説明

HDL3−Cの測定方法及びHDL3−C測定用試薬

【課題】HDL3の定量法及びHDL3-C測定試薬組成物の提供を目的とする。
【解決手段】ヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬を検体に添加し、HDL3以外のリポ蛋白を凝集させる工程、並びに1回の遠心分離又はろ過により検体からHDL3以外のリポ蛋白を分離除去する工程とを含む検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離し、分離したHDL3中のコレステロール含有量(HDL3-C)を測定することを含む検体中のHDL3-Cを測定する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離する方法、検体中のHDL3-C中のコレステロール含有量(HDL3-C)の測定方法及びHDL3-C測定用試薬に関する。
【背景技術】
【0002】
高密度リポ蛋白質(HDL)中のコレステロール(C)値であるHDL-Cは冠動脈疾患(CHD)の負の危険因子として知られており、HDL-Cの低値はLDL-C高値と同様CHDの強力なリスクである。HDLはHDL2:比重d=1.063-1.125g/mL、及びHDL3:比重d=1.125-1.210g/mLの2つの主要なサブフラクションを含有する。いくつかのエビデンスは、HDLの抗動脈硬化作用がTotal HDL-CやHDL3-CではなくHDL2-Cに良く相関することを示唆している。また幾つかの疫学研究は、低HDL2-CがCHDイベントと密接に関係していることを報告している。一方、他の試験では反対意見が報告されている。このように、HDL-Cと抗動脈硬化作用の因果関係は医学界では重要視されている。この因果関係を解明するためには、HDLのサブフラクションを、多くの検体でより簡便に測定することが必要とされてきた。
【0003】
研究レベルでは血漿中のHDL2-C及びHDL3-Cを決定するため超遠心法が用いられてきた。超遠心法により密度の差を利用してHDLサブフラクションを分離し、そのコレステロール量や蛋白量を定量する方法が知られている(非特許文献1及び2を参照)。この方法は高価な設備を必要とし、測定に非常に時間を要する。また一度に大量の検体を処理することが出来なかった。
【0004】
また、HPLCを用いてリポ蛋白を分離し、その成分を定量する方法、NMRを用いてHDLサブクラスのリポ蛋白粒子数を計測する方法が知られている(非特許文献3及び4を参照)。この方法は、測定に特殊な装置を必要とするので、汎用性に乏しかった。
【0005】
さらに、汎用の自動分析装置を用いたHDLサブクラス測定法として、沈殿法を用いたHDLサブフラクション測定法が開発されている(非特許文献5〜9を参照)。この方法は2段階の沈殿処理操作を用いる方法である。この方法は、第一段階でヘパリン-Mn試薬によってカイロミクロン(CM)、VLDL、IDL、LDL、Lp(a)等ApoB含有リポ蛋白を凝集させて、これらのリポ蛋白を遠心分離で沈殿させ上清部分のHDLを回収する。その後デキストラン硫酸を用いてHDL2部分を凝集させ、遠心分離法で沈殿させ上清分画のHDL3を回収するという沈殿処理操作を行う。この上清分画の総コレステロールを測定することによりHDL3-Cが測定できる。HDL2-Cは、同一検体で測定したTotal HDL-CからHDL3-Cを差し引くことにより得られる。この方法は2回の遠心分離を必要とするため、測定に時間がかかり簡便性に劣るという問題がある。
【0006】
ヘパリン-Mn試薬を用いず、遠心分離法のみでリポ蛋白を分画する沈殿法では、HDL測定ではCMを大量に含む乳び検体で、CM分画がうまく沈殿せず、遠心分離後最上部にHDL分画とCM分画が混ざった層が膜状に存在する場合があった(非特許文献10を参照)。上層部分のHDL分画を回収する際どうしてもCMが混入してしまい、この上清分画の総コレステロールを測定する場合CM中コレステロールの一部も併せて測定されるため正誤差となり特異性に劣る。
【0007】
そこで、迅速かつ簡便で、特異性に優れたHDL3の測定方法が求められていた。
【0008】
【非特許文献1】J Lipid Res. 1981 Feb;22(2):339-58
【非特許文献2】J Lipid Res. 1974 Jul;15(4):356-66.
