説明

CPAP治療中の漏出の判定

タイマーによって制御されるCPAPシステムにおいて、漏出は、1回の呼吸と同じ長さの時間、遡及して求めることにより、また、その期間にわたる流量を積算することによって、各瞬間において判定される。妨害指数は、漏出が急速に増しているかどうかを示し、急速に増加した時点で、流量の更新は停止され、流量変動が急速な変化率を無くすまで、流量の更新は停止される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2006年8月30日に出願した米国仮出願60/823,934の優先権を主張するものであり、その明細書及び図面は参照により本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、無呼吸及び他の呼吸器疾患の治療に関する。特に、本発明は、陽性気道圧に機械的に適用する場合の、漏れ空気量及び実際の呼吸気流量の判定のための、方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
睡眠中の無呼吸及び他の呼吸器疾患の治療に対して、例えば、マスクを介して、吸気中にはより高く、呼気中にはより低くなり得る圧力で、呼吸可能なガスが、機械的呼吸器又は人工呼吸器から供給される。(本明細書において、「マスク」へのいかなる言及も、鼻マスク、鼻/口マスク、鼻カニューレ/枕、及び気管内又は気管切開チューブを含む、個人の気道に呼吸可能なガスを送るための、すべての形態の装置を含むと理解されるものとする。「換気」という用語は、呼吸作業の一部を行う、全ての装置を説明するために使用される。)典型的に、治療の妥当性を評価するために、又は人工呼吸器の操作を制御するために、機械的換気中に対象の呼吸気流量を測定する。
【0004】
呼吸気流量は、一般的に、マスクと圧力源との間のガス送達経路内に設置される、呼吸気流計で測定される。マスクと対象との間の漏出は、不可避である。呼吸気流計は、呼吸気流量と漏出を経た流量との合計を測定する。漏出を経た瞬間流量が、既知である場合、呼吸気流量は、呼吸計における流量から、漏出を経た流量を減算することにより計算され得る。
【0005】
漏出を経た流量を修正するためのいくつかの方法では、(i)漏出が、略一定であり、(ii)十分長い時間にわたり、吸気及び呼気の流量が、相殺されることを仮定する。これらの仮定が満たされる場合、十分長い時間にわたる呼吸計を経た平均流量は、漏出の規模と等しくなり、次いで、実際の呼吸気流量は、記載されるように計算され得る。
【0006】
既知の方法は、マスクにおける圧力が一定である場合のみ的確である。一方で、マスク圧力が時間とともに変化する場合(例えば、人工呼吸器の場合)、上記の仮定(i)は妥当ではなく、したがって、計算された呼吸気流量は、不正確である。これは、図1a〜図1fに顕著に示される。
【0007】
図1aは、呼気時約4cm HOと吸気時12cm HOとの間の二相性CPAP(持続的陽性気道圧)治療において、測定されたマスク圧力の記録を示す。図1bは、マスク圧力と同期した実際の呼吸気流量の記録を示す。図1cに示されるように、21秒の時間で、マスク漏出が発生し、治療圧力の関数である漏出からの漏れ流量をもたらす。ここで、図1dに示される測定されたマスク流量は、漏出流量による相殺を含む。次いで、従来技術の方法では、図1eに示されるように、複数の呼吸にわたり、計算された漏出流量を判定する。測定された流量−計算漏出流量として得られる計算された呼吸流量は、図1fに示され、正確な平均値に戻っているが、尺度が不正確なために計測されており、正及び負のピーク空気流量の誤った表示を与える。
【0008】
別の従来技術の処理は、欧州公開第0 714 670 A2号に開示され、圧力依存性の漏出構成要素の計算を含む。該方法は、吸気事象の開始及び次の吸気事象の開始の発生を正確に知ることに依存する。言い換えれば、漏出計算は、既知の呼吸とそれに続く呼吸に適用された平均として演算される。
【0009】
この方法は、前回の呼吸の開始と終了の瞬間が不明である場合、使用され得ない。概して、呼吸開始の時間を的確に計算することは困難であり得る。これは、特に、漏出の急な変化の直後の場合である。
【0010】
さらに、無呼吸の継続中には、計算を行うための呼吸の開始も終了もないため、該方法は、呼吸の努力を行わず、瞬間的にも全く換気されない対象の場合、例えば無呼吸中には機能しない。
【0011】
米国特許第6,152,129号(Berthon−Jones)において、漏出は、長期オリフィス流量からの漏出経路のコンダクタンスを最初に推定することにより、判定され、
【数1】


