LED平行化光学モジュール及び該モジュールを使用する照明器具
LED平行化光学モジュール16及び該モジュールを用いる照明器具10、並びにステージ照明用の光学装置が開示されている。該LED平行化光学モジュール16の一実施例において、LEDチップ30は複数の光源G、R、B、Wを設ける。導光体32が、複数の光源G、R、B、Wから受光される光を混合するためにLEDチップ30上に配置される。導光体32を通過した後、混合された光は、該導光体32に結合された複合放物集中器34に入射する。該複合放物集中器34は、導光体32から受光された光を、均一な瞳90として放出されるように平行化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは人工光又は照明の形成に係り、更に詳細には、個別に使用する又は共通基板上にアレイとして配置することができる発光ダイオード(LED)平行化光学モジュール、及び斯かる光学モジュールを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のLEDチップパッケージは、パッケージ当たり複数のLEDチップを含むことができる一方、パッケージ自体上には相対的に簡素な光学系しか有さず、該光学系は如何なる所要の色(カラー)混合、平行化(コリメーション)又は他のビーム整形を行うためにも二次光学系を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの既存のLEDチップパッケージは、電力と、平行化及び色混合を含むビーム整形要件とのバランスをとらねばならない。例示として、演劇、舞踊、オペラ及び他の演芸の制作に関係するもののようなステージ照明用途においては、所要の輝度及び照明されるべき領域からの距離並びに照明器具のビーム又は視界角が、当該LEDチップパッケージが巨大な電力を有することを強いる。更に、用途の性質上、良好に整形されたビームも必要とされる。輝度要件は多数のLEDの使用により満たされるが、このことは、光の単一の一様且つ均一な瞳への集光を一層困難にさせる。時には、電力が均一さのために犠牲にされるか、又はその逆となり得る。一方における電力と、他方における平行化及び色混合との間の取り引き(妥協)に対処する解決策が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
LED平行化光学モジュール、斯かるモジュールを使用する照明器具及び光学装置が開示される。ここに提示される解決策は、一方における電力と他方における平行化及び色混合との間の伝統的な妥協を軽減するものである。当該LED平行化光学モジュールの一実施例において、LEDチップは複数の光源を設ける。例えば、光パイプ(lightpipe)、管体又はロッド(rod)とすることが可能な導光体(optical conductor)が、上記光源から受光される光を混合するために当該LEDチップ上に配置される。上記導光体を通過した後、上記の混合された光は、該導光体に結合された複合放物集中器(CPC:compound parabolic concentrator)に入射する。このCPCは、上記導光体から受光された光を、実質的に均一な瞳が放出されるように平行化する。上記照明器具の一実施例においては、複数のLED平行化光学モジュールが基板(ベース)上に各々配置される。ハウジングは、上記基板及びLED光学モジュールを収容するように構成される。該照明器具は、種々の用途のための完成した照明用具を提供する。
【0005】
ステージ照明の分野における当該光学装置の一実施例は、例えば管体、光パイプ又はロッドであり得る導光体を含み、該導光体は入力開口において光を受光すると共に、当該導光体を介して光を上記入力開口の断面積と実質的に等しい断面積を持つ出力開口へと伝搬する。第1壁部が、上記入力開口を上記出力開口と接続し、反射性材料を用いて、当該導光体の上記入力開口から出力開口への光の混合を可能にするような複数の伝達経路を定める。円錐状ボディとすることができるボディ(胴部)は、断面積が、上記導光体の出力開口と交わる入口開口から出口開口へと増加する。放物状壁部とすることが可能な第2壁部は、上記入口開口を出口開口と接続すると共に、上記入口開口の断面積から上記出口開口に属する一層大きな断面積へと広がる。該第2壁部は、上記入口開口から出口開口への光の平行化された伝達を可能にする。
【0006】
本発明のフィーチャ及び利点の一層完全な理解のために、本発明の詳細な説明を添付図面と共に参照するが、これら図面において異なる図における対応する符号は対応する構成部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】図1Aは、本明細書で提示された教示によるLED平行化光学モジュールを組み込んだ照明器具の一実施例の斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aに示した照明器具の、内部構成部品を一層良好に示すために一部が切除された斜視図である。
【図1C】図1Cは、図1A及び1BのLED平行化光学モジュールのアレイを一層詳細に示す斜視図である。
【図1D】図1Dは、図1Cに示したLED平行化光学モジュールのアレイの上面図である。
【図2】図2は、LED平行化光学モジュールのアレイの他の実施例の上面図である。
【図3】図3は、LED平行化光学モジュールのアレイの更に他の実施例の上面図である。
【図4A】図4Aは、LED平行化光学モジュールの一実施例の前面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示したLED平行化光学モジュールの縦断面図である。
【図4C】図4Cは、図4Aに示したLED平行化光学モジュールの上面図である。
【図4D】図4Dは、図4Aの4D−4D線に沿って見たLEDチップパッケージの上面図である。
【図5A】図5Aは、図4Aに示したLED平行化光学モジュールを通過する単一の光ビームを示す縦断面図である。
【図5B】図5Bは、図4Aに示したLED平行化光学モジュールを通過する複数の光ビームを示す縦断面図である。
【図6】図6は、LED平行化光学モジュールの他の実施例を通過する複数の光ビームを示す縦断面図である。
【図7】図7は、LED平行化光学モジュールの更に他の実施例を通過する複数の光ビームを示す縦断面図である。
【図8】図8は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の一実施例の上断面図である。
【図9】図9は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の他の実施例の上断面図である。
【図10】図10は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の更に他の実施例の上断面図である。
【図11】図11は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるボディの一実施例の上断面図である。
【図12】図12は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるボディの他の実施例の上断面図である。
【図13】図13は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるボディの更に他の実施例の上断面図である。
【図14】図14は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の一実施例の上断面図である。
【図15】図15は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の他の実施例の上断面図である。
【図16】図16は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるCPCの一実施例の上断面図である。
【図17】図17は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるCPCの他の実施例の上断面図である。
【図18】図18は、図5A〜5BのLED平行化光学モジュールに関する、ベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフである。
【図19】図19は、LED平行化光学モジュールに関する、最適化されたベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフである。
【図20】図20は、LED平行化光学モジュールの円形の離隔詰めアレイに関する、ベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフである。
【図21】図21は、LED平行化光学モジュールの円形の離隔詰めに関する、発光効率及びピーク光束対電流密度のグラフである。
【図22】図22は、LED平行化光学モジュールの円形の離隔詰めに関する、u',v'カラー面に対する琥珀色ダイ色度図である。
【図23】図23は、LED平行化光学モジュールの円形の離隔詰めに関する、u',v'カラー面に対する白色ダイ色度図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では本発明の種々の実施例の作製及び使用が詳細に説明されるが、本発明は多様な固有の状況において具現化することが可能な多数の適用可能な発明概念を提供するものであると理解されるべきである。ここで説明する固有の実施例は、本発明を作製し及び使用するための固有の方法を単に解説するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0009】
