説明

HPV−16およびHPV−18L1VLPワクチン

本発明は、HPV16およびHPV18 VLPの、他のHPV型による感染および/または疾患に対して交差保護を与えるための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒトパピローマウイルス(HPV)由来のウイルス様粒子(VLP)および、特に異種HPV型により引き起こされる感染および/または疾患からの保護を与える医薬品におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
パピローマウイルスは小さなDNA腫瘍ウイルスであって、非常に種特異的である。これまでに、100種を超える個々のヒトパピローマウイルス(HPV)遺伝子型が報告されている。HPVは一般に、皮膚(例えばHPV-1及びHPV-2)又は粘膜表面(例えばHPV-6及びHPV-11)のいずれかに対して特異的であり、通常は数ヶ月又は数ヵ年持続する良性腫瘍(いぼ)を引き起こす。このような良性腫瘍は当事者にとって苦痛であるが、少数の例外はあるものの、生命に危険を及ぼすことはない。
【0003】
幾つかのHPVは癌とも関係があり、発癌性HPV型として公知である。HPVとヒト癌との最も強い正の関連性は、HPV-16及びHPV-18と子宮頸癌との間に存在する関連性である。子宮頸癌は、発展途上国において最も一般的な悪性疾患であり、毎年世界中で約500,000件の新しい症例が発生している。
【0004】
癌に関する特に重要な他のHPVは、31、33、45、39、45、51、52、56、58、59、66および68型である。
【0005】
HPV様粒子(VLP)がHPV治療用に有望なワクチンとして示唆されている。動物研究はVLPが他のHPV型に対する感染に対する交差保護を生じないことを示した。例えば、Suzich, J.A.ら, Proc Natl Acad Sci, 92:11553-11557, 1995、およびBreitburd, 「癌生物学セミナー(Seminars in Cancer Biology)」, vol 9, 1999, pp 431-445を参照されたい。
【0006】
そういうわけで、多種のHPV型に対して保護を与えるワクチンの必要性はなお存在する。本発明はこの必要性に取り組むものである。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
第1の態様において、本発明は、16および18型を除く発癌性HPV型の群の1種以上の型により引き起こされる感染または疾患の予防における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する混合物の使用に関する。
【0008】
本発明はまた、16および18型を除く発癌性HPV型の群の1種以上の型により引き起こされる感染または疾患を予防するための医薬品の調製における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する混合物の使用に関する。
【0009】
第2の態様において、本発明は、HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型の群の1種以上の型により引き起こされる感染または疾患の予防における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する混合物の使用に関する。
【0010】
本発明はまた、HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型の群の1種以上の型により引き起こされる感染または疾患を予防するための医薬品の調製における、HPV16およびHPV18 VLPの混合物の使用に関する。
【0011】
第3の態様において、本発明は、HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型からなる群の1種以上の型により引き起こされる感染または疾患の予防における、HPV16 VLPの使用に関する。
【0012】
本発明はまた、HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型からなる群の1種以上の型により引き起こされる感染または疾患を予防するための医薬品の調製における、HPV16 VLPの使用に関する。
【0013】
第4の態様において、本発明は、HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型からなる群の1種以上の型により引き起こされる感染または疾患の予防における、HPV18 VLPの使用に関する。
【0014】
本発明はまた、HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型からなる群の1種以上の型により引き起こされる感染または疾患を予防するための医薬品の調製における、HPV18 VLPの使用に関する。
【0015】
さらに特に、本発明は、16および18型を除く全ての発癌性癌型からなる群から選択される1種以上のHPV型に対する免疫反応を誘導する方法であって、被験者にHPV16 VLPを含有する組成物を投与することを含んでなる上記方法に関する。HPV型が18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66および68型からなる群から選択される方法が好ましい。また、HPV31、HPV33、HPV35、HPV52およびHPV58からなる群から選択されるHPV型の1種以上に対する免疫反応を誘導する方法も好ましい。最も好ましいのは、HPV31、HPV35およびHPV58からなる群から選択されるHPV型の1種以上に対する免疫反応を誘導する方法である。他の実施形態においては、本方法において有用な組成物はさらにHPV18 VLPおよび/またはアジュバントを含有する。さらに他の実施形態においては、誘導される免疫反応は、記載したHPV型による感染の予防をもたらす。
