CPR給送催促システム
胸部加圧の実行に関する命令を与える方法は、胸部加圧連続動作において胸部加圧の給送の所望の律動に対応する一連の第1タイプの信号を供給するステップと、一連の第1タイプの信号における所望の点を示す、第2タイプの信号を供給するステップとを含む。所望の点は、胸部加圧連続動作における終了付近とするとよい。第2タイプの信号は、胸部加圧連続動作の終了までの音声カウントダウンとするとよい。第1タイプの信号は、胸部加圧に望ましい律動で送り出される一連の同一音であり、第2タイプの信号は、一連の第1の音とは異なる音であり、一連の第1タイプの信号における最後のN回の加圧の律動に対応するとよい。一連の第1タイプの信号における所望の点は、最初の加圧からの所望の間隔における第1の点を含むとよく、間隔を加圧の回数又は時間で測定する。気道が確保された患者と、気道が確保されていない患者との間でプロトコルを選択することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CPR催促及び命令に関し、更に特定すれば、本発明は、CPRを実行しているレスキュラ(救援隊)にタイミング信号を供給する方法及び装置に関する。
【従来技術】
【0002】
CPR、即ち、心肺蘇生は、心臓の緊急事態において患者の蘇生に用いられる技法である。CPRを実行するには、連続的な加圧を患者の胸部に加えて、生体組織への血流を促進する。米国心臓協会(American Heart Association)によるCPR指針では、患者への周期的な換気も必要としている。胸部加圧及び換気を適正に実行すれば、患者が生存する可能性が高くなる。適正な実行の属性には、胸部加圧を与える率、一連の胸部加圧の連続動作又は時間期間における胸部加圧の回数、換気の頻度及び率、並びに、1回毎の換気の時間期間が含まれる。
【0003】
慣例的なCPRプロトコルでは、通常、一連の胸部加圧を行い、次いで、大抵の場合その後に一連の換気を行う必要がある(プロトコルによっては、一連の換気は1回の換気のみを含む場合もある)。例えば、慣例的に用いられる成人用プロトコルでは、30回の胸部加圧、続いて2回の換気となっており、慣例的に用いられる小児用プロトコルでは、15回の加圧、続いて2回の換気となっている。CPRプロトコルによっては、一連の胸部加圧を、加圧を給送する時間間隔の長さに関して規定する場合もある。CPRプロトコルの中には、一連の換気が一連の加圧と重複することもある。例えば、気管内チューブ又はその他のデバイスによって気道が確保された患者に対して典型的なCPRプロトコルでは、所与の時間気管に連続的に胸部加圧を行い、6〜8秒毎に換気を行う(胸部加圧は休止しない)。CPR給送に望ましいプロトコルは、患者の年齢分類(即ち、成人又は子供/小児)、患者の気道状態(例えば、患者の気道が管挿入によって確保されているか否か)、CPRの給送が一人で行われているのか又は二人によって行われているのか、CPRを給送している人は専門医師なのか又は素人なのか、というような要因によって変化する可能性がある。
【0004】
米国心臓協会は、CPRプロトコルに関する指針の作成元であり、指針には、胸部加圧を実行すべき率(例えば、毎分100回の加圧)、及び換気を与えるべき期間(例えば、各換気は約1秒の期間を有するとよい)が含まれる。"2005 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care"(心肺蘇生及び緊急時心臓欠陥処置についての米国心臓協会の指針2005年), Circulation, Volume 112, Issue 24 Supplement; (December 13, 2005)によれば、救援隊は胸部加圧の中断を極力抑えなければならないとある。この文書をここで引用したことにより、その内容は本願にも含まれるものとする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
胸部加圧の実行に関する命令を与える方法は、胸部加圧連続動作において胸部加圧の給送の所望の律動に対応する一連の第1タイプの信号を供給するステップと、一連の第1タイプの信号における所望の点を示す、第2タイプの信号を供給するステップとを含む。
【0006】
この方法において、所望の点は、胸部加圧連続動作における終了付近でとするとよい。第2タイプの信号は、胸部加圧連続動作の終了までの音声によるカウントダウンとするとよい。第1タイプの信号は、胸部加圧に望ましい律動で送り出される一連の同一音とするとよく、第2タイプの信号は、一連の第1の音とは異なり、一連の第1タイプの信号における最後のN回の加圧の律動に対応する第2の一連の音であり、Nは所定数である。Nは2以上とするとよい。
音声カウントダウンは、連続動作の最後の2回の加圧の所望の律動に対応する律動において「2、1」という単語を含むことができる。
【0007】
一連の第1タイプの信号における所望の点は、最初の加圧からの所望の間隔における第1の点を含むことができる。本方法は更に、第1の点から望ましい間隔で、一連の第1タイプの信号における第2の点において信号を供給するステップを含むことができる。所望の間隔は加圧の回数で測定するとよい。所望の間隔を時間で測定してもよい。
【0008】
第1タイプの信号は第1タイプのトーン信号とするとよく、第2タイプの信号は、第1タイプのトーン信号とは区別可能な、一連の第2種類のトーン信号とするとよい。更に、本方法は、ユーザに、患者に換気を供給するように命令するプロンプトを供給するステップも含むことができ、プロンプトの持続時間は、少なくとも換気の所望の持続期間と同じ長さである。換気プロンプトは、音声プロンプトを含むことができる。換気プロンプトは、換気バッグの音を近似した音響プロンプトとしてもよい。
【0009】
本方法は、更に、気道が保護された患者に適した第1催促プロトコルと、気道が保護されていない患者に適した第2催促プロトコルとの間で選択を行うステップを含むことができる。
本方法は、更に、一連の第1タイプの信号を供給するステップの前に、胸部加圧の給送を検出するステップと、胸部加圧の検出に応答して、プロンプトの送出を開始するステップとを含むことができる。
【0010】
患者に対するCPRの給送を命令する方法では、気道を確保した患者のためのプロトコルと、気道を確保していない患者のためのプロトコルとの間で選択を行うステップと、選択したプロトコルにしたがってプロンプトを送出するステップであって、胸部加圧の所望の率で送出する律動プロンプトを含む、ステップとを含む。
選択するステップは、更に、成人患者のためのプロトコルと、非成人患者のためのプロトコルとの間の選択を行うことを含むとよい。
選択するステップは、一連の胸部加圧の給送中に実行するとよい。
【0011】
本方法は更に、胸部加圧連続動作の完了前に、一連の第2プロンプトを供給して、胸部加圧連続動作の終了が近いことを示すステップを含むことができる。
本方法は、更に、プロンプトを送出するステップの前に、胸部加圧の給送を検出するステップと、胸部加圧の検出に応答して、プロンプトの配信を開始するステップとを含むことができる。
【0012】
胸部加圧の実行に関する命令を与えるデバイスは、ユーザ・インターフェース出力デバイスと、胸部加圧連続動作において胸部加圧の給送の所望の律動に対応する一連の第1タイプの信号と、一連の第1タイプの信号における所望の点を示す、第2タイプの信号を生成するように、ユーザ・インターフェース出力デバイスに命令可能なプロセッサとを含むことができる。
【0013】
本デバイスは更に、プロセッサと通信し、胸部加圧の給送を示すパラメータを検出するセンサを含むことができる。パラメータは、患者のインピーダンスとするとよい。センサは、患者に被着するように構成された電極を含むことができ、デバイスは更に、電極に電気的に結合されているエネルギ蓄積デバイスを含むことができる。
本デバイスは更に、複数のCPRプロトコルに対する命令を格納するメモリと、プロセッサと通信するユーザ・インターフェース入力とを含むことができ、プロセッサは、入力情報に応答して、メモリからCPRプロトコルを呼び出すことができる。
【0014】
尚、以上の概略的な説明及び以下に続く詳細な説明は、例示でありそして説明のためのものであり、特許請求する発明について更に詳しく説明することを意図している。添付図面は、本発明を更に深く理解するために含まれているのであり、本明細書に組み込まれその一部をなし、本発明の様々な実施形態を図示し、説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】メトロノーム・システムのブロック図である。
【図2】メトロノーム・システムを一体化する外部除細動システムのブロック図である。
【図3】図2の除細動器によって実行することができるプロセスのフローチャートである。
【図4】除細動器/モニタの図である。
【図5】除細動器/モニタが手動モードで動作する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図6】除細動器/モニタが手動モードで動作する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図7】除細動器/モニタが手動モードで動作する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図8】除細動器/モニタが手動モードで動作する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図9】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図10】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図11】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図12】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図13】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図14】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
メトロノーム催促システム(metronome prompting system)は、胸部加圧の速さや時間の決定においてユーザを誘導する律動信号を供給し、実施形態によっては、通気の速さや時間の決定において誘導する信号も提供する。本明細書において用いる場合、メトロノーム又はメトロノーム・システムは、胸部加圧に望ましい率に対応する率の律動信号(反復音又は点滅光のような)を給送するが、その他の信号又はプロンプトを給送することもできる。メトロノーム・システムは、胸部加圧連続動作における胸部加圧の給送の所望の律動に対応する、一連の第1タイプの信号と、一連の第1タイプの信号における所望の点を示す、第2タイプの信号とを供給することができる。
【0017】