最初に図1Aないし1Dを参照すると、ここで提示される教示による照明器具の一実施例が示されており、該照明器具は概略的に図示されると共に全体として符号10により示されている。ハウジング12は、基板(ベース)14及び集合的に符号16が付されたLED平行化光学モジュールを収容するように構成され、これらはハウジング12内に固定されている。上記LED平行化光学モジュールは、個別のLED平行化光学モジュール16−1、16−2、16−3、16−4、16−5、16−6及び16−7を含んでいる。基板14に取り付けられると共にハウジング12内に収容されたヒートシンク・サブアセンブリ18は、上記発光ダイオード平行化光学モジュール16により発生される熱を吸収及び放散させる。一実施例において、ヒートシンクの数と発光ダイオード平行化光学モジュール16の数との間には1対1の対応が存在する。更に、一実施例において、ヒートシンク・サブアセンブリ18は事実上無音のファンを含み、該ファンは発光ダイオード平行化光学モジュール16を含む内部部品のための強制空冷を提供する。
【0010】
ハウジング12は、支持構造体22に旋回可能に接続されたヨーク20により定位置に取り付けられる。ハウジング12、ヨーク20及び支持構造体22を通して配置される電子回路サブアセンブリ24は、照明器具10に対し電動動作及び電子回路を提供する。該電子回路サブアセンブリ24は、診断及び自己校正機能並びに内部テストルーチン及びソフトウェア更新能力を提供する複数のオンボード・プロセッサを含むことができる。また、照明器具10は、電源に対する接続等の如何なる他の所要の電子回路を含むこともできる。図示されたように、終端効果を付加するために仕上げレンズ26が含まれている。
【0011】
LED平行化光学モジュール16は、LED平行化光学モジュール16−1〜16−6が中心に配置された光学モジュール16−7と接触するようにして六角形の位置取りに配置された、単層の密集詰め構成に配置されている。周方向のLED平行化光学モジュール16−1〜16−6の各々は、2つの隣接する周方向のLED平行化光学モジュール及び内側に配置されたLED平行化光学モジュール16−7に接触する。例示として、LED平行化光学モジュール16−1は、隣接するLED平行化光学モジュール16−2及び16−6並びに内側に配置された平行化光学モジュール16−7と接触する。LED平行化光学モジュール16−1〜16−7のアレイは、一実施例では、8インチ(8.32cm)の直径を有することができる。LED平行化光学モジュール16−4に関しては、LEDチップパッケージ30は、光を混合する導光体32に光を供給する。CPC34が上記導光体32に結合されて、該導光体32から受光される光を平行化する。平行化に続いて、光は当該照明器具10を実質的に均一な瞳として出射する。照明器具10の構成部品又は全体は、ステージ照明又は関連する用途用の光学モジュールと考えることができる。
【0012】
図2及び3は、LED平行化光学モジュール16の他の実施例を示す。図2に関する場合、LED平行化光学モジュール16は単層の円形の離隔詰め構成36に配置されている。この構成において、LED平行化光学モジュール16−1〜16−6は、中心に配置されたモジュール、即ちLED平行化光学モジュール16−7の周りの周方向の点上に各々中心を合わされている。一構成例において、各LED平行化光学モジュール16の間の間隔は、約0.19インチ(3mm)である。
【0013】
図3に関しては、LED平行化光学モジュール16−1〜16−3は直線的な単層構成38に配置され、内側のLED平行化光学モジュール16−2は外側のLED平行化光学モジュール16−1及び16−3の各々に接触するように配置されている。尚、当該LED平行化光学モジュールは、図1A〜1D、図2及び図3に示されたもの以外のアレイとして配置することができると理解されるべきである。また、一つのアレイには如何なる数のLED平行化光学モジュールも使用することができ、斯かるアレイは、LED平行化光学モジュールの間に密な接触をもたらすもの、LED平行化光学モジュールの間に間隔を呈するもの、及びこれらの組み合わせとなるものさえ含み、別の形態をとることもできる。更に、LED平行化光学モジュール16は、角度的態様、直線的態様又はこれらの組み合わせで配置することができる。
【0014】
図4Aないし4Dは、LED平行化光学モジュール16−4を図示する。LEDチップパッケージ30は、光源を提供するものであり、単一の長尺ベース部材44上にアレイ42として配設された複数の有色LEDチップG、R、B及びWを含んでいる。上記ベース部材44は、リード線を結合する手段(図示略)を含むことができる。図示されたように、LEDチップG、R、B、Wは、色混合を増加させるために導光体32及びCPC34に対して所望の角度的放射パターンをもたらすように配置されている。しかしながら、用途に依存して、LEDチップG、R、B、Wは他のタイプのアレイとして配置することもできると理解されるべきである。
【0015】
アレイ42のLEDチップG、R、B、Wは、緑色、赤色、青色及び白色の光を各々が放出する通常の緑色、赤色、青色及び白色LEDチップを有している。このようなLEDチップは、導光体32への効率的な入射を促進し、色混合を強力に向上させる。図示されたように、当該LEDチップパッケージにより発生される白色光の品質を更に向上させるために、1つの赤色LEDチップ(R)、1つの緑色LEDチップ(G)、1つの青色LEDチップ(B)及び1つの白色LEDチップ(W)を含む4つのLEDチップが使用されている。しかしながら、LEDチップの設計が進歩するにつれて、当該LEDチップパッケージ30により発生される光の品質を最適化するために当該アレイには異なる数のLEDチップ及び/又は異なる色のLEDチップを使用し得ることが考えられる。例示として、一実施例においては、1つの赤色LEDチップ(R)、1つの緑色LEDチップ(G)、1つの青色LEDチップ(B)及び1つの琥珀色LEDチップ(A)を含む4つのLEDチップが使用される。他の例示として、更に他の実施例では、1つの赤色LEDチップ(R)、2つの緑色LEDチップ(G1,G2)、1つの青色LEDチップ(B)を含む4つのLEDチップが使用される。LEDチップパッケージ30に低パワー及び高パワーの両方のLEDチップが使用されることも更に考えることができる。
【0016】
本明細書で提示される教示の一実施例において、前記長尺のベース部材44は、例えばプラスチック又はセラミックから形成される電気的に絶縁なハウジング46を有することができ、該ハウジングはシリコン・サブマウントが上に配置された金属ヒートシンクを収容する。上記金属ヒートシンクは、該ヒートシンク上に配置されたLEDチップパッケージ30の熱放散を行う。更なる熱放散はヒートシンク・サブアセンブリ18によりもたらされるが、該ヒートシンク・サブアセンブリは、暗示されるように、前記金属ヒートシンクに近接した強制空冷を提供する実質的に無音のファンを含む。上記長尺のベース部材44は更にリード線を含み、これらリード線は前記ハウジングにより上記金属ヒートシンク及びLEDチップG、R、B、Wから電気的に絶縁される。ボンドワイヤがLEDチップG、R、B、Wを上記リード線に電気的に接続する。
【0017】
導光体32は、第1端に第1断面積πr12の入力開口48を有し(半径がr1である)、第2端に第2断面積πr22の出力開口50を有する(半径がr2である)。導光体32は、入力開口48において光源からの光を受光すると共に該光を出力開口50に供給するように、LEDチップパッケージ30及びLEDチップG、R、B、W上に配置される。上記第1断面積πr12は上記第2断面積πr22に実質的に等しいものとすることができ、かくして、入力開口48及び出力開口50は実質的に等しい直径を有し、r1はr2と等しくなり得る。円筒状の壁部であり得る壁部52は、上記入力開口48を出力開口50と接続すると共に、概ね円柱を形成するような回転面を含むことができる。上記壁部52は、入力開口48から出力開口50までの内部空間56内において光の混合を可能にするような複数の伝達経路を定める反射性材料54を含む。一構成例において、壁部52は、入力開口48を出力開口50に接続する光を混合するための壁手段であり得る。導光体32の長さl1は、当該光源により放出される光の混合に関連する設計パラメータにより決定される。更に、導光体32の長さl1は、LEDチップパッケージ30の水平軸に対して実質的に直交する、該導光体32の長軸に沿って測定されるものである。
【0018】
CPC34は、上記導光体32に結合されている。CPC34の場合、一実施例では円錐状ボディであるボディ60は、第1端に断面積πr32の入口開口62が形成される一方(半径はr3である)、第2端に断面積πr42の出口開口64が形成されている(半径はr4である)。上記入口開口62は前記出力開口50と交わり、円錐状ボディ60は当該光を出口開口64に供給するように配置されている。入口開口62の断面積πr32は前記出力開口50の断面積πr22に実質的に等しく、出口開口64の断面積πr42は入口開口62の断面積πr32より大きい。従って、この構成例では、r4>r3=r2=r1である。上記第2端における縁部(lip)72は、一連の隣接するアーチを含むような図示のアーチ状エッジを含む種々の形態を有することができる。このタイプの縁部の実施例は、LED平行化光学モジュールが密集詰め構成において相互に当接した状態で配置されるのを可能にする。
【0019】
