のゲートは電流源G7とPチャンネル電界効果トランジスタM7との接続点に接続されている。電流調整部G8にはPチャンネル電界効果トランジスタM8が直列に接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM8のゲートは電流調整部G8とPチャンネル電界効果トランジスタM8との接続点に接続されている。電流調整部G9にはPチャンネル電界効果トランジスタM9が直列に接続され、Pチャンネル電界効果トランジスタM9のゲートは電流調整部G9とPチャンネル電界効果トランジスタM9との接続点に接続されている。
【0053】
そして、Nチャンネル電界効果トランジスタM4、M36、M46のカレントミラー動作により、Nチャンネル電界効果トランジスタM36、M46に流れる電流は電流源G4に流れる電流に対応して設定される。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM5、M33のカレントミラー動作により、Nチャンネル電界効果トランジスタM33に流れる電流は電流調整部G5に流れる電流に対応して設定される。また、Nチャンネル電界効果トランジスタM6、M43のカレントミラー動作により、Nチャンネル電界効果トランジスタM43に流れる電流は電流調整部G6に流れる電流に対応して設定される。
【0054】
Pチャンネル電界効果トランジスタM7、M36´、M46´のカレントミラー動作により、Pチャンネル電界効果トランジスタM36´、M46´に流れる電流は電流源G7に流れる電流に対応して設定される。また、Pチャンネル電界効果トランジスタM8、M33´のカレントミラー動作により、Pチャンネル電界効果トランジスタM33´に流れる電流は電流調整部G8に流れる電流に対応して設定される。また、Pチャンネル電界効果トランジスタM9、M43´のカレントミラー動作により、Pチャンネル電界効果トランジスタM43´に流れる電流は電流調整部G9に流れる電流に対応して設定される。
【0055】
ここで、電流調整部G5、G8の電流を調整することにより、Nチャンネル電界効果トランジスタM33およびPチャンネル電界効果トランジスタM33´のゲート電位が変化し、状態遷移部SM3のDCバイアスが調整される。また、電流調整部G6、G9の電流を調整することにより、Nチャンネル電界効果トランジスタM43およびPチャンネル電界効果トランジスタM43´のゲート電位が変化し、状態遷移部SM4のDCバイアスが調整される。
【0056】
そして、フリップフロップFF4の非反転出力Qがロウレベル、フリップフロップFF4の反転出力QXがハイレベルであるものとする。そして、クロック信号CKp_Mが立ち上がると、Nチャンネル電界効果トランジスタM33およびPチャンネル電界効果トランジスタM33´がオンし、状態遷移部SM3が活性化される。そして、フリップフロップFF4の反転出力QXがNチャンネル電界効果トランジスタM31のゲートに印加されることで、Nチャンネル電界効果トランジスタM31がオンし、フリップフロップFF4の非反転出力QがPチャンネル電界効果トランジスタM32´のゲートに印加されることで、Pチャンネル電界効果トランジスタM32´がオンする。このため、フリップフロップFF3の非反転出力Iがハイレベル、フリップフロップFF3の反転出力IXがロウレベルに遷移する。
【0057】
次に、クロック信号CKp_Sが立ち上がると、Nチャンネル電界効果トランジスタM43およびPチャンネル電界効果トランジスタM43´がオンし、状態遷移部SM4が活性化される。そして、フリップフロップFF3の反転出力IXがPチャンネル電界効果トランジスタM42´のゲートに印加されることで、Pチャンネル電界効果トランジスタM42´がオンし、フリップフロップFF3の非反転出力IがNチャンネル電界効果トランジスタM41のゲートに印加されることで、Nチャンネル電界効果トランジスタM41がオンする。このため、フリップフロップFF4の非反転出力Qがハイレベル、フリップフロップFF4の反転出力QXがロウレベルに遷移する。
【0058】
ここで、クロック信号CKp_Sが立ち上がると、クロック信号CKp_Mが立ち下がり、Nチャンネル電界効果トランジスタM33およびPチャンネル電界効果トランジスタM33´がオフする。このため、状態遷移部SM3の出力が不定になるが、クロック信号CKp_Mが立ち下がると、クロック信号CKn_Mが立ち上がるため、状態遷移部SM3の出力が不定になる直前の状態が状態保持部SH3に保持され、フリップフロップFF3の非反転出力Iがハイレベル、フリップフロップFF3の反転出力IXがロウレベルに維持される。
【0059】
このようにして、フリップフロップFF3、FF4では、クロック信号CKp_M、CKn_M、CKp_S、CKn_Sが2分周された互いに位相が90度ずつ異なる非反転出力I、Qおよび反転出力IX、QXが生成される。
【0060】
ここで、電流調整部G5、G8の電流を増加させることにより、クロック信号CKp_Mが立ち上がるタイミングを早くし、電流調整部G6、G9の電流を減少させることにより、クロック信号CKp_Sが立ち上がるタイミングを遅くすることができる。
【0061】
また、フリップフロップFF3の非反転出力Iが立ち上がるタイミングはクロック信号CKp_Mの立ち上がりエッジに同期し、フリップフロップFF4の非反転出力Qが立ち上がるタイミングはクロック信号CKp_Sの立ち上がりエッジに同期する。
【0062】
この結果、電流調整部G5、G6、G8、G9の電流を調整することにより、フリップフロップFF3、FF4の非反転出力I、Qの位相を調整することができ、無線通信などの直交変調または直交復調におけるIQ成分の位相誤差を調整することができる。
【0063】
なお、図6の構成では、状態遷移部SM3、SM4の双方のDCバイアスを調整する方法について説明したが、状態遷移部SM3、SM4のいずれか一方のDCバイアスを調整するようにしてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態では、電界効果トランジスタにて90度移相器を構成する方法について説明したが、バイポーラトランジスタにて90度移相器を構成するようにしてもよい。この場合、電界効果トランジスタのソース、ゲートおよびドレインをバイポーラトランジスタのエミッタ、ベースおよびコレクタにそれぞれ置き換えればよい。
【0065】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係る90度移相器が適用される無線受信機の概略構成を示すブロック図である。
図7において、無線受信機には、受信信号のダウンコンバートを行うダウンコンバータ204、205が設けられている。そして、ダウンコンバータ204、205の入力は、フィルタ回路203およびローノイズアンプ202を介して受信アンテナ201に共通に接続されている。また、ダウンコンバータ204、205の出力は、フィルタ素子206、207をそれぞれ介して可変利得アンプ208、209にそれぞれ接続されている。
【0066】
そして、受信アンテナ201にて受信された無線周波数信号は、ローノイズアンプ202にて増幅された後、フィルタ回路203にて所望の周波数成分が選択され、ダウンコンバータ204、205に入力される。そして、フィルタ回路203を通過した無線周波数信号は、ダウンコンバータ204にて局部発振信号の同相成分LIと乗算されることでダウンコンバートされ、ベースバンド信号の同相成分BIが生成される。
【0067】
また、フィルタ回路203を通過した無線周波数信号は、ダウンコンバータ205にて局部発振信号の直交成分LQと乗算されることでダウンコンバートされ、ベースバンド信号の直交成分BQが生成される。なお、局部発振信号の同相成分LIおよび直交成分LQを生成する場合、図1または図6の90度移相器を用いることができる。例えば、局部発振信号の同相成分LIとしてはフリップフロップFF1の非反転出力I、局部発振信号の直交成分LQとしてはフリップフロップFF2の非反転出力Qを用いることができる。
【0068】
そして、ダウンコンバータ204、205にてそれぞれ生成されたベースバンド信号の同相成分BIおよび直交成分BQは、フィルタ素子206、207にて不要な周波数成分がそれぞれ除去された後、可変利得アンプ208、209にてそれぞれ増幅される。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
