説明

MIMOシステムの下りリンクチャネルパラメータの決定

【課題】MIMOシステムの下りリンクチャネルパラメータの決定方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】MIMOシステムに関連する下りリンクチャネルの下りリンクチャネルパラメータの決定を提供する方法及び装置の実施例が記載される。方法は、送信局により、少なくとも1つの受信局と通信するために使用されるMIMOシステムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集し、前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に少なくとも部分的に基づいて、複数の下りリンクチャネルのチャネル品質情報を計算し、前記チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の前記下りリンクチャネルを介して前記少なくとも1つの受信局に信号を送信するために前記送信局により使用される1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定することを有する。他の実施例も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、“Methods and Apparatus for Providing A Power Loading and Modulation Selection System Associated with A Multiple-Input-Multiple-Output (MIMO) System”という題で2006年5月1日に出願された米国特許出願第60/797,042号の優先権を主張し、この全開示を援用する。
【0002】
この開示は、概して無線通信システムに関し、特に、下りリンクチャネルパラメータ(MIMO(multiple-input-multiple-output)システムでの下りリンクチャネルのビット又はパワーローディング及び変調又は符号化方式の選択等)を提供する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信が会社、家庭、学校等で普及してきているため、いつでも及び/又はどこでも計算及び通信する需要を満たすために、異なる無線技術及び用途が協力して動作することがある。例えば、様々な無線通信ネットワークは、より多くの計算及び/又は通信能力、より大きい移動性、及び/又は最終的なシームレスなローミングを無線環境に提供するために共存することがある。
【0004】
特に、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN:wireless personal area network)は、比較的小さい空間内(会社の作業空間又は家庭内の部屋)で高速短距離の接続を提供し得る。無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)は、会社のビル、家庭、学校等の中でWPANより広い範囲を提供し得る。無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN:wireless metropolitan area network)は、例えば広い地理的領域でビルを相互に接続することにより、WLANより大きい距離をカバーし得る。無線広域ネットワーク(WWAN:wireless wide area network)は、セルラインフラストラクチャで広く展開されているネットワークのように、最も広い範囲を提供し得る。前述の無線通信ネットワークのそれぞれは、異なる用途をサポートし得るが、これらのネットワーク間の共存は、いつでも及びどこでもの接続を備えたロバストな環境を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】開示された方法及び装置の実施例による例示的な無線通信システムを表す概略図
【図2】図1の例示的な無線通信システムの例示的なMIMO(multiple-input-multiple-output)システムを表すブロック図
【図3】図2の例示的なMIMOシステムの例示的な基地局を表すブロック図
【図4】スループットに関連する例示的なチャート
【図5】スループットに関連する他の例示的なチャート
【図6】確率密度関数(PDF:probability density function)に関連する例示的なチャート
【図7】スループットに関連する更に他の例示的なチャート
【図8】図3の例示的な基地局が構成され得る1つの方法を表すフローチャート
【図9】図3の例示的な基地局を実装するために使用され得る例示的なプロセッサシステムを表すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施例は、添付図面と共に以下の詳細な説明により容易に理解できる。この説明を容易にするために、同様の参照符号は同様の構成要素を示す。本発明の実施例は、添付図面の図面に一例として示されており、限定として示されているのではない。
【0007】
以下の詳細な説明では、この一部を形成する添付図面に参照が行われる。添付図面において、同様の参照符号は同様の部分を示し、本発明が実施され得る実施例が一例として示されている。他の実施例が利用されてもよく、本発明の範囲を逸脱することなく構造的又は論理的な変更が行われてもよいことがわかる。従って、以下の詳細な説明は限定の意味で受け取られるべきではなく、本発明による実施例の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物により定められる。
【0008】
様々な動作は、本発明の実施例を理解する際に有用になり得るように、順に複数の異なる動作として記載されているが、説明の順序は、これらの動作が順序に依存することを示すように解釈されるべきではない。
【0009】
本発明の目的で、“A/B”はA又はBを意味する。本発明の目的で、“A及び/又はB”は、“(A)、(B)又は(A及びB)”を意味する。本発明の目的で、“A、B及びCのうち少なくとも1つ”は“(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B及びC)”を意味する。本発明の目的で、“(A)B”は“(B)又は(AB)”、すなわち、Aが任意選択の要素であることを意味する。
【0010】
この説明は、“実施例で”という用語を使用することがあり、これは、1つ以上の同じ又は異なる実施例を示してもよい。更に、本発明の実施例に関して使用される“有する”、“含む”、“持つ”等の用語は、同義語である。
【0011】
本発明の実施例は、MIMO(multiple-input-multiple-output)システムのパワーローディング及び変調選択システム及び方法を提供する。
【0012】
図1を参照すると、本発明の様々な実施例による例示的な無線通信システム100は、一般的に110、120及び130として示される1つ以上の無線通信ネットワークを含んでもよい。特に、無線通信システム100は、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)110と、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)120と、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)130とを含んでもよい。図1は3つの無線通信ネットワークを示しているが、無線通信システム100は、更なる又は少ない無線通信ネットワークを含んでもよい。例えば、無線通信ネットワーク100は、更なるWPAN、WLAN及び/又はWMANを含んでもよい。ここに記載される方法及び装置はこの点に限定されない。