【0016】
さらに他の実施形態においては、本発明は16および18型を除く全ての発癌性癌型からなる群から選択される1種以上のHPV型に対する免疫反応を誘導する方法であって、被験者にHPV18 VLPを含有する組成物を投与することを含んでなる上記方法に関する。31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66および68型からなる群から選択されるHPV型の1種以上に対する免疫反応を誘導する方法であって、被験者にHPV18 VLPを含有する組成物を投与することを含んでなる上記方法が好ましい。HPV45およびHPV58からなる群から選択されるHPV型の1種以上に対する免疫反応を誘導する方法が好ましい。他の実施形態においては、本発明の方法に有用な組成物は、さらにHPV16 VLPおよび/またはアジュバントを含有する。さらに他の実施形態においては、誘導される免疫反応は記載したHPV型による感染の予防をもたらす。
【0017】
免疫反応が、同定した特定の群からなる(好ましい群のサイズに応じて)任意の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12種のHPV型に対して誘導される上記の方法が好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
詳細な説明
本発明において、本発明者らは意外にもHPV16およびHPV18 VLPの使用が、癌を引き起こすことができる(16および18型を除く)発癌性HPV型の群の1種以上による感染に対して交差保護を与えることを見出した。発癌性型の群は、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、82、26、53、および66型を含んでなる。特にHPV16およびHPV18 VLPの使用は、以後「ハイリスク癌型」の群と呼ぶことにするHPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、および68型により引き起こされる感染および/または疾患に対して交差保護を与える。ハイリスク癌型の群全体に対する、およびある特定の型および型の組み合わせに対する保護が同定されている。その効果は、HPV16およびHPV18 VLPの使用によりそれぞれHPV16およびHPV18に対して見られる「同種」保護効果にさらに付加されるものである。このように、HPV16 VLPとHPV18 VLPは両方とも、HPV16、HPV18に対するおよびその他のHPV型に対するワクチンに利用することができる。
【0019】
本明細書において交差保護は、発癌性HPV型の群に対する感染(感染は偶発的または持続的感染)および/またはHPV感染により引き起こされる発癌性疾患の発生率が、HPV16および/またはHPV18 VLP(好ましくは16および18型)をワクチン接種した個体群では非ワクチン接種群より低いことを意味すると理解される。本発明は1つの型または複数の型の群に対する完全な交差保護を求めるのでなく、事実上、交差保護のいずれのレベルの利益を与えてもよい。好ましくは、観察される交差保護のレベルは、ワクチン接種群をして、匹敵する非ワクチン接種群より5%低い感染および/または疾患、さらに好ましくは10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、45%以下、50%以下、55%以下、60%以下、65%以下、70%以下、80%以下、90%以下またはさらに100%以下の感染および/または疾患を有するようにさせるものである。
【0020】
交差保護は、ワクチン接種受給者および対照群において様々な発現型に特異的な核酸の存在を検出することにより評価することができる。検出は、例えば、WO 03/014402、およびその参照文献、特にWO 99/14377に記載の「HPV DNAの非特異的増幅および続いてのLiPAシステムを用いるDNA型の検出(non-specific amplification of HPV DNA and subsequent detection of DNA types using a LiPA system)」、ならびにKleterら, [Journal of Clinical Microbiology (1999), 37 (8): 2508-2517](これらの全ての内容は本明細書に参照により組み入れられる)に記載の技術を用いて実施することができる。しかし、サンプル中のHPV DNAを検出するために、任意の好適な方法、例えば目的のそれぞれのHPV型に特異的なプライマーを用いる型特異的PCRを利用してもよい。好適なプライマーは当業者に公知であるか、または発癌性HPV型の配列が既知であれば容易に構築することができる。
【0021】
交差保護が女性集団、好ましくはHPV感染に対してセロネガティブ、またはHPV16および18に対してセロネガティブである女性、好ましくは性活動前の青年期女性に観察されることが好都合である。
【0022】
交差保護(ワクチン接種群-対-対照群において見られる保護により評価される)は16型または18型以外のいずれかの発癌性型、例えばハイリスク癌型、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66もしくは68型の群の任意の1種、または、ハイリスク癌型の群の、まとめて、例えば任意の2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくは11種、または実際に、ハイリスク癌型の全てに対して見られることが好ましい。ハイリスク癌型の2、3、4、5、6、7、8、9、10および11種の全ての可能な組み合わせが具体的に考えられ、そのようなものとして、本明細書に個別に記載したVLP型の様々な異なる「群」が存在し、それに対する交差保護のレベルをプラセボ群と比較して分析することができる。任意のかかるHPV型の群によるHPV感染を予防するための、HPV16および/またはHPV18 VLPの使用が好ましい。
