説明

ICカード

【課題】厚みの増加を招くことなく、かつ、優れた安全性を有する、二次電池を備えるICカードを提供する。
【解決手段】ICカードは、電磁誘導により電力を誘起するアンテナコイルと、アンテナコイルにより誘起された電力を蓄積する薄膜電池と、アンテナコイルから薄膜電池への電力の蓄積を制御する制御部とを備える。薄膜電池は、正極と、負極と、正極および負極の間に設けられる固体電解質層とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ICカードに関する。詳しくは、電源を備えるICカードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を電子的に記憶することができる集積回路(IC:Integrated Circuit)と、この集積回路と接続され、電磁波を送受信可能なコイル状アンテナとを備える非接触型のICカードが広く利用されている。この非接触型ICカードでは、リーダ/ライタから電磁波をアンテナで受け、電磁誘導によって得られる電力を用いて集積回路を駆動することで、リーダ/ライタとの通信が行われる。
【0003】
ところで、近年では、このようなICカードでは、ユーザが好きな時や場所において、ICカードに記憶された情報、例えば残高やポイントなどを表示して確認できるようにすることが望まれるようになっている。そこで、このような要求に応えるべく、下記の特許文献1では、ICカードに液系二次電池を搭載し、この二次電池により表示装置を駆動し、情報を表示させる技術が提案されている。また、下記の特許文献2には、ICカードに太陽電池を搭載し、この太陽電池により表示装置を駆動する技術が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−280372号公報
【特許文献2】特開2003−273386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、二次電池の電解質として液系の電解質を使用するため、ICカードが厚くなり、薄型、かつフレキシブルというICカードの利点が損なわれてしまう。また、破損時には液漏れを起こし、電気回路や電池のショートを招く虞があり、液系二次電池をICカードに搭載することには、安全性の点でも問題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載の技術では、十分な光を得ることができない環境下では、表示装置に残高などの情報を表示することは困難である。したがって、ICカードの利便性を高めるためには、二次電池をICカードに搭載することが望まれる。
【0007】
したがって、この発明の目的は、厚みの増加を招くことなく、かつ、優れた安全性を有する、二次電池を備えるICカードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、第1の発明は、
電磁誘導により電力を誘起するアンテナコイルと、
アンテナコイルにより誘起された電力を蓄積する薄膜電池と、
アンテナコイルから薄膜電池への電力の蓄積を制御する制御部と
を備えるICカードである。
【0009】
第2の発明は、
太陽電池と、
太陽電池により発電された電力を蓄積する薄膜電池と、
太陽電池から薄膜電池に対する電力の蓄積を制御する制御部と
を備えるICカードである。
【0010】
第1の発明では、ICカードをリーダ/ライタに近づけると、リーダ/ライタの電磁界により、ICカード内のアンテナコイルに起電力が発生し、電流が流れる。このようにアンテナコイルに電流が流れると、制御部は、アンテナコイルから薄膜電池に対する充電を制御し、薄膜電池に電荷を蓄積する。そして、このように充電された薄膜電池を電源として、制御部は表示部などを駆動する。
【0011】
第2の発明では、太陽電池に光が照射されると、太陽電池が光を電力に変換する。このように太陽電池が発電すると、制御部は、太陽電池から薄膜電池に対する充電を制御し、薄膜電池に電荷を蓄積する。そして、このように充電された薄膜電池を電源として、制御部は表示部などを駆動する。
【0012】
また、第1および第2の発明では、薄膜電池は、薄く、かつ、フレキシブル性に優れるので、ICカードの厚みの増加やフレキシブル性を損なうことがない。また、薄膜電池は液系の電解質を使用しないため、破損時に液漏れを起こすこともない。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、厚みの増加を招くことなく、かつ、優れた安全性を有する、二次電池を備えるICカードを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
【0015】
(1)第1の実施形態
図1は、この発明の第1の実施形態によるICカードの一構成例を示す分解斜視図である。このICカード1は、いわゆる非接触型ICカードであり、図1に示すように、基材2と、基材2の両面に設けられた外装材2aおよび外装材2bとを備える。また、基材2上には、薄膜電池3と、アンテナコイル5と、表示部6と、ICチップ4と、外部接続端子7とを備える。アンテナコイル5の両端がICチップ4に対して接続されている。表示部6および薄膜電池3がICチップに対して接続されている。薄膜電池3は、外部接続端子7に接続され、この外部接続端子7に対して外部電源が接続可能とされる。
