説明

NOxセンサ制御装置

【課題】NOxセンサ素子の軸線方向の温度勾配によるセルの出力変動を補償し、酸素濃度又はNOx濃度の検出精度が向上したNOxセンサ制御装置を提供する。
【解決手段】NOxセンサ制御装置であって、NOxセンサは、ヒータと、軸線方向にそれぞれ順に並ぶ酸素濃度検出セル、第1ポンピングセル、第2ポンピングセルを備え、NOxセンサ制御装置は、第1セル(酸素濃度検出セル)の第1インピーダンスを検出する第1インピーダンス検出手段と、第1インピーダンスが目標値となるようにヒータを通電制御するヒータ制御手段と、第2セル(第2ポンピングセル)の第2インピーダンスを検出する第2インピーダンス検出手段と、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの偏差に基づき、少なくとも第3セル(第1ポンピングセル)の出力を補正する出力補正手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質体および一対の電極を備えるセルを3つ有すると共にヒータを有するNOxセンサに接続されるNOxセンサ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の内燃機関の燃費向上や燃焼制御を行うガスセンサとして、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサや空燃比センサが知られている。又、自動車の排気ガス規制の強化に伴い、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)量の低減が要求されており、NOx濃度を直接測定できるNOxセンサが開発されている。
このNOxセンサとして、ジルコニア等の酸素イオン伝導性の固体電解質の表面に一対の電極を形成してなるセルを3つ備えたNOxセンサ素子を有するものが知られている。NOxセンサ素子は軸線方向に延び、軸線方向に沿って見たときに先端側から、第1ポンピングセル、酸素濃度検出セル、第2ポンピングセルが順に並んで構成され、このNOxセンサ素子は周囲を主体金具によって保持されている。
【0003】
このNOxセンサにおいては、被測定ガスを導入する第1測定室が区画され、第1測定室に臨むように第1ポンピングセルが設けられる。そして、この第1ポンピングセルはNOxセンサが接続されるセンサ制御装置によって通電制御されることにより、第1測定室内の酸素を外部に汲み出したり、外部から第1測定室内に酸素を汲み入れたりするように駆動する。又、第1ポンピングセルに積層されると共に、第1測定室に臨むようにして酸素濃度検出セルが設けられており、第1測定室の酸素濃度に応じた電圧(起電力)が酸素濃度検出セルによって出力される。そして、この酸素濃度検出セルにて出力される電圧が所定の電圧になるように第1ポンピングセルが通電制御され、第1ポンピングセルの駆動によって第1測定室内の被測定ガスの酸素濃度が所定の濃度に制御される。なお、このとき第1ポンピングセルに流れる電流は被測定ガス中の酸素濃度と相関関係があるため、この電流に基づき被測定ガス中の酸素濃度を検出することができる。
そして、酸素濃度が制御された被測定ガスは第1測定室に連通するNOx測定室(第2測定室)に流入し、NOx測定室に臨む第2ポンピングセルに一定電圧を印加することで、被測定ガス中のNOxが分解されて第2ポンピングセルの一対の電極間にNOx濃度に応じた電流が流れ、この電流に基づきNOx濃度が検出される。
【0004】
ここで、酸素濃度及びNOx濃度を正確に検出するには、NOxセンサを所定の活性温度(例えば750℃以上の所定温度)に加熱して、各セルを活性化させる必要があることから、NOxセンサには各セルと一体となってヒータが設けられ、NOxセンサはヒータを通電制御する制御装置に接続されている。このようなNOxセンサ制御装置としてNOxセンサを構成する1つのセルのインピーダンス(内部抵抗)を測定し、測定されるインピーダンスが予め設定された目標インピーダンスになるようにヒータの通電状態を制御する技術が開発されている(特許文献1参照)。通常、NOxセンサ制御装置は、このようなヒータの通電状態の制御を司る他、各セルの通電状態を制御すると共に、第2ポンピングセルに流れる電流を電圧変化した上で、その電圧を基にNOx濃度の検出値(濃度換算値)を算出し、外部のエンジン制御装置に該検出値を出力する機能をも司る。
【0005】
【特許文献1】特開平10−142194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、従来の技術では、NOxセンサ素子を構成する1つのセルの温度が一定になるようにヒータを通電制御しているが、NOxセンサ素子が軸線方向に細長く、且つ、3つのセルが軸線方向に沿って順に並んで設けられるため、各セル間には温度勾配が生じる。そして、排気ガスの流速等により素子先端側が急激に冷えたり、また、排気管に装着されるNOxセンサの主体金具の温度が変動したりすると、この温度勾配の度合にも変動が生じる。つまり、1つのセルにて測定されるインピーダンスに基づいてヒータを通電制御したとしても、使用環境の変動によってNOxセンサ素子の各セル間の温度勾配にも変動が生じることがある。そして、この温度勾配の変動により、セルの出力に誤差が生じ、酸素濃度、または、NOx濃度の検出精度が低下するという問題がある。