【非特許文献3】J Med Technol. 1996 ;40:1281-92
【非特許文献4】HANDBOOK OF LIPOPROTEIN TESTING 2nd Edition, pp609-623, edited by Nader Rifai、G.Russel Warnick、Marek H.Dominiczak AACC PRESS(2000)
【非特許文献5】J Lipid Res. 1982;23:1206-23
【非特許文献6】Clin Chim Acta. 1985;148:139-47.
【非特許文献7】Clin Chem. 1986;32:1274-8.
【非特許文献8】Clin Chem. 1989;35:265-70
【非特許文献9】Clin Chem. 1988;34:2322-7.
【非特許文献10】Methods in Enzymol 1986;127:78-100
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離する方法、HDL3-Cの定量法及びHDL3-C測定用試薬の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、迅速かつ簡便にHDL3中のコレステロール(HDL3-C)及びHDL2中のコレステロール(HDL2-C)並びにHDL3中のアポA-1及びA-2を正確に測定する方法について鋭意検討を行った。本発明者は、HDL3を含む種々のリポ蛋白が含まれる血清又は血漿検体に少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を添加することにより、HDL3以外のリポ蛋白が凝集し、遠心分離又はろ過により、LDL3以外のリポ蛋白を分離除去できることを見出した。除去した後のHDL3中のコレステロールをコレステロール測定法で測定することによりHDL3-C及びHDL2-C並びにHDL3中のアポA-1及びA-2蛋白質を正確に特異的に測定することができた。
【0011】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] ヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬を検体に添加し、HDL3以外のリポ蛋白を凝集させる工程、並びに
1回の遠心分離又はろ過により検体からHDL3以外のリポ蛋白を分離除去する工程
とを含む検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離する方法。
[2] 2価金属イオンがMn2+イオンである、[1]の方法。
[3] HDL3以外のリポ蛋白を凝集させるのに、さらに1価金属イオンを添加する、[1]又は[2]の方法。
[4] [1]〜[3]のいずれかの方法により、検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離し、分離したHDL3中のコレステロール含有量(HDL3-C)を測定することを含む検体中のHDL3-Cを測定する方法。
[5] HDL3以外のリポ蛋白を分離除去する工程の後、HDLコレステロール直接測定用試薬を用いてHDL3中のコレステロールを測定することを含む、[4]の検体中のHDL3-Cを測定する方法。
[6] HDL3以外のリポ蛋白を分離除去する工程の後、総コレステロール測定用試薬を用いてHDL3中のコレステロールを測定することを含む、[4]の検体中のHDL3-Cを測定する方法。
[7] HDL3以外のリポ蛋白を凝集させる工程で反応系に添加されるヘパリン最終濃度が100〜250U/mL、2価金属イオン最終濃度が2〜100mg/mL、及びデキストラン硫酸最終濃度が1〜4mg/mLである、[4]〜[6]のいずれかの検体中のHDL3-Cを測定する方法。
[8] HDL中のコレステロール含有量(HDL-C)直接測定法により求めた検体中のHDL-C値から、[4]〜[7]のいずれかのHDL3-Cを測定する方法により求めた検体中のHDL3-Cの測定値を差し引くことにより検体中のHDL2中のコレステロール含有量(HDL2-C)を求めることを含む、検体中のHDL2-Cを測定する方法。
[9] [1]〜[3]のいずれかの方法により、検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離し、分離したHDL3中のアポA-1量をアポA-1測定用試薬を用いて測定することを含む、検体中のHDL3中のアポA-1量を測定する方法。
[10] [1]〜[3]のいずれかの方法により、検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離し、分離したHDL3中のアポA-2量をアポA-2測定用試薬を用いて測定することを含む、検体中のHDL3中のアポA-2量を測定する方法。
[11] [1]〜[3]のいずれかの検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離する方法に用いるHDL3分離用試薬組成物であって、ヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含むHDL3分離用試薬組成物。