【0013】
無線通信システム100はまた、一般的に140、142、144、146及び148として示される1つ以上の加入者局を含んでもよい。例えば、加入者局140、142、144、146及び148は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ、セルラ電話、ページャ、オーディオ及び/又はビデオプレイヤ(例えば、MP3プレイヤ又はDVDプレイヤ)、ゲーム装置、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ナビゲーション装置(例えば、GPS装置)、無線周辺装置(例えば、プリンタ、スキャナ、ヘッドセット、キーボード、マウス等)、医療装置(例えば、心拍数モニタ、血圧モニタ等)、及び/又は他の適切な固定型、携帯型又は移動型電子装置のような無線電子装置を含んでもよい。図1は5つの加入者局を示しているが、無線通信システム100は、より多い又は少ない加入者局を含んでもよい。
【0014】
加入者局140、142、144、146及び148は、無線リンクを介して通信するために、スペクトル拡散変調(例えば、DS-CDMA(direct sequence code division multiple access)及び/又はFH-CDMA(frequency hopping code division multiple access))、時分割多重(TDM:time-division multiplexing)変調、周波数分割多重(FDM:frequency-division multiplexing)変調、直交周波数分割多重(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexing)変調、マルチキャリア変調(MDM:multi-carrier modulation)、及び/又は他の適切な変調技術のような様々な変調技術を使用してもよい。一例では、ラップトップコンピュータ140は、WPAN110を実施するために、Bluetooth(登録商標)、UWB(ultra-wide band)及び/又はRFID(radio frequency identification)のような非常に低い電力を必要とする適切な無線通信プロトコルに従って動作してもよい。特に、ラップトップコンピュータ140は、無線リンクを介してビデオカメラ142及び/又はプリンタ144のようなWPAN110に関連する装置と通信してもよい。
【0015】
他の例では、ラップトップコンピュータ140は、WLAN120(例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)により開発されている標準の802.11ファミリー及び/又はこれらの標準の変形及び進展)を実施するために、DSSS(direct sequence spread spectrum)変調及び/又はFHSS(frequency hopping spread spectrum)変調を使用してもよい。例えば、ラップトップコンピュータ140は、無線リンクを介してプリンタ144、ハンドヘルドコンピュータ146及び/又はスマートフォン148のようなWLAN120に関連する装置と通信してもよい。ラップトップコンピュータ140はまた、無線リンクを介してアクセスポイント(AP:access point)150と通信してもよい。AP150は、以下に詳細に説明するように、ルータ152に動作可能に結合されてもよい。代替として、AP150及びルータ152は、単一の装置(例えば、無線ルータ)に統合されてもよい。
【0016】
ラップトップコンピュータ140は、無線周波数信号を複数の小さい下位信号に分割することにより、大量のデジタルデータを送信するためにOFDM変調を使用してもよい。複数の小さい下位信号は、異なる周波数で同時に送信される。特に、ラップトップコンピュータ140は、WMAN130を実施するために、OFDM変調を使用してもよい。例えば、ラップトップコンピュータ140は、固定型、携帯型及び/又は移動型ブロードバンド無線アクセス(BWA:broadband wireless access)ネットワーク(例えば、IEEE標準802.16-2004(2004年9月18日公開)、IEEE標準802.16e(2006年2月28日公開)、IEEE標準802.16f(2005年12月1日公開)等)を提供するために、IEEEにより開発された標準の802.16ファミリーに従って動作し、無線リンクを介して一般的に160、162及び164として示される基地局と通信してもよい。
【0017】
前記の例のいくつかは、IEEEにより開発された標準に関して記載されているが、ここに開示された方法及び装置は、他の分科会及び/又は標準開発組織(例えば、Wi-Fi(Wireless Fidelity)アライアンス、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)フォーラム、IrDA(Infrared Data Association)、3GPP(Third Generation Partnership Project)等)により開発された多くの仕様及び/又は標準に容易に適用可能である。ここに記載された方法及び装置はこの点に限定されない。
【0018】
WLAN120及びWMAN130は、Ethernet(登録商標)、DSL(digital subscriber line)、電話回線、同軸ケーブル、及び/又は他の無線通信等への接続を介して、Internet、電話ネットワーク(例えば、PSTN(public switched telephone network)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ケーブルネットワーク、及び/又は他の無線ネットワークのような一般的な公衆又はプライベートネットワーク170に動作可能に結合されてもよい。一例では、WLAN120は、AP150及び/又はルータ152を介して、一般的な公衆又はプライベートネットワーク170に動作可能に結合されてもよい。他の例では、WMAN130は、基地局160、162及び/又は164を介して一般的な公衆又はプライベートネットワーク170に動作可能に結合されてもよい。
【0019】
無線通信システム100は、他の適切な無線通信ネットワークを含んでもよい。例えば、無線通信システム100は、無線広域ネットワーク(WWAN)(図示せず)を含んでもよい。ラップトップコンピュータ140は、WWANをサポートするために、他の無線通信プロトコルに従って動作してもよい。特に、これらの無線通信プロトコルは、GSM(Global System for Mobile Communications)技術、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)技術、GPRS(General Packet Radio Services)技術、EDGE(Enhanced Data GSM Environment)技術、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)技術、3GPP(Third Generation Partnership Project)技術のようなアナログ、デジタル及び/又はデュアルモード通信システム技術に基づいてもよく、これらの技術に基づく標準、これらの標準の変形及び進展、及び/又は他の適切な無線通信標準に基づいてもよい。図1は、WPAN、WLAN及びWMANを示しているが、無線通信システム100は、WPAN、WLAN、WMAN及び/又はWWANの他の組み合わせを含んでもよい。ここに記載された方法及び装置はこの点に限定されない。