FF1〜FF4 フリップフロップ、SM1〜SM4 状態遷移部、SH1〜SH4 状態保持部、BA1、BA2 バイアス調整部、G1、G4、G7 電流源、G2、G3、G5、G6、G8、G9 電流調整部、R11〜R14、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R44 抵抗、C1、C2 キャパシタ、M1〜M6、M11〜M16、M21〜M26、M31〜M36、M41〜M46 Nチャンネル電界効果トランジスタ、M7〜M9、M31´〜M36´、M41´〜M46´ Pチャンネル電界効果トランジスタ、206、207 フィルタ素子、204、205 ダウンコンバータ、203 フィルタ回路、208、209 可変利得アンプ、202 ローノイズアンプ、201 受信アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに位相が180度だけ異なるクロック信号に従って第1のフリップフロップの出力を第2のフリップフロップに入力し、前記第2のフリップフロップの出力を前記第1のフリップフロップに入力することで、前記クロック信号が2分周された互いに位相が90度ずつ異なる信号を生成するフリップフロップ部と、
前記フリップフロップ部のDCバイアスを調整することにより、第1のフリップフロップと前記第2のフリップフロップとの間でデータがやり取りされるタイミングを調整するバイアス調整部とを備えることを特徴とする90度移相器。
【請求項2】
前記第1のフリップフロップは、
第1のクロック信号に従って状態を保持する第1の状態保持部と、
前記第1のクロック信号と位相が180度だけ異なる第2のクロック信号に従って動作し、前記第2のフリップフロップに保持されている状態に基づいて前記第1の状態保持部の状態を遷移させる第1の状態遷移部とを備え、
前記第2のフリップフロップは、
前記第2のクロック信号に従って状態を保持する第2の状態保持部と、
前記第1のクロック信号に従って動作し、前記第1のフリップフロップに保持されている状態に基づいて前記第2の状態保持部の状態を遷移させる第2の状態遷移部とを備え、
前記バイアス調整部は、前記第1の状態保持部または前記第2の状態保持部のいずれか少なくとも一方のDCバイアスを調整することにより、第1のフリップフロップと前記第2のフリップフロップとの間でデータがやり取りされるタイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載の90度移相器。
【請求項3】
前記バイアス調整部は、前記第1の状態保持部のDCバイアスと前記第2の状態保持部のDCバイアスとを互いに逆方向に調整することを特徴とする請求項2に記載の90度移相器。
【請求項4】
前記第1の状態遷移部は、
第1のNチャンネル電界効果トランジスタと、
第2のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第1および第2のNチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第2のクロック信号が入力される第3のNチャンネル電界効果トランジスタとを備え、
前記第1の状態保持部は、
前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続され、前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにゲートが接続された第4のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第4のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートおよび前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続され、前記第4のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにゲートが接続された第5のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第4および第5のNチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第1のクロック信号が入力される第6のNチャンネル電界効果トランジスタとを備え、
前記第2の状態遷移部は、
前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにドレインが接続され、前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにゲートが接続された第7のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにドレインが接続され、前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにゲートが接続された第8のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第7および第8のNチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第1のクロック信号が入力される第9のNチャンネル電界効果トランジスタとを備え、
前記第2の状態保持部は、
前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートおよび前記第7のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第10のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第2および前記第10のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートおよび前記第9のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続され、前記第7および前記第10のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインおよび前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続された第11のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第10および第11のNチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第2のクロック信号が入力される第12のNチャンネル電界効果トランジスタとを備え、
前記バイアス調整部は、
前記第6および前記第12のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにDCバイアスを供給する第1の電流源と、
前記第3のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートに供給されるDCバイアスを調整する第1の電流調整部と、
前記第9のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートに供給されるDCバイアスを調整する第2の電流調整部とを備えることを特徴とする請求項2または3に記載の90度移相器。
【請求項5】
前記第1の状態遷移部は、
第1のNチャンネル電界効果トランジスタと、
第2のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第1および第2のNチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第2のクロック信号が入力される第3のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続され、前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第1のPチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続され、前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第2のPチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第1および第2のPチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第1のクロック信号が入力される第3のPチャンネル電界効果トランジスタとを備え、
