説明

PCウェル構造物の構築方法

【課題】 円周方向に隣接するプレキャストブロック間に相対的な位置ずれが生じ難く、接合部材を連結する作業を比較的迅速に実施することができるPCウェル構造物の構築方法を提供する。
【解決手段】 孤形状のプレキャストブロック10,30の複数を環状に配置する第一工程と、環状に配置したプレキャストブロックの上に更に複数のプレキャストブロックを環状に配置する第二工程と、第二工程を繰り返すことにより積み上げたプレキャストブロックを軸方向にPC鋼棒13で連結する第三工程と、プレキャストブロック同士を円周方向に連結する第四工程とを備え、第一工程及び第二工程では、各プレキャストブロックを位置決め手段により導いて所定位置に配置し、第四工程では、各プレキャストブロックの円周方向両端の内周及び外周に予め埋設された金属製板体17の先端を完全溶込み開先溶接により連結し、複数のプレキャストブロックを円周方向に連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PCウェル構造物の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市圏における交通の円滑化を図るため、交差点の立体化が進められている。都市圏における工事では、作業帯が狭く、急速施工が要求されるため、高架構造物の基礎を構築するためにPCウェル工法が採用されることがある。
【0003】
PCウェル工法は、最下端に配置される基準ブロックに刃口を取付け、基準ブロック上に環状プレキャストブロックを積み重ねてPC鋼棒で順次連結し、環状プレキャストブロック内の排土と環状プレキャストブロックの積み重ねとを繰り返しながらブロック積重体を地中に圧入し、支持基盤まで到達するPCウェル構造物を構築するものである。
【0004】
しかしながら、構築しようとするPCウェル構造物の直径が大きなものになると、これを構成する環状プレキャストブロックも大きくなるため、環状プレキャストブロックを生産工場から工事現場まで搬送することは、搬送上の制限により不可能である。また施工ヤードが狭小である場合には、環状プレキャストブロックを工事現場付近で製作することも不可能である。
【0005】
以上のような課題を解決するため、特許文献1では、円環が二以上に分割された形状の弧状プレキャストブロックを形成し、弧状プレキャストブロックの複数を接合部材で連結することに短円筒体を形成し、この短円筒体の複数を軸方向に連接して長尺筒状のPCウェル構造物を構築する方法を提案している。
そして、特許文献1では、接合部材が、弧状プレキャストブロックの両端部内側及び外側に表面を露出させた状態に埋設された平板状の埋設プレートからなり、隣接する弧状プレキャストブロックの両埋設プレートに平板状の連結プレートを掛け渡してそれぞれに接続させることにより、弧状プレキャストブロックどうしを連結している。
【特許文献1】特開2004−143785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のPCウェル構造物において、一対の埋設プレートに掛け渡した平板状の連結プレートは、その両端を隅肉溶接で埋設プレートに固定するものであるため、溶接量が比較的多くなり、溶接作業の手間が煩雑であった。
【0007】
以上のような現状を鑑みて本発明の課題は、円周方向に隣接するプレキャストブロック間に相対的な位置ずれが生じ難く、接合部材を連結する作業を比較的迅速に実施することができるPCウェル構造物の構築方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明では、短円筒体が径方向に複数に分割された形状のプレキャストブロックの複数を、先行して組み立てた刃口ブロックの上に環状に配置する第一工程と、先行して環状に配置されたプレキャストブロックの上に更に複数のプレキャストブロックを環状に配置する第二工程と、当該第二工程を繰り返すことにより環状配置で所定高さに積み上げられたプレキャストブロックを軸方向にPC鋼棒で連結する第三工程と、プレキャストブロック同士を円周方向に連結する第四工程とを備え、前記第一工程及び前記第二工程では、円周方向に隣り合うプレキャストブロック同士に生じる相対的な位置関係の誤差を抑制するため、各プレキャストブロックを位置決め手段により導いて所定位置に配置し、前記第四工程では、各プレキャストブロックの円周方向両端の内周及び外周に表面が露出するように予め埋設された金属製の板体の先端を対向させ、完全溶込み開先溶接により金属製板体同士を連結し、複数のプレキャストブロックを円周方向に連結することを特徴とするPCウェル構造物の構築方法が提供される。