【0020】
無線通信システム100は、セルラ電話システム、衛星システム、パーソナル通信システム(PCS:personal communication system)、双方向無線システム、片方向ページャシステム、双方向ページャシステム、パーソナルコンピュータ(PC)システム、携帯情報端末(PDA)システム、パーソナルコンピュータアクセサリ(PCA:personal computing accessory)システム、及び/又は他の適切な通信システムを実施するために、ネットワークインタフェース装置及び周辺装置(例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC:network interface card))、アクセスポイント(AP)、再分配ポイント、エンドポイント、ゲートウェイ、ブリッジ、ハブ等のような他のWPAN、WLAN、WMAN及び/又はWWAN装置(図示せず)を含んでもよい。特定の例について前述したが、この開示の対象範囲はこれに限定されない。
【0021】
図2を参照すると、本発明の様々な実施例による例示的な無線MIMOシステム200は、基地局210と、一般的に220及び225として示される1つ以上の加入者局とを含んでもよい。無線MIMOシステム200は、ポイントツーポイントMIMOシステム及び/又はポイントツーマルチポイントMIMOシステムを含んでもよい。例えば、ポイントツーポイントMIMOシステムは、基地局210と加入者局220とを含んでもよい。ポイントツーマルチポイントMIMOシステムは、基地局210と加入者局225とを含んでもよい。基地局210は、加入者局220、225にデータストリームを同時に送信してもよい。例えば、基地局310は、2つのデータストリームを加入者局220に送信し、1つのデータストリームを加入者局225に送信してもよい。図2は1つの加入者局を示し得るが、MIMOシステム200は、更なる加入者局を含んでもよい。
【0022】
基地局210は、一般的に252、254、256及び258として示される4つの送信アンテナ250で2つ以上のデータストリームを送信してもよい。図2は4つの送信アンテナを示しているが、基地局210は、更なる又は少ない送信アンテナを含んでもよい。ここに記載された方法及び装置はこの点に限定されない。
【0023】
図3の例では、基地局300は、ネットワークインタフェース装置(NID:network interface device)340と、プロセッサ350と、メモリ360とを含んでもよい。NID340、プロセッサ350及びメモリ360は、バス370を介して相互に動作可能に結合されてもよい。図3は、バス370を介して相互に結合する基地局300の構成要素を示しているが、これらの構成要素は、他の適切な直接又は間接の接続(例えば、ポイントツーポイント接続又はポイントツーマルチポイント接続)を介して相互に動作可能に結合されてもよい。
【0024】
NID340は、受信機342と、送信機344と、アンテナ346とを含んでもよい。基地局300は、それぞれ受信機342及び送信機344を介してデータを受信及び/又は送信してもよい。アンテナ346は、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、及び/又は無線周波数(RF:radio frequency)信号の送信に適した他の種類のアンテナのような1つ以上の指向性又は無指向性アンテナを含んでもよい。図3は単一のアンテナを示しているが、基地局300は、更なるアンテナを含んでもよい。例えば、基地局300は、MIMO(multiple-input-multiple-output)システムを実施するために、複数のアンテナを含んでもよい。
【0025】
図3に示す構成要素は基地局300内の別々のブロックとして示されているが、これらのブロックにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合されてもよく、2つ以上の別の集積回路を使用して実装されてもよい。例えば、受信機342及び送信機344は、NID340内の別々のブロックとして示されているが、受信機342は、送信機344に統合されてもよい(例えば、トランシーバ)。ここに記載された方法及び装置はこの点に限定されない。
【0026】
一般的に、図4は、様々な実施例によるハイブリッド自動再送要求(H-ARQ:hybrid automatic repeat request)を備えたMIMOシステムのスループットの例を示している。実線の黒色の曲線は開ループについてである。他の実線の曲線は、適応ビットローディング(ABL:adaptive bit loading)を備えた閉ループについてである。点線の曲線は、適応ビットローディングのない(すなわち、一定ビットローディング(UBL:uniform bit loading))閉ループについてである。括弧内の数は、サブキャリア毎にストリームにかかるビット数である。
【0027】
一般的に、図5は、様々な実施例によるH-ARQを備えたMIMOシステムのスループットの他の例を示している。実線の曲線は適応ビットローディング(ABL)及び適応パワーローディングを備えた開ループについてである。点線の曲線は、適応ビットローディングを備えるが適応パワーローディングのない閉ループについてである。括弧内の数は、サブキャリア毎にストリームにかかるビット数である。
【0028】
ビームフォーミングされた空間チャネルを通じた適応ビットローディング及び適応パワーローディング(又はパワーウォーターフィリング(power water filling))は、図4及び5に示すようなMIMOシステムの性能を改善し得る。ビット及びパワーローディングは、チャネルのチャネル利得と各チャネルでの雑音及び干渉レベルとにより決定されてもよい。特異値分解(SVD:singular value decomposition)のビームフォーミングされたMIMOでは、空間チャネルを通じた干渉は、一般的に低減され、無視され得る。熱雑音レベルは、KTB式(ただし、KはBoltzmanの定数であり、Tはケルビン温度であり、BはHzでの信号帯域幅である)と雑音指数(例えば1〜5dB)とを使用して推定されてもよい。各チャネルの利得(又は同等に信号対雑音及び干渉比(SINR:signal to noise plus interference ratio))は、通常ではフィードバックを必要とする。しかし、フィードバックチャネルは、一般的にWMANでは高コストである。従って、フィードバックのオーバーヘッドを低減することが望ましい。一般的には、時分割双方向(TDD:time division duplex)システムでは、フィードバックチャネルは、下りリンクと上りリンクとの間で相反する。基地局は、下りリンクチャネルを推定するために、上りリンクトラヒック又はチャネルトレーニングを使用してもよい。このことは、チャネルフィードバックを節約する。しかし、チャネルの相反性は、周波数分割双方向(FDD:frequency division duplex)システムでは存在しない。
【0029】
一般的に、図6は、IEEE802.11nモデルのB LOS(Line Of Sight)について、4×1、4×2、4×3及び4×4のアンテナ構成でのMIMOチャネル行列の特異値のPDFを示している。
【0030】
