説明

LED基板、照明装置及びディスプレイ装置

【課題】基板端部までLEDを設けることができ、ハーネス長を短縮することで、LEDに対する印加電圧の波形の鈍りを防止できるとともに、放熱部材等の配置の自由度を高める。
【解決手段】LED基板1は、所定数のLED11を格子状に実装する。2枚のLED基板1を隣接方向に沿って隣接した状態で配置した際に、各LED基板1において互いに対向する隣接側端部12に、電源接続用のハーネスが接続されるコネクタ13を配置した。2枚のLED基板1の中間部で、2つのハーネスが2枚のLED基板1のそれぞれのコネクタ13に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のLEDを実装するLED基板に関し、特に、バックライトとして使用される照明装置を構成するLED基板、これを備えた照明装置及びディプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置のバックライトとして用いられる照明装置には、複数のLEDを備えたものがある。照明装置は、それぞれが所定数のLEDを実装した単一又は複数の基板を照明範囲の大きさに応じた枚数だけ、平板状の配置している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
各基板は、矩形を呈し、所定数のLEDが直線状又は格子状に実装され、端部にコネクタを備えている。単一の基板の面積に比較して照明範囲が広い場合には、複数の基板がそれぞれの端部を近接させた状態でフレームに固定される。各LEDには、照明範囲の互いに平行な2側面の間で、コネクタの接続方向に沿って電源部から電圧が印加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−84631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の照明装置では、コネクタで接続された複数の基板における隣接方向の両端部に電源部との間のハーネスを接続している。このため、照明装置の両端部にはLEDを配置することが出来ず、ディスプレイ装置の表示を端部まで設けることが出来ないため額縁の幅が広くなり、このディスプレイを用いてマルチディスプレイを構成した場合、ディスプレイ間に画像が表示されない領域が多く存在してしまう。また、電源部と基板との間のハーネス長が長くなり、LEDに対する印加電圧の波形に鈍りを生じる問題がある。また、照明装置では、LEDの発熱による電子部品の誤作動や劣化を防止するためにダクト等の放熱部材を配置する必要があるが、長いハーネスによって照明装置内における放熱部材の配置スペースの自由度が低下する。
【0006】
この発明の目的は、隣接する基板における互いに対向する端部で電源部との間の電気的接続を行うことで、基板設置時に外側にあたる端部までLEDを配置することができ、照明範囲を広くすることができることからディスプレイ装置の端部まで表示を設けることができ、また、ハーネス長を短縮することができ、LEDに対する印加電圧の波形の鈍りを防止できるとともに、放熱部材等の配置の自由度を高めることができるLED基板、照明装置及びディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のLED基板は、所定数のLEDを実装し、互いに対向する隣接側端部を近接させて2枚が隣接した状態で配置されるLED基板であって、電源接続用のハーネスが接続されるコネクタを隣接側端部に配置している。
【0008】
この構成によれば、隣接して配置される2枚のLED基板のそれぞれの隣接側端部に配置されたコネクタに、電源部からの電源接続用のハーネスが接続される。LED基板設置時の外側端部までLEDを設置でき、表示範囲を広くすることができる。電源部とコネクタとの間の距離が短縮され、ハーネス長が短縮される。
【0009】
また、接合用端部は、隣接方向に直交する方向の中心点について回転対称となる凹凸形状を呈することが好ましい。第1のLED基板の接合用端部の凸部が第2のLED基板の接合用端部の凹部に嵌入し、2つのLED基板を十分に接近させて隣接させることができる。隣接する2枚のLED基板のそれぞれの最も接合用端部側のLEDの間隔を、単一のLED基板におけるLED間隔に容易に一致させることができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、LED基板設置時の外側端部までLEDを設置でき、バックライト装置として端部まで照射する事ができるので表示範囲を広め狭額縁化することができ、また、電源接続用のハーネス長を短縮することができ、LEDに対する印加電圧の波形の鈍りを防止できるとともに、放熱部材等の配置の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るLED基板を適用した照明装置を備えたディスプレイ装置の組立図である。
【図2】同LED基板の要部の正面図である。
【図3】同LED基板の使用状態を示す要部の正面図である。
【図4】同LED基板が取り付けられる照明装置の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、この発明の実施形態に係るLED基板及び照明装置を、ディスプレイ装置のバックライトとして使用した場合について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、この発明の実施形態に係るLED基板1は、一例としてディスプレイ装置100のバックライト20に備えられる。ディスプレイ装置100は、フレーム110、液晶パネル120、バックライト20を積層して構成されている。
【0014】
この発明の照明装置であるバックライト20は、背面フレーム21、LED基板1、拡散板22を積層して構成されている。