所望の点とは、胸部加圧連続動作の終点付近の点とすればよく、胸部加圧から換気への移行が近づいていることを救援隊に警告する。一連の加圧から換気への遷移において、救援隊が物理的及び精神的に加圧給送の作業から換気給送の作業に遷移する際に、時間が失われる可能性がある。これは、救援隊員が二人のとき、そして救援隊員が一人のとき双方の状況にも当てはまる。
あるいは、胸部加圧連続動作をどこまで進めたか、及び/又は胸部連続加圧動作を今後いつまで続けるのか(時間又は加圧回数)救援隊に知らせるために、一連の胸部加圧におけるいずれの点(例えば、中点)でもよい。メトロノーム・システムは、ユーザ入力を含むとよく、ユーザはユーザ入力を通じてCPRプロトコルを選択し、それに従うようにするとよい。
【0018】
図1を参照すると、単体メトロノームはプロセッサ2を含む。プロセッサ2は、種々のCPRプロトコル(protocol:規範)が格納されているメモリ3とインターフェースする。ユーザ・インターフェース4は、U/I入力デバイス5を含み、ユーザはこれを通じてどのCPRプロトコルを用いるかに作用する情報、即ち、CPRプロトコルのユーザ選択に作用する情報を入力する。これらは、以下の内の1つ以上を含むとよい。すなわち、患者は成人か又は子供/小児か、患者の気道は確保されているか否か(例えば、管挿入によって)、CPRが一人又は二人のどちらの提供業者(provider)によって管理運営されているのか、あるいは、CPRプロトコルの選択に影響を及ぼす可能性があるその他の情報である。ユーザ・インターフェース4は、ユーザに視覚信号又は聴覚信号を供給するU/I出力デバイス6も含む。プロセッサは、ユーザ入力を受け取り、対応するCPRプロトコルをメモリから呼び出し、U/I出力6にしかるべき信号及びプロンプトを供給するように命令する。
【0019】
プロセッサ2は、マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA、あるいは本明細書に記載するように動作するようにプログラミングされた、又はそれ以外の方法で構成されたその他の論理回路の形態をなすことができる。メモリ3は、RAM、ROM、CD−ROM、EEPROM、又は磁気ディスクのような、種々の電気、磁気、又は光学媒体のいずれでも用いることができる。ユーザ入力5は、キーパッド、セレクタボタン、トグル・スイッチ・セレクタ・ダイアル、又はタッチスクリーン・ソフト・キーのような、入力デバイスを含むことができる。出力デバイスは、インディケータ・ライト、CRT、LED、又はLCD画面、及びスピーカを含むことができる。
【0020】
単体メトロノーム・システム1は、小型の筐体に収容することができる。この筐体のサイズ及び形状は、患者のところまで持ち運び、ユーザの近くに配置するのに適しているものである。メトロノーム1は、交換可能及び/又は充電可能バッテリによって給電するとよい。
【0021】
これより図2を参照すると、メトロノームは、外部除細動器10のような、緊急医療デバイスの中に一体化することができる。緊急医療デバイスは、使用時に患者12に結合されるものである。メトロノームを埋め込むことができる外部除細動器の例には、WA、RedmondのPhysio-Control, Inc.によってLIFEPAKブランドの下で販売されている除細動器が含まれる。図2は、典型的な外部除細動器のブロック図である。除細動器10は、手動除細動器又は自動外部除細動器(AED)のいずれでもよく、電極14及び16を通じて患者12に除細動パルスを給送する。電極14及び16は、患者12の皮膚上に置く、接着性電極とするとよい。電極14及び16は、導体18及び20並びにインターフェース22を通じて、除細動器10に接続されている。典型的な用途では、インターフェース22はレセプタクルを含み、導体18及び20をこのレセプタクルに差し込む。インターフェース22は、スイッチ(図示せず)を含み、これを活性化すると、エネルギ蓄積回路24を電極14及び16に接続する。エネルギ蓄積回路24は、除細動パルスとして電極14及び16を通じて患者12に給送するエネルギを蓄積する、1つ以上のキャパシタのような、コンポーネントを含む。除細動パルスを患者12に給送する前に、プロセッサ26は、充電回路28に電源30からエネルギ蓄積回路24に充電するように指示する。
【0022】
プロセッサ26は、マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA、あるいは本明細書に記載するように動作するようプログラミングされた、又はそれ以外の方法で構成されたその他の論理回路の形態をなすことができる。充電回路28は、例えば、電源30からのエネルギをエネルギ蓄積回路24に転送するフライバック充電器を備えている。電源30は、例えば、バッテリ、及び/又は電気取り出し口のような、外部電源へのアダプタを備えることができる。
【0023】
患者12に接続された電極は、心臓におけるECG信号を検知し、該信号を、導体18及び20並びにインターフェース22を通じてプロセッサに伝達する。プロセッサは、これらのECG信号を分析し、除細動衝撃又はCPRがしかるべき処方であるか否か判断する。除細動衝撃又はCPR処方が適しているか否か判断するためのアルゴリズム及び分析プロセスの例は、前述した市販の除細動器において見出すことができる。
【0024】
メモリ36は、プロセッサ26に分析を実行させ、本明細書におけるプロセッサ26に処方する(ascribe)その他の機能を実行させるプログラム命令を含むことができる。メモリ36は、RAM、ROM、CD−ROM、EEPROM、又は磁気ディスクのような、種々の電気、磁気、又は光学媒体のいずれでもよい。
【0025】
ECG信号を検出し分析すること以外に、除細動器10は、患者12の胸郭インピーダンスを測定するための様々な既知のインピーダンス測定技法の任意のものを用いて、患者のインピーダンスを測定することもできる。例えば、低レベル電流技法を用いて、インピーダンスを測定することもできる。この技法では、インピーダンス測定システム34が電流源(図示せず)を用いて「励起電流」を発生する。励起電流は、「キャリア」とも呼ばれ、インターフェース22並びに電極14及び16を通じて、患者12に印加される。励起電流は、既知の振幅及び周波数の交流電流とするとよい。励起電流は、除細動衝撃の給送中に提供される典型的な除細動電流よりも、振幅がはるかに小さい。典型的な励起電流の振幅は、約100マイクロアンペア程度である。励起電流の周波数は、一般に5〜100kHzの範囲内であり、約62kHzとするとよい。インピーダンス測定システム34は、励起電流に対する応答を、電極14及び16間における時間変動電圧差として検出することができる。システム34は、電圧差を検出し得られる信号を処理するために、増幅器、フィルタ等(図示せず)、及び信号をディジタル信号に変換するためにアナログ/ディジタル・フィルタ(図示せず)を含むことができる。システム34のコントローラ(図示せず)が、プロセッサ26から受け取った信号に応答し、電流源を制御し、患者12のインピーダンスを測定するために電圧差の振幅及び位相を測定し、測定した胸郭インピーダンスをプロセッサ26に供給することができる。あるいは、コントローラをプロセッサ26の中に具体化することもできる。胸部の加圧によって患者のインピーダンスが変化するので、インピーダンス測定は、胸部加圧を検出するために用いることができる。
【0026】
除細動器10は、ユーザ・インターフェース32を有する。ユーザ・インターフェースは、U/I入力38を含み、これを通じて、ユーザは、どのCPRプロトコルを用いるかに作用する情報を入力する。これらは、以下の1つ以上を含む。すなわち、患者は成人か又は子供/小児か、患者の気道は確保されているか否か(例えば、管挿入によって)、CPRが一人又は二人のどちらの提供業者(provider)によって管理されているのか、あるいはCPRプロトコルの選択に影響を及ぼす可能性があるその他の情報である。ユーザ・インターフェースは、ユーザに視覚信号又は聴覚信号を供給するU/I出力40も含む。ECG分析によって、CPRが必要であることが示された場合、プロセッサはユーザ入力を受け取り、入力された情報に対応するCPRプロトコルをメモリから呼び出し、U/I出力6にしかるべき信号及びプロンプトを供給するように命令する。
【0027】
このユーザ・インターフェースは、プロセッサ28及びU/I出力40と通信するU/I入力38を含む。U/I出力40は、プロセッサ28からのコマンドを受け取る。除細動器のユーザ・インターフェースは、前述のように用い、前述の機能を実行することができる。U/I入力は、どのCPRプロトコルを用いるかに作用する情報を入力するために用いることができる。これらは以下の1つ以上を含む。すなわち、患者は成人か又は子供/小児か、患者の気道は確保されているか否か(例えば、管挿入によって)、CPRが一人又は二人のどちらの提供業者(provider)によって管理運営されているのか、あるいはCPRプロトコルの選択に影響を及ぼす可能性があるその他の情報である。また、ユーザ・インターフェース4は、視覚又は聴覚信号をユーザに供給するU/I出力デバイス6も含む。プロセッサは、ユーザ入力を受け取り、対応するCPRプロトコルをメモリから呼び出し、U/I出力6にしかるべき信号及びプロンプトを供給するように命令する。
【0028】
単体メトロノーム及び緊急医療デバイスに一体化されたメトロノームでは、メトロノーム信号を視覚的(点滅する光又は表示画面上のグラフィック)とするとよく、あるいは聴覚的としてもよい。好ましくは、少なくとも3種類の信号をユーザに給送する。これらは、胸部加圧についての第1タイプの信号、換気についての第2タイプの信号、そして加圧から換気への近づきつつある遷移を示す(あるいは、加圧に休止がなく換気を与えるプロトコルでは、近づきつつある換気連続動作を示す)第3タイプの信号を含む。好ましくは、3つの信号タイプは全て、ユーザによって互いに区別される。点滅光を用いる場合、異なる色にすれば、加圧、遷移、及び換気の間で区別することができる。聴覚信号は、トーン、ビープ、クリック等のような、種々の音のいずれでもよく、音声(例えば、加圧の場合「押せ−押せ−押せ」、換気の場合「換気しろ」又は「吐き出せ」)でもよい。一実施形態では、デバイスのセットアップの際にセットアップ・メニューを通じて、ユーザは、メトロノームに音声信号又は非音声信号(例えば、トーン、ビープ、クリック、トック(tocks)又はその他の非口頭音)のどちらを給送させるか選択することもできる。
【0029】
胸部加圧の信号は、胸部加圧に望ましい率に対応する率で給送される一連の同一音のような、律動信号である。換気の音を示唆する又は近似する音(例えば、押しつぶしたときにAMBUバッグの「ヒス」)を換気信号に用いてもよい。換気毎に用いられる音響信号は、換気に望ましい持続期間に対応する持続期間を有するとよい。1回よりも多い換気を有する換気連続動作では、換気音響信号も、換気給送に望ましい率に等しい率で給送する。
【0030】
遷移信号により、一人又は複数のユーザに、胸部加圧から換気(胸部加圧に休止がある場合又はない場合でも)への遷移が直ぐに訪れることを知らせる。例えば、30回加圧/2回換気プロトコルにおいてトーン、ビープ、クリック、又はトック(tock)を用いて胸部加圧を示す場合、遷移信号は、連続動作における最後の数回の加圧を音声でカウントダウンしてもよい。「トック」信号を加圧に用いる例では、最後の6回の加圧を次のように通知するとよい。