本発明の様々な実施例によれば、MIMOのチャネル行列は一般的にランダムであるが、チャネル行列の特異値(すなわち、ビームフォーミングされたチャネルの利得)は、一般的にチャネル行列エントリのものより狭い確率密度関数(PDF)を有する。図6に示し得るように、アンテナ数が増加すると、PDFは狭くなる。PDFが狭いほど、容易にランダムな変数が推定され得る。強い特異値は、一般的に弱い特異値より狭いPDFを有する。強い特異値は、通常は使用可能な空間チャネルに対応する。換言すると、特異値は、行列エントリより推定するのが容易であり、使用可能なチャネルの利得は、使用不可能なチャネルより推定するのが容易である。更に、アンテナ間の相関関係も、特異値のPDFを狭くし、推定を比較的容易にする。チャネル統計(例えば、チャネル行列エントリの電力レベル及びアンテナの相関関係)は、上りリンク及び下りリンクについて同じである又は同じになる傾向にあるため、基地局は、下りリンクの瞬時特異値の推定として上りリンクの特異値の平均を使用してもよい。平均は周波数及び/又は時間で計算されてもよい。様々な実施例によれば、ビームフォーミングされたチャネルのチャネル利得が推定された後に、基地局は、データを送信するために使用可能なチャネルを選択してもよく、選択されたチャネルの変調及び電力レベルを決定してもよい。様々な実施例によるこのような方式の性能が図4及び5に示されている。
【0031】
本発明の様々な実施例によれば、雑音及び干渉レベルの推定は、通常のチャネル品質(CQI)フィードバックにより改善され得る。CQIフィードバックは、3G及びWiMAXで一般的に使用されている。平均を推定するために使用されるチャネルサンプルの集合は、システムの動作に従うべきである。様々な実施例によれば、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システムでマルチユーザダイバーシチが使用される場合、加入者局は、周波数(及び時間)を通じてチャネル品質をソートし、基地局がデータを送信するために最善のチャネルを使用することを要求する。例えば、全体周波数帯域が連続するサブキャリアのチャンク(chunk)に分割され、加入者局は、最善の3つのチャンクのインデックス及びこれらのビームフォーミング行列をフィードバックする。様々な実施例によれば、基地局は、データを送信するために、フィードバックされたチャンクのいくつかを使用してもよい。フィードバックされたチャネルはソートされるため、基地局はまた、同じパラメータ(例えば、チャンクサイズ及び合計帯域幅)で上りリンクチャネルをソートしてもよい。推定は、ソートされたチャネルサンプルで行われてもよい。要するに、上りリンクからの基地局の行列サンプルの集合は、下りリンクで最終的に使用される行列にできるだけ近くなるべきである。収集された行列は、使用する前に転置されてもよい。転置は、下りリンクチャネルと上りリンクチャネルとの間の非対称性を反映する。
【0032】
本発明の様々な実施例によれば、下りリンクチャネルパラメータを推定するために上りリンクチャネルを使用するという概念は、ビームフォーミングされないMIMOにも拡張され得る。例えば、PARC(per antenna rate control)モードは送信ビームフォーミングを使用しなくてもよいが、各送信アンテナでビット(及びパワー)ローディングを使用してもよい。通常のPARCモードでは、加入者局が各データストリームのチャネル品質又は各送信アンテナのビットローディング情報をフィードバックすることを必要とする。この場合、1つの送信アンテナが1つのデータストリームを送信する。変更されたPARCモードでは、データストリームは、複数の送信アンテナにより形成された空間チャネルにより送信されてもよい。復調方式は、通常では最小平均二乗誤差(MMSE:minimum mean-square error)プラス連続キャンセレーション(successive cancellation)である。復調方式が基地局で分かる場合、基地局は、PARCについて下りリンクで使用されるものと同じ又は同様の統計を備えた上りリンクのチャネル行列を収集してもよく、同じ復調方式を使用して受信機で見られる各データストリームのチャネル品質を推定してもよい。推定が完了すると、基地局は、何個のストリームが使用されており、各ストリームの変調及び符号化方式が何であるべきかを決定してもよい。推定は一般的に正確ではないが、依然として瞬時のランダムな下りリンクチャネルについての情報を提供する。このことは、加入者局から必要なフィードバックのオーバーヘッドを低減し得る。例えば、加入者局は、平均を使用した推定を正確にするために差分情報を提供しさえすればよい。
【0033】
PARCモードに加えて、この概念は、様々な実施例に従って開ループモードにより使用されてもよい。例えば、基地局は、上りリンクからのチャネル品質を推定し、下りリンクのデータストリーム数及び変調/符号化方式を決定してもよい。データストリーム数は、一般的にアンテナの相関関係と各ストリームのSINRとに依存する。SINRは、一般的に受信信号電力(又はパスロス)と復調方式とに依存する。復調方式がわかる場合又は推定される場合、SINRは、上りリンクチャネルサンプルを使用して推定され得る。SINRが推定された後に、使用可能なストリーム数、変調、符号化方式、及びストリームの電力レベルが決定されてもよい。
【0034】
チャネル品質又は特異値の平均に加えて、例えば分散のような他の統計も有用になることがあり、様々な実施例に従って推定されてもよい。この情報は、選択されたパワー及びビットローディングのマージンを設定するために使用されてもよい。例えば、分散が大きくて推定が信頼できないため、基地局は、選択されたチャネルで平均から計算されたものより低いビットローディング方式を使用してもよい。平均を計算する複数の方法が存在してもよい。例えば、
【0035】
【数1】

でもよく、
【0036】
【数2】

でもよい。
【0037】
使用可能なチャネル数Kが推定されると、本発明の様々な実施例に従って、基地局は、全てのチャネルの代わりに最も強いKのチャネルのみについて、情報(ビームフォーミング行列又はSINR)をフィードバックするように加入者局に動的に求めてもよい。このことは、(閉ループ)MIMOのフィードバックのオーバーヘッドを一般的に低減する。更に、全てのチャネルの代わりに最も強い数個のチャネルに送信電力を入れることは、低いSNR領域で性能をかなり改善し得る。これが図7でわかる。従って、チャネル数の選択は、それ自体で推定の重要な用途になる。
【0038】
様々な実施例によれば、加入者局の上りリンクからの推定はまた、下りリンク送信をスケジューリングするために基地局にも役立つ。例えば、基地局は、良好なチャネル品質を備えた加入者局を選択して最初にサービス提供し、悪化したものが良好に変化する(シャドウフェージングから出る)のを待機してもよい。この種類のスケジューリングは、一般的にマルチユーザダイバーシチと呼ばれる。上りリンク推定は、マルチユーザダイバーシチスケジューリングを容易にし得る。
【0039】
一般的に、図7は、様々な実施例に従って使用可能なチャネル数を決定するランク制御を示している。凡例1及び3の曲線は、それぞれ2つ及び3つのチャネルを使用するが、同じ最大スループットを有する。凡例1は凡例3より良好に動作する。同様に、凡例2は凡例4を凌ぐ。
【0040】
本発明の様々な実施例による例示的な擬似コードは以下のようになってもよい。
【0041】
1.基地局は、下りリンクで使用されるモードに従って上りリンクチャネルを収集する。収集されたチャネルは転置され、下りリンクから収集されたチャネルとして扱われる。
【0042】
2.各空間チャネル又はデータストリームのチャネル品質の平均及び分散を計算する。
【0043】
3.使用可能なストリーム又は空間チャネル、ビットローディング、パワーローディング、及び使用可能なチャネル又はストリームを併せたものでの符号化方式を決定する。
【0044】
4.送信する加入者局を選択する。
【0045】
5.決定されたパラメータを使用して下りリンク送信を行う。