【0016】
基材2の形状としては、フィルム状、シート状、基板状を用いることができるが、特にこれらの材料に限定されるものではなく、ICカード1に求められる特性に応じて任意に選択し使用することが可能である。基材2の材料としては、耐久性や利便性などの観点から、フレキシブル性を有する樹脂材料を用いることが好ましい。このような樹脂材料としては、例えば、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド(PI)、ポリエステルを用いることができるが、特にこれらの材料に限定されるものではなく、従来公知の樹脂材料からICカード1に求められる特性に応じて任意に選択し使用することが可能である。
【0017】
外装材2a、2bは、ICカード1の表面および裏面を構成するものであり、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチルテレフタレート)、PEG(ポリエチレングリコール、配向PETなどの高分子材料を主成分とするが、特にこれらの材料に限定されるものではなく、従来公知の樹脂材料からICカード1に求められる特性に応じて任意に選択し使用することが可能である。
【0018】
アンテナコイル5は、基材2上に複数回巻回されて形成されたループコイル形状の電磁誘導コイルであり、その両端はICチップ4に接続されている。アンテナコイル5は、リーダ/ライタから発せられる交流磁界を受信して交流電圧を誘起し、その交流電圧をICチップ4に供給する。アンテナコイル5の形成方法としては、例えば、巻き線工法、埋め込み巻き線工法、エッチング方式、メッキ方式、スクリーン印刷方式などを用いることができる。
【0019】
表示部6としては、フレキシブル性を有するものが好ましく、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(Organic ElectroLuminescence:OEL)などを用いることができる。表示部6は、薄膜電池3から供給される電力により駆動され、ICチップ4に記憶された情報などが表示される。ICカード1が表示部6の駆動を制御するボタンをさらに備え、このボタンをユーザが押すことにより表示部を駆動し、この表示部に情報を表示できる構成としてもよい。
【0020】
ICチップ4は、薄膜電池3またはアンテナコイル5から供給される電力により駆動し、ICカード1内の各部の制御する。例えば、ICチップ4は、アンテナコイル5を介してリーダ/ライタと通信を行う。具体的には、リーダ/ライタとの相互認証やデータのやり取りなどを行う。また、ICチップ4は、外部接続端子7に対して接続された外部電源から二次電池に対する充電の制御や、アンテナコイル5から薄膜電池3に対する充電の制御を行う。
【0021】
薄膜電池3は、繰り返し充放電可能な薄膜二次電池であり、外部接続端子7に対して接続された外部電源、またはアンテナコイル5から供給される電荷を蓄電する。また、薄膜電池3は、CPU14および/または表示部6に電力を供給する。
【0022】
図2は、この発明の第1の実施形態によるICカードの回路の一構成例を示すブロック図である。
【0023】
ICチップ4は、インタフェース11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、CPU(Central Processing Unit)14と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)15と、電圧変換部16とを備える。インタフェース11と、RAM12と、ROM13と、CPU14と、EEPROM15がバス17に対して接続されている。また、薄膜電池3および表示部6は、インタフェース11を介してバス17に対して接続されている。
【0024】
RAM12は、CPU14のワークメモリとして用いられる。EEPROM15には、ICカード1にチャージした電子マネーの残高や履歴など情報が記憶される。電圧変換部16は、アンテナコイル5から供給される交流電圧を直流電圧に変換する。電圧変換部16によって変換された直流電圧は、薄膜電池3に供給される。
【0025】
CPU14は、ROM13に予め記憶された動作プログラムに従い動作し、リーダ/ライタとの間で行われる通信動作の制御などを行う。CPU14は、ROM13に予め記憶された動作プログラムに従い動作し、表示部6に情報を表示する。CPU14は、ROM13に予め記憶された動作プログラムに従い動作し、インタフェース11を介して薄膜電池3の充放電を制御する。例えば、外部接続端子7に対して外部電源が接続された場合には、外部電源から薄膜電池3に対する充電を制御する。また、アンテナコイル5に交流電流が誘起された場合には、アンテナコイル5から薄膜電池3に対する充電を制御する。
【0026】
図3は、この発明の第1の実施形態による薄膜電池3の一構成例を示す。この薄膜電池3は、全固体薄膜二次電池であり、図3に示すように、正極21と、負極25と、正極21および25の間に設けられた固体電解質層24とを備える。
【0027】
