説明

ICチップ内蔵カードの読取り装置

【課題】好感度、かつ、かざすだけの快適操作が可能なICチップ内蔵カードの読取装置を提供する。
【解決手段】ICチップ内蔵カード読取装置の読取り部103に、ICチップ内蔵カード200をかざすときにICチップ内蔵カードのアンテナ部に指がかからない保持の仕方に誘導する誘導手段502を設ける。そして、ICチップ内蔵カードをかざす位置を示唆する表示600を誘導手段を設けた読取り面に表示し、さらに、誘導手段の形状を、ICチップ内蔵カードを置いて指で押し付けてしまわない形状にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップ内蔵カードを媒体に、ID認証や自動取引などをおこなう端末装置に用いるICチップ内蔵カードの読取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ID認証を行う技術として、半導体チップを備えたICチップ内蔵カードをカード読取り部で認識し、ICチップから読み取った信号と予めデータベースに格納されている信号とを照し合わせることによりID認証する技術が知られている。ICチップ内蔵カードには、電波を受信するためのアンテナをICチップから伸びるようにカード面に備えたものがある。この従来例は、例えば、2005年日本国際博覧会(愛 地球博)の前売り入場券にある。
【0003】
一方、ICチップ内蔵カード読取り装置の読取り部は平らな読取り面で構成され、カードをかざしてカードと読取り面とを接近させると、読取り部からの電波をカード内のアンテナが受信して通信が行われ、ICチップ内の情報を読取る。このことから、ICチップ内蔵カードの読取装置は、カードを読取り部にかざすだけの、簡単な読取り操作を提供していることが知られている。このようなICチップ内蔵カードの読取装置の従来例は例えば、意匠登録第1202068号にある。
【0004】
【特許文献1】意匠登録1202068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来例では、ICチップ内蔵カードをそのアンテナ部に指がかかった状態で保持し、その状態で読取り部にかざすことがあった。この状態では、指でICチップ内蔵カードのアンテナを触れていることから、望ましい感度が得られず、読取り部がICチップ内の情報を読取れないことがあった。
【0006】
また、読取りエラーを回避しようとして、平らな読取り面にICチップ内蔵カードを置き、置く操作中に指でICチップ内蔵カードを押さえると、押さえた指がICチップ内蔵カードのアンテナに触れるために、望ましい感度が得られず、読取り部がICチップ内の情報を読取れないことがあった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、読取り部にICチップ内蔵カードをかざすときにICチップ内蔵カードのアンテナ部に指がかからず、望ましい読取り感度が得られ、かつ、読取り部にICチップ内蔵カードを置くことなく、かざすだけの快適な操作が可能なICチップ内蔵カードの読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、上記目的を達成するために、ICチップ内蔵カード読取装置の読取り部に、ICチップ内蔵カードをかざすときにICチップ内蔵カードのアンテナ部に指がかからない保持の仕方に誘導する誘導手段を設ける。そして、ICチップ内蔵カードをかざす位置を示唆する表示を誘導手段を設けた読取り面に表示し、さらに、誘導手段の形状を、ICチップ内蔵カードを置いて指で押し付けてしまわない形状にする。
【0009】
具体的には、アンテナを内蔵した読取り面に、ICチップ内蔵カードをかざす位置を示す位置決めマークと、位置決めマークの幅方向中央から偏心した位置に読取り面を左右に分断する段差を設け、高さの異なる第一の読取り面と第二の読取り面とを備えた構成とする。
【0010】
読取り面に設ける誘導手段により、ICチップ内蔵カードを保持する指が自然に、ICチップ内蔵カード中央長手方向のアンテナ部から離れる。このことにより、指でICチップ内蔵カードのアンテナを触れないので、望ましい読取り感度が得られ、読取り部にICチップ内蔵カードを置くことなく、かざすだけの操作でICチップ内蔵カード内の情報を読取ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、指でアンテナに触れることによる読取り感度の低減を防ぎ、、ICチップ内蔵カードを読取り部にかざすだけで、ICチップ内蔵カード内のICチップから情報を読取ることができる快適な操作のICカード読取装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るICチップ内蔵カードの読取り装置の実施の形態を図1から図6を参照して詳細に説明する。図1から図4が第1の実施の形態を示し、図5は第2の実施の形態を示し、図6は第3の実施の形態を示している。
