説明

EGFR突然変異を定量的に検出するための試薬キット

本発明は、分子標的抗癌薬の治療効果に関連するEGFR遺伝子の突然変異の検出方法及び検出するための試薬キットに関する。特に、EGFR遺伝子の突然変異のホットスポットにおいて、突然変異を検出する蛍光定量PCR検出方法、試薬キット及びその応用に関する。本発明はEGFR遺伝子の特定部位の突然変異に対して検出するとともに、分子標的抗腫瘍薬EGFRチロシンキナーゼ阻害剤に対してその治療効果を予測し、これによって、腫瘍患者の臨床個別化医療法に指導を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor, EGFR)は、人体の各組織細胞膜上に広く分布する多機能糖タンパク質であって、HER/ErbBファミリーの一つとして、腫瘍の増殖、血管の新生、腫瘍の転移及び抗アポトーシスに関連する。
【0002】
大部分の腫瘍細胞は、EGFR及びその天然のリガンドを発現し、結合された後に自己リン酸化を引き起こし、一連の反応を経て核内にシグナルを伝達することによって、腫瘍細胞の成長及びアポトーシス、腫瘍血管の形成に影響を与え、そのことで腫瘍の発達及び進行に影響を与える。
【0003】
EGFRが、癌の発生及び発達の段階において重要な役割を果たすことが研究で示された。EGFRに対する標的治療薬、例えば、アバスチン(AVASTIN)、タルセバ(エルロチニブ Erlotinib)、ゲフィチニブ(イレッサ Irressa)等のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)は、腫瘍細胞EGFRのシグナル伝達を遮断することによって、腫瘍細胞の増殖、浸潤、転移、血管の新生を抑制できると共に、腫瘍細胞のアポトーシスを促進できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
しかし、臨床実験において、8〜18%の非小細胞肺癌患者しかイレッサなどのEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の恩恵を受けることができない(Pazez JGら,Science, 2004年,304:1497-1500;Sequist LVら,Oncologist, 2007年,12(1):90-8)。目下、突然変異したEGFR遺伝子を持つ患者に対する治療効果が顕著であり、突然変異の頻度が高いグループは、イレッサに対する感受性も高く、それらは一致し、女性が男性より多く、非喫煙者が喫煙者より多く、腺癌がその他より多く、東洋人が西洋人より多い。イレッサに対する高感受性の患者の組織におけるEGFR遺伝子の突然変異を分析したことによって、大部分の個体が、EGFR遺伝子チロシンキナーゼの領域において突然変異が起きていることを発見した。これらの突然変異は、主にエクソン18〜21上に集中している(Chan SKら,Eur J Cancer,2006年,42(1):17-23)。従って、EGFR遺伝子18〜21番目のエクソンの突然変異を検出することによって、イレッサなどの分子標的薬の治療効果をうまく予測できる。本発明は、主に中国人のEGFR遺伝子の突然変異のホットスポット(韓宇ら,中華腫瘍学雑誌,2007年,29(4):278-282;郭健ら,中国肺癌学雑誌,2007年,10(6):504-507)を考慮し、リアルタイム定量PCR法によって、分子標的抗腫瘍薬の治療効果に関連する腫瘍の関係遺伝子EGFRの18、19、21番目のエクソンの5タイプの突然変異状況を検出し、本発明のEGFR遺伝子突然変異の検出によって、イレッサなどの分子標的薬の治療効果を予測する。
【0005】
本発明の採用した検出法は、次の幾つかのメリットを有する。
・操作が簡単で、標準化しやすい。一方で、他の方法、例えば対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーション方法では、ハイブリダイゼーションの条件に対して非常に敏感で、実験の条件を厳格に制御する必要があり、制限酵素断片長多型の実験では、相当の人力を注ぎ込まなければならず、定量が不可能である。
・実験期間が短く、2時間以内に完了可能である。結果を検証するために配列を測定する必要がない。一方で、直接シークエンス法及び高解像度融解曲線分析では、4日〜2週間が必要となる。
・感度が高い。試験条件の最良化を行い、突然変異を検出する感度は1%に達しており、一方で直接シークエンス法の感度は20〜50%である。
・特異性が高い。一方で、免疫組織化学法では、偽陽性率及び偽陰性率が高く、かつ点突然変異の位置及び種類を確定できない。
