LED蛍光ランプ
【課題】蛍光灯を代替して使用することのできるLED蛍光ランプを提供する。
【解決手段】LED蛍光ランプは、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、第1〜第4接続ピンと、第1接続ピンとLEDアレイの一端との間に接続される第1キャパシタと、第2接続ピンとLEDアレイの前記一端との間に接続される第2キャパシタと、第3接続ピンとLEDアレイの他端との間に接続される第3キャパシタと、第4接続ピンとLEDアレイの他端との間に接続される第4キャパシタと、を含む。
【解決手段】LED蛍光ランプは、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、第1〜第4接続ピンと、第1接続ピンとLEDアレイの一端との間に接続される第1キャパシタと、第2接続ピンとLEDアレイの前記一端との間に接続される第2キャパシタと、第3接続ピンとLEDアレイの他端との間に接続される第3キャパシタと、第4接続ピンとLEDアレイの他端との間に接続される第4キャパシタと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED蛍光ランプに関し、さらに詳細には、多様な蛍光灯用安定器で一般的な蛍光灯を代替して使用するのに適したLED蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展につれて、過去インジケーターなどの小電力指示灯用にしか使用されなかったLED(Light Emitting Diode)の光効率が実生活に使用されうるほど向上している。また、LEDは、他の光源とは異なり、水銀が含有されない親環境光源であって、携帯端末機用バックライト、LCD TV用バックライト、車両用ランプ、及び一般照明などに使用される次世代光源として広く脚光を浴びている。これにより、去る100年余りの間に照明の主光源として使用されてきた白熱灯や蛍光灯がLEDランプに代替され始めている。
【0003】
しかしながら、LEDランプの場合、白熱灯を代替する場合には、E26口金互換型等の場合、そのまま交替可能であるが、一般照明の主流をなしている蛍光灯を代替する場合には、灯器具を変えるか、専用安定器を別に設置しなければならない。そのため、灯器具内部の配線を変えなければならないなどの難しさがあることから、蛍光灯型LEDランプが広く普及されないのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、別途の専用安定器や配線の変更なしに既存の蛍光灯用安定器で一般的な蛍光灯を代替して使用するのに適したLED蛍光ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成すべく、本発明によるLED蛍光ランプは、外部接続ピンと、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、前記LEDアレイと前記外部接続ピンとの間に接続されて、前記外部接続ピンを介して接続される電子式蛍光灯安定器のインピーダンスを変更させる少なくとも一つの容量性素子と、を含む。
【0006】
また、上記の目的を達成すべく、本発明によるLED蛍光ランプは、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、第1〜第4接続ピンと、前記第1接続ピンと前記LEDアレイの一端との間に接続される第1キャパシタと、前記第2接続ピンと前記LEDアレイの前記一端との間に接続される第2キャパシタと、前記第3接続ピンと前記LEDアレイの他端との間に接続される第3キャパシタと、前記第4接続ピンと前記LEDアレイの前記他端との間に接続される第4キャパシタと、を含む。
【0007】
また、上記の目的を達成すべく、本発明によるLED蛍光ランプは、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、第1及び第2接続ピンと、一端は、前記第1接続ピンに接続され、他端は、前記LEDアレイの一端に接続される第1キャパシタと、一端は、前記第2接続ピンに接続され、他端は、前記LEDアレイの他端に接続される第2キャパシタと、前記第1接続ピンと前記第2接続ピンとの間に接続され、前記LEDアレイに一方向電流パスを形成する少なくとも一つのダイオードと、を含む。
【0008】
そして、本発明によれば、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、第1〜第4接続ピンと、一端が前記第1〜第4接続ピンにそれぞれ接続される第1〜第4キャパシタと、アノードは、前記第1及び第3キャパシタの他端に共通接続され、カソードは、前記LEDアレイの一端に接続される第1ダイオードと、アノードは、前記LEDアレイの他端に接続され、カソードは、前記第2及び第4キャパシタの他端に共通接続される第2ダイオードと、アノードは、前記第2ダイオードのカソードに接続され、カソードは、前記LEDアレイの前記一端に接続される第3ダイオードと、アノードは、前記LEDアレイの前記他端に接続され、カソードは、前記第1ダイオードのアノードに接続される第4ダイオードと、を含むLED蛍光ランプが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、別途の専用安定器の設置と灯器具内部の配線変更なしに既存の蛍光灯用安定器にそのまま装着して使用することのできるLED蛍光ランプが提供される。したがって、特別な配線や回路などの変更なしに一般的な蛍光灯を代替して使用して、高効率の照明を利用できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図2】図1のLEDアレイの構造を示した図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図10】本発明の第9の実施例によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図11】本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをハーフブリッジ方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図16】本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図17】本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図20】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図21】本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプを使用したチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図23】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプを使用したチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図24】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプを使用したチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプを使用したチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図26】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図27】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図28】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図29】本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図30】本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】
一般に、広く使用されている電子式蛍光灯用安定器の基本回路には、ハーフブリッジ方式、インスタントスタート方式、ソフトスタート方式などがあり、従来の鉄芯型チョーク式安定器としては、スターターランプを利用する方式、ラピッドスタート方式などが使用されている。本発明によるLED蛍光ランプは、このような蛍光灯用安定器に全部適用可能なように構成される。まず、本発明によるLED蛍光ランプの構成について説明し、以下、本発明によるLED蛍光ランプが多様な蛍光灯用安定器に使用される場合の動作過程を説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。図1に示すように、本実施の形態によるLED蛍光ランプ110は、LEDアレイ10と容量性素子であるキャパシタC11、C12、C13及びC14を含み、外部接続ピンである第1〜第4接続ピン111、112、113、114を具備する。使用環境によっては、第1〜第4接続ピン111、112、113、114のうち、2つの接続ピンのみを使用することができ、LEDアレイ10は、2つ以上が並列接続された構造で使用されうる。このような構成は、以下で説明する他の実施の形態によるLED蛍光ランプでも同様に適用されることができる。
【0014】
LEDアレイ10は、直列接続された複数のLEDを含み、アノード側端子10aとカソード側端子10bとを具備する。キャパシタC11は、LEDアレイ10のアノード側端子10aと第1接続ピン111との間に接続され、キャパシタC12は、LEDアレイ10のカソード側端子10bと第2接続ピン112との間に接続される。キャパシタC13は、LEDアレイ10のアノード側端子10aと第3接続ピン113との間に接続され、キャパシタC14は、LEDアレイ10のカソード側端子10bと第4接続ピン114との間に接続される。
【0015】
キャパシタC11〜C14は、第1〜第4接続ピン111、112、113、114のうち、少なくとも一つを介して後述する多様な方式の蛍光灯用安定器回路などと接続される場合、周波数変化による蛍光灯用安定器回路内のインピーダンスを変化させて、LED蛍光ランプ110に流れる電流を制御できるようになるので、既存の蛍光灯用安定器を変更せずに使用できるようになる。
【0016】
図2は、図1に示すLEDアレイの構成を示した図である。図2の(a)に示すように、LEDアレイ10は、複数のLEDが直列接続される構成が通常である。しかしながら、直列接続したLEDを保護するために、図2の(b)に示すように、ツェナーダイオードZ1〜ZnがそれぞれのLEDに逆方向に並列接続されることもできる。
【0017】
このように、各LEDに並列にツェナーダイオードが使用される場合、交流電圧の(+)周期では、ダイオードD1〜Dnを介して電流が流れるが、(−)周期では、ツェナーダイオードZ1〜Znを介して電流が流れることができる。ツェナーダイオードZ1〜Znを介した電流の流れは、無効損失になりうる。したがって、ツェナーダイオードZ1〜Znを介した電流の流れを防止して効率を上げるために、本発明によるLED蛍光ランプは、以下説明する実施の形態のように構成が変更されうる。
【0018】
図3は、本発明の第2の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。図3に示すように、本実施の形態によるLED蛍光ランプ120は、第1の実施の形態によるLED蛍光ランプ110に比べてLEDアレイ12の両端子に直列接続したダイオードD21、D22が追加される。使用環境によっては、ダイオードD21及びD22のうちの何れか一つのみが追加されることもできる。ダイオードD21及びD22は、LEDアレイ12に順方向のみに電流が流れるようにする。したがって、LEDアレイ12の内部に並列にツェナーダイオードが接続された場合、(−)周期においてツェナーダイオードを介して電流が流れて電力の損失が発生するのを防止する。
【0019】