正極21は、正極集電体22と、この正極集電体22の一主面に設けられた正極活物質層23とを備える。また、正極21は、その一端に正極端子22aを有する。正極端子22aは、例えば、正極集電体22に用いられる材料と同様の金属材料などを主成分とする。正極端子22aは、正極集電体22と一体となって形成されていてもよいし、正極集電体22の端部に接続されていてもよい。
【0028】
正極集電体22は、良好な化学的安定性、および電気伝導性を有する材料を主成分としていることが好ましい。このような材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレススチール、銅、白金、金、銀、などの金属材料、インジウムとスズの酸化物(Indium Tin Oxde、以下ITOと称する)などが挙げられる。正極集電体22としては、電子伝導性を有し、且つ正極活物質層23と反応しない材料であればよく、上記材料に限定されるものではない。
【0029】
正極活物質層23は、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質を主成分としている。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質としては、例えば、化学式LixMO2(式中、Mは遷移金属のうちのいずれか一種または複数種の化合物を表す。xは、電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である。)を主体とする、リチウムと遷移金属との複合酸化物を用いることができる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)などを用いることができる。
【0030】
このようなリチウム複合酸化物として、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LixNiyCo1-y2(x、yは電池の充放電状態によって異なり、通常0<x<1、0.7<y<1.02である。)などの層状構造のリチウム複合酸化物や、LiMn24などで示されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物などが挙げられる。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度に優れたものである。また、リチウム複合酸化物としては、例えば、一般式LiMPO4で表されるオリビン型構造金属酸化物を用いることができる。ここで、式中、Mは、Fe、Mn、Co、およびNiから選ばれる少なくとも一種である。具体的には、例えばLiFePO4、LiMnPO4、LiCoPO4、LiNiPO4などが挙げられる。
【0031】
正極活物質として層状構造のリチウム複合酸化物を用いる場合、リチウム複合酸化物が、固体電解質層24の主面に対して、リチウム複合酸化物を構成する層が垂直となるように配向していることが好ましい。薄膜電池3の放電時には、負極25から放出されたリチウムはリチウム複合酸化物の層間に挿入されることから、リチウムが移動しやすくなり、正極活物質層23の抵抗を低下させることができるからである。
【0032】
さらに、正極活物質として、TiS2、MoS2、NbSe2、V25などのリチウムを含有しない金属硫化物、金属酸化物、またはポリアニリンあるいはポリチオフェンなどの特定のポリマーなどを使用してもよい。そして、正極活物質層23の材料としては、上述したリチウム複合酸化物、金属硫化物、および金属酸化物などのうちの何れか一種または複数種を混合した材料を用いることも可能である。
【0033】
負極25は、負極集電体26と、この負極集電体26の一主面に設けられた負極活物質層27とを備える。また、負極25は、その一端に負極端子26aを有する。負極端子26aは、例えば、負極集電体26に用いられる材料と同様の金属材料などを主成分とする。負極端子26aは、負極集電体26と一体となって形成されていてもよいし、負極集電体26の端部に接続されていてもよい。
【0034】
負極集電体26は、正極集電体22と同様に、良好な化学的安定性、および電気伝導性を有する材料により構成されていることが好ましい。このような材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレススチール、銅、白金、金、銀などの金属材料、ITOなどが挙げられる。負極集電体26としては、電子伝導性を有し、且つ負極活物質層27と反応しない材料であればよく、上記材料に限定されるものではない。
【0035】
負極活物質層27は、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極活物質を主成分として含んでいる。リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素材料、または金属系材料と炭素系材料との複合材料、リチウムを合金化可能な材料などを用いることができる。具体的には、リチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素材料としては、グラファイト、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素などを用いることができ、より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂などを適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭などの炭素材料を用いることができる。