[12] 2価金属イオンがMn2+イオンである[11]のHDL3分離用試薬組成物。
[13] さらに、1価金属イオンを含む[11]又は[12]のHDL3分離用試薬組成物。
[14] ヘパリン濃度が600〜1500U/mL、2価金属イオン濃度が12〜600mg/mL、及びデキストラン硫酸濃度が6〜24mg/mLである[11]〜[13]のいずれかのHDL3分離用試薬組成物。
[15] [4]〜[7]のいずれかの検体中のHDL3-Cを測定する方法に用いるHDL3-C測定用キットであって、[11]〜[13]のいずれかの試薬組成物並びに総コレステロール測定用試薬若しくはHDL-C測定用試薬を含むHDL3-C測定用キット。
である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離する方法により、1回の遠心分離又はろ過という簡便な操作で検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白と分離することができる。該方法により検体中のHDL3を分離し、分離したHDL3中のコレステロール含有量(HDL3-C)、アポA-1量、アポA-2量を容易に分別測定することができるため臨床上極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白、特に高比重リポ蛋白と分離する方法である。本発明の方法によりHDL3を分離し、分離したHDL3中のコレステロール含有量(HDL3-C)、アポA-1量、アポA-2量を測定することができる。本発明の分離方法においては、検体に、少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を添加する。本発明において、少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬をHDL3-C分離用試薬又はHDL3-C測定用試薬と呼ぶことがある。検体に該試薬を添加した後、1回の遠心分離又はろ過によりHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離することができる。
【0014】
リポ蛋白は大きくCM、VLDL、LDL及びHDLの分画に分けられ、HDLはさらに密度によりHDL2とHDL3に分けられる。HDL3を小粒子HDL、small HDL、Small dense HDL、dense HDLと呼ぶこともあり、HDL2を大粒子HDL、large HDL、Light HDL等と呼ぶこともある。これらの分画及び亜分画は、粒子サイズ又は比重により区別できる。その粒子サイズの直径はVLDLが30nm〜80nm(30nm〜75nm)で、LDLが22nm〜28nm(19nm〜30nm)、HDLが直径7nm〜10nmである。比重は、VLDLが1.006以下、LDLが1.019〜1.063、HDLが1.063〜1.21である。
【0015】
HDL3は、一般的には直径が8.5nm〜10nmのHDL亜分画、比重1.125〜1.210のHDL亜分画を指す。これに対しHDL2は直径が7.0nm〜8.5nmのHDL亜分画、比重1.063〜1.125のHDL亜分画を指す。
【0016】
リポ蛋白中には、コレステロール、アポA-1蛋白質、アポA-2蛋白質等が含まれている。HDL2及びHDL3を含むHDL中のコレステロール含有量をHDL-C、HDL2中のコレステロール含有量をHDL2-C、HDL3中のコレステロール含有量をHDL3-Cと呼び、mg/mLで表される。
【0017】
本発明の方法で用いる検体としては、血清又は血漿が使用可能であり、好ましくは血清を使用する。
【0018】
HDL3を他のリポ蛋白と分離するには、少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を検体に添加し、一定時間反応させることによりCM、IDL、VLDL、LDLのアポB含有リポ蛋白及びHDL2を凝集させ、遠心分離により凝集したHDL3以外のリポ蛋白を沈殿させるか、あるいはろ過により除去する。遠心分離後の上清中又はろ液中にHDL3が含まれる。HDL3を分離する工程に続いて、分離したHDL3中のコレステロールやアポ蛋白質を定量する。
【0019】
本発明において、ヘパリンとは、水中でヘパリン由来のポリアニオンとして作用し得る化合物であればよい。ヘパリンはヘパリンそのものであってもよく、ヘパリンの金属塩、たとえばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等であってもよい。デキストラン硫酸はデキストラン硫酸そのものであってもよく、デキストラン硫酸の金属塩、たとえばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等であってもよい。
【0020】
2価金属イオンはMn2+イオン、Mg2+イオン及び/又はCa2+イオンを用いることができる。
【0021】