【0023】
本発明は、次の好ましいHPV型の群による感染および/または疾患に対する交差保護を与えることが好都合である。
【0024】
A HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型の1種以上を含有する群。
【0025】
B HPV31型およびHPV33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型の1種以上を含有するAに記載の群。
【0026】
C HPV33型およびHPV35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型の1種以上を含有するAまたはBに記載の群。
【0027】
D HPV35型およびHPV39、45、51、52、56、58、59、66、68型の1種以上を含有するA〜Cに記載の群。
【0028】
E HPV39型およびHPV45、51、52、56、58、59、66、68型の1種以上を含有するA〜Dに記載の群。
【0029】
F HPV45型およびHPV51、52、56、58、59、66、68型の1種以上を含有するA〜Eに記載の群。
【0030】
G HPV51型およびHPV52、56、58、59、66、68型の1種以上を含有するA〜Fに記載の群。
【0031】
H HPV52型およびHPV56、58、59、66、68型の1種以上を含有するA〜Gに記載の群。
【0032】
I HPV56型およびHPV58、59、66、68型の1種以上を含有するA〜Hに記載の群。
【0033】
J HPV58型およびHPV59、66、68型の1種以上を含有するA〜Iに記載の群。
【0034】
K HPV59型およびHPV66、68型の1種以上を含有するA〜Jに記載の群。
【0035】
L HPV66型およびHPV68型の1種以上を含有するA〜Kに記載の群。
【0036】
特に本発明者らは、全集団にわたって、プラセボ群が、HPV16およびHPV18 VLPを含有するワクチンを用いてワクチン接種した女性と比較してハイリスク癌型の群の少なくとも1種に38%より多く感染すると思われることを確認した。従って本発明は、特にハイリスク癌型の1種以上による集団の感染の予防における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する組成物の使用に関する。好ましくは、上記組成物は、ハイリスク癌型からなる群による集団の感染の予防に、プラセボより少なくとも20%効果的であり、好ましくは少なくとも25%効果的であり、最も好ましくは少なくとも30%効果的であり、好適なのは感染の予防に少なくとも34%効果的であり、最も好ましくは感染の予防に少なくとも38%効果的である。
【0037】
好ましくは、本発明は、HPV31、33、35、52および58型の1種以上による感染を予防するための医薬品の調製における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する組成物に関する。
【0038】
本発明者らは、全集団にわたって、HPV16およびHPV18 VLPを用いてワクチン接種した女性と比較して、プラセボ群はHPV31、33、35、52および58型の群の少なくとも1種に43%より多く感染すると思われることを確認した。従って、本発明は、特にHPV31、33、35、52および58型の1種以上による集団の感染の予防における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する組成物の使用に関する。好ましくは、上記組み合わせは、集団におけるHPV31、33、35、52または58型からなる群による感染の予防に、プラセボより少なくとも10%効果的であり、さらに好ましくは少なくとも15%効果的であり、さらに好ましくは少なくとも20%効果的、25%効果的、30%効果的、37%効果的であり、または、好適なのは感染の予防に少なくとも43%効果的である。
【0039】
好ましくは、本発明は、HPV31、35および58型の1種以上の感染を予防するための医薬品の調製における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する組成物に関する
本発明者らは、全集団にわたって、HPV16およびHPV18 VLPを含有するワクチンを用いてワクチン接種した女性と比較して、プラセボ群は少なくともHPV31、35および58型の群の少なくとも1種に58%より多く感染すると思われることを確認した。従って、本発明は、特にHPV31、35および58型の1種以上による集団の感染の予防における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する組成物の使用に関する。好ましくは、その組成物は、HPV31、35または58型からなる群による集団における感染の予防に、プラセボより少なくとも15%効果的であり、好ましくは少なくとも20%効果的であり、好ましくは25%まで効果的、30%まで、35%まで、40%まで、45%まで、49%まで、55%まで、またはそれ以上効果的であり、好適なのは、感染の予防に少なくとも58%効果的である。
【0040】
好ましくは、本発明は、HPV45および59型の1種以上による感染を予防するための医薬品の調製における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する組成物に関する
