説明

CPAP治療におけるマスク漏れを制御する方法及び装置

睡眠呼吸障害(SDB)を治療するための装置を操作する方法であって、装置が、睡眠中の持続陽圧呼吸療法をもたらし、患者インターフェースにおける治療圧が所望値未満かどうか判断する工程(301)と、判断に応じて、流動発生器により発生させた圧力を増加する工程(302)と、増加に応じて、流動発生器の圧力の増加量が、患者インターフェースにおける治療圧の所望増加量未満となったか判定する工程(303)と、判定に応じて、前記流動発生器の圧力のさらなる増加量を低減または抑制する工程(304、306)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年2月16日に出願された豪州出願AU2006900774号、2005年7月14日に出願された豪州出願AU2005903089号、2005年11月4日に出願された豪州出願2005906122号及び2005年11月8日に出願された豪州出願2005906193号の利益を主張するものであって、それぞれは参照により本明細書にその全体が組み込まれる。
【0002】
本発明は、睡眠呼吸障害(SDB:sleep disordered breathing)の機械的人工換気法(mechanical ventilation)に関し、特に持続陽圧呼吸療法(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure)における患者のコンプライアンス(compliance)を改善するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
機械的人工換気法についての包括的な背景の議論は、非特許文献1に見られる。
【0004】
閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA:Obstructive Sleep Apnea)を治療する経鼻的持続陽圧呼吸療法(nasal CACP)の使用はCohn Sullivanにより発明されている(特許文献1参照)。一般に、この治療は、空気供給パイプとフルフェイスまたは鼻のマスクまたは鼻カニューレのような患者とのインターフェースとを介して送風機から患者に空気すなわち呼吸可能な気体の供給をもたらすことを伴う。治療が効果的である一方、一部の患者は不快に感じる。患者の快適性及びコンプライアンスの改善は、継続中の課題である。
【0005】
快適性を改良する一つの方法は、より快適な患者とのインターフェースを提供することである。この点において、レスメッド社のミラージュ(ResMed社の登録商標)マスクは、快適性において大幅な改良をもたらしている。特許文献2〜5を参照されたい。より最近の開発品は、レスメッド社のミラージュ(登録商標)アクティバ(ResMed社の登録商標)マスクシリーズである。特許文献6を参照されたい。
【0006】
OSA治療のための経鼻的持続性陽圧呼吸療法(nasal CPAP)システムの初期に、患者は最初に臨床研究で評価され(titrated)、最適な治療圧を決定する。臨床研究での評価は、患者が診療所で一晩睡眠することと、マスク及びCPAP装置を用いた試験とを伴う。CPAP装置により供給される治療圧は、無呼吸が解消するまで調整される。治療圧は、たいてい4〜20cmHOの範囲となっている。装置は、その圧力で設定され、患者が家に持ち帰る。その後の開発は、患者が家に持ち帰り可能な自動調整装置であった。自動調整装置は、いびきのような閉塞性睡眠時無呼吸症の指標に基づいて治療圧を上昇及び/または降下させる。このようなCPAP装置は、しばしば一般的に自動調整型陽圧呼吸療法(APAP:Automatic Positive Airway Pressure)装置と称される。特許文献7〜9を参照されたい。
【0007】
経鼻的CPAP装置の他の一つのタイプは、吸入中の第1圧力(ときどきIPAP(吸気圧)と称される)と、呼吸中の第2低圧力(ときどきEPAP(呼気圧)と称される)とを付与する。これらの例として、レスメッド社のVPAP(ResMed社の登録商標)シリーズと、レスピロニクス社のBiPAP(Respironics社の登録商標)が含まれる。BiPAP(登録商標)CPAP装置は、単一の圧力CPAP装置に適合しない患者に処方され得る。一部の患者は、少なくとも起きている間、呼気中には低圧がより快適であると感じている。
【0008】
患者の快適性及びコンプライアンスの他の一つの改善法は、例えば4cmHOの低治療圧で各治療セッション(session)を始め、最初の1時間を越えて最大治療圧(full therapeutic pressure)まで増加させることで、患者が寝付く間の感覚に慣れさせることである。代わりに、装置は、最大治療圧が供給される前に患者に眠りにつくまでの時間を与えるように、最大治療圧を供給する前に時間遅延を実行するように設定し得る。特許文献10、11を参照されたい。
【0009】
自動調整CPAP装置の他の一つの形状は、レスメッドオートセット(登録商標)スピリット(登録商標)装置である。この装置において、CPAP圧力は、流量の平坦化(flow flattening)、いびき、無呼吸及び呼吸低下のような流量限界指標(indications of flow limitation)にしたがって自動的に増加または減少される。特許文献12〜15を参照されたい。自動調整システムの利点は、治療圧が必要とされる全体の時間は患者によって変化するので、自動システムを正確に働かせることで、患者がその後の睡眠検査のために戻る必要性を除去することができる点にある。また、これらの特許は、いわゆる「中央(central)」と閉塞性無呼吸症(obstructive apneas)とを区別するための方法及び装置について記載している。
【0010】
すべての上記特許の内容は、相互参照により本明細書に組み込まれている。
【0011】
同様のOSA患者は、上記装置による治療を不快に感じており、彼らが治療に対して非コンプライアンスとなる。また、うっ血性心不全を伴う心血管疾患患者、REM(急速眼球運動)睡眠時低換気(Hypoventilation)を伴う患者、及び呼吸不全を伴う患者のような他の患者も、より快適な及び/またはより効果的な治療の形態による恩恵が受けられる。
【非特許文献1】"Principles and Practice of Mechanical Ventilation" (1994) edited by Martin J Tobin, published by McGraw-Hill Inc., ISBN 0-07-064943-7.
