説明

N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミドの製造方法

【課題】本発明の課題は、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)およびN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)を効率よく製造する方法を提供すること。
【解決手段】
7−ニトロインドールを含水溶媒下、N−クロロスクシンイミドによりクロル化し、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)
【化002】


を製造し、該化合物を還元することにより得られる、3−クロロ−7−アミノインドールまたはその塩酸塩と、4−アミノベンゼンスルホンアミドから合成される4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリドとを塩基存在下反応させることによる、高純度のN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)
【化1】


の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)の製造方法および式(II)の化合物を重要中間体とするN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の製造方法に関する。具体的には、含水溶媒中7−ニトロインドール(I)とN−クロロスクシンイミド(以下NCSと略す。)とを反応させることによる、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)の製造方法およびその還元物である、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)とを塩基存在下反応させることによる、N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の製造方法に関する。
なお、N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)は、例えば抗腫瘍作用、活性化リンパ球抑制作用または摂食亢進作用などを示し、医薬品として有用である。
【背景技術】
【0002】
本願の第一の発明である3−クロロ−7−ニトロインドール(II)の製造方法の背景技術について説明する。
式(I)の化合物および式(II)の化合物は公知物質であり、式(II)の化合物は、以下の反応式に示すように、式(I)の化合物とNCSとを特許文献1の製造例10記載の条件または特許文献2の製造例1記載の条件で反応させることにより製造できることが知られている。
【0003】
【化1】

特許文献1および特許文献2の詳細な説明においては、反応溶媒について特に言及はなく、特許文献1の製造例10および特許文献2の製造例1においてのみ溶媒として「アセトニトリル」が記載されている。しかしながら、特許文献1および特許文献2には、本発明の特徴である「含水溶媒」については何ら言及も示唆もない。
次に、本願の第二の発明であるN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の製造方法の背景技術について説明する。
式(VI)の化合物は公知化合物であり、7−アミノ−1H−インドールと、4−アミノベンゼンスルホンアミド(IV)から合成される4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)とをピリジン存在下反応させ、その生成物であるN−(1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミドをNCSによりクロル化することにより製造することができることが知られている(例えば、特許文献1)。また、式(VI)の化合物は、3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)とをピリジン存在下反応させることにより製造することができることが知られている(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】WO95/07276
【特許文献2】特願平7−37456
【特許文献3】特願平8−129447
【特許文献4】WO00/50395
【非特許文献1】G.F.Holland,外2名,Preparation and Aniticonvulsant Activity of N−Substituted Benzenedislfonamides, J.Med.chem.,6,307(1963)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、優れた抗腫瘍作用、活性化リンパ球抑制作用または摂食亢進作用を有するN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)およびその製造中間体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、以下の製造方法を見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、
【0006】
1)含水溶媒中、7−ニトロインドール(I)
【0007】
【化2】

とNCSとを反応させることを特徴とする、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)
【0008】
【化3】

の製造方法;
2)含水溶媒中、7−ニトロインドール(I)
【0009】
【化4】

をNCSにより、クロル化することにより、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)
【0010】
【化5】

に変換する工程、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)を還元し、要すれば塩酸処理を行うことにより、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)
【0011】
【化6】

または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)
【0012】
【化7】

に変換する工程、塩化第一銅の存在下、高濃度塩酸酸性下、4−アミノベンゼンスルホンアミド(IV)
【0013】
【化8】

を亜硝酸ナトリウム、塩酸および二酸化硫黄と反応させることにより、4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)
【0014】
【化9】

に変換する工程および3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)
【0015】
【化10】

または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)
【0016】
【化11】

と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)
【0017】
【化12】

とを反応させる工程を含むことを特徴とするN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)
【0018】
【化13】

の製造方法;
3)含水溶媒中、7−ニトロインドール(I)
【0019】
【化14】

をNCSにより、クロル化することにより、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)
【0020】
【化15】

に変換する工程、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)を還元し、要すれば塩酸処理を行うことにより、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)
【0021】
【化16】

または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)
【0022】
【化17】

に変換する工程および3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)
【0023】
【化18】

または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)
【0024】
【化19】

と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)
【0025】
【化20】

とを反応させる工程を含むことを特徴とするN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)
【0026】
【化21】