・定量が正確である。これは本発明の実験法における最も特有なメリットであり、絶対定量法でデータを処理することによって標準曲線を描き、サンプル中の野生型及び突然変異型の遺伝子の含量を正確に測定し、それにより突然変異型遺伝子が占める比率が得られて、臨床的診断及び薬剤の使用に補助的な役割を果たす。また、本発明は、安全で無毒性である。一方で、例えばミスマッチ塩基対の化学開裂法のような他の方法は、同位体及び劇毒の化学試薬を使用する必要がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、EGFR遺伝子突然変異を定量的に検出する試薬キットを提供することである。EGFR遺伝子の18番目のエクソン(SEQ ID NO:1;SEQ ID NO:2)の2155位G塩基がA塩基に置換され、19番目のエクソン(SEQ ID NO:1;SEQ ID NO:3)の2235〜2249位の塩基が欠失し、19番目のエクソンの2236〜2250位の塩基が欠失し、19番目のエクソンの2254〜2277位の塩基が欠失し、21番目のエクソン(SEQ ID NO:1;SEQ ID NO:4)の2573位のT塩基がG塩基に置換される突然変異の状況を定量的に検出する。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、Taqポリメラーゼ、10×Taq緩衝液、MgCl2、dNTP混合液及びEGFR遺伝子突然変異部位の配列を特異的に増幅できるPCRプライマー、野生型と突然変異型との配列を特異的に識別できるプローブを含む定量的な検出を行う試薬キット、並びに下記の検出方法を提供する。
(1)EGFR遺伝子の18、19、21番目のエクソン突然変異部位のそれぞれの付近において上流及び下流のプライマーを設計すると共に、各突然変異部位の突然変異状況に応じて特異的なプローブを設計し、該プローブは、EGFRの特定部位の野生型の配列に又は検出される突然変異型の配列に結合することにより、該部位に検出される遺伝子の突然変異が起こったか否かを確定できる。
(2)本発明は、EGFR突然変異の比率を正確に定量化するための標準品を設計する。
(3)測定されるサンプル及び標準品に対して、蛍光定量PCR検出を行う。
(4)標準品の検出結果により、定量用の標準曲線が得られ、標準曲線により、測定されるサンプルの核酸のEGFR遺伝子突然変異が全体のEGFR遺伝子に占める比率を算出する。
【0008】
前記ステップ(1)の前に、更に、測定されるサンプル中の核酸に対して抽出、精製及び濃度測定を行うことを含むことができる。
【0009】
蛍光定量PCR検出に使用されるプローブは、適切なPCR条件下で、EGFR遺伝子突然変異部位の塩基配列と特異的に結合する。前記プローブは、5'末端に蛍光リポーター基が連結され、3'末端に蛍光クエンチャー基が連結されることが好ましい。前記蛍光リポーター基は、FAM、TET、HEX、ROXから選ばれ、前記蛍光クエンチャー基は、BHQ、TAMARAから選ばれる。好ましくは、前記蛍光リポーター基はFAMであって、前記蛍光クエンチャー基はBHQである。前記プローブの配列は、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41又はSEQ ID NO:42であることが好ましい。
【0010】
前記標準品は、プラスミド、遺伝子ゲノムDNA又は化学合成した配列の少なくとも1種を含む。好ましくは、前記標準品は、野生型プラスミド及び/又は突然変異型プラスミドを含み、そのうち、野生型プラスミドがEGFR遺伝子型配列を含み、突然変異型プラスミドがEGFR遺伝子突然変異配列を含む。より好ましくは、前記標準品は野生型プラスミド及び/又は突然変異型プラスミドから構成される。好ましくは、前記野生型プラスミドに含まれるEGFR遺伝子の野生型配列は、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:48又はSEQ ID NO:52であり、前記突然変異型プラスミドに含まれるEGFR遺伝子の突然変異配列は、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51又はSEQ ID NO:53である。
【0011】
前記測定されるサンプルは、新鮮な組織、パラフィンワックスで包まれた組織、細胞株、血液、胸膜滲出液、唾液、消化液、尿液、唾液、糞便を含む。
【0012】
前記プライマーは、上流プライマー及び下流プライマーから構成される。前記プライマーは、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15又はSEQ ID NO:16であることが好ましい。
【0013】
前記EGFR遺伝子突然変異を定量検出するための試薬キットは、上述したプライマー、プローブ及び標準品から選ばれる試薬を含む。前記試薬キットは、Taqポリメラーゼ、10×Taq緩衝液、MgCl2、dNTP混合液を更に含むことが好ましい。好ましいプライマーとプローブとの比は、2:1〜10:1であり、好ましいセンスプライマーとアンチセンスプライマーとの比は、1:3〜3:1である。標準品は、指定の比で混合した上述したプラスミドを含み、野生型プラスミド及び突然変異型プラスミのそれぞれの含有量の比率は、0%〜100%である。
【0014】
以下、図面及び実施例を参照して、本発明についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例2において用いたプラスミド標準品の構築方法の模式図である。
【図2】本発明の実施例2における野生型プラスミドの図であって、矢印は、ベクター中に野生型PCR産物の配列を挿入する位置を指す。