【0046】
一般的に、様々な実施例に従って、加入者局では、復調のためにそれぞれパワーローディングされたチャネルの電力を知る必要がある。基地局は、チャネルトレーニングシンボルを使用して加入者局にパワーローディングを伝達してもよい。トレーニングシンボルは、OFDMAシステムのユーザに専用でもよい。一般的にローディングは専用のパイロットにあるため、他のユーザのチャネル推定に影響を及ぼさない。専用のパイロットは、ビームフォーミングされた空間チャネルで送信されてもよい。専用のパイロットに加えて、電力レベルは、制御チャネル又はブロードキャストチャネルで指定されてもよい。これにより、受信機は、パワーローディングされたデータシンボルとパワーローディングされていないチャネルトレーニングシンボル(例えば、パイロット)との間の電力レベル差について知る。
【0047】
本発明の様々な実施例によれば、図8は、基地局300がパワーローディング及び変調選択システムを提供するように構成され得る1つの方法を示している。図8の例示的な処理800は、揮発性若しくは不揮発性メモリ又は他の大容量記憶装置(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD及びDVD)のような機械アクセス可能媒体のいずれかの組み合わせに格納された多くの異なるプログラムコードのいずれかを利用した機械アクセス可能命令として実装されてもよい。例えば、機械アクセス可能命令は、プログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気媒体、光学媒体、及び/又は他の適切な種類の媒体のような機械アクセス可能媒体に具現されてもよい。
【0048】
更に、特定の順序の動作が図8に示されているが、これらの動作は、他の時間的順序で実行されてもよい。この場合も同様に、例示的な処理800は、パワーローディング及び変調選択システムを提供する一例として、単に図2及び3のシステム及び装置に関して提供及び記載されている。
【0049】
図8の例では、処理800は、基地局300(図3)が下りリンクで使用されるモードに従って上りリンクチャネル情報を収集すること(ブロック810)で始まってもよい。収集された上りリンクチャネル情報に少なくとも部分的に基づいて、基地局300は、各空間チャネル及び/又はデータストリームのチャネル品質情報を計算してもよい(ブロック820)。例えば、基地局は、各空間チャネル及び/又はデータストリームのチャネル品質の平均及び/又は分散を計算してもよい。チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、基地局300は、1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定してもよい(ブロック830)。下りリンクチャネルパラメータは、使用可能なデータストリーム数、使用可能な空間チャネル数、ビットローディング、パワーローディング、符号化方式、及び/又は他の適切なパラメータを含んでもよい。基地局300は、1つ以上の下りリンクチャネルパラメータに少なくとも部分的に基づいて、送信する1つ以上の加入者局を選択してもよい(ブロック840)。従って、基地局300は、下りリンクチャネルパラメータに基づいて1つ以上の加入者局(例えば、加入者局220及び/又は225)と通信してもよい(ブロック850)。ここに記載された方法及び装置はこの点に限定されない。
【0050】
一般的に、ここに記載された方法及び装置は、下りリンクチャネルのパラメータを推定するために上りリンクチャネルを使用してもよい。これは、MIMOシステムでのパワー及びビットローディングのフィードバックのオーバーヘッドを低減する。ここに記載された方法及び装置はこの点に限定されない。
【0051】
ここに記載された方法及び装置は、LTE(Long Term Evolution)についての3GPP(Third Generation Partnership Project)に関連してもよいが、ここに記載された方法及び装置は、他の適切な無線技術、プロトコル及び/又は標準に容易に適用され得る。ここに記載された方法及び装置はこの点に限定されない。
【0052】
図9は、ここに開示された方法及び装置を実施するように適合された例示的なプロセッサシステム2000のブロック図である。プロセッサシステム2000は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、サーバ、インターネット装置、基地局、アクセスポイント、及び/又は他の種類の計算装置でもよい。
【0053】
図9に示すプロセッサシステム2000は、チップセット2010を含む。チップセット2010は、メモリコントローラ2012と、入出力(I/O)コントローラ2014とを含む。チップセット2010は、メモリ及びI/O管理機能を提供し、プロセッサ2020によりアクセス可能又は使用可能な複数の汎用及び/又は特殊用途レジスタ、タイマ等を提供し得る。様々な実施例では、チップセット2010のI/Oコントローラ2014は、前述の本発明の教示の全て又は一部を有する。プロセッサ2020は、1つ以上のプロセッサ、WLAN構成要素、WMAN構成要素、WWAN構成要素、及び/又は他の適切な処理構成要素を使用して実装されてもよい。例えば、プロセッサ2020は、Intel Pentium(登録商標)テクノロジー、Intel Itaniumテクノロジー、Intel Centrinoテクノロジー、Intel Xeonテクノロジー、及び/又はIntel XScaleテクノロジーのうち1つ以上を使用して実装されてもよい。代替として、他の処理技術がプロセッサ2020を実装するために使用されてもよい。プロセッサ2020は、キャッシュ2020を含んでもよい。キャッシュ2022は、第1レベルの統合キャッシュ(L1)、第2レベルの統合キャッシュ(L2)、第3レベルの統合キャッシュ(L3)、及び/又はデータを格納する他の適切な構成を使用して実装されてもよい。
【0054】
メモリコントローラ2012は、プロセッサ2020がバス2040を介して揮発性メモリ2032と不揮発性メモリ2034とを含むメインメモリ2030にアクセスして通信することを可能にする機能を実行してもよい。揮発性メモリ2032は、シンクロナス・ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)、及び/又は他の種類のランダムアクセスメモリ装置により実装されてもよい。不揮発性メモリ2034は、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、及び/又は他の所望の種類のメモリ装置を使用して実装されてもよい。
【0055】
プロセッサシステム2000はまた、バス2040に結合されたインタフェース回路2050を含んでもよい。インタフェース回路2050は、Ethernet(登録商標)インタフェース、USB(universal serial bus)、第3世代入出力インタフェース(3GIO)インタフェース、及び/又は他の適切な種類のインタフェースのような如何なる種類のインタフェース標準を使用して実装されてもよい。様々な実施例では、インタフェース回路2050は、前述の本発明の教示の全て又は一部を有してもよい。
【0056】
1つ以上の入力装置2060は、インタフェース回路2050に接続されてもよい。入力装置2060は、個人がデータ及びコマンドをプロセッサ2020に入力することを可能にする。例えば、入力装置2060は、キーボード、マウス、タッチセンシティブ・ディスプレイ、トラックパッド、トラックボール、isopoint、及び/又は音声認識システムにより実装されてもよい。
【0057】