湾曲した壁部とすることが可能な壁部66は、入口開口62を出口開口64と接続する一方、断面積πr32から断面積πr42へと広がる。壁部66は、入口開口62から出口開口64への光の平行化された伝達を可能にする反射性材料68を含んでいる。該壁部66は、入口開口62を出口開口64に接続すると共に断面積πr32から断面積πr42へと広がる壁手段であり得る。該壁部66は、概ね円錐形を形成する回転面を有するような放物状壁部を含むことができる。CPC34の長さl2は、例えば所望の平行化及び光混合の程度に関係する設計パラメータにより決定される。更に、CPC34の長さl2は、LEDチップパッケージ30の水平軸に対して直交すると共に前記導光体32の長軸に実質的に整列された該CPC34の長軸に沿って測定されるものである。また、用途に依存して、長さl1とl2との間の関係は、図示されたものから変化し得ると理解されるべきである。
【0020】
一実施例において、CPC34は、当該デバイスに小さい方の開口、即ち入口開口62において入射する光線が、大きい方の開口、即ち出口開口64において出射する前に湾曲壁部66の内側表面により1回だけ反射されるという事実を特徴とする。この構成においては、CPC34は、入口開口62において受光される所与のエネルギの光束を平行化するように設計されている。
【0021】
この実施例において、放物状又は他の幾何学構造を有するか否かによらずCPCと称される本明細書で開示される集中器は、プリズム的で透明な低透過損失誘電体物質からなる反射性材料68を有している。図11〜13において説明されるように、他の幾何学構造も、ここに提示される実施例の範囲内に入る。CPC34の内側表面70の反射性材料68を形成することができる上記誘電体物質は、これらに限られるものではないがアクリルポリマ又はポリカーボネイト系ポリマ等の高屈折率を持つ透明ポリマを含む。
【0022】
図5Aは、LED平行化光学モジュール16−4を通過する単一の光ビームを図示している。光混合ロッド又は光パイプであり得る導光体32は、光源により当該導光体内に伝達される光束を均一化する。該光束の輝度中心は入力開口48から出力開口50へ長手方向に移動する。当該光混合ロッドに沿って配置された反射性材料54の反射面は、該光混合ロッドを経る光の移動の長手方向又は軸方向に対して垂直な又は傾斜された面法線を含む。該反射性材料は、光ビームが進行する経路80、82等の経路を提供し、これにより、これら光ビームを相互に混合させる。LEDチップ(G、R、B、W)は、導光体32の内部空間56に向かう部分的向きの方向を有している。
【0023】
CPC34はθi/θoに関して示されており、ここで、θiは入力角を示し、θoは出力角を示している。一実施例の幾何学構造は、焦点Qを持つ放物線PRの区画をとり、この区画を、LEDチップパッケージ30を通る水平軸xに対して垂直な、当該放物のz軸に対して角度θiの回転軸の周りに回転させることにより、より良好に理解され得るであろう。z軸の周りの回転軸は、前記入口開口及び出口開口の中心を定める。このようなCPCの構造は、z軸に対して±θiより小さな角度で前記入口開口に入射する全ての光線が、z軸に対して±θoの角度内で単一の反射を越えない反射の後に当該CPCを出射するであろうことを特徴とする。
【0024】
図示されているように、光ビーム84、86はLEDチップパッケージ30のLEDチップRから送出される。光ビーム84の入射角は、該光ビーム84が導光体32の内部空間56に接触しないようなものである。他の実施例では、導光体32の位置により、光ビームの全て又は略全てが内側表面56に接触する。しかしながら、光ビーム86は内部空間56に接触し、その後、CPC34に入射するまでに導光体32の反射材料54により6回反射され、CPC34において、該光ビーム86は当該CPC34の内部表面70による単一の反射により平行化される。図示されているように、導光体32における複数の反射は、光ビーム86が該導光体32の長軸zを横切るようにさせ、これにより光混合に貢献するようにさせる。
【0025】
図5Bは、当該LED平行化光学モジュールを通過する複数のビームを図示している。導光体32は、LEDチップ30上に、入力開口48においてLED光源G、R、B、Wから光を受光するように配置されている。LED G、R、B、Wは、少なくとも部分的に導光体32の内部空間56に向けられている。図示されたように、LED G、R、B、Wの間には横方向のオフセットが存在し、これらLEDと前記反射性材料との間に該反射性材料による反射を行うように入射角を設ける。導光体32は、集合的に光束88となる複数の光ビームにより通過される複数の経路89を設ける。これら複数の経路89は、受光された光ビームを混合し、光束88の輝度中心が入力開口48から出力開口50へと長手方向に移動するようにさせる。当該導光体の反射性材料は、光を入力開口48から出力開口50へと伝搬させるように配向され、上記出力開口において、混合された光はCPC34の入口開口62により受光される。次いで、上記入口開口62から出口開口64への光の平行化された伝達が生じ、CPC34内における単一反射の平行化された伝達から実質的に均一な瞳を形成する。かくして、光束は上記出口開口64から実質的に均一な瞳90として出射する。
【0026】
図6及び7は、LED平行化光学モジュールの他の実施例を示している。図6の場合、LED平行化光学モジュール16−8は、図5において形成される光とは異なるプロファイルを持つ実質的に均一な瞳の光92を形成する。図7において、円形のポリカーボネイト光パイプ94とCPC96として示される中空の金属化された反射器内の約80%の反射度との組み合わせを有するLED平行化光学モジュール16−9は、他の実質的に均一な光の瞳98を形成する。尚、図5Aないし図7に図示されたLED平行化光学モジュールの構造は、変化し得るものであると理解されるべきである。例えば、上記導光体及びCPCは、一体的に形成され得るか、又は一体ユニットを形成するように結合することができる。用途固有の特徴及びコスト等の要因が、好ましい構成技術を決定し得る。
【0027】
図8〜10は、LED平行化光学モジュール16に使用する導光体32の種々の実施例を示す。図8において、導光体32は壁部52を有している。しかしながら、導光体32は円筒状壁部に限定されるものではないと理解されるべきである。導光体32は、異なる壁部及び対応する内部空間56を形成するような、非円筒状の形状も同様に有することができる。例示として、図9を参照すると、導光体32は、六角形壁部100として示された、6つの面を有するファセット状壁部を含んでいる。他の例示として、図10には、八角形壁部102として示された、8つの面を備えた壁部を有している。導光体32は、如何なる数の面又はファセット(小面)を含むこともでき、更に、円形の又は円筒状の壁部を含むこともできる。
【0028】
図11〜13は、CPC34のボディ60の種々の実施例を示す。一構成例において、発光ダイオード平行化光学モジュール16は、図11に示されるような湾曲した壁部66を有する円錐状ボディ60に限定されるものではない。むしろ、図12及び13に示されるように、発光ダイオード平行化光学モジュール16は、図12のボディ60又は図13のボディ60のように、如何なる数の面又はファセットを有するボディを含むこともできる。これらの実施例では、湾曲した壁部というよりは、図12及び13に各々提示された壁部104及び106等の、面又はファセットを備える壁部が用いられる。ボディ60は、如何なる数の面又はファセットを含むこともでき、更に前述した湾曲した壁部を有することもできる。
【0029】
図14〜15は、本明細書に提示されたLED平行化光学モジュールで使用するための導光体32の実施例を示す。前述したように、導光体32は種々の形状を有することができる。種々の形状を有することに加えて、導光体32は、例えば側壁を有する管体(tubular)又は混合管体(例えば、図8)、ロッド(例えば図14)、内部に本体を有する管体(例えば図15)、又はこれらの組み合わせとすることができる。特に、図14を参照すると、導光体32は、反射性材料54を有する壁部52を備えるようなロッド(棒体)である。図15を参照すると、導光体32は、内部に本体32bを有すると共に、関連する壁部52a、52b及び反射性材料54a、54bを有する管状部材32aを含む。
【0030】
図16〜17は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュール16で使用するためのCPC34のボディ60の実施例を示す。導光体32と同様に、CPC34のボディ60は、例えば、側壁を有するボディ60(例えば図11)、壁部66及び反射性材料68を備えた中実部材であるボディ60(例えば図16)、壁部66a、66b及び反射性材料68a、68bを備えた側壁部材60a及び該側壁部材内に配置された中実部材60bを有するボディ60(例えば図17)、又はこれらの組み合わせを含む種々の形態を有することができる。
【0031】