【0007】
すなわち、本発明は、NOxセンサ素子の軸線方向の温度勾配の変動によるセルの出力変動を補償し、酸素濃度またはNOx濃度の検出精度が向上したNOxセンサ制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のNOxセンサ制御装置は、NOxセンサに接続されるNOxセンサ制御装置であって、前記NOxセンサは、酸素イオン伝導性の固体電解質体及び一対の電極を有し、第1測定室に導入される被測定ガス中の酸素濃度に応じた出力を行う酸素濃度検出セルと、酸素イオン電導性の固体電解質体及び一対の電極を有し、前記酸素濃度検出セルの出力が所定の値となるように、前記第1測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行って前記第1測定室内の酸素濃度を調整すると共に、被測定ガス中の酸素濃度に応じた出力が流れる第1ポンピングセルと、酸素イオン伝導性の固体電解質体及び一対の電極を有し、前記第1測定室からNOx測定室に流入し酸素濃度が調整された被測定ガス中のNOx濃度に応じたポンピング電流が流れる第2ポンピングセルと、ヒータと、を備えたNOxセンサ素子を有し、前記NOxセンサ素子の軸線方向に沿う先端側から、前記第1ポンピングセル、前記酸素濃度検出セル、前記第2ポンピングセルが順に並び、前記NOxセンサ制御装置は、前記酸素濃度検出セル、前記第1ポンピングセル、前記第2ポンピングセルのうちの1つである第1セルの第1インピーダンスを検出する第1インピーダンス検出手段と、前記第1セルの前記第1インピーダンスが目標値となるように前記ヒータを通電制御するヒータ制御手段と、前記酸素濃度検出セル、前記第1ポンピングセル、前記第2ポンピングセルのうちの1つであり、且つ、前記第1セルとは異なる第2セルの第2インピーダンスを検出する第2インピーダンス検出手段と、前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの偏差に基づき、少なくとも前記第1セル、前記第2セルとは異なる第3セルの出力を補正する出力補正手段と、を備える。
【0009】
NOxセンサ素子は軸線方向に細長く、且つ、軸線方向に沿って3つのセルが順に並んでいるため、各セル間には温度勾配が生じ、使用環境の変動によってこの温度勾配にも変動が生じる。そこで、本発明では、第1セルと第2セルとの温度勾配を表す第1インピーダンスと第2インピーダンスとの偏差から、第3セルの温度を推定して温度補償を行うべく第3セルの出力を補正するようにしている。ここで、本発明においては、第3セルの出力の補正にあたり、第1セルのインピーダンスと第2セルのインピーダンスの偏差を用いるようにしているが、ヒータ制御手段にて第1セルのインピーダンスが目標値となるようにヒータを通電制御するようにしている。そのため、偏差を得るための一方の第1セルのインピーダンスはほぼ目標値に近い値を示すことになるため、偏差の値はNOxセンサ素子の温度勾配の度合を精度良くあらわした値となる。そして、本発明ではこの偏差に基づいて第3セルの出力の補正を行っているため、温度勾配の変動に伴う第3セルの出力誤差を解消ないし軽減することができ、特定ガスの濃度検出の精度を高めることができる。また、第3セルの出力補正を行うにあたり、3つのセルのインピーダンスを検出する必要がなく、回路構成を複雑化することなく、特定ガスの濃度検出の精度を向上させたNOxセンサ制御装置を提供することができる。
【0010】
なお、第3セルを第1ポンピングセルとした場合には、本発明の適用によって被測定ガス中の酸素濃度の検出精度が向上し、第3セルを第2ポンピングセルとした場合には、本発明の適用によってNOx濃度の検出精度が向上する。また、第3セルを酸素濃度検出セルとした場合には、第1ポンピングセルの駆動による酸素濃度の調整が安定するため、NOx濃度の検出精度を向上させることが可能となる。
さらに、本発明では、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの偏差に基づき、少なくとも第3セルの出力を補正するものであり、この偏差を用いて第2セルの出力を補正してもよい。なお、第2セルについては第2インピーダンスを検出していることから、この第2インピーダンスに基づいて第2セルの出力を補正するようにしてもよい。