検体に試薬を添加した後の反応混液中のヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸の濃度(以下、「最終濃度」という)は、ヘパリンが100〜250U/mL、好ましくは150〜200U/mLであり、デキストラン硫酸は、1〜4mg/mL、好ましくは1.5〜3mg/mL、より好ましくは1.8〜2.5mg/mLであり、2価金属イオンは、2〜100mg/mL、好ましくは5〜200mg/mL、さらに好ましくは10〜100mg/mLであり、例えばMn2+イオンの場合はイオン濃度が2〜100mg/mL、好ましくは5〜50mg/mL、より好ましくは10〜25mg/mLである。Ca2+イオンの場合はイオン濃度が5〜200mg/mL、好ましくは20〜100mg/mLである。Mg2+イオンの場合はイオン濃度が10〜300mg/mL、好ましくは30〜150mg/mLである。
【0022】
検体と試薬の混合比は限定されないが、例えば検体100〜500μLにヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬を10〜100μL添加する。好ましくは、検体300μLに試薬60μLを添加する。この場合、試薬中のヘパリン濃度は、600〜1500U/mL、デキストラン硫酸濃度は、6〜24mg/mLが好ましい。また2価金属イオン濃度は12〜600mg/mLが好ましい。
【0023】
HDL3を分離する工程で用いるヘパリン、デキストラン硫酸及び2価金属イオンの最終濃度が上記濃度範囲内であればHDL2やLDL、VLDL等の他のリポ蛋白が凝集し易く、HDL3が凝集しにくい。従って、HDL3のみを遠心分離やろ過により容易に分離・回収することができる。この結果、次の工程でHDL3中のコレステロールやアポ蛋白を定量する際に、他のリポ蛋白中のコレステロールやアポ蛋白が混入することがなく、HDL3中のコレステロールやアポ蛋白の正確な定量値が得られる。
【0024】
少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を検体に添加する方法は特に限定されず、例えば各成分をあらかじめ混合した測定試薬を検体に添加してもよく、各成分を1種類ごとあるいは数種類まとめて別々に調製しておき、使用時に検体にこれらの調製品を全部添加してもよい。この際の添加の順序は限定されない。
【0025】
少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬には溶媒として、精製水、生理食塩水及び各種緩衝液を用いることができる。測定試薬のpHは3〜8に調整することが好ましい。
【0026】
検体に少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬を添加した後、反応混液を攪拌し、分離反応を行わせる。分離工程での反応は2℃〜45℃、好ましくは20℃〜37℃で行えばよい。また分離工程での反応は3分〜30分間、好ましくは5分〜15分間行なえばよい。
【0027】
分離工程において、ヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸に加えて、さらに1価金属イオンを添加してもよい。反応に1価金属イオンを添加することにより、1価金属イオンがイオン強度調整剤として作用し、遠心分離によるHDL3と他のリポ蛋白との分離をより確実かつ容易に達成することができる。1価金属イオンの種類は限定されず、例えばNa+やK+等のアルカリ金属を用いることができる。反応混液中の1価金属イオンの最終濃度は、0.4mol/L以下、好ましくは0.01〜0.3mol/Lである。1価金属イオンは、少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬と別々に検体に添加してもよく、また上記試薬に1価金属イオンをあらかじめ混合しておいて検体に添加してもよい。さらに、ヘパリン、2価金属イオン、デキストラン硫酸及び1価金属イオンを適宜組合せて複数の試薬を調製し、該複数の試薬を検体に添加してもよい。ヘパリン、2価金属イオン、デキストラン硫酸及び1価金属イオンあるいはこれらを適宜組合せて含む試薬の添加の順序は限定されない。従って、本発明は、検体にヘパリン、2価金属イオン、デキストラン硫酸及び1価金属イオンを添加し、HDL3以外のリポ蛋白を凝集させることを含む、検体からHDL3分離する方法をも包含する。
【0028】
検体と少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬との反応が終了した後、遠心分離を行い上清を得ることにより、HDL3を主に含む画分を採取することができる。この際の遠心分離条件は、9,000g〜36,000gで5〜30分である。
【0029】
また、遠心分離ではなく、検体と少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬との反応が終了した後、反応混液をフィルターにかけてろ過し、パススルーとしてHDL3を主に含む画分を採取することができる。この際用いるフィルターの分画サイズは、0.10〜0.80μmであり、例えば、市販のウルトラフリー(MILLIPORE社製)、ミニザルト(Sartorius社製)、DISMIC(ADVANTEC社製)、HTタフリン・アクロディスク・シリンジフィルター(PALL Gelman Laboratory社製)等を用いることができる。