の製造方法に関する。
これらの発明は、いずれも含水溶媒中で7−ニトロインドール(I)をNCSによりクロル化反応に付することを特徴とし、該クロル化反応は新規な反応である。
【0027】
次に、本発明の製造方法について詳細に説明する。
【0028】
1)3−クロロ−7−ニトロインドール(II)の製造方法
該製造方法は、含水溶媒中で、NCSにより7−ニトロインドール(I)をクロル化することにより、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)に変換する工程(以下、1−1)工程という。)を特徴とする。
1−1)工程は、例えばイソプロパノール、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトニトリル、N,N―ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒と水との混合溶媒、好ましくは例えばイソプロパノール、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトニトリル、N,N―ジメチルホルムアミドなどの溶媒と水との混合溶媒中、7−ニトロインドールとNCSを、0℃〜150℃、好ましくは25℃〜150℃で、1時間〜24時間好ましくは3時間〜9時間反応させることが好ましい。NCSの使用量は、7−ニトロインドール(I)に対して、例えば1〜5当量の範囲であり、例えば1〜2当量が好ましい。溶媒の含水量は、使用する溶媒、温度条件などにより、適宜選択することができるが、具体的には、例えば0.05〜5.0%(容量比)、好ましくは0.05〜1.0%である。
2)N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の製造方法
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)は、以下の製造方法Aまたは製造方法Bにより製造することができる。
製造方法A
該製造方法は、
(1)含水溶媒中で、NCSにより、7−ニトロインドール(I)をクロル化することにより、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)に変換する工程(以下、A−1)工程という。)、
(2)3−クロロ−7−ニトロインドール(II)を還元し、要すれば塩酸処理を行うことにより、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)に変換する工程(以下、A−2)工程という。)、
(3)塩化第一銅の存在下、高濃度塩酸酸性下、4−アミノベンゼンスルホンアミド(IV)を亜硝酸ナトリウム、塩酸および二酸化硫黄と反応させることにより、4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)に変換する工程(以下、A−3)工程という。)、
(4)得られた4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)
を再結晶する工程(以下、A−4)工程という。)および
(5)3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)とを反応させる工程(以下、A−5)工程という。)を含むことを特徴とする。
【0029】
A−1)工程は、前記の1−1)工程と同様に行うことができる。
【0030】
2−2)工程は、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)を還元し、要すれば塩酸処理を行うことにより、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)とする反応である。
採用される還元方法としては、接触還元または金属還元が挙げられる。
触媒を用いた接触還元において、触媒としては、好ましくは、例えばPd−C、ラネーニッケル、PdO、Pt−C、Pt−S−C、Rh−CまたはIr−Cなどが挙げられるが、特に好ましくは、例えばPt−C、Pt−S−C、Rh−CまたはIr−Cなどが挙げられ、最も好ましくは、Ir−Cが挙げられる。
接触水素化反応の反応溶媒は、接触水素化に適用できるものであれば特に制限はないが、好ましくは、例えば水、アルコール、酢酸、酢酸エステル、ジエチルエーテル、ベンゼン、ヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの混合溶媒などが挙げられ、より好ましくは、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフランまたはこれらの混合溶媒などが挙げられ、最も好ましくは、水、アルコール、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。
反応で使用する触媒量は、その重量比が、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)に対して、例えば3ないし30%の範囲、好ましくは、例えばおおよそ15ないし25%の範囲であり、適宜増減して使用することができる。なお、市販の触媒は、含水状態で供されているものについては、通常水の重量も含めて重量比を決めることができる。好ましい重量比は、おおよそ20%程度である。
使用する溶媒量は、式(II)の化合物の容量に対して、例えば7ないし30倍量、好ましく例えば7ないし15倍量である。
【0031】
反応は、0℃〜60℃の範囲で行うことができるが、30℃以下で行うことが好ましく、特に0℃〜25℃が好適である。反応を低温下に行うことにより、一層副生成物を押さえることができる。反応は、0.5ないし48時間、好ましくは10ないしは24時間で完結する。
【0032】
また、接触水素化反応終了後、触媒を反応液から濾別し、濾液を、減圧下溶媒を留去することにより、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)を得ることができるが、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)は、再結晶またはカラム処理など常法により精製してもよいが、精製工程を省略して次反応に使用することもできる。
【0033】
金属還元で使用される好ましい金属は、例えばZnまたはFeが挙げられ、より好ましくは、例えばFeが挙げられる。