となり、G=1/Rは、コンダクタンス(Lは漏出を示す)であり、Qは、瞬間流量であり、pは、瞬間圧力であり、<>は、例えば、IIFを有するローパスフィルタリング、又は長い時定数を有する他のフィルタにより計算された、長期平均を示す。本明細書で使用されるように、「平均」という用語は、ローパスフィルタリングステップの結果を含んだ一般的な意味を含み、算術平均又はRMS平均等の他の標準的平均に限定されないことに留意されたい。
【0012】
次いで、オリフィスを経た流量のモデルに基づく瞬間漏出流量は、
【数2】


となる。次いで、瞬間呼吸気流量は、Q=Q―Qとなることに留意されたい。
【0013】
Berthon−Jonesは、ファジー理論を使用して、フィルタ時定数を動的に調整し、漏出が安定していることが確実である場合、時定数を延長し、漏出が急に変化したことが確実である場合は、時定数を減少させ、漏出が安定していることが中間的に確実である場合、中間的に長い又は短い時定数を使用することにより、瞬間漏出流量の急な変化に対処しようと試みている。
【0014】
また、Berthon−Jonesは、漏出のコンダクタンスの大きい、かつ急に増加する場合に対処するために、ファジー理論によって妨害指数を開発したが、この場合、計算された呼吸気流量は不正確となる。特に、明らかな吸気の間では、計算された呼吸気流量は、通常の吸気の予期された継続時間と比較して長い時間、大きな正である。逆に、漏出のコンダクタンスの急な減少がある場合、明らかな呼気の間では、計算された呼吸気流量は、通常の呼気の継続時間と比較して長い時間、大きな負である。
【0015】
したがって、空気流量が、ゼロから離れて大きくなり、かつより大量であるほど、指数がより大きくなるように、妨害指数、すなわち、漏出が急に変化した確実度の指数が導き出される。ファジー理論による妨害指数の明示的な計算は、米国特許第6,152,129号に記載され、参照することにより本明細書に援用される。
【0016】
次いで、ローパスフィルタに対する時定数は、妨害指数とは逆に変化するように調整される。操作において、漏出の急な、かつ大きい変化がある場合、指数は大きくなり、漏出のコンダクタンスの計算に対する時定数は、小さくなり、漏れコンダクタンスが新しい値に急収束することを可能にする。逆に、漏出が長時間安定している場合、指数は小さくなり、漏れコンダクタンスの計算に対する時定数は、大きくなり、瞬間呼吸気流量の正確な計算を可能にする。計算された瞬間呼吸気流量が、より大きく、かつより長い期間である、中間の状況のスペクトルにおいて、指数は、次第に大きくなり、漏出の計算に対する時定数は、次第に減少する。例えば、漏出が実際に一定であり、対象が、単に大きなため息を開始しただけであるかどうか、又は実際に、漏出が急に増加しているかどうか不確実である瞬間において、指数は、中間値となり、漏出のインピーダンスの計算に対する時定数もまた、中間値となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、漏出源を詳細にモデリングすることなく、かつ漏出が発生する、呼吸サイクルにおける正確な位相を判定する必要性なく、CPAP(持続的気道陽圧法)システムにおける瞬間漏出を迅速に判定する。代わりに、本発明は、呼吸サイクルを画定するためのタイマーの使用、及び瞬間流量が、全呼吸を含むに十分長い時間にわたる流量と比較されることを確実にするための計算に頼る。本発明は、全位相サイクルを含むように遡って調べることにより、これを行う。これは、複数の呼吸にわたり長期平均を取る必要性、又は呼吸の開始及び終了を認識したモデルを有する必要性を回避する。
【0018】
漏出の急な変化は、妨害(jamming)指数の値として認識されて表され、その値は、更新流量値の一時的な離脱を制御するためのパラメータとして使用される。
【0019】
本発明の更なる形態は請求項に述べられたものを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1a】呼気時約4cm HOと吸気時12cm HOとの間の二相性CPAP(持続的陽性気道圧)治療において、測定されたマスク圧力の記録を示す。
【図1b】マスク圧力と同期した実際の呼吸気流量の記録を示す。
【図1c】21秒で、マスク漏出が発生し、治療圧力の関数である漏出からの漏れ流量をもたらすことを示す。
【図1d】測定されたマスク流量が漏出流量による相殺を含むことを示す。
【図1e】複数の呼吸にわたり、計算された漏出流量を判定するための図である。
【図1f】測定された流量−計算漏出流量として得られる計算された呼吸流量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、高価なコンピュータによるファジー理論の処理に依存することなく、瞬間的な漏れを判定しようとする要望が動機となっている。特に、本発明は、呼吸サイクルの位相の複雑な計測ではなくタイマーの使用によって、患者の呼吸作用を人工呼吸器からの流れと同期させるシステムを提供するものである。同期は流量トリガリングされ、位相はブックキーピング装置のみである。吸気に適した圧力と呼気に適した圧力との間のサイクルは、呼吸中に変化する閾値によって制御される。