【特許文献1】米国特許第4944310号明細書
【特許文献2】米国特許第6112746号明細書
【特許文献3】米国特許第6357441号明細書
【特許文献4】米国特許第6581602号明細書
【特許文献5】米国特許第6634358号明細書
【特許文献6】国際公開第2001/97893号パンフレット
【特許文献7】米国特許第5245995号明細書
【特許文献8】米国特許第6398739号明細書
【特許文献9】米国特許第6635021号明細書
【特許文献10】米国特許第5199424号明細書
【特許文献11】米国特許第5522382号明細書
【特許文献12】米国特許第5704345号明細書
【特許文献13】米国特許第6029665号明細書
【特許文献14】米国特許第6138675号明細書
【特許文献15】米国特許第6363933号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
治療の患者の承認への一つの障害は、患者インターフェース(例えば、マスク)の初期調整であり、この初期調整ではマスクの取り付けが低圧及び大流量下で試験される。結果的に、マスクを患者に調整するときに、装置の騒々しい操作及び大流量の空気漏れをもたらし、これらは患者にとって騒々しく不安な最初の体験となり得る。
【0013】
患者の快適性及びコンプライアンスへの他の一つの障害は、患者または入院患者がマスクからの空気漏れにより阻害されることとなり得る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一つの態様は、これら不利点の1またはそれ以上を克服または改善することに関する。
【0015】
[マスク漏れ制御]
本発明の第1の態様は、睡眠呼吸障害(SDB)治療のための装置を操作する方法に関し、前記装置が、睡眠中に持続陽圧呼吸療法を提供し、方法が、患者インターフェースにおける治療圧が所望値未満かどうか判断する工程と、前記判断に応じて、流動発生器(flow generator)により発生させた圧力を増加する工程と、前記増加に応じて、前記流動発生器の圧力の増加量が、前記患者インターフェースの治療圧における所望の増加量未満となったか判定する工程と、前記判定に応じて、前記流動発生器の圧力のさらなる増加量を減少または抑制する工程と、備える。
【0016】
本発明のさらなる態様は、睡眠呼吸障害(SDB)治療のための装置を操作する方法に関し、前記装置が、睡眠中に持続陽圧呼吸療法を提供し、方法が、患者インターフェースにおける治療圧が所望値未満かどうか判断する工程と、前記判断に応じて、流動発生器により発生した圧力を増加する工程と、前記増加に応じて、前記流動発生器の圧力の増加量が、前記患者インターフェースの空気漏れにおける所望の増加量よりも大きくなったか、または前記患者インターフェースからの空気漏れが増加したか判定する工程と、前記判定に応じて、前記流動発生器の圧力のさらなる増加量を減少または抑制する工程と、を備える。
【0017】
一つの形式で、決定する工程は、マスク漏れ変数とマスク漏れ閾値との比較による。マスク漏れ変数は、マスク漏れインピーダンスパラメータであってもよい。
【0018】
一実施形態において、マスク漏れ閾値は、無呼吸低呼吸指数(AHI:Apnea Hypopnea Index)のような患者の覚醒指数(arousal index)及び/または患者の睡眠相指数(sleep phase index)を参照して決定される。
【0019】
本発明のさらなる態様は、睡眠呼吸障害(SDB)治療のための装置を操作する方法に関し、前記装置が、睡眠中に持続陽圧呼吸療法をもたらし、方法が、患者インターフェースにおける過剰な漏れを判定するためにマスク漏れパラメータをマスク漏れ閾値と比較する工程と、前記過剰な漏れの判定に応じて、流動発生器の圧力を減少する工程と、前記減少させた流動発生器の圧力において、前記マスク漏れパラメータと前記マスク漏れ閾値との比較し続ける工程と、を備える。
【0020】
一実施形態において、マスク漏れ変数は、マスク漏れインピーダンスパラメータである。
【0021】
一つの実施形態において、流動発生器の圧力を減少する工程は、増加開始圧力まで圧力を減少する工程を備え、当該方法がさらに、前記マスク漏れパラメータと前記マスク漏れ閾値とを比較し続ける工程の間、規定の増加時間を超えて治療圧まで圧力を増加する工程を備える。
【0022】
方法は、患者インターフェースにおける過剰な漏れをさらに検出すると、圧力の増加を休止する工程をさらに備える。
【0023】
他の一実施形態において、圧力を減少させる工程は、所定の圧力増加量により第1減少圧力まで減少する工程と、過剰な漏れが第1減少圧力で検出されたときに圧力を選択的にさらに追加的に減少させる工程と、を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[ハードウエア]
本発明の形態における陽圧呼吸療法(PAP)装置は、送風機(流動発生器)及び送風機制御部を有する。送風機は、2〜40cmHOだが一般的に4〜20cmHOの範囲の陽圧で、空気供給パイプを介して患者インターフェースに空気供給を行う。
【0025】
また、装置は、パイプに沿う空気流量を測定する流量センサと、送風機出力の空圧を測定する圧力センサとを有する。
【0026】
一の形態では、装置は、患者インターフェースにおける圧力を検出する追加の圧力センサを代わりに有する。
【0027】