【図3】本発明の実施例2における野生型プラスミド標準品の配列を測定した結果図であり、図Aは、EGFR18エクソン2155G野生型プラスミドの配列決定図であり、図BはEGFR19エクソン2235〜2249位、2236〜2250位、2254〜2277位野生型プラスミドの配列決定図であり、図CはEGFR21エクソン2573位T野生型プラスミドの配列決定図である。
【図4】本発明の実施例2における突然変異型プラスミド標準品の配列決定の結果図であり、矢印は、塩基の突然変異点を指す。図Aは、EGFR18エクソン2155G→A突然変異プラスミドの配列決定図であり、図Bは、EGFR19エクソン2235〜2249位欠失突然変異プラスミドの配列決定図であり、図Cは、EGFR19エクソン2236〜2250位欠失突然変異プラスミドの配列決定図であり、図Dは、EGFR19エクソン2254〜2277位欠失突然変異プラスミドの配列決定図であり、図Eは、EGFR21エクソン2573位T→G突然変異プラスミドの配列決定図である。
【図5】本発明の実施例3における標準品の増幅曲線図であり、図Aは、EGFR18エクソン2155G野生型プラスミド標準品の増幅曲線であり、図Bは、EGFR19エクソン2235〜2249位、2236〜2250位、2254〜2277位野生型プラスミド標準品の増幅曲線であり、図Cは、EGFR21エクソン2573位T野生型プラスミド標準品の増幅曲線であり、図Dは、EGFR18エクソン2155G→A突然変異プラスミド標準品の増幅曲線であり、図Eは、EGFR19エクソン2235〜2249位欠失突然変異プラスミド標準品の増幅曲線であり、図Fは、EGFR19エクソン2236〜2250位欠失突然変異プラスミド標準品の増幅曲線であり、図Gは、EGFR19エクソン2254〜2277位欠失突然変異プラスミド標準品の増幅曲線であり、図Hは、EGFR21エクソン2573位T→G突然変異プラスミド標準品の増幅曲線である。
【図6】図4に基づいて作成した標準曲線図であって、図Aは、EGFR18エクソン2155G野生型プラスミド標準曲線であり、図Bは、EGFR19エクソン2235〜2249位、2236〜2250位、2254〜2277位野生型プラスミド標準曲線であり、図Cは、EGFR21エクソン2573位T野生型プラスミド標準曲線であり、図Dは、EGFR18エクソン2155G→A突然変異プラスミド標準曲線であり、図Eは、EGFR19エクソン2235〜2249位欠失突然変異プラスミド標準曲線であり、図Fは、EGFR19エクソン2236〜2250位欠失突然変異プラスミド標準曲線であり、図Gは、EGFR19エクソン2254〜2277位欠失突然変異プラスミド標準曲線であり、図Hは、EGFR21エクソン2573位T→G突然変異プラスミド標準曲線である。
【図7】本発明の実施例3において検出された組織サンプルEGFR21エクソン2573位の野生型(図A)及びT→G置換突然変異型(図B)の蛍光定量PCRの増幅曲線図、組織サンプルEGFR19エクソン野生型(図C)及び2235〜2249位欠失突然変異型(図D)の蛍光定量PCRの増幅曲線図、全血サンプルEGFR19エクソン2236〜2250位欠失突然変異型(図E)の蛍光定量PCR増幅曲線図、全血サンプルEGFR2254〜2277位欠失突然変異型(図F)の蛍光定量PCR増幅曲線図、細胞系サンプルEGFR18エクソン2155位野生型(図G)及びG→A置換突然変異型(図H)の蛍光定量PCR増幅曲線図である。
【図8】本発明における定量法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の実施例は、本分野の当業者に、本発明を如何に実施及び使用するかについて完全に開示及び記述するために提供する。これらの例は、意図する発明の範囲を限定しない。下記の実験は、実施された実験の全部又は実施可能な実験だけが示されているわけではない。実施例において、具体的な条件を明記しない実験方法は、一般に通常の条件、例えば分子クローン実験指針(第3バージョン)(Sambrook J.)に基づくか、又は製造元により提示された条件に基づく。
【0017】
実施例1:ヒトの新鮮腫瘍組織、パラフィンワックスで包まれた組織、外周血、胸水及びヒト細胞系ゲノムDNAの抽出
我々が測定したヒト癌細胞系は、非小細胞肺癌(NSCLC)(A549、H460、H838及びH1703)、乳腺癌(MCF-7、BT474及びHuL100)、悪性中皮腫(Mesothelioma)細胞系(H513、H2052、H290、MS-1及びH28)、結腸癌細胞系(SW480)、頭頚部癌細胞系(U87)、子宮頚癌(Hela)、肉腫細胞系(Mes-SA、Saos-2及びA204)を含む。
【0018】
我々が測定したヒト新鮮腫瘍組織、外周血、パラフィンワックスで包まれた組織は、NSCLC、中皮腫、結腸癌、悪性黒色腫、腎臓癌、食道癌、甲状腺癌、悪性腫瘍及び卵巣癌を含む。
【0019】
DNA標本の抽出
Qiagen社、Promega社、Roche社のDNA抽出キットを用いて、ゲノムDNAサンプルを抽出することができ、Gene社のNanodrop ND1000型核酸微量測定器を用いて、抽出されたDNAの濃度及び純度を測定することができる(OD260/OD280が約1.8であり、OD260/OD230が2.0より大きい)。次に、Promega社のDNA抽出キットを例として、下記でDNAサンプルの抽出ステップを紹介する。