また、出力補正手段による第3セルの出力補正については、上記の偏差を直接用いて適宜の手法で行ってもよいが、上記の偏差を用いて第1セルと2セルとの間の温度勾配係数を算出し、この温度勾配係数を用いて第3セルの出力を補正すると精度の良い補正を実現することが可能となる。
【0011】
前記第1セルは前記酸素濃度検出セルであるとよい。
第1セルを酸素濃度検出セルとすることで、ヒータ制御手段を通じて第1セルのインピーダンスはほぼ目標値に近い値を示すことになるため、酸素濃度検出セルの出力精度が安定する。そのため、酸素濃度検出セルの出力に基づく第1ポンピングセルの駆動が正確なものとなり、第1測定室からNOx測定室に流入する被測定ガス中の酸素濃度がほぼ一定になり、第2ポンピングセルに流れる電流に基づくNOx濃度の検出精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、NOxセンサ素子の軸線方向の温度勾配によるセルの出力変動を補償し、酸素濃度またはNOx濃度の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るNOxセンサ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】NOxセンサ素子を保持する主体金具の温度を変化させたときの、NOxセンサ素子の軸線方向の温度分布をそれぞれ示す図である。
【図3】酸素濃度検出セル、第2ポンピングセルの温度勾配に基づき、第1ポンピングセルの温度を推定する方法を示す図である。
【図4】酸素濃度検出セル、第2ポンピングセルの温度勾配に基づき、第1ポンピングセルの温度を推定する方法を示す別の図である。
【図5】KdとTcoとの関係を示すテーブルを示す図である。
【図6】温度補償処理のメインルーチンのフローを示す図である。
【図7】図6のメインルーチンで呼び出されるサブルーチンのフローを示す図である。
【図8】第2ポンピングセルの温度を目標温度に制御したときの、KdとTcoの算出方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るNOxセンサ制御装置(コントローラ)1の構成を示すブロック図である。NOxセンサ制御装置1は、図示しない内燃機関(以下、エンジンともいう)を備える車両に搭載され、NOxセンサ10が有するコネクタ(図示せず)に電気的に接続されると共に、車両側制御装置(ECU90)にも電気的に接続されている。
そして、NOxセンサ制御装置1は、NOxセンサ10から出力される信号に基づいて、被測定ガスの酸素濃度の検出値(濃度換算値)及びNOx濃度の検出値(濃度換算値)をそれぞれ算出し、その検出値をそれぞれECU90に出力し、ECU90は酸素濃度あるいはNOx濃度に応じてエンジンの運転状態の制御や触媒に蓄積されたNOxの浄化、あるいは該触媒の異常検出などの処理を実行する。
【0015】
NOxセンサ制御装置1は、ケーシング内に収容された回路基板(図示せず)上に制御回路58とマイクロコンピュータ(マイコン)60とを備えている。マイクロコンピュータ60はNOxセンサ制御装置1全体を制御し、CPU(中央演算処理装置)61、RAM62、ROM63、信号入出力部64、A/Dコンバータ65、及び図示しないクロックを備え、ROM等に予め格納されたプログラムがCPUにより実行される。
制御回路58は、詳しくは後述する基準電圧比較回路51、Ip1ドライブ回路52、Vs検出回路53、Icp供給回路54、Ip2検出回路55、Vp2印加回路56、ヒータ通電回路57、Rvs検出回路59a、Rip2検出回路59bを備える。制御回路58は、NOxセンサ素子100を制御すると共に、NOxセンサ素子100に流れる第1ポンピング電流、第2ポンピング電流を検出してマイクロコンピュータ60に出力する。
【0016】
次に、NOxセンサ10(NO x センサ素子100)の構成について説明する。NOxセンサ10は、軸線O方向に延びる長尺板状のNOxセンサ素子100を所定のハウジングに収容すると共に、NOxセンサ制御装置1と接続する接続端子やリード線を含むものであるが、センサやハウジング自体の構成は公知であるため、以下ではNOxセンサ素子100について、軸線O方向に沿う断面図1を参照して説明する。
NOxセンサ素子100は、第1固体電解質層111、絶縁層140、第2固体電解質層121、絶縁層145、第3固体電解質層131、及び絶縁層162、163をこの順に積層した構造を有する。第1固体電解質層111と第2固体電解質層121との層間に中空の第1測定室150が画成され、第1測定室150の左端(入口)に配置された多孔質状の第1拡散抵抗体151を介して外部から被測定ガスが導入される。
第1測定室150のうち入口と反対端には多孔質状の第2拡散抵抗体152が配置され、第2拡散抵抗体152を介して第1測定室150の右側には、第1測定室150と連通する中空のNOx測定室160が画成されている。NOx測定室160は、第2固体電解質層121を貫通して第1固体電解質層111と第3固体電解質層131との層間に形成されている。
