説明

HT式燃焼ガス水蒸気混合タービン

【課題】 現在稼動している廃棄物焼却炉の大規模なものの一部には、800℃以上の燃焼ガスをボイラーや排ガスタービン等に利用してものもあるが、大部分は熱交換器等の装置を使い、200℃以下に冷却して大気へ放出しているのが現状である。またその燃焼ガスを利用するための様々な研究はされているが、いまだに有効な機械装置等の開発は行われていない。
【解決手段】 HT式燃焼ガス水蒸気混合タービンは、廃棄物焼却炉の燃焼ガス排出過程の中に、ノズルで水を噴射し発生した水蒸気との混合気体で、羽根車を回転させて動力を作り出す装置である。その動力で発電した電力を焼却炉の運転に利用出来ると同時に、燃焼ガスを大気放出温度まで冷却できるので余分な機器を省略し、焼却炉全体の経費削減が図れる効率的な装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物等の焼却炉での燃焼ガスを有効利用して、経費削減を目的とする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の焼却炉の燃焼ガスは、大規模なもので一部ボイラーや排ガスタービンに利用されているが、効率的な経費軽減にはなっていない。
【0003】
又、規模の小さい焼却炉では、燃焼ガスを有効利用することなく、冷却装置を使用して大気に放出しているのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置では、焼却炉の燃焼ガスは一部分有効利用されているが、大部分は冷却して無駄に大気中に放出されている。
【0005】
本発明は、従来の装置が有していた問題を、解決しようとするものであり、燃焼ガスを動力に変換し、有効利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、焼却炉の排出過程の燃焼ガス中に、ノズルで水を噴射し、瞬間的に気化した水蒸気との混合ガスで羽根車を回転させて動力に変換する。
【0007】
発生した動力で発電し、装置全体の運転に利用する。
【0008】
又、水を噴射して燃焼ガスから気化熱を吸収するので、効率的な温度降下が行える。
【0009】
1段の羽根車を可動させると、燃焼ガスの温度が150〜200℃降下するので、3〜5段の羽根車で800℃から大気可能放出温度まで冷却できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のHT式燃焼ガス水蒸気混合タービンは、焼却炉の燃焼ガスを動力に変換し発電をして、装置全体の運転に利用できるので、運転経費の削減が図れる。
【0011】
又、冷却装置としての機能を有しているので、焼却炉装置の簡略化に役立つ。
【0012】
本発明を設置することで、燃焼ガスを再生可能エネルギーとして利用できるので、温暖化対策のCO2削減にも貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0014】
図1において、本装置タービン部2は、焼却炉1と煙突3との間に設置する。
【0015】
図2において、焼却炉1で発生した燃焼ガスがタービン部2を通過する過程で、7の噴射ノズルから水を噴射すると、瞬間的に気化した水蒸気と燃焼ガスの混合気体が11の羽根に勢いよく衝突し、羽根車6を回転させる。
【0016】
一つの噴射ノズルの水噴射量が多すぎると、水蒸気の衝撃力が大きくなり、円滑な回転ができないので、図3のように3箇所に分散する。
【0017】
燃焼ガスの温度によっては、4〜6箇所に噴射ノズルを増やした方が、回転が円滑になる。
【0019】
羽根車一段への水噴射で150〜200℃の温度降下が見込めるので、800℃の燃焼ガスでは3段で大気放出温度まで冷却できる。
【0020】
燃焼ガス温度が高い場合は、4段又は5段にして大気放出温度まで降下させる。
【0021】
羽根車で発生した動力を車軸8で取り出し、発電機4で電力に変換する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】 焼却装置全体の側面略図
【図2】 本発明装置の側断面図
【図3】 羽根車の正面図
【図4】 羽根車の側面図
【符号の説明】
【0023】
2 タービン部
4 発電機
5 水ポンプ
6 羽根車
7 水噴射ノズル
11 羽根
12 ステイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物等の焼却炉で発生する800℃以上の燃焼ガスの排出過程中に、ノズルから水を噴射し、瞬間的に気化する水蒸気と燃焼ガスの混合気体を、羽根車等の回転体にあてて、動力を作り出す装置。
1段の羽根車に水を噴射することで、燃焼ガス温度を150〜200℃降下させ、3〜5段の噴射で大気へ放出可能な200℃以下に冷却する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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