図4は、本発明の第3の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。図4に示すように、本実施の形態によるLED蛍光ランプ130は、第1〜第4接続ピン131、132、133、134にそれぞれ接続するキャパシタC31〜C34にダイオードD33〜D36がそれぞれ並列に接続される。このようなダイオードD33〜D36は、第1〜第4接続ピン131、132、133、134に直列共振方式の電子式安定器の出力線が接続される場合において、電子安定器の内部の直列共振維持用キャパシタが第1接続ピン131と第2接続ピン132との間又は第3接続ピン133と第4接続ピン134との間に接続される場合、安定器から入力される電圧の極性によって並列接続したキャパシタC31〜C34によりLEDアレイ13に流れる電流の制御が可能になる。例えば、第4接続ピン134を基準に第3接続ピン133に(+)電圧が印加され、第1接続ピン131と第2接続ピン132との間に直列共振回路方式の電子安定器の内部の共振維持用キャパシタが接続される場合には、キャパシタC33は、ダイオードD35によりショート状態になり、ダイオードD33とD34とは、オープン状態になり、キャパシタC34は、ダイオードD36によりショート状態になって、共振維持キャパシタの複合容量値は、キャパシタC31、共振維持用キャパシタC、及びキャパシタC32の直列接続値に見えるようになる。また、第4接続ピン134を基準に第3接続ピン133に(−)電圧が印加されるサイクルでは、キャパシタC32は、ダイオードD34によりショート状態になり、キャパシタC31は、ダイオードD33によりショート状態になって、(−)周期での共振維持キャパシタの複合容量値は、キャパシタC34、共振維持用外部キャパシタC、及びキャパシタC33の直列接続値に見えるようになる。
【0020】
図5は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ140には、ダイオードD47〜D50が追加されて、多様な蛍光灯用安定器で端子に印加される電圧の位相変化と無関係に、本実施の形態によるLED蛍光ランプ140が動作されるようにする。
【0021】
図6は、本発明の第5の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ150には、第1〜第4接続ピン151、152、153、154にそれぞれ接続されるキャパシタC51〜C54に、インバータの初期トリガー駆動のための電流を供給するために、抵抗R51〜R54がそれぞれ並列に追加される。
【0022】
図7は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ150には、第1〜第4接続ピン161、162、163、164にそれぞれ接続されるキャパシタC61〜C64に、ダイオードD63〜D66がそれぞれ直列に追加される。ダイオードD63〜D66は、ダイオードD67〜D70と共に多様な蛍光灯用安定器で交流電圧の位相と無関係に、本実施の形態によるLED蛍光ランプ160が動作されるようにする。
【0023】
図8及び図9は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ170は、第3の実施の形態によるLED蛍光ランプ130に比べてダイオードD77及びD78が追加される。
【0024】
図8に示すように、ダイオードD73は、アノードは、第1接続ピン171に接続され、カソードは、ダイオードD71のアノードに接続され、ダイオードD74は、アノードは、第2接続ピン172に接続され、カソードは、ダイオードD72のカソードに接続される。ダイオードD75は、アノードは、第3接続ピン173に接続され、カソードは、ダイオードD71のアノードに接続され、ダイオードD76は、アノードは、第4接続ピン174に接続され、カソードは、ダイオードD72のカソードに接続される。また、ダイオードD77は、アノードは、ダイオードD72のカソード、キャパシタC72及びC74の一端に共通接続され、カソードは、LEDアレイ17のアノード側端子に接続される。ダイオードD78は、アノードは、LEDアレイ17のカソード側端子に接続され、カソードは、ダイオードD71のアノード、キャパシタC71及びC73の一端に共通接続される。
【0025】
本実施の形態によるLED蛍光ランプ170において、ダイオードD77及びD78は、多様な蛍光灯用安定器で第1〜第4接続ピン171、172、173、174に印加される電圧の位相変化と無関係に、本実施の形態によるLED蛍光ランプ170が動作されるようにする。
【0026】
また、キャパシタC71、C72、C73、C74にそれぞれ並列接続されるダイオードD73、D74、D75、D76は、図9に示すように、極性の方向を反対に接続しても電流が流れる経路のみが変わるだけであり、基本的な動作は、前述と同様に行われることができる。
【0027】
図10は、本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。図10に示すように、本実施の形態によるLED蛍光ランプ190は、第1〜第4接続ピン191、192、193、194に一端がそれぞれ接続されるキャパシタC91〜C94にダイオードD93〜D96がそれぞれ直列接続される。そして、アノードがLEDアレイ19の一端に接続され、カソードがダイオードD93のアノードに接続されるダイオードD97と、アノードがダイオードD94のカソードに接続され、カソードがLEDアレイ19の他端に接続されるダイオードD98が追加される。
【0028】
ダイオードD93〜D96は、ダイオードD97及びD98と共に多様な蛍光灯用安定器で交流電圧の位相と無関係に、本実施の形態によるLED蛍光ランプ160が動作されるようにする。
【0029】
図11は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ200は、第9の実施の形態によるLED蛍光ランプ190に比べて、ダイオードD109及びD110が追加に使用される。ダイオードD109は、アノードがダイオードD106のカソードに接続され、カソードがLEDアレイ20の一端に接続され、ダイオードD110は、アノードがLEDアレイ20の他端に接続され、カソードがダイオードD105のアノードに接続される。ダイオードD109及びD110は、外部から印加される電圧に対してLED蛍光ランプ200が対称動作ができるようにする。
【0030】
上述のような構成のLED蛍光ランプは、別途の回路変更無しで、既存に使用されるすべての蛍光灯用安定器に接続されて使用されることができる。これに対して説明の便宜上、図5、図7、図8で説明したLED蛍光ランプを例に挙げて、多様な蛍光灯用安定器での動作過程を説明する。
【0031】
図12は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをハーフブリッジ(Half Bridge)方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。ハーフブリッジ方式の蛍光灯安定器は、スイッチング素子からなるハーフブリッジインバータのスイッチング出力点にインダクターとキャパシタで直列共振回路を構成し、キャパシタ両端にかかる直列共振電圧で蛍光灯を初期点灯させ、一旦蛍光灯が点灯された後に蛍光灯に流れる安定化電流は、直列共振回路のインダクターで制御する方式である。
【0032】
図12に示すように、電子式安定器においては、電流トランスフォーマーT0により直列共振回路の共振周波数とスイッチング素子Q61、Q62の動作周波数とが同期され、DC電源の電圧をVsとし、インバータに供給される平均電流をIsとすると、電力Psとは、以下の通りである。
【0033】
【数1】
【0034】
このとき、スイッチング素子Q61、Q62が同期されて動作する動作周波数をfとすると、負荷電流は、DC電源に流れる平均電流が同じになるので、Co≫C1、Co≫C41〜C44であると、平均電流Isは、以下のとおりに表すことができる。
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】
【数4】
【0038】
ここで、C41、C42、C43、C44をC2とおけば、Ca=C2*C1/(C2+2C1)であり、Roは、ランプが高周波で点灯される際のランプの等価抵抗を表す。
【0039】
このとき、インダクターの動作周波数fは、以下のとおりに表すことができる。
【0040】
【数5】
【0041】
また、w0は、以下のとおりに表すことができる。
【0042】
【数6】
【0043】
したがって、[数2]及び[数5]により、電流Isは、以下のとおりに表すことができる。
【0044】
【数7】
【0045】
ここで、Zは、以下のとおりに表すことができる。
【0046】
【数8】
【0047】
[数3]によりCo》C1の場合、共振周波数fの基本領域は、Caの値により決定される。したがって、LED蛍光ランプ140が接続されると、以下のとおりに動作するようになる。
【0048】
スイッチング素子Q61がオン(ON)状態になって、(A)点の電位がVsになると、共振電流は、インダクターL0−D44−C41−C1−C43−D46−2Coの経路で流れる。スイッチング素子Q62がオン状態になると、(A)点が接地電位になり、反対に電流が流れる。
【0049】
汎用性のためにLED蛍光ランプ140は、対称性を有しなければならないので、LED蛍光ランプ140の接続ピンによって極性を有してはならないので、LED蛍光ランプ140の内部のキャパシタC41〜C44を同じ値であるC2とおけば、C41−C1−C43の直列により構成された複合キャッピーシッターCa値は、以下のとおりに表すことができる。
【0050】
【数9】
【0051】
したがって、C2≪C1の場合、Cの値は、C≒C2のように表すことができ、[数7]及び[数8]によりZ値は大きくなり、その分だけLED蛍光ランプ140に流れる電流は減少するようになって、電流を制御できるようになる。これにより、ハーフブリッジ方式の蛍光灯安定器に本発明によるLED蛍光ランプを回路変更なしに装着して使用することができる。
【0052】
図13は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート(Instant Start)方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。図13に示すように、インスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器は、トランスフォーマーT1、T2とキャパシタC1から構成される回路の自体発振動作によって、スイッチング素子のQ71、Q72がスイッチング動作を持続するようにし、スイッチング点(A)の出力をAC的にはショート状態であり、DC的には1/2Vccである直列に接続されたキャパシタCoの中点である(B)点に、トランスフォーマーT2の1次巻線T2−1で接続して、トランスフォーマーT2の2次巻線T2−2に誘起される高電圧で蛍光ランプを初期放電させ、一旦放電された後には、ランプ負荷と直列に接続されたキャパシタC1により安定化ランプ電流を制御する方式である。
【0053】
この方式の蛍光灯安定器を使用した場合、基本動作を述べると、トランスフォーマーT2は、自体発振によって2次巻線T2−2に高周波のAC電圧を誘起させ、(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、(C)点−C1−D43−D41−LEDアレイ14−D42−D45−(D)点の経路で電流が流れ、(C)点が(−)区間になる区間では、(D)点−D48−D41−LEDアレイ14−D42−D47−C1−(C)点に電流が流れるようになる。この他にも、(D)点−C43−D47−C1−(C)点、(D)点−D48−C41−C1−(C)点の電流パスが形成されることもできる。
【0054】
したがって、LEDアレイ10に流れる電流値は、安定器の電流制御キャパシタC1の1/jwC1により制御される。
【0055】
図14は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0056】