前記第1の状態保持部は、
前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続され、前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにゲートが接続された第4のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第4のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートおよび前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続され、前記第4のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにゲートが接続された第5のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第4および第5のNチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第1のクロック信号が入力される第6のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第4のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続され、前記第4のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第4のPチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第5のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続され、前記第5のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第5のPチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第4および第5のPチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第2のクロック信号が入力される第6のPチャンネル電界効果トランジスタとを備え、
前記第2の状態遷移部は、
前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにドレインが接続され、前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにゲートが接続された第7のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第2のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにドレインが接続され、前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにゲートが接続された第8のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第7および第8のNチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第1のクロック信号が入力される第9のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第7のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続され、前記第7のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第7のPチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第8のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続され、前記第8のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第8のPチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第7および第8のPチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第2のクロック信号が入力される第9のPチャンネル電界効果トランジスタとを備え、
前記第2の状態保持部は、
前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートおよび前記第7のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第10のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第2および前記第10のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートおよび前記第9のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続され、前記第7および前記第10のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインおよび前記第1のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続された第11のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第10および第11のNチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第2のクロック信号が入力される第12のNチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第10のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続され、前記第10のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第10のPチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第11のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにゲートが接続され、前記第11のNチャンネル電界効果トランジスタのドレインにドレインが接続された第11のPチャンネル電界効果トランジスタと、
前記第10および第11のPチャンネル電界効果トランジスタのソースにドレインが接続され、ゲートに前記第1のクロック信号が入力される第12のPチャンネル電界効果トランジスタとを備え、
前記バイアス調整部は、
前記第6および前記第12のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートにDCバイアスを供給する第1の電流源と、
前記第6および前記第12のPチャンネル電界効果トランジスタのゲートにDCバイアスを供給する第2の電流源と、
前記第3のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートに供給されるDCバイアスを調整する第1の電流調整部と、
前記第9のNチャンネル電界効果トランジスタのゲートに供給されるDCバイアスを調整する第2の電流調整部と、
前記第3のPチャンネル電界効果トランジスタのゲートに供給されるDCバイアスを調整する第3の電流調整部と、
前記第9のPチャンネル電界効果トランジスタのゲートに供給されるDCバイアスを調整する第4の電流調整部とを備えることを特徴とする請求項2または3に記載の90度移相器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−124845(P2012−124845A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275996(P2010−275996)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)