用いる溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば水、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトニトリル、N,N―ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはそれらの混合溶媒などが挙げられ、より好ましくは、例えば水、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、メタノール、アセトニトリル、N,N―ジメチルホルムアミドまたはそれらの混合溶媒などが挙げられ、最も好ましくは、水とイソプロパノールの混合溶媒である。
【0034】
Feの使用量は、適宜増減することができるが、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)に対して、例えば0.1〜10.0当量が好ましく、特に例えば0.1〜4.0当量が好ましい。
また、水素原(プロトンソース)が反応の進行には必要であるが、好ましくは、例えば塩酸、塩化アンモニウム、酢酸またはイオン交換樹脂などが挙げられるが、より好ましくは、例えば塩化アンモニウムなどが挙げられる。
塩化アンモニウムの使用量は、適宜増減することができるが、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)に対して、例えば0.01〜100当量が好ましく、特に例えば0.1〜10当量が好ましい。
反応温度は還元反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは0℃〜溶媒還流温度であり、より好ましくは、例えば室温から150℃であり、最も好ましくは30℃から90℃である。
好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。
【0035】
また3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)は、塩にすることにより、安定に単離でき、かつほぼ無色の結晶として得られる。
なお、「塩」とは、好ましくは、例えばハロゲン化水素酸塩(例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩など)、無機酸塩(例えば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩など)または有機スルホン酸塩(例えばメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩など)などが挙げられるが、より好ましくは、例えばハロゲン化水素酸塩(例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩など)または無機酸塩(例えば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩など)などが挙げられ、最も好ましくは、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩または炭酸塩が挙げられる。
【0036】
A−3)工程は、塩化第一銅の存在下、高濃度塩酸酸性下、4−アミノベンゼンスルホンアミド(IV)を、亜硝酸ナトリウム、塩酸および二酸化硫黄と反応させることにより、4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)に変換する反応である。
例えば、4−アミノベンゼンスルホンアミド(IV)の、水および塩酸との溶液中に、−20℃〜−10℃、好ましくは−15℃〜−10℃にて亜硝酸ナトリウム水溶液を、温度上昇を抑え、ゆっくり時間を掛けて滴下する。亜硝酸ナトリウムの使用量は、4−アミノベンゼンスルホンアミド(IV)に対して、例えば1〜3当量の範囲であり、例えば1〜1.5当量が好ましい。この様にして得られた、ジアゾニウム塩を二酸化硫黄で飽和させた酢酸溶液に、塩化第一銅存在下滴下する。塩化第一銅は4−アミノベンゼンスルホンアミド(IV)に対して、例えば0.05〜10.0当量の範囲であり、例えば0.1〜1.0当量が好ましい。塩酸の含量は、使用する溶媒、温度条件などにより、適宜選択することができるが、具体的には、例えば15〜37%(容量比)、好ましくは15〜25%である。
A−4)工程は、4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)を再結晶する工程である。
4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)の再結晶溶媒として、好ましくは、例えばトルエン、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、n−ヘキサンまたはこれらの混合溶媒などが挙げられるが、より好ましくは、例えばトルエン、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒などが挙げられ、最も好ましくは、トルエンおよび酢酸エチルの混合溶媒が挙げられる。
晶出する際の溶媒の使用量は、4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)の化合物に対して、例えば3ないし30容量、好ましくは例えば5ないし10容量である。
A−5)工程は、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)とを塩基存在下反応させる工程である。
使用される反応溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば水、アルコール、酢酸エステル、エーテル、ベンゼン、ヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの混合溶媒などが挙げられ、より好ましくは、例えば水、アルコール、酢酸エステル、トルエン、テトラヒドロフランまたはこれらの混合溶媒などが好ましく、最も好ましくは、例えば水、酢酸エチル、テトラヒドロフランまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。
用いられる塩基としては、好ましくは、例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液または炭酸カリウム水溶液などの無機塩基、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリンまたはN,N−ジメチルアニリンなどの有機塩基などが挙げられ、より好ましくは、例えばピリジン、α−ピコリン、β−ピコリンまたはγ−ピコリンなどが挙げられ、最も好ましくは、例えば、ピリジン、α―ピコリンまたはβ−ピコリンが挙げられる。
