説明

LED照明器具

【課題】器具本体を天井等から吊り下げた状態で角度を調整できるLED照明器具を提供する。
【解決手段】実施形態のLED照明器具は、本体と、LEDモジュールと、吊り下げアングルとを備えている。前記本体は、光源取付面と、アングル取付孔と、アングル支持突部とを有する。前記LEDモジュールは前記光源取付面に取り付けられている。前記吊り下げアングルは、前記光源取付面の反対側に延びた一対の縦板部と、前記一対の縦板部の間をつなぐ横板部とを有する。前記縦板部は、前記アングル支持突部が遊嵌する貫通孔と、前記貫通孔に前記アングル支持突部が遊嵌した状態で前記アングル取付孔に重なる長孔とを有する。前記長孔を貫通して前記アングル取付孔にねじ込まれたボルトにより、前記吊り下げアングルが前記本体に対して固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、LED(Light Emitting Diode)を光源に用いたLED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは、長寿命、低消費電力、耐衝撃性、高速応答性、高純度表示色、軽薄短小化の実現等の特徴から、産業分野のみならず一般照明用としても普及が進んでいる。また、器具本体に固定されたアングルを介して、器具本体を天井から吊り下げたLED照明器具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−86560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
器具本体を天井等から吊り下げた状態で角度を調整できるLED照明器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のLED照明器具は、本体と、LED(Light Emitting Diode)モジュールと、吊り下げアングルと、を備えている。前記本体は、光源取付面と、アングル取付孔と、アングル支持突部と、を有する。前記LEDモジュールは、前記光源取付面に取り付けられている。前記吊り下げアングルは、前記光源取付面の反対側に延びた一対の縦板部と、前記一対の縦板部の間をつなぐ横板部と、を有する。前記縦板部は、前記アングル支持突部が遊嵌する貫通孔と、前記貫通孔に前記アングル支持突部が遊嵌した状態で前記アングル取付孔に重なる長孔と、を有する。前記長孔を貫通して前記アングル取付孔にねじ込まれたボルトにより、前記吊り下げアングルが前記本体に対して固定される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、器具本体の安定した角度調整が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態のLED照明器具の外観斜視図。
【図2】実施形態のLED照明器具の本体における光源取付面側の平面図。
【図3】同本体における放熱フィン側の斜視図。
【図4】同本体の側面図。
【図5】実施形態のLED照明器具におけるLEDモジュールの平面図。
【図6】(a)は複数のLEDモジュールに重ね合わされた複数の反射板の平面図であり、(b)は1つのLEDモジュールに重ね合わされた1つの反射板の平面図。
【図7】実施形態のLEDモジュールがアングルを介して天井から取り下げられた状態を示す模式側面図。
【図8】天井に対するアングルの取付例を示す模式図。
【図9】アングルを天井から1点吊りするための補強金具の斜視図。
【図10】実施形態のLED照明器具及びそれに取り付けられるガードの斜視図。
【図11】図10のガードが取り付けられた実施形態のLED照明器具の斜視図。
【図12】図10のガードをLED照明器具に取り付ける取付方法を説明するための模式斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
【0009】
図1は、実施形態のLED照明器具1の外観斜視図である。
【0010】
実施形態のLED照明器具1は、本体2と、LEDモジュール3(図5に示す)と、反射板4(図6(a)及び(b)に示す)と、電源ユニット5と、吊り下げアングル(以下、単にアングルともいう)6と、を備えている。
【0011】
実施形態のLED照明器具1は、消費電力が例えば100〜500Wの大型照明器具である。LED照明器具1は、アングル6を介して、例えば体育館などの高天井、あるいはその天井から吊り下げられた昇降部などに取り付けられる。
【0012】
まず、本体2について説明する。
【0013】
図2は、本体2の光源取付面11側の平面図である。