例として、図1は、本発明の一形態における人工呼吸装置を示している。図示のように、人工呼吸器装置は、サーボ制御送風機2、流量センサ4f、圧力センサ4p、マスク6及び送風機2とマスク6とを接続する空気供給パイプ8を有する。排出ガスは、排出部13を介して出される。
【0028】
マスク流量は、流量信号F(t)を導出するための呼吸気流計及び差圧変換機のような流量センサにより測定される。代わりに、呼吸気流計は、当該束を横切る差圧変換機により測定された圧力差を有する送風機からの流れと平行に配列された小さい管の束に取って代わられ得る。
【0029】
マスク圧力は、圧力信号Pmask(t)を導出するための圧力変換機を用いる圧力タップで測定されることが好ましい。圧力センサ4p及び流量センサ4fは、当業者が流量及び圧力の測定法を理解していることが理解し得るので、図1において象徴的にのみ示されている。
【0030】
流れF(t)及び圧力Pmask(t)は、圧力要求信号PRequest(t)を導出するために、制御部すなわち処理装置(ここで処理装置15と称される)に送られる。制御部すなわち処理装置は、ここでより詳細に記載される方法を実行するように構成及び適合されている。制御部すなわち処理装置は、制御方法を実行するための集積化チップ、メモリ及び/または他の指示、若しくはデータの記憶媒体を含んでもよい。例えば、制御方法と共にプログラムされた指示は、装置の記憶部内の集積チップ上にコード化されるか、ソフトウエアとして読み込まれている。また、それら当業者が理解するように、アナログ装置は、制御装置に実装してもよい。
【0031】
さらに、制御部すなわち処理装置15は、例えば、流量平坦化、いびき、無呼吸及び呼吸低下のような流量制限及び無呼吸低呼吸指数(AHI)を導出するためや、REM睡眠及びノンREM睡眠を区別するためのように、患者の呼吸及び睡眠パターンを示すパラメータを導出するように構成されている。特許文献12、13を参照されたい。
【0032】
図1の装置は、他のセンサ、伝達インターフェース、ディスプレイ及びサーボ機構などと、その詳細が本発明を理解するために必要なものではない機能ブロックとを有している。
【0033】
実施形態において、制御部は、「第1タイマー」モードのパラメータ、例えば、呼吸が不規則な患者の睡眠の重症度及びCPAP治療の感覚に慣れ得るまでどれくらいの時間がかかるかについての医者の意見による初期治療セッション圧力及び/または毎日の圧力増加量、を変更するためにメニューシステムを使用する医者によりプログラム可能となってよい。
【0034】
治療活動の開始時に、制御部のセッションタイマーが開始される。
【0035】
流動発生器がこのために形成されたタイプであってその特性が選択されているときに、治療圧は、各治療活動の初期における5から20分の期間を超えて増加し、例えば4cmHOの低圧から開始されて治療活動のための所望の最大治療圧まで増加する。
【0036】
[マスク漏れ制御]
図2及び3を参照して記載された本発明の実施形態において、患者インターフェースにおける過剰な空気漏れの指標を変更するための送風機の反応は、患者の快適性及びコンプライアンスを改善し、妨害の可能性を低減するように制御されている。
【0037】
図2は、マスクが適切に位置しておらず、患者の顔を完全に封止しているとき、例えばマスク及びヘッドギアが最適に調整されていないとき、または患者が睡眠中にマスクを部分的に取り外しているであろうとき、におけるマスク漏れを示す流動発生器の圧力に対するマスク圧力の概略グラフである。
【0038】
図2を参照すると、送風機の設定圧力はX軸にあり、マスク圧力はY軸にある。
【0039】
マスク漏れによる圧力損失は、マスク圧力曲線と45°直線との間の垂直距離であることがわかる。代表的な状況において、低い送風機圧力のときのマスク漏れは、送風機圧力にほぼ比例するが、特定の送風機圧力を超えると、圧力が増加するにつれて送風機圧力からより大きく外れだし、流量がマスク漏れにおいて大幅な増加をもたらす。このズレが開始する点及びこのズレの傾きは、患者に対するマスクのタイプ及び取り付けによって決まり、また患者の睡眠時の体勢によって決まる一のセッションから次またはその範囲内の治療セッションによって異なる。
【0040】
従来のAPAP機器において、マスクの空気漏れは、経鼻的インターフェースでの圧力低下により検出され、制御部により規定される送風機の反応は、漏れを補償するための送風機の圧力を増加させ、これにより、患者のAHIを正常化するための適正な治療圧を維持する。しかしながら、いくつかの例では、このように圧力を増加させても、単に、患者の顔へのマスクの封止性をさらに低減するようにしか働かず、漏れが増加することにより増加した圧力が完全にまたは大きく失われる。このような場合において、漏れ空気量は、治療の正味の効果をほとんどまたは全く増加させず、患者及び/または入院患者を覚醒させるか、または睡眠を妨害する可能性が増加する。
【0041】
本発明の本実施形態において、マスク漏れを検出するための送風機の応答性は、修正される。
【0042】
図3は、本発明の実施形態におけるマスク漏れ制御方法の工程を示すフローチャートである。
【0043】
例えば低いマスク圧力により、送風機圧力とマスク圧力との過剰な差異により、または特定の閾値未満の算出されたマスクのインピーダンスパラメータにより決定された最初の過剰なマスク漏れを検出すると(ステップ301)、送風機制御部は、漏れを補償して治療圧を所望レベルに維持するために送風機圧力を増加させ(ステップ302)、これにより、図2のマスクの圧力曲線に沿って右方にさらに移動する。
【0044】