特に本発明者らは、全集団にわたって、HPV16およびHPV18 VLPを含有するワクチンを用いてワクチン接種した女性と比較して、プラセボ群は少なくともHPV45および59型の群の少なくとも1種(または1種以上)に33%より多く感染すると思われることを確認した。従って、本発明は、特にHPV45およびHPV59型の1種以上による集団の感染の予防における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する組成物の使用に関する。好ましくは、その組成物は、HPV45およびHPV59型からなる群による集団における感染の予防に、プラセボより少なくとも20%効果的であり、好ましくは少なくとも25%効果的であり、さらに好ましくは30%まで効果的であり、さらに好ましくは、感染の予防に少なくとも33%効果的である。
【0041】
好ましくは、本発明は集団内のHPV感染を予防する方法であって、HPV16 VLP、HPV18 VLPまたはそれらの混合物を用いるワクチン接種が次のHPV型の群、すなわち、全ての発癌性HPV型(16および18型を除く)の群;上記の項目A〜Lに同定した任意の群;ハイリスク癌型の群;HPV31、35、58型の群;HPV31、33、35、52、58型の群;HPV45および59型の群による感染に対して交差保護を与え、かつ全ての群のメンバーに対してまとめて達成される保護がプラセボを用いる場合に見られる保護より大きいものである、上記方法に関する。
【0042】
好ましくはHPV16およびHPV18 VLPを含有する組成物は、少なくともHPV35およびHPV52型感染の少なくとも1種に対する交差保護を与える。
【0043】
好ましくはHPV16およびHPV18 VLPの組成物はまた、HPV16および/またはHPV18、好ましくはHPV16およびHPV18の両方による感染に対する保護も与える。
【0044】
本発明はまた、ハイリスク癌型の群、好ましくはHPV31、33、35、52、58型からなる群、または31、35、58型からなる群の1種以上による感染の予防における、HPV16 VLPの使用にも関する。
【0045】
本発明はまた、ハイリスク癌型の群、好ましくはHPV31、33、35、52、58型からなる群、または31、35、58型からなる群の1種以上による感染を予防するための医薬品の調製におけるHPV16 VLPの使用にも関する。
【0046】
本発明はまた、ハイリスク癌型の群、好ましくはHPV45および59型からなる群の1種以上による感染の予防におけるHPV18 VLPの使用にも関する。
【0047】
本発明のHPV16 VLPは、いずれか他のHPV VLP型の不在において使用することもできるし、または他のHPV VLP型と組合わせて使用することもできる。好ましくは、HPV16 VLPをHPV18 VLPと組合わせて使用する。
【0048】
本発明のHPV18 VLPは、いずれか他のHPV VLP型の不在において使用することもできるし、または他のHPV VLP型と組合わせて使用することもできる。好ましくは、HPV18 VLPをHPV16 VLPと組合わせて使用する。
【0049】
好ましくは、HPV16 VLP、HPV18 VLPおよびそれらの組合わせを使用して、個々の発癌性型、好ましくはハイリスク癌型、具体的にはHPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型に対する保護を与える。
【0050】
交差保護効果に加え、好ましくは本発明の免疫原性組成物、最も好ましくはHPV16およびHPV18 VLPの組み合わせを成人および10才以上の青年期女性の能動免疫感作に使用して、HPV-16およびHPV-18感染、持続的なHPV-16およびHPV-18感染、ならびにHPV-16およびHPV-18が関係する子宮頸部腫瘍症の1以上を予防する。
【0051】
好ましくは、本発明の免疫原性組成物を使用して、他の(非HPV16、18)発癌性型による感染に関係がある子宮頸部腫瘍症を予防する。
【0052】
HPV VLPおよびVLPを産生する方法は当技術分野で周知である。VLPは典型的にはL1および場合によってはL2ウイルス構造タンパク質から構築する(例えばWO 9420137およびWO 9405792を参照)。本発明においては、交差保護を与える任意の好適なHPV VLP、例えば、L1またはL1+L2 VLPを用いることができる。
【0053】
好ましくは、VLPはL1だけのVLPである。
【0054】
VLPは全長L1タンパク質を含有してもよい。
【0055】
好ましくは、VLPを形成するために利用するL1は末端切断L1タンパク質である。好ましくは、末端切断は核局在化シグナルを除去する。好ましくは、末端切断はC末端の末端切断である。好ましくは、C末端の末端切断は50個未満のアミノ酸、さらに好ましくは40個未満のアミノ酸を除去する。VLPがHPV16 VLPであれば、好ましくはC末端の末端切断はHPV16 L1から34個のアミノ酸を除去する。VLPがHPV18 VLPであれば、好ましくはC末端の末端切断はHPV18 L1から35個のアミノ酸を除去する。
【0056】
末端切断されたL1タンパク質は好適な機能性L1タンパク質誘導体である。機能性L1タンパク質誘導体は(必要があれば、好適なアジュバントを加えて)免疫反応を惹起することができ、上記免疫反応は、全長L1タンパク質からなるVLPおよび/またはL1タンパク質が由来するHPV型を認識することができるものである。
【0057】
本発明のVLPはまた、他の型の機能性タンパク質誘導体を含むものであってもよく、それらには全長または末端切断されたHPV L1タンパク質の欠失、置換、または挿入突然変異体などの突然変異体が含まれる。好適な誘導体はまたコドン最適化配列も含む。L1タンパク質または誘導体はまた、融合タンパク質、例えばL1タンパク質のL2または早期タンパク質との融合体であってもよい。L1タンパク質または機能性タンパク質誘導体はVLPを形成することができ、VLP形成は標準技術、例えば、電子顕微鏡および動的レーザー光散乱により判定することができる。