【0017】
絶縁層162、163の間にはNOxセンサ素子100の長手方向に沿って延びる長尺板状のヒータ164が埋設されている。ヒータ164はNOxセンサ素子100を活性のための目標温度に昇温し、各固体電解質層111,121,131の酸素イオンの伝導性を高めて動作を安定化させるために用いられる。又、後述するように、ヒータ164は所定の周期で通電制御され、周囲の温度の急変に対してNOxセンサ素子100(NOxセンサ10)を略一定の温度に保っている。
絶縁層140,145はアルミナを主体とし、第1拡散抵抗体151及び第2拡散抵抗体152はアルミナ等の多孔質物質からなる。又、ヒータ164は白金等からなる。
【0018】
第1ポンピングセル110は、酸素イオン伝導性を有するジルコニアを主体とする第1固体電解質層111と、これを挟持するように配置された内側第1ポンピング電極113及び対極となる第1対極電極112とを備え、内側第1ポンピング電極113は第1測定室150に面している。内側第1ポンピング電極113及び第1対極電極112はいずれも白金を主体とし、各電極の表面は多孔質体からなる保護層114でそれぞれ覆われている。
【0019】
酸素濃度検出セル120は、ジルコニアを主体とする第2固体電解質層121と、これを挟持するように配置された検知電極122及び基準電極123とを備え、検知電極122は内側第1ポンピング電極113より下流側で第1測定室150に面している。検知電極122及び基準電極123はいずれも白金を主体としている。
なお、絶縁層145は、第2固体電解質層121に接する基準電極123が内部に配置されるように切り抜かれ、その切り抜き部には多孔質体が充填されて基準酸素室170を形成している。そして、酸素濃度検出セル120にIcp供給回路54を用いて予め微弱な一定値の電流Icpを流すことにより、酸素を第1測定室150から基準酸素室170内に送り込み、基準酸素室170内の雰囲気が基準となる酸素雰囲気になるように制御している。
【0020】
第2ポンピングセル130は、ジルコニアを主体とする第3固体電解質層131と、第3固体電解質層131のうちNOx測定室160に面した表面に配置された内側第2ポンピング電極133及び対極となる第2対極電極132とを備えている。内側第2ポンピング電極133及び第2対極電極132はいずれも白金を主体としている。
なお、第2対極電極132は、第3固体電解質層131上における絶縁層145の切り抜き部に配置され、基準電極123に対向して基準酸素室170に面している。
【0021】
そして、内側第1ポンピング電極113、検知電極122、内側第2ポンピング電極133はそれぞれ基準電位に接続されている。第1対極電極112はIp1ドライブ回路52に接続され、基準電極123はVs検出回路53、Icp供給回路54及びRvs検出回路59aに並列に接続されている。又、第2対極電極132はIp2検出回路55及びVp2印加回路56に並列に接続されている。ヒータ通電回路57はヒータ164に接続されている。
【0022】
ここで、NOxセンサ素子100の軸線O方向に沿う先端側から、第1ポンピングセル110、酸素濃度検出セル120、第2ポンピングセル130がこの順に並んでいる。また、NOxセンサ素子100が軸線O方向に細長いため、ヒータ164が第1ポンピングセル110、酸素濃度検出セル120、第2ポンピングセル130のすべてのセルを目標温度に保つことは難しいことから、ヒータ164はこれらセルのうち1つ(本実施形態では酸素濃度検出セル120)を目標温度に管理するように制御されている。
従って、本実施の形態では、酸素濃度検出セル120が特許請求の範囲の「第1セル」に相当する。又、本実施の形態では、第2ポンピングセル130が特許請求の範囲の「第2セル」に相当し、第1ポンピングセル110が特許請求の範囲の「第3セル」に相当する。
【0023】
制御回路58における各回路は、以下のような機能を有する。
Ip1ドライブ回路52は、内側第1ポンピング電極113及び第1対極電極112の間に第1ポンピング電流Ip1を供給しつつ、その際の第1ポンピング電流Ip1を検出する。Vs検出回路53は、検知電極122及び基準電極123の間の電圧(起電力)Vsを検出し、検出結果を基準電圧比較回路51に出力する。
基準電圧比較回路51は、基準電圧(例えば、425mV)とVs検出回路53の出力とを比較し、比較結果をIp1ドライブ回路52に出力する。そして、Ip1ドライブ回路52は、電圧Vsが上記基準電圧に等しくなるように第1ポンピング電流Ip1の大きさ及び通電方向を制御し、第1測定室150内の酸素濃度を所定の低酸素濃度に調整する。
Icp供給回路54は、検知電極122及び基準電極123の間に微弱な電流Icpを流し、酸素を第1測定室150から基準酸素室170内に送り込む。
Vp2印加回路56は、内側第2ポンピング電極133及び第2対極電極132の間に、被測定ガス中のNOx(具体的にはNO)が酸素とN