【0020】
1.新鮮組織のDNAの抽出
(1)鋏で約大豆粒の大きさの組織を切り取り、乳鉢に入れ、組織を砕き、液体窒素を添加して粉末にした。
(2)予め冷やされた600μlの開裂液を乳鉢に追加し、組織の粉末と開裂液とをなるべく均一にするように1mlのマイクロピペットチップで吸い取り及び吹き戻しを6回繰り返してかき混ぜ、その後混合物を1.5mlのEPチューブ(エッペンドルフチューブ)中に移し、6回上下逆さまにして均一に混ぜた後、65℃の水浴に20分間保持した。
(3)3μlのRNAポリメラーゼを添加し、6回上下逆さまにして均一に混ぜた後、37℃の水浴で20分間保持した。
(4)室温まで冷却し、200μlのタンパク質沈降剤を添加し、6回上下逆さまにして均一に混ぜ、氷上に5分間放置した後、13,000*g、室温で4分間遠心分離した。
(5)予め600μlのイソプロパノール(室温)を入れた新たなEPチューブ中に上澄みを移し、6回軽く均一に混ぜた後、13,000*g、室温で1分間遠心分離した。
(6)上澄みを捨て、600μlの70%エタノール(室温)を沈殿に追加し、6回上下逆さまにして均一に混ぜた後、13,000*g、室温で1分間遠心分離した。
(7)エタノールを吸出し、空気で15分間乾燥させた。
(8)沈殿に40μlのDNA溶解液を追加し、65℃で1時間、又は4℃で一晩放置した。
【0021】
2.パラフィンワックスで包まれた組織DNAの抽出
(1)1mg又は1mgより少ない組織を1.5mlの遠心分離チューブに入れた。
(2)用意された新鮮な100μlの保温緩衝液/ポリメラーゼK溶液を加えた。サンプルの種類によっては、56℃で一晩保温した。
(3)保温されたサンプルチューブを取り出し、体積の2倍の開裂緩衝液を加えた。
(4)樹脂が完全に懸濁するまで10分間樹脂を高速渦巻振動し、完全に懸濁した樹脂7μlを加えた。3秒間高速渦巻振動した後、室温で5分間保温した。
(5)2秒間高速渦巻振動させた後、チューブをMagneSphere(登録商標)磁気分離スタンドに置いた。直ちに磁気分離を行った。
(6)チューブの壁上についた樹脂を触らないようにして、全ての溶液を注意深く除去した。
(7)100μlの開裂緩衝液を加え、磁気分離スタンドからチューブを取り外し、2秒間高速渦巻振動させた。
(8)チューブを磁気分離スタンドに戻すとともに、全ての開裂液を除去した。
(9)100μlの配合された1×洗浄液を加え、磁気分離スタンドからチューブを取り外し、2秒間高速渦巻振動させた。
(10)チューブを磁気分離スタンドに戻し、全ての洗浄液を除去した。
(11)ステップ9及びステップ10を2回繰り返し、最後の洗浄後に全ての液体を除去するようにして、合わせて3回洗浄した。
(12)蓋を開け、チューブを磁気分離スタンドに置き、空気中で5分間乾燥させた。
(13)25μlの溶出液を加えた。
(14)蓋を閉め、2秒間高速渦巻振動させた。65℃で5分間保温した。
(15)保温したチューブを取り出し、2秒間高速渦巻振動させた。直ちに磁気分離スタンド上に置いた。
(16)選定された容器中にDNA溶液を注意深く移した。
【0022】
3.全血DNAの抽出
(1)300μlの抗凝固全血を収集して900μlの細胞開裂液を加え、なるべく全血と細胞開裂液とが均一に混ざるように1mlのマイクロピペットチップで吸い取り及び吹き戻しを6回繰り返してかき混ぜ、室温で10分間放置し、その間に1mlのマイクロピペットチップで吸い取り及び吹き戻しを3回繰り返してかき混ぜた。
(2)13,000*g、室温で20秒間遠心分離した後、上澄みを捨て、激しく振動させ、予冷した300μlの開裂液を加え、沈殿が完全に溶解するまで1mlのマイクロピペットチップで吸い取り及び吹き戻しを繰り返してかき混ぜた。
(3)1.5μlのRNAポリメラーゼを加え、6回上下逆さまにして均一にかき混ぜてから、37℃の水浴に20分間放置した。
(4)室温まで冷却し、100μlのタンパク質沈降剤を加え、6回上下逆さまにして均一にかき混ぜ、氷上に5分間放置した後、13,000*g、室温で4分間遠心分離した。
(5)300μlのイソプロパノール(室温)が予め加えられた新たなEPチューブ中に上澄みを移し、軽く6回かき混ぜた後、13,000*g、室温で1分間遠心分離した。
(6)上澄みを捨て、沈殿に1mlの70%のエタノール(室温)を加え、6回上下逆さまにして均一にかき混ぜた後、13,000*g、室温で1分間遠心分離した。
(7)エタノールを吸出し、空気で15分間乾燥させた。
(8)沈殿に40μlのDNA溶解液を加え、65℃で1時間、又は4℃で一晩放置した。
【0023】
4.胸水DNAの抽出
(1)5mlの胸水を収集し、2000rpm、室温で10分間遠心分離し、上澄みを取り出し、1mlの細胞開裂液を加えて6回上下逆さまにして均一にかき混ぜた後、室温で10分間放置した。
(2)13,000*g、室温で20秒間を遠心分離した後、上澄みを捨て、激しく振動させ、1mlの予冷した開裂液を加えた後、完全に溶解するまで均一にかき混ぜた。
(3)3μlのRNAポリメラーゼを加え、6回上下逆さまにして均一にかき混ぜてから、37℃の水浴に20分間放置した。