1つ以上の出力装置2070はまた、インタフェース回路2050に接続されてもよい。例えば、出力装置2070は、ディスプレイ装置(例えば、発光ディスプレイ(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)ディスプレイ、プリンタ及び/又はスピーカ)により実装されてもよい。インタフェース回路2050は、特に、グラフィックドライバカードを含んでもよい。
【0058】
プロセッサシステム2000はまた、ソフトウェアとデータとを格納するための1つ以上の大容量記憶装置2080を含んでもよい。このような大容量記憶装置2080の例は、フロッピー(登録商標)ディスク及びドライブと、ハードディスクドライブと、コンパクトディスク及びドライブと、デジタル多用途ディスク(DVD)及びドライブとを含む。
【0059】
インタフェース回路2050はまた、ネットワークを介して外部コンピュータとデータ通信を容易にするために、モデム又はネットワークインタフェースカードのような通信装置を含んでもよい。プロセッサシステム2000とネットワークとの間の通信リンクは、Ethernet(登録商標)接続、デジタル加入者線(DSL)、電話回線、セルラ電話システム、同軸ケーブル等のような如何なる種類のネットワーク接続でもよい。
【0060】
入力装置2060、出力装置2070、大容量記憶装置2080及び/又はネットワークへのアクセスは、I/Oコントローラ2014により制御されてもよい。特に、I/Oコントローラ2014は、プロセッサ2020がバス2040及びインタフェース回路2050を介して入力装置2060、出力装置2070、大容量記憶装置2080及び/又はネットワークと通信することを可能にする機能を実行してもよい。
【0061】
図9に示す構成要素は、プロセッサシステム2000内の別々のブロックとして示されているが、これらのブロックのいくつかにより実行される機能は、単一の半導体回路内に統合されてもよく、2つ以上の別々の集積回路を使用して実装されてもよい。例えば、メモリコントローラ2012及びI/Oコントローラ2014はチップセット2010内の別々のブロックとして示されているが、メモリコントローラ2012及びI/Oコントローラ2014は、単一の半導体回路内に統合されてもよい。
【0062】
好ましい実施例の説明の目的で特定の実施例について図示及び説明したが、同じ目的を実現するように計算された広範囲の代替の及び/又は等価な実施例又は実装が、本発明の範囲を逸脱することなく図示及び記載の実施例に代用されてもよいことが、当業者にわかる。当業者は、本発明による実施例が非常に広範囲の方法で実装されてもよいことを容易にわかる。この用途は、ここで説明した実施例のいずれかの適合又は変形をカバーすることを意図する。従って、本発明による実施例は、特許請求の範囲及びその均等物のみによって限定されることを明白に意図する。
【0063】
以上の実施例に関し、更に、以下の項目を開示する。
【0064】
(1)送信局により、少なくとも1つの受信局と通信するために使用されるMIMO(multiple-input-multiple-output)システムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集し、
前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に少なくとも部分的に基づいて、複数の下りリンクチャネルのチャネル品質情報を計算し、
前記チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の前記下りリンクチャネルを介して前記少なくとも1つの受信局に信号を送信するために前記送信局により使用される1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定することを有する方法。
【0065】
(2)前記送信局が、送信する少なくとも1つの受信局を選択し、前記下りリンクチャネルパラメータに基づいて、1つ以上の下りリンクチャネルを介して前記選択された少なくとも1つの受信局と通信することを更に有する、(1)に記載の方法。
【0066】
(3)MIMOシステムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集することは、前記送信局により、複数の連続するサブキャリアに分割された周波数帯域の少なくとも1つの部分の品質に関する少なくとも1つのインデックスと前記少なくとも1つの部分のビームフォーミング行列とを、前記少なくとも1つの受信局から受信することを有する、(1)に記載の方法。
【0067】
(4)1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定することは、データストリーム数、1つ以上の変調/符号化方式、データストリームのビットローディング又はパワーローディングのうち少なくとも1つを決定することを有する、(1)に記載の方法。
【0068】
(5)情報を収集することは、空間チャネル及び/又はデータストリームのチャネル品質を収集することを有し、
前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に基づいてチャネル品質情報を計算することは、前記空間チャネル及び/又はデータストリームのぞれぞれのチャネル品質の平均及び/又は分散のうち少なくとも1つを計算することを有する、(1)に記載の方法。
【0069】
(6)
チャネル品質情報を計算することは、使用可能なチャネル数を推定することを有し、
前記方法は、前記推定された使用可能なチャネルのうち比較的強いチャネルのサブセットのみについてフィードバックされた情報を、前記少なくとも1つの受信局から受信することを更に有する、(5)に記載の方法。
【0070】
(7)前記フィードバックされた情報は、ビームフォーミング行列又は信号対雑音及び干渉比(SINR)とのうち少なくとも1つを有する、(6)に記載の方法。
【0071】
(8)受信局と通信するために装置をホストする送信局により使用されるMIMO(multiple-input-multiple-output)システムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集するように適合された受信ブロックと、
前記受信ブロックに結合され、前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に少なくとも部分的に基づいて、複数の下りリンクチャネルのチャネル品質情報を計算し、前記チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の前記下りリンクチャネルを介して前記受信局と通信するために前記送信局により使用される1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定するように適合された計算ブロックと
を有する装置。
【0072】
(9)前記計算ブロックと結合され、前記下りリンクチャネルパラメータに基づいて、1つ以上の下りリンクチャネルを介して前記受信局と通信するように適合された送信ブロックを更に有する、(8)に記載の装置。
【0073】
(10)前記送信ブロック及び前記受信ブロックは、少なくとも1つの共通の構成要素を有するトランシーバの一部であり、
前記装置はチップセットである、(9)に記載の装置。
【0074】
(11)前記計算ブロックは、データストリーム数、1つ以上の変調/符号化方式、データストリームのビットローディング又はパワーローディングのうち少なくとも1つを決定するように適合される、(8)に記載の装置。
【0075】
(12)収集された情報は、空間チャネル及び/又はデータストリームのチャネル品質を有し、