2 に分解する程度の一定電圧Vp2(例えば、450mV)を印加し、NOxを窒素と酸素に分解する。
Ip2検出回路55は、NOxの分解により生じた酸素がNOx測定室160から汲み出されるように第2ポンピングセル130(内側第2ポンピング電極133及び第2対極電極132の間)に流れる第2ポンピング電流Ip2を電圧変換して検出する。
【0024】
Ip1ドライブ回路52は、自身で検出した第1ポンピング電流Ip1の値を電圧変換してA/Dコンバータ65に出力する。また、Ip2検出回路55は、自身で検出した第2ポンピング電流Ip2の値を電圧変換してA/Dコンバータ65に出力する。
A/Dコンバータ65はこれらの値をデジタル変換し、信号入出力部64を介してCPU61に出力する。
【0025】
Rvs検出回路59aは、マイコン60の指示に応じて酸素濃度検出セル120に所定のタイミング毎に定電流を供給し又は供給を停止する制御を行い、定電流を供給したときの酸素濃度検出セル120の電圧変化量をマイコン60(A/Dコンバータ65)に出力する。
Rip2検出回路59bは、マイコン60の指示に応じて所定のタイミング毎に第2ポンピングセル130に一定のパルス状電圧を供給し又は供給を停止する制御を行い、パルス状電圧を供給したときの第2ポンピングセル130の電流変化量をマイコン60に出力する。
ここで、ガスセンサ素子の各セル120、130の内部抵抗(インピーダンス)が各セル120、130の温度に依存することから、これらインピーダンスを検出することで、各セル120、130の温度を測定することが可能である。そして、各セル120、130の出力変化量と、各セル120、130に供給した上記電流又は電圧とに基づき各セル120、130のインピーダンスの値を算出し、さらにインピーダンスの値と各セル120、130の温度の関係(例えばマップ)に基づき、各セル120、130の温度を算出する。
なお、Rvs検出回路59a及びマイクロコンピュータ60(のCPU61)が特許請求の範囲の「第1インピーダンス検出手段」に相当し、Rip2検出回路59b及びマイクロコンピュータ60(のCPU61)が特許請求の範囲の「第2インピーダンス検出手段」に相当する。又、酸素濃度検出セル120のインピーダンスが特許請求の範囲の「第1インピーダンス」に相当し、第2ポンピングセル130のインピーダンスが特許請求の範囲の「第2インピーダンス」に相当する。
【0026】
次に、制御回路58を用いたNOxセンサ10の制御の一例について説明する。まず、エンジンが始動されて外部電源から電力の供給を受けると、ヒータ通電回路57を介してヒータ164が作動し、第1ポンピングセル110、酸素濃度検出セル120、第2ポンピングセル130を活性化温度(目標温度)まで加熱する。又、Icp供給回路54は、検知電極122及び基準電極123の間に微弱な電流Icpを流し、酸素を第1測定室150から基準酸素室170内に送り込む。
【0027】
そして、各セル110〜130が活性化温度まで加熱されると、第1ポンピングセル110は、第1測定室150内の酸素濃度が所定の低酸素濃度になるように、酸素濃度検出セル120の出力を用いたフィードバック制御により、第1測定室150に流入した被測定ガス(排ガス)中の酸素を内側第1ポンピング電極113から第1対極電極112へ向かって汲み出したり、第1対極電極112側から内側第1ポンピング電極113に向かって酸素を汲み入れたりする。このとき、第1ポンピングセル110に流れる電流Ip1と酸素濃度の間には直線関係があるため、Ipドライブ回路52が第1ポンピング電流Ip1を検出することにより、被測定ガス中の酸素濃度を検出することができる。
【0028】
酸素濃度が調整された被測定ガスは第1測定室150からNOx測定室160に向かってさらに流れる。そして、Vp2印加回路56は、第2ポンピングセル130の電極間電圧(端子間電圧)として、被測定ガス中のNOxガスが酸素とNガスに分解する程度の一定電圧Vp2(例えば450mV)を印加し、NOxを窒素と酸素に分解する。そして、NOxの分解により生じた酸素がNOx測定室160から汲み出されるよう、第2ポンピングセル130に第2ポンピング電流Ip2が流れる。この際、第2ポンピング電流Ip2とNOx濃度の間には直線関係があるため、Ip2検出回路55が第2ポンピング電流Ip2を検出することにより、被測定ガス中のNOx濃度を検出することができる。
【0029】
次に、Rvs検出回路59aとヒータ通電回路57を用いたヒータ164の通電制御について説明する。なお、ヒータ通電回路57及びマイクロコンピュータ60(のCPU61)が特許請求の範囲の「ヒータ制御手段」に相当する。
まず、Rvs検出回路59aで測定した電圧変化量(差電圧)に基づき、CPU61で酸素濃度検出セル120のインピーダンスRpvsを算出し、このインピーダンスRpvsが目標値になるようにヒータ164の通電制御を実行する。これにより、酸素濃度検出セル120が目標温度に実質的に維持される。