【0037】
塩基の使用量は、適宜増減することができるが、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)の、好ましくは、例えば2〜15倍容量、より好ましくは2〜9倍容量、最も好ましくは2〜5倍容量が好適である。
4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)の使用量は、適宜増減することができるが、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)の、好ましくは、例えば1〜5倍当量、より好ましく、例えば1〜2倍当量である。
反応温度は該反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは0℃〜150℃である。
【0038】
得られたN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の再結晶溶媒として、好ましくは、例えば水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、n−ヘキサンまたはこれらの混合溶媒などが挙げられるが、より好ましくは、例えば水、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒などが挙げられ、最も好ましくは、例えば水、エタノール、アセトン、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。
晶出する際の溶媒の使用量は、N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)またはその溶媒和物に対して、例えば4ないし40容量が好ましい。晶出終了後、濾過することにより、高純度のN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)を得ることができる。
なお、本製造方法において、A−1)工程およびA−2)工程ならびにA−3)工程およびA−4)工程は、それぞれ連続して行う必要があるが、いずれを先に行ってもよい。従ってA−5)工程を最後に行うことにより、所望の式(VI)の化合物を製造することができる。
【0039】
製造方法B
本製造方法は、
(1)含水溶媒中で、NCSにより7−ニトロインドール(I)をクロル化することにより、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)に変換する工程(以下、B−1)工程という。)、
(2)3−クロロ−7−ニトロインドール(II)を還元し、要すれば塩酸処理を行うことにより、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)に変換する工程(以下、B−2)工程という。)および
(3)3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)とを反応させる工程(以下、B−5)工程という。)を含むことを特徴とする。
B−1)工程、B−2)工程およびB−5)工程は、それぞれ、前記のA−1)工程、A−2)工程およびA−5)工程と同様に行うことができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、
1)含水溶媒中で7−ニトロインドール(I)をNCSでクロル化することにより3−クロロ−7−ニトロインドール(II)を緩和な条件で脂溶性不純物の生成なく高純度で得ることができる。
2)1)の方法を利用すれば、N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)またはその溶媒和物を高収率、高純度で、工業的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下に、実施例をあげて、本発明をより詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本発明にかかる製造方法は如何なる場合も以下の具体例に制限されるものではない。当業者は、以下の実施例のみならず本願明細書にかかる特許請求の範囲に様々な変更を加えて本発明を最大限に実施することができ、かかる変更は本願明細書にかかる特許請求の範囲に含まれるものである。
【実施例】
【0042】
実施例1
3−クロロ−7−ニトロインドール(II)の合成
窒素雰囲気下、7−ニトロインドール50.0g(0.308mol)をテトラヒドロフラン500ml(10倍量)−水0.5ml(テトラヒドロフランの0.lvol.%)の混合溶媒に、攪拌下40℃に加温した後、NCS42.0g(1.02当量)を固体のまま加えた。6時間攪拌後、反応液に水1.0Lをゆっくり注ぎ入れ、結晶を析出させ、攪拌しながら室温まで放冷した。結晶を濾取し、水500mlで2回洗浄した後、ジイソプロピルエーテル−n−ヘキサン(1:1)500mlでさらに2回結晶を洗浄した。得られた結晶を乾燥させ、目的物を、黄色結晶として57.79g得た(収率 95.4%)。
実施例2
3−クロロ−7−ニトロインドール(II)の合成
窒素雰囲気下、7−ニトロインドール100.0g(0.617mol)にテトラヒドロフラン800ml(8倍量)を注ぎ込み、攪拌下40℃に加温した。10分後、NCS84.0g(1.02当量)を固体のまま加え、最後5mlのテトラヒドロフランで洗い込んだ。4分後0.5N−HCl0.8ml(テトラヒドロフランの0.1vol.%)を注ぎ40℃にて攪拌を続けた。3時間攪拌後、原料消失をHPLCで確認後、精製水合せて1.6L(テトラヒドロフランの2倍量)を40℃にて1時間かけてゆっくり注ぎ入れ、結晶を析出させ、攪拌しながら20℃まで放冷した。結晶を濾取し、水600ml、400ml、メタノール−水(1/1)200ml、200ml、ジイソプロピルエーテル200mlで2回洗浄した後、得られた結晶を乾燥させ、目的物を、黄色結晶として116.3g得た(収率 95.9%)。
【0043】
実施例3
3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)の合成(Na法)
窒素雰囲気下、Na1.06g(6.12mmol)に1N−NaOHl2mlを注いで溶解させ0℃に冷却した。反応液に3−クロロ−7−ニトロインドール200mg(1.02mmol)のテトラヒドロフラン溶液(4ml)を0℃にて加えた後、90℃にて2時間反応液を加熱還流した。反応液を、室温まで放冷後、ジエチルエーテル80mlで抽出し、有機層を飽和食塩水100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、目的物をうす紫色の透明な油状物質として130mg得た(収率76.7%)。