この場合、基本動作を述べると、電子式安定器の出力線が第1接続ピン161と第2接続ピン162とに接続された時の基本動作を述べると、トランスフォーマーT2は、自体発振によって2次巻線T2−2に高周波のAC電圧を誘起させ、(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、(C)点−C1−C61−D63−D61−LEDアレイ16−D62−D64−C62−(D)点の経路で電流が流れ、(C)点が(−)区間になる区間では、(D)点−C62−D68−D61−LEDアレイ16−D62−D67−C61−C1−(C)点の経路で電流が流れるようになる。
【0057】
したがって、LEDアレイ16に流れる電流値は、電子安定器の内部にある電流制御キャパシタC1、C61及びC62の直列複合インピーダンスにより制御されるようになり、LED蛍光ランプ内部のキャパシタC61とC62の値を変化させることによって、LEDアレイ負荷に流れる電流を制御できるようになる。
【0058】
このとき、キャパシタC61とC62の値をC2とおけば、インピーダンスZは、以下のような式で表すことができる。
【0059】
【数10】
【0060】
第3接続ピン163と第4接続ピン164とは、対称性のための端子であり、基本動作は、第1接続ピン161及び第2接続ピン162に電子安定器の出力線が接続された場合と同一である。
【0061】
図15は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0062】
この方式の蛍光灯安定器を使用した場合、基本動作を述べると、トランスフォーマーT2は、自体発振によって2次巻線T2−2に高周波のAC電圧を誘起させ、(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、(C)点−C1−D73−D71−LEDアレイ17−D72−C72−(D)点の経路で電流が流れ、(C)点が(−)区間になる区間では、(D)点−D74−D77−LEDアレイ17−D78−C71−C1−(C)点の経路で電流が流れるようになる。その他、動作と関連した事項は、図14で説明したものと基本的に同一である。
【0063】
一方、インスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に、図9に示すようなLED蛍光ランプ180が使用される場合にも、基本的な動作は、前述したものと同様に行われうる。例えば、第1接続ピン171に(+)電圧がかかり、第2接続ピン172に(−)電圧がかかる周期、すなわち(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、主電流の経路は、(C)点−C1−C71−D71−LEDアレイ17−D72−D74−(D)点の経路で電流が流れるようになる。また、第1接続ピン171に(−)電圧がかかる周期、すなわち(C)点が(−)区間になる区間では、主電流の経路は、(D)点−C72−D77−LEDアレイ17−D78−D73−C1−(C)点の経路で電流が流れる。
【0064】
このように、図9に示すLED蛍光ランプ180が使用されても電流が流れる経路のみが変わるだけであり、基本的な動作は、前述したものと同様に行われることができ、以下説明する他の蛍光灯用安定器でも同様である。
【0065】
図16は、本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート(Instant Start)方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図であり、図17は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0066】
図16に示すように、この方式の蛍光灯安定器を使用した場合、電子式安定器の出力線が第1接続ピン191と第2接続ピン192とに接続したときの基本動作を述べると、トランスフォーマーT2は、自体発振によって2次巻線T2−2に高周波のAC電圧を誘起させ、(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、キャパシタC31〜C34のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、(C)点−C1−C91−D93−D91−LEDアレイ19−D92−D94−C92−(D)点の経路で主電流が流れ、(C)点が(−)区間になる区間では、やはりキャパシタC91〜C94のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、(D)点−C92−D98−LEDアレイ19−D97−C91−C1−(C)点の経路で主電流が流れるようになす。
【0067】
また、図17に示すように、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプ200をインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合、第3接続ピン203と第4接続ピン204とは、対称性のための端子であり、基本動作は前述したものと同様である。
【0068】
図18は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。この方式の電子式蛍光灯用安定器は、スイッチング素子Q81、Q82のスイッチング点である(A)点にインダクターT3とキャパシタC1とから構成された直列共振回路を接続し、共振キャパシタC1の両端に1個又は複数のランプを接続する構成からなっており、基本動作は、図7で説明した回路構成と似ている。但し、この方式において、蛍光ランプの寿命を極大化するために、共振用トランスにT3、2次予熱巻線T3−a、T3−bを巻いてランプの初期点灯時にこの予熱巻線から発生する2次電圧で蛍光ランプのフィラメントを十分に予熱させた後、高電圧をランプに印加する方式で、点灯時のランプフィラメントのオキサイド飛散を最小化することによって、ランプの寿命を極大化させようとする。
【0069】
この方式を使用した場合、スイッチング素子Q81、Q82のスイッチング周波数をインダクターT3のインダクタンス値L1とキャパシタC1の直列共振周波数に一致させると、図7で説明したように、fは、Co≫C1である場合、Coを無視すれば、以下のとおりになる。
【0070】
【数11】
【0071】
キャパシタC1の両端には、周波数fのAC電圧が誘起されるようになる。動作中、インダクターT3にカップリングされているフィラメント加熱用巻線T3−aに流れる電流は、ドット極性側が(+)周期では、Ca−D43−C42の経路で電流が流れ、(−)周期では、D44−C41−Caの経路で流れる。巻線T3−bに流れる電流は、(+)周期では、C43−D45−Cbの経路で流れ、(−)周期では、Cb−C43−D46の経路で流れ、この時の電流を制御するキャパシタの値は、C41、C42、C43、C44値を同じくC2とおけば、
【0072】
【数12】
【0073】
になり、実際Ca》C2であるので、巻線T3−a、T3−bに流れる電流は、C41〜C44値であるC2により決定され、このキャパシタ値は、数千ピコファラッド程度以下の極めて小さな値であり、また巻線T3−a、T3−bに誘起される電圧は、数ボルト程度の低い電圧であるから、インダクターT3−a、T3−bにより流れる電流はほぼ無視できる。
【0074】
LDE蛍光ランプ100に流れる主電流は、(B)点の電位が(C)点対比(+)周期では、(B)点−D44−D41−LEDアレイ14−D42−D46の経路で電流が流れ、(−)周期では、その反対に(C)点−D49−D41−LEDアレイ14−D42−D50−(B)点の経路で電流が流れるようになる。
【0075】
図19は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0076】
図19に示すように、動作周波数fは、図18で説明したものと同様であり、キャパシタC1の両端には、周波数fのAC電圧が誘起されるようになる。動作中、インダクターT3にカップリングされているフィラメント加熱用巻線T3−aに流れる電流は、実際の電子安定器においてT3−aに誘起される電圧が10V未満の低い電圧であるから、ダイオードD63とD65とによりブロッキングされて電流が流れないので、電力損失をもたらさない。また、反対側フィラメント予熱巻線T3−bも、ダイオードD64とD66によりブロッキングされて電流が流れないので、これによる電力の損失はほぼ無視できる。
【0077】
LED蛍光ランプ160に流れる主電流は、予熱巻線T3−aとT3−bによりLEDアレイ16に流れる電流は極めて微細なので、これを無視すれば、(B)点の電位が(C)点対比(+)周期では、(B)点−C63−D65−D61−LEDアレイ16−D62−D66−C64−(C)点の経路で電流が流れ、(−)周期では、その反対に(C)点−C64−D69−D61−LEDアレイ15−D62−D70−C63−(B)点の経路で電流が流れる。したがって、このときLEDアレイ16に流れる電流は、キャパシタC61〜C64の値をC2とおけば、キャパシタの複合インピーダンスは、2/jwC2になり、このC2値を変化させることにより、LEDアレイ16に流れる電流を制御できるようになる。
【0078】
図20は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。この場合、基本的な動作方式は、図19で説明したものと同様である。
【0079】
LED蛍光ランプ170に流れる主電流は、予熱巻線T3−aとT3−bによりLEDアレイ17に流れる電流は極めて微細なので、これを無視すれば、(B)点の電位が(C)点対比(+)周期では、(B)点−D75−D71−LEDアレイ17−D72−C74−(C)点の経路で電流が流れ、(−)周期では、その反対に(C)点−D76−D77−LEDアレイ17−D78−C73−(B)点の経路で電流が流れるようになる。したがって、このとき、LEDアレイ17に流れる電流は、キャパシタC71〜C74の値をC2とおけば、キャパシタの複合インピーダンスは、1/jwC2になり、このC2値を変化させることにより、LEDアレイ14に流れる電流を制御できるようになる。
【0080】
図21は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合における回路構成を示した図である。
【0081】
図21に示すように、LED蛍光ランプ200に流れる主電流は、予熱巻線T3−aとT3−bの巻線によりLEDアレイ20に流れる電流は極めて微細なので、T3−aとT3−bの巻線を無視すれば、(B)点の電位が(C)点対比(+)周期ではキャパシタC101〜C104のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化して、(B)点−C103−D105−D101−LEDアレイ20−D102−D106−C104−(C)点の経路で主電流が流れるようになり、(B)点の電位が(C)点対比(−)周期にはやはりキャパシタC101〜C104のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、その反対に(C)点−C104−D109−LEDアレイ20−D110−C103−(B)点の経路で主電流が流れるようになる。
【0082】
図22は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプ方式のチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0083】
図22に示すように、入力電圧の(+)周期では、スターターランプS200は、オープンされた状態と同様なので、インダクターL−D44−D41−LEDアレイ10−D42−D46を介して電流が流れるようになり、このときの電流は、インダクターLのインピーダンスjwLにより制御される。
【0084】
また、(−)周期では、D49−D41−LEDアレイ14−D42−D50−インダクターLの経路で電流が流れ、この際の流れる電流は、入力電源周波数fの2倍である2fの周波数を有した脈流の形態を示す。したがって、常用周波数fでLED蛍光ランプ140を駆動する時に発生できるチラツキ(flickering)現象を顕著に減少させることができる。