なお、ヒータ164の通電制御処理は、インピーダンスRpvsが目標値になるように、例えばヒータ164への通電を行うためのデューティ比を算出するPWM制御(PWM通電)により行うことができる。
【0030】
次に、本発明の特徴部分である、第1ポンピングセル110及び第2ポンピングセル130の出力を補正する温度補償処理について説明する。なお、温度補償処理はマイコン60で行われるので、マイコン60が特許請求の範囲の「出力補正手段」に相当する。
【0031】
まず、温度補償処理の概念を図2に基づいて説明する。図2において、2つの曲線は、NOxセンサ素子100を保持する主体金具の温度をそれぞれ400℃、定常温度(150℃)に変化させたときの、NOxセンサ素子100の軸線O方向の温度分布をそれぞれ示す。NOxセンサ素子100は軸線O方向に細長いため、軸線O方向に沿って第1ポンピングセル110から第2ポンピングセル130に向かって低温となる温度勾配が生じる。さらに主体金具の温度(つまり、ガスセンサ外部の温度)が変化すると、NOxセンサ素子100から主体金具へ奪われる熱量も変化するため、温度勾配の度合が変化することがわかる。
ここで、酸素濃度検出セル120はヒータで一定の温度となるように温度制御されているため、主体金具の温度が変動してもほぼセル温度Tsが略一定に保たれており、各曲線は酸素濃度検出セル120の位置(セル温度Ts)でほぼ交差している。又、第1ポンピングセル110及び第2ポンピングセル130のセル温度をそれぞれT1,T2とする。なお、本発明においては、1つのセル(第1セル)の目標温度がヒータ164で制御されている必要がある。これは、図2、図3において、温度(インピーダンス)の値がほぼ一定となるセルがないと、第1セルのインピーダンスと第2セルのインピーダンスとの偏差を求めたときに、温度勾配の変動を精度よくつかむことができなくなるためである。
【0032】
図3に示すように、第1セル及び第2セル(本実施形態では酸素濃度検出セル120、第2ポンピングセル130)のインピーダンスをそれぞれ検出し、それらインピーダンスの偏差を用いてセル120、130間の温度勾配係数Kd(図2の各曲線に対応してそれぞれKd1,Kd2)を求め、残りの第3セル(本実施形態では第1ポンピングセル110)も同じ温度勾配Kdの直線上に位置すると近似すれば、第1ポンピングセル110の温度を温度勾配Kdから外挿法で推定することができる。具体的には、各セル120、130のインピーダンスからそれぞれ各セル120、130の温度Ts,T2を求め、直線の傾き(温度勾配係数)Kd(=(Ts−T2)/ΔXs2)を計算する。ここで、ΔXs2は、酸素濃度検出セル120と第2ポンピングセル130との間の軸線O方向の距離(具体的には、酸素濃度検出セル120の検出電極122の軸線O方向に沿った長さの中央位置から第2ポンピングセル130の内側第2ポンピング電極133の軸線O方向に沿った長さの中央位置までの距離)である。そして、酸素濃度検出セル120と第1ポンピングセル110との軸線O方向の距離ΔXs1(具体的には、酸素濃度検出セル120の検出電極122の軸線O方向に沿った長さの中央位置から第1ポンピングセル130の内側第1ポンピング電極113の軸線O方向に沿った長さの中央位置までの距離)と上記の温度勾配係数Kdとから、第1ポンピングセル110の温度補償量Tco(=T1−Ts)を求めることができる。なお、この方法は、上記曲線を正確に反映したものではないが、簡便で計算処理が容易となる。
【0033】
又、図2の曲線によるTs,T1,T2の関係を正確に反映したい場合には、予め、NOxセンサ素子の外部温度を変えたときの図2の曲線を多数測定しておく。そして、図4に示すように、セル温度Ts,T2から各セル120、130間の温度勾配係数Kdを求めると共に、このときの温度補償量Tcoの値を図2の曲線から読み取った実測値とする。そして、各温度勾配係数Kdに対し、Tcoの実測値を対応付けてテーブル(マップ)に記憶しておき、温度補償処理の際に温度勾配係数Kdを算出した後、テーブルから温度補償量Tcoを参照する。
図5は、温度勾配係数Kdと温度補償量Tcoとの関係を示すテーブルであり、このテーブルはROM63に格納しておくことができる。具体的には、テーブルには、NOxセンサ素子の温度を種々変化させたときのそれぞれの温度勾配係数Kdと温度補償量Tcoとの関係(主体金具の温度が400℃(図3の実線)のときの温度勾配係数Kd1に対し温度補償量Tco1、定常温度(150℃)(図3の破線)のときの温度勾配係数Kd2に対し温度補償量Tco2)が記憶されている。なお、図5では理解を容易にするために、2つの温度勾配係数Kdと温度補償量Tcoとの関係を示したテーブルを示しているが、温度補償を精度良く行うために、3つ以上の温度勾配係数Kdと温度補償量Tcoとの関係を示したテーブルを適用しても良いことは言うまでもない。
【0034】