図3は、本体2の光源取付面11の反対側の放熱フィン15側の斜視図である。
図4(a)は、図3におけるX方向から見た側面図であり、図4(b)は、図3におけるY方向から見た側面図である。
【0014】
本体2は、円形のプレート13を有する。そのプレート13における一方の面側は、浅底の皿状に形成され、その底面に光源取付面11が形成されている。光源取付面11の外周縁部には、光源取付面11よりも図2において紙面手前側に突出する環状のリム14が設けられている。
【0015】
プレート13における他方の面は放熱面12として機能し、その放熱面12には複数の放熱フィン15が設けられている。複数の放熱フィン15は、放熱面12に対して垂直(この方向をZ方向として表す)に、光源取付面11の反対側に突出している。
【0016】
図1及び図3において、Z方向に対して直交するXY平面は、放熱面12に対して平行な面を表す。X方向及びY方向は、互いに直交する。そして、すべての放熱フィン15は、同じ方向であるY方向に延びている。
【0017】
本体2は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分として含む金属をダイキャスト法で成型してなり、プレート13及び放熱フィン15は一体に設けられている。また、プレート13及び放熱フィン15を含む本体2の全表面は、放熱性を向上させるために、例えばアルマイト処理によりアルミニウムの酸化皮膜が形成されている。
【0018】
プレート13の中心には、貫通孔13aが形成されている。したがって、図2に示すように、光源取付面11は、貫通孔13aの周囲に環状に形成されている。光源取付面11には、複数のネジ孔24が形成されている。
【0019】
次に、図5を参照して、LEDモジュール3について説明する。
【0020】
LEDモジュール3は、基板31と、基板31の実装面に実装されたLED素子32とを有する。1枚の基板31上には、複数(図5に示す例では30個)のLED素子32が実装されている。複数のLED素子32は、例えば3つごとに集合して実装されている。
【0021】
LED素子32の素子基板(またはパッケージ基板)と、LEDモジュール3の基板31とは、熱膨張率が同じか、あるいは近いことが好ましい。例えば、LED素子32の素子基板がセラミック基板の場合には、基板31としてセラミック基板を用いることができる。
【0022】
あるいは、セラミック基板よりも安価な金属板を基板31として用いてもよい。実施形態では、アルミニウムや銅に比べて、セラミック基板との間の熱膨張率差が小さい鉄の基板31を用いている。基板31は、中心角側の角部がカットされた略扇形の平面形状を有する。
【0023】
LED素子32は、光の放出面を基板31の実装面の反対側に向けて実装面に実装される。基板31の実装面の反対側の裏面は、本体2の光源取付面11に接触される。
【0024】
基板31には、一対の貫通孔34が形成されている。貫通孔34は、図2に示す光源取付面11の放射方向に並んだ一対のネジ孔24に位置合わせされる。
【0025】
図5は、例えば6個のLEDモジュール3を光源取付面11に取り付けたレイアウトを表す。
【0026】
光源取付面11の外形は円形に形成されている。6個のLEDモジュール3は、光源取付面11の中心のまわりの周方向に沿って等間隔で並べられている。
【0027】
各LEDモジュール3の貫通孔34は、光源取付面11に形成された図2に示すネジ孔24に位置合わせされる。そして、貫通孔34を通してネジ孔24にねじ込まれるネジによって、後述する反射板4と共にLEDモジュール3は光源取付面11に共締めされる。
【0028】
次に、図6(a)及び(b)を参照して、反射板4について説明する。
【0029】
反射板4には、反射板4の表裏を貫通する複数の光ガイド孔80が形成されている。そして、図6(b)に示すように、光ガイド孔80からLEDモジュール3のLED素子32を臨ませた状態で、反射板4はLEDモジュール3に重ね合わされる。
【0030】
反射板4は、LED素子32から放出される光に対する反射性を有する白色樹脂の成型品である。反射板4の表面及び光ガイド孔80の内周面には、反射膜が形成されている。反射膜は、LED素子32から放出される光に対する反射性を有し、例えば蒸着法により形成されたアルミニウム膜を用いることができる。
【0031】
また、反射板4にはネジ孔85が形成され、そのネジ孔85は、前述したLEDモジュール3の基板31に形成された貫通孔34に合わされ、基板31と反射板4とは共通のネジ70(図6(b))で、光源取付面11に対して共締め固定される。