【0030】
ここで、「HDL3を主に含む」とは、好ましくはHDL3以外のリポ蛋白を実質的に含まないことをいう。ただし、HDL3以外のリポ蛋白を全く含まれないことまでは必要なく、主にHDL3を含み、HDL3以外の他のリポ蛋白の含有量がHDL3に比べ小さい場合も含む。例えば、すべてのリポ蛋白中のHDL3の比率(重量比又は濃度比)が80%以上の場合、90%以上の場合、好ましくは95%以上の場合、さらに好ましくは97%以上の場合、特に好ましくは99%以上の場合、「HDL3を主に含む」という。但し、検体がカイロミクロンを多く含む高CM検体の場合、遠心分離によってもCMが除去できず、遠心分離後上清部分の最上部にCMが膜状に存在することがある。本発明においては、高CM検体を用いて遠心分離後に上清の最上部にCMが存在する場合もCMの量にかかわらず、「HDL3が主に含まれる」という。
【0031】
HDL3の分離工程で得られたHDL3を含む画分中のコレステロールのみを定量する工程により、検体中のHDL3-Cを測定することができる。この際、分離したHDL3中のコレステロール含有量(HDL3-C)の測定は、分離した画分中の総コレステロール量を測定するか、HDL-Cを測定することにより行える。
【0032】
分離したHDL3中のコレステロールを測定する工程では、公知のHDL-C(HDL中のコレステロール含有量)を測定する方法を用いればよい。このような測定方法としては、分画操作を要しない測定方法、すなわち直接測定法(homogeneous法)を選択することが好ましい。例えば第WO03/064684号国際公開パンフレットの記載に従って、以下のようにしてHDL3の分離工程で得られたHDL3を含む画分中のコレステロールを定量することができる。すなわち、HDL3の分離工程で得られたHDL3を含む分画を試料とし、コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼを作用させ、生じた過酸化水素を消去することにより、HDL3の分離工程で完全に分離できず試料中に混入している可能性のあるCM等のHDL以外のリポ蛋白を消去する(ステップA)。該ステップAにおいては、HDLに実質的に作用しない界面活性剤が含まれていてもよい。次いで試料中の残存HDLのHDL-Cを測定する(ステップB)。このコレステロールの測定の際、ステップAはHDLに作用する界面活性剤の非存在下において行われる。ステップAにより、試料中にはリポ蛋白として実質的にHDL3のみ含まれるようになるので、ステップBの残存HDLのコレステロール含有量の測定においては、HDL3中のコレステロール含有量(HDL3-C)を測定することになる。ここで、「実質的にHDL3のみ含まれる」とは、試料中の全HDLに対してHDL3が90%以上(重量%)、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上含まれることを意味する。この結果、ステップAにおいて、混在するHDL以外のリポ蛋白が除去される。
【0033】
ステップBでは、HDLに特異的に作用する界面活性剤が用いられる。HDLに特異的に作用する界面活性剤としては親水性疎水性バランス(HLB)が13〜14の界面活性剤を挙げることができ、中でも、HLBが13〜14の非イオン界面活性剤、特にポリアルキレンオキサイド誘導体を用いることができる。ポリアルキレンオキサイド誘導体としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等でHLB値が13以上14以下の化合物が挙げられる。
【0034】
ステップBにおいては、HDL3中のコレステロールを酵素的に定量する。コレステロールの酵素的な定量方法自体は、周知である。例えば、ステップBにおいて、上記の界面活性剤の他、コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼを作用させることにより、遊離型コレステロールから過酸化水素を発生させ、発生した過酸化水素を定量すればよい。過酸化水素の定量は、例えば、ペルオキシダーゼの存在下で、過酸化水素と反応してキノン色素を形成する化合物と反応させ、生じたキノン色素の量を吸光度測定等により測定すればよい。キノン色素は、例えば過酸化水素と4-アミノアンチピリン及びDAOS若しくはHDAOS(N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)-3,5-ジメチオキシアニリン)を反応させることにより形成される。
【0035】
コレステロールを測定する際のステップA及びステップBの条件は、第WO03/064684号国際公開パンフレットに記載されたとおりである。
【0036】