【0044】
実施例4
3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)の合成(Ir−C法)
窒素雰囲気下、3−クロロ−7−ニトロインドール3.00gの酢酸エチル溶液(30ml)に、5%Ir−C(wet)0.6gを加え、5℃にて一昼夜水素雰囲気下反応液を攪拌した。反応終了後、反応液をセライト濾過し、酢酸エチルで触媒を洗った。濾液に4N−HCl−酢酸エチルを加え、得られた結晶を濾取し、酢酸エチル(20ml)で洗浄後、減圧乾燥し、結晶(2.96g:収率95.8%)を得た。
【0045】
実施例5
3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)の合成(Fe/NHCl法)
窒素雰囲気下、3−クロロ−7−ニトロインドール10g(50.87mmol)をイソプロパノールl20mlに懸濁させた後、反応液に塩化アンモニウム0.544g(0.2当量)水溶液(20ml)を加えた。塩化アンモニウム水溶液の容器を水10mlで洗浄して反応溶液に加えた。反応溶液を直ちに60℃に加熱し、鉄粉2.841g(1当量)を加えた。その際、フラスコ壁に付着した鉄粉をイソプロパノール(l0ml)で洗い込んだ。40分後、反応液にさらに鉄粉を2.841g加え、フラスコ壁に付着した鉄粉をイソプロパノール(l0ml)で洗い込んだ。さらに40分後、反応液に鉄粉を2.841g加え、フラスコ壁に付着した鉄粉をイソプロパノール(lOml)で洗い込んだ。反応終了後、反応液を内温20℃まで氷冷し、セライト−活性炭を用いて濾過(セラィト3gの上に活性炭を5gを敷いておく)し、その際、酢酸エチル50mlでセライト−活性炭を洗浄した。濾液を、1N−HCl51ml(1当量)に空け、この溶液をそのまま次の反応に用いた。
【0046】
実施例6
3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)の合成
3−クロロ−7−ニトロインドール5.00gをイソプロパノール75mlに懸濁させた後、反応液に塩化アンモニウム272mgの水溶液(15ml)を加える。反応液を窒素雰囲気下、直ちに60℃に加熱し、鉄粉1.42gを加え、30分後さらに鉄粉を1.42g加え、さらに30分後鉄粉1.42gを加えた。反応終了後、活性炭1.25gを反応液に加え、反応液を内温27℃まで氷冷し、セライト(3g)濾過した。その際、50mlトルエンでセライトを洗浄した。濾液に、4.2mlの濃塩酸を加え、50℃にて減圧濃縮した。得られた残渣に、トルエン50mlを加え減圧濃縮した。この操作をさらにもう一度繰り返した。窒素雰囲気下、残渣にN、N−ジメチルホルムアミド15ml−t−ブチルメチルエーテル135mlを加え室温にて2時間攪拌した。結晶を窒素雰囲気下濾取し、10%メタノール−t−ブチルメチルエーテルで洗浄した。粗結晶を、N、N−ジメチルホルムアミド13.5ml−t−ブチルメチルエーテル121.5mlを加え溶解させた後、2時間攪拌後、結晶を窒素雰囲気下濾取し、10%メタノール−t−ブチルメチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を減圧乾燥し、3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)を4.68g得た。
【0047】
実施例7
4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)の合成
室温にて、酢酸l50mlに、SOガスを飽和させた。その際、発熱が見られるが、冷却バスにより溶液の温度を25℃にした。反応液にCuCl3.7gを加え、さらに濃塩酸l2.5mlを加えた後、さらに反応液にSOガスを通じ飽和
させた。
4−アミノベンゼンスルホンアミド25gを水80mlに懸濁させ、反応液に濃塩酸を15ml、35ml、順次加えた。−10℃以下にて、NaNO10.5gを含む水溶液(20ml)を反応液に約15〜20分かけてゆっくり滴下した。滴下終了間際には、−12℃〜−13℃にて結晶が析出したが、そのまま10分反応液を攪拌した。反応液を、予め0℃に冷却した、上記のSOガスを飽和させた塩化第一銅を含む酢酸溶液に、2〜3回に分けて加えた。加え終わった後さらに反応液の攪拌を続けると結晶が析出した。さらに15〜25分攪拌を続けた後、反応液に氷水500mlを加え、結晶を完全に析出させ、結晶を、ブフナーロートを用いて濾過、水洗した。ブフナーロート上でトルエン−酢酸エチル(3:1)約600mlを用いて結晶を溶解させ、溶液を濾過した。濾液を分液ロートに移し、水層を除いた後、氷−NaHCO水、飽和食塩水で順次有機層を洗った。有機層に、MgSO、活性炭7.5gを加え、乾燥ならびに脱色を行った後、濾過した。トルエン−酢酸エチルで洗い込み、この濾液を、シリカゲル50gを載せたグラスフィルターを濾過させた後、トルエン−酢酸エチル(4:1)100ml〜150mlで洗い込み、濾液を減圧濃縮した。残渣にトルエン100mlを加え、析出した結晶を濾取し、窒素気流下で乾燥し、目的物を25g得た(収率67.3%)。
【0048】
実施例8
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の合成
実施例5の方法で調整した3−クロロ−7−アミノインドール塩酸の酢酸エチル溶液に、さらに酢酸エチル(200ml)を加えて、氷冷後、反応液にピリジン16.5ml(4当量)および4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド14.31g(1.1当量)を含む酢酸エチル溶液(50ml)を順次加えた。氷冷下反応液を一夜攪拌した後(20時間)、酢酸エチル20mlで反応液を文液ロートに移し分液後、有機層を、IN−HCl(150ml)で二回、水(20ml)、5%NaHCO水溶液(150ml)および飽和NaCl水溶液(20ml)で順次洗浄した。得られた有機層に活性炭(3g)及びMgSO(10g)を加え、グラスフィルターを用いてセライト(5g)濾過した。その際酢酸エチル150mlで洗浄した。内容量が約100gになるまで溶媒を留去した後、トルエン200mlを加え、60℃まで一旦加熱後再び温度を下げて溶媒を減圧下留去した。ほぼ酢酸エチルが留去され尽くす時点まで濃縮し、析出したほぼ無色の結晶を濾取し、トルエン50mlおよびヘキサン50mlで順次洗浄後、減圧乾燥し、18.34g(収率93.4%、3−クロロ−7−ニトロインドールから収率を計算)の粗結晶を得た。得られた粗結晶16gにアセトン96mlを加え、加熱(60℃)溶解し、同量の水を3〜4分かけてゆっくり加え、そのまま2〜3分加熱攪拌後、室温で一夜攪拌した。析出した結晶を濾取し、アセトン−水(1:2)80mlで洗浄し、減圧乾燥し、無色結晶を13.6g(収率79.5%、3−クロロ−7−ニトロインドールから収率を計算)得た。