図18は、六角形位置を持つ単層密集詰め構成のベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフを示す。この場合、光入射の鉛直角は度で表され、輝度は曲線110により示されている。図19は、発光ダイオード平行化光学モジュールの六角形アレイのベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフを示す。曲線120は、輝度と鉛直角との間の関係を表す。この実施例において、最適化されたベースライン輝度モデルは、色の均一性を妥協せずに可能な最狭の角度分布を生成する。このモデルの角度分布は、光パイプの入力面のサイズを減少させるか又は光パイプの出力面を増加させることにより更に減少させることができる。最後に、図20は、発光ダイオード平行化光学モジュールの単層円形離隔詰め構成のベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフを示す。この図において、曲線130は輝度対鉛直角の関係を示す。これらのグラフにより表された設計は、10,000ルーメンなる光束要件を越えるものである。六角形+CPCの実施例(図18)は、より良好な色の均一性を伴う69%の効率であり、円形+中空CPC反射器の実施例(図20)は、中空の金属化されたCPC反射器を備える円形のポリカーボネイト光パイプを含む2部品構成で49%の効率である。
【0032】
図21は、相対発光効率及びピーク光束を電流密度の関数として示すグラフである。発光効率の曲線140は、ワット当たりのルーメン(lm/W)での放射フラックスに対する光束の比を、電流密度(A/mm2)の関数として表している。更に、ピーク光束の曲線150は、ルーメン(lm)での光束を電流密度(A/mm2)の関数として表している。
【0033】
図22は、前述した単層円形離隔詰め構成を持つ発光ダイオード平行化光学モジュールの円形アレイに関する琥珀色ダイの色度図をu'、v'測色色空間座標に関して示す。図示されたCIELUV色空間、CIE 1976(L*,u*,V*)はアダムス色価色空間であり、CIE 1964色空間(CIEUVW)の更新版である。相違点は、僅かに修正された明度スケール、及び修正された均一色度スケール(例えば、座標のうちの1つv'は、1960の先のものにおけるvより1.5倍大きい)を含む。表示された波長は、ナノメートル(nm)で表されている。
【0034】
下記の変換及び転換が適用可能である:
L* = 116(Y/Yn)1/3 - 16, Y/Yn > (6/29)3
(29/3)3(Y/Yn), Y/Yn <= (6/29)3
u* = 13L*(u' - u'n)
v* = 13L*(v' - v'n)
u' = 4X(X + 15Y + 3Z) = 4x/(-2x + 12y + 3)
v' = 9Y(X + 15Y +3Z) = 9Y/(-2x + 12Y + 3)
(u',v')から(x,y)への変換に関しては:
x = 9u'/(6u' - 16v' + 12)
y = 4v'/(6u' - 16v' + 12)
u' = u*/13L* + u'n
v' = v*/13L* + v'n
Y = YnL*(3/29)3, L* <= 8
Yn(L* + 16)/116)3, L* > 8
X = Y(9u'/4v')
Z = Y((12 - 3u' - 20v')/4v')
である。
【0035】
逆U字状の軌跡境界150は、単色光、又はスペクトル色若しくは緩やかな虹色を表す。該軌跡の下側境界は、紫色のラインを提示すると共に、赤及び青の波長の光を混合することにより得られる比スペクトル色を表す。実際には、可視スペクトルの極端では目の受容体の感度の減衰により色は益々不鮮明となるので、この境界は厳しいものではないと理解されるべきである。上記軌跡の周囲の色は飽和し、色は当該プロットの中央の何処かでは益々彩度が減少し、白に向かう。しかしながら、当該プロットの外側の色は色域外であり、色度図は知覚的に均一とはならない。即ち、当該プロットの如何なる領域の区域も、該領域における知覚的に区別可能な色の数とは全く良好には相関しない。更に、異なるLED光源は、本来的に異なる色域を有し得る。
【0036】
図23は、単層円形離隔詰め構成を持つ発光ダイオード平行化光学モジュールの円形アレイに関する白色ダイの色度図をu'、v'測色色空間座標に関して示す。図22と同様に、表示された波長はナノメートル(nm)で表され、逆U字状の軌跡境界160は単色光を表す。図示されたように、逆U字状の軌跡境界160は人の目にとり区別不可能なu',v'におけるずれを表し、平均色度値は0.06のオーダである。
【0037】
以上、本発明を図示の実施例を参照して説明したが、この説明は限定するもの見なされることを意図するものではない。図示の実施例の種々の変更及び組み合わせ、並びに本発明の他の実施例も、当業者により上記説明を参照すれば明らかとなるであろう。従って、添付請求項は如何なる斯様な変更及び実施例も含むことを意図するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは人工光又は照明の形成に係り、更に詳細には、個別に使用する又は共通基板上にアレイとして配置することができる発光ダイオード(LED)平行化光学モジュール、及び斯かる光学モジュールを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のLEDチップパッケージは、パッケージ当たり複数のLEDチップを含むことができる一方、パッケージ自体上には相対的に簡素な光学系しか有さず、該光学系は如何なる所要の色(カラー)混合、平行化(コリメーション)又は他のビーム整形を行うためにも二次光学系を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの既存のLEDチップパッケージは、電力と、平行化及び色混合を含むビーム整形要件とのバランスをとらねばならない。例示として、演劇、舞踊、オペラ及び他の演芸の制作に関係するもののようなステージ照明用途においては、所要の輝度及び照明されるべき領域からの距離並びに照明器具のビーム又は視界角が、当該LEDチップパッケージが巨大な電力を有することを強いる。更に、用途の性質上、良好に整形されたビームも必要とされる。輝度要件は多数のLEDの使用により満たされるが、このことは、光の単一の一様且つ均一な瞳への集光を一層困難にさせる。時には、電力が均一さのために犠牲にされるか、又はその逆となり得る。一方における電力と、他方における平行化及び色混合との間の取り引き(妥協)に対処する解決策が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
LED平行化光学モジュール、斯かるモジュールを使用する照明器具及び光学装置が開示される。ここに提示される解決策は、一方における電力と他方における平行化及び色混合との間の伝統的な妥協を軽減するものである。当該LED平行化光学モジュールの一実施例において、LEDチップは複数の光源を設ける。例えば、光パイプ(lightpipe)、管体又はロッド(rod)とすることが可能な導光体(optical conductor)が、上記光源から受光される光を混合するために当該LEDチップ上に配置される。上記導光体を通過した後、上記の混合された光は、該導光体に結合された複合放物集中器(CPC:compound parabolic concentrator)に入射する。このCPCは、上記導光体から受光された光を、実質的に均一な瞳が放出されるように平行化する。上記照明器具の一実施例においては、複数のLED平行化光学モジュールが基板(ベース)上に各々配置される。ハウジングは、上記基板及びLED光学モジュールを収容するように構成される。該照明器具は、種々の用途のための完成した照明用具を提供する。
【0005】
ステージ照明の分野における当該光学装置の一実施例は、例えば管体、光パイプ又はロッドであり得る導光体を含み、該導光体は入力開口において光を受光すると共に、当該導光体を介して光を上記入力開口の断面積と実質的に等しい断面積を持つ出力開口へと伝搬する。第1壁部が、上記入力開口を上記出力開口と接続し、反射性材料を用いて、当該導光体の上記入力開口から出力開口への光の混合を可能にするような複数の伝達経路を定める。円錐状ボディとすることができるボディ(胴部)は、断面積が、上記導光体の出力開口と交わる入口開口から出口開口へと増加する。放物状壁部とすることが可能な第2壁部は、上記入口開口を出口開口と接続すると共に、上記入口開口の断面積から上記出口開口に属する一層大きな断面積へと広がる。該第2壁部は、上記入口開口から出口開口への光の平行化された伝達を可能にする。
【0006】
本発明のフィーチャ及び利点の一層完全な理解のために、本発明の詳細な説明を添付図面と共に参照するが、これら図面において異なる図における対応する符号は対応する構成部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】図1Aは、本明細書で提示された教示によるLED平行化光学モジュールを組み込んだ照明器具の一実施例の斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aに示した照明器具の、内部構成部品を一層良好に示すために一部が切除された斜視図である。
【図1C】図1Cは、図1A及び1BのLED平行化光学モジュールのアレイを一層詳細に示す斜視図である。
【図1D】図1Dは、図1Cに示したLED平行化光学モジュールのアレイの上面図である。
【図2】図2は、LED平行化光学モジュールのアレイの他の実施例の上面図である。
【図3】図3は、LED平行化光学モジュールのアレイの更に他の実施例の上面図である。
【図4A】図4Aは、LED平行化光学モジュールの一実施例の前面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示したLED平行化光学モジュールの縦断面図である。
【図4C】図4Cは、図4Aに示したLED平行化光学モジュールの上面図である。
【図4D】図4Dは、図4Aの4D−4D線に沿って見たLEDチップパッケージの上面図である。
【図5A】図5Aは、図4Aに示したLED平行化光学モジュールを通過する単一の光ビームを示す縦断面図である。
