説明

CPU実装ユニツトの活線挿抜方法

【目的】 例えば、共通バスに複数のCPUを実装したユニットが接続されていて、このユニットを電源オン状態で挿抜する際に使用するCPU実装ユニットの活線挿抜方法に関し、活線挿抜が容易に行える様にすることを目的とする。
【構成】 活線挿抜要求を発生する活線挿抜要求手段3と、該活線挿抜要求を含む複数種類の割り込み要因のうち、いずれかの割り込み要因が入力する毎に、該CPUに対して割り込みを通知すると共に、入力した割り込みの種類を識別して内部に格納する割り込み生成・識別手段4とを設け、該CPUは、上記の通知により、割り込み生成・識別手段に格納された割り込みが、活線挿抜要求であることを確認した時、他ユニットに対する活線挿抜要求の通知、および自ユニットと該共通バスとの接続制御5を行って、ユニットの活線挿抜を行う様に構成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、共通バスに複数のCPU を実装したユニットが接続されていて、このユニットを電源オン状態で挿抜する際に使用するCPU 実装ユニットの活線挿抜方法に関するものである。
【0002】近年、ハード技術の発展に伴いCPU 間の通信が広く行われる様になってきているが、CPU を実装したユニットの障害などにより、このユニットの活線挿抜を行わなければならない場合が生ずるが、この時、ユニットの活線挿抜が簡単に行える様にすることが必要である。
【0003】
【従来の技術】図3は従来例の構成図である。ここで、図に示す様なCPU を実装したユニットが共通バスを介して同一構成のユニット(図示せず)と相互に接続されているとする。以下、図の動作を説明する。
【0004】先ず、内部バス14に、図示しないROM とRAM が接続されていて、ROM にはCPUが実行すべきプログラムが、RAM には共通バス16, バスドライバ13を介して入力したデータがそれぞれ格納されているとする。
【0005】そして、CPU 11はROM から読み出されたプログラムに従って、RAM 内のデータを処理して、例えば、バスドライバ13, 共通バス16を介して別のユニットに送出している。
【0006】なお、発光ダイオードD1はCPU 11が動作中のみ発光し、発光ダイオードD2はウオッチドッグタイマ(WDT)15 がCPU の異常動作を検出した時に発光する。また、スイッチSW3 はバスドライバをオン/ オフする為のもので、点線の状態でオン状態になっている。
【0007】さて、CPU を実装したユニット( 以下、ユニットと省略する) を電源オンの状態でコネクタ17から抜去する必要が生じた時、スイックSW2 をオンして点線の状態にすると、ビジイ信号発生器12から、このユニットを活線抜去したい旨を示すビジイ信号がCPU 11に送出される。
【0008】CPU はビジイ信号が印加されたことを検出すると、プログラムで指示された部分で動作を停止する。これにより、発光ダイオードD1が消灯する。保守者は発光ダイオードの消灯を確認した後、図示しない引抜き工具を用いてスイッチSW1 をオンして点線状態にする。これにより、CPU はリセットされて初期状態に保持される。なお、引抜き工具がない時は、保守者がスイッチSW1 を押し続けて、CPU を上記の状態にする。
【0009】その後、ユニット内の内部バス14と共通バス16との間の切離しをしなければならないが、CPU 11がソフトで自動的に切離しを実行しない場合、保守者はスイッチSW3 を実線の様にオフにしてバスドライバ13をオフ状態にする。
【0010】これにより共通バスから内部バスが切り離されたので、CPU 実装ユニットを抜去して、このユニットの点検を行う。次に、ユニットを挿入する場合、ユニット挿入後、スイッチSW3 を点線の様にオンにしてバスドライバ13をオン状態にすると共に、スイッチSW2 をオフにしてビジイ信号の送出を断にする。その後、スイッチSW1 をオフにしてリセットを解除するので、CPU は初期状態から動作状態となり、発光ダイオードD1が再び点灯する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、ユニットを挿抜する為にはスイッチSW1 〜SW3 の操作や発光ダイオードの点灯, 消灯の確認などを行う必要があるので、CPU 実装ユニットの挿抜が簡単に行えないと云う問題がある。
【0012】本発明はユニットの活線挿抜が簡単に行える様にすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理構成図である。図中、3は活線挿抜要求を発生する活線挿抜要求手段、4は該活線挿抜要求を含む複数種類の割り込みのうち、いずれかの割り込みが入力する度に、CPU2に対して割り込みの入力を通知すると共に、入力した割り込みの種類を識別して内部に格納する割り込み生成・識別手段、5は接続制御である。
【0014】そして、CPUは、上記の通知により、割り込み生成・識別手段に格納された割り込みが、活線挿抜要求であることを認識した時、他ユニットに対する活線挿抜の通知、および自ユニットと該共通バスとの接続制御5を行って、ユニットの活線挿抜を行う様にした。
【0015】
【作用】本発明は、活線挿抜要求を発生する活線挿抜要求手段と、複数種類の割り込み要因が入力する度に、CPU に対して割り込みの入力を通知すると共に、入力した割り込みの種類を識別して内部に格納する割り込み生成・識別手段とを設ける。