【0036】
なお、負極活物質としてグラファイトなどの層状構造を有する材料を用いる場合、負極活物質が、固体電解質層24の主面に対して、グラファイトなどを構成する層が垂直となるように配向していることが好ましい。薄膜電池3の充電時には、グラファイトなどを構成する層と層との間にリチウムが吸蔵されるため、リチウムが移動しやすくなり、負極活物質層27の抵抗を低下させることができるからである。
【0037】
リチウムを合金化可能な材料としては、多様な種類の金属元素、半金属元素が使用可能であるが、これらは単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、この発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
【0038】
このような金属元素あるいは半金属元素としては、具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)などが挙げられる。
【0039】
中でも、このような元素としては長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。具体的には、例えば、ケイ素の単体、合金、あるいは化合物、またはスズの単体、合金、あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
【0040】
また、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を含む合金なども用いることができる。さらに、リチウムを吸蔵および放出することが可能な材料として、ポリアセチレン、ポリピロールなどの高分子やSnO2などの酸化物などを使用してもよい。そして、負極活物質層27では、負極活物質として、上記したリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料などのうちの何れか一種または複数種を混合して用いることも可能である。
【0041】
固体電解質層24は、例えば、リチウムイオン導電性を有する無機固体電解質を主成分としている。リチウムイオン導電性を有する無機固体電解質としては、例えば、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸化物、硫化リン化合物などが挙げられる。より具体的には、Li3N、LiI、Li3N−LiI−LiOH、LiSiO4、LiSiO4−LiI−LiOH、Li3PO4−Li4SiO4、Li2SiS3、La2/3-xLi3xTiO3、LiSr2TiTaO6などが挙げられる。無機固体電解質を用いた固体電解質層24は、電解液などの可燃性の有機溶媒を用いていないため、液漏れなどの問題が無く、安全性に優れている。
【0042】
また、リチウムイオン導電性を有する無機固体電解質として、例えば、リチウムとチタンとを含有するリン酸チタン酸リチウム(LiTi2(PO43)を用いることもできる。リン酸チタン酸リチウムはNASICON型構造を有しており、高いイオン伝導性を得ることができる。
【0043】
この薄膜電池3は、電圧変換部16あるいは外部接続端子7から直流電圧が供給されると充電される。充電時には、例えば、正極活物質層23からリチウムイオンが放出され、固体電解質層24を介して負極活物質層27に吸蔵される。薄膜電池3は、電磁誘導方式により得られる電力によって充電できるため、ICカード1の使用と同時に充電も行うことができる。したがって、煩わしい充電作業の手間を省くことができる。
【0044】
また、薄膜電池3の放電時には、例えば負極活物質層27からリチウムイオンが放出され、固体電解質層24を介して正極活物質層23に吸蔵される。このように薄膜電池3の放電がなされると、インタフェース11を介してCPU14や表示部6などが駆動される。
【0045】
図4は、上述の構成を有するICカード1の動作の一例を説明する。
まず、リーダ/ライタ40のアンテナコイル41から発生される交流磁界42の中にICカード1をかざすと、ICカード1のアンテナコイル5に交流電圧が誘起される。この交流電圧は、ICカード1の電圧変換部16によって直流電圧に変換され、CPU14の制御に基づき、薄膜電池3に対して充電がなされる。また、電圧変換部16により変換された直流電圧がCPU14に供給され、CPU14が駆動されるようにしてもよい。
【0046】
この第1の実施形態によれば、ICカード1をリーダ/ライタに近づけ、リーダ/ライタの交流磁界により、ICカード1内のアンテナコイル5に交流電圧を誘起し、この交流電圧を電圧変換部16により直流電圧に変換し、薄膜電池3に供給する。したがって、ICカード1をリーダ/ライタに近づけるだけで、薄膜電池3に簡単に充電することができる。また、ユーザは、ICカード1に備えられたボタンなどを押し、薄膜電池3の電力により表示部6を駆動し、EEPROM15に記憶された情報などを表示できる。すなわち、ユーザが好きな時や場所において各種情報を確認することができる。
【0047】