【図5B】図5Bは、図4Aに示したLED平行化光学モジュールを通過する複数の光ビームを示す縦断面図である。
【図6】図6は、LED平行化光学モジュールの他の実施例を通過する複数の光ビームを示す縦断面図である。
【図7】図7は、LED平行化光学モジュールの更に他の実施例を通過する複数の光ビームを示す縦断面図である。
【図8】図8は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の一実施例の上断面図である。
【図9】図9は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の他の実施例の上断面図である。
【図10】図10は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の更に他の実施例の上断面図である。
【図11】図11は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるボディの一実施例の上断面図である。
【図12】図12は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるボディの他の実施例の上断面図である。
【図13】図13は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるボディの更に他の実施例の上断面図である。
【図14】図14は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の一実施例の上断面図である。
【図15】図15は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用される導光体の他の実施例の上断面図である。
【図16】図16は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるCPCの一実施例の上断面図である。
【図17】図17は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュールで使用されるCPCの他の実施例の上断面図である。
【図18】図18は、図5A〜5BのLED平行化光学モジュールに関する、ベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフである。
【図19】図19は、LED平行化光学モジュールに関する、最適化されたベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフである。
【図20】図20は、LED平行化光学モジュールの円形の離隔詰めアレイに関する、ベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフである。
【図21】図21は、LED平行化光学モジュールの円形の離隔詰めに関する、発光効率及びピーク光束対電流密度のグラフである。
【図22】図22は、LED平行化光学モジュールの円形の離隔詰めに関する、u',v'カラー面に対する琥珀色ダイ色度図である。
【図23】図23は、LED平行化光学モジュールの円形の離隔詰めに関する、u',v'カラー面に対する白色ダイ色度図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では本発明の種々の実施例の作製及び使用が詳細に説明されるが、本発明は多様な固有の状況において具現化することが可能な多数の適用可能な発明概念を提供するものであると理解されるべきである。ここで説明する固有の実施例は、本発明を作製し及び使用するための固有の方法を単に解説するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0009】
最初に図1Aないし1Dを参照すると、ここで提示される教示による照明器具の一実施例が示されており、該照明器具は概略的に図示されると共に全体として符号10により示されている。ハウジング12は、基板(ベース)14及び集合的に符号16が付されたLED平行化光学モジュールを収容するように構成され、これらはハウジング12内に固定されている。上記LED平行化光学モジュールは、個別のLED平行化光学モジュール16−1、16−2、16−3、16−4、16−5、16−6及び16−7を含んでいる。基板14に取り付けられると共にハウジング12内に収容されたヒートシンク・サブアセンブリ18は、上記発光ダイオード平行化光学モジュール16により発生される熱を吸収及び放散させる。一実施例において、ヒートシンクの数と発光ダイオード平行化光学モジュール16の数との間には1対1の対応が存在する。更に、一実施例において、ヒートシンク・サブアセンブリ18は事実上無音のファンを含み、該ファンは発光ダイオード平行化光学モジュール16を含む内部部品のための強制空冷を提供する。
【0010】
ハウジング12は、支持構造体22に旋回可能に接続されたヨーク20により定位置に取り付けられる。ハウジング12、ヨーク20及び支持構造体22を通して配置される電子回路サブアセンブリ24は、照明器具10に対し電動動作及び電子回路を提供する。該電子回路サブアセンブリ24は、診断及び自己校正機能並びに内部テストルーチン及びソフトウェア更新能力を提供する複数のオンボード・プロセッサを含むことができる。また、照明器具10は、電源に対する接続等の如何なる他の所要の電子回路を含むこともできる。図示されたように、終端効果を付加するために仕上げレンズ26が含まれている。
【0011】
LED平行化光学モジュール16は、LED平行化光学モジュール16−1〜16−6が中心に配置された光学モジュール16−7と接触するようにして六角形の位置取りに配置された、単層の密集詰め構成に配置されている。周方向のLED平行化光学モジュール16−1〜16−6の各々は、2つの隣接する周方向のLED平行化光学モジュール及び内側に配置されたLED平行化光学モジュール16−7に接触する。例示として、LED平行化光学モジュール16−1は、隣接するLED平行化光学モジュール16−2及び16−6並びに内側に配置された平行化光学モジュール16−7と接触する。LED平行化光学モジュール16−1〜16−7のアレイは、一実施例では、8インチ(8.32cm)の直径を有することができる。LED平行化光学モジュール16−4に関しては、LEDチップパッケージ30は、光を混合する導光体32に光を供給する。CPC34が上記導光体32に結合されて、該導光体32から受光される光を平行化する。平行化に続いて、光は当該照明器具10を実質的に均一な瞳として出射する。照明器具10の構成部品又は全体は、ステージ照明又は関連する用途用の光学モジュールと考えることができる。
【0012】
図2及び3は、LED平行化光学モジュール16の他の実施例を示す。図2に関する場合、LED平行化光学モジュール16は単層の円形の離隔詰め構成36に配置されている。この構成において、LED平行化光学モジュール16−1〜16−6は、中心に配置されたモジュール、即ちLED平行化光学モジュール16−7の周りの周方向の点上に各々中心を合わされている。一構成例において、各LED平行化光学モジュール16の間の間隔は、約0.19インチ(3mm)である。
【0013】
図3に関しては、LED平行化光学モジュール16−1〜16−3は直線的な単層構成38に配置され、内側のLED平行化光学モジュール16−2は外側のLED平行化光学モジュール16−1及び16−3の各々に接触するように配置されている。尚、当該LED平行化光学モジュールは、図1A〜1D、図2及び図3に示されたもの以外のアレイとして配置することができると理解されるべきである。また、一つのアレイには如何なる数のLED平行化光学モジュールも使用することができ、斯かるアレイは、LED平行化光学モジュールの間に密な接触をもたらすもの、LED平行化光学モジュールの間に間隔を呈するもの、及びこれらの組み合わせとなるものさえ含み、別の形態をとることもできる。更に、LED平行化光学モジュール16は、角度的態様、直線的態様又はこれらの組み合わせで配置することができる。
【0014】
図4Aないし4Dは、LED平行化光学モジュール16−4を図示する。LEDチップパッケージ30は、光源を提供するものであり、単一の長尺ベース部材44上にアレイ42として配設された複数の有色LEDチップG、R、B及びWを含んでいる。上記ベース部材44は、リード線を結合する手段(図示略)を含むことができる。図示されたように、LEDチップG、R、B、Wは、色混合を増加させるために導光体32及びCPC34に対して所望の角度的放射パターンをもたらすように配置されている。しかしながら、用途に依存して、LEDチップG、R、B、Wは他のタイプのアレイとして配置することもできると理解されるべきである。
【0015】
アレイ42のLEDチップG、R、B、Wは、緑色、赤色、青色及び白色の光を各々が放出する通常の緑色、赤色、青色及び白色LEDチップを有している。このようなLEDチップは、導光体32への効率的な入射を促進し、色混合を強力に向上させる。図示されたように、当該LEDチップパッケージにより発生される白色光の品質を更に向上させるために、1つの赤色LEDチップ(R)、1つの緑色LEDチップ(G)、1つの青色LEDチップ(B)及び1つの白色LEDチップ(W)を含む4つのLEDチップが使用されている。しかしながら、LEDチップの設計が進歩するにつれて、当該LEDチップパッケージ30により発生される光の品質を最適化するために当該アレイには異なる数のLEDチップ及び/又は異なる色のLEDチップを使用し得ることが考えられる。例示として、一実施例においては、1つの赤色LEDチップ(R)、1つの緑色LEDチップ(G)、1つの青色LEDチップ(B)及び1つの琥珀色LEDチップ(A)を含む4つのLEDチップが使用される。他の例示として、更に他の実施例では、1つの赤色LEDチップ(R)、2つの緑色LEDチップ(G1,G2)、1つの青色LEDチップ(B)を含む4つのLEDチップが使用される。LEDチップパッケージ30に低パワー及び高パワーの両方のLEDチップが使用されることも更に考えることができる。