【0032】
すなわち、反射板4のネジ孔85及びLEDモジュール3の貫通孔34を通して、図6(b)に示すネジ70が図2に示す光源取付面11のネジ孔24にねじ込まれることで、反射板4及びLEDモジュール3は光源取付面11に固定される。このとき、反射板4の裏面側に設けられた図示しない突出部が、基板31を光源取付面11に対して押圧する。
【0033】
したがって、基板31の裏面は光源取付面11に接触し、LEDの発光に伴う熱は、基板31及び光源取付面11を通じて、光源取付面11の反対側に設けられた放熱フィン15に伝わり、空間へと放熱される。
【0034】
実施形態のLED照明器具1は、アングル6を介して、天井から吊り下げられる。あるいは、アングル6は天井から吊り下げられた昇降部に取り付けることもできる。
【0035】
図3、図4(a)及び(b)に示すように、本体2の放熱フィン15側であって、且つ本体2の外周側に、一対のアングル取付部75が設けられている。一対のアングル取付部75は、本体2の中心を通り直径方向に延びる直線の両端位置に設けられている。アングル取付部75は、板状に形成され、放熱フィン15と同じZ方向に突出し、放熱フィン15に対して平行に並んでいる。すなわち、アングル取付部75は、放熱フィン15と同じY方向に延びている。
【0036】
アングル取付部75には、アングル取付孔72が形成されている。アングル取付孔72は、アングル取付部75を貫通するネジ孔であり、そのネジ孔の軸方向は、光源取付面11に対して平行であり、且つ放熱フィン15の延在方向(Y方向)に対して垂直である。
【0037】
また、アングル取付部75には、アングル支持突部71が設けられている。アングル支持突部71は、アングル取付孔75よりもアングル取付部75の先端側(図3、4(a)及び(b)において上方)に設けられている。アングル取付孔72とアングル支持突部71は、アングル取付部75における幅方向(Y方向)の位置を一致させて、アングル取付部75の突出方向(Z方向)に並んでいる。
【0038】
アングル支持突部71は、アングル取付孔72の軸方向に対して平行な方向であって、本体2の直径方向の外側に突出している。アングル支持突部71は、内周壁に雌ねじが形成された筒状に形成されている。
【0039】
図1に示すように、アングル6は、一対の縦板部62と、一対の縦板部62の間をつなぐ横板部61とを有し、それら縦板部62と横板部61とは一体に設けられている。
【0040】
横板部61は、電源ユニット5の上方で、電源ユニット5の長手方向(X方向)に延びている。縦板部62は、横板部61の長手方向の両端から、本体2のアングル取付部75に向けて延び、アングル取付部75の外側の面に接触して重ねられている。
【0041】
縦板部62には、貫通孔62aと長孔62bが形成されている。貫通孔62aと長孔62bは共に縦板部62を貫通している。貫通孔62aには、アングル支持突部71が遊嵌する。すなわち、貫通孔62aの直径は、アングル支持突部71の外径よりもわずかに大きい。
【0042】
長孔62bは、貫通孔62aよりも縦板部62の先端側に、弧状に形成されている。長孔62bの軌跡は、貫通孔62aの中心を中心とする円の円周の一部である。アングル支持突部71が貫通孔62aに遊嵌した状態で、長孔62bは、図4(a)に示すアングル取付孔72に重なり、アングル取付孔72は長孔62bから露出する。
【0043】
長孔62bを貫通してアングル取付孔72にねじ込まれたボルト51により、アングル6の縦板部62が本体2のアングル取付部75に対して固定される。ボルト51の頭部の外径は、長孔62bの幅よりも大きく、縦板部62をしっかりとアングル取付部75に対して押圧することができる。
【0044】
アングル支持突部71の外周側には、貫通孔62aよりも直径が大きなリング状の抜け止め部材53が設けられている。抜け止め部材53は、筒状のアングル支持突部71のネジ孔71aに対して着脱自在な抜け止めボルト52に設けられている。
【0045】
したがって、アングル6を本体2に対して取り付ける、あるいは取り外すときには、抜け止めボルト52をアングル支持突部71から外すことで、縦板部62の貫通孔62aにアングル支持突部71を遊嵌させることができる。
【0046】
そして、アングル6が本体2に対して取り付けられた状態では、抜け止めボルト52をアングル支持突部71のネジ孔71aにねじ込む。これにより、抜け止め部材53が、貫通孔62aからのアングル支持突部71の抜けを防止する。
【0047】