また、薄く、かつ、フレキシブル性に優れる薄膜電池3を二次電池として基材2上に形成しているので、ICカード1の厚みの増加やフレキシブル性を損なうことがない。また、薄膜電池3は液系の電解質を使用しないため、破損時には液漏れを起こすこともない。
【0048】
(2)第2の実施形態
この第2の実施形態によるICカードは、薄膜電池3の固体電解質層24が、下記の式(1)または式(2)で平均組成が表されるリチウムイオン伝導体を主成分とする点において、第1の実施形態と異なっている。
【0049】
Li1+xM1xTi2-x(PO43 ・・・(1)
(式中、M1はアルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、インジウム(In)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、およびランタン(La)からなる群から選択される少なくとも1種を表す。xの値は、0≦x≦2.0の範囲内である。)
【0050】
Li1+2xM2xTi2-x(PO43 ・・・(2)
(式中、M2は亜鉛(Zn)、ケイ素(S)、マンガン(Mn)、ゲルマニウム(Ge)、ネオジウム(Nd)、ストロンチウム(Sr)、およびバナジウム(V)からなる群から選択される少なくとも1種を表し、M2の価数は2価である。xの値は、0≦x≦2.0の範囲内である。)
【0051】
まず、図5を参照して、式(1)あるいは式(2)で平均組成が表されるリチウムイオン伝導体内のリチウムイオンの拡散経路について説明する。図5Aは、3次元視覚化させた原子核密度分布を示す。図5Bは、二次元視覚化させた(010)面の原子核密度分布を示す。図5Cは、図5Aに示す原子核密度分布において、原子の位置を同時に示す図である。
【0052】
図5B中の矢印aは(100)方向、すなわち結晶軸のa軸方向を表し、矢印cは(001)方向、すなわちc軸方向を表す。また、図5B中の白抜き矢印は、リチウムイオンの拡散経路を示す。また、図5Bおよび図5Cにおいて、「Li1」および「Li2」はリチウムの位置を示し、「Ti/Al」はチタンまたはアルミニウムの位置を示す。また、「P」はリンの位置を示し、「O」は酸素の位置を示す。
【0053】
上述した図5に示す原子核密度分布は、以下のようにして求めることができる。
まず、式(1)で平均組成が表されるリチウムイオン伝導体として、リン酸チタン酸リチウム(LiTi2(PO43)のチタンの一部を例えばアルミニウムで置換したLi1+xAlxTi2-x(PO43(0≦x≦2)の多結晶の粉末を試料に用い、中性子回折実験により結晶構造を調べる。次に、中性子回折実験によって得られたデータを、リードベルト解析により、結晶構造パラメータおよび格子定数を精密化して解析を行う。リードベルト解析からさらに情報理論に基づく最大エントロピー法による解析を行い、原子核密度分布を求める。求められた原子核密度分布を三次元視覚化させ、リチウムイオンの挙動を観測する。
【0054】
図5から、式(1)で平均組成が表されるリチウムイオン伝導体は、リチウムイオンの流れる方向が決まっている、すなわち異方性を持っていることが分かる。具体的には、Li1+xAlxTi2-x(PO43内で、リチウムイオンは結晶軸方向に沿って流れ、特にc軸方向に沿って流れることが分かる。なお、図5ではチタンの一部をアルミニウムで置換した例について示しているが、チタンの一部を式1中のM1、あるいは式2中のM2に示すような他の金属元素で置換した場合でも、リチウムイオンの経路は同様となる。
【0055】
また、Li1+xAlxTi2-x(PO43において、xの値が0より大きい場合に増加したリチウムは、c軸方向のリチウムイオンの拡散経路中に存在することが分かる。この増加したリチウムにより、リチウムイオン伝導度をより向上させることが可能になる。
【0056】
次に、このような拡散経路を有するリチウムイオン伝導体を、固体電解質材料として最も効率よく使用する方法について、具体的に説明する。
【0057】
図6に、薄膜電池3の一構成例を示す。この薄膜電池3は、固体電解質層24が式(1)または式(2)で平均組成が表されるリチウムイオン伝導体を主成分とする点において、第1の実施形態とは異なっている。式(1)または式(2)で平均組成が表されるリチウムイオン伝導体は、単結晶または多結晶であることが好ましく、特に単結晶が好ましい。単結晶または多結晶を用いることで、リチウムイオンの拡散経路に沿ってリチウムイオンを効率よく流すことができ、固体電解質層24の材料として効率よく使用することができる。
【0058】
また、リチウムイオンは特に結晶のc軸方向に沿って流れることから、正極21および負極25の主面に対して、固体電解質層24に含まれる単結晶または多結晶のc軸方向が垂直に配向していることが好ましい。すなわち、正極21および負極25の主面と、固体電解質層24に含まれる単結晶または多結晶のc軸方向とを直交させることにより、リチウムイオンをより効率よく流すことができるからである。
【0059】