【0016】
本明細書で提示される教示の一実施例において、前記長尺のベース部材44は、例えばプラスチック又はセラミックから形成される電気的に絶縁なハウジング46を有することができ、該ハウジングはシリコン・サブマウントが上に配置された金属ヒートシンクを収容する。上記金属ヒートシンクは、該ヒートシンク上に配置されたLEDチップパッケージ30の熱放散を行う。更なる熱放散はヒートシンク・サブアセンブリ18によりもたらされるが、該ヒートシンク・サブアセンブリは、暗示されるように、前記金属ヒートシンクに近接した強制空冷を提供する実質的に無音のファンを含む。上記長尺のベース部材44は更にリード線を含み、これらリード線は前記ハウジングにより上記金属ヒートシンク及びLEDチップG、R、B、Wから電気的に絶縁される。ボンドワイヤがLEDチップG、R、B、Wを上記リード線に電気的に接続する。
【0017】
導光体32は、第1端に第1断面積πr12の入力開口48を有し(半径がr1である)、第2端に第2断面積πr22の出力開口50を有する(半径がr2である)。導光体32は、入力開口48において光源からの光を受光すると共に該光を出力開口50に供給するように、LEDチップパッケージ30及びLEDチップG、R、B、W上に配置される。上記第1断面積πr12は上記第2断面積πr22に実質的に等しいものとすることができ、かくして、入力開口48及び出力開口50は実質的に等しい直径を有し、r1はr2と等しくなり得る。円筒状の壁部であり得る壁部52は、上記入力開口48を出力開口50と接続すると共に、概ね円柱を形成するような回転面を含むことができる。上記壁部52は、入力開口48から出力開口50までの内部空間56内において光の混合を可能にするような複数の伝達経路を定める反射性材料54を含む。一構成例において、壁部52は、入力開口48を出力開口50に接続する光を混合するための壁手段であり得る。導光体32の長さl1は、当該光源により放出される光の混合に関連する設計パラメータにより決定される。更に、導光体32の長さl1は、LEDチップパッケージ30の水平軸に対して実質的に直交する、該導光体32の長軸に沿って測定されるものである。
【0018】
CPC34は、上記導光体32に結合されている。CPC34の場合、一実施例では円錐状ボディであるボディ60は、第1端に断面積πr32の入口開口62が形成される一方(半径はr3である)、第2端に断面積πr42の出口開口64が形成されている(半径はr4である)。上記入口開口62は前記出力開口50と交わり、円錐状ボディ60は当該光を出口開口64に供給するように配置されている。入口開口62の断面積πr32は前記出力開口50の断面積πr22に実質的に等しく、出口開口64の断面積πr42は入口開口62の断面積πr32より大きい。従って、この構成例では、r4>r3=r2=r1である。上記第2端における縁部(lip)72は、一連の隣接するアーチを含むような図示のアーチ状エッジを含む種々の形態を有することができる。このタイプの縁部の実施例は、LED平行化光学モジュールが密集詰め構成において相互に当接した状態で配置されるのを可能にする。
【0019】
湾曲した壁部とすることが可能な壁部66は、入口開口62を出口開口64と接続する一方、断面積πr32から断面積πr42へと広がる。壁部66は、入口開口62から出口開口64への光の平行化された伝達を可能にする反射性材料68を含んでいる。該壁部66は、入口開口62を出口開口64に接続すると共に断面積πr32から断面積πr42へと広がる壁手段であり得る。該壁部66は、概ね円錐形を形成する回転面を有するような放物状壁部を含むことができる。CPC34の長さl2は、例えば所望の平行化及び光混合の程度に関係する設計パラメータにより決定される。更に、CPC34の長さl2は、LEDチップパッケージ30の水平軸に対して直交すると共に前記導光体32の長軸に実質的に整列された該CPC34の長軸に沿って測定されるものである。また、用途に依存して、長さl1とl2との間の関係は、図示されたものから変化し得ると理解されるべきである。
【0020】
一実施例において、CPC34は、当該デバイスに小さい方の開口、即ち入口開口62において入射する光線が、大きい方の開口、即ち出口開口64において出射する前に湾曲壁部66の内側表面により1回だけ反射されるという事実を特徴とする。この構成においては、CPC34は、入口開口62において受光される所与のエネルギの光束を平行化するように設計されている。
【0021】
この実施例において、放物状又は他の幾何学構造を有するか否かによらずCPCと称される本明細書で開示される集中器は、プリズム的で透明な低透過損失誘電体物質からなる反射性材料68を有している。図11〜13において説明されるように、他の幾何学構造も、ここに提示される実施例の範囲内に入る。CPC34の内側表面70の反射性材料68を形成することができる上記誘電体物質は、これらに限られるものではないがアクリルポリマ又はポリカーボネイト系ポリマ等の高屈折率を持つ透明ポリマを含む。
【0022】
図5Aは、LED平行化光学モジュール16−4を通過する単一の光ビームを図示している。光混合ロッド又は光パイプであり得る導光体32は、光源により当該導光体内に伝達される光束を均一化する。該光束の輝度中心は入力開口48から出力開口50へ長手方向に移動する。当該光混合ロッドに沿って配置された反射性材料54の反射面は、該光混合ロッドを経る光の移動の長手方向又は軸方向に対して垂直な又は傾斜された面法線を含む。該反射性材料は、光ビームが進行する経路80、82等の経路を提供し、これにより、これら光ビームを相互に混合させる。LEDチップ(G、R、B、W)は、導光体32の内部空間56に向かう部分的向きの方向を有している。
【0023】
CPC34はθi/θoに関して示されており、ここで、θiは入力角を示し、θoは出力角を示している。一実施例の幾何学構造は、焦点Qを持つ放物線PRの区画をとり、この区画を、LEDチップパッケージ30を通る水平軸xに対して垂直な、当該放物のz軸に対して角度θiの回転軸の周りに回転させることにより、より良好に理解され得るであろう。z軸の周りの回転軸は、前記入口開口及び出口開口の中心を定める。このようなCPCの構造は、z軸に対して±θiより小さな角度で前記入口開口に入射する全ての光線が、z軸に対して±θoの角度内で単一の反射を越えない反射の後に当該CPCを出射するであろうことを特徴とする。
【0024】
図示されているように、光ビーム84、86はLEDチップパッケージ30のLEDチップRから送出される。光ビーム84の入射角は、該光ビーム84が導光体32の内部空間56に接触しないようなものである。他の実施例では、導光体32の位置により、光ビームの全て又は略全てが内側表面56に接触する。しかしながら、光ビーム86は内部空間56に接触し、その後、CPC34に入射するまでに導光体32の反射材料54により6回反射され、CPC34において、該光ビーム86は当該CPC34の内部表面70による単一の反射により平行化される。図示されているように、導光体32における複数の反射は、光ビーム86が該導光体32の長軸zを横切るようにさせ、これにより光混合に貢献するようにさせる。
【0025】
図5Bは、当該LED平行化光学モジュールを通過する複数のビームを図示している。導光体32は、LEDチップ30上に、入力開口48においてLED光源G、R、B、Wから光を受光するように配置されている。LED G、R、B、Wは、少なくとも部分的に導光体32の内部空間56に向けられている。図示されたように、LED G、R、B、Wの間には横方向のオフセットが存在し、これらLEDと前記反射性材料との間に該反射性材料による反射を行うように入射角を設ける。導光体32は、集合的に光束88となる複数の光ビームにより通過される複数の経路89を設ける。これら複数の経路89は、受光された光ビームを混合し、光束88の輝度中心が入力開口48から出力開口50へと長手方向に移動するようにさせる。当該導光体の反射性材料は、光を入力開口48から出力開口50へと伝搬させるように配向され、上記出力開口において、混合された光はCPC34の入口開口62により受光される。次いで、上記入口開口62から出口開口64への光の平行化された伝達が生じ、CPC34内における単一反射の平行化された伝達から実質的に均一な瞳を形成する。かくして、光束は上記出口開口64から実質的に均一な瞳90として出射する。
【0026】
図6及び7は、LED平行化光学モジュールの他の実施例を示している。図6の場合、LED平行化光学モジュール16−8は、図5において形成される光とは異なるプロファイルを持つ実質的に均一な瞳の光92を形成する。図7において、円形のポリカーボネイト光パイプ94とCPC96として示される中空の金属化された反射器内の約80%の反射度との組み合わせを有するLED平行化光学モジュール16−9は、他の実質的に均一な光の瞳98を形成する。尚、図5Aないし図7に図示されたLED平行化光学モジュールの構造は、変化し得るものであると理解されるべきである。例えば、上記導光体及びCPCは、一体的に形成され得るか、又は一体ユニットを形成するように結合することができる。用途固有の特徴及びコスト等の要因が、好ましい構成技術を決定し得る。