次に、図6、図7を参照し、温度補償処理のフローについて説明する。図6は温度補償処理のメインルーチンであり、図7はこのメインルーチンで呼び出されるサブルーチンである。
図6において、所定時間Taが経過するまでメインルーチンの処理のタイミング待ちを行う(ステップS10)。ステップS10で「Yes」であれば、ステップS12に移行し、CPU61は第1ポンピングセル110の出力(第1ポンピング電流)Ip1を取得する。一方、ステップS10で「No」であれば、メインルーチンの最初に戻る。
【0035】
次に、CPU61は、図3で説明した温度勾配係数Kdと、ステップS12で取得したIp1とを用い、被測定ガス中の酸素濃度を算出する(ステップS14)。ここで、ROM63には予め温度勾配係数の初期値Kdfが記憶されており、NOxセンサ制御装置1の起動時には、ステップS14で初期値Kdfが読み出され、以後、サブルーチンで温度勾配係数Kdが更新される。ステップS14では、CPU61は、温度勾配係数Kd(Kdf)を読出した後、Kd(Kdf)とΔXs1とから温度補償量Tcoを算出し、Ip1ドライブ回路52を介して検出される第1ポンピング電流Ip1に温度補償量Tcoの情報を加味した電流値(補正後電流値)を真値(第1ポンピング電流の温度変動を考慮した値)として算出する。そして、この真値に基づいて温度補償された被測定ガス中の酸素濃度を算出する。なお、温度補償量T
CO に応じた第1ポンピング電流Ip1の変化量は、マップとして格納されていてもよく、両者の関係式(演算式)として設定されていてもよい。
【0036】
次に、CPU61は、第2ポンピングセル130の出力(第2ポンピング電流)Ip2を取得する(ステップS16)。そして、CPU61は、後述のサブルーチンで実施されるステップS116で算出された最新の第2インピーダンスRip2と、ステップS16で取得した第2ポンピング電流Ip2とを用い、NOx濃度を算出する(ステップS18)。つまり、ステップS18では、第2ポンピング電流Ip2に最新の第2インピーダンスRi2の情報を加味した電流値(補正後電流値)を真値として算出する。そして、この真値に基づいて温度補償されたNOx濃度を算出する。なお、第2インピーダンスRip2に応じた第2ポンピング電流Ip2の変化量は、マップとして格納されていてもよく、両者の関係式(演算式)として設定されていてもよい。
【0037】
次に、CPU61は、所定時間Tbが経過するまで温度勾配係数Kdの算出(更新)タイミング待ちを行う(ステップS20)。ステップS20で「Yes」であれば、ステップS100に移行し、温度勾配係数Kdの算出処理を行う(図7参照)。一方、ステップS20で「No」であれば、メインルーチンの最初に戻る。
そして、ステップS100で温度勾配係数Kdの算出処理が終了すると、CPU61は、上記したように酸素濃度検出セル120の第1インピーダンスRvsに基づくヒータ164の通電制御を行い(ステップS22)、メインルーチンの最初に戻る。
【0038】
以上のように、温度勾配係数Kdを用いることで、NOxセンサ素子の軸線O方向の温度勾配を打ち消し、第1ポンピングセル110の温度を反映した被測定ガス中の正確な酸素濃度を算出することができる(ステップS14)。
【0039】
次に、図7を参照してサブルーチンである温度勾配係数Kdの算出処理のフローについて説明する。
まず、CPU61の指示に応じ、Rvs検出回路59aは酸素濃度検出セル(Vsセル)120に定電流を供給し(ステップS102)、そのときの酸素濃度検出セル120の電圧変化量を検出する(ステップS104)。次いで、Rvs検出回路59aは、酸素濃度検出セル120への定電流の供給を停止し(ステップS106)、上記電圧変化量から酸素濃度検出セル120の第1インピーダンスRvsを算出する(ステップS108)。
また、CPU61の指示に応じ、Rip2検出回路59bは第2ポンピングセル130にパルス状電圧を供給し(ステップS110)、そのときの第2ポンピングセル130の電流変化量を検出する(ステップS112)。次いで、Rip2検出回路59bは、第2ポンピングセル130へのパルス状電圧の供給を停止し(ステップS114)、上記電流変化量から第2ポンピングセル130の第2インピーダンスRip2を算出する(ステップS116)。
そして、CPU61は、Rvs及びRip2に基づいてTs及びT2を求め、さらに温度勾配係数Kd(=(Ts−T2)/ΔXs2)を算出し、ROM63に記憶された温度勾配係数を更新する(ステップ118)。このようにして、本実施の形態では、ステップS14にて被測定ガス中の酸素濃度を算出するために必要な温度勾配係数Kdを随時更新していくのである。