CMを含まない検体では、HDL3の分離工程で得られるリポ蛋白はHDL3のみであるため、続く測定工程で総コレステロール測定用試薬を用いてもHDL-C測定用試薬を用いてもよい。これらの測定用試薬を用いることにより、分離した画分中のHDL3中に含まれるコレステロールを測定することができる。一方、高トリグリセリド(TG)でカイロミクロン(CM)を多く含む検体、例えばTGが500mg/dLを越える濃度で含まれる高CM検体では、HDL3の分離工程における反応液の遠心後、上清部分の最上部にCMが膜状に存在する。これを総コレステロール測定キットで定量した場合には、CMに存在するコレステロールをも測定することになる。この場合、測定値にCM中のコレステロールも含まれることになり、HDL3-Cを正確に測定することができない。このためCMを多く含む検体を用いた場合、HDL-C測定キットを用いて検体中のHDL-Cを測定することが好ましい。
【0037】
また、CMを大量に含む高CM検体でHDL3の分離工程後にHDL3に加えCMが存在していた場合には、上記のコレステロールの測定工程のステップBにおいてHDLに特異的に作用する界面活性剤がCMに作用しにくいため、CM中のコレステロールが消去され得る。従って、高CM検体を用いた場合、コレステロールの測定工程において、HDLに特異的に作用する界面活性剤を用いること及びHDL-C測定用試薬を用いることという2つの処理により、最終的な測定値にCMの混入の影響が及ぶことを避けることができる。
【0038】
総コレステロール及びHDL-Cの測定は、市販の試薬キットを用いて行うことができる。HDL-C測定用の市販の試薬キットとしては、例えばHDL-EX(デンカ生研)がある。
【0039】
別途検体を分離せずに検体中のトータルHDL-CをHDL-C測定用試薬を用いて求め、トータルHDL-Cから上記の方法で求めたHDL3-Cを差し引くことにより、HDL2-C(HDL2中のコレステロール含有量)を求めることができる。
【0040】
本発明は、この方法によりHDL2-Cを測定する方法をも包含する。
【0041】
さらに、単離したHDL3にアポA-1抗体を作用させて、HDL3中のアポA-1分画の含有量を測定することができる。同様に、アポA-2抗体を用いて、HDL3中のアポA-2分画の含有量を測定することができる。抗ヒトアポA-1抗体によりアポA-1を測定する方法としていくつかの方法、例えば(Clin Chem. 1990;36:591-7)等があるが、これらを好適に用いることができる。また、同様に抗ヒトアポA-2抗体によりアポA-2を測定する方法としていくつかの方法、例えば(Clin Chem. 1990;36:591-7)等があるが、これらを好適に用いることができる。
【0042】
本発明は、HDL3中のアポA-1を測定する方法及びHDL3中のアポA-2を測定する方法も包含する。
【0043】
本発明は、HDL3を分離するための試薬組成物、該組成物及び分離したHDL3を測定するためのキットも包含する。HDL3を分離するための試薬組成物は、少なくともヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む。該試薬組成物は、さらに1価金属イオンを含んでいてもよい。該試薬組成物中のヘパリン、2価金属イオン、デキストラン硫酸及び1価金属イオンの濃度は、検体と試薬組成物の混合比(体積比)にもよるが、例えば検体300μLに試薬組成物60μLを添加する場合、試薬組成物中のヘパリン濃度は、600〜1500U/mL、デキストラン硫酸濃度は、6〜24mg/mLが好ましい。また2価金属イオン濃度は12〜600mg/mLが好ましい。さらに1価金属イオン濃度は、0.06〜1.8mol/Lが好ましい。
【0044】
分離したHDL3を測定するためのキットは、上記の試薬組成物及び総コレステロール測定用試薬又はHDL-C測定用試薬を含む。該キットはさらに遠心分離用チューブ、HDL3分離用フィルター等を含んでいてもよい。
【実施例1】
【0045】
脂質正常及び脂質異常血清検体(TG:500mg/dL以下)のHDL3-Cの測定
(使用材料)
検体:脂質正常及び脂質異常血清検体(TG:500mg/dL以下) 98例
ヘパリン:ヘパリンナトリウム塩、市販品
2価金属イオン:Mn2+イオン、MnCl2、和光純薬社製特級、市販品
HDL-C測定用試薬:HDL-C測定キットHDL-EX(デンカ生研社製)
総コレステロール測定試薬:総コレステロール測定キットT-CHO(S)(デンカ生研社製)
デキストラン硫酸:デキストラン硫酸ナトリウム、市販品
界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル系、HLB値13.5、市販品。
【0046】
HDL3以外のリポ蛋白を分離除去する第1工程として検体300μLにヘパリンナトリウム1000U/mL及びMnCl2 100mg/mL、デキストラン硫酸ナトリウム12mg/mL、界面活性剤100mgからなる測定試薬60μLを添加し、37℃で30分間反応させた。その後18,500gで10分間遠心分離を行い、上清を回収した。HDL3中のコレステロールを測定する第2工程としてHDL-C測定キットHDL-EX(デンカ生研社製)、又は総コレステロール測定キットT-CHO(S)N(デンカ生研社製)を使用して日立7180型自動分析装置によってHDL3中のコレステロールを測定した。比較法として超遠心法により測定した。超遠心法においては血清と比重液を混合後、超遠心分離を行い比重1.125〜1.210の分画を回収し、コレステロールを測定してHDL3中コレステロール値とした。
【0047】