【0085】
図23は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプ方式のチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0086】
前述したように、入力電圧が印加されれば、スターターランプ200は、オープンされた状態と見なすことができるので、主電流経路は、第3接続ピン163に印加される電圧が(+)周期では、C63−D65−D61−LEDアレイ16−D62−D66−C54になり、(−)周期では、C54−D69−D61−LEDアレイ16−D62−D70−C63になり、このときの電流を制御する複合インピーダンスをZ、インダクタンスLの値をL、そしてキャパシタC1〜C4の値をC2とおけば、以下のとおりになる。
【0087】
【数13】
【0088】
このとき流れる電流は、入力電源周波数fの2倍である2fの周波数を有した脈流の形態を表すようになり、したがって、常用周波数fでLED蛍光ランプ160を駆動する時に発生できるチラツキ現象を顕著に減少させることができる。
【0089】
図24は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプ方式のチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0090】
この場合、主電流経路は、第3接続ピン173に印加される電圧が(+)周期では、D75−D71−LEDアレイ17−D72−C74になり、(−)周期では、D76−D77−LEDアレイ17−D78−C73になる。このときの電流を制御する複合インピーダンスZは、図18で説明したものと同様である。
【0091】
図25は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプ方式のチョーク式安定器に使用した場合における回路構成を示した図である。
【0092】
図25に示すように、入力電圧が印加されるようになれば、一般蛍光灯と異なり、LED蛍光ランプ200のインピーダンスは無限に見えないので、スターターランプ300は、オープンされた状態と見なすことができ、したがってこれを無視すれば、主電流経路は第3接続ピン203に印加される電圧が(+)周期では上述のように電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、C103‐D105−D101−LEDアレイ20−D102−D106−C104になり、(−)周期では、やはり電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、C104−D109−LEDアレイ20−D110−C103になる。
【0093】
図26は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート(Rapid start)方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0094】
図26に示すように、チョーク巻線の(A)側に(+)電圧がかかる場合、蛍光灯のフィラメントを予熱させるためのチョークの巻線n1とn2にかかる電圧をそれぞれVn1とVn2とすると、巻線n1から見た負荷は、電源の(+)周期でダイオードD43は、ショートされたと見なすことができるので、キャパシタC42になり、反対に(で)電源の(−)周期でもダイオードD44はショートされたと見なすことができるので、キャパシタC41になる。巻線n2の場合も同様に、(B)点が(+)電圧の周期ではキャパシタC44、(−)電圧の周期ではキャパシタC43がVn2の負荷に見えるようになる。
【0095】
LED蛍光ランプは、何れか一側のソケット側に極性を有してはならず、また対称性を有しなければならないので、このために、キャパシタC41、C42、C43、C44の値は、別途の目的がない限り、同じ値に設計して、この値をC2とおけば、このキャパシタC2は、数千pF以下の相対的に小さな容量値を有するように設計されるので、50〜60Hz程度の周波数では、このキャパシタのインピーダンス容量値1/jwC1は、極めて大きな値を有するようになるので、これを介して流れる電流は、ほぼ無視できる。
【0096】
LED蛍光ランプに流れる主電流の経路を述べると、入力電源電圧をVoとおけば、
【0097】
【数14】
【0098】
のようになり、Voは、蛍光ランプの初期放電を誘導する程充分な初期放電開始電圧以上になる。LEDアレイ14に流れる電流を見ると、(B)点を基準として(A)点が(+)周期の区間では、(A)点−D44−D41−LEDアレイ14−D42−D46−(B)点の経路で電流が流れるようになり、(−)周期では、(B)点−D49−D41−LEDアレイ14−D42−D50−(A)点の経路で電流が流れるようになる。
【0099】
この場合にも、図10のスタート方式のチョーク安定器のように、LED蛍光ランプ100を介して流れる電流は、入力電源周波数fの2倍である2fの周波数を有した脈流形態を有する。したがって、50/60Hzの常用周波数fでLED蛍光ランプを駆動する時に生じるチラツキ現象を顕著に減らすことができるという長所がある。
【0100】
図27は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0101】
LEDアレイ16に流れる主電流を述べると、(B)点を基準として(A)点が(+)周期の区間では、(C)点−C61−D63−D61−LEDアレイ16−D52−D64−C52−(D)点の経路で電流が流れ、(−)周期では、(D)点−C52−D68−D61−LEDアレイ16−D62−D67−C61−(C)点の経路で電流が流れる。
【0102】
図28は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0103】
LEDアレイ17に流れる主電流について述べると、(B)点を基準として(A)点が(+)周期の区間では、(C)点−D73−D71−LEDアレイ17−D72−C72−(D)点の経路で電流が流れ、(−)周期では、(D)点−D74−D77−LEDアレイ17−D78−C71−(C)点の経路で電流が流れる。
【0104】
このときの電流を制御する複合インピーダンスをZとし、トランスの漏れインダクタンス(Leakage Inductance)をL1、キャパシタC41〜C44の値をC2とおけば、以下のとおりに表すことができる。
【0105】
【数15】
【0106】
この場合にも、LED蛍光ランプ170を介して流れる電流は、入力電源周波数fの2倍である2fの周波数を有した脈流形態を有する。
【0107】
図29は、本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート(Rapid start)方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図であり、図30は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート(Rapid start)方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0108】
図29に示すように、LEDアレイ19に流れる主電流を見ると、(B)点を基準として(A)点が(+)周期の区間ではキャパシタC91〜C94のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、(C)点−C91−D93−D91−LEDアレイ19−D92−D94−C92−(D)点の経路で主電流が流れるようになり、(B)点を基準として(A)点が(−)周期ではやはりキャパシタC91〜C94のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、(D)点−C92−D98−LEDアレイ19−D97−C91−(C)点の経路で主電流が流れるようになる。
【0109】
また、図30に示すように、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプ200を鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合にも、基本動作過程は前述したものと同様である。
【0110】
このように、本発明によるLED蛍光ランプは、一般に使用されている電子式安定器に回路変更なしに直接装着して使用することができる。また、本発明によるLED蛍光ランプは、前記したように説明された実施の形態の構成と方法が限定されて適用されるものではなく、前記実施の形態は、様々な変形が可能なように、各実施の形態の全て又は一部を選択的に組合わせて構成することもできる。
【0111】
以上説明したように、本発明によれば、別途の専用安定器の設置と灯器具内部の配線変更なしに既存の蛍光灯用安定器にそのまま装着して使用することのできるLED蛍光ランプが提供される。したがって、特別な配線や回路などの変更なしに一般的な蛍光灯を代替して使用して、高効率の照明を利用できるようにする。
【0112】
また、以上では、本発明の好ましい実施の形態について図示し説明したが、本発明は、上述した特定の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱しない範囲内で当該発明の属する技術分野における通常の知識を有した者により多様な変形実施が可能なことはもちろんで、このような変形実施は、本発明の技術的思想や主旨から個別的に理解されてはならない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED蛍光ランプに関し、さらに詳細には、多様な蛍光灯用安定器で一般的な蛍光灯を代替して使用するのに適したLED蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展につれて、過去インジケーターなどの小電力指示灯用にしか使用されなかったLED(Light Emitting Diode)の光効率が実生活に使用されうるほど向上している。また、LEDは、他の光源とは異なり、水銀が含有されない親環境光源であって、携帯端末機用バックライト、LCD TV用バックライト、車両用ランプ、及び一般照明などに使用される次世代光源として広く脚光を浴びている。これにより、去る100年余りの間に照明の主光源として使用されてきた白熱灯や蛍光灯がLEDランプに代替され始めている。
【0003】
しかしながら、LEDランプの場合、白熱灯を代替する場合には、E26口金互換型等の場合、そのまま交替可能であるが、一般照明の主流をなしている蛍光灯を代替する場合には、灯器具を変えるか、専用安定器を別に設置しなければならない。そのため、灯器具内部の配線を変えなければならないなどの難しさがあることから、蛍光灯型LEDランプが広く普及されないのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、別途の専用安定器や配線の変更なしに既存の蛍光灯用安定器で一般的な蛍光灯を代替して使用するのに適したLED蛍光ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成すべく、本発明によるLED蛍光ランプは、外部接続ピンと、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、前記LEDアレイと前記外部接続ピンとの間に接続されて、前記外部接続ピンを介して接続される電子式蛍光灯安定器のインピーダンスを変更させる少なくとも一つの容量性素子と、を含む。
【0006】
また、上記の目的を達成すべく、本発明によるLED蛍光ランプは、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、第1〜第4接続ピンと、前記第1接続ピンと前記LEDアレイの一端との間に接続される第1キャパシタと、前記第2接続ピンと前記LEDアレイの前記一端との間に接続される第2キャパシタと、前記第3接続ピンと前記LEDアレイの他端との間に接続される第3キャパシタと、前記第4接続ピンと前記LEDアレイの前記他端との間に接続される第4キャパシタと、を含む。
【0007】