【0022】
重要なことは、患者の呼吸作用と人工呼吸器の動作との間の同期を達成することである。標的換気量は、可変バックアップレートによって画定され補助される。全肺胞換気量のサーボ制御が与えられた場合、呼吸パターンが標的から移れば移るほど、システムの応答がより速くなる。これは、小さな呼吸が効果的な換気に影響することがないように設計されている。
【0023】
漏出における突然の変化により一つの問題が生ずる。すなわち、モニターされたパラメータが変化を認識した瞬間に、応答する必要がある。これは、閾値制御を妨害に応答させることにより達成される。
【0024】
本発明は、患者の呼吸作用と人工呼吸器の機能との間の同期を達成するためのトリガリングを用いている。これは、時間で変化する周期的な閾値を設定することにより達成される。パラメータは、吸気が持続できる最短時間TMin及び最長時間TMax、並びに呼気が持続できる最短時間TMin及び最長時間TMaxである。したがって、トリガリングは、TMin、TMax、TMin及びTMaxの設定に存する。これらは、瞬間バックアップレートに関し、TtotMax=TMax+TMax=1/バックアップレートである。
【0025】
呼吸サイクルを開始するための、流量の変化におけるトリガリングは、調整可能な閾値に依存する。しかしながら、最短呼気時間(TMin)後、トリガリングない場合もある。吸気から呼気へのサイクルは、初期絶対不応期(TMin)に依存する。ここで、閾値はピーク流量の調整可能な割合であるが、その閾値は所定の範囲内であるように制限される。したがって、時間制限された呼吸の初期(すなわち、相対不応期)にサイクルを行い、非常に短時間の呼吸の可能性をより低くすることはほとんどない。いかなる場合においても、最長吸気時間に達した時もサイクルが開始され、その時間は自動的に計算される。
【0026】
典型的には、臨床医は、時間制限された呼吸の維持期間中にもたらされるバックアップレート(無呼吸バックアップレート(apnoeic backup rate)を設定する。これは、調査期間の終期における患者の最適なレートにて設定され得る。自発呼吸(トリガーされた呼吸)中におけるバックアップレートは無呼吸レートの2/3である。トリガーされた呼吸から時間制限された呼吸への移行時、バックアップレートは、典型的には5呼吸にわたり、無呼吸レートへと徐々に増加する。バックアップレートは、換気が標的よりも十分に低い場合にはより速く増加し、標的ではゆっくりと増加し、標的よりも高い場合には全く増加しない。トリガーされた呼吸は、バックアップレートを無呼吸レートの2/3まで低下させる。
【0027】
サイクル進行の指標としての位相
呼吸位相は、本質的に、吸気の開始時に0、呼気の開始時に0.5であり、呼気の終了時に1に近づく。ブックキーピング装置としては、位相を移行点間の線形関数とみなすのに十分である。吸気中、位相がTMaxで0.5に達する吸気中の変化率にて、位相がTMaxで1に達する呼気中の位相変化率にて、位相は複数のセグメントに線形化されてもよい。
【0028】
斯くして、タイムアウトの結果として吸気から呼気への切換えが生じた場合、位相はジャンプを示す。このようにして、Berthon−Jonesにおける状況と異なり、位相が滑らかな曲線をたどるよう強制される場合、その位相は、ジャンプを示す間欠的な一連の線セグメントとなる。ここで、考慮されるべきケースがいくつかある。すなわち、TMaxに達した場合、サイクルが時間に起因して生じ、位相曲線が連続的になる。吸気から呼気へのサイクルが流量閾値に起因して生じた場合、位相は上方へのジャンプを有するであろう。TMaxに達してトリガリングが時間に起因して生じた場合、バックアップ呼吸がもたらされ、位相は突然、ゼロに降下する。呼気を終えるために流量に起因してトリガリングが生じた場合、位相は1に達しない。
【0029】
漏出の補正
患者流量の測定が換気推定値の基礎であるため、漏出は患者流量の推定を困難とする。与えられるものは、漏出の変化に迅速に応答するアルゴリズム、しかし数回の呼吸においては非常に安定したベースラインを有するアルゴリズムであり、これは、大きな変化の後、新たな漏出レベルに適合しながら、圧力補助における変化を効果的に一時停止し、適度に大きな漏出(0.6l/s)を扱うことができる。
【0030】