トック−トック−トック−「3−2−1」
又は、
トック−トック−トック−トック−「2−1」
【0031】
音声の「換気」を換気信号として用いる場合、「換気、換気」に続いて、以下の一連のプロンプトを与える。
トック−トック−トック−「3−2−1」。換気。換気。
又は、
トック−トック−トック−トック−「2−1」。換気。換気。
【0032】
単体メトロノーム及び除細動器と一体化したメトロノームは、任意に、聴覚信号の理解度を最適化するために、デバイスから所与の距離において所望のレベルで明確な音圧レベル(SPL)を維持する機構を含むとよい。例えば、デバイスから1メートルの距離にあるSPLを、周囲の背景ノイズよりも約10dB高くした、C加重、緩慢平均化SPLに維持するとよい。これを行うには、マイクロフォン(図1の番号7を参照)によって背景周囲ノイズを周期的又は連続的にサンプリングし、SPLを測定するためにプロセッサ2によって、必要な信号の調整を行うことによって可能となる。特徴を描写したプロンプト再生システムでは、1メートルにおいて再生されたSPLから、所与の増幅器電力が分かる。測定したSPLに基づいて、増幅器電力を調節して、周囲ノイズよりも6及び12dB間で選択可能な一定、C加重、緩慢平均化、SPLを得ることができる。
【0033】
これより図3を参照すると、図2の外部除細動器10がCPR催促のために用いることができるプロセスの一例が示されている。このプロセスは、除細動器が用いるECG信号及び他のあらゆる要因を分析して、CPRを催促するか否か判断する(ブロック42)。ブロック44において、CPRが示されない場合、CPR催促プロセスを終了し、除細動器10は、非CPRプロセスによる動作を継続する(例えば、衝撃可能(shockable)心臓律動が検出された場合、衝撃の給送を催促する)。CPRが示されている場合、プロセッサ26はメモリ38から、既に入力されている情報に対応する、CPRプロトコル命令選択肢を読み出す(ブロック48)。次いで、プロセッサはユーザ・インターフェース32を制御して、除細動器10の操作者に、インディケータ・ライト、LCD画面上のグラフィック又はテキスト、あるいは音声プロンプト等で、CPRを施術すべきことの指示を与える。音声プロンプトは、「CPR開始」というようなプロンプトとするとよく、ユーザに、メトロノーム信号の律動に従うように助言するとよい。この時点において、直前のプロンプトの給送直後に、又は直前のプロンプト後、現在の時間間隔で、メトロノーム信号を開始することができる。
【0034】
あるいは、図3に示すプロセスにおけるように、メトロノーム胸部加圧信号は、ユーザが施術する胸部加圧の検出時に開始してもよい。前述のように患者インピーダンスを分析して(ブロック52)胸部加圧を検出することができる。胸部加圧を検出する別のメカニズム及びデバイスを用いてもよい。一旦胸部加圧を検出したならば(ブロック54)、メトロノーム信号を活性化する(ブロック56)。経過時間後ある期間が過ぎても胸部加圧が検出されない場合(例えば、ユーザの誤りによって)、U/I出力が再度CPRを開始するように催促し(ブロック50)、インピーダンス分析及び加圧検出ステップを繰り返せばよい。指定時間期間の後、またしても胸部加圧が検出されない場合、プロセスは再度CPRの開始を催促するステップに戻ることができる。これは、所望の回数だけ、又は所望の秒数の間繰り返すことができ、その後、胸部加圧がなおも検出されない場合、図3のプロセスを出て非CPR手順に移る。ユーザが故意にCPRを給送しないことを選択する場合もある。例えば、医療専門家が代わりの治療が必要であると考える場合もあり、CPRを施術しない別の理由がある場合もある。このような状況に対処するために、ユーザ・インターフェース32は、ユーザが図3のプロセスを中断するメカニズムを設けるとよい。このメカニズムは、例えば、図3のプロセスが時間切れになるまで待つ代わりに、「CPRメトロノーム・オフ」を示す、タッチスクリーン上のソフト・キーとするとよい。
【0035】
ブロック54に戻り、加圧を検出した場合にメトロノーム信号を活性化する(ブロック56)。一連の胸部加圧信号を、胸部加圧給送に望ましい律動で給送する。これらに続いて、先に論じたカウントダウン信号のような、遷移信号が発生する。遷移信号に続いて、先に論じたような通気信号が発生する。
【0036】
胸部加圧及び換気の通知に関してメトロノームについて説明したが、換気の信号が望まれない状態もある。加圧専用プロトコルが、メモリに格納されているプロトコルの1つであってもよい。ユーザ入力が、加圧専用通知プロトコルを送り出すように指示する場合、遷移信号を用いて、胸部加圧連続動作の終了を示し、ユーザに、新たな行為(例えば、ECG分析が行われている間患者から手をどける)への遷移が近づきつつあることの指示を与えることができる。
【0037】
CPRプロトコルの選択を、CPRの給送中又は蘇生活動中の別のある時点で変更することが望ましい状況もある。例えば、一人の素人救援隊員がCPRを開始して、次いで医療専門家が到着した場合、彼らは一人の素人ユーザに適したプロトコルから別のプロトコルに変更することを望むことがある。また、気道が確保されていない患者に気道を確保するために管挿入を行う場合、ユーザはCPRプロトコルの選択を変更することを望む場合がある。プロセッサ26は、初期の一連の胸部加圧の前にCPRプロトコル入力をチェックし、次いで連続動作の間に又は1回連続動作が余分の行われる毎に再度チェックして、プロトコル選択に変化があるか否か確かめるとよい。
【0038】
CPRプロトコルの選択に関するユーザ入力は、直接的な様式又は間接的な様式で示すことができる。例えば、ユーザ・インターフェースはボタン、ダイアル設定値、あるいは「成人」及び「小児/子供」、又は「気道確保」及び「気道未確保」に対するソフト・キーを表示することができ、ユーザは年齢分類及び気道状態の選択肢を入力する。あるいは、年齢分類のような要因に関する入力は、プロセッサから間接的入力によって得ることもできる。例えば、除細動器を用いる場合、ユーザは、成人用電極又は小児用電極を接続することを選択することができ、手動除細動器を用いる場合、除細動器のエネルギ・レベルの選択肢を入力することができる。プロセッサは、どの電極が接続されているかに関する情報、又はどのエネルギ・レベルが選択されたかに関する情報を受け取り、それを用いて、成人用CPRプロトコル又は小児/子供用CPRプロトコルを選択することができる。
【0039】
これより図4を参照すると、手動モードで動作することができる除細動器/モニタ63は、表示画面64を有し、その上に種々の生命徴候を表示することができる。図5〜図14を参照して、メトロノームの一実施形態を埋め込む除細動器/モニタにおける表示例について、説明する。図5〜図8は、手動モードにおいて動作する除細動器についての表示例を示し、図9〜図14まではAEDにおいて動作する除細動器/モニタ又は表示画面を有するAEDにおける表示例である。
【0040】
これより、図5〜図8までを参照する。除細動器を手動モードで動作させると、ユーザはユーザ・インターフェース上にあるユーザ入力を通じていつでもメトロノームの動作を開始することを選択することができる。ユーザ入力は、画面64上にCPRアイコン66を含むことができる。アイコン66は、タッチスクリーン上の画面ボタンとするとよく、この場合ユーザは、アイコンに触れることにより、メトロノームを活性化する選択を示すことができる。あるいは、アイコンに隣接してハード・キー・ボタンを設けてもよく、これを通じてユーザはこの選択を示すことができる。また、市販されているLIFEPAK(登録商標)12除細動器/モニタ上に見られるようなセレクタ・ノブ68のような別のユーザ入力手段を用いることもできる。
【0041】
図示した実施形態では、ユーザが一旦CPRメトロノームを活性化することを選択すると、CPRプロトコルの選択肢を含むメニュー70(図6参照)が現れる。ユーザは、例えば、タッチスクリーン・ボタン、セレクタ・ノブ、又はしかるべく配列されたハード・キーのような入力手段を通じて、プロトコルを選択する。一代替案では、プロトコル選択を行ったならば、メトロノーム信号が開始し、画面が使用中のプロトコル72(図7参照)を表示し、更に、CPRメトロノームを活性化してからの経過時間74も表示することができる。これは、CPRを給送してから費やした時間の近似値としての役割を果たすことができる。前述のような第1胸部加圧を除細動器が検知する別の代替案では、メトロノーム信号は、最初の胸部加圧の給送を検知したときに開始し、ディスプレイ上のタイマは、現在のCPR期間における最初の胸部加圧以降の経過時間を表示して、CPR給送において費やした時間の一層正確な指示を与える。時間表示は、CPR期間において既に費やした時間を表示することができ、あるいはCPR期間において残っている時間を表示することもできる。別の代替案では、実行した加圧の回数又は実行すべき残りの加圧回数のカウントを、時間表示の代わりに又は時間表示に加えて、表示することもできる。
【0042】
図示の実施形態では、CPRメトロノーム・アイコン66が、CPR給送中に画面上に残るので、ユーザはCPR給送中における任意の時点で、CPRプロトコルを再入力して、CPR給送中に1つのプロトコルから別のプロトコルに変更すること、又はメトロノームを停止すること(図8における76を参照)ができる。
新たなプロトコルを選択する場合、プロセッサがCPRメトロノーム出力に与える命令によって、新たに選択されたプロトコルにおける対応点において切り換えるようにするとよい。例えば、途中の1/3の時点において成人−未確保プロトコルを介してプロトコルの選択を「成人−気道未確保」から「成人−気道確保」に変更する場合、メトロノームは、「成人−未確保」通知を停止した直後に「成人−気道確保」プロトコルの最後の2/3を通知し始める。
【0043】
図9〜図14までは、表示画面を有するAED、又はメトロノームを埋め込んであり、AEDモードで動作する除細動器/モニタについての画面表示の例である。画面表示は、聴覚音声プロンプトと平行するテキスト・メッセージを示すことができる。例えば、図9では、ECG分析によって、衝撃を助言しないことが示され、この情報を与えるテキストが表示されている。図10では、脈拍が見つからない場合にユーザにCPRを開始するように命令するメッセージが表示されている。一代替案では、メニュー78によって、ユーザにプロトコルの選択、又はメトロノームの消音の選択を行わせることもできる。これは、例えば、専門家によって用いられる除細動器/モニタにおいて望ましい。あるいは、表示はCPRを開始するプロンプトのみを示すこと、あるいはプロンプトとプロトコル・メニューを示すこと、あるいはプロンプトと「メトロノーム消音」80メニュー選択肢のみを表示することもできる。図11は、プロトコル・メニューを選択したときの、図示の例において利用可能な選択肢を示す。前述のように、メトロノームが給送することができるのであれば、プロトコル選択肢の別の任意の集合体を表示することができる。
