説明

LRV向け歯車装置用芯違い測定治具

【課題】LRV向け歯車装置の芯違い測定方法を簡略化する。
【解決手段】台車枠に締結されている吊りリンクのボルトに芯違い測定治具を共締めする。芯違い測定治具にはスケールが刻まれており、歯車装置小歯車蓋部に刻まれた線により芯違いを測定することができる。すなわち、台車枠に固定された電動機と、それに連結される歯車からなる車両用歯車装置であって、前記台車枠に固定されたスケールと前記歯車蓋に刻まれた基準線によって前記電動機との芯違いを測定することを特徴とする芯違い測定治具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LRV(Light Rail Vehicle)用歯車装置の芯違い測定治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LRV用歯車装置において、継手を正常に動作させるために歯車装置と主電動機の芯違いの調整を行う。
【0003】
その際、図2に示す通り主電動機の脚1にストレッチ2を当て、そのストレッチから歯車装置小歯車蓋近傍の歯車箱の加工面3までの寸法を測り、芯違い4を管理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−132099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、図2に示す方法で芯違い測定をするとストレッチ2を保持する者と芯違いを測定する者の2名が必要であり、ストレッチ2の保持も容易ではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明が目的とするところは、台車枠に締結されている吊りリンクのボルトに芯違い測定治具を共締めし、芯違い測定治具に刻まれたスケールと小歯車蓋部の刻印により芯違いを測定することである。すなわち、台車枠に固定された電動機と、前記電動機に連結される歯車からなる車両用歯車装置であって、前記台車枠に固定されたスケールと前記歯車蓋に刻まれた基準線によって前記電動機との芯違いを測定することを特徴とする芯違い測定治具である。
【発明の効果】
【0007】
以上のように吊りリンク締結ボルトと共締めした芯違い測定治具により芯違いを測定することで、主電動機脚部にストレッチを固定することなしに簡便にまた正確に芯違いを測定できる。また、測定者は1名になり、測定自体も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を実現するための構成を示した説明図である。(実施例1)
【図2】現状の芯違い測定方法を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
現状の芯違い測定方法を図2に示す。
【実施例1】
【0010】
図1において吊りリンク締結ボルト5は台車枠(図示せず)に固定されており、同じく台車枠には主電動機が固定されている。
【0011】
芯違い測定治具6は吊りリンク締結ボルト5に共締めされており、芯違い測定治具6にはスケール7が刻まれている。
【0012】
スケール7の中の長線8と小歯車蓋に刻まれた線(基準線)9が一致した点が正常な芯違いとなる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
台車枠に固定された電動機とそれに連結される歯車装置からなる車両用歯車装置において、芯違いの測定を簡便にまた正確に行うことができる。
【符号の説明】
【0014】
1 主電動機の脚
2 ストレッチ
3 歯車装置小歯車蓋近傍の歯車箱の加工面
4 芯違い
5 吊りリンク締結ボルト
6 芯違い測定治具
7 スケール
8 長線
9 小歯車蓋に刻まれた線(基準線)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車枠に固定された電動機と、前記電動機に連結される歯車からなる車両用歯車装置であって、前記台車枠に固定されたスケールと前記歯車蓋に刻まれた基準線によって前記電動機との芯違いを測定することを特徴とする芯違い測定治具。


【図1】
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【図2】
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