また、上記の目的を達成すべく、本発明によるLED蛍光ランプは、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、第1及び第2接続ピンと、一端は、前記第1接続ピンに接続され、他端は、前記LEDアレイの一端に接続される第1キャパシタと、一端は、前記第2接続ピンに接続され、他端は、前記LEDアレイの他端に接続される第2キャパシタと、前記第1接続ピンと前記第2接続ピンとの間に接続され、前記LEDアレイに一方向電流パスを形成する少なくとも一つのダイオードと、を含む。
【0008】
そして、本発明によれば、直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、第1〜第4接続ピンと、一端が前記第1〜第4接続ピンにそれぞれ接続される第1〜第4キャパシタと、アノードは、前記第1及び第3キャパシタの他端に共通接続され、カソードは、前記LEDアレイの一端に接続される第1ダイオードと、アノードは、前記LEDアレイの他端に接続され、カソードは、前記第2及び第4キャパシタの他端に共通接続される第2ダイオードと、アノードは、前記第2ダイオードのカソードに接続され、カソードは、前記LEDアレイの前記一端に接続される第3ダイオードと、アノードは、前記LEDアレイの前記他端に接続され、カソードは、前記第1ダイオードのアノードに接続される第4ダイオードと、を含むLED蛍光ランプが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、別途の専用安定器の設置と灯器具内部の配線変更なしに既存の蛍光灯用安定器にそのまま装着して使用することのできるLED蛍光ランプが提供される。したがって、特別な配線や回路などの変更なしに一般的な蛍光灯を代替して使用して、高効率の照明を利用できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図2】図1のLEDアレイの構造を示した図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図10】本発明の第9の実施例によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図11】本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをハーフブリッジ方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図16】本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図17】本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図20】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図21】本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプを使用したチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図23】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプを使用したチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図24】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプを使用したチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプを使用したチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図26】本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図27】本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図28】本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図29】本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【図30】本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】
一般に、広く使用されている電子式蛍光灯用安定器の基本回路には、ハーフブリッジ方式、インスタントスタート方式、ソフトスタート方式などがあり、従来の鉄芯型チョーク式安定器としては、スターターランプを利用する方式、ラピッドスタート方式などが使用されている。本発明によるLED蛍光ランプは、このような蛍光灯用安定器に全部適用可能なように構成される。まず、本発明によるLED蛍光ランプの構成について説明し、以下、本発明によるLED蛍光ランプが多様な蛍光灯用安定器に使用される場合の動作過程を説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。図1に示すように、本実施の形態によるLED蛍光ランプ110は、LEDアレイ10と容量性素子であるキャパシタC11、C12、C13及びC14を含み、外部接続ピンである第1〜第4接続ピン111、112、113、114を具備する。使用環境によっては、第1〜第4接続ピン111、112、113、114のうち、2つの接続ピンのみを使用することができ、LEDアレイ10は、2つ以上が並列接続された構造で使用されうる。このような構成は、以下で説明する他の実施の形態によるLED蛍光ランプでも同様に適用されることができる。
【0014】
LEDアレイ10は、直列接続された複数のLEDを含み、アノード側端子10aとカソード側端子10bとを具備する。キャパシタC11は、LEDアレイ10のアノード側端子10aと第1接続ピン111との間に接続され、キャパシタC12は、LEDアレイ10のカソード側端子10bと第2接続ピン112との間に接続される。キャパシタC13は、LEDアレイ10のアノード側端子10aと第3接続ピン113との間に接続され、キャパシタC14は、LEDアレイ10のカソード側端子10bと第4接続ピン114との間に接続される。
【0015】
キャパシタC11〜C14は、第1〜第4接続ピン111、112、113、114のうち、少なくとも一つを介して後述する多様な方式の蛍光灯用安定器回路などと接続される場合、周波数変化による蛍光灯用安定器回路内のインピーダンスを変化させて、LED蛍光ランプ110に流れる電流を制御できるようになるので、既存の蛍光灯用安定器を変更せずに使用できるようになる。
【0016】
図2は、図1に示すLEDアレイの構成を示した図である。図2の(a)に示すように、LEDアレイ10は、複数のLEDが直列接続される構成が通常である。しかしながら、直列接続したLEDを保護するために、図2の(b)に示すように、ツェナーダイオードZ1〜ZnがそれぞれのLEDに逆方向に並列接続されることもできる。
【0017】
このように、各LEDに並列にツェナーダイオードが使用される場合、交流電圧の(+)周期では、ダイオードD1〜Dnを介して電流が流れるが、(−)周期では、ツェナーダイオードZ1〜Znを介して電流が流れることができる。ツェナーダイオードZ1〜Znを介した電流の流れは、無効損失になりうる。したがって、ツェナーダイオードZ1〜Znを介した電流の流れを防止して効率を上げるために、本発明によるLED蛍光ランプは、以下説明する実施の形態のように構成が変更されうる。
【0018】
図3は、本発明の第2の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。図3に示すように、本実施の形態によるLED蛍光ランプ120は、第1の実施の形態によるLED蛍光ランプ110に比べてLEDアレイ12の両端子に直列接続したダイオードD21、D22が追加される。使用環境によっては、ダイオードD21及びD22のうちの何れか一つのみが追加されることもできる。ダイオードD21及びD22は、LEDアレイ12に順方向のみに電流が流れるようにする。したがって、LEDアレイ12の内部に並列にツェナーダイオードが接続された場合、(−)周期においてツェナーダイオードを介して電流が流れて電力の損失が発生するのを防止する。
【0019】
図4は、本発明の第3の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。図4に示すように、本実施の形態によるLED蛍光ランプ130は、第1〜第4接続ピン131、132、133、134にそれぞれ接続するキャパシタC31〜C34にダイオードD33〜D36がそれぞれ並列に接続される。このようなダイオードD33〜D36は、第1〜第4接続ピン131、132、133、134に直列共振方式の電子式安定器の出力線が接続される場合において、電子安定器の内部の直列共振維持用キャパシタが第1接続ピン131と第2接続ピン132との間又は第3接続ピン133と第4接続ピン134との間に接続される場合、安定器から入力される電圧の極性によって並列接続したキャパシタC31〜C34によりLEDアレイ13に流れる電流の制御が可能になる。例えば、第4接続ピン134を基準に第3接続ピン133に(+)電圧が印加され、第1接続ピン131と第2接続ピン132との間に直列共振回路方式の電子安定器の内部の共振維持用キャパシタが接続される場合には、キャパシタC33は、ダイオードD35によりショート状態になり、ダイオードD33とD34とは、オープン状態になり、キャパシタC34は、ダイオードD36によりショート状態になって、共振維持キャパシタの複合容量値は、キャパシタC31、共振維持用キャパシタC、及びキャパシタC32の直列接続値に見えるようになる。また、第4接続ピン134を基準に第3接続ピン133に(−)電圧が印加されるサイクルでは、キャパシタC32は、ダイオードD34によりショート状態になり、キャパシタC31は、ダイオードD33によりショート状態になって、(−)周期での共振維持キャパシタの複合容量値は、キャパシタC34、共振維持用外部キャパシタC、及びキャパシタC33の直列接続値に見えるようになる。
【0020】
図5は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ140には、ダイオードD47〜D50が追加されて、多様な蛍光灯用安定器で端子に印加される電圧の位相変化と無関係に、本実施の形態によるLED蛍光ランプ140が動作されるようにする。
【0021】
図6は、本発明の第5の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ150には、第1〜第4接続ピン151、152、153、154にそれぞれ接続されるキャパシタC51〜C54に、インバータの初期トリガー駆動のための電流を供給するために、抵抗R51〜R54がそれぞれ並列に追加される。
【0022】
図7は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ150には、第1〜第4接続ピン161、162、163、164にそれぞれ接続されるキャパシタC61〜C64に、ダイオードD63〜D66がそれぞれ直列に追加される。ダイオードD63〜D66は、ダイオードD67〜D70と共に多様な蛍光灯用安定器で交流電圧の位相と無関係に、本実施の形態によるLED蛍光ランプ160が動作されるようにする。
【0023】
図8及び図9は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ170は、第3の実施の形態によるLED蛍光ランプ130に比べてダイオードD77及びD78が追加される。
【0024】
図8に示すように、ダイオードD73は、アノードは、第1接続ピン171に接続され、カソードは、ダイオードD71のアノードに接続され、ダイオードD74は、アノードは、第2接続ピン172に接続され、カソードは、ダイオードD72のカソードに接続される。ダイオードD75は、アノードは、第3接続ピン173に接続され、カソードは、ダイオードD71のアノードに接続され、ダイオードD76は、アノードは、第4接続ピン174に接続され、カソードは、ダイオードD72のカソードに接続される。また、ダイオードD77は、アノードは、ダイオードD72のカソード、キャパシタC72及びC74の一端に共通接続され、カソードは、LEDアレイ17のアノード側端子に接続される。ダイオードD78は、アノードは、LEDアレイ17のカソード側端子に接続され、カソードは、ダイオードD71のアノード、キャパシタC71及びC73の一端に共通接続される。