【0058】
VLPは酵母細胞または昆虫細胞、例えばバキュロウイルス細胞などの任意の好適な細胞基質中で作ることができ、VLPを調製する技術は当技術分野においてWO 9913056および米国特許第6245568号およびその参考文献などで周知であり、これらの全ての内容は本明細書に参照により組み入れられる。
【0059】
VLPは、好ましくは、より安定なおよび/または均一なパピローマウイルスVLPを提供することができる分解(disassembly)および再組み立て(reassembly)技法により作る。例えば、McCarthyら, 1998 「ヒトパピローマウイルス11型ウイルス様粒子のin vitroにおける定量的分解と再組み立て(Quantitative Disassembly and Reassembly of Human Papillomavirus Type 11 Viruslike Particles in Vitro)」 J. Virology 72(1):33-41は、均一なVLP調製物を得るための、昆虫細胞から精製した組換え体L1 HPV11 VLPの分解および再組み立てを記載している。WO 9913056および米国特許第6245568号もまた、HPV VLPを作るための分解/再組み立てプロセスを記載している。
【0060】
好ましくは、本発明のHPV VLPはWO 9913056または米国特許第6245568号に記載の通り作製する。
【0061】
本発明のVLPをアジュバントと組合わせることができる。本発明のワクチンは好適なアジュバントまたは免疫刺激剤、例えば、限定されるものでないが、任意の供給源からの解毒化したリピドAおよびリピドAの無毒誘導体、サポニンおよびTH1型反応を刺激することができる他の試薬を含有してもよい。
【0062】
腸内細菌性リポ多糖(LPS)が免疫系の強力な刺激剤であることは古くから知られているが、そのアジュバントにおける用途はその毒性効果により限定されている。コア糖鎖基の除去および還元末端グルコサミンからのリン酸の除去により作られるLPSの無毒誘導体であるモノホスホリルリピドA(MPL)がRibiら(1986, 「細菌内毒素の免疫学および免疫薬理学(Immunology and Immunopharmacology of bacterial endotoxins)」, Plenum Publ. Corp., NY, p407-419)により記載されていて、そのMPLは次の構造を有する。
【0063】


MPLのさらなる解毒化バージョンが二糖主鎖の3-位置からのアシル鎖の除去によって得られ、3-O-脱アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)と呼ばれる。3D-MPLはGB 2122204Bに開示された方法により精製して調製することができ、この参照文献はジホスホリルリピドA、およびその3-O脱アシル化変異体の調製も開示している。
【0064】
好ましい3D-MPLの形態は、直径が0.2μm未満の小粒子径を有するエマルジョンの形態であり、その製造方法はWO 94/21292に開示されている。モノホスホリルリピドAおよび界面活性剤を含有する水性製剤はWO 9843670A2に記載されている。
【0065】
本発明の組成物中に製剤化する細菌性リポ多糖由来のアジュバントは、細菌供給源から精製しそして加工してもよいし、あるいはそれらは合成品であってもよい。例えば、精製されたモノホスホリルリピドAはRibiら 1986 (supra)に記載されているし、Salmonella種から誘導された3-O-脱アシル化モノホスホリルまたはジホスホリルリピドAはGB 2220211および米国特許第4912094号に記載されている。その他の精製されたおよび合成品のリポ多糖は記載されている(Hilgersら., 1986, Int.Arch.Allergy.Immunol., 79(4):392-6;Hilgersら., 1987, Immunology, 60(1):141-6;およびEP 0 549 074 B1)。特に好ましい細菌性リポ多糖アジュバントは3D-MPLである。
【0066】
従って、本発明に用いることができるLPS誘導体は、構造がLPSまたはMPLまたは3D-MPLと類似する免疫刺激剤である。本発明の他の態様において、LPS誘導体はMPLの上記構造の小部分(sub-portion)であるアシル化単糖であってもよい。
【0067】
サポニンはLacaille-Dubois, MおよびWagner H.(1996. 「サポニンの生物学的および薬理学的活性の総括(A review of the biological and pharmacological activities of saponins)」 Phytomedicine, vol 2, pp363-386)に教示されている。サポニンは植物および海洋動物界に広く分布するステロイドまたはトリテルペングリコシドである。サポニンは、水中でコロイド溶液を形成し、それが振とうにより泡を形成し、そしてコレステロールを沈降させる点が注目される。サポニンが細胞膜近くにあると、膜に泡様構造を作製して、膜が破裂する原因となる。赤血球の溶血はこの現象の一例であり、全てではないが、ある特定のサポニンの特性である。
【0068】