ここで、式(1)および式(2)においてxの値は0≦x≦2.0の範囲内であるが、xの値がこの範囲内で大きくなるほど、リチウムの濃度が増加してリチウムイオン伝導体内の空隙率を低下させることができる。また、増加したリチウムはリチウムイオンの拡散経路中に存在してリチウムイオンの移動を中継する。その結果、リチウムイオンが結晶内を移動しやすくなり、イオン伝導度を高くすることができる。したがって、xの値は大きいほど好ましく、具体的には、イオン伝導度の向上および製造上の容易性の観点から、xの範囲は0.1≦x≦0.5の範囲内であることが好ましい。
【0060】
また、式(1)において、M1はアルミニウムであることが好ましい。アルミニウムはチタンに比してイオン半径が小さいため、図5B中の白抜きの矢印に示すようなリチウムイオンの経路をより短くすることができ、イオン伝導度の向上につながるからである。
【0061】
さらに、式(1)および式(2)において、M1およびM2は2価、あるいはM1およびM2は1価の元素であることが好ましい。M1およびM2を2価、あるいはM1およびM2を1価の元素とすることで、リチウムイオン伝導体においてリチウムの濃度を増加させることができ、イオン伝導度を向上させることができるからである。
【0062】
単結晶を含む固体電解質層24の作製方法としては、例えば、単結晶よりなる基材を用いて、必要に応じて基材に温度をかけながらレーザアブレーションやスパッタリング法などによって蒸着させる方法、CVDなどによる気相合成法などにより基材に積層させる方法が挙げられる。また、式(1)または式(2)で示されるリチウムイオン伝導体の多結晶試料を、種々の公知の手法によって溶融し、単結晶のバルク材を得た後、切り出す方法などを用いてもよい。
この第2の実施形態において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
【0063】
この第2の実施形態によれば、固体電解質層24が式(1)または式(2)で平均組成が表されるリチウムイオン伝導体を主成分としているので、固体電解質層24におけるリチウムイオンの伝導性を第1の実施形態に比べて向上することができる。特に、正極21および負極25に対して、固体電解質層24のc軸を垂直に配向させることにより、リチウムイオンの拡散経路を正極21から負極25に向かう方向とすることができる。また、この薄膜電池3は、リチウムイオンを効率よく流すことができるため、急速充電が可能となる。さらに、固体電解質層24の抵抗が低いので、発熱の危険性を低下させることができる。
【0064】
(3)第3の実施形態
この第3の実施形態によるICカードは、複数の薄膜電池3が積層され、これらの薄膜電池3が並列に接続されている点において、第1の実施形態とは異なっている。
【0065】
図7に、この発明の第3の実施形態による薄膜電池3の一構成例を示す。図7に示すように、この薄膜電池3は、第1の薄膜電池31と第2の薄膜電池32とが絶縁層28を介して積層された構成を有する。第1の薄膜電池31および第2の薄膜電池32は、並列に接続される。絶縁層28の材料としては、例えば、Si34、SiO2などの絶縁材料を主成分とするものを用いることができるが、絶縁層28として所望の機能が得られるものであればよく、特に上記材料に限定されるものではない。
【0066】
CPU14は、第1の薄膜電池31および第2の薄膜電池32の充放電を制御する。CPU14は、例えば、第1の薄膜電池31および第2の薄膜電池32のうち一方に充電し、他方の電池を放電するようにしてもよい。
この第3の実施形態において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
【0067】
この第3の実施形態によれば、複数の薄膜電池3を積層し、これらの薄膜電池3を並列に接続しているので、第1の実施形態に比べて高容量を得ることができる。
【0068】
(4)第4の実施形態
この第4の実施形態によるICカードは、複数の薄膜電池3が積層され、これらの薄膜電池3が直列に接続されている点において、第1の実施形態とは異なっている。
【0069】
図8に、この発明の第4の実施形態による薄膜電池3の一構成例を示す。図8に示すように、この薄膜電池3は、第1の薄膜電池31と第2の薄膜電池32とが導電層29を介して積層された構成を有する。第1の薄膜電池31および第2の薄膜電池32は、導電層29により直列に接続される。導電層29の材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、白金、金、銀などの金属材料を主成分とするものを用いることができるが、導電層29として所望の機能が得られるものであればよく、特に上記材料に限定されるものではない。
この第4の実施形態において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
【0070】
この第4の実施形態によれば、複数の薄膜電池3を積層し、これらの薄膜電池3を直列に接続しているので、第1の実施形態に比べて高電圧を得ることができる。
【0071】
(5)第5の実施形態
図9は、この発明の第5の実施形態によるICカードの一構成例を示すブロック図である。第5の実施形態によるICカードは、太陽電池51をさらに備える点において、第1の実施形態とは異なっている。
【0072】
太陽電池51は、薄膜電池3に対して接続され、CPU14の制御に基づき、太陽電池51から薄膜電池3に対する充電が行われる。太陽電池51としては、例えば、薄膜シリコン太陽電池、CIGS系薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池を用いることができる。