漏出を判定するために、1回の呼吸と同程度の長さの時間にわたり、流量を積算することができる。これをすぐに可能とするために、本発明は、現在の時間から、呼吸が現時点での位相と同じ位相にあった時まで遡って求める。現時点の位相、例えば、φから始まり、本発明は、間隔[φ−0.75、φ−0.25]における最新の位相を、時間を遡り求める。目的は、現時点の前の呼吸の少なくとも0.25の時点を求めることである。そのような位相が見つかった場合、本発明は、φ1=φ−0.25を計算し、間隔[φ−0.75、φ−0.25]における位相を、時間を遡り求める。これは、一度に0.25、すなわち、φI+1=φ−.025で継続する。[φ−.075、φ−0.25]において位相が見つかった場合、これは、単に[φ−0.5、φ]であるため、反復は中止される。位相が継続的に変化した場合、これは、正確にφであることが分かっているであろうが、実際には、φ−εを得る可能性が最も高く、εは小さいことが望ましい。この方法で進めていくことにより、我々は、現時点の前の4位相の象限における位相を見つけたことから、位相が、進むというよりも戻ったという、ある程度の自信を有する。このアルゴリズムは、連続した0.5の2つの位相移行を逆移動とみなすが、実際の方向は、もちろん実際の中間である。このアルゴリズムが、この条件を満たす現時点と現時点の前の時間Tleakとの間の時点が見つからない場合には、我々は、Tleakであるべき平均期間を取る。実施の詳細として、コンピュータの必要条件を減少させるために、漏出流量値は、最後の5ポイント(0.1秒)にわたり平均化され、関連した呼吸位相に付随するバッファに記憶されてもよく、最後の呼吸の検索が、100ポイントのバッファにおいて実行され、0.1秒毎に行われるようにする。次いで、
50Hzの平均化された漏出推定値は、最新の平均化された漏出推定値と、その直前の平均化された漏出推定値との間の線形補間により、50Hzにて計算され得る。
【0031】
バックアップパラメータ及びタイミングパラメータの設定
バックアップレートは呼吸から呼吸までの間に変化し、よって位相曲線の傾斜は呼吸から呼吸までの間で変化する。各呼吸において、バックアップ時間が算出される(=呼吸/分において60秒/バックアップレート)。TiMaxは、各吸気の開始時にて、吸気率(inspiratory fraction)を乗じたバックアップ時間として算出され、よって吸気の呼吸位相ラインの傾斜(=0.5/TMax)は呼吸から呼吸の間で変化する。TMaxは、各呼気の開始時にて、現時点のバックアップレートをもたらす時間(=バックアップ時間−実際の吸気時間)と算出され、よって呼気の呼吸位相ラインの傾斜(=0.5/TMax)は呼吸から呼吸までの間で変化する。
【0032】
本発明によるサーボベンチレーションは、自動的に圧力補助を調整し、最小圧力補助(例えば、ゼロ)と最大圧力補助との間で、少なくとも標的換気量を提供する。最小と最大の圧力補助は臨床医によって設定される。標的換気量は、非解剖学上の死腔換気量(肺胞換気量に対する大まかな近似値)である。目的は、主として、高いレートでの小さな呼吸が有効換気として計数されないようにすることである。非解剖学上の死腔はマニュアルで設定される。
【0033】
臨床診断法
臨床診断では、患者が起きている間に、標的換気量とバックアップレートを調べる。次いで、標的換気量の傾斜(ramp)とEPAPを設定する。次に、場合によっては、最大吸気率とサイクル閾値を調整し、これはピーク流量の割合である。デフォルトの値は25%である。
【0034】
妨害(Jamming)
「妨害」は、まだ完全には相殺されていない漏出において変化が存在する状態をいう。漏出の存在は、流量を変化させ、吸気から呼気への移行が通常認められるゼロ通過点に接近しないものとする可能性がある。したがって、ゼロ通過点にて吸気から呼気に切り替わるよう圧力が調整されたならば、その流量変化は認められず、圧力は一つの位相において「妨害状態」とされたままとなる。しかしながら、ローパスフィルターがかけられた流量は、位相変化の新しい基準として認識され得るベースラインの付近で振れることとなる。
【0035】
妨害指数は、次式により、漏出流量に関連付けられる。
【数3】


ここで、J=0はいくつかのオリフィスを通しての安定した漏出を示すものであり、J=1は突然の漏出を示すものである。
【0036】
妨害が認められると、すなわち漏出の急速な変化が発見されると、システムは圧力補助の変更を一時停止する。別の方法では、圧力補助は自動的に調整される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイマーによって制御されるCPAPシステムにおける漏出量を判定するための方法であって、
1回の呼吸と少なくとも同じ時間間隔の長さを判定するステップと、
前記時間間隔と同じ長さの前回の時間間隔にわたる空気流量を積算するステップと、
漏出量が突然増加したことを妨害指数が示した場合に、漏出変化量が急速な変化量を示さなくなるまで、前記前回の時間間隔にわたる積算量を除外するステップと、