【0040】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、上記実施形態では、酸素濃度検出セル120の温度をヒータ164を用いて目標温度に制御したが、第1ポンピングセル110又は第2ポンピングセル130の温度をヒータ164で目標温度に制御してもよい。つまり、第1ポンピングセル110又は第2ポンピングセル130のいずれかを本発明の「第1セル」に設定して、残った2つのセルのうちの一方を「第2セル」、他方を「第3セル」に設定するようにしてもよい。図8は、第2ポンピングセル130の温度をヒータ164で目標温度に制御したときの、温度勾配係数Kdと温度補償量Tcoの関係(算出方法)を示す。図8の例では、外部温度が変動しても第2ポンピングセル130のセル温度T2がほぼ一定に保たれており、このような関係のもと算出された温度勾配係数Kdを用いて第1ポンピングセル110の第1ポンピング電流Ip1を補正するようにしている。
【0041】
さらに、上記実施形態では、温度補償量Tcoを求めるために、温度勾配係数Kd(=(Ts−T2)/ΔXs2)を計算したが、TsとT2の間の温度変化を反映するパラメータであれば温度補償係数Kdに限られることはなく、例えば第1インピーダンスRvsと第2インピーダンスRip2との偏差を直接用いてもよい。
また、上記実施形態では、第2ポンピング電流Ip2の補正を最新の第2インピーダンスRip2を用いて行うようにしたが、第1ポンピング電流Ip1の補正と同様に、ステップS118で算出される温度勾配係数Kdを用いて、第2ポンピング電流Ip2の補正を行って当該電流Ip2の温度補償を行うようにして、NOx濃度を算出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 NOxセンサ制御装置
10 NOxセンサ
57,60 ヒータ制御手段(ヒータ通電回路、マイコン)
59a、60 第1インピーダンス検出手段(Rvs検出回路及びマイコン)
59b、60 第2インピーダンス検出手段(Rip2検出回路及びマイコン)
60 出力補正手段(マイコン)
100 NOxセンサ素子
110 第1ポンピングセル
120 第2ポンピングセル
130 酸素濃度検知セル
111、121、131 固体電解質体
150 第1測定室
160 NOx測定室
164 ヒータ
O 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
NOxセンサに接続されるNOxセンサ制御装置であって、
前記NOxセンサは、酸素イオン伝導性の固体電解質体及び一対の電極を有し、第1測定室に導入される被測定ガス中の酸素濃度に応じた出力を行う酸素濃度検出セルと、
酸素イオン電導性の固体電解質体及び一対の電極を有し、前記酸素濃度検出セルの出力が所定の値となるように、前記第1測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行って前記第1測定室内の酸素濃度を調整すると共に、被測定ガス中の酸素濃度に応じた出力が流れる第1ポンピングセルと、
酸素イオン伝導性の固体電解質体及び一対の電極を有し、前記第1測定室からNOx測定室に流入し酸素濃度が調整された被測定ガス中のNOx濃度に応じたポンピング電流が流れる第2ポンピングセルと、
ヒータと、を備えたNOxセンサ素子を有し、
前記NOxセンサ素子の軸線方向に沿う先端側から、前記第1ポンピングセル、前記酸素濃度検出セル、前記第2ポンピングセルが順に並び、
前記NOxセンサ制御装置は、
前記酸素濃度検出セル、前記第1ポンピングセル、前記第2ポンピングセルのうちの1つである第1セルの第1インピーダンスを検出する第1インピーダンス検出手段と、
前記第1セルの前記第1インピーダンスが目標値となるように前記ヒータを通電制御するヒータ制御手段と、
前記酸素濃度検出セル、前記第1ポンピングセル、前記第2ポンピングセルのうちの1つであり、且つ、前記第1セルとは異なる第2セルの第2インピーダンスを検出する第2インピーダンス検出手段と、
前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの偏差に基づき、少なくとも前記第1セル、前記第2セルとは異なる第3セルの出力を補正する出力補正手段と、を備える
NOxセンサ制御装置。
【請求項2】
前記第1セルは、前記酸素濃度検出セルである請求項1記載のNOxセンサ制御装置。
【請求項3】
前記出力補正手段は、前記偏差を用いて前記第1セルと前記2セルとの間の温度勾配係数を算出し、この温度勾配係数を用いて前記第3セルの出力を補正する請求項1または請求項2に記載のNOxセンサ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−177687(P2012−177687A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−18026(P2012−18026)
【出願日】平成24年1月31日(2012.1.31)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)