【0044】
図10及び図11に見られるように、画面上の時計がCPRを給送するのに費やした時間、又はCPR給送に残されている時間、あるいは給送すべき加圧のカウントダウン、既に給送した加圧のカウントアップを表示することができ、時刻の代わりに又は時刻に加えて、それを表示することができる。
【0045】
図12〜図14は、画面上におけるCPRアイコンの代わりに、デバイス上にCPRキー又はボタン82を設けた例(例えば、キーパッド上)を示す。一例では、CPRボタンを押下すると、プロトコルの選択及び/又は「メトロノーム消音」(メトロノーム音響信号を消音するため)、あるいは「CPR停止」(メトロノームを停止しCPRモードから出るため)の選択肢が、画面上に現れる(図14参照)。別の実施形態では、別のメニュー選択項目又はメトロノーム選択肢があってもよく、CPRボタンを押すと画面上に表示させることができる。図13に示す例では、画面が、施す治療又はプロトコルに関わる条件についてのユーザ入力の要求を表示する。"AED with User Inputs in Response to Prompts"(プロンプトに応答するユーザ入力を有するAED)(2006年3月16日出願)と題する米国公開特許出願第2006/0058848号をここで引用し、これによってその内容全体が本願にも含まれることとする。この公開特許出願は、ユーザの入力情報についての質問及びプロンプトの例を含み、望ましければ一部の実施形態に組み込むこともできる。
【0046】
手動モード及びAEDモード双方を有するデバイスでは、CPRタイマ又は加圧カウントを表示する場合、一方のモードではカウンタに給送した加圧をカウントアップさせ、別のモードでは残りの回数をカウントダウンさせること、及び/又は一方のモードではタイマにCPRにおいて費やした時間を表示させ、別のモードでは残り時間を表示させることが望ましい場合がある。例えば、CPR給送において費やすために残っている時間のカウントダウンは、AEDモードのために表示することができ、一方CPR給送に費やした時間のカウントアップは手動モードのときに表示することができる。
【0047】
メトロノームを消音させる選択肢がユーザに入手可能な実施形態では、メトロノーム音響信号を消音している間、視覚的タイマ/カウンタを表示したままにしておくことができる。
メトロノームが発生する音が、デバイスによって送り出される可聴プロンプトやアラームよりも望ましい優先順位を有するように、プロセッサをプログラミングすることもできる。例えば、CPRを給送してデバイスがAEDモードで動作している期間中は、メトロノーム信号を他の全てのプロンプト又は信号よりも優先することができ、デバイスが手動モードで動作しているときは、除細動器の充電及び衝撃の給送に対してユーザに警告するために発生する音を除いて、全ての可聴信号よりも優先することができる。
【0048】
尚、本明細書において用いる場合、胸部加圧を含むが換気を含まないプロトコルはCPRプロトコルと見なされ、このようなプロトコルの下における換気のない胸部加圧の施術はCPRと見なされることは理解されるであろう。
本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、前述の本発明の実施形態には種々の修正や変形が可能であることは、当業者には明白であろう。したがって、本発明は、実施形態の修正や変形が、添付した特許請求の範囲及びその均等物に該当するのであれば、これらも包含するものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、CPR催促及び命令に関し、更に特定すれば、本発明は、CPRを実行しているレスキュラ(救援隊)にタイミング信号を供給する方法及び装置に関する。
【従来技術】
【0002】
CPR、即ち、心肺蘇生は、心臓の緊急事態において患者の蘇生に用いられる技法である。CPRを実行するには、連続的な加圧を患者の胸部に加えて、生体組織への血流を促進する。米国心臓協会(American Heart Association)によるCPR指針では、患者への周期的な換気も必要としている。胸部加圧及び換気を適正に実行すれば、患者が生存する可能性が高くなる。適正な実行の属性には、胸部加圧を与える率、一連の胸部加圧の連続動作又は時間期間における胸部加圧の回数、換気の頻度及び率、並びに、1回毎の換気の時間期間が含まれる。
【0003】
慣例的なCPRプロトコルでは、通常、一連の胸部加圧を行い、次いで、大抵の場合その後に一連の換気を行う必要がある(プロトコルによっては、一連の換気は1回の換気のみを含む場合もある)。例えば、慣例的に用いられる成人用プロトコルでは、30回の胸部加圧、続いて2回の換気となっており、慣例的に用いられる小児用プロトコルでは、15回の加圧、続いて2回の換気となっている。CPRプロトコルによっては、一連の胸部加圧を、加圧を給送する時間間隔の長さに関して規定する場合もある。CPRプロトコルの中には、一連の換気が一連の加圧と重複することもある。例えば、気管内チューブ又はその他のデバイスによって気道が確保された患者に対して典型的なCPRプロトコルでは、所与の時間気管に連続的に胸部加圧を行い、6〜8秒毎に換気を行う(胸部加圧は休止しない)。CPR給送に望ましいプロトコルは、患者の年齢分類(即ち、成人又は子供/小児)、患者の気道状態(例えば、患者の気道が管挿入によって確保されているか否か)、CPRの給送が一人で行われているのか又は二人によって行われているのか、CPRを給送している人は専門医師なのか又は素人なのか、というような要因によって変化する可能性がある。
【0004】
米国心臓協会は、CPRプロトコルに関する指針の作成元であり、指針には、胸部加圧を実行すべき率(例えば、毎分100回の加圧)、及び換気を与えるべき期間(例えば、各換気は約1秒の期間を有するとよい)が含まれる。"2005 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care"(心肺蘇生及び緊急時心臓欠陥処置についての米国心臓協会の指針2005年), Circulation, Volume 112, Issue 24 Supplement; (December 13, 2005)によれば、救援隊は胸部加圧の中断を極力抑えなければならないとある。この文書をここで引用したことにより、その内容は本願にも含まれるものとする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
胸部加圧の実行に関する命令を与える方法は、胸部加圧連続動作において胸部加圧の給送の所望の律動に対応する一連の第1タイプの信号を供給するステップと、一連の第1タイプの信号における所望の点を示す、第2タイプの信号を供給するステップとを含む。
【0006】
この方法において、所望の点は、胸部加圧連続動作における終了付近でとするとよい。第2タイプの信号は、胸部加圧連続動作の終了までの音声によるカウントダウンとするとよい。第1タイプの信号は、胸部加圧に望ましい律動で送り出される一連の同一音とするとよく、第2タイプの信号は、一連の第1の音とは異なり、一連の第1タイプの信号における最後のN回の加圧の律動に対応する第2の一連の音であり、Nは所定数である。Nは2以上とするとよい。
音声カウントダウンは、連続動作の最後の2回の加圧の所望の律動に対応する律動において「2、1」という単語を含むことができる。
【0007】
一連の第1タイプの信号における所望の点は、最初の加圧からの所望の間隔における第1の点を含むことができる。本方法は更に、第1の点から望ましい間隔で、一連の第1タイプの信号における第2の点において信号を供給するステップを含むことができる。所望の間隔は加圧の回数で測定するとよい。所望の間隔を時間で測定してもよい。
【0008】
第1タイプの信号は第1タイプのトーン信号とするとよく、第2タイプの信号は、第1タイプのトーン信号とは区別可能な、一連の第2種類のトーン信号とするとよい。更に、本方法は、ユーザに、患者に換気を供給するように命令するプロンプトを供給するステップも含むことができ、プロンプトの持続時間は、少なくとも換気の所望の持続期間と同じ長さである。換気プロンプトは、音声プロンプトを含むことができる。換気プロンプトは、換気バッグの音を近似した音響プロンプトとしてもよい。
【0009】
本方法は、更に、気道が保護された患者に適した第1催促プロトコルと、気道が保護されていない患者に適した第2催促プロトコルとの間で選択を行うステップを含むことができる。
本方法は、更に、一連の第1タイプの信号を供給するステップの前に、胸部加圧の給送を検出するステップと、胸部加圧の検出に応答して、プロンプトの送出を開始するステップとを含むことができる。
【0010】
患者に対するCPRの給送を命令する方法では、気道を確保した患者のためのプロトコルと、気道を確保していない患者のためのプロトコルとの間で選択を行うステップと、選択したプロトコルにしたがってプロンプトを送出するステップであって、胸部加圧の所望の率で送出する律動プロンプトを含む、ステップとを含む。
選択するステップは、更に、成人患者のためのプロトコルと、非成人患者のためのプロトコルとの間の選択を行うことを含むとよい。
選択するステップは、一連の胸部加圧の給送中に実行するとよい。
【0011】
本方法は更に、胸部加圧連続動作の完了前に、一連の第2プロンプトを供給して、胸部加圧連続動作の終了が近いことを示すステップを含むことができる。
本方法は、更に、プロンプトを送出するステップの前に、胸部加圧の給送を検出するステップと、胸部加圧の検出に応答して、プロンプトの配信を開始するステップとを含むことができる。
【0012】
胸部加圧の実行に関する命令を与えるデバイスは、ユーザ・インターフェース出力デバイスと、胸部加圧連続動作において胸部加圧の給送の所望の律動に対応する一連の第1タイプの信号と、一連の第1タイプの信号における所望の点を示す、第2タイプの信号を生成するように、ユーザ・インターフェース出力デバイスに命令可能なプロセッサとを含むことができる。
【0013】
本デバイスは更に、プロセッサと通信し、胸部加圧の給送を示すパラメータを検出するセンサを含むことができる。パラメータは、患者のインピーダンスとするとよい。センサは、患者に被着するように構成された電極を含むことができ、デバイスは更に、電極に電気的に結合されているエネルギ蓄積デバイスを含むことができる。
本デバイスは更に、複数のCPRプロトコルに対する命令を格納するメモリと、プロセッサと通信するユーザ・インターフェース入力とを含むことができ、プロセッサは、入力情報に応答して、メモリからCPRプロトコルを呼び出すことができる。
【0014】
尚、以上の概略的な説明及び以下に続く詳細な説明は、例示でありそして説明のためのものであり、特許請求する発明について更に詳しく説明することを意図している。添付図面は、本発明を更に深く理解するために含まれているのであり、本明細書に組み込まれその一部をなし、本発明の様々な実施形態を図示し、説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】メトロノーム・システムのブロック図である。