アングル支持突部71及びアングル取付孔72が設けられたアングル取付部75は、光源取付面11の反対側であって、且つ本体2の外周側に設けられている。アングル6の縦板部62は光源取付面11の反対側に延び、横板部61は光源取付面11の反対側で本体2の上方を横切っている。したがって、アングル6は、LEDモジュール3から放出される光を遮蔽しない。また、縦板部62は放熱フィン15よりも外側に設けられ、放熱フィン15間の空気の流れを妨げない。
【0048】
例えば体育館などの高天井に取り付けられる照明器具は大型で重量が大きい。そのため、そのような照明器具を天井に直接取り付けるためには、照明器具側の取付部の強度を確保するためにその取付部を厚くする必要がある、これは、照明器具全体の重量の増大をまねき、また重くなると施工も困難になる。
【0049】
これに対して、本実施形態では、天井や昇降部などにはアングル6を取り付け、そのアングル6に対して本体2を吊り下げることで、天井などに対する取付部分の強度を確保しつつ、本体2の軽量化を図れる。
【0050】
また、アングル6の縦板部62は、本体2に設けられたアーム取付部75の外面に対して面接触して重ね合わされる。これにより、本体2側からアングル6への熱伝導率を向上させることができ、アングル6を通じた放熱性を高めることができる。すなわち、アングル6を、LED照明器具1を天井などに取り付けるための取付部材としてだけではなく、放熱部材としても機能させることができる。
【0051】
アングル6の、横板部61及び縦板部62は、強度を確保する観点から例えば鉄などの金属板からなる。その金属板の表面に、金属板の材料よりも輻射率(放熱性)が高い皮膜を形成することで、アングル6の放熱性をより高くすることができる。
【0052】
図1に示すように、横板部61には、複数の取付孔61a、61b、61cが、横板部61を貫通して形成されている。また、横板部61には、電源ユニット5と、天井に設けられた電源ボックスや制御ボックスとの間を接続するための電気ケーブルを通すための貫通孔61dが形成されている。
【0053】
例えば、図8(a)に示すように、天井100には、2本のアンカーボルト101が施工される。アングル6の横板部61における例えば一対の取付孔61aにアンカーボルト101を通し、横板部61の上面を天井100に接触させる。横板部61を貫通したアンカーボルト101には、例えば2つのナット102が締結される。すなわち、LED照明器具1は、アングル6を介して天井から2点吊りされる。
【0054】
図1に示す一対の取付孔61aよりも狭いピッチの一対の取付孔61bを使えば、より狭いピッチでの2点吊りに対応できる。
【0055】
実施形態によれば、本体2のアングル支持突部71を支点にして、アングル6を傾動させることができる。したがって、図7に示すように、LED照明器具1を、鉛直方向(図7において上下方向)に対して傾斜した天井100に取り付けても、光放出面を水平に維持することが可能になる。あるいは、水平天井に取り付けた場合でも、アングル6を傾動させることで、光放出面が向く方向を調整できる。
【0056】
本体2のアングル取付孔72にねじ込まれたボルト51を緩めれば、アングル支持突部71を支点にしてアングル6を傾動させることができる。アングル6の傾動に伴って、アングル取付孔72は縦板部62の長孔62bの長手方向に沿って相対移動する。そして、アングル6を本体2に対して任意の角度に傾けて、長孔62bを通してボルト51をアングル取付孔72にねじ込むことで、その角度でアングル6を固定することができる。
【0057】
また、実施形態によれば、LED照明器具1が天井に吊り下げられた状態でアングル6の角度を調整するとき、ボルト51を過度に緩めても、あるいはボルト51を外してしまっても、縦板部62の貫通孔62aにアングル支持突部71が遊嵌しているため、アングル6から本体2が吊り下げられた状態を維持できる。すなわち、誤って本体2を落下させてしまうことを防止できる。
【0058】
また、実施形態によれば、LED照明器具1の1点吊りにも対応可能である。
【0059】
大光束の照明器具では、大型の放熱体が求められ、照明器具全体が大型化し且つ重くなる。そのような大型で重い照明器具を1本のボルトで1点吊りした場合、例えば地震による水平方向の振動に耐えられず、アングルの破損が懸念される。
【0060】
そこで、図9に示す補強金具90を、アングル6の横板部61に取り付けた状態で1点吊りすることで、水平方向の耐振動性能を高めることができる。
【0061】
補強金具90は、平板部91と、一対の側板部92とを有する。平板部91の外径形状は矩形状に形成されている。平板部91には、複数の貫通孔93a〜93fが形成されている。平板部91の長手方向の長さは、アングル6の横板部61の長手方向の長さよりも短い。平板部91の幅は、横板部61の幅よりもわずかに大きい。