この説明においては、同一の部位や機能、矢印などは同一符号をもって示し重複した説明を省略する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るICチップ内蔵カードの読取り装置の概略構造を説明する。図1は第1の実施の形態に係るICチップ内蔵カードの読取り装置の概略全体構成図およびICカード読取部を拡大して示した概略図である。
【0014】
図1は展覧会の入場ゲートや改札などの入場管理システムの概略を示している。ICチップ内蔵カードを媒体にしてカードの長手方向を縦位置にしてかざすことで認証を行い、ゲートを開閉するサービスを提供する、認証端末の例である。
【0015】
図1の符号100で統括的に示すのは、ID認証のための通信機能を備えた認証端末である。この認証端末100は、筐体101に画面タッチ操作機能を備えた表示部102と、筐体101の例えば水平面などに取り付けた、ICチップ内蔵カードの読取り装置103と、レシートあるいは券などを発行する発券口104を備えている。
【0016】
この認証端末100は通信ネットワークを通じて、ホストコンピューター300と接続している。ホストコンピュータ300は、制御部301とデータサーバ302で構成される。このホストコンピュータ300には、通信ネットワークを通じて、例えば、制御信号により開閉する扉401を備えたゲート端末400と接続した構成になっている。
【0017】
ICチップ内蔵カードの読取り装置103の拡大図において、符号500で示すのは読取り面であり、その内部には読取り用のアンテナ501を備えている。読取り面500には誘導手段502を備えている。さらに、読取り面500には、ICチップ内蔵カードをかざす位置を示す印やグラフィックなどのマーク600が施されている。誘導手段502は突起形状を成し、読取り面500からの突出511がある。この例では、読取り面500前方にも突出512を形成して、L字型の側面形状を成す誘導手段502を示している。
【0018】
符号200で示すのは、使用者が所持する、ICチップ内蔵カードの一例である。この例では、ICチップ内蔵カード200はそのほぼ中央にICチップ201を備え、このICチップ201はICチップ内蔵カード200の長手方向に伸びるアンテナ202と接続されている。
【0019】
図1における全体構成の作用を説明する。認証端末100は、使用者への案内や操作方法や操作ボタンなどを表示部102に表示する。また、使用者の操作に対して処理した結果を表示したり、ホストコンピュータ300と通信を行い、制御部301の処理結果を表示する。使用者はICチップ内蔵カード200を所持し、表示部102の案内に従い、読取り部103にICチップ内蔵カード200をかざす。このときに使用者が読取り面500のマーク600に合わせてICチップ内蔵カード200をかざすと、誘導手段502によりアンテナ202から指を離した姿勢になり、アンテナ501が発生する電波をアンテナ202が良好に受け、ICチップ201の情報を読取り部103を通じて認証端末100に読み込ませることができる。認証端末100は読込んだICチップ201の情報をホストコンピュータ300に送る。制御部301はサーバ302に格納されているデータを参照し、ICチップ201の情報と照合する。その結果得られた処理内容により、サービスを実行するか否かを判断し、判断結果を認証端末100へ送り返す。また、必要に応じて判断結果に基づいた情報をサーバ302に記憶させる。さらに、制御部301は判断結果に基づき、制御信号をゲート端末400へ送り、扉401の開閉状態を制御する。
【0020】
一方、制御部301の判断結果を受けた認証端末100は、判断結果に基づいた案内を表示部102に表示し、必要に応じて発券口104からレシートを出力する。
この構成により、ICチップ内蔵カードを読取り部103にかざすときに、誘導手段502によってカードを保持する指の位置がアンテナ以外の部分に誘導されるので、指で読取り感度を低減させることなく、ICチップ内蔵カード内のICチップから情報を読取ることができ、ICチップ内蔵カードを読取り面に置いてしまうことなく、読取りエラーの起こりにくい、かざすだけの快適な操作が行える。
【0021】
以下、読取り部にICチップ内蔵カードをかざすときにICチップ内蔵カードのアンテナ部に指がかからない保持の仕方に誘導する手段について、詳細に説明する。
図2を用い、読取り装置103の使用状況を説明する。図2の(a)図は図1の読取り装置103を拡大した概略図に対して、使用者がICチップ内蔵カード200を読取り装置103にかざそうとする状況を示している。使用者の手を符号700で示した。
【0022】
図2の(b)は図2の(a)図の側面図を示している。図2の(b)の符号710は保持する指の厚さ寸法を示し、符号711は指でカードを保持する深さ寸法を示す。
図2の(a)図で示すICチップ内蔵カードをかざそうとするとき、ICチップ内蔵カード200を指でつまむようにして保持している。この持ち方はカードをかざす動作で一般的に考えられる保持の仕方である。使用者はICチップ内蔵カード200を安定的に保持しようとするため、カードの中央付近を保持する。このとき、ICチップ内蔵カード200の中央付近に配置されたアンテナ200に指がかかる状態が生じる可能性がある。