【図2】メトロノーム・システムを一体化する外部除細動システムのブロック図である。
【図3】図2の除細動器によって実行することができるプロセスのフローチャートである。
【図4】除細動器/モニタの図である。
【図5】除細動器/モニタが手動モードで動作する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図6】除細動器/モニタが手動モードで動作する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図7】除細動器/モニタが手動モードで動作する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図8】除細動器/モニタが手動モードで動作する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図9】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図10】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図11】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図12】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図13】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【図14】除細動器/モニタがAEDモードで動作し、AEDが表示画面を有する実施形態のときに表示することができる画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
メトロノーム催促システム(metronome prompting system)は、胸部加圧の速さや時間の決定においてユーザを誘導する律動信号を供給し、実施形態によっては、通気の速さや時間の決定において誘導する信号も提供する。本明細書において用いる場合、メトロノーム又はメトロノーム・システムは、胸部加圧に望ましい率に対応する率の律動信号(反復音又は点滅光のような)を給送するが、その他の信号又はプロンプトを給送することもできる。メトロノーム・システムは、胸部加圧連続動作における胸部加圧の給送の所望の律動に対応する、一連の第1タイプの信号と、一連の第1タイプの信号における所望の点を示す、第2タイプの信号とを供給することができる。
【0017】
所望の点とは、胸部加圧連続動作の終点付近の点とすればよく、胸部加圧から換気への移行が近づいていることを救援隊に警告する。一連の加圧から換気への遷移において、救援隊が物理的及び精神的に加圧給送の作業から換気給送の作業に遷移する際に、時間が失われる可能性がある。これは、救援隊員が二人のとき、そして救援隊員が一人のとき双方の状況にも当てはまる。
あるいは、胸部加圧連続動作をどこまで進めたか、及び/又は胸部連続加圧動作を今後いつまで続けるのか(時間又は加圧回数)救援隊に知らせるために、一連の胸部加圧におけるいずれの点(例えば、中点)でもよい。メトロノーム・システムは、ユーザ入力を含むとよく、ユーザはユーザ入力を通じてCPRプロトコルを選択し、それに従うようにするとよい。
【0018】
図1を参照すると、単体メトロノームはプロセッサ2を含む。プロセッサ2は、種々のCPRプロトコル(protocol:規範)が格納されているメモリ3とインターフェースする。ユーザ・インターフェース4は、U/I入力デバイス5を含み、ユーザはこれを通じてどのCPRプロトコルを用いるかに作用する情報、即ち、CPRプロトコルのユーザ選択に作用する情報を入力する。これらは、以下の内の1つ以上を含むとよい。すなわち、患者は成人か又は子供/小児か、患者の気道は確保されているか否か(例えば、管挿入によって)、CPRが一人又は二人のどちらの提供業者(provider)によって管理運営されているのか、あるいは、CPRプロトコルの選択に影響を及ぼす可能性があるその他の情報である。ユーザ・インターフェース4は、ユーザに視覚信号又は聴覚信号を供給するU/I出力デバイス6も含む。プロセッサは、ユーザ入力を受け取り、対応するCPRプロトコルをメモリから呼び出し、U/I出力6にしかるべき信号及びプロンプトを供給するように命令する。
【0019】
プロセッサ2は、マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA、あるいは本明細書に記載するように動作するようにプログラミングされた、又はそれ以外の方法で構成されたその他の論理回路の形態をなすことができる。メモリ3は、RAM、ROM、CD−ROM、EEPROM、又は磁気ディスクのような、種々の電気、磁気、又は光学媒体のいずれでも用いることができる。ユーザ入力5は、キーパッド、セレクタボタン、トグル・スイッチ・セレクタ・ダイアル、又はタッチスクリーン・ソフト・キーのような、入力デバイスを含むことができる。出力デバイスは、インディケータ・ライト、CRT、LED、又はLCD画面、及びスピーカを含むことができる。
【0020】
単体メトロノーム・システム1は、小型の筐体に収容することができる。この筐体のサイズ及び形状は、患者のところまで持ち運び、ユーザの近くに配置するのに適しているものである。メトロノーム1は、交換可能及び/又は充電可能バッテリによって給電するとよい。
【0021】
これより図2を参照すると、メトロノームは、外部除細動器10のような、緊急医療デバイスの中に一体化することができる。緊急医療デバイスは、使用時に患者12に結合されるものである。メトロノームを埋め込むことができる外部除細動器の例には、WA、RedmondのPhysio-Control, Inc.によってLIFEPAKブランドの下で販売されている除細動器が含まれる。図2は、典型的な外部除細動器のブロック図である。除細動器10は、手動除細動器又は自動外部除細動器(AED)のいずれでもよく、電極14及び16を通じて患者12に除細動パルスを給送する。電極14及び16は、患者12の皮膚上に置く、接着性電極とするとよい。電極14及び16は、導体18及び20並びにインターフェース22を通じて、除細動器10に接続されている。典型的な用途では、インターフェース22はレセプタクルを含み、導体18及び20をこのレセプタクルに差し込む。インターフェース22は、スイッチ(図示せず)を含み、これを活性化すると、エネルギ蓄積回路24を電極14及び16に接続する。エネルギ蓄積回路24は、除細動パルスとして電極14及び16を通じて患者12に給送するエネルギを蓄積する、1つ以上のキャパシタのような、コンポーネントを含む。除細動パルスを患者12に給送する前に、プロセッサ26は、充電回路28に電源30からエネルギ蓄積回路24に充電するように指示する。
【0022】
プロセッサ26は、マイクロプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA、あるいは本明細書に記載するように動作するようプログラミングされた、又はそれ以外の方法で構成されたその他の論理回路の形態をなすことができる。充電回路28は、例えば、電源30からのエネルギをエネルギ蓄積回路24に転送するフライバック充電器を備えている。電源30は、例えば、バッテリ、及び/又は電気取り出し口のような、外部電源へのアダプタを備えることができる。
【0023】
患者12に接続された電極は、心臓におけるECG信号を検知し、該信号を、導体18及び20並びにインターフェース22を通じてプロセッサに伝達する。プロセッサは、これらのECG信号を分析し、除細動衝撃又はCPRがしかるべき処方であるか否か判断する。除細動衝撃又はCPR処方が適しているか否か判断するためのアルゴリズム及び分析プロセスの例は、前述した市販の除細動器において見出すことができる。
【0024】
メモリ36は、プロセッサ26に分析を実行させ、本明細書におけるプロセッサ26に処方する(ascribe)その他の機能を実行させるプログラム命令を含むことができる。メモリ36は、RAM、ROM、CD−ROM、EEPROM、又は磁気ディスクのような、種々の電気、磁気、又は光学媒体のいずれでもよい。
【0025】
ECG信号を検出し分析すること以外に、除細動器10は、患者12の胸郭インピーダンスを測定するための様々な既知のインピーダンス測定技法の任意のものを用いて、患者のインピーダンスを測定することもできる。例えば、低レベル電流技法を用いて、インピーダンスを測定することもできる。この技法では、インピーダンス測定システム34が電流源(図示せず)を用いて「励起電流」を発生する。励起電流は、「キャリア」とも呼ばれ、インターフェース22並びに電極14及び16を通じて、患者12に印加される。励起電流は、既知の振幅及び周波数の交流電流とするとよい。励起電流は、除細動衝撃の給送中に提供される典型的な除細動電流よりも、振幅がはるかに小さい。典型的な励起電流の振幅は、約100マイクロアンペア程度である。励起電流の周波数は、一般に5〜100kHzの範囲内であり、約62kHzとするとよい。インピーダンス測定システム34は、励起電流に対する応答を、電極14及び16間における時間変動電圧差として検出することができる。システム34は、電圧差を検出し得られる信号を処理するために、増幅器、フィルタ等(図示せず)、及び信号をディジタル信号に変換するためにアナログ/ディジタル・フィルタ(図示せず)を含むことができる。システム34のコントローラ(図示せず)が、プロセッサ26から受け取った信号に応答し、電流源を制御し、患者12のインピーダンスを測定するために電圧差の振幅及び位相を測定し、測定した胸郭インピーダンスをプロセッサ26に供給することができる。あるいは、コントローラをプロセッサ26の中に具体化することもできる。胸部の加圧によって患者のインピーダンスが変化するので、インピーダンス測定は、胸部加圧を検出するために用いることができる。
【0026】
除細動器10は、ユーザ・インターフェース32を有する。ユーザ・インターフェースは、U/I入力38を含み、これを通じて、ユーザは、どのCPRプロトコルを用いるかに作用する情報を入力する。これらは、以下の1つ以上を含む。すなわち、患者は成人か又は子供/小児か、患者の気道は確保されているか否か(例えば、管挿入によって)、CPRが一人又は二人のどちらの提供業者(provider)によって管理されているのか、あるいはCPRプロトコルの選択に影響を及ぼす可能性があるその他の情報である。ユーザ・インターフェースは、ユーザに視覚信号又は聴覚信号を供給するU/I出力40も含む。ECG分析によって、CPRが必要であることが示された場合、プロセッサはユーザ入力を受け取り、入力された情報に対応するCPRプロトコルをメモリから呼び出し、U/I出力6にしかるべき信号及びプロンプトを供給するように命令する。
【0027】