漏出量を前記積算量の関数として判定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
タイマーによって制御されるCPAPシステムにおける空気流量を判定するための方法であって、
時間とともに変化するサイクル閾値を設定するステップと、
サイクル閾値から呼吸位相を判定するステップと、
現時点の位相と等しい位相を、時間を遡り求めるステップと、
等しい位相点間と少なくとも同じ時間間隔の長さを判定するステップと、
前記時間間隔と同じ長さの前回の時間間隔にわたる空気流量を積算するステップと
を含む方法。
【請求項3】
漏出量が突然増加したことを妨害指数が示した場合に、漏出変化量が急速な変化量を示さなくなるまで、前記前回の時間間隔にわたる積算量を除外するステップと
前記空気流量を、前記積算量の関数として漏出量により補正するステップと
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
タイマーにより制御されるCPAPシステムであって、
コントローラを備え、該コントローラが、
1回の呼吸と少なくとも同じ時間間隔の長さを判定し、
前記時間間隔と同じ長さの前回の時間間隔にわたる空気流量を積算し、
漏出量が突然増加したことを妨害指数が示した場合に、漏出変化量が急速な変化量を示さなくなるまで、前記前回の時間間隔にわたる積算量を除外し、
漏出量を前記積算量の関数として判定するためのものである、CPAPシステム。
【請求項5】
タイマーにより制御されるCPAPシステムであって、
コントローラを備え、該コントローラが、
時間とともに変化するサイクル閾値を設定し、
サイクル閾値から呼吸位相を判定し、
現時点の位相と等しい位相を、時間を遡り求め、
等しい位相点間と少なくとも同じ時間間隔の長さを判定し、
前記時間間隔と同じ長さの前回の時間間隔にわたる空気流量を積算するためのものである、CPAPシステム。
【請求項6】
漏出量が突然増加したことを妨害指数が示した場合に、漏出変化量が急速な変化量を示さなくなるまで、前記前回の時間間隔にわたる積算量を除外することと、
前記空気流量を、前記積算量の関数として漏出量により補正することと
を更に備える、請求項5に記載のCPAPシステム。
【請求項7】
妨害がある場合に、圧力補助の変更を一時停止する、請求項5に記載のCPAPシステム。
【請求項8】
呼吸サイクルにて呼吸をしている患者に接続された呼吸器からの空気漏出流量を判定する方法であって、
(i)前記呼吸器からの空気の流量を測定するステップと、
(ii)1回の呼吸サイクルの時間を判定するステップと、
(iii)前記時間と少なくとも等しい期間にわたる空気の流量の平均値を算出するステップと、
(iv)前記空気漏出流量を前記空気の流量と前記平均値との間の差と判定するステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記空気の流量が連続的に測定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1回の呼吸サイクルの時間を判定する前記ステップが連続的に判定されることである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
空気の流量の平均値を算出する前記ステップが連続的に算出されることである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
空気の流量の平均値を算出する前記ステップが、第1の呼吸サイクルの中間吸気点から第2の呼吸サイクルの中間吸気点まで算出されることである、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
空気の流量の平均値を算出する前記ステップが、第1の呼吸サイクルの中間呼気点から第2の呼吸サイクルの中間呼気点まで算出されることである、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の呼吸サイクルが前記第1の呼吸サイクルに隣合うものである、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
空気漏出流量が急速に変化しているか否かを判定するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
吸気から呼気への移行点を判定するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
呼気から吸気への移行点を判定するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