【0015】
背面フレーム21は、平板状を呈し、前面に一例として4枚のLED基板1が固定されるとともに、裏面に図示しない電源部等を備えている。4枚のLED基板1は、背面フレーム21の前面に上下及び左右に近接して配置される。4枚のLED基板1のそれぞれは、一例として略矩形を呈し、前面に複数のLED11を格子状に実装している。
【0016】
バックライト20は、LED11から照射された光を、拡散板22で拡散させた後に、液晶パネル120の背面に向かって全面にわたって略均一な照度で配光する。
【0017】
図2に示すように、LED基板1は、矩形の一方の短辺を、凸部121及び凹部122で構成し、隣接側端部12としたものである。凸部121には、LED11に駆動電圧を印加するために電源部に電気的に接続されるコネクタ13が取り付けられている。コネクタ13には、電源部から延出したハーネス(可撓性のフラットケーブル)が嵌入する。
【0018】
背面フレーム21上で左右方向(隣接方向)に隣接する2枚のLED基板1は、互いの隣接側端部12を近接させている。隣接側端部12は、隣接方向に直交する方向の中心について回転対称となる形状にされている。
【0019】
図3に示すように、詳細には、コネクタ13は、LED基板1の一部を隣接方向に突出させた凸部121に取り付けられている。また、凹部122には、凸部121から突出したコネクタ13に接続されたハーネス30との干渉をさせるべく、切欠き1221が形成されている。
【0020】
隣接方向に近接して配置された2枚のLED基板1において、一方LED基板1の凸部121が、コネクタ13と切欠き1221との間にハーネス30を厚さ方向に挟んだ状態で、他方のLED基板1の凹部122に嵌入する。2枚のLED基板1をハーネス30の厚さ分だけ離間した状態で隣接させることができ、各LED基板1における最も隣接側端部12に近いLED11A及びLED11Bの間隔を、各LED基板1における複数のLED1の間隔に等しくすることができる。このため、バックライト20におけるLED1の配置間隔が一定になり、照度ムラを生じることがない。
【0021】
図4に示すように、背面フレーム21の裏面側で、隣接方向における2枚のLED基板1の中間部に、電源部40を配置し、電源部40のハーネス30が貫通する孔部211を背面フレーム21に形成する。各LED基板1のコネクタ13と電源部40との距離が短縮される。電源部のハーネスを背面フレーム21の外側を経由してLED基板の端部に接続する場合に比較して、LED基板の外側までLEDを設けることができ、ディスプレイ装置の狭額縁化が可能である。また、ハーネス長が短縮される。LED11に対する印加電圧の波形の鈍りを防止できる。また、背面フレーム21の裏面側におけるスペースの自由度が高くなり、冷却用のダクト等の設計が容易になる。
【0022】
但し、各LED基板1における最も隣接側端部12に近いLED11A及びLED11Bの間隔を、各LED基板1における複数のLED1の間隔に等しくできることを条件に、隣接側端部12を直線で構成することもできる。
【0023】
この発明のLED基板1を備えた照明装置は、液晶パネル120を備えたディスプレイ装置100のバックライト20だけでなく、面光源を必要とする装置に使用することができる。
【0024】
また、この発明は、所定数のLED11を格子状に実装したLED基板1だけでなく、所定数のLED11を直線状に実装した帯状のLED基板にも適用することができる。但し、所定数のLED11を格子状に実装することで、同一の照明範囲に対するLED基板の必要数を削減できる。
【0025】
さらに、この発明は、矩形のLED基板だけでなく、2枚のLED基板のそれぞれの同一の辺が近接するように組み合わせて矩形を形成することができる三角形等のLED基板にも適用できる。
【0026】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0027】
1−LED基板
11−LED
12−隣接側端部
13−コネクタ
20−バックライト(照明装置)
21−背面フレーム
30−ハーネス
40−電源部
100−ディスプレイ装置
121−凸部
122−凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数のLEDを実装し、互いに対向する隣接側端部を近接させて2枚が隣接方向に沿って隣接した状態で配置されるLED基板であって、電源接続用のハーネスが接続されるコネクタを前記隣接側端部に配置したLED基板。
【請求項2】
前記隣接側端部は、前記所定数のLEDが格子状に実装される矩形の基板の一辺である請求項1に記載のLED基板。
【請求項3】
前記接合用端部は、前記隣接方向に直交する方向の中心点について回転対称となる凹凸形状を呈する請求項1又は2に記載のLED基板。
【請求項4】
2枚の請求項1乃至3の何れかに記載のLED基板が、前面に隣接して取り付けられるフレームと、
前記フレームの裏面側に配置され、前記2枚のLED基板のそれぞれに個別のハーネスを介して電気的に接続される電源部と、を備え、
前記フレームにおける前記2枚のLED基板の中間位置に前記ハーネスが貫通する孔部を形成した照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照明装置の前面側に配置される液晶パネルを備えたディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−30433(P2013−30433A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167390(P2011−167390)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】