このユーザ・インターフェースは、プロセッサ28及びU/I出力40と通信するU/I入力38を含む。U/I出力40は、プロセッサ28からのコマンドを受け取る。除細動器のユーザ・インターフェースは、前述のように用い、前述の機能を実行することができる。U/I入力は、どのCPRプロトコルを用いるかに作用する情報を入力するために用いることができる。これらは以下の1つ以上を含む。すなわち、患者は成人か又は子供/小児か、患者の気道は確保されているか否か(例えば、管挿入によって)、CPRが一人又は二人のどちらの提供業者(provider)によって管理運営されているのか、あるいはCPRプロトコルの選択に影響を及ぼす可能性があるその他の情報である。また、ユーザ・インターフェース4は、視覚又は聴覚信号をユーザに供給するU/I出力デバイス6も含む。プロセッサは、ユーザ入力を受け取り、対応するCPRプロトコルをメモリから呼び出し、U/I出力6にしかるべき信号及びプロンプトを供給するように命令する。
【0028】
単体メトロノーム及び緊急医療デバイスに一体化されたメトロノームでは、メトロノーム信号を視覚的(点滅する光又は表示画面上のグラフィック)とするとよく、あるいは聴覚的としてもよい。好ましくは、少なくとも3種類の信号をユーザに給送する。これらは、胸部加圧についての第1タイプの信号、換気についての第2タイプの信号、そして加圧から換気への近づきつつある遷移を示す(あるいは、加圧に休止がなく換気を与えるプロトコルでは、近づきつつある換気連続動作を示す)第3タイプの信号を含む。好ましくは、3つの信号タイプは全て、ユーザによって互いに区別される。点滅光を用いる場合、異なる色にすれば、加圧、遷移、及び換気の間で区別することができる。聴覚信号は、トーン、ビープ、クリック等のような、種々の音のいずれでもよく、音声(例えば、加圧の場合「押せ−押せ−押せ」、換気の場合「換気しろ」又は「吐き出せ」)でもよい。一実施形態では、デバイスのセットアップの際にセットアップ・メニューを通じて、ユーザは、メトロノームに音声信号又は非音声信号(例えば、トーン、ビープ、クリック、トック(tocks)又はその他の非口頭音)のどちらを給送させるか選択することもできる。
【0029】
胸部加圧の信号は、胸部加圧に望ましい率に対応する率で給送される一連の同一音のような、律動信号である。換気の音を示唆する又は近似する音(例えば、押しつぶしたときにAMBUバッグの「ヒス」)を換気信号に用いてもよい。換気毎に用いられる音響信号は、換気に望ましい持続期間に対応する持続期間を有するとよい。1回よりも多い換気を有する換気連続動作では、換気音響信号も、換気給送に望ましい率に等しい率で給送する。
【0030】
遷移信号により、一人又は複数のユーザに、胸部加圧から換気(胸部加圧に休止がある場合又はない場合でも)への遷移が直ぐに訪れることを知らせる。例えば、30回加圧/2回換気プロトコルにおいてトーン、ビープ、クリック、又はトック(tock)を用いて胸部加圧を示す場合、遷移信号は、連続動作における最後の数回の加圧を音声でカウントダウンしてもよい。「トック」信号を加圧に用いる例では、最後の6回の加圧を次のように通知するとよい。
トック−トック−トック−「3−2−1」
又は、
トック−トック−トック−トック−「2−1」
【0031】
音声の「換気」を換気信号として用いる場合、「換気、換気」に続いて、以下の一連のプロンプトを与える。
トック−トック−トック−「3−2−1」。換気。換気。
又は、
トック−トック−トック−トック−「2−1」。換気。換気。
【0032】
単体メトロノーム及び除細動器と一体化したメトロノームは、任意に、聴覚信号の理解度を最適化するために、デバイスから所与の距離において所望のレベルで明確な音圧レベル(SPL)を維持する機構を含むとよい。例えば、デバイスから1メートルの距離にあるSPLを、周囲の背景ノイズよりも約10dB高くした、C加重、緩慢平均化SPLに維持するとよい。これを行うには、マイクロフォン(図1の番号7を参照)によって背景周囲ノイズを周期的又は連続的にサンプリングし、SPLを測定するためにプロセッサ2によって、必要な信号の調整を行うことによって可能となる。特徴を描写したプロンプト再生システムでは、1メートルにおいて再生されたSPLから、所与の増幅器電力が分かる。測定したSPLに基づいて、増幅器電力を調節して、周囲ノイズよりも6及び12dB間で選択可能な一定、C加重、緩慢平均化、SPLを得ることができる。
【0033】
これより図3を参照すると、図2の外部除細動器10がCPR催促のために用いることができるプロセスの一例が示されている。このプロセスは、除細動器が用いるECG信号及び他のあらゆる要因を分析して、CPRを催促するか否か判断する(ブロック42)。ブロック44において、CPRが示されない場合、CPR催促プロセスを終了し、除細動器10は、非CPRプロセスによる動作を継続する(例えば、衝撃可能(shockable)心臓律動が検出された場合、衝撃の給送を催促する)。CPRが示されている場合、プロセッサ26はメモリ38から、既に入力されている情報に対応する、CPRプロトコル命令選択肢を読み出す(ブロック48)。次いで、プロセッサはユーザ・インターフェース32を制御して、除細動器10の操作者に、インディケータ・ライト、LCD画面上のグラフィック又はテキスト、あるいは音声プロンプト等で、CPRを施術すべきことの指示を与える。音声プロンプトは、「CPR開始」というようなプロンプトとするとよく、ユーザに、メトロノーム信号の律動に従うように助言するとよい。この時点において、直前のプロンプトの給送直後に、又は直前のプロンプト後、現在の時間間隔で、メトロノーム信号を開始することができる。
【0034】
あるいは、図3に示すプロセスにおけるように、メトロノーム胸部加圧信号は、ユーザが施術する胸部加圧の検出時に開始してもよい。前述のように患者インピーダンスを分析して(ブロック52)胸部加圧を検出することができる。胸部加圧を検出する別のメカニズム及びデバイスを用いてもよい。一旦胸部加圧を検出したならば(ブロック54)、メトロノーム信号を活性化する(ブロック56)。経過時間後ある期間が過ぎても胸部加圧が検出されない場合(例えば、ユーザの誤りによって)、U/I出力が再度CPRを開始するように催促し(ブロック50)、インピーダンス分析及び加圧検出ステップを繰り返せばよい。指定時間期間の後、またしても胸部加圧が検出されない場合、プロセスは再度CPRの開始を催促するステップに戻ることができる。これは、所望の回数だけ、又は所望の秒数の間繰り返すことができ、その後、胸部加圧がなおも検出されない場合、図3のプロセスを出て非CPR手順に移る。ユーザが故意にCPRを給送しないことを選択する場合もある。例えば、医療専門家が代わりの治療が必要であると考える場合もあり、CPRを施術しない別の理由がある場合もある。このような状況に対処するために、ユーザ・インターフェース32は、ユーザが図3のプロセスを中断するメカニズムを設けるとよい。このメカニズムは、例えば、図3のプロセスが時間切れになるまで待つ代わりに、「CPRメトロノーム・オフ」を示す、タッチスクリーン上のソフト・キーとするとよい。
【0035】
ブロック54に戻り、加圧を検出した場合にメトロノーム信号を活性化する(ブロック56)。一連の胸部加圧信号を、胸部加圧給送に望ましい律動で給送する。これらに続いて、先に論じたカウントダウン信号のような、遷移信号が発生する。遷移信号に続いて、先に論じたような通気信号が発生する。
【0036】
胸部加圧及び換気の通知に関してメトロノームについて説明したが、換気の信号が望まれない状態もある。加圧専用プロトコルが、メモリに格納されているプロトコルの1つであってもよい。ユーザ入力が、加圧専用通知プロトコルを送り出すように指示する場合、遷移信号を用いて、胸部加圧連続動作の終了を示し、ユーザに、新たな行為(例えば、ECG分析が行われている間患者から手をどける)への遷移が近づきつつあることの指示を与えることができる。
【0037】
CPRプロトコルの選択を、CPRの給送中又は蘇生活動中の別のある時点で変更することが望ましい状況もある。例えば、一人の素人救援隊員がCPRを開始して、次いで医療専門家が到着した場合、彼らは一人の素人ユーザに適したプロトコルから別のプロトコルに変更することを望むことがある。また、気道が確保されていない患者に気道を確保するために管挿入を行う場合、ユーザはCPRプロトコルの選択を変更することを望む場合がある。プロセッサ26は、初期の一連の胸部加圧の前にCPRプロトコル入力をチェックし、次いで連続動作の間に又は1回連続動作が余分の行われる毎に再度チェックして、プロトコル選択に変化があるか否か確かめるとよい。
【0038】
CPRプロトコルの選択に関するユーザ入力は、直接的な様式又は間接的な様式で示すことができる。例えば、ユーザ・インターフェースはボタン、ダイアル設定値、あるいは「成人」及び「小児/子供」、又は「気道確保」及び「気道未確保」に対するソフト・キーを表示することができ、ユーザは年齢分類及び気道状態の選択肢を入力する。あるいは、年齢分類のような要因に関する入力は、プロセッサから間接的入力によって得ることもできる。例えば、除細動器を用いる場合、ユーザは、成人用電極又は小児用電極を接続することを選択することができ、手動除細動器を用いる場合、除細動器のエネルギ・レベルの選択肢を入力することができる。プロセッサは、どの電極が接続されているかに関する情報、又はどのエネルギ・レベルが選択されたかに関する情報を受け取り、それを用いて、成人用CPRプロトコル又は小児/子供用CPRプロトコルを選択することができる。
【0039】
これより図4を参照すると、手動モードで動作することができる除細動器/モニタ63は、表示画面64を有し、その上に種々の生命徴候を表示することができる。図5〜図14を参照して、メトロノームの一実施形態を埋め込む除細動器/モニタにおける表示例について、説明する。図5〜図8は、手動モードにおいて動作する除細動器についての表示例を示し、図9〜図14まではAEDにおいて動作する除細動器/モニタ又は表示画面を有するAEDにおける表示例である。
【0040】
これより、図5〜図8までを参照する。除細動器を手動モードで動作させると、ユーザはユーザ・インターフェース上にあるユーザ入力を通じていつでもメトロノームの動作を開始することを選択することができる。ユーザ入力は、画面64上にCPRアイコン66を含むことができる。アイコン66は、タッチスクリーン上の画面ボタンとするとよく、この場合ユーザは、アイコンに触れることにより、メトロノームを活性化する選択を示すことができる。あるいは、アイコンに隣接してハード・キー・ボタンを設けてもよく、これを通じてユーザはこの選択を示すことができる。また、市販されているLIFEPAK(登録商標)12除細動器/モニタ上に見られるようなセレクタ・ノブ68のような別のユーザ入力手段を用いることもできる。
【0041】