【0073】
また、ICカードは、アンテナ8を備え、このアンテナ8がインタフェース11に対して接続されている。アンテナ8としては、例えば、上述の第1の実施形態と同様のアンテナコイルを用いることができる。また、アンテナ8として、マイクロストリップアンテナなどを用いるようにしてもよい。
この第5の実施形態において、上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
【0074】
(6)第6の実施形態
図10は、第6の実施形態によるICカード1の外観を示す平面図である。図10に示すように、このICカード1は、充電状態により色が変化する薄膜電池3と、この薄膜電池3の色の状態を外部から目視するための残量表示部61とを備える点において、第1の実施形態とは異なっている。
【0075】
また、図10に示すように、ICカード1は、残量表示部61の近傍に、薄膜電池3の残容量を確認する目盛り62をさらに備えることが好ましい。この目盛り62は、各充電状態における薄膜電池3の色が示されている。具体的には、目盛り62は、薄膜電池3における各充電状態における色をグラデーションで示しており、このグラデーションの一端の色は満充電状態の薄膜電池3と同色の色であり、他端の色は最終放電電圧における薄膜電池3と同色の色となっている。ユーザは、目盛り62の色と残量表示部61の色とを対比させることで、薄膜電池3の残容量を容易に判別することができる。
【0076】
図11は、薄膜電池3の一構成例を示す断面図である。図11に示すように、この薄膜電池3は、正極集電体22、正極活物質層23、固体電解質層24、および負極25が順次積層された構成を有する。正極集電体22の材料としては、例えば、ITOなどの透明導電体を主成分とする材料を用いることができる。正極活物質層23に用いられる正極材料としては、例えば、LiMn24を主成分とする材料を用いることができる。固体電解質層24の材料としては、例えば、Li3PO4を主成分とする材料を用いることができる。負極25の材料としては、例えば、ITOなどの透明導電体を主成分とする材料を用いることができる。
【0077】
このような構成を有する薄膜電池3では、充放電によりリチウムが電極間で移動すると、薄膜電池3の色が変化する。例えば、充電によりリチウムイオンが正極21から負極15に移動すると、薄膜電池3の色が黒に変化する。これは、透明導電体である負極25にリチウムが入り込む、または負極25がリチウムと分解反応することにより薄膜電池3の色が変色するためであると考えられる。
【0078】
この第6の実施形態によれば、集電体として透明導電体を用いているので、ユーザは残量表示部61を介して薄膜電池3の色の変化を確認することができる。したがって、薄膜電池3の色の変化を電池残量インジケータとして利用することができる。また、ユーザは薄膜電池3の充電状態を一目で判断することができる。
【0079】
従来の電池では、電解質として液系の電解質を使用していため、電池を包装部材によりパッキングする必要があり、正極21、負極25、電解質層24などを目視することは困難である。すなわち、集電体として透明導電体を用いたとしても、充放電に伴う電池の色の変化を確認することができない。これに対して、この第6の実施形態による薄膜電池3では、電解質として固体電解質を使用しているため、電池を包装部材によりパッキングする必要がなく、正極21、負極25、電解質層24などを目視することが可能である。すなわち、集電体として透明導電体を用いると、充放電に伴う電池の色の変化を確認することができる。
【0080】
また、従来の電池では、電池残量を示すインジケータを表示するためには、電圧を観測するユニットが必要である。これに対して、この第6の実施形態による薄膜電池3では、薄膜電池3の色の変化を確認することにより充電状態を判断できるので、電圧を観測するユニットが必要なくなる。
【0081】
以上、この発明の第1〜第6の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の第1〜第6の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0082】
例えば、上述の第1〜第6の実施形態において挙げた形状や構成はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
【0083】
また、上述の第1〜第6の実施形態の各構成は、この発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0084】
また、上述の第1〜第6の実施形態では、非接触型ICカードに対してこの発明を適用した例について説明したが、この発明は接触型ICカードに対しても適用可能である。また、非接触型ICカードと接触型ICカードとの両方の機能を備えるハイブリッドカードに対してもこの発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】この発明の第1の実施形態によるICカードの一構成例を示す分解斜視図である。