【0009】
ここで、前記位置決め手段は、棒状部材と、プレキャストブロックの所定位置に設けた貫通孔とから構成することが可能であり、前記第二工程では、先行して組み立てられた所定の短円筒体上に前記棒状部材を立設し、プレキャストブロックの貫通孔に前記棒状部材を挿通させながら所定位置に配置し、プレキャストブロックからなる短円筒体を所定数だけ積み重ねた後に、棒状部材を抜き取るようにしても良い。前記貫通孔は、その内径を前記棒状部材の外径よりも大きく形成し、これら内径と外径の差を3.0mm以下にすることが好ましい。
【0010】
また前記位置決め手段は、ダボ部材と、プレキャストブロックの所定位置に設けたダボ孔とから構成することが可能であり、前記第二工程では、先行して組み立てられた短円筒体上のダボ孔にダボ部材を挿入して表面から突出させ、当該ダボ部材に上方からプレキャストブロックのダボ孔を環装させるようにしても良い。前記ダボ孔は、その内径をダボ部材の外径よりも大きく形成し、これら内径と外径の差を3.0mm以下にすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のPCウェル構造物の構築方法では、短円筒体を径方向に複数に分割して弧形状に形成したプレキャストコンクリートブロックを使用し、各プレキャストブロックを位置決め手段により高い精度で所定位置に設置するものであるため、円周方向に隣り合うプレキャストブロック間の相対的な位置関係の誤差を抑制することが可能になった。これにより、プレキャストブロックの円周方向両端の内周及び外周に予め設けた金属製板体の先端同士にも、相対的な配置誤差がほとんど発生せず、したがって、従来は位置ずれなどにより困難であった、金属製板体同士の完全溶込み開先溶接による連結が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
本発明のPCウェル構造物の構築方法では、短円筒体が径方向に複数に分割された形状のプレキャストコンクリートブロックを使用する。図1(a)はプレキャストブロック10の平面図、図1(b)はプレキャストブロック10を内周側から見た立面図であり、また図1(c)はプレキャストブロック30の平面図、図1(d)はプレキャストブロック30を内周側から見た立面図である。なお、本発明の実施形態では、短円筒体を径方向に三つに分割したプレキャストブロックを例示するが、幾つに分割するかは、施工条件に応じて任意に選択可能である。
プレキャストブロック10,30には、鉛直鉄筋11(図3(c)参照)を建て込むための複数のシース管12、及びPC鋼棒13(図3(c)参照)を建て込むための複数のシース管14がそれぞれ鉛直方向に埋設され、プレキャストブロック10,30の円周方向端部には凹部15が形成されている。シース管12,14は、その内径が、それぞれ鉛直鉄筋11及びPC鋼棒13の外径よりも比較的大きなものが使用される。これは、鉛直鉄筋11及びPC鋼棒13をシース管12,14に挿入し易くするためである。したがって、シース管12,14に鉛直鉄筋11及びPC鋼棒13を挿入するだけでは、プレキャストブロック10,30を所定位置に高精度で位置決めすることはできない。
ここで、図2(a)はプレキャストブロック10,30を円周方向端部で接合したときの断面図であり、これに示したように、プレキャストブロック10,30の内側及び外側の円周方向には帯筋16が埋設され、帯筋16の端部16aに金属製の板体17が取り付けられている。この金属製板体17は、プレキャストブロックの生産工場で予めフレア溶接等により一体に取り付けられるものである。
プレキャストブロック10の上下面には、例えば、図1(a)(b)に示したようにダボ孔18a,18bが形成され、またプレキャストブロック30には、図1(c)(d)に示したように貫通孔31が形成される。プレキャストブロック10とプレキャストブロック30は、これらダボ孔18a,18bと貫通孔31とが異なるものの、これ以外の他の構成は共通する。ダボ孔18a,18bと貫通孔31は、所定長に切断された一般構造用鋼管をコンクリート中に埋設して形成することができる。
ダボ孔18a,18bには、図4(e)に示したようにダボ19が挿入され、このダボ19はテーパ19aと円柱部19bとを有するものである。ダボ19は、ダボ孔18aに挿入されたとき、円柱部19bの上端が僅かにダボ孔18aから上方に出ている。円柱部19bとダボ孔18a,18bとの間にはほとんど隙間がないことが好ましく、例えば、ダボ孔18a,18bの内径とダボ19の円柱部19bの外径との差は3.0mm程度以下にすることが好ましい。
また貫通孔31は、後述する丸鋼棒32を挿入するものであり、同様に、貫通孔31の内径と丸鋼棒の外径との差は3.0mm程度以下にすることが好ましい。
なお、図1(a)(b)及び図2(a)には、プレキャストブロック10,30の円周方向の端面が平らに形成されたものを例示したが、図2(b)の断面図のプレキャストブロック40のように、一方の円周方向の端面に凸接合部41を形成し、他方の円周方向の端面に凹接合部42を形成し、相互に嵌合可能なせん断キーとしても良い。
【0014】
次に、PCウェル構造物の構築方法について説明する。
最初に、下端に刃口を有する環状の刃口ブロック(図示せず)を所定位置に設ける。刃口ブロックは場所打ち施工により構築するか、又は工場等により分割して製作されたものを施工現場で組み立てて構築する。このように構築した刃口ブロックの上にプレキャストブロック10,30を環状に配置し、これを所定段数積み上げることにより、PCウェル構造物を構築する。
ここで、図3(a)〜(d)は、先行ロットの上にプレキャストブロック10,30を環状に配置し、これを積み重ねて所定段からなる一ロット分を形成する工程を斜視図で示したものである。このプレキャストブロック10,30を一ロット分、積み重ねる工程は、刃口ブロックの上においても同様に実施されるものであるため、以下、図3(a)〜(d)、図4、図5−1及び図5−2を参照して、本発明の請求項1に記載した第一工程から第四工程について説明する。
また以下の説明では、プレキャストブロック10,30と併記するが、PCウェル構造物は、全てプレキャストブロック10から構成するか、あるいは全てプレキャストブロック30から構成するものである。
【0015】
先行して構築した刃口ブロック又は先行ロットの上面には、鉛直鉄筋11及びPC鋼棒13を連結するための継手20を設ける。図3(a)(b)では理解し易くするために一部の継手20のみを示したが、鉛直鉄筋のための継手20は、環状に配置されたプレキャストブロック10,30の内周及び外周の全長に設け、それら内周及び外周の継手間にPC鋼棒13のための継手(図示せず)を円周方向全長に設ける。これら継手20に連結することより、鉛直鉄筋11及びPC鋼棒13を環状配置のプレキャストブロック10,30の円周方向全長に突出した状態で設置する。
さらに、先行ロットがプレキャストブロック10で構成される場合には、図4(b)(e)に示したように、ダボ孔18aにダボ19を挿入し、一方、先行ロットがプレキャストブロック30で構成される場合には、図5−1(a)に示したように、貫通孔31に丸鋼棒32を挿入して立設する。
【0016】
次に、先行ロットのプレキャストブロック10,30の表面に接着剤を塗布し、プレキャストブロック10,30をクレーン車等の重機により吊り上げて、図3(b)に示したように鉛直鉄筋11及びPC鋼棒13をそれぞれシース管12,14に挿通させる。
このとき、先行ロットがプレキャストブロック30で構成される場合には、図5−1(b)に示したように丸鋼棒32を貫通孔31に挿入するようにプレキャストブロック30を吊り降ろす。シース管12,14とそれぞれ鉛直鉄筋11及びPC鋼棒13との間には比較的大きな隙間があるが、貫通孔31と丸鋼棒32との間には図5−1(c)に示したように、ほとんど隙間がなく、上方から吊り下ろされるプレキャストブロック10,30は、これら貫通孔31と丸鋼棒32により導かれて、所望の位置から外れず、ほとんど誤差なく設置される。
一方、先行ロットがプレキャストブロック10で構成される場合、図4(c)(d)に示したように、ダボ孔18bがダボ19に環装されるように、プレキャストブロック10を吊り降ろす。図4(e)に示したように、ダボ孔18a,18bとダボ19の円柱部19bとの間にはほとんど隙間がない一方で、ダボ19のテーパ19a先端とダボ孔18bとの間には若干の隙間があるため、上方から吊り降ろされたプレキャストブロック10は、その下面のダボ孔18bが比較的容易にテーパ19aの先端に環装され、ダボ孔18bがテーパ19aに導かれて、プレキャストブロック10は所望の位置から外れず、ほとんど誤差なく設置される。
したがって、隣り合うプレキャストブロック10,30の円周方向の端部に取り付けられた金属製板体17は、隣り合うもの同士がほとんど隙間なく突き合わされる。
同様に、プレキャストブロック10,30を重機で吊り上げて、先に設置したプレキャストブロック10,30の円周方向の両端にそれぞれ隣接するように、プレキャストブロック10,30を吊り降ろす工程を繰り返し、3つのプレキャストブロック10,30からなる短円筒体を形成する。そして、この短円筒体の上面に接着剤を塗布し、同様に、プレキャストブロック10,30をクレーン車等の重機により吊り上げて、3つのプレキャストブロック10,30からなる短円筒体を、例えば、図3(c)に示したように4段に積み重ねる。
【0017】
以上のように一ロット分のプレキャストブロック10,30を積み上げ終えたら、PC鋼棒13の上端に緊張ジャッキ(図示せず)を取り付けて、PC鋼棒13に緊張力を導入する。全てのPC鋼棒13に緊張力を導入し終わったら、4段に積み重ねたプレキャストブロック10,30は鉛直方向に一体化される。
次に、図3(c)及び図2(a)に示したように、円周方向に隣り合うプレキャストブロック10,30の端部にそれぞれ取り付けられた金属製板体17を溶接により一体化する。このとき、隣り合う金属製板体17は、図6(a)の拡大図に示したように、先端辺同士がほとんど当接した状態で向き合っており、先端辺の裏側に裏当て金物23を点溶接した後に、鋼板完全溶込み開先溶接により連結する。この溶接部分24は、のど厚24aが金属製板体17の厚さとほぼ同じであり、隅肉溶接に比べて溶接量は極めて少ないものになる。参考までに、隅肉溶接による従来例を図6(b)に示したが、これは、帯筋40に取り付けられた一対の埋設プレート41に連結プレート42を掛け渡し、連結プレート42の両端を隅肉溶接43で埋設プレート41に固定するものであるが、隅肉溶接43では、のど厚43aを図示のように取るものであるため、図6(a)の本発明のものと比べると、溶接量が多くなり(溶接サイズ1.4倍、溶接長2倍)、溶接作業の手間が煩雑になってしまう。
一ロット分の全てのプレキャストブロック10,30で金属製板体17同士の溶接工程が終了したら、プレキャストブロック30を使用している場合には、図5−2(e)に示したように、クレーン等により丸鋼棒32を貫通孔31から抜き取る。
そして、図3(d)に示したように、円周方向に隣り合うプレキャストブロック10,30同士の接合部の凹部15を覆うように型枠プレート21を取り付けて、この凹部15に無収縮モルタル等のグラウト22を充填する。また鉛直鉄筋11が建て込まれたシース管12や、PC鋼棒13が建て込まれたシース管14にそれぞれ無収縮モルタル等のグラウト(図示せず)を充填し、さらに、図5−2(d)(f)に示したように、貫通孔31にそれぞれ無収縮モルタル等のグラウト33を充填すれば、一ロット分のプレキャストブロック10,30を積み重ねて一体化する工程は終了する。
【0018】
以上のようにして、一ロット分のプレキャストブロック10,30を刃口ブロックの上に積み重ねて一体化したら、刃口ブロック内を掘削して地盤内に圧入する。そして、さらに一ロット分のプレキャストブロック10,30を先行ロットの上に構築し、地盤を掘削して圧入する工程を所定回繰り返すことにより、支持地盤に到達するPCウェル構造物を構築することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)はプレキャストブロックの平面図、(b)はその立面図である。(c)(d)は、それぞれ(a)(b)とは異なる形態のプレキャストブロックの平面図及び立面図である。
【図2】(a)はプレキャストブロックを円周方向端部で接合したときの断面図であり、(b)は(a)とは異なる形態のプレキャストブロックを接合した断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、先行ロットの上にプレキャストブロックを環状に配置し、これを積み重ねて所定段からなる一ロット分を形成する工程を斜視図で示したものである。
【図4】図1(a)のプレキャストブロックを積み重ねる際の位置決め手段について説明するための図である。
【図5−1】図1(c)のプレキャストブロックを積み重ねる際の位置決め手段について説明するための図である。
【図5−2】図1(c)のプレキャストブロックを積み重ねる際の位置決め手段について説明するための図である。
【図6】(a)は本発明における隣り合うプレキャストブロックの金属性板体どうしを鋼板完全溶込み開先溶接により連結する工程を説明するため、帯筋、金属性板体、裏当て金物、溶接部のみを示した断面図であり、(b)は隅肉溶接による従来例を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0020】
10 プレキャストブロック
11 鉛直鉄筋
12 シース管
13 PC鋼棒
14 シース管
15 凹部
16 帯筋
17 金属製の板体
18a,18b ダボ孔(位置決め手段)
19 ダボ(位置決め手段)
30 プレキャストブロック
31 貫通孔(位置決め手段)
32 丸鋼棒(位置決め手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
短円筒体が径方向に複数に分割された形状のプレキャストブロックの複数を、先行して組み立てた刃口ブロックの上に環状に配置する第一工程と、先行して環状に配置されたプレキャストブロックの上に更に複数のプレキャストブロックを環状に配置する第二工程と、当該第二工程を繰り返すことにより環状配置で所定高さに積み上げられたプレキャストブロックを軸方向にPC鋼棒で連結する第三工程と、プレキャストブロック同士を円周方向に連結する第四工程とを備え、
前記第一工程及び前記第二工程では、円周方向に隣り合うプレキャストブロック同士に生じる相対的な位置関係の誤差を抑制するため、各プレキャストブロックを位置決め手段により導いて所定位置に配置し、
前記第四工程では、各プレキャストブロックの円周方向両端の内周及び外周に表面が露出するように予め設けられた金属製の板体の先端を対向させ、完全溶込み開先溶接により金属製板体同士を連結し、複数のプレキャストブロックを円周方向に連結することを特徴とするPCウェル構造物の構築方法。
【請求項2】
前記位置決め手段が、棒状部材と、プレキャストブロックの所定位置に設けられた貫通孔とを含み、
前記第二工程では、先行して組み立てられた所定の短円筒体上に前記棒状部材を立設し、プレキャストブロックの貫通孔に前記棒状部材を挿通させながら所定位置に配置し、プレキャストブロックからなる短円筒体を所定数だけ積み重ねた後に、棒状部材を抜き取ることを特徴とする請求項1に記載のPCウェル構造物の構築方法。
【請求項3】
前記貫通孔の内径は前記棒状部材の外径よりも大きく、相互の差が3.0mm以下に形成されるものである請求項2に記載のPCウェル構造物の構築方法。
【請求項4】
前記位置決め手段が、ダボ部材と、プレキャストブロックの所定位置に設けられたダボ孔とを含み、
前記第二工程では、先行して組み立てられた短円筒体上のダボ孔にダボ部材を挿入して表面から突出させ、当該ダボ部材に上方からプレキャストブロックのダボ孔を環装させることを特徴とする請求項1に記載のPCウェル構造物の構築方法。
【請求項5】
前記ダボ孔の内径はダボ部材の外径よりも大きく、相互の差が3.0mm以下に形成されたものである請求項4に記載のPCウェル構造物の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−7831(P2009−7831A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170277(P2007−170277)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(303057365)株式会社間組 (138)