【0016】さて、活線挿抜要求手段から活線挿抜要求を割り込み生成・識別手段に送出すると、ここからCPU に対して割り込みの入力を通知すると共に、割り込みの種類を識別して内部に格納する。
【0017】CPU は、割り込み生成・識別手段にアクセスして、割り込みが自ユニットの活線抜去であることを認識した時、処理の停止、他ユニットに対する活線抜去の通知を行った後、自ユニットを共通バスから切離し、ユニットを電源オン状態のまま抜去する。
【0018】一方、抜去したユニットを活線挿入するには、上記の順序と逆に、ユニットの挿入、活線挿抜要求手段からの活線抜去要求の断をした後、CPUを初期化して処理を開始させる。
【0019】なお、これらの動作は、活線挿抜要求を送出すれば、以後の手順は自動的に行われる様になっているので、活線挿抜が簡単に行える。
【0020】
【実施例】図2は本発明の実施例の構成図である。ここで、スイッチSW5は活線挿抜要求発生手段3の構成部分、割り込み生成回路41, 割り込み識別回路42は割り込み生成・識別手段4の構成部分、バスインタフェース51, バス52, 53は接続制御5の構成部分である。
【0021】以下、図の動作を説明する。なお、CPU を実装したユニットが複数, 共通バスに接続されているが図示してないものとする。
< ユニットの活線抜去を行う場合>スイッチSW5 を点線の様にオン状態にして、ユニットの活線抜去に対応する割り込みを割り込み生成回路41と割り込み識別回路42に印加する。
【0022】前者は、直ちに割り込みがあったことをCPU 2に通知し、後者は割り込みの種類が「ユニットの活線抜去」であることを識別し、例えば内部の対応するレジスタにフラグを立てる。
【0023】一方、CPU は割り込みの通知により、バス52, バスインタフェース51, バス53を介して割り込み識別回路42にアクセスして割り込みの種類が「ユニットの活線抜去」であることを認識する。
【0024】そこで、CPU は、現在の処理が一段落した所で処理を終了すると共に、バス52, バスインタフェース51を介して共通バス61に介して「ユニットの活線抜去」に対応するデータを送出した後、バスインタフェース51をハイインピース状態にして共通バスと自ユニットとの接続を断にすると共に、動作を停止する。
【0025】これにより、CPU が動作中、点灯していた発光ダイオードD1が消灯するので、消灯を確認した上でユニットを抜去する。即ち、スイッチSW5 を操作した後は、予め、作成したプログラムにより発光ダイオードの消灯までの動作が自動的に行われる。
【0026】なお、割り込み生成回路42には他の割り込み要求も入力するので、予め、全ての割り込みに対して優先順位を付与する。この時、ユニットの活線挿抜に対しては最も高い優先順位を付与することにより、CPU は活線挿抜の割り込みが入れば、この割り込みを最優先で上記の様に処理することになる。
< ユニットの活線挿入を行う場合>ユニットを挿入した後、スイッチSW5 を実線の様にオフ状態にして「ユニットの活線抜去」を断にすると共に、スイッチSW4 を一時, 点線の様にオン状態にする。これにより、CPU は初期状態にリセットされた後、立ち上って動作を開始するが、これに対応して発光ダイオードD1が再び、点灯する。
【0027】また、バスインタフェースを低インピーダンス状態にして、このユニットと共通バスとを接続して復旧する。即ち、スイッチSW5 でユニットの活線挿抜が可能となり、また保守員がスイッチSW5 をオンしてからユニットを抜去するまでの時間より、活線挿抜の割り込みを受けたCPU の処理の方が早い為、直ぐにユニットを抜くことが可能となる。
【0028】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に本発明によれば、CPU を実装したユニットの活線挿抜が簡単に行える様になると云う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の実施例の構成図である。
【図3】従来例の構成図である。
【符号の説明】
2 CPU
3 活線挿抜要求手段
4 割り込み生成・識別手段
5 接続制御

【特許請求の範囲】
【請求項1】 CPU(2) を実装した複数のユニットが共通バス(61)に接続されていて、各ユニットが予め定められた処理を行う処理システムにおいて、活線挿抜要求を発生する活線挿抜要求手段(3) と、該活線挿抜要求を含む複数種類の割り込みのうち、いずれかの割り込みが入力する度に、該CPUに対して割り込みの入力を通知すると共に、入力した割り込みの種類を識別して内部に格納する割り込み生成・識別手段(4) とを設け、該CPUは、上記の通知により、割り込み生成・識別手段に格納された割り込みが、活線挿抜要求であることを認識した時、他ユニットに対する活線挿抜の通知、および自ユニットと該共通バスとの接続制御(5) を行って、ユニットの活線挿抜を行うことを特徴とするCPU実装ユニットの活線挿抜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開平5−11888
【公開日】平成5年(1993)1月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−161966
【出願日】平成3年(1991)7月3日
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)