他の一つのマスク圧力の測定が行われ(ステップ303)、増加した送風機圧力が漏れを補償するためのマスク圧力に一致した場合、高い送風機圧力が維持される(ステップ304)。患者は、覚醒について監視され続ける(ステップ305)。
【0045】
しかし、増加した送風機の圧力がマスク内で、規定未満の圧力増加しか生じないか、または規定を超えた流量増加を生じた場合、送風機が図2のマスク圧力曲線における傾きの小さい部分で操作されていることになる。この場合、制御部は、マスクにおいて増加した漏れによって圧力の増加が完全にまたはほとんど無駄であるとわかるようにプログラムされている。
【0046】
この状態を検出すると、制御部は、(例えば、治療圧の設定割合により、またはランプ開始圧力まで)送風機圧力を減少するようにプログラムされており(ステップ306)、すなわち流動発生器の出力圧のさらなる増加を抑制するようにプログラムされている。
【0047】
増加したマスク漏れに対して比較されるマスク漏れ閾値(ステップ308)は、例えば送風機における2cmHOの増加がマスクにおける1cmHO未満の圧力増加をもたらすときに、固定量または割合であってもよい。
【0048】
代わりとして、マスク漏れ閾値は、患者の睡眠相指標の関数として変化してもよく、患者が深い睡眠相にあってこれによりほとんど妨げられない場合、または呼吸速度のような患者の妨害の他の指標が依然として低い場合、より大きな量のマスク漏れが容認される。睡眠相指標自体は、睡眠医療(sleep medicine)において知られており、脳波及び/または呼吸を測定することを含む。
【0049】
この実施形態のさらなる代わりの形において、マスク漏れ閾値は、流動平坦化(flow flattening)、いびき、無呼吸及び呼吸低下、または無呼吸低呼吸指数(AHI)のような流量限界指標の関数として変化してもよく、患者がより高い治療圧をより必要とする場合、より多くのマスク漏れ量が抑制される。送風機制御部は、従来の大流量限界測定(historically high flow limitation measurement)を用いて患者のためにマスク漏れ閾値を調整するため、またはマスク漏れ制御機能を停止するために医者によりプログラム可能であることが好ましい。
【0050】
図2のマスク圧力/流動発生器の圧力曲線においてより低いマスク漏れで装置を操作するために流動発生器のマスク漏れへの応答性を制御することにより、不要なマスク漏れ及びノイズの好ましくない成果の生産に浪費される流動発生器のエネルギー量は、最小化される。
【0051】
高いマスク漏れの状況において送風機の設定圧力を低減または制限することにより、先行技術においてなされたようにさらに圧力を増加させるよりはむしろ、過剰のなく浮き漏れによって引き起こされる騒音またはエアフローによる患者及び/または入院患者の妨害が最小化される。治療が最適圧力より低い圧力で続けられる間、いくつかの気道サポートを提供し続けて良く、多くの場合には、患者を起こすか、または睡眠中に患者からマスクを取り外すことが望ましいと考えられる。前者は、十分な患者の快適性及びコンプライアンスの問題であり、後者は、患者に治療の完全な利点を与えないだろう。患者の覚醒を低減することにより、全体の睡眠時間及び治療へのコンプライアンスが改善可能であることが予想される。
【0052】
さらに、過剰なマスク漏れへの反応として送風機の設定圧力を低減することにより、マスクは、患者の顔との改善された適合性に戻ってマスク漏れが低減し、これにより、図2に示すマスク圧力曲線が45°直線により近接した曲線に変化する。
【0053】
制御部は、1またはそれ以上のさらなる計画であって例えば15分のように規定時間の経過後に送風機圧力を増加させる計画が、マスクと患者との封止性の質を再評価するために経過されるようにプログラムされてもよい。
【0054】
また、制御部は、低圧における治療効果のいかなる低下をも検出するために、その患者のAHIと、他の患者の覚醒及び流量限界指標とをリアルタイムで監視するようにプログラムされてもよい。指標が気道の安定のための治療圧に対する不足を示す低治療圧における流量限界及び/または患者の覚醒の増加を示すと、制御部は、送風機圧力を再度増加させる(ステップ307)。
【0055】
また、患者の覚醒は、体位を監視することにより感知することができる。高い漏れと共に検出される場合、継続した移動は、マスク漏れによる患者の覚醒を示す。
【0056】
いびきは、気道が狭くなっていることを表しており、治療圧が低く、漏れに関わらず増加させるべきであることの指標として用いてもよい。
【0057】
本質的に、この実施形態は、効果的に患者を治療するために必要な最低限の圧力を供給し、マスク漏れが生じる場合における最大圧力を制限することを追及しており、これに対して従来の治療では、前者しか行えなかった。このようにして、患者の治療へのコンプライアンスの維持を補助するために、マスク漏れによる患者の覚醒と治療の効果との間のバランスが達成される。
【0058】
制御部は、送風機の圧力が過剰なマスク漏れに応じて低減するときに、患者のためのマスクの選定及び調整に役立たせるための医者による十分な再検討のために出来事(incident)を記録し続ける。
【0059】
また、セッションの最後に過剰なマスク漏れを検出するときに、制御部は、マスクの取り付けを調整する及び/または医者に連絡する必要性を患者に警告するメッセージを機器に表示させてもよい。
【0060】