【0062】
平板部91の幅方向の両縁部に、側板部92が一体に設けられている。側板部92は、平板部91における一方の面側に突出している。例えば、矩形状の金属の板材の幅方向の両端部を折り曲げ加工することによって、補強金具90が得られる。
【0063】
図8(b)は、天井面100aから露出した電源ボックス120に、LED照明器具1を取り付けた形態を示す。
【0064】
この場合、側板部92の突出方向を下方に向けて、平板部91をアングル6の横板部61の上面に重ね合わせる。補強金具90の平板部91の上面は、電源ボックス120に接触させる。平板部91の上面と電源ボックス120とは面接触して、LED照明器具1の安定性が高まる。
【0065】
補強金具90の一対の貫通孔93aは、図1に示す横板部61の一対の取付孔61aに合わされる。そして、平板部91の上面側から図8(b)に示すボルト104が貫通孔93a及び取付孔61aを貫通し、そのボルト104にナット105が締結される。これにより、補強金具90はアングル6の横板部61に対して固定される。
【0066】
また、補強金具90の貫通孔93cは、横板部61の取付孔61c(図1)に合わされる。そして、天井100に設けられたアンカーボルト103は、それら貫通孔93c及び取付孔61cを貫通する。貫通孔93c及び取付孔61cを貫通したアンカーボルト103にはナット102が締結される。これにより、補強金具90及びアングル6は天井100に対して固定される。
【0067】
次に、図8(c)は、天井100の内部に設けられた電源ボックス121に、LED照明器具1を取り付けた形態を示す。
【0068】
天井100の下方に電源ボックス121が露出していない場合、補強金具90の上面を電源ボックス121に面接触させることができない。この場合において、図8(b)のように補強金具90を横板部61に対して取り付けると、補強金具90の上方に飛び出たボルト104の頭部が天井面100aに点接触し、LED照明器具の安定性が損なわれる。
【0069】
そこで、天井100の下方に電源ボックス121が露出していない場合には、図8(b)のときとは補強金具90を反転させてアングル6の横板部61に取り付ける。すなわち、側板部92の突出方向を上方に向けて、平板部91を横板部61の上面に重ね合わせる。図8(b)において平板部91の上面になっていた面が、図8(c)においては平板部91の下面として横板部61の上面に重ねられる。
【0070】
補強金具90の側板部92は、ボルト104の頭部よりも上方に突出し、その側板部92の上端を天井面100aに接触させる。側板部92の上端と天井面100aとの接触は、ボルト104と天井面100aとの点接触よりも接触面積が大きく、LED照明器具の安定性を高くすることができる。
【0071】
図8(c)の場合も、補強金具90の貫通孔93cは、横板部61の取付孔61cに合わされる。そして、天井100に設けられたアンカーボルト103は、それら貫通孔93c及び取付孔61cを貫通する。貫通孔93c及び取付孔61cを貫通したアンカーボルト103にはナット102が締結される。これにより、補強金具90及びアングル6は天井100に対して固定される。
【0072】
なお、補強金具90に形成された2つの貫通孔93d及び93eのうちの一方は、図8(b)の状態で、横板部61の貫通孔61dに合わされ、電気ケーブルが通される。貫通孔93d及び93eのうちの他方は、図8(b)の状態から補強金具90を反転させた図8(c)の状態で、横板部61の貫通孔61dに合わされ、上記電気ケーブルが通される。
【0073】
図8(a)の取付形態および図8(b)の取付形態のいずれの場合でも、アングル6の横板部61が補強金具90によって補強されているため、1点吊りにおける水平方向の振動に対する耐性を高めることができる。
【0074】
また、図9に示す貫通孔93bの横に貫通孔93bにつながって形成された長孔93fは、図1に示す横板部61における取付孔61bの横に取付孔61bにつながって形成された長孔61eに合わされる。
【0075】
それら長孔93f、61eには、天井に設けられた図示しない軸部材が通される。これにより、1点吊りの場合におけるアンカーボルトを中心にしたLED照明器具の回転を防ぐことができる。
【0076】
また、図1に示す横板部61に形成された4つの取付孔61fには、天井から吊り下げられた図示しない昇降部をネジ止めすることができる。
【0077】