前記計算ブロックは、収集された空間チャネル及び/又はデータストリームのぞれぞれのチャネル品質の平均及び/又は分散のうち少なくとも1つを計算するように適合される、(8)に記載の装置。
【0076】
(13)前記計算ブロックは、使用可能なチャネル数を推定するように適合され、
前記受信ブロックは、前記推定された使用可能なチャネルのうち比較的強いチャネルのサブセットのみについてフィードバックされた情報を、前記受信局から受信するように更に適合される、(12)に記載の装置。
【0077】
(14)前記フィードバックされた情報は、ビームフォーミング行列又は信号対雑音及び干渉比(SINR)とのうち少なくとも1つを有する、(13)に記載の装置。
【0078】
(15)前記送信ブロック及び前記受信ブロックは、少なくとも1つの共通の構成要素を有するトランシーバの一部である、(13)に記載の装置。
【0079】
(16)記憶媒体と、
前記記憶媒体に格納された一式の命令と
を有する製造物であって、
前記一式の命令は、プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに対して、
加入者局と通信するために基地局により使用されるMIMO(multiple-input-multiple-output)システムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集し、
前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に少なくとも部分的に基づいて、複数の下りリンクチャネルのチャネル品質情報を計算し、
前記チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の前記下りリンクチャネルを介して前記加入者局と通信するために前記基地局により使用される1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定すること
を有する動作を実行させる製造物。
【0080】
(17)前記命令は、実行されたときに、前記プロセッサに対して更に、
送信する少なくとも1つの加入者局を選択させ、前記下りリンクチャネルパラメータに基づいて、1つ以上の下りリンクチャネルを介して前記加入者局と通信するために使用される前記基地局のトランシーバに前記下りリンクチャネルパラメータを提供させる、(16)に記載の製造物。
【0081】
(18)前記命令は、実行されたときに、前記プロセッサに対して、
複数の連続するサブキャリアに分割された周波数帯域の少なくとも1つの部分の品質に関する少なくとも1つのインデックスと前記少なくとも1つの部分のビームフォーミング行列とを、前記基地局のトランシーバを介して前記加入者局から受信させる、(16)に記載の製造物。
【0082】
(19)前記命令は、実行されたときに、前記プロセッサに対して更に、
収集された空間チャネル及び/又はデータストリームのぞれぞれのチャネル品質の平均及び/又は分散のうち少なくとも1つを計算させる、(16)に記載の製造物。
【0083】
(20)前記命令は、実行されたときに、前記プロセッサに対して、
使用可能なチャネル数を推定させることと、前記使用可能なチャネルについて1つ以上の変調若しくは符号化方式、ビットローディング、又はパワーローディングを決定させることとのうち少なくとも1つを実行させる、(16)に記載の製造物。
【0084】
(21)無指向性アンテナと、
前記無指向性アンテナに結合された装置と
を有するシステムであって、
前記装置は、
他のシステムと通信するために前記システムにより使用されるMIMO(multiple-input-multiple-output)システムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集するように適合された受信ブロックと、
前記受信ブロックに結合され、前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に少なくとも部分的に基づいて、複数の下りリンクチャネルのチャネル品質情報を計算し、前記チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、前記下りリンクチャネルで他のシステムと通信するために前記システムにより使用される1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定するように適合された計算ブロックと
を有するシステム。
【0085】
(22)前記装置は、前記計算ブロックと結合され、前記下りリンクチャネルパラメータに基づいて、前記システムが1つ以上の下りリンクチャネルを介して他のシステムと通信することを容易にするように適合された送信ブロックを更に有する、(21)に記載のシステム。
【0086】
(23)前記送信ブロック及び前記受信ブロックは、少なくとも1つの共通の構成要素を有するトランシーバの一部である、(22)に記載のシステム。
【0087】
(24)前記計算ブロックは、データストリーム数と、データストリームの1つ以上の変調/符号化方式とを決定するように適合される、(21)に記載のシステム。
【0088】
(25)収集された情報は、空間チャネル及び/又はデータストリームのチャネル品質を有し、
前記計算ブロックは、収集された空間チャネル及び/又はデータストリームのぞれぞれのチャネル品質の平均及び/又は分散のうち少なくとも1つを計算するように適合される、(21)に記載のシステム。
【0089】
(26)前記計算ブロックは、使用可能なチャネル数を推定するように適合され、
前記受信ブロックは、前記推定された使用可能なチャネルのうち比較的強いチャネルのサブセットのみについてフィードバックされた情報を、他のシステムから受信するように更に適合される、(25)に記載のシステム。
【0090】
(27)前記フィードバックされた情報は、ビームフォーミング行列又は信号対雑音及び干渉比(SINR)とのうち少なくとも1つを有する、(26)に記載のシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信局により、少なくとも1つの受信局と通信するために使用されるMIMO(multiple-input-multiple-output)システムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集し、前記情報を収集することは、空間チャネル及び/又はデータストリームのチャネル品質を収集することを有し、
前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に少なくとも部分的に基づいて、使用可能なチャネル数を推定することにより、複数の下りリンクチャネルのチャネル品質情報を計算し、
前記チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の前記下りリンクチャネルを介して前記少なくとも1つの受信局に信号を送信するために前記送信局により使用される1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定し、
前記送信局により、前記推定された使用可能なチャネルのうち比較的強いチャネルのサブセットのみについてのフィードバック情報を、前記少なくとも1つの受信局から受信することを有する方法。
【請求項2】