CPAP機器は、1またはそれ以上の漏れ制御モードを有してもよい。CPAP機器が複数のモードを有する場合、制御システムは、これらのモードの中から例えば患者の好みやコンプライアンスレベルに応じて選択することを制御してもよい。これらのモードの中の最初のモードは、例えば低コンプライアンスの患者のために選択され、漏れ検出を検出する機械は、治療流量/圧力を低減して最大治療圧未満のレベルで維持し、マスクを患者の顔に封止する。
【0061】
漏れ制御方法の次のモードにおいて、流量/圧力は、例えば15〜60秒の短い規定期間、副治療圧まで低下され、マスクを患者の顔に再度封止させ、そして治療圧まで戻される。例えば、マスク漏れ閾値を越えてマスク漏れを検出すると、圧力は、治療活動の開始のために用いられる増加開始圧力まで低減され、そして治療開始時に用いられた増加時間の50%のように短縮した増加時間をかけて最大治療圧まで戻される。
【0062】
さらなるモードにおいて、マスク漏れ閾値を越えてマスク漏れを検出すると、圧力は、例えば1cmHOの設定された増加量により低減されてもよく、マスク漏れパラメータは、設定時間の期間で再度測定される。漏れが依然として閾値を超えている場合、漏れが是正されるか、またはマスク漏れ閾値未満に落ちるまで、圧力はさらに追加的に減少され、マスク漏れの再度測定などが行われる。
【0063】
マスク漏れ閾値未満での規定の操作期間の経過後、制御部は、上述したように、マスクの患者への封止を再評価するために、流動発生器の圧力を再度増加させる。
【0064】
さらなる実施形態において、マスク封止試験及びマスク取付養生法(mask fitting regimen)が提供され、ここでマスクが臨床的な設定において患者に取り付けられ、装置が「マスク取付」操作モードに切り替えられる。このモードにおいて、流動発生器は、流量がマスクの排気流速に対してほぼ同等またはやや多いように制限された流速で、通常範囲の治療圧を付与するように制御される。
【0065】
マスクが良好に封止している場合、マスク圧力は、最大治療圧と一致するかまたはその近傍となっている。多大なマスク漏れがある場合、これは、従来の低圧大容積のマスク取付モード養生法における騒がしい操作及び大量の空気漏れを生ずることなく、マスクの不足した圧力により検出され得る。このようにして、マスク取付は、過剰な騒音及び患者の顔を駆け抜ける大量のエアフローなく調整可能であり、患者の治療の選択及び治療のコンプライアンスのためのさらなる障害が低減される。
【0066】
この明細書において、「備えている(comprising)」の語句は、オープンな意味、すなわち、「含んでいる(including)」であると解釈されるべきである。したがってクローズな意味、すなわち、「だけから成っている(consisting only of)」の意味に限定されるものではない。同様の解釈は、「備える(comprise,comprises)」及び「備えられた(comprised)」についても同様に適用される。
【0067】
本発明は現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられることに関連して記載されているが、本発明は開示された実施形態に限定されない。むしろ本発明の精神及び範囲内に含まれるさまざまな改良及び均等物に及ぶことを意図していると理解されるべきである。また、上述したさまざまな実施形態は、例えばさらに他の実施形態を実現するために一つの実施形態の特徴が他の実施形態の特徴と組合せ可能であるように、実施形態の組合せにより実現される。さらに、本発明はOSAを患う患者に特に適しているが、他の疾患(例えば、うっ血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満手術など)を患う患者が上記技術により利益を受けることが理解される。その上、上記技術は、非医学的用途と同様に、患者及び非患者に適用できる。
【0068】
添付の図面は、本発明のさまざまな実施形態の理解を容易とする。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態における方法を実行するための本発明の実施形態における人工呼吸装置を示す図である。
【図2】送風機の設定圧力に対するマスク圧力のグラフであって、マスク漏れを示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態におけるマスク漏れ制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
2 サーボ制御送風機(流動発生器,送風機)
6 マスク
15 処理装置(制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠呼吸障害(SDB)を治療するための装置を操作する方法であって、
前記装置が、睡眠中の持続陽圧呼吸療法をもたらし、
当該方法が、
患者インターフェースにおける治療圧が所望値未満かどうか判断する工程と、
前記判断に応じて、流動発生器により発生させた圧力を増加する工程と、
前記増加に応じて、前記流動発生器の圧力の増加量が、前記患者インターフェースにおける前記治療圧の所望増加量未満となったか判定する工程と、