【0027】
図8〜10は、LED平行化光学モジュール16に使用する導光体32の種々の実施例を示す。図8において、導光体32は壁部52を有している。しかしながら、導光体32は円筒状壁部に限定されるものではないと理解されるべきである。導光体32は、異なる壁部及び対応する内部空間56を形成するような、非円筒状の形状も同様に有することができる。例示として、図9を参照すると、導光体32は、六角形壁部100として示された、6つの面を有するファセット状壁部を含んでいる。他の例示として、図10には、八角形壁部102として示された、8つの面を備えた壁部を有している。導光体32は、如何なる数の面又はファセット(小面)を含むこともでき、更に、円形の又は円筒状の壁部を含むこともできる。
【0028】
図11〜13は、CPC34のボディ60の種々の実施例を示す。一構成例において、発光ダイオード平行化光学モジュール16は、図11に示されるような湾曲した壁部66を有する円錐状ボディ60に限定されるものではない。むしろ、図12及び13に示されるように、発光ダイオード平行化光学モジュール16は、図12のボディ60又は図13のボディ60のように、如何なる数の面又はファセットを有するボディを含むこともできる。これらの実施例では、湾曲した壁部というよりは、図12及び13に各々提示された壁部104及び106等の、面又はファセットを備える壁部が用いられる。ボディ60は、如何なる数の面又はファセットを含むこともでき、更に前述した湾曲した壁部を有することもできる。
【0029】
図14〜15は、本明細書に提示されたLED平行化光学モジュールで使用するための導光体32の実施例を示す。前述したように、導光体32は種々の形状を有することができる。種々の形状を有することに加えて、導光体32は、例えば側壁を有する管体(tubular)又は混合管体(例えば、図8)、ロッド(例えば図14)、内部に本体を有する管体(例えば図15)、又はこれらの組み合わせとすることができる。特に、図14を参照すると、導光体32は、反射性材料54を有する壁部52を備えるようなロッド(棒体)である。図15を参照すると、導光体32は、内部に本体32bを有すると共に、関連する壁部52a、52b及び反射性材料54a、54bを有する管状部材32aを含む。
【0030】
図16〜17は、本明細書で提示されるLED平行化光学モジュール16で使用するためのCPC34のボディ60の実施例を示す。導光体32と同様に、CPC34のボディ60は、例えば、側壁を有するボディ60(例えば図11)、壁部66及び反射性材料68を備えた中実部材であるボディ60(例えば図16)、壁部66a、66b及び反射性材料68a、68bを備えた側壁部材60a及び該側壁部材内に配置された中実部材60bを有するボディ60(例えば図17)、又はこれらの組み合わせを含む種々の形態を有することができる。
【0031】
図18は、六角形位置を持つ単層密集詰め構成のベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフを示す。この場合、光入射の鉛直角は度で表され、輝度は曲線110により示されている。図19は、発光ダイオード平行化光学モジュールの六角形アレイのベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフを示す。曲線120は、輝度と鉛直角との間の関係を表す。この実施例において、最適化されたベースライン輝度モデルは、色の均一性を妥協せずに可能な最狭の角度分布を生成する。このモデルの角度分布は、光パイプの入力面のサイズを減少させるか又は光パイプの出力面を増加させることにより更に減少させることができる。最後に、図20は、発光ダイオード平行化光学モジュールの単層円形離隔詰め構成のベースライン輝度を表す輝度対鉛直角のグラフを示す。この図において、曲線130は輝度対鉛直角の関係を示す。これらのグラフにより表された設計は、10,000ルーメンなる光束要件を越えるものである。六角形+CPCの実施例(図18)は、より良好な色の均一性を伴う69%の効率であり、円形+中空CPC反射器の実施例(図20)は、中空の金属化されたCPC反射器を備える円形のポリカーボネイト光パイプを含む2部品構成で49%の効率である。
【0032】
図21は、相対発光効率及びピーク光束を電流密度の関数として示すグラフである。発光効率の曲線140は、ワット当たりのルーメン(lm/W)での放射フラックスに対する光束の比を、電流密度(A/mm2)の関数として表している。更に、ピーク光束の曲線150は、ルーメン(lm)での光束を電流密度(A/mm2)の関数として表している。
【0033】
図22は、前述した単層円形離隔詰め構成を持つ発光ダイオード平行化光学モジュールの円形アレイに関する琥珀色ダイの色度図をu'、v'測色色空間座標に関して示す。図示されたCIELUV色空間、CIE 1976(L*,u*,V*)はアダムス色価色空間であり、CIE 1964色空間(CIEUVW)の更新版である。相違点は、僅かに修正された明度スケール、及び修正された均一色度スケール(例えば、座標のうちの1つv'は、1960の先のものにおけるvより1.5倍大きい)を含む。表示された波長は、ナノメートル(nm)で表されている。
【0034】
下記の変換及び転換が適用可能である:
L* = 116(Y/Yn)1/3 - 16, Y/Yn > (6/29)3
(29/3)3(Y/Yn), Y/Yn <= (6/29)3
u* = 13L*(u' - u'n)
v* = 13L*(v' - v'n)
u' = 4X(X + 15Y + 3Z) = 4x/(-2x + 12y + 3)
v' = 9Y(X + 15Y +3Z) = 9Y/(-2x + 12Y + 3)
(u',v')から(x,y)への変換に関しては:
x = 9u'/(6u' - 16v' + 12)
y = 4v'/(6u' - 16v' + 12)
u' = u*/13L* + u'n
v' = v*/13L* + v'n
Y = YnL*(3/29)3, L* <= 8
Yn(L* + 16)/116)3, L* > 8
X = Y(9u'/4v')
Z = Y((12 - 3u' - 20v')/4v')
である。
【0035】
逆U字状の軌跡境界150は、単色光、又はスペクトル色若しくは緩やかな虹色を表す。該軌跡の下側境界は、紫色のラインを提示すると共に、赤及び青の波長の光を混合することにより得られる比スペクトル色を表す。実際には、可視スペクトルの極端では目の受容体の感度の減衰により色は益々不鮮明となるので、この境界は厳しいものではないと理解されるべきである。上記軌跡の周囲の色は飽和し、色は当該プロットの中央の何処かでは益々彩度が減少し、白に向かう。しかしながら、当該プロットの外側の色は色域外であり、色度図は知覚的に均一とはならない。即ち、当該プロットの如何なる領域の区域も、該領域における知覚的に区別可能な色の数とは全く良好には相関しない。更に、異なるLED光源は、本来的に異なる色域を有し得る。
【0036】
図23は、単層円形離隔詰め構成を持つ発光ダイオード平行化光学モジュールの円形アレイに関する白色ダイの色度図をu'、v'測色色空間座標に関して示す。図22と同様に、表示された波長はナノメートル(nm)で表され、逆U字状の軌跡境界160は単色光を表す。図示されたように、逆U字状の軌跡境界160は人の目にとり区別不可能なu',v'におけるずれを表し、平均色度値は0.06のオーダである。
【0037】
以上、本発明を図示の実施例を参照して説明したが、この説明は限定するもの見なされることを意図するものではない。図示の実施例の種々の変更及び組み合わせ、並びに本発明の他の実施例も、当業者により上記説明を参照すれば明らかとなるであろう。従って、添付請求項は如何なる斯様な変更及び実施例も含むことを意図するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード平行化光学モジュールであって、
複数の光源を設ける発光ダイオードチップと、
第1断面積(πr12)の入力開口及び第2断面積(πr22)の出力開口を有し、前記発光ダイオードチップ上に配置されて前記複数の光源からの光を前記入力開口において受光すると共に該光を前記出力開口へ供給する、前記第1断面積(πr12)が前記第2断面積(πr22)に実質的に等しい導光体と、
前記入力開口を前記出力開口と接続し、前記入力開口から前記出力開口への前記光の混合を可能にする複数の伝達経路を定める第1反射性材料からなる第1壁部と、
第1端に第3断面積(πr32)の入口開口が形成されると共に、第2端に第4断面積(πr42)の出口開口が形成され、前記入口開口が前記出力開口と交わり、前記光を前記出口開口へ供給するように配置され、前記第3断面積(πr32)が前記第2断面積(πr22)と実質的に等しく、前記第4断面積(πr42)が前記第3断面積(πr32)より大きいボディと、
前記入口開口を前記出口開口と接続すると共に、前記第3断面積(πr32)から前記第4断面積(πr42)へと広がり、前記入口開口から前記出口開口への前記光の平行化された伝達を可能にする第2反射性材料からなる第2壁部と、
を有する発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項2】
前記発光ダイオードチップが複数の発光ダイオードを更に有する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項3】
前記発光ダイオードチップが緑色、赤色、青色及び白色発光ダイオードを更に有する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項4】