また、図10に示すガード64を、図11に示すように本体2の光源側に取り付けると、LED照明器具1を例えば体育館の天井に取り付けた場合に、光源をボールの衝突などから防ぐことができる。
【0078】
ガード64は、外枠65と、外枠65の内側に設けられた内枠66とを有する。
【0079】
外枠65は、リング部67と、リング部67の外周縁部に設けられた側面部68とを有する。側面部68は、リング部67の一方の面側に突出している。
【0080】
側面部68には、2つの取付金具78が設けられている。2つの取付金具78は、外枠65の中心まわりに例えば180°間隔で配置されている。取付金具78は、側面部68から内周側に張り出して設けられ、図10において時計方向側の端部が下方に(リング部67側に)折れ曲がっている。
【0081】
また、側面部68には、ネジ孔69aが形成された2つの取付部69が設けられている。取付部69は、周方向における2つの取付金具78の間の位置で、側面部68から内周側に張り出して設けられている。
【0082】
本体2のリム14には、外周側に張り出した4つのガード取付部17が設けられている。4つのガード取付部17は、周方向に90°間隔で配置されている。ガード取付部17には、ガード取付部17を貫通する取付孔17aが形成されている。
【0083】
次に、図12(a)及び(b)を参照して、本体2に対するガード64の取り付け方法について説明する。
【0084】
図12(b)に示すように、ガード64の取付部69は、本体2のガード取付部17の下に重ねられる。このとき、ガード64の取付金具78の下面が、本体2のガード取付部17の上に載ることで、ガード64を落下させることなく、本体2に対して位置決めすることができる。
【0085】
ガード64を本体2に対して、図12(a)において反時計方向に回して、取付金具78の下方に折れ曲がった部分を、本体2のガード取付部17の端部17bに突き当てる。これにより、取付金具78がガード取付部17上に支持されると共に、図12(b)に示すようにガード取付部17の下にガード64の取付部69が位置合わせされる。
【0086】
そして、図12(b)に示すネジ130を、ガード取付部17の取付孔17aを通して、取付部69の取付孔69aにねじ込むことで、ガード64が本体2に対して固定される。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1…LED照明器具、2…本体、3…LEDモジュール、4…反射板、5…電源ユニット、6…アングル、11…光源取付面、15…放熱フィン、31…基板、53…抜け止め部材、61…横板部、62…縦板部、62b…長孔、71…アングル支持突部、72…アングル取付孔、75…アングル取付部、80…光ガイド孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源取付面と、アングル取付孔と、アングル支持突部と、を有する本体と、
前記光源取付面に取り付けられたLED(Light Emitting Diode)モジュールと、
前記光源取付面の反対側に延びた一対の縦板部と、前記一対の縦板部の間をつなぐ横板部と、を有する吊り下げアングルと、
を備え、
前記縦板部は、前記アングル支持突部が遊嵌する貫通孔と、前記貫通孔に前記アングル支持突部が遊嵌した状態で前記アングル取付孔に重なる長孔と、を有し、
前記長孔を貫通して前記アングル取付孔にねじ込まれたボルトにより、前記吊り下げアングルが前記本体に対して固定されるLED照明器具。
【請求項2】
前記アングル支持突部の外周側に、前記貫通孔よりも直径が大きなリング状の抜け止め部材が設けられた請求項1記載のLED照明器具。
【請求項3】
前記アングル支持突部は、内周壁に雌ねじが形成された筒状に形成され、
前記抜け止め部材は、前記雌ねじに対して着脱自在である請求項2記載のLED照明器具。
【請求項4】
前記アングル支持突部及び前記アングル取付孔は、前記光源取付面の反対側であって、且つ前記本体の外周側に設けられた請求項1〜3のいずれか1つに記載のLED照明器具。
【請求項5】
前記アングル支持突部及び前記アングル取付孔は、前記光源取付面に対して平行な方向に延びている請求項1〜4のいずれか1つに記載のLED照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−65411(P2013−65411A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202132(P2011−202132)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】