【0025】
本実施の形態によるLED蛍光ランプ170において、ダイオードD77及びD78は、多様な蛍光灯用安定器で第1〜第4接続ピン171、172、173、174に印加される電圧の位相変化と無関係に、本実施の形態によるLED蛍光ランプ170が動作されるようにする。
【0026】
また、キャパシタC71、C72、C73、C74にそれぞれ並列接続されるダイオードD73、D74、D75、D76は、図9に示すように、極性の方向を反対に接続しても電流が流れる経路のみが変わるだけであり、基本的な動作は、前述と同様に行われることができる。
【0027】
図10は、本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。図10に示すように、本実施の形態によるLED蛍光ランプ190は、第1〜第4接続ピン191、192、193、194に一端がそれぞれ接続されるキャパシタC91〜C94にダイオードD93〜D96がそれぞれ直列接続される。そして、アノードがLEDアレイ19の一端に接続され、カソードがダイオードD93のアノードに接続されるダイオードD97と、アノードがダイオードD94のカソードに接続され、カソードがLEDアレイ19の他端に接続されるダイオードD98が追加される。
【0028】
ダイオードD93〜D96は、ダイオードD97及びD98と共に多様な蛍光灯用安定器で交流電圧の位相と無関係に、本実施の形態によるLED蛍光ランプ160が動作されるようにする。
【0029】
図11は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプの回路図である。本実施の形態によるLED蛍光ランプ200は、第9の実施の形態によるLED蛍光ランプ190に比べて、ダイオードD109及びD110が追加に使用される。ダイオードD109は、アノードがダイオードD106のカソードに接続され、カソードがLEDアレイ20の一端に接続され、ダイオードD110は、アノードがLEDアレイ20の他端に接続され、カソードがダイオードD105のアノードに接続される。ダイオードD109及びD110は、外部から印加される電圧に対してLED蛍光ランプ200が対称動作ができるようにする。
【0030】
上述のような構成のLED蛍光ランプは、別途の回路変更無しで、既存に使用されるすべての蛍光灯用安定器に接続されて使用されることができる。これに対して説明の便宜上、図5、図7、図8で説明したLED蛍光ランプを例に挙げて、多様な蛍光灯用安定器での動作過程を説明する。
【0031】
図12は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをハーフブリッジ(Half Bridge)方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。ハーフブリッジ方式の蛍光灯安定器は、スイッチング素子からなるハーフブリッジインバータのスイッチング出力点にインダクターとキャパシタで直列共振回路を構成し、キャパシタ両端にかかる直列共振電圧で蛍光灯を初期点灯させ、一旦蛍光灯が点灯された後に蛍光灯に流れる安定化電流は、直列共振回路のインダクターで制御する方式である。
【0032】
図12に示すように、電子式安定器においては、電流トランスフォーマーT0により直列共振回路の共振周波数とスイッチング素子Q61、Q62の動作周波数とが同期され、DC電源の電圧をVsとし、インバータに供給される平均電流をIsとすると、電力Psとは、以下の通りである。
【0033】
【数1】
【0034】
このとき、スイッチング素子Q61、Q62が同期されて動作する動作周波数をfとすると、負荷電流は、DC電源に流れる平均電流が同じになるので、Co≫C1、Co≫C41〜C44であると、平均電流Isは、以下のとおりに表すことができる。
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】
【数4】
【0038】
ここで、C41、C42、C43、C44をC2とおけば、Ca=C2*C1/(C2+2C1)であり、Roは、ランプが高周波で点灯される際のランプの等価抵抗を表す。
【0039】
このとき、インダクターの動作周波数fは、以下のとおりに表すことができる。
【0040】
【数5】
【0041】
また、w0は、以下のとおりに表すことができる。
【0042】
【数6】
【0043】
したがって、[数2]及び[数5]により、電流Isは、以下のとおりに表すことができる。
【0044】
【数7】
【0045】
ここで、Zは、以下のとおりに表すことができる。
【0046】
【数8】
【0047】
[数3]によりCo》C1の場合、共振周波数fの基本領域は、Caの値により決定される。したがって、LED蛍光ランプ140が接続されると、以下のとおりに動作するようになる。
【0048】
スイッチング素子Q61がオン(ON)状態になって、(A)点の電位がVsになると、共振電流は、インダクターL0−D44−C41−C1−C43−D46−2Coの経路で流れる。スイッチング素子Q62がオン状態になると、(A)点が接地電位になり、反対に電流が流れる。
【0049】
汎用性のためにLED蛍光ランプ140は、対称性を有しなければならないので、LED蛍光ランプ140の接続ピンによって極性を有してはならないので、LED蛍光ランプ140の内部のキャパシタC41〜C44を同じ値であるC2とおけば、C41−C1−C43の直列により構成された複合キャッピーシッターCa値は、以下のとおりに表すことができる。
【0050】
【数9】
【0051】
したがって、C2≪C1の場合、Cの値は、C≒C2のように表すことができ、[数7]及び[数8]によりZ値は大きくなり、その分だけLED蛍光ランプ140に流れる電流は減少するようになって、電流を制御できるようになる。これにより、ハーフブリッジ方式の蛍光灯安定器に本発明によるLED蛍光ランプを回路変更なしに装着して使用することができる。
【0052】
図13は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート(Instant Start)方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。図13に示すように、インスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器は、トランスフォーマーT1、T2とキャパシタC1から構成される回路の自体発振動作によって、スイッチング素子のQ71、Q72がスイッチング動作を持続するようにし、スイッチング点(A)の出力をAC的にはショート状態であり、DC的には1/2Vccである直列に接続されたキャパシタCoの中点である(B)点に、トランスフォーマーT2の1次巻線T2−1で接続して、トランスフォーマーT2の2次巻線T2−2に誘起される高電圧で蛍光ランプを初期放電させ、一旦放電された後には、ランプ負荷と直列に接続されたキャパシタC1により安定化ランプ電流を制御する方式である。
【0053】
この方式の蛍光灯安定器を使用した場合、基本動作を述べると、トランスフォーマーT2は、自体発振によって2次巻線T2−2に高周波のAC電圧を誘起させ、(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、(C)点−C1−D43−D41−LEDアレイ14−D42−D45−(D)点の経路で電流が流れ、(C)点が(−)区間になる区間では、(D)点−D48−D41−LEDアレイ14−D42−D47−C1−(C)点に電流が流れるようになる。この他にも、(D)点−C43−D47−C1−(C)点、(D)点−D48−C41−C1−(C)点の電流パスが形成されることもできる。
【0054】
したがって、LEDアレイ10に流れる電流値は、安定器の電流制御キャパシタC1の1/jwC1により制御される。
【0055】
図14は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0056】
この場合、基本動作を述べると、電子式安定器の出力線が第1接続ピン161と第2接続ピン162とに接続された時の基本動作を述べると、トランスフォーマーT2は、自体発振によって2次巻線T2−2に高周波のAC電圧を誘起させ、(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、(C)点−C1−C61−D63−D61−LEDアレイ16−D62−D64−C62−(D)点の経路で電流が流れ、(C)点が(−)区間になる区間では、(D)点−C62−D68−D61−LEDアレイ16−D62−D67−C61−C1−(C)点の経路で電流が流れるようになる。
【0057】
したがって、LEDアレイ16に流れる電流値は、電子安定器の内部にある電流制御キャパシタC1、C61及びC62の直列複合インピーダンスにより制御されるようになり、LED蛍光ランプ内部のキャパシタC61とC62の値を変化させることによって、LEDアレイ負荷に流れる電流を制御できるようになる。
【0058】
このとき、キャパシタC61とC62の値をC2とおけば、インピーダンスZは、以下のような式で表すことができる。
【0059】
【数10】
【0060】
第3接続ピン163と第4接続ピン164とは、対称性のための端子であり、基本動作は、第1接続ピン161及び第2接続ピン162に電子安定器の出力線が接続された場合と同一である。
【0061】
図15は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0062】
この方式の蛍光灯安定器を使用した場合、基本動作を述べると、トランスフォーマーT2は、自体発振によって2次巻線T2−2に高周波のAC電圧を誘起させ、(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、(C)点−C1−D73−D71−LEDアレイ17−D72−C72−(D)点の経路で電流が流れ、(C)点が(−)区間になる区間では、(D)点−D74−D77−LEDアレイ17−D78−C71−C1−(C)点の経路で電流が流れるようになる。その他、動作と関連した事項は、図14で説明したものと基本的に同一である。
【0063】
一方、インスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に、図9に示すようなLED蛍光ランプ180が使用される場合にも、基本的な動作は、前述したものと同様に行われうる。例えば、第1接続ピン171に(+)電圧がかかり、第2接続ピン172に(−)電圧がかかる周期、すなわち(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、主電流の経路は、(C)点−C1−C71−D71−LEDアレイ17−D72−D74−(D)点の経路で電流が流れるようになる。また、第1接続ピン171に(−)電圧がかかる周期、すなわち(C)点が(−)区間になる区間では、主電流の経路は、(D)点−C72−D77−LEDアレイ17−D78−D73−C1−(C)点の経路で電流が流れる。
【0064】
このように、図9に示すLED蛍光ランプ180が使用されても電流が流れる経路のみが変わるだけであり、基本的な動作は、前述したものと同様に行われることができ、以下説明する他の蛍光灯用安定器でも同様である。
【0065】
図16は、本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート(Instant Start)方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図であり、図17は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0066】