サポニンは全身投与用ワクチンのアジュバントとして公知である。個々のサポニンのアジュバントおよび溶血活性は、当技術分野で広く研究されている(Lacaille-DuboisおよびWagner、前掲)。例えば、Quil A(南アメリカ樹木Quillaja Saponaria Molina種(バラ科)の樹皮から誘導される)およびその画分は、米国特許第5,057,540号、「ワクチンアジュバントとしてのサポニン(Saponins as vaccine adjuvants)」, Kensil, C. R., Crit Rev Ther Drug Carrier Syst, 1996, 12(1-2):1-55;およびEP 0 362 279 B1に記載されている。免疫刺激複合体(ISCOMS)と呼ばれる、Quil Aの画分を含有する微粒子構造は溶血性であってワクチンの製造に利用されている(Morein, B., EP 0 109 942 B1;WO 96/11711;WO 96/33739)。溶血性サポニンQS21およびQS17(Quil AのHPLC精製画分)は強力な全身性アジュバントとして記載されていて、その生産方法は米国特許第5,057,540号およびEP 0 362 279 B1に開示されている。全身性ワクチン接種研究に用いられる他のサポニンは、他の植物種、例えばGypsophila種(かすみ草)およびSaponaria種(サポナリア)から誘導されたものを含む(Bomfordら., Vaccine, 10(9):572-577, 1992)。
【0069】
強化された系には、無毒性リピドA誘導体とサポニン誘導体の組み合わせ、特にWO 94/00153に開示されたQS21と3D-MPLの組み合わせ、または、WO 96/33739に開示された、QS21をコレステロールによりクエンチしたより低い反応原性の組成物が含まれる。
【0070】
水中油エマルジョンのQS21および3D-MPLに関わる特に強力なアジュバント製剤がWO 95/17210に記載されていて、これは好ましい製剤である。
【0071】
従って、本発明の一実施形態においては、解毒化したリピドAまたはリピドAの無毒性誘導体をアジュバントとして加えた、さらに好ましくはモノホスホリルリピドAまたはその誘導体をアジュバントとして加えたワクチンを提供する。
【0072】
好ましくは、ワクチンはさらにサポニン、さらに好ましくはQS21を含有する。
【0073】
好ましくは、製剤はさらに水中油エマルジョンを含む。本発明はまた、ワクチン組成物を生産する方法であって、本発明のL2ペプチドを製薬上許容される賦形剤、例えば3D-MPLと一緒に混合することを含む上記方法も提供する。
【0074】
アジュバントを加えた本発明によるワクチン製剤中に存在するのが好ましいさらなる成分としては、本明細書に記載の非イオン性界面活性剤、例えばオクトキシノールおよびポリオキシエチレンエステル、特にt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(Triton X-100)とポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル(Tween 80);ならびに本明細書に記載の胆汁酸塩またはコール酸誘導体、特にデオキシコール酸またはタウロデオキシコール酸ナトリウムが挙げられる。従って、特に好ましい製剤は3D-MPL、Triton X-100、Tween 80およびデオキシコール酸ナトリウムを含むものであって、これをL2抗原調製物と組合わせて好適なワクチンを提供することができる。
【0075】
本発明の1つの好ましい実施形態においては、ワクチンは、コレステロール、サポニンおよびLPS誘導体を含有する小胞アジュバント製剤を含んでなる。この点について、好ましいアジュバント製剤は、好ましくはジオレイルホスファチジルコリンを含む脂質二重層を有してコレステロールを含有する単層小胞を含んでなり、サポニンおよびLPS誘導体は上記脂質二重層と結合するかまたは上記脂質二重層内に包埋されている。さらに好ましくは、これらのアジュバント製剤は、サポニンとしてQS21、およびLPS誘導体として3D-MPLを含有し、そしてQS21:コレステロールの比は1:1〜1:100重量/重量、そして最も好ましくは1:5重量/重量である。かかるアジュバントはEP 0 822 831 Bに記載されていて、その開示は本明細書に参照により組み入れられる。
【0076】
好適なのは、本発明のワクチンをアルミニウムと組合わせて使用することであって、アジュバントをアルミニウム上に好適に吸着させるかまたは部分的に吸着させる。好適なのは、アジュバントが好ましくは3D MPLと組合わせたアルミニウム塩であり、例えばリン酸アルミニウムと3D MPLである。場合によっては、3D MPLと組合わせた水酸化アルミニウムも好ましい。
【0077】
本発明において最も好ましいのは、VLPのアルミニウム塩またはアルミニウム塩+3D MPLとの組み合わせである。水酸化アルミニウムがアルミニウム塩として好ましい。
【0078】
ワクチンはまた、アルミニウムまたはアルミニウム化合物を安定化剤として含有してもよい。
【0079】
本発明のワクチンは様々な経路、例えば経口、局所、皮下、粘膜(典型的には膣内)、静脈、筋内、鼻腔内、舌下、皮内および坐薬経由の任意の経路により提供することができる。
【0080】
場合によっては、ワクチンはまた、他のHPV抗原、例えば早期抗原または非HVP抗原とともに製剤または共投与してもよい。好適なのは、これらの非HPV抗原が他の疾患、最も好ましくは性感染による疾患、例えば単純ヘルペスウイルス、EBV、クラジミアおよびHIVに対して保護を与えうることである。本発明者らは特に、ワクチンがHSV由来のgDまたはその末端切断体を含有することが好ましいと考える。この方法でワクチンはHPVおよびHSVの両方に対する保護を与える。
【0081】
ワクチン成分の投与量は、個体の症状、性、年齢および体重、投与経路およびワクチンのHPVに応じて変化しうる。量はまた、VLP型の数によっても変わうる。好適な送達量は、免疫学的保護反応を生み出すために好適なワクチン量である。好適なのは、それぞれのワクチンがそれぞれのVLPの1〜100μg、好ましくは5〜80μg、さらに好ましくはそれぞれのVLPの5〜30μg、最も好ましくはそれぞれのVLPの5〜20μg、とりわけ好ましい5μg、6μg、10μg、15μgまたは20μgを含有することである。