(4)室温まで冷却し、200μlのタンパク質沈降剤を加え、6回上下逆さまにして均一にかき混ぜ、氷上に5分間放置した後、13,000*g、室温で4分間遠心分離した。
(5)5mlのイソプロパノール(室温)が予め加えられた新たなEPチューブ中に上澄みを移し、軽く6回かき混ぜた後、13,000*g、室温で1分間遠心分離した。
(6)上澄みを捨て、沈殿に1mlの70%のエタノール(室温)を加え、6回上下逆さまにして均一にかき混ぜた後、13,000*g、室温で1分間遠心分離した。
(7)エタノールを吸出し、空気で15分間乾燥させた。
(8)沈殿に40μlのDNA溶解液を加え、65℃で1時間、又は4℃で一晩放置した。
【0024】
5.細胞系DNAの抽出
(1)少なくとも約1×106の細胞を収集すると共に、1.5mlのEPチューブ中に移して、13,000*g、室温で10秒間遠心分離した。ただし、粘着細胞である場合、細胞を収集する前に、パンクレアチンで消化する必要がある。
(2)上澄みを捨て、200μlのPBSを加えて細胞を洗浄し、13,000*g、室温で10秒間後遠心分離し、上澄みを捨て、沈殿が懸濁するように激しく振動させた。
(3)予冷した600μlの開裂液を加えて、肉眼で見える細胞塊がなくなるまで1mlのマイクロピペットチップで吸い取り及び吹き戻しを繰り返してかき混ぜた。
(4)3μlのRNAポリメラーゼを加え、6回上下逆さまにして均一にかき混ぜてから、37℃の水浴に20分間放置した。
(5)室温まで冷却し、200μlのタンパク質沈降剤を加え、6回上下逆さまにして均一にかき混ぜ、氷上に5分間放置した後、13,000*g、室温で4分間遠心分離した。
(6)600μlのイソプロパノール(室温)を予め加えた新たなEPチューブ中に上澄みを移し、軽く6回かき混ぜた後、13,000*g、室温で1分間遠心分離した。
(7)上澄みを捨て、沈殿に600μlの70%のエタノール(室温)を加え、6回上下逆さまにして均一にかき混ぜた後、13,000*g、室温で1分間遠心分離した。
(8)エタノールを吸出し、空気で15分間乾燥させた。
(9)沈殿に40μlのDNA溶解液を加え、65℃で1時間、又は4℃で一晩放置した。
【0025】
実施例2:突然変異型及び野生型の検出用配列を含有するプラスミド標準品の用意
1.野生型プラスミドの構築(図1、図2)
【0026】
1.1 ベクターの用意
TAクローンベクターpMD18-Tは、TAKARA社より購入した。
【0027】
1.2 挿入断片の用意
PCR法を用いて挿入断片を作成した。PCRのテンプレートは、ステップ1により抽出したゲノムDNAサンプルであって、反応系及び増幅条件は下表(表1、表2、表3)の通りである。
【0028】
【表1】

【0029】
EGFR遺伝子の18番目のエクソン2155位野生型配列を含有するプラスミドを作成する場合、増幅系中にE18-F-1(SEQ ID NO:5)又はE18-F-2(SEQ ID NO:6)及びE18-R-1(SEQ ID NO:7)又はE18-R-2(SEQ ID NO:8)のプライマー配列を加える必要がある。EGFR遺伝子の19番目のエクソン2235〜2249位、2236〜2250位、2254〜2277位野生型配列を含有するプラスミドを作成する場合、増幅系中にE19-F-1(SEQ ID NO:9)又はE19-F-2(SEQ ID NO:10)及びE19-R-1(SEQ ID NO:11)又はE19-R-2(SEQ ID NO:12)のプライマー配列を加える必要がある。EGFR遺伝子の21番目のエクソン2573位野生型配列のプラスミドを作成する場合、増幅系中にE21-F-1(SEQ ID NO:13)又はE21-F-2(SEQ ID NO:14)及びE21-R-1(SEQ ID NO:15)又はE21-R-2(SEQ ID NO:16)のプライマー配列を加える必要がある。
【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
1.3 QIAgenゲル抽出キットを用いて、目的の断片を抽出した後、TAクローンによってそれをpMD18-Tベクター(TAKARA社より購入した)に連結した。
【0033】
1.4 新しく構築したプラスミドが大腸菌DH5痾菌株において大量増幅し、抽出精製された(具体的な方法は「分子クローン試験指針」(第3バージョン)の96〜99ページ、103ページを参照)。
【0034】
1.5 BamH1及びHind111を用いてそれを二重消化(double digestion)で同定した。
【0035】
1.6 消化結果が陽性である菌種を配列決定し、正確に配列決定した後、野生型配列を含有する標準品とする(図3)。
【0036】
2.突然変異型プラスミドの構築:突然変異点における突然変異プライマーを設計し、DPN1法によって突然変異型配列を含んだ標準品を得た。
【0037】
2.1 所望の突然変異配列に基づき、突然変異点における突然変異プライマーを設計した(表4)。
【0038】
【表4】

【0039】
2.2 5ngの野生型プラスミドをテンプレートに与え、突然変異プライマー及びPfuポリメラーゼを用いて、標的部位を突然変異させた。増幅系及び条件は表1、表4、表3の通りである。