前記判定に応じて、前記流動発生器の圧力のさらなる増加を低減または抑制する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記判定する工程が、マスク漏れパラメータをマスク漏れ閾値と比較する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マスク漏れパラメータが、マスク漏れインピーダンスパラメータであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マスク漏れ閾値が、患者の覚醒指数を参照して決定されることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記患者の覚醒指数が、患者の無呼吸低呼吸指数(AHI)及び/または睡眠相指数を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記睡眠相指数が、脳波及び/または呼吸のモニタリングを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記患者の覚醒指数が、体位のモニタリングを含むことを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記患者の覚醒指数が、いびきのモニタリングを含むことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記マスク漏れ閾値が、流量限界指標の関数として変化することを特徴とする請求項2から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記流量限界指標が、流動平坦化、いびき、無呼吸及び/または無呼吸低呼吸指数(AHI)を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
さらに、流動発生器の制御部を、前記マスク漏れ閾値を調整またはマスク漏れ制御機能を停止するようにプログラミングする工程を備えることを特徴とする請求項2から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記流動発生器の圧力が過剰なマスク漏れに応じて減少するときに、患者のためのマスクの選択及び/または調整を容易とする医者によるその後の再検討のために、出来事の記録を維持する工程を備えることを特徴とする請求項2から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
検出されたときに、マスクの取り付けの調整し、及び/または医者に連絡するよう患者に警告すべきである過剰なマスク漏れが検出されるときに、前記装置にメッセージを表示する工程をセッションの終期にさらに備えることを特徴とする請求項2から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記装置が、1またはそれ以上の漏れ制御モードを有することを特徴とする請求項2から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、患者の好み及び/またはコンプライアンスレベルによって選択可能であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、
マスク漏れを検出すると、前記流動発生器の圧力を減少する工程と、
前記流動発生器の圧力を最大治療圧のレベル未満で維持し、マスクを患者の顔に対して封止させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、
前記流動発生器の圧力を副治療圧まで短い規定期間減少し、マスクを患者の顔に対して再度封止する工程と、
次に前記治療圧まで増加して戻す工程と、
を含むことを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項18】
前記短い規定期間が、15〜60秒であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、
前記マスク漏れ閾値を超えてマスク漏れを検出すると、治療セッションの開始に用いられる増加開始圧まで前記流動発生器の圧力を減少する工程と、
次に短縮した増加時間を越えて最大治療圧まで増加して戻す工程と、
を有する請求項14または15に記載の方法。
【請求項20】
前記短縮した増加時間が、前記治療セッションの開始に用いられる増加時間の50%であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、
設定増加量により前記マスク漏れ閾値を越えて前記マスク漏れを検出すると、前記流動発生器の圧力を減少する工程と、
設定期間のために前記マスク漏れパラメータを測定する工程と、
前記マスク漏れが依然として前記マスク漏れ閾値よりも上にある場合に、前記流動発生器の圧力をさらに追加的に減少させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項22】
前記設定増加量が、1cmHOであることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記マスク漏れ閾値未満の操作の規定期間の経過後、前記流動発生器の圧力を再度増加させ、マスクと患者との封止性を再評価する工程をさらに備えることを特徴とする請求項2から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
マスク封止試験及びマスク取付養生法を与える工程をさらに備え、
臨床的な設定においてマスクを患者に取り付け、
前記装置を、マスク取付操作モードに切り替え、
前記流動発生器が、通常範囲の治療圧を付与するように制御されることを特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
流速が、マスクのための排気流速とほぼ同等または若干超える流量に制限されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