【0082】
本発明の全てのワクチンについて、ワクチンは10〜15才、好ましくは10〜13才の青年期少女にワクチン接種をするために利用することが好ましい。ワクチンはまた、異常なパパニコラウスミア後のまたはHPVにより引き起こされた病変部除去に伴う手術後の女性、またはHPV癌型に対してセロネガティブでありDNAネガティブである女性に投与してもよい。
【0083】
好ましくは、ワクチンを2または3用量の治療計画で、例えば、それぞれ0、1ヶ月治療計画または0、1および6ヶ月治療計画で送達する。好都合なのは、ワクチン接種治療計画が5〜10年後、好ましくは10年後にブースター注射を組み入れることである。
【0084】
好ましくは、ワクチンは液体ワクチン製剤であるが、ワクチンを凍結乾燥して投与前に用事調製してもよい。
【0085】
好ましくは、本発明に用いる免疫原(HPV16およびHPV18 VLP)をワクチンとして使用し、そして適当な賦形剤を用いてワクチンに製剤化することである。従って本発明は、特にHPV16またはHPV18ワクチン、例えばLI単独のワクチンの、HPV感染の予防における使用に関する。
【0086】
本発明を、次の非限定の実施例を参照することにより、本明細書において説明する。
【0087】
実施例1
15〜25才の健康な女性を、HPV16およびHPV18 VLPの混合物を用いて免疫感作した。登録時にその女性は:1)HPV-16およびHPV-18に対してセロネガティブであり;2)子宮頸部のハイリスクHPV感染に対して(HPV PCRにより検出して)ネガティブであり;3)生涯の性的伴侶を有するのは6人以下であり;そして4)正常なPAPスメアを有した。
【0088】
上記混合物は0.5ml用量当たり、20μgのHPV-16 L1 VLP、20μgのHPV-18 L1 VLPを含有しかつ500μgの水酸化アルミニウムおよび50μgの3D MPLのアジュバントを含有した。プラセボグループには500μgの水酸化アルミニウムだけを注射した。
【0089】
ハイリスク癌HPV型に対するワクチン効力(V.E.)を評価したが、ここでV.E.は、プラセボグループと比較したワクチンによる感染に対する保護の%改善である。
【0090】
交差保護は、ワクチン接種グループと対照グループにおける様々な発癌性型に特異的な核酸の存在を検出することにより評価した。検出は、WO 03/014402、およびその参照文献、特にWO 99/14377に記載の「HPV DNAの非特異的増幅および続いてのLiPAシステムを用いるDNA型の検出(non-specific amplification of HPV DNA and subsequent detection of DNA types using a LiPA system)」、ならびにKleterら, [Journal of Clinical Microbiology (1999), 37 (8): 2508-2517](これらの全ての内容は本明細書に参照により組み入れられる)に記載の技術を用いて実施した。
【0091】
しかし、サンプル中のHPV DNAを検出するために、任意の好適な方法、例えば目的のそれぞれのHPV型に特異的なプライマーを用いる型特異的PCRを利用してもよい。好適なプライマーは当業者に公知であるか、または発癌性HPV型の配列が既知であれば容易に構築することができる。
【0092】
ワクチン効力を12種のハイリスク癌型の全て、HPV-16に系統学的に関係する型(31、35、および58型;31、33、35、52および58型の群)およびHPV-18に系統学的に関係する型(45および59型)に対して評価した。
【0093】
最初の分析は「ITT」に基づいて実施した(「治療意図(ITT;Intention To Treat)」コホートは、ワクチンの少なくとも1用量を受けた全ての個体を表す)。このデータを表1に示した。
【0094】
表2および表3に示した結果は「ATP」(「プロトコルによる(According To Protocol)」)グループ、すなわち、全ての試験判定基準を順守した患者のグループに関する。表2は中点分析であり、データを全患者から少なくとも50%のコホートが最初のワクチン接種後18ヶ月を経た時点で採取したものである。表3は最終結果を与え、全データを被験者から最初のワクチン接種(第0月)後18ヶ月に採取したものであるる。ATPグループにおいては、全患者が第0、1および6月に3用量のワクチンを受け、そして第6月にセロネガティブであった。
【0095】
表1に示したデータにより実証されるように、HPV16およびHPV18 VLPの混合物を用いる免疫感作は、他のHPV型に対して明らかな交差保護を与えた。この時点でのサンプルサイズは、厳密な統計的分析を提供するには小さ過ぎるが、データはポジティブなトレンドを実証してHPV16およびHPV18 VLPを用いる免疫感作が他のHPV型による感染に対して有効でありうることを示唆する。
【0096】
この示唆は研究が進行するとともに確証された。
【0097】
表2はHPV16およびHPV18が、ハイリスク癌型31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66および68型に対して統計的に有意な交差保護を与えることを実証する。
【0098】
表3は、HPV-18が関係する型(非常に強いトレンドを示す)を除いて、評価したHPV31、35、58型;HPV31、33、35、52、58型;およびHPV12ハイリスク(非HPV-16/18)型のグループに対して、統計的に有意な交差保護が存在することを実証する。
【表1】

【表2】

【表3】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