【0040】
EGFR遺伝子18番目のエクソン2155位G→A突然変異配列を含有するプラスミドを作成する過程において、増幅系中にE18-M-F(SEQ ID NO:17)及びE18-M-R(SEQ ID NO:18)のプライマーを加える必要がある。EGFR遺伝子の19番目のエクソン2235〜2249位欠失突然変異型配列を含有するプラスミドを作成する場合、増幅系中にE19-1-F(SEQ ID NO:19)及びE19-1-R(SEQ ID NO:20)のプライマーを加える必要がある。EGFR遺伝子の19番目のエクソン2236〜2250位欠失突然変異型配列を含有するプラスミドを作成する場合、増幅系中にE19-2-F(SEQ ID NO:21)及びE19-2-R(SEQ ID NO:22)のプライマーを加える必要がある。EGFR遺伝子の19番目のエクソン2254〜2277位欠失突然変異型配列を含有するプラスミドを作成する場合、増幅系中にE19-3-F(SEQ ID NO:23)及びE19-3-R(SEQ ID NO:24)のプライマーを加える必要がある。EGFR遺伝子の21番目のエクソン2573位T→G突然変異配列を含有するプラスミドを作成する場合、増幅系中にE21-M-F(SEQ ID NO:25)及びE19-M-R(SEQ ID NO:26)のプライマーを加える必要がある。
【0041】
2.3 DPN1ポリメラーゼを用いて、ステップ2.2で得られた産物を処理し、37℃で1時間保温した後に産物を回収し、大腸桿菌DH5痾菌株において大量に増幅し、抽出精製した。
【0042】
2.4 BamH1及びHind111を用いてそれらを二重消化で同定した。
【0043】
2.5 消化結果が陽性である菌種を配列決定し、正しく配列決定した後、野生型配列を含有する標準品とする(図4)。
【0044】
実施例3:肺癌及び子宮頸癌のサンプルを例としたヒト細胞系、ヒト新鮮腫瘍組織、外周血、パラフィンワックスで包まれた組織ゲノムDNAのEGFR突然変異の検出
【0045】
1.蛍光定量PCR反応テンプレートは、実施例1で抽出された肺癌及び子宮頸癌のゲノムDNAサンプル及び実施例2で作成されたサンプル品であって、二次蒸留水を陰性対照とする。標準曲線を作成するために、標準品を1ng/μl、0.5ng/μl、0.25ng/μl、0.125ng/μl、0.0625ng/μl、0.03125ng/μlの様々な倍率で希釈した。
【0046】
2.反応系及び反応条件(表2、表5、表6、表7)において、標識プローブ蛍光リポーター基は、FAM、TET、HEX、ROXから選ばれ、蛍光クエンチャー基は、BHQ、TAMARAから選ばれる。
【0047】
【表5】

【0048】
EGFR遺伝子18番目のエクソン2155位・→・突然変異状況を検出する場合、2つの系を配置する必要があり、即ち、E18-F-1(SEQ ID NO:5)又はE18-F-2(SEQ ID NO:6)及びE18-R-1(SEQ ID NO:7)又はE18-R-2(SEQ ID NO:8)プライマー、E18W-1(SEQ ID NO:27)又はE18W-2(SEQ ID NO:28)プローブ;E18-F-1(SEQ ID NO:5)又はE18-F-2(SEQ ID NO:6)及びE18-R-1(SEQ ID NO:7)又はE18-R-2(SEQ ID NO:8)プライマー、E18M-1(SEQ ID NO:29)又はE18W-2(SEQ ID NO:30)プローブをそれぞれ加える。
【0049】
19番目のエクソン2235〜2249位欠失、2236〜2250位欠失、2254〜2277位欠失の突然変異状況を検出する場合、4つの系を配置する必要があり、即ち、E19-F-1(SEQ ID NO:9)又はE19-F-2(SEQ ID NO:10)及びE19-R-1(SEQ ID NO:11)又はE19-R-2(SEQ ID NO:12)プライマー、E19W-1(SEQ ID NO:31)又はE19W-2(SEQ ID NO:32)プローブ;E19-F-1(SEQ ID NO:9)又はE19-F-2(SEQ ID NO:10)及びE19-R-1(SEQ ID NO:11)又はE19-R-2(SEQ ID NO:12)プライマー、E19M1-1(SEQ ID NO:33)又はE19M1-2(SEQ ID NO:34)プローブ;E19-F-1(SEQ ID NO:9)又はE19-F-2(SEQ ID NO:10)及びE19-R-1(SEQ ID NO:11)又はE19-R-2(SEQ ID NO:12)プライマー、E19M2-1(SEQ ID NO:35)又はE19M2-2(SEQ ID NO:36)プローブ;E19-F-1(SEQ ID NO:9)又はE19-F-2(SEQ ID NO:10)及びE19-R-1(SEQ ID NO:11)又はE19-R-2(SEQ ID NO:12)プライマー、E19M3-1(SEQ ID NO:37)又はE19M3-2(SEQ ID NO:38)プローブをそれぞれ加える。
【0050】