【0023】
読取り面500にはマーク600が施され、ICチップ内蔵カードをかざす位置を案内する。マーク600で案内するカードをかざす位置は、読取り面500のほぼ中央にあり、幅方向の中心に合わせて誘導手段502が設けられている。誘導手段502はマーク600で案内するカードをかざす位置の幅方向よりも細く、ICチップ内蔵カードの長手方向よりも長い。また、誘導手段502の突出511は図2の(b)で示すカードを保持する指の厚さ寸法710に相当し、13mm程度の高さがある。指の厚さに近い10〜20mmであれば、誘導手段として有効である。また、誘導手段502がL字型の側面形状を成している場合の前方への突出512は、図2の(b)で示す指でカードを保持する深さ711相当の13ミリ程度の寸法がある。
【0024】
誘導手段502のL字型に折れ曲がるコーナーにはR面を付け、外形周囲にはR面またはC面などの処理をつける。また誘導手段502の直線部分や平面部分に大きな曲線を用いても構わない。
このことにより、ICチップ内蔵カードを読取り面500にかざそうとすると、ICチップ内蔵カードを保持する指が誘導手段の突出に触れ、使用者は誘導手段に指が触れないようにICチップ内蔵カードをかざそうとする。また、誘導手段のR面や大きな曲線により、指が触れても痛くない形状になっている。
【0025】
次に図3を用いて、ICチップ内蔵カードをかざす位置の案内について説明する。
図3の(a)図で示すのは図1で示した読取り装置103を拡大した概略図の読取り面500の上面図である。図3の(b)図は使用者がICチップ内蔵カード200をかざしたところの使用状態図である。
【0026】
図3の(a)図の符号600で示すマークは、ICチップ内蔵カード200の外形を模した図案と使用者の手700を模した図案と、その位置がアンテナであったり、読取り操作を行う部位であることを使用者に感じさせるような図案などから成る。符号600の主にICチップ内蔵カード外形を模した図案により、使用者に自身が保持するICチップ内蔵カード200を図案の位置にあわせてかざすことを意識させている。
【0027】
ここで、マーク600で示す図案はICチップ内蔵カード200をその位置にかざすことを使用者に伝えるものであればよく、図案はこの実施例の限りではない。
また、マーク600は、誘導手段502の中心にICチップ内蔵カード200を模した図案の中心を合わせた位置で表示している。このことにより、使用者は誘導手段502の中心にICチップ内蔵カード200の中心を略同一位置となるようにかざす動作をすると期待できる。
【0028】
図3の(b)図でICチップ内蔵カードをかざした状態を説明する。
ICチップ内蔵カード200は読取り面500に備えられた誘導手段502の上部にかざすことになるが、このときに、誘導手段502と読取り面500との間に形成された突出511があることで、使用者の手700の指部分の厚みを気にせずにICチップ内蔵カード200を誘導手段502の上部にかざすことができる。また、このときに符号600のマークにより案内する位置に、ICチップ内蔵カード200をかざそうとする意識が使用者にあるので、誘導手段502が設けられているために、使用者はICチップ内蔵カード200を誘導手段502の上方へ差し出す持ち方をする。この差し出す持ち方に移行した状態では、ICチップ内蔵カード200の端部を保持するようになり、アンテナ202から指が離れた状態に誘導することができる。
【0029】
図4の(a)図で示すのは図1で示した読取り装置103を拡大した概略図の読取り面500の上面図において、使用者がICチップ内蔵カード200をかざした状況を示す。また、図4の(b)図は、図4の(a)図の誘導手段502がなかった場合の使用状況図である。
【0030】
図4の(a)図は読取り面500のほぼ中心に誘導手段502があり、誘導手段502は読取り面500前方に突出512を成している。誘導手段502により使用者の手700が読取り面500の中心から外れた位置に誘導される。また、突出512があることで、読取り面500の手前側からカードをかざす使用者の手700が、より手前側から誘導されるので、誘導手段502に誘導されやすくすることができる。
【0031】
図4の(b)図は、誘導手段502がなかった場合の使用状況図であるが、誘導手段がなければ、使用者の手700はICチップ内蔵カード200の中央部分を保持したまま、ICチップ内蔵カード200を読取り面500にかざしてしまう状況が生じている。
このように、誘導手段502はICチップ内蔵カード200を保持する指がアンテナ200から離れた位置でカードを保持し、読取り面500にかざすように誘導するのに有効に作用する。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、ICチップ内蔵カードを読取り部103にかざすときに、ICチップ内蔵カードをかざす位置を案内するマーク600にしたがってカードをかざそうとすると、誘導手段502によってカードを保持する指の位置がアンテナ以外の部分に誘導されるので、指で読取り感度を低減させることなく、ICチップ内蔵カード内のICチップから情報を読取ることができ、ICチップ内蔵カードを読取り面に置いてしまうことなく、読取りエラーの起こりにくい、かざすだけの快適な操作が行える。
【0033】
また、既に使用されている読取装置の読取り面に位置決めマーク600と誘導手段502を付加することによっても本実施形態を実現することができる。
さらに、誘導手段の両側に段差があるので、左右いずれの方向からも容易にカードをかざすことができる。
【0034】
図5を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るICチップ内蔵カードの読取り装置の概略構造を説明する。ここでは、主に第1の実施の形態と異なる部分を説明する。
図5の(a)図で統括的に示すのは、図1で示した認証端末100の読取り装置103を拡大した概略図である。図5の(b)図は使用者がICチップ内蔵カード200をかざしたところの使用状態図である。
【0035】
図5の(a)図の読取り面500にはICチップ内蔵カードをかざす位置を案内するマーク600が施されている。マーク600で案内するカードをかざす位置は、読取り面500のほぼ中央にある。また、位置決めマーク600の幅方向中央から偏心した位置に、読取り面500を左右に分断する段差503がある。この段差503により読取り面500は位置決めマーク600の幅方向中央が含まれる、第一の読取り面と、残りの第二の読取り面に分割される。第一の読取り面は第1の実施の形態の図2(b)で示した指の厚さ寸法710に相当する高さがあり、第二の読取り面よりも高い。このことにより、ICチップ内蔵カードを読取り面500にかざそうとすると、ICチップ内蔵カードを保持する指が段差503に触れ、使用者は段差503に指が触れないようにICチップ内蔵カードをかざそうとする。
【0036】
図5の(b)図でICチップ内蔵カードをかざした状態を説明する。
ICチップ内蔵カード200は読取り面500の第一の読取り面にかざすことになるが、このときに、第二の読取り面との間に形成された段差503があることで、使用者の手700の指部分の厚みを気にせずにICチップ内蔵カード200を第一の読取り面上部にかざすことができる。また、このときに符号600のマークにより案内する位置に、ICチップ内蔵カード200をかざそうとする意識が使用者にあるので、段差503が設けられているために、使用者はICチップ内蔵カード200を第一の読取り面の上方へ差し出す持ち方をする。この差し出す持ち方に移行した状態では、ICチップ内蔵カード200の端部を保持するようになり、アンテナ202から指を離した状態に誘導することができる。
【0037】
第2の実施の形態によれば、読取り面500を段差のある第一の読取り面と第二の読み取り面とすることにより、読取り部の部品点数が少なく、段差が一段の簡易な構造によりカードを保持する指の位置およびカードをかざす位置を誘導することができる。
【0038】
図6を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るICチップ内蔵カードの読取り装置の概略構造を説明する。ここでは、主に第1の実施の形態と異なる部分を説明する。
図6の(a)図で統括的に示すのは、図1で示した認証端末100の読取り装置103を拡大した概略図である。図6の(b)図は使用者がICチップ内蔵カード200をかざしたところの使用状態図である。
【0039】
図6の(a)図の読取り面500にはICチップ内蔵カードをかざす位置を案内する、マーク600が施されている。マーク600で案内するカードをかざす位置は、読取り面500のほぼ中央にある。また、位置決めマーク600の幅方向中央には、マーク600の幅方向中央部分が含まれ、マーク600で案内するカードをかざす位置の幅方向よりも細く、ICチップ内蔵カードの長手方向よりも長く、他の部分よりも高く形成された第一の読取り面504がある。この第一の読取り面504は第1の実施の形態の図2(b)で示した指の厚さ寸法710に相当する高さがある。また、第一の読取り面504の幅方向の両側には、第1の読取り面よりも低い第2の読取り面がある。このことにより、ICチップ内蔵カードを読取り面500にかざそうとすると、ICチップ内蔵カードを保持する指が第一の読取り面と第二の読取り面の段差部分に触れ、使用者はこの段差部分に指が触れないようにICチップ内蔵カードをかざそうとする。
【0040】
図6の(b)図でICチップ内蔵カードをかざした状態を説明する。
ICチップ内蔵カード200は読取り面500の第一の読取り面504上にかざすことになるが、このときに、第一の読取り面と第二の読取り面に段差があることで、使用者の手700の指部分の厚みを気にせずにICチップ内蔵カード200を第一の読取り面504上にかざすことができる。また、このときに符号600のマークにより案内する位置に、ICチップ内蔵カード200をかざそうとする意識が使用者にあり、第二の読取り面よりも高い位置に第一の読取り面504が設けられているために、使用者はICチップ内蔵カード200を第一の読取り面504の上方へ差し出す持ち方をする。この差し出す持ち方に移行した状態では、ICチップ内蔵カード200の端部を保持するようになり、アンテナ202から指を離した状態に誘導することができる。
【0041】
第3の実施の形態によれば、第一の読取り面504を両側より高く形成することにより、読取り部の部品点数が少ない簡易な構造によりカードを保持する指の位置およびカードをかざす位置を誘導することができる。さらに、第一の読取り面504の両側に段差があるので、左右いずれの方向からも容易にカードをかざすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1の実施の形態に係るICチップ内蔵カードの読取り装置の概略全体構成図およびICカード読取部を拡大して示した概略図である。
【図2】読取り装置の使用状況を説明する図である。
【図3】ICチップ内蔵カードをかざす位置の案内について説明する図である。
【図4】読取り面の上面図において、使用者がICチップ内蔵カードをかざした状況を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係るICチップ内蔵カードの読取り装置の概略構造を説明する図である。
【図6】第3の実施の形態に係るICチップ内蔵カードの読取り装置の概略構造を説明する図である。
【符号の説明】
【0043】
100・・・認証端末、101・・・筐体、102・・・表示部、103・・・読取り装置、104・・・発券口、200・・・ICチップ内蔵カード、201・・・ICチップ、202・・・アンテナ、300・・・ホストコンピュータ、301・・・制御部、302・・・データサーバ、400・・・ゲート端末、401・・・扉、500・・・読取り面、501・・・アンテナ、502・・・誘導手段、503・・・段差、504・・・突出、511・・・突出、512・・・突出、600・・・マーク、700・・・手、710・・・指厚さ寸法、711・・・指深さ寸法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを内蔵した読取り面と、
前記読取り面にICチップ内蔵カードをかざす位置を示す位置決めマークとを備えたICチップ内蔵カード読取装置であって、
前記読取り面は、前記位置決めマークの幅方向中央から偏心した位置に設けられた前記読取り面を左右に分断する段差により高さの異なる第一の読取り面と第二の読取り面とを備え、
前記第一の読取り面は前記位置決めマークの幅方向中央部を含み前記第二の読取り面に対して所定の高さ高く構成されていることを
特徴とするICチップ内蔵カードの読取装置。
【請求項2】
前記第一の読取り面は前記位置決めマークの短手方向の幅より細く、
前記位置決めマークの長手方向に長いことを
特徴とする請求項1に記載のICチップ内蔵カードの読取装置。
【請求項3】
前記読取り面は、前記第一の読取り面の左右両側に段差を有し、前記第一の読取り面の左右両側に前記第二の読取り面を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のICチップ内蔵カードの読取装置。
【請求項4】
アンテナを内蔵した読取り面と、
ICチップ内蔵カードを読取る際のカード保持位置を誘導する誘導手段とを備え、
前記誘導手段は、前記読取り面に設けられたICチップ内蔵カードをかざす位置を示す位置決めマークと、前記位置決めマークの中央を含む位置に設けられた突出部とを含み、
前記突出部は、ICチップ内臓カードの長手方向よりも長く、幅方向よりも細く、かつ、前記読取り面から所定の高さ突出した突起物である
ことを特徴とするICチップ内蔵カードの読取装置。
【請求項5】
前記突起物は前記位置決めマークを左右に分断するように配置され、その前端部が前記読取装置の前端部から所定の長さ突出する
ことを特徴とする請求項4に記載のICチップ内蔵カードの読取装置。
【請求項6】
ICチップ内蔵カードの読取り装置と、情報を送受信するための通信手段とを備えたICチップ内蔵カード用端末装置であって、
前記読取装置は、アンテナを内蔵した読取り面と、前記読取り面にICチップ内蔵カードをかざす位置を示す位置決めマークとを備え、
前記読取り面は、前記位置決めマークの幅方向中央から偏心した位置に設けられた前記読取り面を左右に分断する段差により高さの異なる第一の読取り面と第二の読取り面とを備え、
前記第一の読取り面は前記位置決めマークの幅方向中央部を含み前記第二の読取り面に対して所定の高さ高く構成されていることを
特徴とするICチップ内蔵カード用端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−260126(P2006−260126A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−76241(P2005−76241)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】