図16に示すように、この方式の蛍光灯安定器を使用した場合、電子式安定器の出力線が第1接続ピン191と第2接続ピン192とに接続したときの基本動作を述べると、トランスフォーマーT2は、自体発振によって2次巻線T2−2に高周波のAC電圧を誘起させ、(D)点を基準に(C)点が(+)電位である場合、キャパシタC31〜C34のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、(C)点−C1−C91−D93−D91−LEDアレイ19−D92−D94−C92−(D)点の経路で主電流が流れ、(C)点が(−)区間になる区間では、やはりキャパシタC91〜C94のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、(D)点−C92−D98−LEDアレイ19−D97−C91−C1−(C)点の経路で主電流が流れるようになす。
【0067】
また、図17に示すように、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプ200をインスタントスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合、第3接続ピン203と第4接続ピン204とは、対称性のための端子であり、基本動作は前述したものと同様である。
【0068】
図18は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。この方式の電子式蛍光灯用安定器は、スイッチング素子Q81、Q82のスイッチング点である(A)点にインダクターT3とキャパシタC1とから構成された直列共振回路を接続し、共振キャパシタC1の両端に1個又は複数のランプを接続する構成からなっており、基本動作は、図7で説明した回路構成と似ている。但し、この方式において、蛍光ランプの寿命を極大化するために、共振用トランスにT3、2次予熱巻線T3−a、T3−bを巻いてランプの初期点灯時にこの予熱巻線から発生する2次電圧で蛍光ランプのフィラメントを十分に予熱させた後、高電圧をランプに印加する方式で、点灯時のランプフィラメントのオキサイド飛散を最小化することによって、ランプの寿命を極大化させようとする。
【0069】
この方式を使用した場合、スイッチング素子Q81、Q82のスイッチング周波数をインダクターT3のインダクタンス値L1とキャパシタC1の直列共振周波数に一致させると、図7で説明したように、fは、Co≫C1である場合、Coを無視すれば、以下のとおりになる。
【0070】
【数11】
【0071】
キャパシタC1の両端には、周波数fのAC電圧が誘起されるようになる。動作中、インダクターT3にカップリングされているフィラメント加熱用巻線T3−aに流れる電流は、ドット極性側が(+)周期では、Ca−D43−C42の経路で電流が流れ、(−)周期では、D44−C41−Caの経路で流れる。巻線T3−bに流れる電流は、(+)周期では、C43−D45−Cbの経路で流れ、(−)周期では、Cb−C43−D46の経路で流れ、この時の電流を制御するキャパシタの値は、C41、C42、C43、C44値を同じくC2とおけば、
【0072】
【数12】
【0073】
になり、実際Ca》C2であるので、巻線T3−a、T3−bに流れる電流は、C41〜C44値であるC2により決定され、このキャパシタ値は、数千ピコファラッド程度以下の極めて小さな値であり、また巻線T3−a、T3−bに誘起される電圧は、数ボルト程度の低い電圧であるから、インダクターT3−a、T3−bにより流れる電流はほぼ無視できる。
【0074】
LDE蛍光ランプ100に流れる主電流は、(B)点の電位が(C)点対比(+)周期では、(B)点−D44−D41−LEDアレイ14−D42−D46の経路で電流が流れ、(−)周期では、その反対に(C)点−D49−D41−LEDアレイ14−D42−D50−(B)点の経路で電流が流れるようになる。
【0075】
図19は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0076】
図19に示すように、動作周波数fは、図18で説明したものと同様であり、キャパシタC1の両端には、周波数fのAC電圧が誘起されるようになる。動作中、インダクターT3にカップリングされているフィラメント加熱用巻線T3−aに流れる電流は、実際の電子安定器においてT3−aに誘起される電圧が10V未満の低い電圧であるから、ダイオードD63とD65とによりブロッキングされて電流が流れないので、電力損失をもたらさない。また、反対側フィラメント予熱巻線T3−bも、ダイオードD64とD66によりブロッキングされて電流が流れないので、これによる電力の損失はほぼ無視できる。
【0077】
LED蛍光ランプ160に流れる主電流は、予熱巻線T3−aとT3−bによりLEDアレイ16に流れる電流は極めて微細なので、これを無視すれば、(B)点の電位が(C)点対比(+)周期では、(B)点−C63−D65−D61−LEDアレイ16−D62−D66−C64−(C)点の経路で電流が流れ、(−)周期では、その反対に(C)点−C64−D69−D61−LEDアレイ15−D62−D70−C63−(B)点の経路で電流が流れる。したがって、このときLEDアレイ16に流れる電流は、キャパシタC61〜C64の値をC2とおけば、キャパシタの複合インピーダンスは、2/jwC2になり、このC2値を変化させることにより、LEDアレイ16に流れる電流を制御できるようになる。
【0078】
図20は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。この場合、基本的な動作方式は、図19で説明したものと同様である。
【0079】
LED蛍光ランプ170に流れる主電流は、予熱巻線T3−aとT3−bによりLEDアレイ17に流れる電流は極めて微細なので、これを無視すれば、(B)点の電位が(C)点対比(+)周期では、(B)点−D75−D71−LEDアレイ17−D72−C74−(C)点の経路で電流が流れ、(−)周期では、その反対に(C)点−D76−D77−LEDアレイ17−D78−C73−(B)点の経路で電流が流れるようになる。したがって、このとき、LEDアレイ17に流れる電流は、キャパシタC71〜C74の値をC2とおけば、キャパシタの複合インピーダンスは、1/jwC2になり、このC2値を変化させることにより、LEDアレイ14に流れる電流を制御できるようになる。
【0080】
図21は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをソフトスタート方式の電子式蛍光灯用安定器に使用した場合における回路構成を示した図である。
【0081】
図21に示すように、LED蛍光ランプ200に流れる主電流は、予熱巻線T3−aとT3−bの巻線によりLEDアレイ20に流れる電流は極めて微細なので、T3−aとT3−bの巻線を無視すれば、(B)点の電位が(C)点対比(+)周期ではキャパシタC101〜C104のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化して、(B)点−C103−D105−D101−LEDアレイ20−D102−D106−C104−(C)点の経路で主電流が流れるようになり、(B)点の電位が(C)点対比(−)周期にはやはりキャパシタC101〜C104のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、その反対に(C)点−C104−D109−LEDアレイ20−D110−C103−(B)点の経路で主電流が流れるようになる。
【0082】
図22は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプ方式のチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0083】
図22に示すように、入力電圧の(+)周期では、スターターランプS200は、オープンされた状態と同様なので、インダクターL−D44−D41−LEDアレイ10−D42−D46を介して電流が流れるようになり、このときの電流は、インダクターLのインピーダンスjwLにより制御される。
【0084】
また、(−)周期では、D49−D41−LEDアレイ14−D42−D50−インダクターLの経路で電流が流れ、この際の流れる電流は、入力電源周波数fの2倍である2fの周波数を有した脈流の形態を示す。したがって、常用周波数fでLED蛍光ランプ140を駆動する時に発生できるチラツキ(flickering)現象を顕著に減少させることができる。
【0085】
図23は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプ方式のチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0086】
前述したように、入力電圧が印加されれば、スターターランプ200は、オープンされた状態と見なすことができるので、主電流経路は、第3接続ピン163に印加される電圧が(+)周期では、C63−D65−D61−LEDアレイ16−D62−D66−C54になり、(−)周期では、C54−D69−D61−LEDアレイ16−D62−D70−C63になり、このときの電流を制御する複合インピーダンスをZ、インダクタンスLの値をL、そしてキャパシタC1〜C4の値をC2とおけば、以下のとおりになる。
【0087】
【数13】
【0088】
このとき流れる電流は、入力電源周波数fの2倍である2fの周波数を有した脈流の形態を表すようになり、したがって、常用周波数fでLED蛍光ランプ160を駆動する時に発生できるチラツキ現象を顕著に減少させることができる。
【0089】
図24は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプ方式のチョーク式安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0090】
この場合、主電流経路は、第3接続ピン173に印加される電圧が(+)周期では、D75−D71−LEDアレイ17−D72−C74になり、(−)周期では、D76−D77−LEDアレイ17−D78−C73になる。このときの電流を制御する複合インピーダンスZは、図18で説明したものと同様である。
【0091】
図25は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプをスターターランプ方式のチョーク式安定器に使用した場合における回路構成を示した図である。
【0092】
図25に示すように、入力電圧が印加されるようになれば、一般蛍光灯と異なり、LED蛍光ランプ200のインピーダンスは無限に見えないので、スターターランプ300は、オープンされた状態と見なすことができ、したがってこれを無視すれば、主電流経路は第3接続ピン203に印加される電圧が(+)周期では上述のように電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、C103‐D105−D101−LEDアレイ20−D102−D106−C104になり、(−)周期では、やはり電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、C104−D109−LEDアレイ20−D110−C103になる。
【0093】
図26は、本発明の第4の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート(Rapid start)方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0094】
図26に示すように、チョーク巻線の(A)側に(+)電圧がかかる場合、蛍光灯のフィラメントを予熱させるためのチョークの巻線n1とn2にかかる電圧をそれぞれVn1とVn2とすると、巻線n1から見た負荷は、電源の(+)周期でダイオードD43は、ショートされたと見なすことができるので、キャパシタC42になり、反対に(で)電源の(−)周期でもダイオードD44はショートされたと見なすことができるので、キャパシタC41になる。巻線n2の場合も同様に、(B)点が(+)電圧の周期ではキャパシタC44、(−)電圧の周期ではキャパシタC43がVn2の負荷に見えるようになる。
【0095】
LED蛍光ランプは、何れか一側のソケット側に極性を有してはならず、また対称性を有しなければならないので、このために、キャパシタC41、C42、C43、C44の値は、別途の目的がない限り、同じ値に設計して、この値をC2とおけば、このキャパシタC2は、数千pF以下の相対的に小さな容量値を有するように設計されるので、50〜60Hz程度の周波数では、このキャパシタのインピーダンス容量値1/jwC1は、極めて大きな値を有するようになるので、これを介して流れる電流は、ほぼ無視できる。
【0096】
LED蛍光ランプに流れる主電流の経路を述べると、入力電源電圧をVoとおけば、
【0097】
【数14】
【0098】
のようになり、Voは、蛍光ランプの初期放電を誘導する程充分な初期放電開始電圧以上になる。LEDアレイ14に流れる電流を見ると、(B)点を基準として(A)点が(+)周期の区間では、(A)点−D44−D41−LEDアレイ14−D42−D46−(B)点の経路で電流が流れるようになり、(−)周期では、(B)点−D49−D41−LEDアレイ14−D42−D50−(A)点の経路で電流が流れるようになる。
【0099】
この場合にも、図10のスタート方式のチョーク安定器のように、LED蛍光ランプ100を介して流れる電流は、入力電源周波数fの2倍である2fの周波数を有した脈流形態を有する。したがって、50/60Hzの常用周波数fでLED蛍光ランプを駆動する時に生じるチラツキ現象を顕著に減らすことができるという長所がある。
【0100】
図27は、本発明の第6の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0101】
LEDアレイ16に流れる主電流を述べると、(B)点を基準として(A)点が(+)周期の区間では、(C)点−C61−D63−D61−LEDアレイ16−D52−D64−C52−(D)点の経路で電流が流れ、(−)周期では、(D)点−C52−D68−D61−LEDアレイ16−D62−D67−C61−(C)点の経路で電流が流れる。
【0102】
図28は、本発明の第7の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0103】
LEDアレイ17に流れる主電流について述べると、(B)点を基準として(A)点が(+)周期の区間では、(C)点−D73−D71−LEDアレイ17−D72−C72−(D)点の経路で電流が流れ、(−)周期では、(D)点−D74−D77−LEDアレイ17−D78−C71−(C)点の経路で電流が流れる。
【0104】
このときの電流を制御する複合インピーダンスをZとし、トランスの漏れインダクタンス(Leakage Inductance)をL1、キャパシタC41〜C44の値をC2とおけば、以下のとおりに表すことができる。
【0105】
【数15】
【0106】
この場合にも、LED蛍光ランプ170を介して流れる電流は、入力電源周波数fの2倍である2fの周波数を有した脈流形態を有する。
【0107】
図29は、本発明の第9の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート(Rapid start)方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図であり、図30は、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプを鉄芯型ラピッドスタート(Rapid start)方式の蛍光灯用安定器に使用した場合の回路構成を示した図である。
【0108】
図29に示すように、LEDアレイ19に流れる主電流を見ると、(B)点を基準として(A)点が(+)周期の区間ではキャパシタC91〜C94のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、(C)点−C91−D93−D91−LEDアレイ19−D92−D94−C92−(D)点の経路で主電流が流れるようになり、(B)点を基準として(A)点が(−)周期ではやはりキャパシタC91〜C94のキャパシタンス成分により、電圧に対してπ/2分だけ位相変化されて、(D)点−C92−D98−LEDアレイ19−D97−C91−(C)点の経路で主電流が流れるようになる。
【0109】
また、図30に示すように、本発明の第10の実施の形態によるLED蛍光ランプ200を鉄芯型ラピッドスタート方式の蛍光灯用安定器に使用した場合にも、基本動作過程は前述したものと同様である。
【0110】
このように、本発明によるLED蛍光ランプは、一般に使用されている電子式安定器に回路変更なしに直接装着して使用することができる。また、本発明によるLED蛍光ランプは、前記したように説明された実施の形態の構成と方法が限定されて適用されるものではなく、前記実施の形態は、様々な変形が可能なように、各実施の形態の全て又は一部を選択的に組合わせて構成することもできる。
【0111】
以上説明したように、本発明によれば、別途の専用安定器の設置と灯器具内部の配線変更なしに既存の蛍光灯用安定器にそのまま装着して使用することのできるLED蛍光ランプが提供される。したがって、特別な配線や回路などの変更なしに一般的な蛍光灯を代替して使用して、高効率の照明を利用できるようにする。
【0112】
また、以上では、本発明の好ましい実施の形態について図示し説明したが、本発明は、上述した特定の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱しない範囲内で当該発明の属する技術分野における通常の知識を有した者により多様な変形実施が可能なことはもちろんで、このような変形実施は、本発明の技術的思想や主旨から個別的に理解されてはならない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、
第1〜第4接続ピンと、
前記第1接続ピンと前記LEDアレイの一端との間に接続される第1キャパシタと、
前記第2接続ピンと前記LEDアレイの前記一端との間に接続される第2キャパシタと、
前記第3接続ピンと前記LEDアレイの他端との間に接続される第3キャパシタと、
前記第4接続ピンと前記LEDアレイの前記他端との間に接続される第4キャパシタと、を含むLED蛍光ランプ。
【請求項2】
前記第1接続ピンと前記LEDアレイとの間に接続され、前記LEDアレイに一方向電流パスを形成する第1ダイオードと、
前記第3接続ピンと前記LEDアレイとの間に接続され、前記LEDアレイに一方向電流パスを形成する第2ダイオードとのうち、少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLED蛍光ランプ。
【請求項3】
前記第1キャパシタに並列接続され、アノードは、前記第1接続ピンに接続される第3ダイオードと、
前記第2キャパシタに並列接続され、アノードは、前記第2接続ピンに接続される第4ダイオードと、
前記第3キャパシタに並列接続され、カソードは、前記第3接続ピンに接続される第5ダイオードと、
前記第4キャパシタに並列接続され、カソードは、前記第4接続ピンに接続される第6ダイオードと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLED蛍光ランプ。
【請求項4】
アノードは、前記第5ダイオードのアノードに接続され、カソードは、前記第1接続ピンに接続される第7ダイオードと、
アノードは、前記第3接続ピンに接続され、カソードは、前記第1ダイオードのカソードに接続される第8ダイオードと、
アノードは、前記第4接続ピンに接続され、カソードは、前記第2ダイオードのカソードに接続される第9ダイオードと、
アノードは、前記第6ダイオードのアノードに接続され、カソードは、前記第2接続ピンに接続される第10ダイオードと、をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のLED蛍光ランプ。
【請求項5】
前記第1キャパシタに並列接続される第1抵抗と、
前記第2キャパシタに並列接続される第2抵抗と、
前記第3キャパシタに並列接続される第3抵抗と、
前記第4キャパシタに並列接続される第4抵抗と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLED蛍光ランプ。
【請求項1】
直列接続された複数のLEDを含むLEDアレイと、
第1〜第4接続ピンと、
前記第1接続ピンと前記LEDアレイの一端との間に接続される第1キャパシタと、
前記第2接続ピンと前記LEDアレイの前記一端との間に接続される第2キャパシタと、
前記第3接続ピンと前記LEDアレイの他端との間に接続される第3キャパシタと、
前記第4接続ピンと前記LEDアレイの前記他端との間に接続される第4キャパシタと、を含むLED蛍光ランプ。
【請求項2】
前記第1接続ピンと前記LEDアレイとの間に接続され、前記LEDアレイに一方向電流パスを形成する第1ダイオードと、
前記第3接続ピンと前記LEDアレイとの間に接続され、前記LEDアレイに一方向電流パスを形成する第2ダイオードとのうち、少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLED蛍光ランプ。
【請求項3】
前記第1キャパシタに並列接続され、アノードは、前記第1接続ピンに接続される第3ダイオードと、
前記第2キャパシタに並列接続され、アノードは、前記第2接続ピンに接続される第4ダイオードと、
前記第3キャパシタに並列接続され、カソードは、前記第3接続ピンに接続される第5ダイオードと、
前記第4キャパシタに並列接続され、カソードは、前記第4接続ピンに接続される第6ダイオードと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLED蛍光ランプ。
【請求項4】
アノードは、前記第5ダイオードのアノードに接続され、カソードは、前記第1接続ピンに接続される第7ダイオードと、
アノードは、前記第3接続ピンに接続され、カソードは、前記第1ダイオードのカソードに接続される第8ダイオードと、
アノードは、前記第4接続ピンに接続され、カソードは、前記第2ダイオードのカソードに接続される第9ダイオードと、
アノードは、前記第6ダイオードのアノードに接続され、カソードは、前記第2接続ピンに接続される第10ダイオードと、をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のLED蛍光ランプ。
【請求項5】
前記第1キャパシタに並列接続される第1抵抗と、
前記第2キャパシタに並列接続される第2抵抗と、
前記第3キャパシタに並列接続される第3抵抗と、
前記第4キャパシタに並列接続される第4抵抗と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLED蛍光ランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−134181(P2012−134181A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87000(P2012−87000)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【分割の表示】特願2009−233484(P2009−233484)の分割
【原出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(509279686)
【出願人】(509279929)クンホ エレクトリック インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【分割の表示】特願2009−233484(P2009−233484)の分割
【原出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(509279686)
【出願人】(509279929)クンホ エレクトリック インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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