【図2】この発明の第1の実施形態によるICカードの一構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明の第1の実施形態によるICカードに設けられた薄膜電池の一構成例を示す斜視図である。
【図4】この発明の第1の実施形態によるICカードの動作の一例を説明するための概略図である。
【図5】リチウムイオン伝導体内におけるリチウムイオンの拡散経路を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施形態による薄膜電池の拡大断面図である。
【図7】この発明の第3の実施形態による薄膜電池の一構成例を示す斜視図である。
【図8】この発明の第4の実施形態による薄膜電池の一構成例を示す斜視図である。
【図9】この発明の第5の実施形態によるICカードの一構成例を示すブロック図である。
【図10】この発明の第6の実施形態によるICカード1の外観の一例を示す平面図である。
【図11】この発明の第6の実施形態による薄膜電池の一構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0086】
1 ICカード
2 基材
2a、2b 外装材
3 薄膜電池
4 ICチップ
5 アンテナコイル
6 表示部
7 外部接続端子
11 インタフェース
12 RAM
13 ROM
14 CPU
15 EEPROM
16 電圧変化部
21 正極
22 正極集電体
22a 正極端子
23 正極活物質層
24 固体電解質層
25 負極
26 負極集電体
26a 負極端子
27 負極活物質層
28 絶縁層
29 導電層
40 リーダ/ライタ
41 アンテナコイル
51 太陽電池
61 残量表示部
62 目盛り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁誘導により電力を誘起するアンテナコイルと、
上記アンテナコイルにより誘起された電力を蓄積する薄膜電池と、
上記アンテナコイルから薄膜電池への電力の蓄積を制御する制御部と
を備えるICカード。
【請求項2】
上記薄膜電池は、正極と、負極と、上記正極および上記負極の間に設けられる電解質とを備え、
上記正極および上記負極は、透明導電体を主成分とする集電体を含んでいる請求項1記載のICカード。
【請求項3】
上記透明導電体は、インジウムとスズの酸化物である請求項2記載のICカード。
【請求項4】
上記透明導電体の色の変化を目視するための残量表示部をさらに備える請求項3記載のICカード。
【請求項5】
上記薄膜電池は、正極と、負極と、上記正極および上記負極の間に設けられる電解質とを備え、
上記電解質は、式(1)で平均組成が表されるリチウムイオン伝導体の単結晶を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のICカード。
Li1+xM1xTi2-x(PO43 ・・・(1)
(式中、M1はアルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、インジウム(In)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、およびランタン(La)からなる群から選択される少なくとも1種を表す。xの値は、0≦x≦2.0の範囲内である。)
【請求項6】
上記正極および上記負極の表面に対して、上記単結晶のc軸が垂直に配向している請求項5記載のICカード。
【請求項7】
上記薄膜電池は、正極と、負極と、上記正極および上記負極の間に設けられる電解質とを備え、
上記電解質は、式(2)で平均組成が表されるリチウムイオン伝導体を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のICカード。
Li1+2xM2xTi2-x(PO43 ・・・(2)
(式中、M2は亜鉛(Zn)、ケイ素(S)、マンガン(Mn)、ゲルマニウム(Ge)、ネオジウム(Nd)、ストロンチウム(Sr)、およびバナジウム(V)からなる群から選択される少なくとも1種を表し、M2の価数は2価である。xの値は、0≦x≦2.0の範囲内である。)
【請求項8】
情報を記憶する記憶部と、
上記記憶部に記憶された情報を表示する表示部と、
をさらに備える請求項1記載のICカード。
【請求項9】
上記薄膜電池は、全固体二次電池である請求項1記載のICカード。
【請求項10】
太陽電池をさらに備え、
上記制御部は、上記太陽電池から上記薄膜電池に対する充電を制御する請求項1記載のICカード。
【請求項11】
上記アンテナコイルにより誘起された電力を蓄積する複数の薄膜電池を備え、
上記複数の薄膜電池は積層されるとともに、直列および/または並列に接続されている請求項1記載のICカード。
【請求項12】
上記薄膜電池を外部電源に接続するための接続端子をさらに備え、
上記制御部が、上記外部電源から上記薄膜電池への充電を制御する請求項1記載のICカード。
【請求項13】
太陽電池と、
上記太陽電池により発電された電力を蓄積する薄膜電池と、
上記太陽電池から上記薄膜電池に対する電力の蓄積を制御する制御部と
を備えるICカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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