HPV16およびHPV18型を除く発癌性HPV型の群の1種以上の型により引き起こされる感染および/または疾患を予防するための医薬品の調製における、HPV16およびHPV18 VLPを含有する組成物の使用。
【請求項2】
HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型の群の1種以上の型により引き起こされる感染および/または疾患を予防するための医薬品の調製における、請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項3】
HPV31、HPV33、HPV35、HPV52およびHPV58の群の1種以上の型により引き起こされる感染および/または疾患を予防するための、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
HPV31、HPV35、およびHPV58の群の1種以上の型により引き起こされる感染および/または疾患を予防するための、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
予防の程度を、ワクチン接種集団とワクチン非接種集団(プラセボ群)とを全てのHPV型の群のメンバーについて比較することにより判定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
与えられる予防がプラセボより少なくとも15%優れている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
HPV VLPをアジュバントと組合わせる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
アジュバントがアルミニウム塩と3D-MPLとの組み合わせである、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
アジュバントが水酸化アルミニウムと3D-MPLとの組み合わせである、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
VLPがL1タンパク質またはその免疫原性断片を含有するがL2タンパク質を含有しない、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
HPV16およびHPV18を除く発癌性HPV型の群の1種以上の型に対する免疫反応を誘導する方法であって、被験者にHPV16 VLPおよびHPV18 VLPを含有する組成物を投与することを含んでなる方法。
【請求項12】
HPV16およびHPV18を除く発癌性HPV型の群の1種以上の型により引き起こされる感染および/または疾患を予防する方法であって、被験者にHPV16 VLPおよびHPV18 VLPを含有する組成物を投与することを含んでなる方法。
【請求項13】
発癌性HPV型が31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66および68型からなる群から選択される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
発癌性HPV型がHPV31、HPV33、HPV35、HPV52およびHPV58からなる群から選択される、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
発癌性HPV型がHPV31、HPV35およびHPV58からなる群から選択される、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
組成物がさらにアジュバントを含有する、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
アジュバントがアルミニウム塩および3D-MPLを含有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
アルミニウム塩が水酸化アルミニウムである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
HPV16およびHPV18型を除く発癌性HPV型からなる群から選択される1種以上のHPV型による被験者の集団の感染を予防する方法であって、被験者にHPV16 VLPおよびHPV18 VLPを含有する組成物を投与することを含んでなり、ここで組成物の投与はプラセボの投与より、集団の少なくとも15%以上感染およびまたは疾患を予防することを特徴とする方法。
【請求項20】
ヒトの群におけるHPV16およびHPV18型を除く発癌性HPV型の群による感染および/または疾患を予防するための医薬品の調製における、HPV16およびHPV18 VLPの混合物の使用であって、上記群において見られる感染および/または疾患のレベルがプラセボを用いた群において見られるより有意に低いことを特徴とする使用。
【請求項21】
HPV16 VLPおよびHPV18 VLPを含有するワクチン組成物であって、16および18型以外の発癌性HPV型により引き起こされる感染および/または疾患に対して交差保護を与えるワクチン組成物。



【公表番号】特表2006−512413(P2006−512413A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502554(P2005−502554)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014562
【国際公開番号】WO2004/056389
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(397062700)グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム (37)
【Fターム(参考)】