図示した実施形態では、ユーザが一旦CPRメトロノームを活性化することを選択すると、CPRプロトコルの選択肢を含むメニュー70(図6参照)が現れる。ユーザは、例えば、タッチスクリーン・ボタン、セレクタ・ノブ、又はしかるべく配列されたハード・キーのような入力手段を通じて、プロトコルを選択する。一代替案では、プロトコル選択を行ったならば、メトロノーム信号が開始し、画面が使用中のプロトコル72(図7参照)を表示し、更に、CPRメトロノームを活性化してからの経過時間74も表示することができる。これは、CPRを給送してから費やした時間の近似値としての役割を果たすことができる。前述のような第1胸部加圧を除細動器が検知する別の代替案では、メトロノーム信号は、最初の胸部加圧の給送を検知したときに開始し、ディスプレイ上のタイマは、現在のCPR期間における最初の胸部加圧以降の経過時間を表示して、CPR給送において費やした時間の一層正確な指示を与える。時間表示は、CPR期間において既に費やした時間を表示することができ、あるいはCPR期間において残っている時間を表示することもできる。別の代替案では、実行した加圧の回数又は実行すべき残りの加圧回数のカウントを、時間表示の代わりに又は時間表示に加えて、表示することもできる。
【0042】
図示の実施形態では、CPRメトロノーム・アイコン66が、CPR給送中に画面上に残るので、ユーザはCPR給送中における任意の時点で、CPRプロトコルを再入力して、CPR給送中に1つのプロトコルから別のプロトコルに変更すること、又はメトロノームを停止すること(図8における76を参照)ができる。
新たなプロトコルを選択する場合、プロセッサがCPRメトロノーム出力に与える命令によって、新たに選択されたプロトコルにおける対応点において切り換えるようにするとよい。例えば、途中の1/3の時点において成人−未確保プロトコルを介してプロトコルの選択を「成人−気道未確保」から「成人−気道確保」に変更する場合、メトロノームは、「成人−未確保」通知を停止した直後に「成人−気道確保」プロトコルの最後の2/3を通知し始める。
【0043】
図9〜図14までは、表示画面を有するAED、又はメトロノームを埋め込んであり、AEDモードで動作する除細動器/モニタについての画面表示の例である。画面表示は、聴覚音声プロンプトと平行するテキスト・メッセージを示すことができる。例えば、図9では、ECG分析によって、衝撃を助言しないことが示され、この情報を与えるテキストが表示されている。図10では、脈拍が見つからない場合にユーザにCPRを開始するように命令するメッセージが表示されている。一代替案では、メニュー78によって、ユーザにプロトコルの選択、又はメトロノームの消音の選択を行わせることもできる。これは、例えば、専門家によって用いられる除細動器/モニタにおいて望ましい。あるいは、表示はCPRを開始するプロンプトのみを示すこと、あるいはプロンプトとプロトコル・メニューを示すこと、あるいはプロンプトと「メトロノーム消音」80メニュー選択肢のみを表示することもできる。図11は、プロトコル・メニューを選択したときの、図示の例において利用可能な選択肢を示す。前述のように、メトロノームが給送することができるのであれば、プロトコル選択肢の別の任意の集合体を表示することができる。
【0044】
図10及び図11に見られるように、画面上の時計がCPRを給送するのに費やした時間、又はCPR給送に残されている時間、あるいは給送すべき加圧のカウントダウン、既に給送した加圧のカウントアップを表示することができ、時刻の代わりに又は時刻に加えて、それを表示することができる。
【0045】
図12〜図14は、画面上におけるCPRアイコンの代わりに、デバイス上にCPRキー又はボタン82を設けた例(例えば、キーパッド上)を示す。一例では、CPRボタンを押下すると、プロトコルの選択及び/又は「メトロノーム消音」(メトロノーム音響信号を消音するため)、あるいは「CPR停止」(メトロノームを停止しCPRモードから出るため)の選択肢が、画面上に現れる(図14参照)。別の実施形態では、別のメニュー選択項目又はメトロノーム選択肢があってもよく、CPRボタンを押すと画面上に表示させることができる。図13に示す例では、画面が、施す治療又はプロトコルに関わる条件についてのユーザ入力の要求を表示する。"AED with User Inputs in Response to Prompts"(プロンプトに応答するユーザ入力を有するAED)(2006年3月16日出願)と題する米国公開特許出願第2006/0058848号をここで引用し、これによってその内容全体が本願にも含まれることとする。この公開特許出願は、ユーザの入力情報についての質問及びプロンプトの例を含み、望ましければ一部の実施形態に組み込むこともできる。
【0046】
手動モード及びAEDモード双方を有するデバイスでは、CPRタイマ又は加圧カウントを表示する場合、一方のモードではカウンタに給送した加圧をカウントアップさせ、別のモードでは残りの回数をカウントダウンさせること、及び/又は一方のモードではタイマにCPRにおいて費やした時間を表示させ、別のモードでは残り時間を表示させることが望ましい場合がある。例えば、CPR給送において費やすために残っている時間のカウントダウンは、AEDモードのために表示することができ、一方CPR給送に費やした時間のカウントアップは手動モードのときに表示することができる。
【0047】
メトロノームを消音させる選択肢がユーザに入手可能な実施形態では、メトロノーム音響信号を消音している間、視覚的タイマ/カウンタを表示したままにしておくことができる。
メトロノームが発生する音が、デバイスによって送り出される可聴プロンプトやアラームよりも望ましい優先順位を有するように、プロセッサをプログラミングすることもできる。例えば、CPRを給送してデバイスがAEDモードで動作している期間中は、メトロノーム信号を他の全てのプロンプト又は信号よりも優先することができ、デバイスが手動モードで動作しているときは、除細動器の充電及び衝撃の給送に対してユーザに警告するために発生する音を除いて、全ての可聴信号よりも優先することができる。
【0048】
尚、本明細書において用いる場合、胸部加圧を含むが換気を含まないプロトコルはCPRプロトコルと見なされ、このようなプロトコルの下における換気のない胸部加圧の施術はCPRと見なされることは理解されるであろう。
本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、前述の本発明の実施形態には種々の修正や変形が可能であることは、当業者には明白であろう。したがって、本発明は、実施形態の修正や変形が、添付した特許請求の範囲及びその均等物に該当するのであれば、これらも包含するものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胸部加圧の実行に関する命令を提供する方法であって、
胸部加圧の連続動作において胸部加圧の給送の所望の律動に対応する一連の第1タイプの信号を供給するステップと、
前記一連の第1タイプの信号における所望の点を示す第2タイプの信号を供給するステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記所望の点は、前記胸部加圧連続動作における終了付近であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、前記第2タイプの信号は、前記胸部加圧連続動作の終了までの音声カウントダウンであることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、前記第1タイプの信号は、前記胸部加圧に望ましい律動で送り出される一連の同一音であり、前記第2タイプの信号は、前記一連の第1の音とは異なり、前記一連の第1タイプの信号における最後の所定のN回の加圧の律動に対応する第2の一連の音であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、Nは2以上であることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項3記載の方法において、前記音声カウントダウンは、前記連続動作の最後の2回の加圧の所望の律動に対応する律動において「2、1」という単語を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記一連の第1タイプの信号における所望の点は、最初の加圧からの所望の間隔における第1の点を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、該方法は更に、前記第1の点から望ましい間隔で、前記一連の第1タイプの信号における第2の点において信号を供給するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項7記載の方法において、前記所望の間隔は加圧の回数で測定されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項7記載の方法において、前記所望の間隔は時間で測定されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項2記載の方法において、前記第1タイプの信号は、第1タイプのトーン信号であり、前記第2タイプの信号は、前記第1タイプのトーン信号とは区別可能な、一連の第2種類のトーン信号であることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項2記載の方法において、該方法は更に、ユーザに、前記患者に換気を供給するように命令するプロンプトを供給するステップを備えており、前記プロンプトの持続時間は、少なくとも前記換気の所望の持続期間と同じ長さであることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、前記換気プロンプトは、音声プロンプトを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法において、前記換気プロンプトは、換気バッグの音を近似した音響プロンプトであることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1記載の方法において、該方法は更に、気道が保護された患者に適した第1催促プロトコルと、気道が保護されていない患者に適した第2催促プロトコルとの間で、選択を行うステップを備えていることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法において、該方法は更に、一連の第1タイプの信号を供給する前記ステップの前に、
胸部加圧の給送を検出するステップと、
胸部加圧の検出に応答して、前記プロンプトの送出を開始するステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項17】
患者に対するCPRの給送を指令する方法であって、
気道を確保した患者のためのプロトコルと、気道を確保していない患者のためのプロトコルとの間で、選択を行うステップと、