呼吸サイクルにて呼吸をしている患者に接続された呼吸器からの、第1の時間点での空気漏出流量を判定する方法であって、
(i)前記呼吸器からの漏出流量を判定するステップと、
(ii)患者の呼吸サイクルの位相関数を判定するステップと、
(iii)前記呼吸サイクルの時間を判定するステップと、
(iv)前回の呼吸における前記第1の時間点に対応する前記位相関数における第2の時間点を選択するステップと、
(v)前記第1の時間点と前記第2の時間点との間の流量を積算するステップと、
(vi)前記空気の流量と前記積算の結果とを比較することにより前記漏出流量を判定するステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記位相関数が不連続関数である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
呼吸サイクルにて呼吸をしている患者に接続された呼吸器からの、第1の時間点での空気漏出流量を判定する方法であって、
(i)前記第1の時間点での空気の流量を判定するステップと、
(ii)前記第1の時間点に対応する患者の呼吸サイクルにおける第1の位相値を判定するステップと、
(iii)前記第1の位相値と実質的に同じ位相値にて呼吸があった、前の呼吸サイクルにおける第2の時間点を判定するステップと、
(iv)前記第1の時間点と前記第2の時間点との間の間隔にわたる平均流量を算出するステップと、
(v)前記流量と前記平均流量とを比較することにより前記漏出流量を判定するステップと
を含む方法。
【請求項21】
患者に圧力補助を与える方法であって、
(i)漏出流量を判定するステップと、
(ii)漏出流量が急速に変化しているか否かを判定するステップと、
(iii)圧力補助のレベルを判定するステップと
(iv)前記レベルの圧力補助を患者に与えるステップと、
(v)漏出流量が急速に変化している場合に、実質的に同じレベルの圧力補助を維持するステップと
を含む方法。
【請求項22】
呼吸サイクルにて呼吸している患者に接続される呼吸器であって、
コントローラを備え、該コントローラが、
(i)前記呼吸器からの空気の流量を測定し、
(ii)1回の呼吸サイクルの時間を判定し、
(iii)前記時間と少なくとも等しい期間にわたる空気の流量の平均値を算出し、
(iv)前記空気漏出流量を前記空気の流量と前記平均値との間の差と判定するためのものである、呼吸器。
【請求項23】
呼吸サイクルにて呼吸している患者に接続される呼吸器であって、
当該呼吸器からの、第1の時間点での空気漏出流量を判定するためのコントローラを備え、前記判定が、
(i)前記呼吸器からの漏出流量を判定し、
(ii)患者の呼吸サイクルの位相関数を判定し、
(iii)前記呼吸サイクルの時間を判定し、
(iv)前回の呼吸における前記第1の時間点に対応する前記位相関数における第2の時間点を選択し、
(v)前記第1の時間点と前記第2の時間点との間の流量を積算し、
(vi)前記空気の流量と前記積算の結果とを比較することにより前記漏出流量を判定する
ことによって行われる、呼吸器。
【請求項24】
呼吸サイクルにて呼吸している患者に接続される呼吸器であって、
当該呼吸器からの、第1の時間点での空気漏出流量を判定するコントローラを備え、前記判定が、
(i)前記第1の時間点での空気の流量を判定し、
(ii)前記第1の時間点に対応する患者の呼吸サイクルにおける第1の位相値を判定し、
(iii)前記第1の位相値と実質的に同じ位相値にて呼吸があった、前の呼吸サイクルにおける第2の時間点を判定し、
(iv)前記第1の時間点と前記第2の時間点との間の間隔にわたる平均流量を算出し、
(v)前記流量と前記平均流量とを比較することにより前記漏出流量を判定する
ことによって行われる、呼吸器。
【請求項25】
患者に圧力補助を与える装置であって、
コントローラを備え、該コントローラが、
(i)漏出流量を判定し、
(ii)漏出流量が急速に変化しているか否かを判定し、
(iii)圧力補助のレベルを判定し、
(iv)前記レベルの圧力補助を患者に与え、
(v)漏出流量が急速に変化している場合に、実質的に同じレベルの圧力補助を維持するためのものである、装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【公表番号】特表2010−501290(P2010−501290A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525857(P2009−525857)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001255
【国際公開番号】WO2008/025079
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD