説明

KVM装置

【課題】処理速度の向上と処理負荷の軽減を実現することが可能なKVM装置を提供すること。
【解決手段】複数のコンピュータと、少なくともキーボード、ディスプレイ装置、及びマウスのいずれかを含む入出力装置とを選択的に接続させるKVM装置であって、複数のコンピュータのインターフェース情報を取得可能なサーバモジュールと、入出力装置のインターフェース情報を取得可能なコンソールモジュールと、入出力装置と、これに接続中の被接続コンピュータとの間で送受信されるデータに対して、インターフェース整合のためのデータ変換を行う変換モジュールと、を備え、入出力装置と被接続コンピュータのインターフェースが異なる場合は変換モジュールを介してデータ送受信を行い、同じ場合は変換モジュールを介さずにデータ送受信を行うように切り換えるKVM装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンピュータと、キーボード、ディスプレイ装置、マウス等の入出力装置とを選択的に接続させるKVM(Keyboard Video Mouse)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のコンピュータ(サーバ)と、単独又は複数の入出力装置とを選択的に接続させるKVM装置(単にKVM、KVMシステム等とも称される)が用いられている。
【0003】
特許文献1には、コンピュータ装置に接続したサーバユニットと、入出力装置に接続したユーザユニットと、サーバユニットとユーザユニットを接続するメインユニットとを備えるKVMシステムであって、ユーザユニットが、接続した他のユニットとの間で互いの機種情報を通知するための通信手段を備えるものについて記載されている。
【0004】
特許文献2には、一の入力装置が複数の情報処理装置に接続可能とされた切替装置であって、所定のインターフェースに入力されたPS/2信号を、プロトコル変換によりUSB信号に変換して出力可能なものについて記載されている。
【0005】
特許文献3には、複数のコンピュータシステムの入力及び出力インターフェースに用いられる切替え装置であって、あるスレーブポートにUSB−PS/2変換ユニット等を設けたものについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−186041号公報
【特許文献2】特開2002−140282号公報
【特許文献3】特開2007−310863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記各特許文献に記載の装置では、USB信号とPS/2信号の変換等のデータ変換に要する処理時間や処理負荷についての考慮がなされていない。このため、KVM装置において無駄なデータ変換が行われ、処理の遅延や処理負荷の負荷増大を招く場合がある。例えば、コンピュータ側がSUNシリアルインターフェースを採用し、入出力装置側もSUNシリアルインターフェースを採用している場合でも、データ変換器(又は変換モジュール)を介してデータの送受信が行われてしまう。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、処理速度の向上と処理負荷の軽減を実現することが可能なKVM装置を提供することを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、
複数のコンピュータと、少なくともキーボード、ディスプレイ装置、及びマウスのいずれかを含む入出力装置とを選択的に接続させるKVM(Keyboard Video Mouse)装置であって、
前記複数のコンピュータに接続され、前記複数のコンピュータのインターフェース情報を取得可能なサーバモジュールと、
前記入出力装置に接続され、前記入出力装置のインターフェース情報を取得可能なコンソールモジュールと、
前記入出力装置と前記複数のコンピュータのうち前記入出力装置に接続中の被接続コンピュータとの間で送受信されるデータに対して、インターフェース整合のためのデータ変換を行う変換モジュールと、を備え、
前記入出力装置と前記被接続コンピュータのインターフェースが異なる場合は、前記変換モジュールを介して前記入出力装置と前記被接続コンピュータとの間のデータ送受信を行い、前記入出力装置と前記被接続コンピュータのインターフェースが同じ場合は、前記変換モジュールを介さずに前記入出力装置と前記被接続コンピュータとの間のデータ送受信を行うように切り換えることを特徴とする、
KVM装置である。
【0010】
この本発明の第1の態様によれば、入出力装置と被接続コンピュータのインターフェースが異なる場合は、変換モジュールを介して入出力装置と被接続コンピュータとの間のデータ送受信を行い、入出力装置と被接続コンピュータのインターフェースが同じ場合は、変換モジュールを介さずに入出力装置と被接続コンピュータとの間のデータ送受信を行うように切り換えるため、無駄な変換処理が行われるのを回避することができ、処理速度の向上と処理負荷の軽減を実現することができる。
【0011】
本発明の第1の態様において、
前記複数のコンピュータ及び前記入出力装置が採用し得るインターフェースは、例えば、USB(Universal Serial Bus)、PS/2、SUNシリアルを含む。
【0012】
また、本発明の第1の態様において、
前記ディスプレイ装置にオンスクリーン表示を行わせるOSD(On Screen Display)モジュールを備え、
前記OSDモジュールは、前記複数のコンピュータのうち一部又は全部のインターフェース情報を前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とするものとすると、好適である。
【0013】
こうすれば、ユーザーが、被接続コンピュータのインターフェースに合わせた入出力装置を選択したり、入出力装置のインターフェースに合わせたコンピュータを被接続コンピュータとして選択したりすることができるため、処理速度の向上と処理負荷の軽減を更に効果的に実現することができる。
【0014】
本発明の第2の態様は、
複数のコンピュータと、少なくともキーボード、ディスプレイ装置、及びマウスのいずれかを含む入出力装置とを選択的に接続させるKVM(Keyboard Video Mouse)装置であって、
前記複数のコンピュータに接続され、前記複数のコンピュータのインターフェース情報を取得可能なサーバモジュールと、
前記入出力装置に接続され、前記入出力装置のインターフェース情報を取得可能なコンソールモジュールと、
前記ディスプレイ装置にオンスクリーン表示を行わせるOSD(On Screen Display)モジュールと、を備え、
前記OSDモジュールは、各コンピュータがサスペンド状態であるか、通常起動状態であるかを前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とする、
KVM装置である。
【0015】
この本発明の第2の態様によれば、KVM装置に接続された各コンピュータの状態についてユーザーに通知することができるため、ユーザーが、不要なコンピュータの電源をオフにしたり、所望のコンピュータを通常起動状態に変更する等、種々の処理を行うことができる。
【0016】
本発明の第2の態様において、
前記OSDモジュールは、サスペンド状態であるコンピュータについて、更にリモートウエイクアップが可能か否かを前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とするものとすると、好適である。
【0017】
この場合、
サスペンド状態であり且つリモートウエイクアップが可能なコンピュータについて、前記ディスプレイ装置上に設定されたGUI(Graphical User Interface)スイッチによって、リモートウエイクアップを可能とすることを特徴とするものとしてよい。
【0018】
こうすれば、ユーザーが、入出力装置に対する操作によって、所望のコンピュータを通常起動状態に変更することができる。
【0019】
また、本発明の第2の態様において、
前記OSDモジュールは、各コンピュータのサスペンド時間及び通常起動時間に関する情報を前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とするものとしてもよい。
【0020】
また、本発明の第2の態様において、
前記OSDモジュールは、各コンピュータのサスペンド時間及び/又は通常起動時間が指定時間以上になると、電源オフを勧告するメッセージを前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とするものとすると、好適である。
【0021】
こうすれば、不要なコンピュータの作動について、ユーザーに適切なタイミングで通知することができる。
【0022】
また、本発明の第2の態様において、
前記OSDモジュールは、各コンピュータのサスペンド時間と通常起動時間の合計が指定時間以上になると、電源オフを勧告するメッセージを前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とするものとしてもよい。
【0023】
また、本発明の第2の態様において、
前記指定時間は、ユーザーによって設定可能な時間であるものとすると、好適である。
【0024】
こうすれば、よりユーザーフレンドリーな制御が行われることになる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、処理速度の向上と処理負荷の軽減を実現することが可能なKVM装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例に係るKVM装置1を含むコンピュータシステムの概略構成を示す図である。
【図2】KVM装置1の内部機能を示す機能ブロック図である。
【図3】変換モジュール50によってデータ変換が行われている状態を模式的に示す図である。
【図4】変換モジュール50を介さずにデータ送受信が行われている状態を模式的に示す図である。
【図5】メインモジュール40によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】ディスプレイ装置130が各サーバのインターフェース情報を表示する様子を示す図である。
【図7】ディスプレイ装置130が各サーバの状態を表示する様子を示す図である。
【図8】ディスプレイ装置130がリモートウエイクアップの可否を表示する様子を示す図である。
【図9】リモートウエイクアップの最終確認画面を示す図である。
【図10】ディスプレイ装置130が各サーバのサスペンド時間、及び通常起動時間に関する情報を表示する様子を示す図である。
【図11】ディスプレイ装置130が電源オフを勧告するメッセージを表示する様子を示す図である。
【図12】OSDモジュール30によって実行されるメッセージ表示制御の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】合計時間についても電源オフを勧告するメッセージの表示を行う場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の一実施例に係るKVM装置1について説明する。
【0029】
[全体構成]
図1は、本発明の一実施例に係るKVM装置1を含むコンピュータシステムの概略構成を示す図である。図示するように、KVM装置1は、入出力装置100と、複数のサーバ(コンピュータ)200(1)、…200(n)とに接続されており、入出力装置100と複数のサーバのいずれか(複数であってもよい)を選択的に接続させる。なお、KVM装置1は、独立したハードウエアである必要はなく、いずれかのサーバに内蔵されても構わない。
【0030】
入出力装置100は、例えば、キーボード110、マウス(タッチパッドやポインタを含んでよい)120、ディスプレイ装置130を含む。図1では単独の入出力装置100がKVM装置1に接続された様子を例示したが、複数の入出力装置100がKVM装置1に接続されてもよい。
【0031】
複数のサーバは、それぞれがCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータである(ROMやRAMがサーバ間で共有されてもよい)。
【0032】
入出力装置100及び複数のサーバは、インターフェースによってKVM装置1に接続される。本実施例では、入出力装置100及び複数のサーバは、インターフェースとしてUSB(Universal Serial Bus)、PS/2、SUNシリアルを採用しうるものとする。
【0033】
[KVM装置]
図2は、KVM装置1の内部機能を示す機能ブロック図である。図示するように、KVM装置1は、サーバモジュール10と、コンソールモジュール20と、OSD(On Screen Display)モジュール30と、メインモジュール40と、を備える。メインモジュール40は、変換モジュール50を一機能として含んでいる。これらの機能ブロックは、個別に備えられたマイクロコンピュータであってもよいし、一又は複数のマイクロコンピュータが、各機能を実現するためのプログラムを実行することにより実現されてもよい。また、個別のハードウエア装置であっても構わない。
【0034】
サーバモジュール10は、複数のサーバに接続され、複数のサーバの起動状態(サスペンド状態であるか通常起動状態であるか)、リモートウエイクアップ禁止の有無、インターフェース情報等を複数のサーバから取得可能となっている。
【0035】
コンソールモジュール20は、入出力装置100に接続され、入出力装置100のそれぞれのインターフェース情報等を取得可能となっている。
【0036】
OSDモジュール30は、入出力装置100のうちディスプレイ装置130に接続され、オンスクリーン表示を制御する。オンスクリーン表示とは、KVM装置1が主体となって種々の情報を自発的に表示することをいい、後述するように、複数のサーバの起動状態、リモートウエイクアップ禁止の有無、インターフェース情報等が表示される。
【0037】
メインモジュール40は、複数のサーバと、入出力装置100とを選択的に接続させるように接続関係を制御する。
【0038】
[データ変換の切り換え制御]
変換モジュール50は、複数のサーバのうちメインモジュール40によって入出力装置100に接続されているサーバ(以下、被接続サーバと称する)と、入出力装置100の間で送受信されるデータについて、インターフェース整合のためのデータ変換を行う。図3は、変換モジュール50によってデータ変換が行われている状態を模式的に示す図である。
【0039】
ここで、このようなインターフェース整合のためのデータ変換は、互換性確保のために必要な処理であるが、ある程度の処理時間を要するため、ユーザーが処理の遅延を体感する場合があり得る。また、KVM装置1の処理負荷が増大すると、結果としてコストの増大を招く場合もある。
【0040】
そこで、本実施例に係るメインモジュール40は、入出力装置100と被接続サーバのインターフェースが異なる場合は、変換モジュール50を介して入出力装置100と被接続サーバの間のデータ送受信を行い、入出力装置100と被接続サーバのインターフェースが同じ場合は、変換モジュール50を介さずに入出力装置100と被接続サーバのデータ送受信を行うように切り換える制御を行う。図2には、メインモジュール40による切り換え機能をスイッチ42によって模式的に表現している。なお、前述のようにメインモジュール40はソフトウエア機能であり得るため、必ずしも物理的なスイッチを備えるものではない。
【0041】
また、こうした切り換え制御は、キーボード110とマウス120のそれぞれについて独立して行われてよいし、キーボード110についてのみ、或いはマウス120についてのみ行われてもよい。キーボード110とマウス120のインターフェースが異なる場合が有り得るからである。
【0042】
図4は、変換モジュール50を介さずにデータ送受信が行われている状態を模式的に示す図である。
【0043】
以下、切り換え制御に係る処理の流れについて説明する。図5は、メインモジュール40によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。本フローは、例えば、入出力装置100がKVM装置1に接続されたとき、被接続サーバが変更されたとき、及びシステム全体の電源投入後に被接続サーバが選択されたときに実行される。
【0044】
まず、メインモジュール40は、サーバモジュール10から被接続サーバのインターフェース情報を取得する(S300)。
【0045】
次に、メインモジュール40は、コンソールモジュール30から入出力装置100のインターフェース情報を取得する(S302)。
【0046】
そして、被接続サーバのインターフェースと入出力装置100のインターフェースが同一であるか否かを判定する(S304)。
【0047】
被接続サーバのインターフェースと入出力装置100のインターフェースが同一である場合は、変換モジュール50を介さずに入出力装置100と被接続サーバのデータ送受信を行うように制御する(S306)。
【0048】
一方、被接続サーバのインターフェースと入出力装置100のインターフェースが異なる場合は、変換モジュール50を介して入出力装置100と被接続サーバのデータ送受信を行うように制御する(S308)。
【0049】
係る制御によって、無駄な変換処理が行われるのを回避することができ、処理速度の向上と処理負荷の軽減を実現することができる。
【0050】
[インターフェース表示]
OSDモジュール30は、所望のタイミングで各サーバのインターフェース情報をディスプレイ装置130に表示させる。図6は、ディスプレイ装置130が各サーバのインターフェース情報を表示する様子を示す図である。本図においては、サーバのインターフェース情報を列挙するものとしたが、被接続サーバのインターフェース情報のみを表示するものとしてもよいし、後述するように通常起動状態のサーバのインターフェース情報のみを表示するものとしてもよい。
【0051】
このような表示を行うことによって、ユーザーは、被接続サーバと同じインターフェースを有する入出力装置100に取り替えたり、或いは入出力装置100と同じインターフェースを有するサーバを被接続サーバとして選択したりすることができる。この結果、処理速度の向上と処理負荷の軽減を更に効果的に実現することができる。
【0052】
[状態表示、作動時間表示等]
また、本実施例に係るKVM装置1は、上記説明した変換モジュール50の切り換え制御やインターフェース表示に加えて、以下に説明するような状態表示機能等を有している。
【0053】
OSDモジュール30は、所望のタイミングで各サーバの状態(サスペンド状態か、通常起動状態か)をディスプレイ装置130に表示させる。図7は、ディスプレイ装置130が各サーバの状態を表示する様子を示す図である。ここで、サスペンド状態とは、電源投入がされてはいるが、情報処理が停止している状態をいう。
【0054】
また、OSDモジュール30は、サスペンド状態であるサーバについて、リモートウエイクアップが可能であるか、禁止されているかをディスプレイ装置130に表示させる。図8は、ディスプレイ装置130がリモートウエイクアップの可否を表示する様子を示す図である。ここで、リモートウエイクアップとは、入出力装置100への操作によってサーバをサスペンド状態から通常起動状態に変更することをいう。図7から図8の画面へは、例えば入出力装置100に対するユーザーの操作によって遷移してもよいし、図7の画面と図8の画面を交互に表示してもよい。
【0055】
リモートウエイクアップは、ディスプレイ装置130上に設定されたGUI(Graphical User Interface)スイッチによって行われると、好適である。具体的には、図8に示したようなカーソル132をユーザーが上下させてウエイクアップさせたいサーバに合わせ、その状態でEnterキー等を押下することによって、図9に示すような画面に遷移させる。図9は、リモートウエイクアップの最終確認画面を示す図である。図9に示す画面において、ユーザーがカーソル134を左右させてYesに合わせ、その状態でEnterキー等を押下することによって、リモートウエイクアップが確定する。メインモジュール40は、リモートウエイクアップが確定すると、当該サーバを通常起動状態に変更するようにサーバモジュール10に指示する。
【0056】
このような表示を行うことによって、ユーザーが、不要なサーバの電源をオフにしたり、所望のコンピュータを通常起動状態に変更したりする等、種々の処理を行うことができる。
【0057】
また、OSDモジュール30は、所望のタイミングで各サーバのサスペンド時間、及び通常起動時間に関する情報をディスプレイ装置130に表示させる。図10は、ディスプレイ装置130が各サーバのサスペンド時間、及び通常起動時間に関する情報を表示する様子を示す図である。
【0058】
ここで、サスペンド時間とは、サスペンド状態となってからの経過時間であってもよいし、当該サーバの電源投入時から現在までの間にサスペンド状態となっていた時間の累積であってもよい。通常起動時間についても同様である。
【0059】
そして、OSDモジュール30は、各サーバのサスペンド時間及び通常起動時間が指定時間以上になると、電源オフを勧告するメッセージをディスプレイ装置130に表示させる。図11は、ディスプレイ装置130が電源オフを勧告するメッセージを表示する様子を示す図である。指定時間は、サスペンド時間と通常起動時間のそれぞれについて異なる時間を設定可能であると好適である(以下、サスペンド時間に関する指定時間を指定時間(1)と、通常起動時間に関する指定時間を指定時間(2)とする)。また、指定時間(1)、(2)は、ユーザーがオンスクリーン表示上で設定可能とすることが望ましい。
【0060】
このような表示を行うことによって、不要なサーバの作動について、ユーザーに適切なタイミングで通知することができる。ひいては、省エネルギーの実現や、長時間の作業によるユーザーの身体への影響を軽減することができる。
【0061】
図12は、OSDモジュール30によって実行されるメッセージ表示制御の処理の流れを示すフローチャートである。本フローは、各サーバについてそれぞれ実行される。また本フローは、例えば、KVM装置1に電源投入されたときに開始される。
【0062】
まず、OSDモジュール30は、初期値としての各指定時間をROM等からダウンロードし、RAM等の記憶装置に格納する(S400)。
【0063】
次に、OSDモジュール30は、ユーザーによって各指定時間の設定操作がなされたか否かを判定する(S402)。ユーザーによって各指定時間の設定操作がなされた場合は、RAM等の記憶装置に格納された各指定時間を変更する(S404)。
【0064】
そして、サスペンド時間が指定時間(1)を超えるか否かを判定する(S406)。サスペンド時間が指定時間(1)を超える場合は、電源オフを勧告するメッセージを表示するようにディスプレイ装置130に指示する(S408)。
【0065】
サスペンド時間が指定時間(1)を超えない場合は、続いて、通常起動時間が指定時間(2)を超えるか否かを判定する(S410)。通常起動時間が指定時間(2)を超える場合は、電源オフを勧告するメッセージを表示するようにディスプレイ装置130に指示する(S408)。
【0066】
以降、S402に戻り、KVM装置1の電源がオフになるまで、処理を繰り返し実行する。
【0067】
なお、このようなメッセージの表示は、サスペンド時間のみについて行ってもよいし、サスペンド時間と通常起動時間の合計時間について行ってもよい。図13は、合計時間についても電源オフを勧告するメッセージの表示を行う場合のフローチャートである。本フローは、各サーバについてそれぞれ実行される。また本フローは、例えば、KVM装置1に電源投入されたときに開始される。
【0068】
まず、OSDモジュール30は、初期値としての各指定時間をROM等からダウンロードし、RAM等の記憶装置に格納する(S500)。
【0069】
次に、OSDモジュール30は、ユーザーによって各指定時間の設定操作がなされたか否かを判定する(S502)。ユーザーによって各指定時間の設定操作がなされた場合は、RAM等の記憶装置に格納された各指定時間を変更する(S504)。
【0070】
そして、サスペンド時間が指定時間(1)を超えるか否かを判定する(S506)。サスペンド時間が指定時間(1)を超える場合は、電源オフを勧告するメッセージを表示するようにディスプレイ装置130に指示する(S508)。
【0071】
サスペンド時間が指定時間(1)を超えない場合は、続いて、通常起動時間が指定時間(2)を超えるか否かを判定する(S510)。通常起動時間が指定時間(2)を超える場合は、電源オフを勧告するメッセージを表示するようにディスプレイ装置130に指示する(S508)。
【0072】
更に、通常起動時間が指定時間(2)を超えない場合は、合計時間が指定時間(3)を超えるか否かを判定する(S512)、合計時間が指定時間(3)を超える場合は、電源オフを勧告するメッセージを表示するようにディスプレイ装置130に指示する(S508)。
【0073】
以降、S502に戻り、KVM装置1の電源がオフになるまで、処理を繰り返し実行する。
【0074】
なお、これらのメッセージ表示制御において、サスペンド時間が指定時間(1)を超えた場合、通常起動時間が指定時間(2)を超えた場合、合計時間が指定時間(3)を超えた場合のそれぞれについて、異なる文言のメッセージを表示してもよい。
【0075】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、コンピュータ、及びその周辺機器の製造業等に利用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 KVM装置
10 サーバモジュール
20 コンソールモジュール
30 OSDモジュール
40 メインモジュール
42 スイッチ
50 変換モジュール
100 入出力装置
110 キーボード
120 マウス
130 ディスプレイ装置
132、134 カーソル