TG500mg/dLより小さい血清を試料とし、本発明法によりHDL3-Cを測定し、その測定値を超遠心法によって得られる値と比較した。この結果を図1に示す。図1中、コレステロールの単位は、mg/dLである。図1に示すように、脂質正常及びTGが500mg/dLより小さい高TG(TG>500mg/dL)ではない検体では、本発明法による結果は超遠心法による結果と良好な相関性を示した。
【実施例2】
【0048】
脂質異常血清検体(TG:500mg/dL以下)のHDL3-Cの測定
TG含有量が0〜500mg/dLの低TG血清を含む血清82検体と、TG含有量が500〜1700mg/dLの高TG血清を含む血清8検体を試料とし、本発明の方法によりHDL3を分離した後、HDL-C試薬及び総コレステロール試薬を用いて測定を行い、その測定値を超遠心法によって得られる値と比較した。本発明による分離工程、測定工程で用いた測定試薬及び超遠心法は実施例1と同様のものを使用した。本発明法の測定値と超遠心法の測定値の%差を図2に示す。図2中、黒のシンボルがHDL-Cを用いて測定した結果であり、白のシンボルが総コレステロール試薬を用いて測定した結果である。
【0049】
図2に示すように、測定工程において総コレステロール測定用試薬を用いた場合には高TG検体で超遠心法と乖離が生ずる。これに対し、測定工程でHDL-C測定用試薬を用いた場合では超遠心法と乖離が生じず、正確に測定を行うことができる。
【実施例3】
【0050】
HDL3中のアポA-1の測定
血清を試料とし、本発明法によりHDL3中のアポA-1を測定し、その測定値を超遠心法によって得られるHDL3中のアポA-1値と比較した。
すなわち、検体300μLにヘパリンナトリウム1000U/mL及びMnCl2 100mg/mL、デキストラン硫酸ナトリウム12mg/mLからなる測定試薬60μLを添加し、37℃で30分間反応させた。その後18,500gで10分間遠心分離を行い、上清を回収し、市販されているキットアポA-1オートN第一(第一化学薬品社製)を使用して日立7180型自動分析装置によってHDL3中のアポA-1を測定した。超遠心法は血清と比重液を混合後、遠心を行い比重1.125〜1.210の分画を回収し、アポA-1を測定してHDL3中アポA-1値とした。この結果を図3に示す。図3中、アポA-1の単位は、mg/dLである。図3に示すように本発明法による結果は超遠心法による結果と良好な相関性を示した。
【実施例4】
【0051】
HDL3中のアポA-2の測定
血清を試料とし、本発明法によりHDL3中のアポA-2を測定し、その測定値を超遠心法によって得られるHDL3中のアポA-2値と比較した。
すなわち、血清試料300μLにヘパリンナトリウム1000U/mL及びMnCl2 100mg/mL、デキストラン硫酸ナトリウム12mg/mLからなる測定試薬60μLを添加し、37℃で30分間反応させた。その後18,500gで10分間遠心分離を行い、上清を回収し、市販されているキットアポA-2オートN第一(第一化学薬品社製)を使用して日立7180型自動分析装置によってHDL3中のアポA-2を測定した。超遠心法は血清と比重液を混合後、遠心分離を行い比重1.125〜1.210の分画を回収し、アポA-2を測定してHDL3中アポA-2値とした。この結果を図4に示す。図4中、アポA-1の単位は、mg/dLである。図4に示すように本発明法による結果は超遠心法による結果と良好な相関性を示した。
【実施例5】
【0052】
HDL2-Cの測定
血清を試料とし、本発明法により計算によって得られるHDL2中のコレステロールを測定し、その測定値を超遠心法によって得られるHDL2中のコレステロール値と比較した。
実施例1で使用した試薬及びHDL-C測定用試薬を用いて、血清中のHDL3-C及びHDL-Cを求め、HDL-CよりHDL3-Cを差し引くことによりHDL2-Cを求めた。また、超遠心法は血清と比重液を混合後、遠心を行い比重1.063〜1.125の分画を回収し、総コレステロールを測定してHDL2中コレステロール値とした。この結果を図5に示す。図5中、コレステロールの単位は、mg/dLである。
図5に示すように本発明法によって求められる結果は超遠心法による結果と良好な相関性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明のHDL3の定量法及びHDL3-C測定試薬は、簡便な操作でHDL3をそれ以外のリポ蛋白と分離することができ、HDL3中のコレステロールを分別測定することができるため臨床上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例1における本発明法によるHDL3中コレステロールの測定値と、超遠心法によるHDL3中コレステロールの測定値との相関性を示す図である。
【図2】実施例2における本発明法によるHDL3中コレステロールの測定値と、超遠心法によるHDL3中コレステロールの測定値との相違を示す図である。
【図3】実施例3における本発明法によるHDL3中アポA-1の測定値と、超遠心法によるHDL3中アポA-1の測定値との相関性を示す図である。
【図4】実施例4における本発明法によるHDL3中アポA-2の測定値と、超遠心法によるHDL3中アポA-2の測定値との相関性を示す図である。