前記送信局が、送信する少なくとも1つの受信局を選択し、前記下りリンクチャネルパラメータに基づいて、1つ以上の下りリンクチャネルを介して前記選択された少なくとも1つの受信局と通信することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定することは、データストリーム数、1つ以上の変調/符号化方式、データストリームのビットローディング又はパワーローディングのうち少なくとも1つを決定することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フィードバック情報は、ビームフォーミング行列又は信号対雑音及び干渉比(SINR)のうち少なくとも1つを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
受信局と通信するために装置をホストする送信局により使用されるMIMO(multiple-input-multiple-output)システムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集するように構成された受信ブロックであり、前記情報は、空間チャネル及び/又はデータストリームのチャネル品質を収集することにより収集される受信ブロックと、
前記受信ブロックに結合され、前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に少なくとも部分的に基づいて、使用可能なチャネル数を推定することにより、複数の下りリンクチャネルのチャネル品質情報を計算し、前記チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の前記下りリンクチャネルを介して前記受信局と通信するために前記送信局により使用される1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定するように構成された計算ブロックと
を有し、
前記受信ブロックは、前記推定された使用可能なチャネルのうち比較的強いチャネルのサブセットのみについてのフィードバック情報を受信するように更に構成される装置。
【請求項6】
前記計算ブロックと結合され、前記下りリンクチャネルパラメータに基づいて、1つ以上の下りリンクチャネルを介して前記受信局と通信するように構成された送信ブロックを更に有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記送信ブロック及び前記受信ブロックは、少なくとも1つの共通の構成要素を有するトランシーバの一部であり、
前記装置はチップセットである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記計算ブロックは、データストリーム数、1つ以上の変調/符号化方式、データストリームのビットローディング又はパワーローディングのうち少なくとも1つを決定するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記フィードバック情報は、ビームフォーミング行列又は信号対雑音及び干渉比(SINR)のうち少なくとも1つを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
記憶媒体と、
前記記憶媒体に格納された一式の命令と
を有する製造物であって、
前記一式の命令は、プロセッサにより実行されたときに、前記プロセッサに対して、
加入者局と通信するために基地局により使用されるMIMO(multiple-input-multiple-output)システムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集し、前記情報は、空間チャネル及び/又はデータストリームのチャネル品質を収集することにより収集され、
前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に少なくとも部分的に基づいて、使用可能なチャネル数を推定することにより、複数の下りリンクチャネルのチャネル品質情報を計算し、
前記チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の下りリンクチャネルを介して前記加入者局と通信するために前記基地局により使用される1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定し、
前記基地局により、前記推定された使用可能なチャネルのうち比較的強いチャネルのサブセットのみについてのフィードバック情報を、前記加入者局から受信すること
を有する動作を実行させる製造物。
【請求項11】
前記命令は、実行されたときに、前記プロセッサに対して更に、
送信する少なくとも1つの加入者局を選択させ、前記下りリンクチャネルパラメータに基づいて、1つ以上の下りリンクチャネルを介して前記加入者局と通信するために使用される前記基地局のトランシーバに前記下りリンクチャネルパラメータを提供させる、請求項10に記載の製造物。
【請求項12】
無指向性アンテナと、
前記無指向性アンテナに結合された装置と
を有するシステムであって、
前記装置は、
他のシステムと通信するために前記システムにより使用されるMIMO(multiple-input-multiple-output)システムの1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報を収集するように構成された受信ブロックであり、前記情報は、空間チャネル及び/又はデータストリームのチャネル品質を収集することにより収集される受信ブロックと、
と、
前記受信ブロックに結合され、前記1つ以上の上りリンクチャネルに関連する情報に少なくとも部分的に基づいて、使用可能なチャネル数を推定することにより、複数の下りリンクチャネルのチャネル品質情報を計算し、前記チャネル品質情報に少なくとも部分的に基づいて、前記下りリンクチャネルで他のシステムと通信するために前記システムにより使用される1つ以上の下りリンクチャネルパラメータを決定するように構成された計算ブロックと
を有し、
前記受信ブロックは、前記推定された使用可能なチャネルのうち比較的強いチャネルのサブセットのみについてのフィードバック情報を受信するように更に構成されるシステム。
【請求項13】
前記装置は、前記計算ブロックと結合され、前記下りリンクチャネルパラメータに基づいて、前記システムが1つ以上の下りリンクチャネルを介して他のシステムと通信することを容易にするように構成された送信ブロックを更に有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記送信ブロック及び前記受信ブロックは、少なくとも1つの共通の構成要素を有するトランシーバの一部である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記計算ブロックは、データストリーム数と、データストリームの1つ以上の変調/符号化方式とを決定するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記フィードバック情報は、ビームフォーミング行列又は信号対雑音及び干渉比(SINR)のうち少なくとも1つを有する、請求項12に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−48441(P2013−48441A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210604(P2012−210604)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2009−510012(P2009−510012)の分割
【原出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.GSM
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】