200(1)、…、200(n) サーバ(コンピュータ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンピュータと、少なくともキーボード、ディスプレイ装置、及びマウスのいずれかを含む入出力装置とを選択的に接続させるKVM(Keyboard Video Mouse)装置であって、
前記複数のコンピュータに接続され、前記複数のコンピュータのインターフェース情報を取得可能なサーバモジュールと、
前記入出力装置に接続され、前記入出力装置のインターフェース情報を取得可能なコンソールモジュールと、
前記入出力装置と前記複数のコンピュータのうち前記入出力装置に接続中の被接続コンピュータとの間で送受信されるデータに対して、インターフェース整合のためのデータ変換を行う変換モジュールと、を備え、
前記入出力装置と前記被接続コンピュータのインターフェースが異なる場合は、前記変換モジュールを介して前記入出力装置と前記被接続コンピュータとの間のデータ送受信を行い、前記入出力装置と前記被接続コンピュータのインターフェースが同じ場合は、前記変換モジュールを介さずに前記入出力装置と前記被接続コンピュータとの間のデータ送受信を行うように切り換えることを特徴とする、
KVM装置。
【請求項2】
請求項1に記載のKVM装置であって、
前記複数のコンピュータ及び前記入出力装置が採用し得るインターフェースは、USB(Universal Serial Bus)、PS/2、SUNシリアルを含む、
KVM装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のKVM装置であって、
前記ディスプレイ装置にオンスクリーン表示を行わせるOSD(On Screen Display)モジュールを備え、
前記OSDモジュールは、前記複数のコンピュータのうち一部又は全部のインターフェース情報を前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とする、
KVM装置。
【請求項4】
複数のコンピュータと、少なくともキーボード、ディスプレイ装置、及びマウスのいずれかを含む入出力装置とを選択的に接続させるKVM(Keyboard Video Mouse)装置であって、
前記複数のコンピュータに接続され、前記複数のコンピュータのインターフェース情報を取得可能なサーバモジュールと、
前記入出力装置に接続され、前記入出力装置のインターフェース情報を取得可能なコンソールモジュールと、
前記ディスプレイ装置にオンスクリーン表示を行わせるOSD(On Screen Display)モジュールと、を備え、
前記OSDモジュールは、各コンピュータがサスペンド状態であるか、通常起動状態であるかを前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とする、
KVM装置。
【請求項5】
請求項4に記載のKVM装置であって、
前記OSDモジュールは、サスペンド状態であるコンピュータについて、更にリモートウエイクアップが可能か否かを前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とする、
KVM装置。
【請求項6】
請求項5に記載のKVM装置であって、
サスペンド状態であり且つリモートウエイクアップが可能なコンピュータについて、前記ディスプレイ装置上に設定されたGUI(Graphical User Interface)スイッチによって、リモートウエイクアップを可能とすることを特徴とする、
KVM装置。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれか1項に記載のKVM装置であって、
前記OSDモジュールは、各コンピュータのサスペンド時間及び通常起動時間に関する情報を前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とする、
KVM装置。
【請求項8】
請求項4ないし7のいずれか1項に記載のKVM装置であって、
前記OSDモジュールは、各コンピュータのサスペンド時間及び/又は通常起動時間が指定時間以上になると、電源オフを勧告するメッセージを前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とする、
KVM装置。
【請求項9】
請求項4ないし8のいずれか1項に記載のKVM装置であって、
前記OSDモジュールは、各コンピュータのサスペンド時間と通常起動時間の合計が指定時間以上になると、電源オフを勧告するメッセージを前記ディスプレイ装置に表示させることを特徴とする、
KVM装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のKVM装置であって、
前記指定時間は、ユーザーによって設定可能な時間である、
KVM装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−118728(P2012−118728A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267441(P2010−267441)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)