前記発光ダイオードチップが緑色、赤色、青色及び琥珀色発光ダイオードを更に有する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項5】
前記発光ダイオードチップ及び前記導光体が取り付けられた基板を更に有する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項6】
前記導光体の長軸が前記発光ダイオードチップの水平軸に対して実質的に直交する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項7】
前記ボディの出口開口に、前記光を調節する仕上げレンズが取り付けられた請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項8】
複数の光源を設ける発光ダイオードチップと、
前記発光ダイオードチップ上に配置されて、前記複数の光源から受光される光を混合する導光体と、
前記導光体に結合されて、該導光体から受光される前記光を平行化する複合放物集中器と、
を有する発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項9】
前記複数の光源が、前記導光体の内部空間に少なくとも部分的に向けられた光を放出する請求項8に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項10】
前記導光体が、前記発光ダイオードチップからの光を前記複合放物集中器に伝搬させる反射性材料を更に有する請求項8に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項11】
前記光が前記複合放物集中器に入口開口において入射すると共に、出口開口において前記複合放物集中器から出射する前に該複合放物集中器の内側表面により1回反射される請求項8に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項12】
基板と、
前記基板上に各々配置された複数の発光ダイオード平行化光学モジュールと、
を有する照明器具であって、前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールの各々が、
複数の光源を設ける発光ダイオードチップと、
前記発光ダイオードチップ上に配置されて、前記複数の光源から受光される光を混合する導光体と、
前記導光体に結合されて、該導光体から受光される前記光を平行化する複合放物集中器と、
前記基板及び前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールを収容するハウジングと、
を有する照明器具。
【請求項13】
前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールが、前記各複合放物集中器により放出される光が単一で均一の瞳を形成するように構成される請求項12に記載の照明器具。
【請求項14】
前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールの一部が前記基板上に直線的に配置される請求項12に記載の照明器具。
【請求項15】
前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールの一部が前記基板上に角度的に配置される請求項12に記載の照明器具。
【請求項1】
発光ダイオード平行化光学モジュールであって、
複数の光源を設ける発光ダイオードチップと、
第1断面積(πr12)の入力開口及び第2断面積(πr22)の出力開口を有し、前記発光ダイオードチップ上に配置されて前記複数の光源からの光を前記入力開口において受光すると共に該光を前記出力開口へ供給する、前記第1断面積(πr12)が前記第2断面積(πr22)に実質的に等しい導光体と、
前記入力開口を前記出力開口と接続し、前記入力開口から前記出力開口への前記光の混合を可能にする複数の伝達経路を定める第1反射性材料からなる第1壁部と、
第1端に第3断面積(πr32)の入口開口が形成されると共に、第2端に第4断面積(πr42)の出口開口が形成され、前記入口開口が前記出力開口と交わり、前記光を前記出口開口へ供給するように配置され、前記第3断面積(πr32)が前記第2断面積(πr22)と実質的に等しく、前記第4断面積(πr42)が前記第3断面積(πr32)より大きいボディと、
前記入口開口を前記出口開口と接続すると共に、前記第3断面積(πr32)から前記第4断面積(πr42)へと広がり、前記入口開口から前記出口開口への前記光の平行化された伝達を可能にする第2反射性材料からなる第2壁部と、
を有する発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項2】
前記発光ダイオードチップが複数の発光ダイオードを更に有する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項3】
前記発光ダイオードチップが緑色、赤色、青色及び白色発光ダイオードを更に有する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項4】
前記発光ダイオードチップが緑色、赤色、青色及び琥珀色発光ダイオードを更に有する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項5】
前記発光ダイオードチップ及び前記導光体が取り付けられた基板を更に有する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項6】
前記導光体の長軸が前記発光ダイオードチップの水平軸に対して実質的に直交する請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項7】
前記ボディの出口開口に、前記光を調節する仕上げレンズが取り付けられた請求項1に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項8】
複数の光源を設ける発光ダイオードチップと、
前記発光ダイオードチップ上に配置されて、前記複数の光源から受光される光を混合する導光体と、
前記導光体に結合されて、該導光体から受光される前記光を平行化する複合放物集中器と、
を有する発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項9】
前記複数の光源が、前記導光体の内部空間に少なくとも部分的に向けられた光を放出する請求項8に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項10】
前記導光体が、前記発光ダイオードチップからの光を前記複合放物集中器に伝搬させる反射性材料を更に有する請求項8に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項11】
前記光が前記複合放物集中器に入口開口において入射すると共に、出口開口において前記複合放物集中器から出射する前に該複合放物集中器の内側表面により1回反射される請求項8に記載の発光ダイオード平行化光学モジュール。
【請求項12】
基板と、
前記基板上に各々配置された複数の発光ダイオード平行化光学モジュールと、
を有する照明器具であって、前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールの各々が、
複数の光源を設ける発光ダイオードチップと、
前記発光ダイオードチップ上に配置されて、前記複数の光源から受光される光を混合する導光体と、
前記導光体に結合されて、該導光体から受光される前記光を平行化する複合放物集中器と、
前記基板及び前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールを収容するハウジングと、
を有する照明器具。
【請求項13】
前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールが、前記各複合放物集中器により放出される光が単一で均一の瞳を形成するように構成される請求項12に記載の照明器具。
【請求項14】
前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールの一部が前記基板上に直線的に配置される請求項12に記載の照明器具。
【請求項15】
前記複数の発光ダイオード平行化光学モジュールの一部が前記基板上に角度的に配置される請求項12に記載の照明器具。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2012−522349(P2012−522349A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502855(P2012−502855)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051354
【国際公開番号】WO2010/113100
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051354
【国際公開番号】WO2010/113100
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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