実質的なマスク漏れが、前記マスク内の圧力不足により検出され、
マスクの取り付けが、不要な騒音及び患者の顔を駆け抜ける大量のエアフローなく調整可能であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
睡眠呼吸障害(SDB)を治療するための装置を操作する方法であって、
前記装置が、睡眠中の持続陽圧呼吸療法をもたらし、
当該方法が、
患者インターフェースにおける治療圧が所望値未満であるかどうかを判断する工程と、
前記判断に応じて、流動発生器により発生させた圧力を増加する工程と、
前記増加に応じて、前記流動発生器の圧力の増加量が、前記患者インターフェースからの空気漏れにおける所望の増加量よりも大きくなったか、または前記患者インターフェースからの空気漏れが増加したか判定する工程と、
前記判定に応じて、前記流動発生器の圧力のさらなる増加量を低減または抑制する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項28】
前記判定する工程が、マスク漏れパラメータをマスク漏れ閾値と比較する工程を含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記マスク漏れパラメータが、マスク漏れインピーダンスパラメータであることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記マスク漏れ閾値が、患者の覚醒指数を参照して決定されることを特徴とする請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記患者の覚醒指数が、患者の無呼吸低呼吸指数(AHI)及び/または睡眠相指数を含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記睡眠相指数が、脳波及び/または呼吸のモニタリングを含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記患者の覚醒指数が、体位のモニタリングを含むことを特徴とする請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記患者の覚醒指数が、いびきのモニタリングを含むことを特徴とする請求項31から33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記マスク漏れ閾値が、流量限界指標の関数として変化することを特徴とする請求項28から34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記流量限界の指標が、流動平坦化、いびき、無呼吸及び/または無呼吸低呼吸指数(AHI)を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
さらに、流動発生器の制御部を、前記マスク漏れ閾値を調整またはマスク漏れ制御機能を停止するようにプログラミングする工程を備えることを特徴とする請求項28から36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
さらに、前記流動発生器の圧力が過剰なマスク漏れに応じて減少するときに、患者のためのマスクの選択及び/または調整を容易とする医者によるその後の再検討のために、出来事の記録を維持する工程を備えることを特徴とする請求項28から37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
検出されたときに、マスクの取り付けの調整し、及び/または医者に連絡するよう患者に警告すべきである過剰なマスク漏れが検出されるときに、前記装置にメッセージを表示する工程をセッションの終期にさらに備えることを特徴とする請求項28から38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記装置が、1またはそれ以上の漏れ制御モードを有することを特徴とする請求項28から39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、患者の好み及び/またはコンプライアンスレベルによって選択可能であることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、
マスク漏れを検出すると、前記流動発生器の圧力を減少する工程と、
前記流動発生器の圧力を最大治療圧のレベル未満で維持し、マスクを患者の顔に対して封止させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、
前記流動発生器の圧力を副治療圧まで短い規定期間減少し、マスクを患者の顔に対して再度封止する工程と、
次に前記治療圧まで増加して戻す工程と、
を含むことを特徴とする請求項40または41に記載の方法。
【請求項44】
前記短い規定期間が、15〜60秒であることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、
前記マスク漏れ閾値を超えてマスク漏れを検出すると、治療セッションの開始に用いられる増加開始圧まで前記流動発生器の圧力を減少する工程と、
次に短縮した増加時間を越えて最大治療圧まで増加して戻す工程と、
を有する請求項40または41に記載の方法。
【請求項46】