【0049】
実施例9
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の合成(ピリジン法)
3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(3.00g)と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(4.16g)を含む酢酸エチル溶液(90.0ml)に、水(15ml)およびピリジン(2.99ml)を加え、反応液を10℃以下で一昼夜攪拌した。反応液を、水(15ml)−濃塩酸(0.6ml)に空け、水15mlおよび活性炭(1.20g)を反応液に加えた後、反応液を30分間加熱還流した。反応液を濾過し、酢酸エチル40mlで活性炭を洗浄した。濾液を60℃にて減圧濃縮し、得られた残渣にアセトン(27ml)を加え、50℃にて結晶を溶解させた。混合液に水38mlを加え、50℃にて30分間攪拌後、混合液を10℃以下にて一昼夜放置した。結晶を濾取し、アセトン−水(9ml−18ml)の混合溶媒および水(22.5ml)で順に結晶を洗った。得られた結晶を50℃にて乾燥し、目的物を4.99g(収率87.5%)得た。
【0050】
実施例10
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の合成(α−ピコリン法)
3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(3.00g)および4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(4.16g)を含む酢酸エチル溶液(90.0ml)に、水(15ml)およびα−ピコリン(3.52ml)を加え、10℃以下で反応液を一昼夜攪拌した。反応液を、水(15ml)−濃塩酸(0.6ml)に空け、さらに水15mlおよび活性炭(1.20g)を反応液に加え、反応液を30分間加熱還流した。反応液を濾過し、酢酸エチル20mlで活性炭を洗浄した。濾液を55℃にて減圧濃縮し、得られた残渣にアセトン(27ml)を加え、50℃にて結晶を溶解させた。混合液に水41mlを加え、50℃にて30分間攪拌後、混合液を10℃以下にて一昼夜放置した。結晶を濾取し、アセトン−水(9ml−18ml)の混合溶媒および水(23ml)で順に結晶を洗った。得られた結晶を50℃にて乾燥し、目的物を4.78g(収率83.9%)得た。
【0051】
実施例11
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の合成(β−ピコリン法)
3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(3.00g)および4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(4.16g)を含む酢酸エチル溶液(90.0ml)に、水(15ml)およびβ−ピコリン(3.52ml)を加え、10℃以下で反応液を一昼夜攪拌した。反応液を、水(15ml)−濃塩酸(0.6ml)に空け、さらに水15mlおよび活性炭(1.20g)を反応液に加え、30分間反応液を加熱還流した。反応液を濾過し、酢酸エチル20mlで活性炭を洗浄した。濾液を55℃にて減圧濃縮し、得られた残渣にアセトン(27ml)を加え、50℃にて結晶を溶解させた。混合液に水41mlを加え、50℃にて30分間攪拌後、混合液を、10℃以下にて一昼夜放置した。結晶を濾取し、アセトン−水(9ml−18ml)の混合溶媒および水(23ml)で順に結晶を洗った。得られた結晶を50℃にて乾燥し、目的物を4.85g(収率85%)得た。
【0052】
実施例12
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の再結晶(エタノール法)
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)5.00gにエタノール140mlを加え、90℃にて加熱還流し溶解させた後、エタノールを約70ml留去した後、混合液を一昼夜室温に放置した。析出した結晶を濾取し、得られた結晶を、100℃にて24時間加熱乾燥して、目的物を3.52g(回収率70.4%)得た。
【0053】
実施例13
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の再結晶(エタノール−水法)
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)2.089gにエタノール56mlを加え、90℃にて加熱還流し溶解させた後、さらに水56mlを加え、混合液を10時間室温に攪拌放置した。析出した結晶を濾取し、室温にて3時間空気乾燥した後、48時間室温下、減圧下乾燥し、目的物を、1.799g(回収率86.1%)得た。
【0054】
実施例14
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)の再結晶(アセトン−水法)
N−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)3.00gにアセトン18ml−水0.5mlを加え、50℃にて加熱した後、水を27ml加え、混合液を室温に放置した。さらに一昼夜4℃にて放置後、析出した結晶を濾取し、得られた結晶を、アセトン8ml−水16ml、水20mlで順次洗浄し、50℃にて加熱乾燥して、目的物を2.85g(回収率95%)得た。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によれば、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)およびN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)を良好な収率で、純度よく工業的に製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水溶媒中、7−ニトロインドール(I)
【化1】