21番目のエクソン2573位・→・突然変異状況を検出する場合、2つの系を配置する必要があり、即ち、E21-F-1(SEQ ID NO:13)又はE21-F-2(SEQ ID NO:14)及びE21-R-1(SEQ ID NO:15)又はE21-R-2(SEQ ID NO:16)プライマー、E21W-1(SEQ ID NO:39)又はE21W-2(SEQ ID NO:40)プローブ;21-F-1(SEQ ID NO:13)又はE21-F-2(SEQ ID NO:14)及びE21-R-1(SEQ ID NO:15)又はE21-R-2(SEQ ID NO:16)プライマー、E21M-1(SEQ ID NO:41)又はE21M-2(SEQ ID NO:42)プローブをそれぞれ加える。
【0051】
【表6】

【0052】
【表7】

【0053】
3.標準曲線の作成
ステップ3における標準品で得られたCT値の結果に基づき、標準曲線を作成した。図5はプラスミド標準品増幅曲線であって、図において、上昇する5つの曲線は、左から右へ順番に、0.5ng/μl、0.25ng/μl、0.125ng/μl、0.0625ng/μl、0.03125ng/μlの様々な倍率で希釈したプラスミド標準品の増幅曲線を表す。横軸はサイクル数で、縦軸は蛍光検出値である。これにより、さらに計算用の標準曲線を作成することができた(図6)。図6中において、横軸はテンプレートのコピー数の対数値で、縦軸はCT値である。テンプレートコピー数=質量/分子量×6.02×1023、プラスミド分子量?塩基数×324.5で、若しくはソフトウェアDNAMANを用いて計算してもよい。本試験中のプラスミドは、pMD18-Tベクター及び挿入断片から構成されており、挿入断片の塩基の長さが基本的に同じで、最大差でも二十個余りの塩基の長さしかなく、PMD18-Tベクター2692bpの長さに対する影響が大きくないため、野生型と突然変異型とのプラスミド標準品のコピー数の比?質量の比である。なお、本実験のプラスミドの分子量?890〜900Kdaであるため、1ngプラスミドコピー数は、約6.69×108 〜6.76×108である。
【0054】
4.標本EGFR遺伝子特異的突然変異型の比率の計算
標準曲線に基づき、サンプルのCT値から、反応した野生型及び突然変異型のゲノムDNAのコピー数を算出したことにより、突然変異型EGFR DNAとEGFR DNA総数量(該部位における野生型と全突然変異型との合計)との比率が算出できた。図7に示すように測定されたある組織サンプルEGFR21エクソン野生型のCT値は19.15であり、2573位T→G突然変異型のCT値は20.74であることから、それぞれ対応する標準曲線の公式(図6)により各自のコピー数を算出でき、これによって突然変異型と野生型との含量の比は89:100であることが理解でき、組織中において約47%のEGFR遺伝子に2573位T→G突然変異が生じたと推測した。
【0055】
5.検出の結果
本実施例では48例の肺癌と子宮頸癌との組織、全血及び細胞系のサンプルに対してEGFR遺伝子突然変異の検出を行った。合わせて13例の突然変異を検出した。具体的な突然変異例の数を表8に表し、突然変異の比率、即ち、該サンプル中突然変異した遺伝子と突然変異しない遺伝子との比の値を表9に表す。
【0056】
【表8】

【0057】
【表9】

【0058】
実施例4:ヒト細胞系、ヒト新鮮腫瘍組織、外周血、パラフィンワックスで包まれた組織ゲノムmRNA EGFR突然変異の検出
【0059】
1.標本の総RNA抽出
Invotrogen社、OMEGA社の総RNA抽出キットを用いてRNAサンプルを抽出し、Gene社のNanodrop ND1000型の核酸微量測定器を用いて抽出したRNAの濃度及び純度を測定した(OD260/280は1.8〜2.0範囲内であって、OD260/230>2.0である)。
【0060】
2.cDNAの合成:
M-MLV逆転写酵素を用いて逆転写を行った。そのステップ及び反応系を表10に示す。
【0061】
【表10】

【0062】
3.標準品の作成方法、リアルタイム蛍光定量PCRの検出ステップは、実施例1と同様である。野生型プラスミド標準品の作成に使用されるプライマー及び測定されるサンプルの蛍光定量PCRの検出時に使用されるプローブは、実施例1と同様であり、異なるのは、野生型プラスミド標準品の作成に使用されるプライマー及び測定されるサンプルの蛍光定量PCRの検出時に使用されるプライマーである(表11)。標準曲線の作成及び標本EGFR遺伝子の特異的突然変異型の含量の計算方法は、実施例1と同様である。
【0063】
【表11】

【0064】
野生型プラスミド標準品の作成に使用するプライマーの選択:
EGFR遺伝子18番目のエクソン2155位野生型配列を含有するプラスミドを作成する場合、E18-F-1(SEQ ID NO:5)及びE18-R-3(SEQ ID NO:43)プライマーを加える必要がある。EGFR遺伝子19番目のエクソン2235〜2249位、2236〜2250位、2254〜2277位野生型を含有するプラスミドを作成する場合、E19-F-1(SEQ ID NO:9)及びE19-R-3(SEQ ID NO:44)プライマーを加える必要がある。EGFR遺伝子21番目のエクソン2573位野生型配列のプラスミドを作成する場合、E21-F-1(SEQ ID NO:13)及びE21-R-2プライマー(SEQ ID NO:45)を加える必要がある。