前記短縮した増加時間が、前記治療セッションの開始に用いられる増加時間の50%であることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記1またはそれ以上の漏れ制御モードが、
設定増加量により前記マスク漏れ閾値を越えて前記マスク漏れを検出すると、前記流動発生器の圧力を減少させる工程と、
設定期間のために前記マスク漏れパラメータを測定する工程と、
前記マスク漏れが依然として前記マスク漏れ閾値よりも上にある場合に、前記流動発生器の圧力をさらに追加的に減少させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項40または41に記載の方法。
【請求項48】
前記設定増加量が、1cmHOであることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記マスク漏れ閾値未満の操作の規定期間の経過後、前記流動発生器の圧力を再度増加させ、マスクと患者との封止性を再評価する工程をさらに備えることを特徴とする請求項28から48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
マスク封止試験及びマスク取付養生法を与える工程をさらに備え、
臨床的な設定においてマスクを患者に取り付け、
前記装置を、マスク取付操作モードに切り替え、
前記流動発生器が、通常範囲の治療圧を付与するように制御されることを特徴とする請求項27から49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
流速が、マスクのための排気流速とほぼ同等または若干超える流量に制限されることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
実質的なマスク漏れが、前記マスク内の圧力不足により検出され、
マスクの取り付けが、不要な騒音及び患者の顔を駆け抜ける大量のエアフローなく調整可能であることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
睡眠呼吸障害(SDB)を治療するための装置を操作する方法であって、
前記装置が、睡眠中の持続陽圧呼吸療法をもたらし、
当該方法が、
患者インターフェースにおける過剰な漏れを判断するために、マスク漏れパラメータをマスク漏れ閾値と比較する工程と、
前記過剰な漏れの判断に応じて、流動発生器の圧力を減少する工程と、
前記減少した流動発生器の圧力において、前記マスク漏れパラメータを前記マスク漏れ閾値と比較し続ける工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項54】
前記マスク漏れパラメータが、マスク漏れインピーダンスパラメータであることを特徴とする請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記流動発生器の圧力を減少する工程が、圧力を増加開始圧力まで減少させる工程を含むことを特徴とする請求項53または54であることを特徴とする方法。
【請求項56】
前記マスク漏れパラメータを前記マスク漏れ閾値と比較し続ける工程の間、治療圧まで規定の増加時間を超えて圧力を増加する工程をさらに備えることを特徴とする請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記患者インターフェースにおける過剰な漏れをさらに検出すると、圧力の増加を休止する工程をさらに備えることを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記圧力を減少する工程が、所定の圧力増加量により第1減少圧力まで減少する工程を含むことを特徴とする請求項53から57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記第1減少圧力において過剰な漏れを検出した場合、圧力を追加的に減少させることを特徴とする請求項58に記載の方法。
【請求項60】
睡眠呼吸障害(SDB)を治療するための装置に関して患者への患者インターフェースの取付を評価する方法であって、
前記装置が、睡眠中の持続陽圧呼吸療法をもたらし、
当該方法が、
前記装置の流動発生器で治療圧を発生させる工程と、
前記患者に供給する気体流量を規定の流速に制限する工程と、
前記患者インターフェースにおける治療圧が、所望値未満であるか判断する工程と、
前記患者インターフェースの前記患者への封止性が不十分であるか判定する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項61】
前記流量が、前記患者インターフェースの排気流速を参照して決定されることを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項62】
請求項1から61のいずれか1項に記載の方法を実行するためのAPAP装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−543384(P2008−543384A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516071(P2008−516071)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000823
【国際公開番号】WO2006/133494
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD