説明

IVS閉鎖筋器具および手順

【課題】最小侵襲性の新規な構成の外科用器具を提供する。
【解決手段】身体中に材料を挿入するための外科用器具10が開示される。この外科用器具10は、一般に、外側管状部材12を含む。この器具は、長軸セクション16および少なくとも2つの異なる曲率半径を有する弧状セクション18を有する。内部部材は、外側管状部材内に位置決めされ、そして材料の長さに係合するための構造を含み、外側管状部材を通って身体中に材料を引く。尿道の下に所定長さのテープを配置し支持を形成するためにこの外科用器具を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(1.技術分野)
技術分野は、身体中に材料を挿入するための挿入器具、より詳細には、尿道に支持を提供するために身体中に支持構造または材料を挿入するための挿入ツールおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連する技術の背景)
進行した年齢または外傷の発症に起因する女性で生じる1つの問題は、尿ストレス失禁である。例えば、薬物治療および外科手順のような、いくつかの治療がこの状態を矯正または軽減するために開発されている。いくつかの症例では、排出を制御するために尿道の正中線を支持するための一時的または永久的構造を移植することが必要である。
【0003】
尿道に対して支持を配置するためにいくつかの外科的手順が開発されている。これら手順の多くは、恥骨にこの支持の端部を固定するための骨アンカーの使用および据え付けを必要とする。これらの手順は、かなり侵襲的で、かつ恥骨中に骨アンカーを据え付けるために複雑な器具を必要とする。
【0004】
最小の侵襲様式で、尿道を支持するために身体内にスリング支持を挿入するための1つの例示のデバイスおよび方法が、特定の実施形態で、Petrosによる米国特許第5,112,344号(特許文献1)に開示されている。このPetrosの参考文献は、腹部および膣中の切開を通じて、所定長さのテープを、このテープが尿道を支持するように挿入するための器具の使用を開示している。このテープを係留するために骨アンカーまたはその他の補助構造は用いられていない。器具を用いて身体中にテープを挿入する間、器具は、膀胱のいずれかの側面上で患者の身体を通過する。この器具は、膣中の切開から腹部中の切開まで安全に通過するように設計されているが、外科医は、代表的には、膀胱の一体性をチェックするために膀胱鏡検査を実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,112,344号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
膀胱のいずれかの側面上で身体を通って器具を通過させる必要なくして、身体中に支持構造または材料を最小侵襲様式で挿入するためのその他の方法をもつことが所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
本発明によれば、最小侵襲手順で身体中に材料を通過させるための外科用器具が提供され、長軸を規定する長軸方向セクション、および該長軸セクションから遠位方向に延びる弧状セクションを有する第1の部材を備え、ここで:該弧状セクションの近位部分は、該長軸から第1の方向に離れて湾曲し、そして第1の曲率半径を規定し;そして、該近位部分の遠位方向にある弧状セクションの部分は、該長軸に向かって第2の方向に湾曲し、そして第2の曲率半径(R2、R3)を規定する。この第1の部材の形状は、上記材料の身体中への通過を、最小侵襲性手順で容易にする。この第1の部材の形状は、材料が、この材料が閉鎖孔を通って延びるように、最小の侵襲性手順で、身体の内側に配置されることを可能にする。
【0008】
特定の好ましい実施形態では、上記第1の部材は、中空の外側管状部材を備える。スタイレットは、上記外側管状部材内で少なくとも部分的に移動可能であって、かつ身体内で上記材料を通過させるためにこの材料と係合可能である。上記中空の外側管状部材およびスタイレットは、外科医が、このスタイレットを外側管状部材から取り除き、そしてスタイレットをこの外側管状部材に対して反対の位置に再挿入することを可能にする。この構造はまた、上記材料が骨盤の第1の側面から骨盤の第2の側面に延びるように、この材料の配置を容易にする。
【0009】
上記弧状セクションの近位部分は、上記長軸から第1の方向に離れて湾曲し、そして第1の曲率半径を規定する。この弧状セクションの遠位部分は、上記長軸に向かって第2の方向に湾曲し、そして第2の曲率半径を規定する。上記遠位セクションの部分は、望ましくは、上記第2の方向に上記長軸を横切って延びる。
【0010】
特定の実施形態では、上記弧状セクションの遠位部分は、上記第2の曲率半径とは異なる、第3の曲率半径を有する。この遠位部分は、中央セクションおよび最遠位セクションを有し得る。この中央セクションは、上記第2の曲率半径を有し、そしてこの最遠位セクションは上記第3の曲率半径を有する。特定の実施形態では、上記第2の曲率半径は、上記第3の曲率半径より大きい。その他の実施形態では、上記第2の曲率半径は、上記第3の曲率半径より小さい。
【0011】
望ましくは、上記スタイレットは可撓性である。望ましくは、上記スタイレットは、材料の端部の受容のために第1の端部でスロットを含む。望ましくは、上記スタイレットは、第2の端部に円錐形先端を含む。この円錐形先端の直径は、上記外側管状部材の内径より大きくてもよい。
【0012】
上記外側管状部材は、その近位端にハンドルを有する。特定の好ましい実施形態では、上記ハンドルは、側方に延びる部分を有する。上記弧状セクションは第1の平面を規定し、そしてウイングがこの第1の平面に実質的に垂直である第2の平面を規定する。
【0013】
上記外科用器具は、好ましくは、材料をさらに備え、そして、特定の好ましい実施形態では、ここで、この材料は、ほぼ平坦なテープを含む。このテープの少なくとも1つの端部は、上記スタイレットの少なくとも1つの端部のためのスロットを備える実施形態では、上記スタイレット中にこのテープを貫くことの容易さのために所定の角度で切断されてもよい。望ましくは、このテープは、多フィラメントのストランドを含む材料を含み、これは、ポリプロピレンストランドを含む。この材料は、ほぼ平坦なテープを含み得、そして上記スタイレットは、このテープの端部を受容するために適合された近位端を有し得る。この材料は、吸収性材料を含み得る。
【0014】
望ましくは、このスタイレットは、上記管状部材中に、このスタイレットの近位端がこの管状部材の近位端に隣接して位置決めされるように配置される。特定の好ましい実施形態では、このスタイレットは、鈍い(とがっていない)遠位端を有する。この遠位端は、鈍い円錐形先端を備え得る。その他の実施形態では、このスタイレットは、鋭い遠位端を有する。
【0015】
本発明では、最小侵襲性手順で身体中に材料を通過させるための外科用器具は、所定の寸法でかつ湾曲し、それによって、使用中であってかつ身体内の位置にあるとき、閉鎖孔の上の皮膚から、閉鎖孔を通り、膣壁まで延びる弧状セクションを有し得る。上記第1の部材の形状は、最小侵襲性手順で、身体中に上記材料の通過を容易にする。上記第1の部材の形状は、材料を、この材料が上記閉鎖孔を通って延びるような最小侵襲性手順で身体の内側に配置されることを可能にする。
【0016】
種々の実施形態は、図面を参照して本明細書中に記載される。
より特定すれば、本願発明は以下の項目に関し得る。
(項目1)
最小侵襲手順で身体中に材料を通過させるための外科用器具であって:
長軸を規定する長軸方向セクション、および上記長軸セクションから遠位方向に延びる弧状セクションを有する第1の部材を備え、上記弧状セクションが少なくとも2つの異なる曲率半径を有する、外科用器具。
(項目2)
上記第1の部材が、中空の外側管状部材を備える、項目1に記載の外科用器具。
(項目3)
上記外側管状部材内で少なくとも部分的に移動可能であって、かつ身体内で上記材料を通過させるために上記材料と係合可能であるスタイレットをさらに備える、項目2に記載の外科用器具。
(項目4)
上記弧状セクションの近位部分が、上記長軸から第1の方向に離れて湾曲し、そして第1の曲率半径を規定する、項目2に記載の外科用器具。
(項目5)
上記弧状セクションの遠位部分が、上記長軸に向かって第2の方向に湾曲し、そして第2の曲率半径を規定する、項目4に記載の外科用器具。
(項目6)
上記弧状セクションの遠位部分が、上記第2の曲率半径とは異なる第3の曲率半径を有する、項目5に記載の外科用器具。
(項目7)
上記遠位部分が中央セクションおよび最遠位セクションを有し、上記中央セクションが上記第2の曲率半径を有し、そして上記最遠位セクションが上記第3の曲率半径を有し、上記第2の曲率半径が上記第3の曲率半径より大きい、項目6に記載の外科用器具。
(項目8)
上記遠位部分が、中央セクションおよび最遠位セクションを有し、上記中央セクションが上記第2の曲率半径を有し、そして上記最遠位セクションが上記第3の曲率半径を有し、上記第2の曲率半径が上記第3の曲率半径より小さい、項目6に記載の外科用器具。
(項目9)
上記遠位セクションの一部が、上記第2の方向に上記長軸を横切って延びる、項目5に記載の外科用器具。
(項目10)
上記スタイレットが可撓性である、項目3に記載の外科用器具。
(項目11)
上記スタイレットが、材料の端部の受容のために第1の端部でスロットを含む、項目3に記載の外科用器具。
(項目12)
上記スタイレットが、第2の端部に円錐形先端を含む、項目3に記載の外科用器具。
(項目13)
上記円錐形先端の直径が、上記外側管状部材の内径より大きい、項目12に記載の外科用器具。
(項目14)
上記外側管状部材が、その近位端にハンドルを有する、項目2に記載の外科用器具。
(項目15)
上記ハンドルが、側方に延びる部分を有する、項目14に記載の外科用器具。
(項目16)
上記弧状セクションが第1の平面を規定し、そして上記ウイングが上記第1の平面に実質的に垂直である第2の平面を規定する、項目15に記載の外科用器具。
(項目17)
材料をさらに備え、そしてここで上記材料がほぼ平坦なテープを含む、項目3に記載の外科用器具。
(項目18)
上記テープの少なくとも1つの端部が、上記スタイレット中に上記テープを貫くことの容易さのために所定の角度で切断されている、項目17に記載の外科用器具。
(項目19)
上記テープがマルチフィラメントのストランドを含む材料を含む、項目17に記載の外科用器具。
(項目20)
上記テープが、ポリプロピレンストランドを含む、項目19に記載の外科用器具。
(項目21)
上記材料がほぼ平坦なテープを含み、そして上記スタイレットが上記テープの端部を受容するために適合された近位端を有する、項目3に記載の外科用器具。
(項目22)
上記スタイレットが、上記管状部材中に、上記スタイレットの近位端が上記管状部材の近位端に隣接して位置決めされるように配置される、項目20に記載の外科用器具。
(項目23)
上記スタイレットが、鈍い遠位端を有する、項目3に記載の外科用器具。
(項目24)
上記遠位端が、鈍い円錐形先端を備える、項目22に記載の外科用器具。
(項目25)
上記スタイレットが鋭い遠位端を有する、項目3に記載の外科用器具。
(項目26)
材料をさらに備え,そしてここで上記材料が吸収性材料を含む、項目1に記載の外科用器具。
(項目27)
最小侵襲性手順で身体中に材料を通過させるための外科用器具であって、長軸を規定する中軸方向セクションを有する第1の部材、および上記長軸方向セクションから遠位方向に延びる弧状セクションを備え、上記弧状セクションが所定の寸法でかつ湾曲し、それによって、使用中であってかつ身体内の位置にあるとき、上記弧状セクションが、閉塞器孔の上の皮膚から、閉塞器孔を通り、膣壁まで延びる、外科用器具。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施形態による外科的手順における使用のための器具の側面図である。
【図2】図2は、図1の実施形態による器具の外側部材の側面図である。
【図3】図3は、図1および図2の実施形態による器具の外側部材の底面図である。
【図4】図4は、図1〜3の実施形態による器具のスタイレットの側面図である。
【図5】図5は、図1〜4の実施形態による器具とともに用いられる所定長さの材料の斜視図である。
【図6】図6は、膣の骨盤に対する関係を示すスケッチである。
【図7】図7は、本発明のさらなる実施形態による外科的手順の初期ステージの間の膣領域の白黒写真である。
【図8】図8は、図7の実施形態による手順において、骨盤の閉鎖孔の近傍の器具の初期位置決めの間の、図7に類似の白黒写真である。
【図9】図9は、図7および8の実施形態による手順において、図8と同じステージにおける器具を示すスケッチである。
【図10】図10は、図7〜9の実施形態による手順におけるさらなるステージで、身体に対して約45゜に回転した器具を示す白黒写真である。
【図11】図11は、図7〜10の実施形態による手順において、図10と同じステージにおける器具を示すスケッチである。
【図12】図12は、図7〜11の実施形態による手順のさらなるステージにおいて、身体に対して約90゜回転した器具を示す白黒写真である。
【図13】図13は、図7〜12の実施形態による手順のさらなるステージで、閉鎖孔を通過するために180゜回転した器具を示す白黒写真であり、器具の先端が膣切開を出ている。
【図14】図14は、図7〜13の実施形態による手順において、図13と同じステージにある器具を示すスケッチである。
【図15】図15は、図7〜14の実施形態による手順のさらなるステージで、スタイレット中を貫くテープを示すスケッチである。
【図16】図16は、図7〜15の実施形態による手順のさらなるステージで、膣を通って引っ張られるテープを示す白黒写真である。
【図17】図17は、図7〜16の実施形態による手順において、図16と同じステージで、閉鎖孔を通る切開および膣切開から膣の外に延びるテープを示すテープを示すスケッチである。
【図18】図18は、図7〜17の実施形態による手順のさらなるステージにおいて、テープの第2の端部を受けるための位置にある器具を示す白黒写真である。
【図19】図19は、図7〜18の実施形態による手順のさらなるステージにおいて、骨盤の両側面上の各閉鎖孔を通過し、そして尿道を支持するテープを示すスケッチである。
【図20】図20は、本発明のさらなる実施形態による器具の外側管状部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明の実施形態による外科用器具は図1〜0に示される。この器具10は、例えば、膣内スリング形成術手順において、身体中に所定長さの材料の挿入を容易にする。器具10は、一般に、細長い中空の管状外側部材12、および外側部材12内を少なくとも部分的に通過するような形状の一般に可撓性であるスタイレット14を含む。外側部材12は、長軸セクション16、および長軸セクション16から遠位方向に延びる弧状セクション18を含む。外側部材12は、好ましくは、ステンレス鋼のような生体適合性材料から形成される。外側部材は、組織への外傷を防ぐために鈍い非外傷性表面を有するべきである。ハンドル20は、その近位端22に隣接する外側部材13に固定されている。
【0019】
ここで図2を参照して、外側部材12は、外側部材12の近位端22から遠位端32まで延びる貫通ボア30を有する。好ましくは、貫通ボア30は、均一直径d1を有して均一直径である。長軸方向セクション16は、長軸Xを規定する。外側部材12は、疑問符にほぼ似ている形状を有している。弧状セクション18は、近位部分36、中央部分38、および遠位部分40を含む。近位部分36は、長軸方向セクション16から離れて、そして長軸Xから離れて第1の方向Y1に延びる。近位部分36は、この長軸セクション16から離れて湾曲し、そして曲率半径R1を有する。中央部分は、近位部分36から延び、そして第1の方向とは反対の長軸Xに向かって第2の方向Y2に延びる。この中央部分は、長軸Xに向かって湾曲し、そして曲率半径R2を有している。遠位部分40は、中央部分38から延び、そして長軸Xに向かって第2の方向Y2に延びる。この遠位部分40は、長軸に向かって湾曲し、そして曲率半径R3を有する。
【0020】
本発明の特定の好ましい実施形態では、この外側部材12は、少なくとも2つの異なる曲率半径を有する。示される実施形態では、中央部分38は、近位部分の曲率半径R1とは異なる曲率半径R2を有している。この外側部材は、さらなる曲率半径を有し得る。例えば、特定の好ましい実施形態は、中央部分38の曲率半径R2とは異なる曲率半径R3をもつ遠位部分40を有する。好ましくは、示される実施形態では、R3はR2より小さい。これは、遠位部分40を、長軸Xに対する垂直軸Yから離れて湾曲するかまたは再湾曲して戻る。好ましくは、遠位部分40は、垂直軸Yに対して所定の角度を形成する。これは、図2で最もよく観察される。さらに、この遠位部分40は、R3がR2より小さいとき、外側部材12の弧状セクション18を閉鎖する傾向にある。
【0021】
弧状セクション18は、一般に、2つの異なる曲率半径を含むが、弧状セクション18には、例えば、R4、R5などの1つ以上の異なる曲率半径、または連続的に変化する曲率半径が提供され得る。この外側部材12の形状は、以下に論議されるように、器具が身体中に意図された様式で配置されることを可能にする。
【0022】
図3を参照して、ハンドル20は、望ましくは、「デルタ」ウイング形状、または側方に延びる部分をもつ形状を有する。このハンドル20は、テーパー状の前端部42およびウイング様の側方突出部44を有する。これは、人間工学的形状を提供し、外側部材12の心地良くかつ正確な操作を容易にする。好ましくは、ハンドル20は、プラスチック材料から形成され、そして外側部材12の近位端22に隣接して固定される。このハンドル20は、好ましくは、外側部材12上で、弧状セクション18が配置される平面にほぼス垂直な平面内に配置されるように配向される。このハンドルの配向は、手順において意図された様式で器具の操作を容易にする。
【0023】
外側部材12は、スタイレット14を受容する。スタイレット14は、円錐形チップ24、およびそれを通って所定長さの材料の受容のための穴またはスロット28を有する近位端26を含む。上記に注記されたように、スタイレット14は、身体内を通る所定長さの材料を引っ張るために提供される。これは、直接、または上記外側部材12の貫通ボア30を通ってなされ得る。ここで、図4を参照して、スタイレット14は可撓性材料から形成され、そしてほぼ外側部材12の形状を有し、長いセクション46およびこの長いセクション46から遠位方向に延びる湾曲したセクション48を含む。スタイレット14は、外側部材12を通過するように十分可撓性であり、そして貫通ボア30の直径より小さい外径d2を有する。外側部材12からのスタイレット14の分離を避けながら、器具10の挿入を可能にするために、円錐形先端24は、貫通ボア30の直径より大きい外径d3を有する。
【0024】
好ましくは、スタイレット14は、例えば、青のような、外科的手順の間に組織に対して容易に目に見える色で形成される。このような外科的手順の間、身体の内部を見るための器具、例えば、膀胱鏡検査を実施するための用具が用いられ得る。好ましくは、スタイレット14は、膀胱鏡検査またはその他の技法もしくは用具を用いる間に、スタイレット14の可視化を容易にする色を有している。
【0025】
上記に注記されたように、器具10は、例えば、膣内スリング形成技術手順におけるような、身体中に、かつ身体を通って所定長さの材料の挿入を容易にするように設計されている。図5を簡単に参照して、テープ50のような材料が尿道を支持するために用いられ得る。テープ50は、尿道を支持するためのほぼ均一な中央部分52、およびスタイレット14の近位端26中のスロット28を通るテープ50の挿入を容易にするためのテーパー状端部54を有する。テーパー状の端部54は、好ましくは、中央部分に対する角度(゜)がゼロであり、スタイレット14のスロット28中への挿入を容易にする。このテープは、マルチフィラメントまたはモノフィラメントのメッシュ材料を含む任意のメッシュから作製され得る。好ましくは、このテープは、米国特許第5,292,328号の特定の実施形態中に開示される材料から形成され、その開示は、本明細書中に参考として本明細書によって援用される。好ましくは、テープ50は、Tyco Healthcare Inc.の部門である、United States Surgicalから入手可能な、ポリプロピレンで編まれたテープSurgiPro(登録商標)から形成される。この材料は、尿道を支持するために十分な強度を提供し、そして本明細書で以下により詳細に説明されるように、皮下にこのテープの端部の係留を可能にする。あるいは、異なるタイプの編まれたまたは織られた構造、被覆または半吸収性材料を有するその他の材料を用いてもよい。好ましくは、このテープは、相対的に成形しやすいマルチフィラメントのメッシュを含む。このような材料は、より成形しにくいメッシュまたはモノフィラメントのストランドを含むメッシュより、組織に対して磨耗性がより少ない。
【0026】
尿道を支持するための所定長さのテープを挿入するための器具の使用をここで説明する。この手順は、一般に、器具を、骨盤の閉鎖孔を通り、正中線膣切開まで挿入することを含む。次いで、テープを組織を通って通過するためにスタイレットが用いられ得る。これは、1つの側面上で行われ、そして次に反対側の側面上で繰り返される。テープは、中央尿道の下に位置決めされ、尿道を支持し、抑制を達成する。挿入の間、テープは、閉鎖孔を通り、この閉鎖孔の上の皮膚切開を超える点まで延び、牽引による調節を可能にする。調節の後、テープの両端部は皮下に区分化され、そしてすべての切開は閉鎖される。手術の後、繊維状組織の内生長がテープを通じて生じる。
【0027】
図3を参照して、恥骨に対する膣のスケッチが示されている。示されるように、閉鎖孔(OF)が、膣(VA)および尿道(U)に隣接する骨盤(PB)の両側に存在する。
【0028】
ここで、図7および8を参照して、尿道の中央の直接下の膣壁中に1〜2センチメートルの正中線切開が形成される。解剖はさみを用い、膣組織が両側にある閉鎖孔に向かって側方に約2センチメートルの深さまで解剖される。この閉鎖孔の下方の内部リムは、指の検査により識別される。小さな1センチメートルの皮膚切開が、この閉鎖孔の最下方−中央部分に作製される。作製される切開のサイズは、変化し得、そして外科医に依存する。
【0029】
図7〜9を参照して、器具は外側部材12とともに、約45゜の角度で、そして正中線に向かい、斜めに下方に向けて保持され、ハンドル20は、床に向かって斜めに指し示す。円錐形先端24は、閉鎖孔の上の切開中に挿入される。器具の円錐形先端24は、閉鎖膜が貫通されるまで、注意深く内側に押される。この動きの間に、器具の角度は、変化しないままである。
【0030】
図10および11を参照して、一旦、器具の先端が閉鎖膜を貫通すると、器具ハンドルは、身体に対して90゜の角度に向かって回転される。片腕を用い、次いで、ハンドルは、患者から離れかつ正中線に向かって回転され、器具の先端を、閉鎖孔を通り、骨の内面の周りで、そして膣切開に向かって通過させる(図12を参照のこと)。
【0031】
図13および14を参照して、器具の先端の膣切開中への退去は、外科医の自由な手の指により案内されるべきである。この器具の動きは、器具のハンドルが完全に180゜回転され、そして器具の先端が膣切開を出るまで継続される。図13に最もよく観察されるように、この器具は、閉鎖孔の上の切開から膣切開まで延びる。
【0032】
図15を参照して、次に、スタイレット14が外部部材12を通じて引っ張られ、そして外側部材12から除去される。スタイレット14は、逆の位置にある外側部材12の貫通ボア中に、スロット28がこの器具の膣端で剥き出るように再挿入される。次いで、テープ50がスタイレット14中のスロット28中に貫かれ、そして器具を抜き、テープ50の膣と閉鎖孔の上の皮膚切開との間への配置を可能にする(図17)。
【0033】
図18および19を参照して、この手順は、次いで、テープ50を、中央尿道の下で、両側にある閉鎖孔に側方に向かって延びて位置決めするために反対側の側面上で繰り返される。
【0034】
本発明のさらなる実施形態では、スタイレットは、外側部材12から除去されず、そしてスタイレット14の位置が逆にならないように再挿入される。器具が第1の側面上の閉鎖孔を通過した後、テープ、外側部材12の近位端を出るスタイレット14中のスロット28中に挿入され得る。スタイレット14は、外側管状部材を通って引かれ、テープ50を膣切開を通って外に引く。その後、器具が取り出され得、テープ50を、閉鎖孔の上の切開から、閉鎖孔を通り、そして膣切開の外に延びて残す。第2の側面上の閉鎖孔に対する手順は、上記で論議されたのと同じである。
【0035】
いずれの手順の間でも、器具の外側管状部材は、周辺の身体組織との係合からテープを遮蔽し、それによって組織への外傷を防ぐことが注記されるべきである。一旦、テープが、各閉鎖孔を通り、そして両切開から出て、尿道の正中線の下に位置決めされると、次いで、テープは、尿道の下で平坦に位置決めされるように、牽引により調節される。外側管状部材は、この調節の間に尿道中に挿入され得、尿道の添え木として作用する。一旦、適正に調節されると、テープの自由端部は、皮下に区分化され、そして膣切開および各閉塞器孔上の切開は閉鎖されて手順が終了する。このアプローチは、骨アンカー、またはさらなる係留構造を必要としない。患者の組織が、テープの両端をその場に保持する。約24時間以内に、テープ中への組織内生長が始まり、これは、テープをさらに固定する。
【0036】
本発明のさらなる実施形態では、上記手順が、図7〜19に関連して上記で論議したように実施されるが、器具が第1の側面上の閉鎖孔を通じて位置決めされた後、外側部材12が取り出され、スタイレット14を患者の身体中の場所に残すことが異なる。スタイレット14およびテープ50は、外側部材12から別個に身体を通って引かれ得る。
【0037】
本発明のさらなる実施形態では、図7〜19に関連して上記で論議されたように実施されるが、器具が第1の側面上の閉鎖孔を通じて位置決めされた後が異なる。スタイレットは外側部材を通って引かれ、テープを、膣切開から閉鎖孔の上の切開まで引く。
【0038】
ここで、図20を参照して、例えば、上記で閉鎖筋器具10に関して記載されたスタイレット14のようなスタイレットとともに用いられる外側管状部材の代替の実施形態が示されている。外側管状部材60は、一般に、長軸Xを規定する長軸方向セクション62、および外側管状部材12に関して本明細書で上記に説明されたのと類似の様式で長軸方向セクション62から遠位方向に延びる弧状セクション64を含む。望ましくは、外側管状部材60は、外側管状部材60の近位端68に隣接して形成された凹部66をさらに含み、ハンドル部材の配置を容易にする。
【0039】
外側管状部材60の好ましい実施形態では、R1は17.5ユニット、そしてR2およびR3は、それぞれ、23および25ユニットである。角度Aは約33゜である。
【0040】
図1〜5と組合せて上記で論議された実施形態では、内側スタイレットは、望ましくは、鈍い先端を備える。この鈍い先端は、組織を通る無作法なトンネル通過のため、および閉鎖膜を貫くために十分である。その他の実施形態では、この管状外側部材、内側スタイレット、または両方は、鋭利な先端を有し得る。
【0041】
図1〜5と組合せて上記で論議された実施形態では、スタイレットは、所定長さのテープを受容するためのスロットを備える。その他の実施形態では、この器具は、図1〜5と組合せて上記で論議されるようであるが、スタイレットがテープの対応する部分に係合するスナップ組(snap−together)部分のような、テープをスタイレットに取り付けるための構造を備えることが異なる。その他の実施形態では、この器具は、図1〜5と組合せて上記で論議されるようであるが、外側管状部材が、所定長さのテープを受容するためのスロットを備えることが異なる。さらなる実施形態では、外側管状部材は、テープの対応する部分に係合するスナップ組(snap−together)部分のような、テープをスタイレットに取り付けるための構造を備える。
【0042】
さらなる実施形態では、器具は、図1〜5に関連して上記で論議されたようであるが、テープがテープの端部の間に配置された拡大部分を有することが異なる。さらなる実施形態では、テープは、矩形、円形、楕円形、弧状などのようなその他の形態を有する。
【0043】
器具は、上記で論議されたように、管状外側部材および内側スタイレット、または単一の導入器要素を備え得る。この管状外側部材および内側スタイレットは、スタイレットの位置が管状部材に対して逆転され得るという利点を有している。換言すれば、スロット、またはテープに係合するためのその他の構造が、外側部材の近位端または外側部材の遠位端に位置決めされ得る。さらに、この管状外側部材は、テープが外側部材を通って引かれるとき、身体からテープを遮蔽する。単一の導入器要素を採用する実施形態では、テープから身体を通過するとき、このテープを囲うためのシースが所望され得る。
【0044】
本明細書中の発明は、特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および適用の単なる例示であることが理解されるべきである。従って、多くの改変が例示の実施形態になされ得ること、およびその他の配列が、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の思想および範囲を逸脱することなく考案され得ることを理解すべきである。例えば、本発明の実施形態は、上記で論議された外側管状部材および内側スタイレットに対して、単一の導入器要素を包含する。特定の実施形態では、最小侵襲性手順で身体中に材料を通過するための外科用器具は、長軸を規定する長軸方向セクション、およびこの長軸方向セクションから遠位方向に延びる弧状セクションを備え、この弧状セクションは、少なくとも2つの異なる曲率半径を有している。望ましくは、この材料は、メッシュ材料のテープを含む。この導入器要素の近位端は、望ましくは、テープの端部を受容するように適合されている。その他の実施形態では、この導入器要素の遠位端は、望ましくは、テープの端部を受容するために適合されている。
【0045】
特定の実施形態では、最小侵襲性手順で身体中に材料を通過するための外科用器具は、長軸を規定する長軸方向セクション、およびこの長軸方向セクションから遠位方向に延びる弧状セクションを備え、この弧状セクションは、使用におけるとき、かつ身体中の位置にあるとき、弧状セクションが閉鎖孔の上の皮膚から、閉鎖孔を通り、膣壁まで延びる寸法であり、かつ湾曲している。上記材料は、望ましくは、メッシュ材料のテープを含む。望ましくは、導入器要素の近位端は、テープの端部を受容するよう適合されている。その他の実施形態では、導入器要素の遠位端は、望ましくは、テープの端部を受容するように適合されている。
【0046】
特定の実施形態では、最小侵襲手順で身体中に材料を通過させるための外科用器具は、長軸を規定する長軸方向セクション、およびこの長軸方向セクションから遠位-方向に延
びる弧状セクションを有する導入器要素を備え、この弧状セクションはこの長軸から離れて第1の方向に湾曲する近位部分を有し、この弧状セクションはこの長軸に向かって第2の方向に湾曲する遠位部分を有している。上記材料は、望ましくは、メッシュ材料のテープを含む。この導入器要素の近位端は、望ましくは、テープの端部を受容するよう適合されている。その他の実施形態では、この導入器要素の遠位端は、望ましくは、テープの端部を受容するように適合されている。
【0047】
本発明のさらなる局面では、最小侵襲手順で身体中に材料を通過させるための外科用器具は、長軸を規定する長軸方向セクション、およびこの長軸方向セクションから遠位-方
向に延びる弧状セクションを有する第1の部材を備える。この弧状セクションは、使用におけるとき、かつ身体中の位置にあるとき、弧状セクションが閉鎖孔の上の皮膚から、閉鎖孔を通り、膣壁まで延びる寸法であり、かつ湾曲している。この第1の部材の形状は、最小侵襲性手順において、上記材料の身体中への通過を容易にする。この第1の部材の形状は、材料が最小侵襲手順で身体の内側に配置されることを可能にし、その結果、この材料は閉鎖孔を通って延びる。
【0048】
特定の好ましい実施形態では、この第1の部材は、中空の外側管状部材を備える。スタイレットは、この外側管状部材内で少なくとも部分的に移動可能であり、そして材料と係合可能であり、この材料を身体内に通過させる。この中空の管状部材およびスタイレットは、外科医が、このスタイレットを外側管状部材から取り除き、そしてこの外側管状部材に対して反対の位置に再挿入することを可能にする。この構造はまた、上記材料が、骨盤の第1の側面から骨盤の第2の側面まで延びるように、材料の配置を容易にする。
【0049】
好ましくは、弧状セクションの近位部分は、長軸から第1の方向に離れて湾曲し、そして第1の曲率半径を規定する。弧状セクションの遠位部分は、長軸に向かって第2の方向に湾曲し、そして第2の曲率半径を規定する。望ましくは、遠位セクションの部分は、長軸を横切って、第2の方向に延びる。
【0050】
特定の実施形態において、弧状セクションの遠位部分は、第2の曲率半径とは異なる、第3の曲率半径を有する。遠位部分は、中央セクションおよび最遠位セクションを有し得る。中央セクションは、第2の曲率半径を有し、そして最遠位セクションは、第3の曲率半径を有する。特定の実施形態では、この第2の曲率半径は、第3の曲率半径より大きい。その他の実施形態では、この第2の曲率半径は、第3の曲率半径より小さい。
【0051】
上記スタイレットは、望ましくは、可撓性である。特定の好ましい実施形態では、このスタイレットは、材料の端部の受容のために第1の端部にスロットを含む。望ましくは、このスタイレットは、第2の端部で円錐形先端を含む。この円錐形先端の直径は、外側管状部材の内径より大きくてもよい。
【0052】
望ましくは、外側管状部材は、その近位端にハンドルを有する。特定の好ましい実施形態では、このハンドルは、側方に延びる部分を有する。弧状セクションは、第1の平面を規定し、そしてウイングは、第1の平面と実質的に垂直である第2の平面を規定する。
【0053】
好ましくは、上記外科用器具は材料を含み、そして、特定の好ましい実施形態では、ここで、この材料は、ほぼ平坦なテープを含む。このテープの少なくとも1つの端部は、スタイレットがこの少なくとも1つの端部の受容のためのスロットを備える実施形態では、スタイレット中にテープを貫くことの容易さのために所定角度で切断され得る。望ましくは、このテープは、ポリプロピレンストランドを含み得る、マルチフィラメントのストランドを含む材料を含む。この材料は、ほぼ平坦なテープを含み得、そしてスタイレットは、このテープの端部を受容するように適合された近位端を有し得る。この材料は、吸収性材料を含み得る。
【0054】
上記スタイレットは、望ましくは、スタイレットの近位端が管状部材の近位端に隣接して位置決めされるように、管状部材中に位置決めされる。特定の好ましい実施形態では、このスタイレットは、鈍い遠位端を有している。この遠位端は、鈍い円錐形先端を備え得る。その他の実施形態では、このスタイレットは、鋭い遠位端を有する。
【0055】
この弧状部分は、上記長軸から離れて第1の方向に湾曲する近位部分、および上記長軸に向かって第2の方向に湾曲する遠位部分を有する。第1の部材の形状は、最小侵襲手順で身体中に材料の通過を容易にする。第1の部材の形状は、材料が閉鎖孔を通って延びるように、最小侵襲手順で身体の内側にこの材料が配置されることを可能にする。
【0056】
スタイレットは、この外側管状部材内で少なくとも部分的に移動可能であり、そして材料と係合可能であり、身体内にこの材料を通過させる。この中空の外側管状およびスタイレットは、外科医が、この外側管状部材からスタイレットを取り除き、そしてこのスタイレットを外側管状部材に対して反対の位置に再挿入することを可能にする。この構造はまた、上記材料が骨盤の第1の側面から骨盤の第2の側面まで延びるように、この材料の配置を容易にする。
【0057】
好ましくは、上記弧状セクションの近位部分は、長軸から離れて第1の方向に湾曲し、そして第1の曲率半径を規定する。この弧状セクションの遠位部分は、長軸に向かって第2の方向に湾曲し、そして第2の曲率半径を規定する。望ましくは、遠位セクションの部分は、上記長軸を横切って第2の方向に延びる。望ましくは、上記弧状セクションの遠位部分は、少なくとも2つの異なる曲率半径を有する。
【0058】
特定の実施形態では、上記弧状セクションの遠位部分は、上記第2の曲率半径とは異なる第3の曲率半径を有する。この遠位部分は、中央セクションおよび最遠位セクションを有し得る。この中央セクションは、第2の曲率半径を有し、そしてこの最遠位セクションは第3の曲率半径を有する。特定の実施形態では、この第2の曲率半径は、第3の曲率半径より小さい。
【0059】
上記スタイレットは、望ましくは可撓性である。特定の好ましい実施形態では、上記スタイレットは、材料の端部の受容のために、第1の端部にスロットを含む。このスタイレットは、望ましくは、第2の端部に円錐形の先端を含む。この円錐形先端の直径は、上記外側管状部材の内径より大きくてもよい。
【0060】
望ましくは、上記外側管状部材は、その近位端にハンドルを有する。特定の好ましい実施形態では、このハンドルは、側方に延びる部分を有する。上記弧状セクションは、第1の平面を規定し、そしてウイングは、この第1の平面に実質的に垂直である第2の平面を規定する。
【0061】
好ましくは、上記外科用器具は材料を含み、そして特定の好ましい実施形態では、ここで、この材料は、ほぼ平坦なテープを含む。このテープの少なくとも1つの端部は、スタイレットがこの少なくとも1つの端部の受容のためのスロットを備える実施形態では、スタイレット中へのテープの貫通の容易さのために所定の角度で切断され得る。望ましくは、このテープは、ポリプロピレンストランドを含み得る、マルチフィラメントのストランドを含む材料を含み得る。この材料は、ほぼ平坦なテープを含み得、そして上記スタイレットは、このテープの端部を受容するように適合された近位端を有し得る。この材料は、吸収性材料を含み得る。
【0062】
上記スタイレットは、望ましくは、スタイレットの近位端が上記管状部材の近位端に隣接して位置されるように、管状部材内に位置決めされる。特定の好ましい実施形態では、このスタイレットは、鈍い遠位端を有する。この遠位端は、鈍い円錐形先端を備え得る。その他の実施形態では、このスタイレットは鋭い遠位端を有する。
【0063】
尿道の一部分を、所定長さの材料で吊り下げる方法は、長軸方向の近位端および湾曲した遠位端を含む外側管状部材、およびこの管状部材内で移動可能であり、かつ材料の端部を保持するような形状のスタイレットを有する、外科用器具を提供する工程を包含する。この方法は、上記管状部材内にスタイレットを位置決めする工程を含む。膣切開、および閉鎖孔の上に位置される切開が作製される。この外科用器具の湾曲した遠位端は、閉鎖孔の上の切開を通過される。この方法は、この外科用器具を、この湾曲した遠位端が閉鎖孔を通過し、そして膣切開から出るように、操作する工程を含む。スタイレットの近位端は、所定長さの材料の第1の端部と係合し、そしてスタイレットは、管状部材を通って引かれ、所定長さの材料の一部分を、閉鎖孔の上の切開から、そして膣切開を通って引く。
【0064】
上記外側管状部材は、閉鎖孔の上の切開を通じて引かれ得、この閉鎖孔を通り、かつ膣切開から外に延びる所定長さの材料を残す。この外科用器具の湾曲した遠位端を、閉鎖孔の上の切開を通って通過させる工程は、望ましくは、身体に対して上方に約30゜この外科用器具を回転することを含む。この外科用器具は、望ましくは、高められて、上記湾曲した遠位端を、閉鎖孔を通って位置決めする。この外科用器具は、回転されて、湾曲した遠位端を、閉鎖孔を通り、そして膣切開から外に通過させる。
【0065】
尿道の一部分吊り下げる別の方法は、外科用器具の湾曲した遠位端を、この器具が膣切開と、閉鎖孔の上に位置する皮膚切開との間に延びるように通過させる工程を包含する。この外科用器具は、長軸方向の近位端、および湾曲した遠位端を含む外側管状部材、およびこの外側管状部材内で移動可能なスタイレットを有する。このスタイレットは、身体を通って引かれ、身体を通って、膣切開と、閉鎖孔の上の切開との間を延びる、所定長さの材料を引く。
【0066】
望ましくは、上記器具の湾曲した遠位端を通過させる工程は、上記閉鎖孔の上の切開中にこの器具の湾曲した遠位端を挿入すること、およびこの湾曲した遠位端を閉鎖孔を通り、膣切開から出て移動することを含む。望ましくは、上記器具の湾曲した遠位端を通過させる工程は、上記膣切開中に上記湾曲した遠位端を挿入することを含み、上記スタイレットは、望ましくは、上記外側管状部材内に配置される。
【0067】
この-方法は、上記通過させる工程の後に、外側管状部材からスタイレットを引抜く工
程を含み得る。このスタイレットは、上記材料を受容するように適合されたスタイレットの端部が、膣切開に配置されるように、上記管状部材中に再挿入される。この材料は、望ましくは、この材料がスタイレットの端部によって受容されるように配置される。
【0068】
引き抜く工程は、スタイレットを外側管状部材を通じて引き抜くこと、それによって、この材料を外側管状部材を通じて引くこと、および身体を通って外側管状部材を取り除くことを含み得る。この引き抜く工程は、身体からスタイレットおよび外側管状部材を引抜くこと、それによって身体を通って上記材料を引くことを含み得る。
【0069】
望ましくは、上記通過させる工程は、上記器具を身体を通じて骨盤の第1の側面上に通過することを含み、そしてさらに望ましくは、骨盤の第2の側面上を、身体を通って上記器具を通過させることを包含する。
【0070】
望ましくは、上記材料は、第1の端部および第2の端部を有するテープを含み、そして、望ましくは、上記引抜く工程は、身体を通って上記テープの第1の端部を引くこと、および身体を通って上記テープの第2の端部を引くことを含む。
【符号の説明】
【0071】
10 外科用器具
12 管状外側部材
14 スタイレット
16 長軸セクション
18 弧状セクション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最小侵襲手順で身体中に材料を通過させるための外科用器具であって:
長軸を規定する長軸方向セクション、および該長軸セクションから遠位方向に延びる弧状セクションを有する第1の部材を備え、該弧状セクションが少なくとも2つの異なる曲率半径を有する、外科用器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−366(P2010−366A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178772(P2009−178772)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【分割の表示】特願2004−522567(P2004−522567)の分割
【原出願日】平成15年7月23日(2003.7.23)
【出願人】(300044528)コヴィディエン アクチェンゲゼルシャフト (87)
【Fターム(参考)】