前記選択したプロトコルにしたがってプロンプトを送出するステップであって、胸部加圧の所望の率で送出する律動プロンプトを含む、ステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、前記選択するステップは更に、成人患者のためのプロトコルと、非成人患者のためのプロトコルとの間で、選択を行うステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17記載の方法において、前記選択するステップは、一連の胸部加圧の給送中に実行されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17記載の方法において、該方法は更に、前記胸部加圧連続動作の完了前に、一連の第2プロンプトを供給して、前記胸部加圧連続動作の終了が近いことを示すステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項17記載の方法において、該方法は更に、
前記プロンプトを送出するステップの前に、胸部加圧の給送を検出するステップと、
胸部加圧の検出に応答して、前記プロンプトの配信を開始するステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項22】
胸部加圧の実行に関する命令を与えるデバイスであって、
ユーザ・インターフェース出力デバイスと、
胸部加圧連続動作において胸部加圧の給送の所望の律動に対応する一連の第1タイプの信号と、前記一連の第1タイプの信号における所望の点を示す、第2タイプの信号を生成するように、前記ユーザ・インターフェース出力デバイスに命令可能なプロセッサと
を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項23】
請求項23記載のデバイスにおいて、該デバイスは更に、前記プロセッサと通信し、胸部加圧の給送を示すパラメータを検出するセンサを備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項24】
請求項23記載のデバイスにおいて、前記パラメータは患者のインピーダンスであることを特徴とするデバイス。
【請求項25】
請求項24記載のデバイスにおいて、前記センサは、患者に被着するように構成された電極を含み、前記デバイスは、更に、前記電極に電気的に結合されているエネルギ蓄積デバイスを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項26】
請求項22記載のデバイスにおいて、該デバイスは更に、
複数のCPRプロトコルに対する命令を格納するメモリと、
前記プロセッサと通信するユーザ・インターフェース入力と
を備えており、前記プロセッサは、前記入力情報に応答して、前記メモリからCPRプロトコルを呼び出すことができるよう構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項1】
胸部加圧の実行に関する命令を提供する方法であって、
胸部加圧の連続動作において胸部加圧の給送の所望の律動に対応する一連の第1タイプの信号を供給するステップと、
前記一連の第1タイプの信号における所望の点を示す第2タイプの信号を供給するステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記所望の点は、前記胸部加圧連続動作における終了付近であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、前記第2タイプの信号は、前記胸部加圧連続動作の終了までの音声カウントダウンであることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、前記第1タイプの信号は、前記胸部加圧に望ましい律動で送り出される一連の同一音であり、前記第2タイプの信号は、前記一連の第1の音とは異なり、前記一連の第1タイプの信号における最後の所定のN回の加圧の律動に対応する第2の一連の音であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、Nは2以上であることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項3記載の方法において、前記音声カウントダウンは、前記連続動作の最後の2回の加圧の所望の律動に対応する律動において「2、1」という単語を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記一連の第1タイプの信号における所望の点は、最初の加圧からの所望の間隔における第1の点を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、該方法は更に、前記第1の点から望ましい間隔で、前記一連の第1タイプの信号における第2の点において信号を供給するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項7記載の方法において、前記所望の間隔は加圧の回数で測定されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項7記載の方法において、前記所望の間隔は時間で測定されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項2記載の方法において、前記第1タイプの信号は、第1タイプのトーン信号であり、前記第2タイプの信号は、前記第1タイプのトーン信号とは区別可能な、一連の第2種類のトーン信号であることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項2記載の方法において、該方法は更に、ユーザに、前記患者に換気を供給するように命令するプロンプトを供給するステップを備えており、前記プロンプトの持続時間は、少なくとも前記換気の所望の持続期間と同じ長さであることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法において、前記換気プロンプトは、音声プロンプトを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法において、前記換気プロンプトは、換気バッグの音を近似した音響プロンプトであることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1記載の方法において、該方法は更に、気道が保護された患者に適した第1催促プロトコルと、気道が保護されていない患者に適した第2催促プロトコルとの間で、選択を行うステップを備えていることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法において、該方法は更に、一連の第1タイプの信号を供給する前記ステップの前に、
胸部加圧の給送を検出するステップと、
胸部加圧の検出に応答して、前記プロンプトの送出を開始するステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項17】
患者に対するCPRの給送を指令する方法であって、
気道を確保した患者のためのプロトコルと、気道を確保していない患者のためのプロトコルとの間で、選択を行うステップと、
前記選択したプロトコルにしたがってプロンプトを送出するステップであって、胸部加圧の所望の率で送出する律動プロンプトを含む、ステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、前記選択するステップは更に、成人患者のためのプロトコルと、非成人患者のためのプロトコルとの間で、選択を行うステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17記載の方法において、前記選択するステップは、一連の胸部加圧の給送中に実行されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17記載の方法において、該方法は更に、前記胸部加圧連続動作の完了前に、一連の第2プロンプトを供給して、前記胸部加圧連続動作の終了が近いことを示すステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項17記載の方法において、該方法は更に、
前記プロンプトを送出するステップの前に、胸部加圧の給送を検出するステップと、
胸部加圧の検出に応答して、前記プロンプトの配信を開始するステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項22】
胸部加圧の実行に関する命令を与えるデバイスであって、
ユーザ・インターフェース出力デバイスと、
胸部加圧連続動作において胸部加圧の給送の所望の律動に対応する一連の第1タイプの信号と、前記一連の第1タイプの信号における所望の点を示す、第2タイプの信号を生成するように、前記ユーザ・インターフェース出力デバイスに命令可能なプロセッサと
を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項23】
請求項23記載のデバイスにおいて、該デバイスは更に、前記プロセッサと通信し、胸部加圧の給送を示すパラメータを検出するセンサを備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項24】
請求項23記載のデバイスにおいて、前記パラメータは患者のインピーダンスであることを特徴とするデバイス。
【請求項25】
請求項24記載のデバイスにおいて、前記センサは、患者に被着するように構成された電極を含み、前記デバイスは、更に、前記電極に電気的に結合されているエネルギ蓄積デバイスを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項26】
請求項22記載のデバイスにおいて、該デバイスは更に、
複数のCPRプロトコルに対する命令を格納するメモリと、
前記プロセッサと通信するユーザ・インターフェース入力と
を備えており、前記プロセッサは、前記入力情報に応答して、前記メモリからCPRプロトコルを呼び出すことができるよう構成されていることを特徴とするデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2010−515546(P2010−515546A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545692(P2009−545692)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/050800
【国際公開番号】WO2008/086496
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509055046)フィジオ−コントロール・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/050800
【国際公開番号】WO2008/086496
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509055046)フィジオ−コントロール・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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