【図5】実施例5における本発明法によるHDL2中コレステロールの測定値と、超遠心法によるHDL2中コレステロールの測定値との相関性を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含む試薬を検体に添加し、HDL3以外のリポ蛋白を凝集させる工程、並びに
1回の遠心分離又はろ過により検体からHDL3以外のリポ蛋白を分離除去する工程
とを含む検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離する方法。
【請求項2】
2価金属イオンがMn2+イオンである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
HDL3以外のリポ蛋白を凝集させるのに、さらに1価金属イオンを添加する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法により、検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離し、分離したHDL3中のコレステロール含有量(HDL3-C)を測定することを含む検体中のHDL3-Cを測定する方法。
【請求項5】
HDL3以外のリポ蛋白を分離除去する工程の後、HDLコレステロール直接測定用試薬を用いてHDL3中のコレステロールを測定することを含む、請求項4に記載の検体中のHDL3-Cを測定する方法。
【請求項6】
HDL3以外のリポ蛋白を分離除去する工程の後、総コレステロール測定用試薬を用いてHDL3中のコレステロールを測定することを含む、請求項4に記載の検体中のHDL3-Cを測定する方法。
【請求項7】
HDL3以外のリポ蛋白を凝集させる工程で反応系に添加されるヘパリン最終濃度が100〜250U/mL、2価金属イオン最終濃度が2〜100mg/mL、及びデキストラン硫酸最終濃度が1〜4mg/mLである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の検体中のHDL3-Cを測定する方法。
【請求項8】
HDL中のコレステロール含有量(HDL-C)直接測定法により求めた検体中のHDL-C値から、請求項4〜7のいずれか1項に記載のHDL3-Cを測定する方法により求めた検体中のHDL3-Cの測定値を差し引くことにより検体中のHDL2中のコレステロール含有量(HDL2-C)を求めることを含む、検体中のHDL2-Cを測定する方法。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法により、検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離し、分離したHDL3中のアポA-1量をアポA-1測定用試薬を用いて測定することを含む、検体中のHDL3中のアポA-1量を測定する方法。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法により、検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離し、分離したHDL3中のアポA-2量をアポA-2測定用試薬を用いて測定することを含む、検体中のHDL3中のアポA-2量を測定する方法。
【請求項11】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の検体中のHDL3をそれ以外のリポ蛋白から分離する方法に用いるHDL3分離用試薬組成物であって、ヘパリン、2価金属イオン及びデキストラン硫酸を含むHDL3分離用試薬組成物。
【請求項12】
2価金属イオンがMn2+イオンである請求項11に記載のHDL3分離用試薬組成物。
【請求項13】
さらに、1価金属イオンを含む請求項11又は12に記載のHDL3分離用試薬組成物。
【請求項14】
ヘパリン濃度が600〜1500U/mL、2価金属イオン濃度が12〜600mg/mL、及びデキストラン硫酸濃度が6〜24mg/mLである請求項11〜13のいずれか1項に記載のHDL3分離用試薬組成物。
【請求項15】
請求項4〜7のいずれか1項に記載の検体中のHDL3-Cを測定する方法に用いるHDL3-C測定用キットであって、請求項11〜13のいずれか1項に記載の試薬組成物並びに総コレステロール測定用試薬若しくはHDL-C測定用試薬を含むHDL3-C測定用キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−207463(P2009−207463A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56836(P2008−56836)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 掲載アドレス http://www.jlr.org/cgi/content/abstract/D700027−JLR200v1 電気通信回線発表日:2008年1月27日
【出願人】(591125371)デンカ生研株式会社 (72)
【Fターム(参考)】