をN−クロロスクシンイミドにより、クロル化することを特徴とする、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)
【化2】

の製造方法。
【請求項2】
含水溶媒中、7−ニトロインドール(I)
【化3】

をN−クロロスクシンイミドにより、クロル化することにより、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)
【化4】

に変換する工程、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)を還元し、要すれば塩酸処理を行うことにより、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)
【化5】

または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)
【化6】

に変換する工程、塩化第一銅の存在下、高濃度塩酸酸性下、4−アミノベンゼンスルホンアミド(IV)
【化7】

を亜硝酸ナトリウム、塩酸および二酸化硫黄と反応させることにより、4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)
【化8】

に変換する工程および3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)
【化9】

または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)
【化10】

と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)
【化11】

とを反応させる工程を含むことを特徴とするN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)
【化12】

の製造方法。
【請求項3】
含水溶媒中、7−ニトロインドール(I)
【化13】

をN−クロロスクシンイミドにより、クロル化することにより、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)
【化14】

に変換する工程、3−クロロ−7−ニトロインドール(II)を還元し、要すれば塩酸処理を行うことにより、3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)
【化15】

または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)
【化16】

に変換する工程および3−クロロ−7−アミノインドール(III−1)
【化17】

または3−クロロ−7−アミノインドール塩酸塩(III−2)
【化18】

と4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロリド(V)
【化19】

とを反応させる工程を含むことを特徴とするN−(3−クロロ−1H−インドール−7−イル)−4−スルファモイルベンゼンスルホンアミド(VI)
【化20】

の製造方法。

【公開番号】特開2008−31042(P2008−31042A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−332758(P2004−332758)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(000000217)エーザイ株式会社 (102)
【Fターム(参考)】