【0065】
測定されるサンプルの蛍光定量PCR検出時におけるプライマー及びプローブの選択:
EGFR遺伝子第18エクソン2155位・→・突然変異の状況を検出する場合、2つの系を配置する必要があり、即ち、E18-F-1(SEQ ID NO:5)及びE18-R-3(SEQ ID NO:43)プライマー、E18W-1(SEQ ID NO:27)又はE18W-2(SEQ ID NO:28)プローブ;E18-F-1(SEQ ID NO:5)及びE18-R-3(SEQ ID NO:43)プライマー、E18M-1(SEQ ID NO:29)又はE18W-2(SEQ ID NO:30)プローブをそれぞれ加える。
【0066】
19番目のエクソン2235〜2249位欠失、2236〜2250位欠失、2254〜2277位欠失の突然変異の状況を検出する場合、4つの系を配置する必要があり、即ち、E19-F-1(SEQ ID NO:9)及びE19-R-3(SEQ ID NO:44)プライマー、E19W-1(SEQ ID NO:31)又はE19W-2(SEQ ID NO:32)プローブ;E19-F-1(SEQ ID NO:9)及びE19-R-3(SEQ ID NO:44)プライマー、E19M1-1(SEQ ID NO:33)又はE19M1-2(SEQ ID NO:34)プローブ;E19-F-1(SEQ ID NO:9)及びE19-R-3(SEQ ID NO:44)プライマー、E19M2-1(SEQ ID NO:35)又はE19M2-2(SEQ ID NO:36)プローブ;E19-F-1(SEQ ID NO:9)及びE19-R-3(SEQ ID NO:44)プライマー、E19M3-1(SEQ ID NO:37)又はE19M3-2(SEQ ID NO:38)プローブをそれぞれ加える。
【0067】
21番目のエクソン2573位・→・突然変異の状況を検出する場合、2つの系を配置する必要があり、即ち、E21-F-1(SEQ ID NO:13)及びE21-R-3(SEQ ID NO:45)プライマー、E21W-1(SEQ ID NO:39)又はE21W-2(SEQ ID NO:40)プローブ;E21-F-1(SEQ ID NO:13)及びE21-R-3(SEQ ID NO:45)プライマー、E21M-1(SEQ ID NO:41)又はE21M-2(SEQ ID NO:42)プローブをそれぞれ加える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適切なPCR条件下で、EGFR遺伝子の突然変異部位の上流及び下流における200個以内のヌクレオチドに結合する、ポリメラーゼ連鎖反応プライマー。
【請求項2】
前記プライマーは上流プライマー及び下流プライマーからなることを特徴とする、請求項1に記載のプライマー。
【請求項3】
適切なPCR条件下で、EGFR遺伝子の突然変異部位の塩基配列と特異的に結合する、蛍光定量PCRのプローブ。
【請求項4】
前記プローブの5'末端に蛍光リポーター基が連結され、3'末端に蛍光クエンチャー基が連結されることを特徴とする、請求項3に記載のプローブ。
【請求項5】
検出されるEGFR遺伝子の野生型配列を含む、プラスミド。
【請求項6】
前記プラスミドに含まれるEGFR遺伝子の野生型配列は、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:48、又はSEQ ID NO:52であることを特徴とする、請求項5に記載のプラスミド。
【請求項7】
検出される突然変異型EGFR遺伝子配列を含む、プラスミド。
【請求項8】
前記プラスミドに含まれるEGFR遺伝子の突然変異配列は、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:51、又はSEQ ID NO:53であることを特徴とする、請求項7に記載のプラスミド。
【請求項9】
EGFR遺伝子の突然変異を定量的に検出するための試薬キットであって、請求項1又は請求項2に記載のプライマー、請求項3又は請求項4に記載のプローブ、及び請求項5及び/又は請求項7に記載のプラスミドから選ばれる試薬を含むことを特徴とする、試薬キット。
【請求項10】
プライマー対プローブの比は2:1〜10:1であり、センスプライマー対アンチセンスプライマーの比は1:3〜3:1であることを特徴とする、請求項9に記載の試薬キット。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−505005(P2013−505005A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529094(P2012−529094)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/CN2010/001445
【国際公開番号】WO2011/035538
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(509135382)北京雅康博生物科技有限公司 (2)
【Fターム(参考)】